休みを取らない為に溜まりに溜まった有給休暇を使い、キューカ島に向かった。そうしたのは、そこが海軍の人達が多く集まるある意味平和な島だからだったりする。
休みなんか貰ったとしても眠れないのだから同じ事だと拒んでも許して貰えなかったのだ。それにより、必死で考えた末に選んだのがこの島だった。
どの道眠れないなら、行くと言っても叱られなくて休みっぽい島に行きたかったのよね。まだ1度も行った事なかったし、ついでに測量とかしようかなと、そう思ってウキウキしながら船に乗り込んだ。
小船で偉大なる航路を移動するとは流石は大佐なんて島から声が聞こえたけど、何かおかしいのかな?本当なら大将になれるチャンスが何度もあったのに拒み続けてるガープさんとか見てると、私の存在の何とちっぽけな事かと思い知らされている。
先日18歳になった私としては、そろそろルフィが島を出発した頃かなって思ってたりする。そうなると、これからバタバタする事になるから、楽しめるのは今の内だけよねなんてそんな事を考えてしまうのよね。
ルフィと合流して航海士をやるべきなのかな。そうしないとルフィ達は漂流してしまうもの。
でも、エースの事があるから、叶うならそれまでは海軍に所属して……インペルダウンから逃がすとかしたいなって思うのよね。無理なら……大将に勝てはしなくても、あの1瞬をこの命を犠牲にすればなんとか……。
心に傷は出来たとしても、エースを亡くすよりは少ない傷で済むと思うし、私が誰なのかを今なら分からないままに居られる可能性だってある。あれから……10年もの時が流れたのだから。そんな事を考えながら大地に足をつけた時、私の乗っていた船が突然沈んだ。
何事かと思ったら、悪戯に成功したとでも言わんばかりの顔でこちらを見ている1人の男が見えた。ゆったりとした足取りで近付いてくるその男は……トレドマークの髪を風に靡かせている。
この人相手では、どうやって船を沈めたのかなんて聞くまでもない。聞いても理解できないかもしれないし。
「可愛い海兵さん、久しぶりだな」
「シャンクス……」
思わず泣きそうになる私に、シャンクスは笑う。昔と変わらない様子で、軽く手を広げたシャンクスに私は何も考えずに飛び込んだ。
それを嬉しそうに抱き締めてくれるその温もりに甘えるように擦り寄れば、相変わらず猫みたいだなとシャンクスは笑う。それに私も笑いながら、会いたかったと呟くと私を抱く腕に力が強く入ったのが分かる。
「……海兵になったのか」
「えぇ、内勤専門だけど」
「道理で将校なのに情報がない訳だな。……ナミはこれからも海兵として生きるつもりなのか?」
シャンクスは私をそっと手放したと思ったら流れるような動作で、ひょいっと抱き上げて歩き出す。でも、それは色々不味いので降ろしてと言ってみるけど聞いてくれる様子は無い。
「シャンクス、下ろして!私海兵なのよ。海賊に抱き上げられてるとか不味いの!」
「なら、顔隠してろ」
「どうやって!?クリマタクト使えないのに!」
「俺に抱きついてりゃ見えないだろ。にしても、アレまだ使ってんのか。……待てよ、アレで姿消せるのか?」
不思議そうな声で言われるから、素直に頷く。敵になら言わないけど、相手はシャンクスだし。
「うん。空気捻じ曲げて幻見せたり、姿消す位なら出来るわよ。使うチャンスなんて中々無いけど、私力ないから頭使わないとすぐに殺されちゃうじゃない?」
「いや、戦う力だけならそれなりにある筈なんだが、ナミは甘いからなァ」
そんな事を言いながらも私が人に見られる事を気にしていたからか、シャンクスは近くの宿に部屋を取ってくれるようすだ。なのでとりあえず言われたままに、他の人に顔を見られないようにシャンクスに抱き着く。
それに対して、シャンクスが小さく笑う気配を感じる。シャンクスは昔から私を抱いて移動するの好きよねなんて、そんな事を思う。
部屋に入ると同時に降ろしてくれたので、窓の前に用意されているテーブルセットに近付いてそこに座ると先程の問いに答えた。答え忘れてた事に気付いたのだ。
「この先の事は、今悩んでたのよ」
「……海軍辞めて、実家に帰る予定とかか?」
「うーん、近いんだけどね。ルフィを1人にも出来ないから、ルフィの所に行こうかなとか……。でもやっぱりこのままもう少し海兵続けて、ルフィやエースに何かあった時助けてから辞めるかって考え」
言葉の途中でシャンクスの唇が私の唇を塞いだ。それに気が付くのが遅くなってしまって、深くまで口内を蹂躙されてから状況把握した私は遅れて抵抗する。
でも、シャンクスはビクともしなくて当然のように私は貪られてしまう。1瞬離れた唇のその間に呼吸を整えていたら、整う前に角度を変えて重ねられるそれに、くぐもった声が抵抗の声の代わりにもれる。
そして、目の前が白くなりかけている状態になった私を、シャンクスはベッドへ運び覆い被さってくる。意味が分からなくて、咄嗟にクリマタクトを掴むとそれをシャンクスは簡単に弾いてベッドに抑え込まれてしまう。
「シャンクス!何考えて……!」
「実家に帰るなら、許してやれた」
「シャンクス……?」
なんだろう、いつもと雰囲気が違う。なんでこんなに苦しそうなんだろう。
「海軍に所属するんでも、たまにこうして会えるなら、それもまた許してやろうと思った」
「シャンクス、どうしたの?」
「だが……ナミが弟だと言い張っても血の繋がりはねェし、力も……もうナミを抑え込める程度にはついただろう。そんな危険物達の元に、行かせるつもりはねェ」
シャンクスは私の問い掛けに応える事なく、そう言って当然のように服を脱がせ始める。その段になってシャンクスが何をしようとしてるのかを理解して、慌てて逃げようとするけど殆ど何も出来ない。
それだけの力の差がある。男と女だからなんて、そんな物じゃない……!
嫌だと、泣きそうな気持ちでシャンクスを見ても、シャンクスはその動きを辞めてはくれない。だから、言葉で抵抗する。
嫌がってると伝われば、言葉を向ければ辞めてくれるんじゃないかって……必死に声を出す。シャンクスは、優しいから辞めてくれる筈よ。
「やだ!シャンクス、辞めて!」
「ルフィもエースも、ナミがそう言った所で辞めないだろうな」
「そもそもこんな事して来ないわよ!弟だもの!」
「……なら、俺は?」
何を、言ってるの?
シャンクスは、シャンクスでしょ?
「え?」
「ナミにとっての俺は?」
真剣な様子のそれに、私は息を詰まらせる。なんと答えたら辞めてくれるのだろうか。
素直にシャンクスとか言っても、辞めてくれないのは何となくわかる。だから、少し考えて見るけど答えなんて限られてる。
「シャンクスは、師匠で、兄のような……「兄貴は妹に欲情しねェよ。ほら、役立たねェ」」
そう言って私の着ているスーツの前を全開にしたシャンクスは舐めるように私の体を見てくる。欲望にその瞳をギラつかせている様子に、私は初めてシャンクスを怖いと思った。
でも、短剣で攻撃なんて出来なくて……大切な人だから、傷付けるなんて出来なくて、録な抵抗も出来ない。シャンクスに襲われているのに、シャンクスに助けを求めるくらい混乱している私に、海賊の顔でシャンクスは嗤う。
「ナミ、初めてか」
「んっ……!や、だ……助け、シャンクス……」
「……優しくしてやるから、いい子に身を委ねろ」
言葉と共に中途半端に脱がされた私をシャンクスは弄ぶように高めて来る。中途半端にでも衣服を身に付けているから、逃げようとすると脱げそうになり、自分から脱いでくれるのかなんて言われると動きが取れなくなる。
そして、中途半端なそれにより動きが阻害されている間に、シャンクスの指が中に埋め込まれた。その異物感に首を振ってシャンクスに叫ぶように言う。
「やだぁー!抜いて、やだ!」
「……狭いな。こんな事、他の誰にもされてないようで「シャンクスに関係ないでしょ!?もう、辞めて!」」
キッと睨み付けた瞬間、シャンクスの顔から表情が無くなり、そっと指が抜かれた。それに辞めてくれる気になったのだと思いホッと息を吐いた瞬間、シャンクスそのものが私を容赦無く穿いてきた。
衝撃と痛みで1瞬呼吸さえ出来なくなった私をシャンクスは抱き起こすと、背中に腕を回して強く腕で私背を押す。その衝撃で呼吸が出来るようになったけど、私はシャンクスに跨っている状態になっていて……。
「ゃ……!もう、抜いて……!」
「自分で抜いてみろよ。俺は、入っていたい」
耳元で囁かれて、中で脈動するのを感じながら私は必死で足に力を入れて抜こうと腰を持ち上げた。けど、それにより擦れる内壁に、その刺激に力が抜けそうになる。
それをシャンクスは楽しそうに眺めてから後少しの所で私の足を掴むと、それを払うようにして私の体を重力でシャンクスに落として来る。想定外の刺激に油断していた衝撃に悲鳴が迸る。
「いやぁあァああアああああアあああァああぁぁぁ!」
「くっ……締まる……!ナミ、出すぞっ!」
最奥まで貫かれて突き上げられた体は、悲鳴以外何も音には出来ない。辞めて欲しくて首を横に振ってもシャンクスは当然のように中に欲望を放って来る。
中に熱いものが広がるのを感じながら、目の前が白くなるのをどうにも出来ずに体を震わせれば、シャンクスが嬉しそうに笑った気がした。それを確認する余裕は無いけれど。
力の抜けた体が崩れ落ちるのを支えたシャンクスは、私に問い掛けてくる。それは、最初の問い掛けと同じもので。
「ナミは、これからどうするつもりだ?」
「……っ!……ス、は……」
「ん?」
「シャンクスは、どうして欲しいの?」
「……俺の船に乗って欲しいと思ってる」
私の問い掛けに答えてくれたシャンクスを睨み、私は行為が終わったと判断してベッドの上を這うように移動しながら、それを引き抜いて答える。突然意味も分からないままにこんな事になった混乱もあって、私は絶対にシャンクスの望むようにはしないと決めていた。
「私は、海軍に残って、ルフィやエースに何かあった時それを助けるわ。その為に死ぬ事になっても、構わないと思ってる」
答えた瞬間、シャンクスの気配が変わった。それは、触れてはいけない獰猛な獣のようで、例えるならば……無理、動物になんて例えられない。
そう、魔王とかそんな感じで……。全身から血の気が引くような思いがする。
体が、小刻みに震える。……逃げなきゃ……!
そう思ってシャンクスに背を向けた瞬間に背後から貫かれ、私の体は悲鳴を迸らせる。衝撃と恐怖と快楽が混ざり、胸が張り裂けそうな痛みを覚える。
体よりも、心が痛い。どうして、シャンクス……!
「やァぁ……!シャンクス、ベック、助けて……」
「……次に他の男の名を呼んだら、そいつの前でナミを抱くぞ」
「シャン……クス……?」
「……海軍に残れるものなら、残ってみろよ。
「シャンクス……」
「本気の俺から、逃げられるものなら逃げて、海兵続けてみろ。……逃げられたとしても、迎えに行ってやる」
言葉の途中で腰を強く抑えられて激しいピストン運動が始まれば、言葉なんてもう口に出来ない。ただ、声だけは抑えてやると決めて、必死で押し殺せば背後から私を犯すシャンクスが、いつまで耐えられるかと嗤う声が聞こえる。
「海賊に囚われた女海兵がどうなるか、そんなもの、考える迄もねェよな。だが、それを望んだのはナミだ。……俺は、海賊で、ナミは海兵。四皇から新米将校が逃げられると思うなら、逃げてみろ……」
肌のぶつかる音と、卑猥な水の音、互いの息遣いだけがその後は部屋に響く。時折シャンクスがその中で私に何かを言うけど、それに答えられるだけの体力も気力もない。
意識を失い、目覚めればそこは懐かしくさえ思えるシャンクスの私室で……繋がれている訳でもなく、ただ寝かされていたと知る。身体中の痛みと倦怠感はあるけど、武器も近くに纏めて置かれているし、正義のマントも畳まれている。
治療用のバスローブみたいなものを着ている所を見ると、船医さんが治療してくれたのだろうか。シャンクスのやりたい事が分からなくて、何故こんな事にと涙が勝手に流れ出るのを慌てて拭おうとしたらそれを止められてしまう。
いつの間にこの部屋に居たのか。その犯人を見れば、苦しそうに私を真っ直ぐに見つめていた。
そして、唇を動かす。その声と瞳は何故か哀しみを宿していて……。
「泣くほど、嫌か?」
「……!あたり、前でしょ!?私は、弟を見捨てるなんて「ナミは、家族に甘過ぎる」」
遮られた言葉に黙る私。そんな私に、シャンクスは言う。
「俺の傍に居ると言えよ。そうしたら、大切にしてやれる。拒むなら、
「私は、シャンクスの事がずっと大切だったわ。でも、突然こんな事されて、笑って許せる筈無いじゃない!シャンクスなんか……っ!」
その先は、言葉に出来ない。嫌いだと、大嫌いだと言ってやりたいのに……そんな言葉1つ口に出来ないくらい、私はシャンクスが大切なのだと思い知らされる。
「シャンクス、なんか……!」
詰まる言葉の代わりに涙が溢れ出して、膝から崩れ落ちる。解放されていた腕で自らの身を強く抱きしめて、震える事しか出来ない。
そんな私をシャンクスは苦しそうに見て、静かに息を吐き出した。それに、体がビクリと震える。
怒ってるのとは、何か違う。でも、ただ悲しんでるのとも違う。
「……ナミがどう決断しても変わらない事がある。ナミはこの船から、この先1生降ろさねェ」
「やだ!シャンクス!」
「……俺は、ナミを愛してる。俺しか見えなくなって、俺にだけ依存してくれると、ありがたい」
そう言って涙を流し続ける私を、シャンクスは当然のように組み敷く。それに抵抗しても、逃げようとしてもシャンクスは辞めてはくれなくて……繰り返される抱かれるだけの日々が始まった。
私が死なないように、治療はされてる。食事も、紙やペンだって用意してくれる。
シャンクスから逃げようとさえしなければ、抱かれる事を拒まなければ優しくしてくれる。でも、私は人形じゃない。
シャンクスの考えと気持ちが、見えない。皆の所に帰りたい。
「ルフィ……エース……」
助けに、行きたいのに。逃げ出す事も出来ない。
「弟の前で抱かれたいのか」
「シャンクス……」
「泣くほど、恋しいか?」
「っ!シャンクスには、関係ない!私の心にまで立ち入ろうとしないで!シャンクスは、この体だけが目当てでしょ!?」
その刹那、暴力としか呼べないような抱き方で、突然犯されて私は悲鳴をあげる。そんな様子に時々ベックや、ヤソップがシャンクスを叱る声が聞こえるけど、解決には結び付いていない。
どうして、シャンクス……。聞く事さえ出来ない問いが脳内で繰り返される。
それなのに、嫌う事も出来ない私は、なんて弱いのか。大好きだったのよ……だから、苦しいの。
大切であるが故に壊してでも傍にと願う男と、大切であるが故に心をすり減らすしか出来ない女。2人がこの先、完全に壊れるより早く向き合えたかは……この話を目撃した貴方の心次第。