崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話 作:アルテマ
いやだってFF7Rはもうトロコンもプレイログも埋めちゃってやることがなかったから……
さて、今回のお話でひとまずはnibiiroさんのマリーと広海さんとのコラボはおしまいです。
7話はコラボの話が続いてるから多分70000文字は書いてるね。いや長すぎぃ!
書きたいことかいてるとどんどん長くなっちゃうのって辛いね。もし文字制限とかあったらかなり展開に苦悩してたと思うと同時に、尺とか考えて原作であった展開をところどころ切り、どうにか収めるアニメや映画の脚本を作る人は大変だなと思いました。
では、どうぞ
真壁さんとの高すぎず、安すぎない丁度良いくらいのお値段のレストランで、根掘り葉掘りと聞かれたジャンヌとの恋愛話を躱したり、ジャンヌが隠す気0だったせいで結局普段の性活態度がバレたりしつつディナーを共にした後、今日泊まるホテルの部屋へとジャンヌとマリーさん、広海さんと共に向かっていた。
真壁さんはどうも孔明さんから呼び出しを受けたらしく、ディナーの後は僕たちと別れた。
「すみませんわざわざ案内してもらって……」
「気にしなくていいよ。
このホテルかなり大きいから迷っちゃうかもしれないし、俺たちもこのホテルのスタッフ専用の階の部屋を借りて生活してるから、帰るとしても大した距離を歩くわけでもないし。
まあ既にジャンヌに教えてはいたけど、部屋内の設備についても説明したかったしね」
ホテルタウン、オーシャン・ビヨンドの中央に座するこのホテルは現在40階建ての高層ホテルであり、なんと今尚増築中だそうだ。
ホテル内にはレストランやアミューズメント施設、売店や薬局等も設置されており、正に至れり尽くせりだ。
「えーっと、1107、1107……あ、この部屋ですね」
指さした扉の上には『1107』の番号が書かれた金属のプレートが設置されていた。
手元にある鍵の番号とも一致しているし、この部屋が今日僕たちの泊まる部屋で間違いないだろう。
ドアノブに手をかけてそのまま部屋の扉を開け、中へと入り内装を見渡す。
「……おー……」
素人目でも掃除が行き渡っていると分かるフローリング、柔らかそうなベッドと絨毯、冷蔵庫や浴室も完備。
洗面台にはドライヤーや歯磨きのセットも置かれており、それこそこのままこの部屋で生活しても問題がなさそうであった。
世界が崩壊した前も含めて、僕はこんなに設備の良いホテルは数えるほどにしかなく、その中でもこのホテルは5指には余裕で入る。
なるほど、このホテルは普段から人気で予約が殺到していると聞いていたのだが、これほどアメニティの整備が整っているのなら、その人気も頷ける。
ただ一点、不満というか疑問があるとすれば……
「あの広海さん、なんでこの部屋のベッドはダブルベッドなんでしょうか?
僕確かツインベッドで予約したと思うんですけど……」
「君のお姉さんの要望」
「ツインベッドとか論外ですね!」
おのれこのエロ聖女め!と、口に出しそうになるが慌てて抑える。
ホテルと言えど、知り合いの関係者が経営しているのだから、流石にそんな場所で性行為なんて気まずくて出来ないと思い、迷惑を承知でツインベットの部屋を指定したのに、これじゃまたいつものようにジャンヌに襲われてしまう!
そんな思いから漏れ出そうになった叫びなのだが、ダブルベット=行為確定の方程式をたてた僕の方がスケベと思われかねない言葉だし、なによりジャンヌに『期待をしていた』なんて曲解されてからの逆レイプコースが確定してしまう。
ま、まあ別に一緒のベッドに普通に何事もなく就寝するくらいなら健全だよ健全、普通普通。(震え声)
「弟君弟君!すごいですよこのお風呂!
ジャグジーがついてますよ!」
「ふふ、すごいでしょジャンヌ。
他にも色んな機能がついてるの。例えばここのスイッチを押すと……」
「おー、浴槽が光ってピンク色になりました!
これは雰囲気良さそうですね!」
「そうでしょう。わたしもマスターとお風呂に入るときはよく使うのよ。
それに他にはこんな機能も……」
まずいちょっと目を離した隙に天然ゆるふわ王妃様がどう考えてもいかがわしい行為のムードを盛り上げる用途に使うような機能を懇切丁寧に教えている。
マリーさんが浴室の機能を説明するたびにジャンヌは面白そうにしてるし、もうこれ完全にジャンヌは使う気満々な上に僕を襲う気が急上昇中じゃん!
「オーナー君、コンドームと精力増強剤はこの棚に入ってるからな。
他に必要なものがあるなら言ってくれ。比較的ソフトなプレイ用のものや、なんならハードプレイ用のものまで大抵のものは揃ってる」
「ツッコミたい点が幾つもあってツッコミ切れないのでボケの飽和攻撃はやめてください」
「……あ、もしかして今日買ったコスチュームもう使う感じ?
それならそれで行為後のコスを簡単に洗濯できるセットとかもあるよ」
「いや行為するの前提で会話するのやめてくれません!?」
下世話なおせっかいを利かせる広海さんに真顔で返すも、僕の言葉の意図が掴めなかったのかわざとスルーしたのかは分からないが、こちらに帰ってきた返答が返答だったために、懇願空しくツッコミをする羽目になる。
最早味方はいない孤立無援なのかと絶望するなか、背後からトントンと肩を叩かれる。
「オーナーさんオーナーさん」
「え、はい、何ですか?」
後ろを振り向けば、先ほどまでジャンヌに浴室の機能を説明していたマリーさんが立っていた。
浴室の方を見やると、ジャンヌは浴室に備え付けられている備品を手に取ったり、スイッチを押したりして遊んでいた。
説明が一通り終わったであろうことは分かるが、僕に何の用があるのだろうか?
そう疑問を感じた直後に、彼女の手から何かを差し出された。
「はいこれ」
「……?」
何だろうかと訝し気に思いながら差し出されたそれを受け取る。
500ミリリットルほどの容量のボトルをくるりと回し、ラベルの商品名を確認した瞬間、表情が凍り付くのを自覚するレベルで固まってしまう。
「塗る時は丁寧によ。
女の子の体は繊細で、ガラス細工に触れるように丁寧に扱わなくちゃいけないのだから」
「」
『キルケー特製媚薬オイル キュケオーン味』とデカデカと自己主張の激しい開発者名部分は華麗にスルーし、肝心のこのボトルの中身がどういったものであるのか、そしてどういった用途で使えと言っているのかを理解しつつ、このゆるふわ王妃様の助言なのか後押しなのかは分からないが、確実に向こうは善かれと思ってやっていることであることを思うと無下には出来ないと頭を抱えてしまう。
『この媚薬オイルを作ったのは皆さまご存知、アイアイエー島における頼れる美人な大魔女こと、某イベントにおいてヒロイン力うなぎ昇り急上昇をしたキルケーさ! いやぁ、ちょっと前までは怪文書のキャスターだとかキルケー敗北拳開祖だとか散々に言われていたけど、やっと私の謂れのない風評被害が覆って、正当な評価をされるようになったと胸がすいたよ。 カルデアの霊基グラフに登録されて幾星霜……すり抜け式キルケー敗北拳、神話級負けヒロインなどなど数々の悪評に晒されながらも、よくここまで頑張ったよ私。 やっと時代が私に追いついてくれたんだ……。 よーし今日は奮発して豪勢な食事としよう! メインは勿論キュケオーン、付け合わせにキュケオーン、オードブルにキュケオーン、口直しにキュケオーン、そしてデザートはキュケオーンだ!
……え、オイルの具体的な効能? ……前作った媚薬ローションの改良型で肌に直接塗り込むと感度が3000倍上がる(当社比)、以上。
と言うか今はそんなことはどうでもいいだろう? 私がFGOにおいて正ヒロインであることを認められたことを記念して、盛大に祝ってくれよメディア! ほら、今日のこの記念すべき日を祝ってこの崩壊した世界で例の【キュケオーン探偵事務所】を始めるなんてどうだい? 私と言う正ヒロインが看板を背負えば話題性だってバッチリだろ?
……え、効能の説明が聞ければ他はどうでもいい? ……ハハァーン? さては君、嫉妬しているな? いやまあ弟子である君には申し訳ないとは思うが、君ももうリリィのような夢見るお子様ではなく大人なのだから、それに見合った余裕ある大人の対応を……ん? どうしたんだい急に
もうこちらでシャットアウトしなくても向こうで自爆するあたりが最高にキルケー敗北拳だと僕は思うね。
と、この手のグッズが手に入るたびに、最早お馴染と言えるレベルで脳内に現れる怪文書に諦観じみた感想を思い浮かべているうちに、広海さんとマリーさんは部屋の外へと出ようとしていた。
「それじゃあ、わたしたちはここで失礼するわね」
「後はお若い2人でお楽しみにな~」
「もう、それじゃあ、あなたが若くないみたいだわ。
あなたも十分若いわよ?」
「ん、あー、まあ、一応年上だし、ちょっとそれらしい振る舞いをしたくなるみたいな?」
「え、もう帰っちゃうんですか!?」
このままここで2人に帰られたらなし崩し的にジャンヌに襲われ、僕としてはかなり困る。
いや、そもそも僕が毅然とした態度でジャンヌにNOと言えればよいのだけど、ジャンヌのしたいことを絶対に嫌とかそんな強い拒絶なんて出来ないYESマンとなりかけている現状、ある意味ストッパーとなっていた2人に帰られたらその後に起こることなんて手に取るように分かってしまう。
ストッパー自らジャンヌに向けて言外に性行為をするように煽っている辺りがもう手遅れな気がしないでもないけど、とにかくここで帰られるのはマズイ!
「いやいや、君たち2人の邪魔をしちゃ悪いだろ?
せっかくの休暇なんだから、2人仲良く水入らずでな?」
「え、えーっとお気遣いはありがたいのですけど、そこまで気を遣わなくても大丈夫と言うか……そ、そうだ!
もしよかったら、広海さんたちも僕たちと一緒にボードゲームとかしません!?」
「ゲーム?」
「ええ、まあ、こういった旅行の際に小さなものですけど、トランプとかそう言う複数人で遊べるものを持っていくようにしているんです!
……えーっと、ほら、今日はせっかくのダブルデートだったんですし、初めて会った時はあまり時間がなかった分、今日は時間の許す限りお2人とお話とかして仲良くなりたいなと、思っていたり……」
どうにか2人を引き留めようと、一応持ってきていた私物の持ち運び可能なボードゲームを引き合いにして呼び止めようとする。
……打算こそ含まれてはいるが、引き留める理由として挙げた言葉も本音であることには違いはない。
こんな世界なんだからこそ人と人との縁は大事なものだと思うし、かけがえのないものだから大切にしていきたいと僕は思う。
まあ真にそう思うならそれを大義名分に掲げるなよって話なんだけども……
と、自分で言いだしたことに悶々としている僕に対して意外な人から援護がされた。
「私も賛成ですよ、弟君」
「え、ジャンヌ?」
「ほら、一期一会ってよく言うじゃないですか。
人と人との出会いは1度しかないのだから、出会った人たちとは仲良くしようって言うのは私大切なことだと思いますよ」
背後から声を掛けてきたのは、僕が現状2人っきりにはなるのはマズイと思った対象であるジャンヌだった。
ジャンヌの言っている一期一会は少し意味が違うような気がするが、少なくとも言葉とは裏腹に何か別の目的があるようには思えなかった。
てっきりジャンヌはさきほどマリーさんたちに教えられていたこの部屋の設備とか機能をすぐにでも使いたいのではなんて考えていたのだけど……
そんなことを考えつつも、ジャンヌの2人への説得は続く。
「それに私もマリーとはもっとたくさんお話したいですし、何より弟君が望むことに反対なんてしたくないですからね。
勿論マリーや広海さんに無理強いはしないのですが、もしも2人がよろしければ、私たちとの時間を作ってはくれませんか?」
ジャンヌの説得を受けて、広海さんとマリーさんは若干戸惑い気味だ。
恐らく向こうとしても、ジャンヌは僕と2人っきりになることを望むだろうと思っていたのだろう。
「いいのかしらジャンヌ?
わたしたちはお邪魔ではないの?」
「そんなことはありません! 今日弟君と一緒にマリーたちと過ごした時間はとっても楽しかったです。
それに弟君とのエッチはいつでも出来ますから問題ありません!」
最後の発言は絶対蛇足だったと思う。
ともあれ、ジャンヌの強い要望を受けたマリーさんは最初に出ていた戸惑いの表情を引っ込めて微笑みを返してくる。
「ふふ、そうね……。確かにジャンヌの言う通りだと思うわ。せっかくのダブルデートなのだから、最後まで4人で楽しまなきゃ損よね。
2人の仲を邪魔しちゃ悪いだなんて思っていたけど、ちょっとわたしらしくなかったかしら。
ね、あなた、まだ時間はあるでしょ? お言葉に甘えて、もう少しだけお邪魔していきましょ」
「……んー、まあ少し下世話すぎたかなぁ……ともあれ、君たちがそれを望むなら、俺たちとしてもそれに応えるよ。
ちなみに、ボードゲームとかTVゲームの貸し出しもこのホテルではしているよ。
有名どころは多分大体揃ってるだろうし、せっかくだからそっちもやろうか」
「ですって弟君、良かったですね」
「あ、うん。
……いや、ありがとね、ジャンヌ」
「いえいえ、姉として当然のことです」
多少と言うか、割と自分の打算を含んでいた提案が予想外の場から賛成の声が上がったことにより、自分の望んだ展開になるも、後ろめたさから返答がおざなりになってしまったが、すぐ思いなおして僕の意志を尊重してくれたジャンヌに礼を言う。
……不純な思いがあれど、広海さんとマリーさんともっと仲良くしたい思いもあったのだから、ここは2人が僕たちに付き合ったことを後悔しないようにするのが筋だろう。
2人が時間も忘れるくらいに楽しく過ごせるように遊び倒そうと、僕はいそいそと自分のカバンを漁るのだった。
「レイズよ、ここは引かずに仕掛けるわ」
「むむ、その挑戦受けて立ちます!
コールです!」
「……フォールドで」
「あ、僕も降ります」
「ならショウダウンね……わたしはフォーカード」
「むむ、残念……私はフルハウスなのでマリーの勝ちですね」
「あの2人、最初の手札から入れ替えてないよな?」
「流石に幸運ランクAな2人相手にポーカーは僕たちが不利ですかね」
「えいっ! ……7ね。
えーっと、止まった先は……あ、結婚マスね、やったわ!
それじゃあ失礼して……」
「? マリー、どうして俺の車からコマを取ったの?
このままだと俺の車無人になっちゃうんだけど」
「だってわたしが結婚するパートナーは、あなた以外にはあり得ないもの……」
「マリー……」
(すごい自然とイチャつくなぁこの夫婦)
「……」
「ジャンヌ、残念ながら『義理の弟が出来る』なんてマスはないから、そんなにボードを睨まないで諦めて」
「マリーさっきからスターばっかり引いてない!?
別にわざわざゲーム内でもキラキラしながらひき逃げする必要はないんだよ!?」
「キラキラキラキラ、輝くの!」
「あ、聞いてないねこれ……と言うか、弟君はともかくとしてジャンヌも上手いのが意外だ」
「たまに弟君と一緒にやりますからねー。
それ以前も、カルデアのレクリエーションルームで遊んでたりもしましたし」
「何故かオープンワールドでオンラインなFPSをする姿を幻視してしまった」
「広海さん、そのジャンヌはどちらかというと洗脳される側なので気のせいです」
「あなたたちが階段を降りると、目の前には重厚で分厚くどこかおどろおどろしい扉が鎮座していました。
どうしますか?」
「では全員で扉に目星します。……あ、私は成功ですね」
「わたしも成功したわ」
「俺は失敗だ」
「……ジャンヌとマリーさんの出目が両方とも20以下なのはともかく、広海さんも失敗した割には出目は低いような……って全員目星初期値じゃないですか!?
僕目星はこのゲームで一番使うって説明しませんでしたっけ!?」
「私、跳躍と近接戦闘に99まで振っちゃったので」
「わたしも跳躍と乗馬に99まで振ったわ」
「俺も跳躍と心理学を99にしたからなぁ」
「なんでそんな特技尖ってるんですか……あと、困ったら跳躍で何とかしようは出来ませんからね?」
「ていっ!……出目は5ですね。
ブラックミスト地区では好きなカードを引けるんですよね?
では黒のカードを引きます」
(頑なに黒のカードを引いてる辺り、ジャンヌはシャドー陣営かな。
僕もウルリッヒでシャドー陣営だし、ジャンヌをさりげなくフォローしていく感じで行くか。
……でも今のジャンヌの装備って、何故かダメージ増加の装備カードが4枚あるし、もしもここでガトリングとか引かれたら……)
「あ、ガトリング引きました! ラッキーですね!
では都合よく私以外の人が攻撃可能レンジにいますのでまとめて全員攻撃しますね!」
「Oh……」
「ジャンヌってほんと脳筋プレイ好きだよね!?
これ一応チームバトルゲームなんだけど!?」
「弟君、これはコラテラルダメージと言うものです。
勝つためには致し方ない犠牲と言う物なのです」
「でもジャンヌ、今わたしはゴードンの絶対無敵バリアを発動しているから、わたしにはダメージは通らないわよ?」
「……コラテラルダメージです!」
「それ言いたいだけでしょ!?」
「諦めろオーナー君。 そして俺と共に散れ」
「広海さんはなんか悟り開いちゃってるし!」
と、まあそんな感じで広海さんとマリーさんたちとでトランプをしたり、ゲームをしたり、他愛もない会話もしたりして、騒がしくて楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
僕の個人的な自己都合も含まれていたとは言え、ジャンヌも交えて4人で過ごした時間はとても楽しいものだった。
元はデートの参考にしたいからと提案されたダブルデートであったけれど、この時まで過ごしているうちに目的を忘れるほどに楽しい時間を過ごせた。
今日のダブルデートに付き合ってくれたマリーさんと広海さんには頭が上がらないのと同時に、彼らも今日は楽しく過ごせたのか気にはなったけれど、今日一日彼らは僕たちを気に掛けるだけでなく、なんてことない話題に興じたり、施設の遊具などで一緒に遊んでいるときも笑顔を浮かべていた。 確信はないけれど、きっと彼らも楽しかったのだと思う。
ジャンヌが言ったように、人と人との出会いはたった1度きりだ。 これは世界が崩壊した後でも変わらない事実だ。
数多くいる人たちの中で、僕たちと広海さんたちと出会ったのはある意味奇跡に等しいことだと思う。
そんな奇跡で出会えた彼らとの関係が今後も良いものとして続くといいな、なんて考えながら、僕とジャンヌ、広海さんとマリーさんのダブルデートは終わりを告げた。
「……っていう感じで締められれば、ある程度綺麗にまとまって終わっていたと思うんだよね、僕は」
「そうですね。
マリーとはいつかまた一緒に同人誌の制作活動やヒロインショーのコラボをしようとも約束しましたし、今からとても楽しみです」
「うん、それはいいんだけどさ……
なんで僕はベッドに押し倒されて、
気づけば部屋のベッドに押し倒され、両手を頭の上で拘束されていました。
いや、本当に気づいたらそうなっていたんだ。 確かにさっきまで広海さんとマリーさんたちとゲームしたりして遊んでいた筈なのだけど……
僕の疑問にジャンヌは首を傾げつつ返答する。
「なんでって、弟君と日課のエッチをするためですが」
「性行為を日課に組み込まないで! と言うか最初から拘束しているってことは僕が逃げること前提なんだよね!? 僕が嫌がること分かっているんだよねえぁっっ!?」
何故今更そんな質問をするのだとばかりに言ってくるジャンヌに返そうとした言葉は、股間にふわりと走った心地よい痺れに止められてしまい、変な声を出してしまう。
その反応を見てジャンヌはくすくすと笑い、指で僕の頬を撫でながら耳元で囁いてくる。
「いっつもそう言って、最終的にはお姉ちゃんに可愛いおねだりしちゃうのは、どこの弟君でしたっけ~?
今もちょっと撫でられただけで上ずった声が出ている辺り、本当は期待していたんですよね?
触る前からおっきしちゃってるところも、説得力なくしちゃってますよ、エッチな弟君♡」
「……っ! い、今のはちょっと不意打ちされただけだから……と言うか広海さんたちは?
正直オールも覚悟していたのだけど、いつの間に帰っちゃったの?」
話の主導権も流れもジャンヌへと傾いているのを感じ、どうにか空気だけでも変えようかと無理矢理話題の転換を図る。
実際気にはなっていた疑問ではあるし、嘘をついている訳ではない。
少しは機嫌を悪くしてしまうと思ったが、特にそう言った様子を見せることもなく、顔を挙げたジャンヌはいつもの調子で答えた。
「あのお2人でしたら日課の運動があるからと帰りましたよ?」
「ぼかしているようでぼかし切れてないないじゃんそれ!
夜に運動ってそれ絶対ヤッてるパターンじゃん!」
「まあまあ、仲睦まじい夫婦で良いじゃないですか。 愛する者同士で、お互いに愛をさらけ出して愛し合う姿は私たちも参考にすべき理想的な関係です」
こっちが見ているのが恥ずかしいほどにくっつき、イチャつきながら帰路へとつくのが容易に想像できてしまうが、声を荒げる僕をジャンヌは宥める。
……まあ確かに、あの2人の間に不和や不純があるようには見えなかったし、愛し合う者同士でそう言ったやり方で愛を確かめ合うのは、ジャンヌの考えにしても教えにしてもセーフなのだろうか?
いや、とにかく今はこの状態からの離脱を図らないと
「そ、そっか……いや、まあ広海さんたちの仲の良さは確かに理想的なものだとは思うけど、少なくとも彼らはパートナーが嫌がることを強要したりはしないし、ジャンヌだってさっき性行為はいつでも出来るって言っていたじゃないんむぅっっっ!? む、んむぅぅう!?」
広海さんたちのことを引き合いに出し、ジャンヌの言質も材料に説得を試みるが、全て言葉が紡がれる前にまたジャンヌが僕の口を塞ぐ。 今度はキスで物理的に言葉を遮られ、ねじ込まれた舌が僕の口内を犯し、蹂躙し、逃がさぬように両手で顔を抑える。
「んちゅっ……んっ……ふぅ、これでよし、と」
「あ……あぅ……♡」
逃げ場のない甘いキスで惚けさせられた僕を、ジャンヌは優しくお姫様抱っこで抱き上げて笑いかけてきた。
「私、別に今日はエッチをしないだなんて一言も口にしてないですよ? って、今はどうでもいいですよね。
では早速お風呂に行って、弟君を隅々まで綺麗に洗いましょう。
お風呂の機能も使って楽しんだ後は、マリーから貰ったオイルを使ってい〜っぱい気持ちいいのぴゅっぴゅしましょうね〜♡」
「ひ、や……ぁ……♡」
恍惚から立ち直れていない僕から出た抵抗の言葉には、自覚できるほどに快楽に堕ちている事を示すような、掠れたものだった。
そんな弱々しく、抵抗なんて本気でする気のない言葉をジャンヌが受け取る訳もなく、僕を持ち上げたまま浴室へと歩を向けた。
そして、僕の意識はあまりの快楽の電流に悲鳴をあげたのを最後に途切れた。
「あ、おはようございますマリー、そして広海さん!」
「あら、おはようジャンヌ、オーナーさん
とってもいい朝ね」
「ああ、おはようジャンヌ、オーナー君。
昨日はとても楽しい時間を過ごせたよ、ありがとう」
「お、おはようございます……。
昨日はこちらこそお礼を言いたい程、楽しい時間を過ごせましたよ……。
あ、ありがとうございます……」
なんで僕以外の3人はツヤツヤしてるんだろ?
時刻は朝陽が完全に姿を見せ、地を照らす頃。
昨夜の出来事にまた流されてしまったと頭を痛めつつ、傍らで眠るジャンヌを起こしてホテルのビュッフェに向かっていた際ばったりと広海さんとマリーさんと出会ったのだが、隣にいるジャンヌと同様に血色が良く、肌もツヤツヤとしていた。
片や僕と言えば、自分でも分かるほどに肌の血色が悪く、体全体も怠かった。
「体調悪そうだなオーナー君。 サキュバスにでも襲われたか?
ほれ、そんな時はこれを飲むといい。 匿名希望のキャスターP特製のドリンク」
「わ、分かってるくせに……まあ、ドリンクはありがたくいただきますが」
差し出された真っ赤なラベルの張られたドリンクを一気に煽るも、これまで飲んだことのないような名状しがたい苦さのような渋さのような何かが口一杯に広がり、噎せそうになる。
それをどうにか飲み込み、口の中の味を流そうと唾液を大量生産しながらドリンクの差出人へと恨めし気な視線を向けた。
「……これ、すっごい変な味ですけど、何入ってるんです?」
「製作者曰く、赤マムシドリンクを参考にゲイザーの肝とかワイバーンの心臓とか、後はラミアの」
「いや、やっぱいいです!
と言うかなんてもん飲ますんですか!?」
つい文句を言うも、その後目に見えて体の怠さがなくなった辺り効能は確かであったことから、製作者は勿論差出人にもこれ以上の苦言を呈することは出来なかった。
とまあ、ひと悶着もあったがせっかくだからと広海さんとマリーさんと共に朝食のビュッフェを共にした。
そこでもまた毒にも薬にもならないような、それでも楽しい会話をして楽しい時間を過ごしていたが、気づけばシルク・ドゥ・ルカンへと帰る時間となっていた。
「それじゃ、お世話になりました」
ホテルのエントランス前まで見送ってくれたマリーさん広海さんに礼を言い、頭を下げる。
それに対してあちらもまた礼を返すと、マリーさんは3歩ほど歩いて僕たちの目の前まで距離を詰めてきた。
「ジャンヌ、それとオーナーさん。 手を出していただけるかしら?」
なんだろうかと考えつつ、言われた通りにジャンヌと共に手を出す。
マリーさんは差し出された僕たちの手の上に手を乗せ、何かを握らせた。
握らされたそれを確認しようと差し出した手を開くと、そこにあったものに驚愕し声が漏れる。 僕の隣でジャンヌは感嘆の声を上げていた。
「わぁ……とっても綺麗ですね」
「ふふ、気に入って貰えて嬉しいわ。
それはダイヤモンドで作ったブローチなの。
ダイヤはこのホテルタウンのキャスターが特殊な方法で作ったものらしいのだけれど、そう何度も作れない貴重なものだから、大切にしてくれると嬉しいわ」
「ダイヤモンドの石言葉には【永遠の絆】ってのがあるんだ。
まあちょっと重いかもしれないけど、このダブルデートのお土産には丁度いいだろう?」
透き通った色のダイヤモンドを中心に、周りを銀の花であしらったそのブローチはさながら宝石の花のようであり、宝石は勿論のこと、装飾品も丁寧な作りであることは素人目でもよく分かった。
正直、こんなに高価で貴重であるものは受け取れないと断ろうとしたのだが、広海さんの石言葉についての話を聞いて留まる。
……彼らも、昨日のジャンヌの言葉を聞いて思うところがあって、だからこそ僕たちの関係が今後も善きものとして続いていくことを願ってこれをプレゼントしてくれたのだと思う。 ならば、これを受け取らないのはその彼らの好意を無下にしてしまうような気がしたために、喉元まで出かかっていた遠慮の言葉を飲み込む。
そして次に会えた時には、こちらも相応のもてなしをしなければと気を引き締める。
「……確かに、ピッタリのお土産ですね。
素敵なお土産をありがとうございます」
「こちらこそ、楽しい時間を過ごせたわ。
今度またそちらにお邪魔するから、その時はまた昨日みたいに楽しい時間を過ごしましょう」
「ええ、その時は弟君共々大歓迎しますので、是非来てくださいね!
その時はマリーも一緒にヒロインショーをしましょう!」
「えぇ、勿論よ!」
正直それは遠慮して欲しいかなと、お互いにハグの挨拶を交わすジャンヌとマリーさんに内心で苦笑しつつ、広海さんへと向き直った。
「それじゃあ今度こそ、お世話になりました。
ジャンヌの言う通り、こちらはいつでも大歓迎ですので」
「あぁ、元気でね。
ちゃんと向こうに着いたら、無事着いた旨を連絡してくれよ?」
「なんですかもう、過保護ですね……では、また」
「あぁ、またね」
挨拶を交わし、ホテルタウンの出入り口へと歩む僕たちを、マリーさんと広海さんは僕たちが見えなくなるまで手を振って見送ってくれて、それに時折振り返りながら手を振り返す。
こうして、唐突な提案から始まった僕たちのダブルデートは終わりを告げた。
「……行っちゃったわね」
「そうだね、マリー。
今度会えるのはいつになるかな?」
「そうね……きっと会うとしたら、ジャンヌとオーナーさんの
「……? なんだか未来でも見たかのような言葉。
千里眼のスキルでも発現した?」
「ううん、違うわ。
でもそうね……女の勘ってものだし、直感スキルに近いかもしれないわね」
「なるほどねぇ。
……もしかして、トパーズやアパタイトじゃなくて、ダイヤモンドにしたのはその辺りも関係ある?」
「ふふ、それはどうかしら?」
「その言い方されると気になっちゃうんだけど……まあともあれ、彼らの間でも一波乱はありそうだ」
「心配ないわよ。
すれ違ってはいても、お互いに思い合っているのは間違い無いのだから」
「……それもそうだな。
それじゃあ俺たちも戻ろうか」
「ええ、そうね」
振り返り、ホテルの方へと歩を向ける。
どうか友である彼らの道行の闇が晴れますようにと、心中で祈りながら。
「……そう言えば、帰りもオルタクシーを予約してるってジャンヌが言っていたと思うのだけど、オーナーさんは大丈夫かしら?」
「……あ」
「……」
「……」
振り返り、空を見上げて十字を切る。
どうかあのタクシーが彼のトラウマにならぬようにと、少年の生還を祈りながら。
お姉ちゃん「弟君、パソコンをそんなに睨んでどうしました?」
弟君「オルタクシーのレビューを書いてるの(死んだ目)」
はい、と言う訳でnibiiroさんが執筆している『崩壊した世界でマリーと夫婦性活する』とのコラボはこれにて一端終了です。
nibiiroさん、コラボの許可及び文章の確認、設定のすり合わせ等していただきありがとうございました!!
https://syosetu.org/novel/200085/
Q1.キルケーもうこれほぼレギュラーじゃね?
A.本編で直接顔合わせすることはないだろうし良くて準レギュラーでしょう。
誰かキュケオーン探偵事務所を崩壊世界で開く小説書いてもええんやで?(ニッコリ)
Q2.作者はキルケー嫌いなん?
A.いえいえ、大好きですよ。例のアイアイエー島のイベントでイメージが良い方向で変わった感じです。
本当に未練タラタラなら、あの最後の場面で彼にあんな言葉を言う筈ないですし、けじめのしっかりとつけている姿はキルケー敗北拳なんて口が裂けても言えませんでした。と言うか言う場面でもない。
……それはそれとして無辜の怪物ってあるじゃろ?
Q3.本文でやってたゲームについて
A.最後の以外は有名所から出したのでみんな知ってるんじゃないかな?
最後のゲームのタイトルが分かった人は私と友達になれるよ
Q4.ダイヤモンドの石言葉について
A.調べてみると結構多い。花言葉と同じで、いくつも意味があるのだと思う。
4月の誕生石であるダイヤモンドの石言葉は『清純無垢』や作中で述べた『永遠の絆』や『変わらぬ愛』、『純潔』や『永久不変』等の意味があるそうです。
Q5.ヒロインショーについて
A.本編終わったらこれまでに登場したヒロインかき集めてヒロインショーやろうと思う。
キャラ多すぎて死にそうだけど
さてさて、次回なんですが久しぶりにそこそこ好評な掲示板ネタをやろうかなとは思ってはいるのですが、その後を考えていないのでアンケートをとろうと思います。
どしどしお答えを~
そして最後にしつこいようですが、nibiiroさん含め、今回のコラボの話で協力をしてくれた皆様、本当にありがとうございました!!
次々回のお話に関するアンケート!
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ジャンヌとのオイルプレイ(エロ回)
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掃除屋の話(『ハント』の仕事風景)
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ほのぼのした日常回
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もう全部やれよ