※この作品はR-18です。

崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話   作:アルテマ

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↓今回書いた話が書いてて面白いとこなかったので何とはなしにリアルのfgo話

今年の正月福袋にて


妹「アビちゃんこいやオラァ!!」←去年の11月スタートしてリセマラ断念し星5なし


作者「いや、闇鍋だから一点狙いはまずいぞ」


<フフ、ソワカソワカ


作者「ブフォォ!!」


妹「ふざけるな!ふざけるな!!バカやろぉおおお!!」


ちなみに私はこれまでの福袋でメルト以外は全員ロリ鯖引いてる名誉ロリコンマスター(妹保障)です()




現状整理

「おはようございますオーナー!」

 

 

「……うん、おはよう」

 

 

 どう見ても年上の女性から敬語を用いた挨拶をされ、それに至って普通に返している自分に最早慣れてしまったのだろうな、なんて思いつつ真新しい壁紙と絨毯で囲まれた廊下を歩む。 

 程なくしてたどり着いた目的地の部屋のドアノブを開けようとし、ふと視線を上げて部屋のネームプレートへと視線を向ける。『The owner』と簡素に書かれたそれを見て、未だにこの部屋が僕自身の部屋と信じられない思いの方が強い。 

 慣れてこそいるにはいるが、未だに実感が沸かないということにおいてはまた別問題であった。

 

 

 まあ、ここでそのことに悩んでも仕方がないと1つため息をついてドアノブを回す手に力を込める。 

 部屋の内装は至ってシンプルであり、壁際に箪笥や棚、中央に向かい合うソファとそれらに挟まれたテーブル、そして入り口からくる人物に威厳を見せつけるかのような配置取りをした最奥に佇む机。 

 あからさまにアニメやゲームでみるような社長室の内装に、何度目になるのかわからないため息を吐く。

 

 

「……なーんでこうなったのかねぇ……」

 

 

 17歳にして考えたことこそあれど、ハッキリと将来について考えてなかった身で社会的地位を得たことに遠い目になりながら、僕はひと月前の出来事に思いを馳せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの迷子の少女を助けた後、僕とジャンヌは東京への道中の時と同じようにホテルへと泊まり夜を凌いだ。(ジャンヌに洗脳されて絞りとられるまでがセット) 

 その翌日はどうにか職を得ることが出来ないかと辺りをうろつき情報を得ようとしていた時、またも迷子となっている子どもがいたのだ。

 

 

 昨日の時と同様、放っておくことは出来なかったのでジャンヌと共に親を探すことになったのだが、昨日の時のように運良くその親と出会うなんてことはなく、寧ろまた別の迷子を見つけてしまうなんてことを何度か繰り返した。

 

 

 集団で、それも子どもたちだけが集まるなんてことになれば、感情が周りに伝播し感化しやすくなる。喜び等のポジティブな感情であればよいことではあるのだが、子どもたち全員が保護者からはぐれてしまった子たちなのだ。 

 1人不安が抑えられなくなり泣きだすと、感染するかのように不安とネガティブな感情は伝播していく。 

 気づけばあっという間に不安が高まり、ここまでの道中で集めた子どもたちは泣いて立ち止まってしまった。

 

 

 僕は比較的コミュニケーションの取れてた子を宥めるようにして言葉をかけてみるが、何人もの不安が伝染している状況では焼け石に水にしかならず、子どもたちは泣き続けるばかりであった。

 

 

 どうすればいいのかとオロオロしているなか、ジャンヌはひとしきり僕と同様に考えたあと、ポンと名案を思い付いたとばかりに片手をもう片方の手につき、首にかけていたホイッスルを強く吹いた。

 

 

 遠方にまで響く高い音に何事かと泣いていた子どもたちは顔を上げ、ジャンヌへと一斉に視線を向けた。 

 その子どもたちに全員の顔を確認したジャンヌはにっこりと笑い、片手を大きく空へと掲げた。 

 

 

『ショウタ~イム!』

 

 

 突き上げられた片手と高らかに叫びを開演の合図に、突如としてイルカたちが宙を飛び交う。 

 辺りに海どころか水面もないことなぞ知らぬとばかりに水しぶきを散らし、滅びた世界であろうと地上を照らす太陽の光をキラキラと反射させる。 

 

 あり得る筈のない光景にこどもたちは泣くことも忘れて呆然とその光景を見上げていたが、こどもたち1人1人にイルカたちが涙の跡をふき取るように頭をこすりつけ、誘うように声を上げればたちまち泣き顔は笑顔に変わり、数分もしないうちに不安に囚われていた子どもたちは全員笑顔を浮かべ、イルカの背に乗り子どもたち自身がショーの出し物に参加していた。

 

 

 しかしこれで一件落着となれば良かったのだが、別方面で問題が発生したのだ。 

 ジャンヌのホイッスルの音と、何故か水辺のない場所で飛び交うイルカたちを目の当たりにし、何事かと辺りにいた人々が周辺に集まり、ジャンヌのイルカたちに釘付けになっていたのだ。 

 

 

 イルカたちのショーが終わる頃には、一目では数えきれない程の人々が僕たちをぐるりと囲い、惜しみない拍手を送ってきた。 

 多くの人に囲まれて緊張して硬直してしまう僕だったが、ジャンヌはどこか慣れた様子で頭を下げた。同時にイルカたちもまたジャンヌに合わせるようにお辞儀をすると、また拍手が周辺に巻き起こっていた。

 

 

 どうにか最低限の衣食住を得ることが出来ても、先の見えない世界で不安だったのだろう人々は、何か希望を見出せるような娯楽を求めていたのだろうか。 

 その人たちの心理については推理することしかできないが、少なくともこの場に集まってきた人々はジャンヌのイルカショーには歓迎的であった。

 

 

 その集まってきた人々の中に子どもたちの親ないし保護者がいたのは幸いであったが、観客たちの声援を受けてジャンヌはまた明日もこの場でショーをすることを約束し、僕の手を引っ張ってその場を立ち去った。

 遠方からでも冷めぬ熱気を背中に受けつつ、何故ジャンヌがあんな約束をしたのかが分からなかった。

 

 

『ね、ねぇジャンヌ。明日もショーをやるってどういう……?』 

 

 

『ふふ、それは秘密です。まあ理由がない訳ではないのですが……』

 

 

『ですが?』

 

 

『今は語るべき時ではない、というやつです!』

 

 

『それ微妙に用法間違ってるから!』

 

 

 何となくどこかのイケメン探偵の微妙な表情が頭に浮かんだが、とにかくジャンヌはその場では語ってはくれそうになかったので追及するのはあきらめた。 

 その日もホテルで(ジャンヌに洗脳されて絞られて)眠りについた。

 

 

 翌日、約束通りにイルカショーを行ったジャンヌ。 

 世界が崩壊した中で、SNSなどのネットの情報の多くは機能していないというのに、どこから聞いたのか昨日よりも観客は増え誰もがそのイルカショーに見惚れており、結果として今日も大盛況でショーを終えた。

 

 

 昨日から相変わらずジャンヌの意図が読めない僕であったが、ショー終えて立ち去る僕たちに話しかける人物が現れ、彼の手渡してきた名刺を見て何となくではあったが、ジャンヌの狙いが分かったような気がした。

 

 

『……スポンサーになるから今やっていたイルカショーを商業化して欲しい?』

 

 

 分かったような気はしても、素っ頓狂な声を抑えることは出来なかったけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うーん、まさか一か月ほどでこんなことになるとは」

 

 

 感慨深げに呟きながら中央の社長椅子へと深く腰掛ける。 

 全く反発しない座り心地に関心しつつ、こんなことに金を使ってもよいのかと考えたりする辺り、貧乏性が抜けていなかった。 

 まあ、今の生活の変化というのはあまりにも劇的過ぎたのだ。

 

 

 立場としてはジャンヌはイルカショーのパフォーマー(ジャンヌ曰くイルカのお姉さん)。 

 僕はジャンヌのお手伝い兼、このジャンヌの魅せるイルカショーの一団、【シルク・ドゥ・ルカン】オーナーである。

 ……オーナーの方はそちらの仕事を件のスポンサーの紹介してくれたマネージャーの方に丸投げ状態であるので、正直名目上であるのだが。

 

 

 言い訳じみてはいるが、僕はまだ17歳のガキでしかないので、バイトこそある程度こなしてはいたが、店長やチーフといった指示する側の立場に立ったことがなく、そういった経験が全くない。 

 そうなってくると、出来る人間に任せるしかないと考えて、例のスポンサーに相談したところマネージャーを派遣するという形になったのだ。

 

 

 おかげで運営の資金や人事に関する仕事はそのマネージャーが請け負ってくれることになった。 

 しかし、そうなったらそうなったで僕が手持無沙汰になってしまったのだ。

 

 前述したとおりジャンヌのイルカパフォーマンスの手伝い役として練習を共にすることこそあれど、日がなそれに明け暮れているという訳でもないので、掃除等の雑用をこなしても何もすることがない時間が出来てしまう。 

 現に今もジャンヌとの特訓を終えて暇を持て余していた。 (ちなみに掃除等の雑務は他の方の仕事であるとしてマネージャーより禁止された)

 

 

「……昼寝しようかな」

 

 

 窓から夕暮れのような温かな日の光を受けてそんなことをつぶやいてしまう程にはすることがなく、そしてやらせてもらえない。 

 昼食を済ました後の昼下がりというのは睡魔の誘惑に駆られてしまう時間だ。 

 暇であるということも後押し、崩壊した世界であっても、太陽は空から地上を照らす仕事をしている中で、このまま椅子にふんぞり返ったまま、微睡み眠ってしまいたい。 

 

 

 

「それは関心しませんね。仕事がないとは言え、あなたはこの劇団の座長なのですから、職務中に惰眠を貪るというのには他の方に示しがつきませんよ」

 

 

 そんな僕のやさぐれ半分の呟きに、まだ声変わりもしていないような高い声が諭すようにそう言った。 

 聞き覚えどころかここ一か月の間に相当お世話になった方の声であると一瞬で認識した僕は冷や水を掛けられたように飛び上がり、振り返る。 

 やや下に向けた視線の先には、先ほどまで確かにこの部屋にはいなかった見た目は僕よりも明らかに年下の、それでいて年不相応なカリスマを感じられる少年が微笑みながらこちらを見ていた。

 

 

「こ、これはすみません!まさかあなた様がこちらにいらしているとは梅雨知らず……ではなくて、その、することがなく暇……いえ、これも違くて……すみません、以後気をつけます……」

 

 

「ええ、今後気をつけるようにお願いしますね。まあ、それにしても僕もあなたを驚かせる意図があったとは言え、少し緊張しすぎですよ。僕に対しては、もっと気楽でいて構わないと言っているではありませんか。呼び方も硬すぎです。前から気軽にギルくんと呼んでもらって構わないと言っているじゃないですか」

 

 

 慌てた様子で弁明しようとして自爆し観念したかのように謝罪する僕を目の前の少年、最古の英雄譚に描かれている英雄、【ギルガメッシュ】は少し呆れつつもそう言葉を返してきた。

 

 

 人類最古の文学と称される【ギルガメッシュ叙事詩】を原典とするギルガメッシュであるが、目の前の少年はFateにおけるギルガメッシュの少年時代の姿、通称【子ギル】で現界している。 

 お察しの通り、彼もまたジャンヌのように世界崩壊の混乱に乗じてこの世界に現界した存在だ。 

 そして何を隠そう、僕らのイルカショーのスポンサーとしてひと月前に名刺を渡し立候補した者そのものなのである。

 

 

「えっと……そう言われましても……あなた程の人物ともなると、緊張が拭えないというか、その……」

 

 

「大人の僕の苛烈さを知っているから、僕に対して失礼な態度はとれないと緊張してしまうんですね?」

 

 

「……はい」

 

 

 内心をあっさりと見抜かれたことに驚きつつも、子どもであってもやはり名にありし最古の英雄であるのだなと実感する。 

 fateという作品に多少触れている身としては、ギルガメッシュと言えば多くの作品では立ちふさがる強大な壁として描かれ、一般の感性では考えられないようなことをする畏怖的存在であるのだ。 

 幾ら穏やかなこどもの姿で現界していようとも、思考の隅で絶対者の幻影が見えてしまうような感覚なのだ。

 

 

「あなたは知っているでしょうが、大人になった僕は何故ああなのか分かりませんし、似通ったことをあちらも思っている筈です。難しいとは思いますが、どうか僕と大人の僕は別人であると割り切って貰えると嬉しいです」

 

 

「しょ、精進しま、じゃなかった。善処します……」

 

 

「うーん、思ったよりも重症ですねぇ……まあこればかりは少しづつでも慣れてもらわなければいけませんね」

 

 

 心がけようとしても口に紡ぐ言葉を慎重に選んでしまう僕に苦笑を零しつつ、後ろ手に歩きつつ部屋の出入口へと向かうギルガメッシュ……いや、子ギル。 

 短い言葉のやり取りをすましただけであったのに、出ていこうとするその行動に疑問を持つ。

 

 

「あの、何か用事があってここに来たのではないのですか?」

 

 

「ええあなたにありましたよ。ですが、もう用事は済みましたので問題ありません。ちょっとした確認でしたから」

 

 

「……?」

 

 

「お気になさらず。僕があなたたちのスポンサーを請け負っている理由の1つでもありますが、どんな事になろうとも、最後までこちらの仕事はこなさせていただきますので。……余計なお節介だとは思いますが忠告を。あなたは本音を隠しすぎです。自分の思いを殺すというのは必要な場面もありますが、何事もしすぎはよくありませんよ」

 

 

 ドアノブに掛けていた手を止めて振り返り、何を考えているのか見当もつかない笑顔でそう言う子ギル。 

 悪意がないことはなんとなく感じられるが、こちらに伝わらないような言い回しの答え方に、何か気にいった玩具を見つけたかのような、そんな喜悦じみたものが入り混じったものに感じられた。

 

 

「……ああ、それと仕事の事ですが、基本は僕の紹介したマネージャーに任せてもらって構いません。貶す訳ではありませんが、今のあなたではそういった経験が乏しいですし、今は出来ることをしてやっておくのが良いですよ。例えば、情報収集とか」

 

 

「情報収集?」

 

 

「ええ。いつの世でも情報というのは大事ですから。幸い、現代には足を使わなくても情報を得られるものがありますからね。では、僕はこれにて失礼します」

 

 

 そう言って彼はガチャリと音を立て、部屋をすっと出ていった。 

 本当に僕に対する用事は済んでいたようだが、結局最後までその真意を読むことは出来なかった。 

 これ以上このことについて思案しても結論はでそうになかったので、今は気にしないでおくと横に置いておく。

 

 

「……情報収集ねぇ……」

 

 

 最後に提案された案について呟き、デスクにあるノートパソコンに目を向ける。 現代特有の足を使わなくても情報を得られる媒体と言えば、インターネットであることは間違いない。 

 確かにこれであれば労せずに情報が手に入る。 精査は必要であるが、今僕ができる情報収集のツールはこれ以外にない。

 

 

「……」

 

 

 無言でノートパソコンの電源を立ち上げ、点灯した画面にパスコードを打ち込み、ウイルスセキュリティが正常に動いているテロップを無視してインターネットを開く。 

 当初の予定通りインフラ設備の整った環境を得られたことをこういう時に再認識できる。世界の現状を考えれば僕は相当運が良い。

 

 

 そんなことを思いつつ、お気に入りに登録しているサイトを呼び出し移動する。 

 僅かなロードを挟んで表示されたのは、画面を川の如く埋め尽くすような文字たちののタイトル群。 

 世界が崩壊する寸前まではややマイナーであっても、今では貴重な情報収集源である大型匿名掲示板だ。崩壊した世界では多くのサイトやSNSが使用不可となっているが、その中でもこの匿名掲示板は多くの人々が書き込みをする貴重なサイトだ。

 僕もお気に入りに設定する程度にはこのサイトを利用していたのだが……

 

 

「……」

 

 

 無言で画面をスクロールしていき、スレッド(掲示板の意)のタイトルを流し読みしていく。 

 探偵活動の宣伝や傭兵活動の宣伝。それとマスターを探しているという、一人称が特徴的なタイトルなど、本当に色んなタイトルのスレッドが立ちあげられていたが、その殆どが程度はあれど開いたことのあるスレッドだった。 

 やはりこういった掲示板はどうしてもデマなども飛び交う。情報の選別は必須であった。

 

 そしてその必須の能力を用いた結果、確信していることが1つあった。

 

 

「……他の人たちも、多くの者たちがサーヴァントの召喚あるいは現界している、か……」

 

 

 子ギルと出会った時から渦巻いてはいた疑問ではあったが、まさか多くの人間がサーヴァントを使役しているとは思わなかった。 

 しかしネットの嘘誠ごちゃまぜの数多ある情報の中でもかなりこのサーヴァントの話題というのは結構な頻度で上がっている。 

 サーヴァントと探偵を営むものや傭兵活動をするもの、旅をする者やはたまた現界したサーヴァントと結婚した者まで、真偽こそ掴めぬがまず間違いなく多くのサーヴァントが現界しているのは間違いないだろう。 

 前に出会った迷子の少女の両親がジャンヌを見て大きな反応を見せなかったのは、そこと関係しているのだろうと考える。

 

 

 

『ああ、あれはこの世界にとある女神様が召喚されるために魔力を放出し、神秘の薄くなっているこの世界を再び神秘と魔力で満たした際の副産物だそうです』

 

 

 

 ふと、ジャンヌと出会ったころに彼女が述べていた言葉を思い出す。 あの言葉が真実なら、その女神の現界に便乗して召喚されたサーヴァントが多くいたということだ。 

 では、その女神がその気になれば、崩壊した世界を元の世界に戻すことは出来るのだろうか。

 

 

 そうすれば、あの化け物たちは消えて、そしてサーヴァントたちも消えて、ジャンヌも消え―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――それを僕は望んでいるの? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ジャンヌ……」

 

 

「どうしましたか弟君?」

 

 

「………………」

 

 

「?」

 

 

「………………」

 

 

「……???」

 

 

「今日からジャンヌのことシリアスブレイカーって呼んでいい?」

 

 

「シ(・)リ(・)ア(・)ル(・)ブレイカー?新しいコーンフレークですか?」

 

 

「シ・リ・ア・ス!!」

 

 

 いつの間にか目の前で鈴カステラ片手に現れた自称教師モードにジャンヌに嘆息する。 

 割と真剣にジャンヌのことについて考えていたというのに、何故彼女はこう毎回空気を読めないのであろうか……あと、単語を必ず食べ物方面で勘違いする辺りに健啖家の濃いキャラを感じる。

 

 そんな僕の心境を読み取ったのかジャンヌはむ、とどこか不満げに言う。

 

 

「弟君、私のこの姿はどう見ても教師モードですよ!決して自称なんかではありません!」

 

 

「あ、気に入らないのそっちなんだ……いや、どう見ても第三者から見たらイルカの調教師でしょ。僕だってそう思うし、今の仕事考えたら猶更」

 

 

「……ふ~ん、そうですかぁ……」

 

 

 ……あ、まずい。これ地雷踏んだ。

 

 

 1月以上もつきっきりでいれば彼女の事は分かってくる。 

 それがジャンヌのそういった行為の前兆ともなってくると猶更分かりやすかった。

 

 

 妖艶な笑みを浮かべ、獲物を目前にした獣の如く舌なめずりをするジャンヌ。 

 それを認識した哀れな獲物である僕の体にゾクッと、背筋に冷や汗が走る。 

 これはまずいと条件反射で逃げ出そうとしたが、椅子から立ち上がった瞬間にジャンヌは既に詰め寄っており、顔を寄せてキスをしてきた。

 

 

「ん……♡ちゅ……♡」

 

 

「んっ、んぅうう!?」

 

 

 ジャンヌと出会って、彼女に毎日キスをされているが、一向にこの甘い感覚に慣れる気配はない。 

 いや、実際多少は慣れてきたし、現在ねじ込まれている舌に応戦するように合わせることは出来るようになってはいる。 

 だが、問題は彼女もまた、キスをするたびにそのテクニックが上達していることだった。 

 

 

「ん……ぷはっ……♡」

 

 

「あ……あ……♡」

 

 

 いつもベッドで交わすキスよりも激しさこそあれど、短い時間であったにも関わらず、僕の体は弛緩し思うように動かない。 

 毒を盛られた獲物に、最早なす術はない。このまま強者に食われる運命しかなかった。

 

 

 

「今日はいつもとは違う趣向でキモチイイことをしましょうか……だってこの姿は、調教師ですものね……もっとも―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「調教されるのは、弟君ですけどね♡」  

 

 

 

 

 

 

 

 耳をくすぐったその言葉はどろどろのハチミツのように、恐怖と甘味を響かせた。




哀れな獲物「お、あ……♡」


捕食者「明日はお休みですし、いっそ今から夜明けまで楽しみましょうか♡丁度試したいクスリがありますしね♡」




というわけで次回は恐らくこれまでで最も濃い情事になると思うゾ。お楽しみに




Q1.子ギルにマスターおらんの?

A.逆に問うがギルガメッシュにマスター必須だと思う?


Q2.子ギルはなんで主人公たちのスポンサーになったの?

A.他人の恋愛事情って見ていると面白いですよね(愉悦)
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