※この作品はR-18です。

崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話   作:アルテマ

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遅ればせながらあけましておめでとうございます。

年始はちょっと初売りとか行ってて投稿遅れちゃいました。申し訳ないです。とりあえずもう多分アニメグッズ系の福袋は買わねぇ(血涙)


ちなみにfgoの福袋は当然の如くアーチャーの福袋引いたんですけどね。


お姉ちゃん来てくれましたやったあああああ!


あまりに嬉しすぎてその場でコロンビアポーズ&ツイッターで画像上げてました。

ありがとう書けば出る教!これからもフレポ教とも併せて信仰させてもらうね!!




甘えて甘えられたいお姉ちゃん 中編

 ジャンヌの意図的なのかは不明の行動の後、僕はドキマギしつつ恥ずかしさを振り払うようにジャンヌの手を水で流し、玉ねぎのみじん切りを再開させた。

 ジャンヌは手を洗わされた時は不満気だったが、僕の方を見て少し揶揄うような言葉を投げかけ、僕の反応を楽しむことで満足したのか、すぐに玉ねぎのみじん切りの作業に戻っていった。

 

 

 それから数刻、特に大きな問題等は発生せずに本日の夕飯、オムライスとポテトサラダ、コンソメスープが完成した。

 

 

「うん、初めてにしてはかなり上手いと思うよ」

 

 

「やった!弟君との初めての共同作業は大成功ですね!」

 

 

「その言い方はちょっと悪意あると言うか、ズルくないかな!?」

 

 

 ポテトサラダとコンソメスープは僕が1人で作ったものだが、オムライスは僕がお手本として作った1つを除き、ジャンヌが僕の助言を受けながら1人で作ったものだ。

 チキンライスの炒め具合や味付けも味見もきちんとしたし、卵の部分も外側が少し破けている程度であり上手く包めている。

 ……いやまあ、チキンライスを卵で包む場面に関しては、ジャンヌが不器用であると言うのがとても分かりやすいくらいには手間取っていたので、後ろから手を取りどんな風に包めばいいのかレクチャーはした。

 その際、妙にジャンヌがこちらに体を擦りつけていたように感じたのだが、気のせいだと思いたい。

 

 

 ともあれ、補助ありきではあっても初めての料理でここまでできれば御の字であると思う。

 所詮僕なんて必要だから料理をするようになっただけの、良くて家庭料理並のものしか提供の出来ない人間だと思うし、自分の料理をジャンヌ以外に食べてもらったことなんてないから、自分の腕がどの程度のものなのかなんて分からないけども。

 

 

「?どうしましたか弟君ぼーっとして?」

 

 

「……ううん、なんでもないよ。それじゃあテーブルまで持っていこうか」

 

 

「あ、待ってください弟君!」

 

 

「ん?どうしたの?」

 

 

 少しネガティブになっていた思いを振り払うようにそう言って、オムライスの乗った皿を手に取ろうとするとジャンヌから制止の声がかかる。

 

 

「このオムライス、まだどっちもケチャップかけてないじゃないですか。せっかくですし、お互いの作ったオムライスにケチャップでお絵描きしましょう!」

 

 

「えー……ケチャップはお好みのセルフサービスにしようと思ってかけなかったんだけど……」

 

 

「お願いです!お姉ちゃんが頑張って作った初めての料理のお祝いと思って、お姉ちゃんのお願いを聞いて欲しいです!」

 

 

「あー……まあそれくらいいいよ。じゃあジャンヌが先に描いちゃってよ。その後で僕が描くから」

 

 

 少し面倒ではあったけど、別にこれも意固地になって拒否する必要もないので承諾する。

 ……まあ、ジャンヌが何を描こうとしているのかも、その後の展開もなんとなく読めたので了承したところがあるが。

 

 

「ありがとうございます弟君!……あ、でも今はちょっと後ろ向いててもらえますか?描きおわったらテーブルの方に持っていきますので、そこでお互いに見せ合いましょう!」

 

 

「ん、了解」

 

 

 言われたとおりにジャンヌに背を向ける形でくるりと回転し、じっと待つ。

 僕が後ろを向いたのを確認したジャンヌは鼻歌交じりに作業を始めたことを音で認識しつつ、ジャンヌの作業の終わりを待つ。

 後方から聞こえてきたジャンヌの声は、最初の方こそご機嫌な様子であったのだが、時が経つにつれて『あ、あれ?』とか『わわ!……あ、文字が……』などと戸惑うような声が聞こえてきた。

 自他共に認める不器用なジャンヌが、そう都合よくケチャップアートが上手くできる筈がないことは分かっていたことなので、背後から聞こえてくるケチャップの勢いよく出るような音やジャンヌの唸るような声もまた予定調和なのである。

 

 

「……よし、これでなんとか……弟君、私は完成しましたので先にテーブルに持っていきますね」

 

 

「分かった。それじゃあ僕も始めるね」

 

 

 ジャンヌはキッチンから出ていくのを足音で把握し、再び振り返ってオムライスの前へと立つ。

 さて、これから僕もまたジャンヌに食べてもらうオムライスにケチャップアートをしなくてはならないのだが、ぶっちゃけもう描くものは決まっている。

 僕は妙に減ってるケチャップのボトルを手にし、さらっと作業に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせジャンヌ。思ったよりも手間取っちゃった」

 

 

「いえいえ、弟君のためでしたらいくらでも待てますよ」

 

 

 簡単な絵のつもりが、思ったよりも思い描くように描けなかったために少し時間がかかってしまったので、一言ジャンヌに謝ってからリビングに出た。

 そのジャンヌの返答に愛の重さを感じつつも、ジャンヌの座る前のテーブルにオムライスをそっと乗せ、ジャンヌの隣の席につく。

 既にジャンヌが運んでおいたのか、ポテトサラダとコンソメスープ、それとメインのオムライスもそこに置いてあったのだが……うん、まあ、僕からの感想は後にしよう。

 

 

「おー、ニッコリマークですか。綺麗に描けてますね」

 

 

「まあ無難なとこで描きました。僕もケチャップアートってやったことなかったし、これなら描きやすいかなって」

 

 

「むぅ‥…可愛いですけども、お姉ちゃんとしてはたとえ上手くできずとも、もっと弟君からお姉ちゃんへの愛が感じられるようなものを描いて欲しかったのですけども」

 

 

「……だって恥ずかしいし、絶対ジャンヌ写真撮ってSNSに上げるでしょ。【サバッター】とかってやつに」

 

 

 崩壊した世界において1度は途絶えたSNSも、少しづつ復帰してきている。

 その中でも流行りだしているのが件の【サバッター】。有体に言ってしまうと、まんまつぶやき形式のSNSであるが、その名の通りユーザーの多くはサーヴァントであることが見受けられる。

 ジャンヌもよくシルク・ドゥ・ルカンの宣伝のためにイルカたちと自撮りをしていたりして、よく写真を上げているのは知っている。

 確認してみた感じフォロー数は結構な数いたので、ここで僕が血迷ってハートマークとか愛の言葉を描き、ジャンヌが写真をアップロードするなんて事態になれば、全国に僕の痴態を晒す羽目になってしまう。

 そんな苦言を呈す僕に、ジャンヌは何を言っているのだと言わんばかりにこう言った。

 

 

「当たり前じゃないですか!弟君がお姉ちゃんのためにしてくれたことはどんなことでも嬉しいですし、そんな弟君の素晴らしさと私たちの間にある愛を伝えるために、サバッターは勿論のこと、知り合いのサーヴァントの方たちのグループチャットに書き込むのは当然のことです!」

 

 

「なんだ、ただのオーバーキルか(悟り)」

 

 

 本当に愛の言葉とか書かなくてよかった。いつも好意の言葉を伝えることなんて殆どないし、こんな時くらいはいいかなとか一瞬考えるも、サバッターのことを思い出して思いとどまったのだが、それが正解だったらしい。

 思っていたよりもアグレッシブなジャンヌに悟りを開きかけるが、まあいつものことかと考え、ジャンヌのオムライスから視線を外し、自身の目の前に置いてあるオムライスへと向けた。

 

 

「……で、このオムライスなんだけども」

 

 

「はい!お姉ちゃんの弟君への愛を頑張って描きました!」

 

 

 フンスっと両手を胸の前にして頑張りましたのポーズをとるジャンヌ。

 それを視界に収めつつ、ジャンヌの描いたケチャップアートに注目する。察するに、ハートマークを枠にし、中に『スキ』とでも描きたかったのだろうが……

 

 

「ハートマークは上手く描けてると思うのだけど……文字の前にあるこのケチャップの山は一体何?」

 

 

「そ、そこはですね、最初は漢字で『好き』と描こうとしたのですが、文字がつぶれちゃったので塗りつぶしたんです」

 

 

「うん、まあそこは納得。けど、その後に続いてる文字がね……『ヌキ』ってどういうことなの?」

 

 

「そ、それは……あ、あれです。弟君のハートを抜き取っちゃいたいくらい好きっていうメッセージで描いたんです。はい」

 

 

「……物理で?」

 

 

「し、しませんよ!?流石にそんなことはしませんからね!?本当ですからね!?」

 

 

 どうかなぁ。最近のジャンヌ見ていると、かじ取りをミスすると彼女の目からハイライトが消えてそんなことしでかしそうな気さえする。

 そんなことを考えながら、必死な様子で弁明するジャンヌにジトッとした視線を送る。

 ジャンヌはそんな僕の視線を受けて、弁明をやめて自供をする。

 

 

「……すみません。カタカナで『スキ』と書こうとしたのですが、思ったよりもケチャップが噴出してしまって……ごめんなさい弟君、上手くできなくて……」

 

 

 シュンと少し項垂れてそう言うジャンヌは分かりやすいほどに落ち込んでいた。

 僕としては批判するつもりも揶揄うつもりもなかったのだが、思っていたよりジャンヌは上手くケチャップアートが出来なかったことを気にしていたようであり、内心焦る。

 初めてやったことなのだから、上手くできなくてもしょうがないことだとは思うのだが、それはジャンヌだって分かっている筈だし、下手な慰めをした程度では持ち直してはくれないだろう。

 

 

 ……正しいかどうかは分からないけど、このままジャンヌの顔を曇らせるのは本意ではない。

 

 

 無言のまま僕はテーブルのスプーンを手に取り、オムライスへと向ける。

 大した作業ではなかったので、やりたいことはものの数秒で片が付いた。

 

 

「……?弟君?」

 

 

「……これでいい、かな……?」

 

 

 僕の唐突な行動に疑問符を浮かべるジャンヌに見えるように、少し椅子を後ろへと下げる。

 これで僕がやった行動についても、よく分かると思う。

 

 

 なんてことはない。『ヌキ』の文字をスプーンを使って『スキ』に修正しただけだ。

 そう、ただそれだけなのに、このケチャップアートを描いたのはジャンヌである事実に変わりはないのに、何故か頬が熱く感じられる。

 体のどこかから湧きだす正体不明の気恥ずかしさが原因であることは分かるのだが、その原因を取り除く術が見つからない僕はそれを誤魔化すように口を動かす。

 

 

「別にお店でだすようなものでもないのだし、ジャンヌも食器を使って修正をすればよかったんだよ。そうすればこのケチャップの山が出来ること、も……?」

 

 

 顔を隠すようにしてジャンヌの真逆の方向に視線を向けて呟いていた言葉は、ふわりと首元に絡みついてきた両腕と、背中に密着して伝わる暖かな感触に言葉が途切れた。

 

 

「ありがとうございます。弟君」

 

 

 耳元で囁かれたジャンヌのその声は、激しい歓喜と言うよりは深い感謝と愛情で出来ているように感じた。いつもジャンヌが返してくるジャンヌの感謝の表現は激しいスキンシップを伴うものばかりだったので、このような静かな感謝と抱擁だけで返礼をされたことはなかった。

 ……慰めるのが目的だったのに、いざジャンヌが持ち直してこういったことをされると、反応に困ってしまう。

 ジャンヌの気持ちが晴れたのは嬉しいが、こちらの隠し事の出来ない不器用な体は更に火照っていく。

 

 

「……僕はただ、少し手直しをしただけだよ」

 

 

「えへへ……お姉ちゃんはそれが嬉しいんですよ弟君」

 

 

「そっか……嬉しいのは分かったよ。とりあえず食べよう。夕飯冷めちゃうよ」

 

 

「いえ、もう少しだけこのままでお願いします。もう少しだけ……」

 

 

「……5分だけね」

 

 

 そう言ってジャンヌに抱き着かれるまま身を任せる。

 本当はこのジャンヌの引き延ばし癖を改善するために、今日の夕食を一緒に作ろうって話をしたのに、結局またこうやってジャンヌのその悪癖を助長するような態度を取ってしまう自分に呆れてしまう。

 でも今は仕方がないのだ。だってさっきから続いている原因不明の紅潮が、ジャンヌに抱擁されてからも未だに納まる気配がない。こんな顔は、恥ずかしくて誰にも見せられない。

 

 

 

 5分もすればきっと、この体の火照りも多少は冷めるだろう。

 そんなことを考えながら、僕はジャンヌに抱き着かれたままでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 尚5分後、ジャンヌは僕の修正したケチャップアート付きオムライスの写真を撮ってSNSにあげようとしていたので、スプーンでケチャップアートを崩してオムライス全体に塗りたくったことを追記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んーやっぱり弟君の作るご飯は美味しいです!」

 

 

「そ、そうかな?……まあでも、作った側としてはそう言われると嬉しいよ」

 

 

 

 オムライスをスプーンで頬張りながらそう言うジャンヌに、未だに少し残っている体の熱さを食事で誤魔化しながらジャンヌに返答をする。

 当たり障りのない返答をしたつもりなのだが、ジャンヌはそこでピタリとオムライスを口に運ぶ手を止め、こちらへと視線を向けてきた。

 

 

「……ええっと、その、私が作った方のオムライスはどうですか?ちゃんと食べられますかね……?」

 

 

 珍しくどこか不安げな声音に一瞬ジャンヌの意図が読めなかったが、すぐにその質問の答えに何を期待しているのか理解した僕はジャンヌと視線を合わせ、少し微笑むようにして答える。

 

 

「うん、とっても美味しいよ」

 

 

「!そ、そうですか!それなら良かったです!」

 

 

 不安を瞬時に跳ね飛ばしたかのように、ジャンヌは嬉しそうに笑っていた。

 気持ちはとても共感できるが、ちょっとオーバーなんじゃないかなって思う。

 

 

「ふふ、なるほどなるほど……これが料理を作った人が感謝されるときの気持ちなんですね……と言っても、殆ど弟君のお手本を間近で見て真似しただけなんですけどね」

 

 

「僕はお手本と少し助言をしただけで、料理を最後まで完成させたのはジャンヌ自身だよ。それに、味見だってしたんだから食べられるかなんて質問は、ちょっと大げさだよ」

 

 

「それでも心配なものは心配なんですよ!私の初めての料理ですし……」

 

 

 そう言いつつ、残り少ないオムライスにとどめをさしていくジャンヌの横顔を見て、ケチャップがついていることに気づく。

 微量なためか、ジャンヌは気づいていないようだった。

 

 

「もきゅもきゅ……ふぅ、ご馳走でした!美味しかったです!」

 

 

「お粗末様でした。ごめんジャンヌ、ちょっとじっとしててくれる?」

 

 

「?」

 

 

 疑問符を浮かべつつも、言った通りにじっとしているジャンヌの横顔にウェットティッシュを軽く押し付け、ケチャップの汚れをふき取る。

 小さな汚れだったので、1度押し付けただけで綺麗に汚れをふき取ることが出来た。

 

 

「はい、もう大丈夫だよ」

 

 

「もしかして、ケチャップがついていたんですか?」

 

 

「うん。まあちょっと分かりにくいくらい微量だったからね。……って、あのジャンヌさん?どうしてそんなに不満そうな顔をしているのでしょうか……?」

 

 

 使用したウェットティッシュをゴミ箱に捨ててジャンヌの方へと向き直ると、あざとく頬を膨らませて私怒ってますと表現しているジャンヌが僕のことをじっと見ていた。

 

 

「むぅ~……なんで普通にふき取っちゃうんですか。お姉ちゃんと弟君の間柄なら、こういう時は汚れてるところを舐めるのがベストなんですよ。日本の恋愛小説とかアニメ見てたので、ちゃんと知ってるんですからね」

 

 

「え、えぇ……アニメとかで知ったのはさておいて、流石にそこまでするのは恥ずかしいと言うか、段階すっとばしすぎなんじゃないかな……?」

 

 

 戸惑う僕に対してジャンヌはふくれっ面のままケチャップを手に取り、さながら薬用クリームか洗顔を扱うかのように指に少しだけ取り出した。

 何をするつもりなのか分からずにそれを見つめるも、ジャンヌは指を自分の頬に持っていくと……

 

 

「ていっ」

 

 

「……あの、ジャンヌさん?どうしてケチャップを自分の頬に塗りたくったのです?」

 

 

「さぁ弟君!さあ!」

 

 

「いやさあって何さ、さあって」

 

 

「やり直しです!お姉ちゃんはお姉ちゃん権限で以て弟君にケチャップの汚れのふき取りのやり直しを要求します!弟君はお姉ちゃんに逆らってはいけないのです!ちなみに舐めとる以外の行為は認めません!」

 

 

「横暴すぎる!」

 

 

 ずいっと頬を押し付けて、(自称)姉としての立場でマウントを取ろうとするジャンヌに小さく反抗しようとするも、やはりジャンヌは取り合ってくれない。

 と言うかあまりこちらが抵抗し続けると問答無用で洗脳されてしまうので、結局のところ僕に断るだなんて選択肢がある筈もなく……

 

 

「わ、分かったよ。分かったから目を瞑って。じっと見られるとやりにくいから……」

 

 

「えへへ、やりました!それじゃ、お願いしますね弟君……んっ……♡」

 

 

 目を瞑り、少し顎の角度を上に上げて待つジャンヌ。

 期待して待っているというオーラをあからさまに出す姿ではあったが、目を閉じてじっとしている静謐な姿のジャンヌに少しドキドキしてしまいながら、ジャンヌの頬に顔を近づけていく。

 

 

(……まつ毛、整ってて綺麗だな……というか、既に知っているけどやっぱりジャンヌって美人だよね……こんなに綺麗な人と、僕って生活しているんだよな……)

 

 

ジャンヌの整った顔立に見惚れていると、じっと動いていなかったジャンヌの唇が小さく動き、囁くように言う。

 

 

「もしもその気なら、唇にキスをしてもいいですからね……♡」

 

 

「……ッ……うぅ……」

 

 

 言い終えた後ジャンヌは先ほどと同じく、じっと動かずに頬を差し出したまま待ち続ける。

 でも、どうにも僕はさっきより心なしか差し出されている頬の角度が、少し内側にずれているように見えてしまった。

 

 

 鎮火し始めていた体の炎がまた燃えだしてしまい、頬の紅潮が増していく。それに伴って胸の鼓動も意識しなくても分かるくらいに早まり大きくなっていく。

 だってしょうがないじゃないか。僕は今日まで自(・)分(・)の(・)意(・)志(・)で(・)ここまでジャンヌの顔に近づける行為をしたことがなかったのだから。

 それでもどうにか顔をケチャップの前にまで運び、後は舐めとるだけという位置にまできたのだが、その時点で胸の鼓動も最高潮にまで達する。

 体が熱くて熱くてしょうがなくて、羞恥心で自分が燃え尽きそうだった。

 

 

「弟君……♡」

 

 

 先ほどよりも小さく掠れるような声音でジャンヌが耳元で囁く。

 ただ呼ばれただけなのに、色気が詰まったような甘ったるいその声が聞こえた瞬間、もう僕のキャパシティーは限界を迎えてしまった。

 

 

「~~ッ!」

 

 

「え、あ……弟君……?」

 

 

 僕はジャンヌの頬に指を走らせ、ケチャップの汚れを指で掬い取り口に咥えた。

 心臓が揺れすぎて、ジャンヌへの気遣いは肌に傷がつかないように軽く掬うだけで精一杯だった。

 

 

「……ごめん、これで許して……」

 

 

 ケチャップを舐めとった唇から絞り出すようにしてそう言う。

 羞恥心と少しの罪悪感からジャンヌと目を合わせられず、視線を逸らしてしまう。

 

 

「んー……仕方ありませんね。本当は直接舐めとって欲しかったのですが、赤面する可愛い弟君が見れたので良しとします」

 

 

「うぅ……」

 

 

 少しだけ残念そうにしながらも、良いものが見れたと笑うジャンヌ。

 そんな言葉を受けては平静を保てる筈もなく、赤面の色が更に濃くなるのを感じてしまい、それを誤魔化すようにして残ったオムライスを口に詰め込む。

 最も、残っていたオムライスは大した量もなかったので、すぐになくなってしまったのだけれども

 

 

「……ふぅ、ご馳走様でした」

 

 

「お粗末様でした。……あ、弟君。ケチャップついちゃってますよ?」

 

 

「え、ほんと?」

 

 

 かきこんで食べていたので、気づかぬ間についてしまったのかと手元にあったおしぼりで乱暴に両頬を拭く。

 うぬぼれのようだけど、ジャンヌは僕についたケチャップの汚れを、それこそジャンヌ自身が要求したように舐めとることに躊躇いなどなく、寧ろ喜んでやってくる。そう僕は確信している。

 正直、もうちょっと今日はジャンヌに振り回され続けて、これ以上恥ずかしい目にあうのは本当に限界だった。なので、ジャンヌには申し訳ないけれども先手を打ったのだが……

 

 

「もう、そんな雑に拭いちゃだめですよ。それに、ケチャップとれてませんよ」

 

 

「え、えぇ……どこにあるか教えてく……え?」

 

 

「ふふ、ここですよ、んっ♡」

 

 

 ジャンヌへと振り向きながら告げようとした言葉が紡がれる前に、両頬を押さえつけられ、ジャンヌはにこやかに微笑むと、目を閉じて唇と唇を合わせてきた。あまりにも唐突すぎて、声もあげられず目を見開くことしか出来なかった。

 ジャンヌの取り得るだろう行動を予測していたつもりが、まさか理由付けもなくここまでのことをしてくるとは思わなかったのだ。

 しかしそんな僕に構うことなく、合わせた唇から舌を僕の口の中にねじ込んでくる。

 

 

「んっ……ふっ……♡」

 

 

「んーっ……!んぅ……う、んぅ……♡」

 

 

 侵入してきた舌はかき乱すと言うより、舐めとるようにして僕の口内を蹂躙していく。

 こちらも舌をどうにか動かして対抗しようとするも、僕の反撃を歯牙にもかけない様子でジャンヌは舌を僕の舌に合わせて動かし、絡みついてくる。

 あっという間に僕の心は蕩けて惚けさせられてしまい、ジャンヌが唇を離した頃には完全に骨抜きにされて脱力し、ジャンヌへと体を預けてしまう。

 

 

「あっ……ひゃ……♡にゃ、なんで、きゅうに、こんな……」

 

 

「えへへ、弟君の口の中にケチャップがついていたので、つい舐めとっちゃいました♡……なんて、そんな言い訳は通用しないですよね。端的に言っちゃうと、今日のお礼です」

 

 

 脱力した僕の体を受け止めて、頭を優しく撫でながらジャンヌはそう言った。

 

 

「今日は弟君にお料理を教えてもらったり、お料理を作る人の気持ちを知ることが出来ましたし、何より弟君のお姉ちゃんへの気持ちを知ることが出来ました。だから、お礼がしたいんです」

 

 

 活動の鈍ってる脳を動かし、辛うじてジャンヌが今日料理の楽しさや作り手の気持ちを知れたことに対してお礼がしたいことは分かったが、僕がジャンヌへと伝えた気持ちとは何なのかが分からず、そして何故唐突にディープキスをされたのかは全く分からない。

 視線でそう問いかければ、ジャンヌはすぐにそれに笑顔で応えてくれた。

 

 

「お姉ちゃんは今幸せな気持ちでいっぱいなんです。だから、弟君にも今日はいっぱい幸せになってほしいんです。だから、ね」

 

 

 撫でられながら告げた言葉をそこで区切り、ジャンヌは撫でる手を止めて、指を僕の頭へと突き付けていた。

 それを受けてこれから何をされるのかを本能で察するも、惚け切ったこの状態では身構えることくらいしか出来なかった。

 

 

「お姉ちゃんビーム♡ばぁん♡」

 

 

「あぅぅう♡あっ♡ひ、ぅううう……ま、待っておねぇ……じゃ、ジャンヌ……」

 

 

「……あら?ちょっと効きが弱いですかね?」

 

 

 意識が塗り替えられるような感覚の中、すんでのところでおねえ……ジャンヌの洗脳の浸食が止まる。

 魔術礼装を起動して、洗脳を解除できる【アトラス院制服】の『イシスの雨』を使用した訳では無く、かと言って自傷行為による刺激によって無理矢理洗脳を解いた訳でもない。そんな余裕はもうないし、洗脳の効果事態は発揮されている。

 現に今、目の前の姉……いや、ジャンヌへの好意が過剰なほどにあふれ出しそうで、どうにかなってしまいそうなのだ。しかし、現状どうにかそれを理性で押し留められている。

 考えられるとすればこれまでも散々このジャンヌおね……ジャンヌのトンチキ光線を受けてきたことにより、耐性が出来てきたのかもしれない。真意は定かではないが、まだジャンヌへと僕の言葉を伝えられるチャンスではあったのだ。

 

 

「……待っ、て……僕は、……ジャンヌが……いる、だけで」

 

 

「ではもう1度お姉ちゃんの愛をプレゼントです♡お姉ちゃんビーム♡」

 

 

「ひっ♡あっ♡んぁああああ♡」

 

 

 全身に電流が走ったような感覚と共に、体が大きく仰け反る。

 口から抑えられていた嬌声が上がるのもほぼ同時だった。

 頭の中が真っ白に染められて、もう何も考えられない。何かを言わなきゃいけないような気もしたけれど、僕の事を受け止めているお姉ちゃんの事を見上げたら、さっぱりと忘れてしまっていた。

 

 

 息を荒げている僕を見て、お姉ちゃんは優しく微笑んでくれていた。それだけで僕の体に電流が走って、全身を駆け巡る微弱なそれが僕を熱して、熱くて熱くて苦しい。ますます呼吸は嬌声交じりに荒くなっていく。

 

 

「ひ、ぅぅう♡はぁ、はぁ、はぁ♡あ、ぅ‥…」 

 

 

「……そう言えば今日のコンセプトは素直な弟君でしたね。恥ずかしそうにする弟君も可愛くて好きですが、幸せを感じてもらうなら素直になって貰った方がいいですね」

 

 

 何か名案を思い付いたかのように舌を出して妖艶に笑うお姉ちゃん。それからまた何かお姉ちゃんは僕に何かしようと手を動かしていたのだが、蠱惑的な雰囲気のお姉ちゃんに魅了されていた僕はただただ見惚れて、何か行動を起こそうという思考さえ出来ていなかった。ただただ、お姉ちゃんのされるがままで、そしてそれが何よりも幸福だった。

 

 

「はい、そんな訳でお姉ちゃんビーム5連打です♡ばんばん♡ばばん♡ばぁん♡」

 

 

「あっ♡あっ♡あぅあ♡んぁああああ♡ひゃぅああああああ♡」

 

 

 こめかみに突き付けられた指から怪しげな光線が続けざまに撃ちだされ、それを受けるたびに体がビクビクと跳ね上がり、お姉ちゃんへの好意と性欲が際限なく湧き上がり、思考が更に掻きまわされて混乱し、瞳から涙がこぼれてくる。

 もう頭の中は何も考えられない白から、ただひたすらにお姉ちゃんに滅茶苦茶にされて愛されたいと言う、淫靡で甘美なピンク色で染まり切ってしまっていた。

 

 

「あらら、もうお顔がトロトロになっちゃってますね~。おちんちんからもお汁がズボンにまで沁みちゃってますよ」

 

 

「お、お姉ちゃん……♡」

 

 

「はーい、あなたのジャンヌお姉ちゃんですよ♡」

 

 

 片手で形を確かめるように僕の股間を揉むお姉ちゃんへ媚びるように甘えた声を漏らす。

 意識した訳では無く、自然とそうしていた。だってお姉ちゃんはこうした方が嬉しそうにしてくれて、僕にいっぱい優しくしてくれるから。

 

 

「お願いお姉ちゃん……♡僕をいっぱい、気持ち良くしてぇ……♡お願い、お願いぃ……熱いの、熱くて苦しいの……だから、お願い、お姉ちゃん……♡」

 

 

「ふふ、そんな涙目でおねだりしなくったって、い~っぱい気持ち良くして、い~っぱい幸せにしてあげますよ。お姉ちゃんは大好きな弟君にお礼がしたいんですから♡」

 

 

 お姉ちゃんは僕の我儘に嫌な顔なんてしないで、笑ってそう言ってくれた。

 脱力して動けない僕をお姉ちゃんはお姫様だっこで抱えてくれた。お姉ちゃんに抱えられるのはちょっとだけ恥ずかしいけれど、とっても安心するから大好きだ。

 

 

「いつも今夜は寝かさないなんて言ってますけど、疲れちゃったらおねんねしちゃっていいですよ。今日は、弟君が幸せに眠れるように頑張っちゃいますね♡」

 

 

「うん……♡」

 

 

 お姉ちゃんのその言葉に僕は頭を擦りつけながら、お姉ちゃんの胸の中の安心感と多幸感に浸っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





確か俺は今回の話はエロなしでイチャつかせると言ったな。


あれは嘘だ。



Q.1どうしてこんな展開にした!?言えっ!

A.福袋でお姉ちゃん当たって嬉しすぎて勢いでエロ展開に持ってった。反省はしているが後悔はしていない。


Q.2お姉ちゃんビームって連射できるの?

A.お姉ちゃんの弟君の愛が尽きぬ限りできます(つまり実質無限)




……あ、そう言えば皆様に聞きたいことがあるんですけど、この小説に『おねショタ』タグつけるべきか迷っているんですよ。
 最初は弟君って17歳設定だからこれをショタとするのはどうかと思ってつけてなかったんですけど、どう見ても展開がおねショタのそれですし、弟君の身長の設定もジャンヌよりちょっと低いくらいを想定してるんですよね……

と、言う訳でアンケートにご協力お願い致します。

この小説に『おねショタ』タグをつけるべきか否か

  • つけるべき
  • なくていい
  • 追加してかつ、あらすじで追記
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