※この作品はR-18です。

崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話   作:アルテマ

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 本編には直結しない話ですが、時系列的にはここに入れた方がよいと考えて本編の章に投稿です。

 今回は前回も述べた通り、シリアスで弟くんもジャンヌも出ません。多分掃除屋以来かなこの手の書くのは。

 今回の話を書くに辺り、サイキライカ様に協力していただきました。 

 サイキライカ様、ご協力ありがとうございました。


閑話 黒髭

 空は澄み渡るように快晴。 広がる青のキャンパスはどこまでも広がっているようで、そのキャンパスを背景に小さな海鳥たちが空を滑るようにして飛ぶ。

 蒼く染まる天上の海には小さな雲が数隻風に乗って泳いでいるが、空の広さと比べてしまえば小船と言えるため、快晴であることに違いはない。 

 

 

「でゅっふふんでゅふーん♪でゅっふふんでゅふーん♪」

 

 

 そんな太陽が空の真上と地平線の中間ほどの位置から地上へとその日差しを降り注ぎ、絶好のお出かけ日和と言える天気の中、空の雲と同様に風に乗って海を進む海賊船【アン女王の復讐(クイーンアンズ・リベンジ)】。 そしてその船の宝具の所持者である黒髭ことエドワード・ティーチは機嫌良さげに鼻歌を交じえながら操舵輪を握り舵を切っていた。

 どうにも個性的な鼻歌(オブラートな表現)であるために第三者から見れば気味が悪く、最悪通報待ったなしな訳なのだが、この帆船には黒髭の部下である低級霊しかいないために、黒髭が特に周りを気にするような必要はない。 よって彼は遠慮なしに鼻歌を続ける。

 最も、今の黒髭はこの様子からも分かる通りに機嫌が大変よいため、高揚する気分を抑えきれずに周りに人がいたとしても鼻歌を続けていただろう。

 

 

「でゅっふっふーん♪でゅふんでゅふーん♪

 いやー、今日は本当良い日ですなー。 空は快晴、風は穏やか、拙者の心は春真っ盛り!

 連日の仕事疲れも何のその! ああ、拙者ご機嫌すぎて自然と船の速度も上がっちゃいますなー!」

 

 

 その黒髭の心情を体現するかのように、本当に速度が上がるどころか、魔力が漏れ出して若干海面より浮き始めているアン女王の復讐(クイーンアンズ・リベンジ)。

 これだけ黒髭の機嫌が良いのは当然訳があるのだが、空が快晴であることだけで機嫌が良くなるような人物でもない。

 では何故彼の機嫌が良いのか説明すると、黒髭は普段はこの崩壊した世界において自身の船を用いた物品の海上輸送と同時に自身でも商売を行って利益を得ているのだが、ここ最近はどうもトラブルが頻発し、黒髭はその対応に追われて、肉体面はともかくとして精神的疲労は少なからず感じていたのだ。

 

 

 一応休日に趣味に没頭したり、ひたすら寝たりして過ごすことにより回復しようと試みたのだが、一時的にしか効果がなく、2日3日すれば度重なるトラブルに心労は休日の直前の状態へと逆戻り。 それどころかストレスは溜まる一方であった。

 なんとかしなければ、自分も某過労王や酷死無双な軍師のようになってしまうと危機感を抱き、どうしたものかとスケジュールを見直していたとき、ふと彼の目に【シルク・ドゥ・ルカンでヴィラン役の仕事】と書かれた明日の予定日の欄が目に留まり、妙案を思い付いたとばかりに指を鳴らした。

 

 

 

───あ、もしかしてあそこのスポンサーなら、拙者好みの癒し系女子ともコネを持っているのでは?

 

 

 

 思い立ったが吉日とばかりに、黒髭はシルク・ドゥ・ルカンのスポンサーへと連絡を入れて、ヒーローショーの報酬に上記の内容の願いを求めた。

 幾ら穏やかな幼少時代の姿で現界しているとは言え……いや、未来の己自身よりも遥かに紳士的であるスポンサー、ギルガメッシュのことを考えれば、不敬あるいは紳士の行うことではないと怒りを買う可能性のある要望なのだが、よっぽど疲れていたのだろう黒髭は全くそのことに思い至らなかった。

 

 

 しかし遠隔操作リアル黒髭危機一髪のような海が血の赤で染まりそうなことが起きるようなこともなく、それどころかスポンサーであるギルガメッシュは黒髭のことを労い、迅速に黒髭の要望に応えられるようにすると返答を受けたのだ。

 この報を受けて黒髭の気分は正に有頂天と言った具合にまでテンションアップし、鼻歌を口ずさみながら帆船では絶対に出せないような速度でシルク・ドゥ・ルカンへと向かう今へと至るのだ。

 

 

「いやぁ、あまりに楽しみすぎて昨日は眠れませんでしたなー……。

 しかし拙者不思議と全く眠くはありませんのですが、遠足が楽しみな小学生ですかなー?

 ま、拙者が小学生なんて童心に返るにはオッサンすぎますなぁ! デュフフ!」

 

 

 あまりにテンションが高くなりすぎていることにより、自虐ネタを挟みながら更にアン女王の復讐(クイーンアンズ・リベンジ)の速度を上げる黒髭。

 今にもスキップでもしだしそうなほどの速度で海上を走るその帆船はあっという間に目的地の江東区海沿いの新設された港が肉眼で見える距離にまでたどり着いた。

 

 

「おっと、いつもより3時間は早くたどり着いてしまいましたなー。

 いや、ショーが始まる6時間前に現地には到着している拙者マジ社会人の鑑。 ま、拙者海賊なんですけど、デュフフw」

 

 

 そうつぶやきながら慣れた手つきで港の船着き場へと船を寄せて錨を部下に降ろさせると、甲板を蹴り港へといの一番に着地した。

 膝を曲げて着地した彼はゆっくりと立ち上がり、晴れやかな顔で呟く。

 

 

「体が軽い……! こんな気持ちで仕事に励むのは初めて……もう何も怖くない!

 だって拙者、1人ぼっちじゃないもの!」

 

 

 何故か有名な死亡フラグなセリフを口にする黒髭。 完全に深夜テンションでハイになってしまっている。

 黒髭の史実における最後のことと、上記の死亡フラグセリフを実際に口にした者の最後を考えると、完全にフラグが成立した場合黒髭の心情的にも大変よろしくないことが起きそうであるのだが、時刻はまだやっと人々が外へと出かけ始めた辺りの時刻であり、港には黒髭とその部下の低級霊以外誰もいない。

 その低級霊たちも黒髭には目もくれず、せっせと積み荷の運び出しを行っていたため、黒髭の発言についてツッコミを入れられる者はいないのである。

 

 

「……まあ元々拙者1人ぼっちではないのですが、低級霊(こいつら)は命令は出来ても意思疎通は出来ませんしなぁ……ま、そんなクラスでぼっち扱いされているかのような寂しい日々とはもうお別れですぞー!デュフフフ! こんにちは一時的癒しタイム! さようなら疑似ボッチライフ!

 ……あ、自分で言ってて涙が出そうですぞ……」

 

 

 全く反応を返さないかつての部下たちに一抹の寂しさを覚えながら、今日貰える報酬の期待に胸を弾ませるも、あくまでそれは接待であることを分かっているがために若干気落ちする黒髭。

 1人でテンションが上がったり下がったりと、忙しい人物である。

 

 

「ククク、なんとまぁ、黒髭とも悪名高いお方が堅気の仕事に真面目に取り組んでいるとは、改心をしたと言うよりは落ちぶれた、と言った言葉が相応しいかな?」

 

 

「……あ?」

 

 

 黒髭は突如背後から聞こえてきた侮蔑の声の方向へと振り返る。 誰もいない筈の港で、彼を待っていたかのように現れたのは、依れたスーツを着た中年の男性だった。

 その男は黒髭を前にしてもニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、見下したような視線をあからさまに黒髭へと向けていた。

 黒髭から見ても無礼で気持ちの悪いその男に、彼は1つ息を吐き頭に手を当て、とぼけるようにして口にする。

 

 

「……あー、おたく誰ですかな?

 拙者の記憶におたくみたいな典型的モブ顔モブ体形モブパーソナリティーな、使い捨てキャラっぽい奴に見覚えはありませんがー?」

 

 

「ふん、そうやって粋がっていられるのも今のうちだ。 貴様のような低レアなんぞ、我らの手にかかれば一瞬で消し炭の如く殺せるのだからな」

 

 

「やだ、吐くセリフまで1話使い捨ての三下モブ……死亡フラグまで立てる辺り芸術点高すぎでござる……」

 

 

 黒髭のおちょくるような態度に眉間に皺を寄せてあからさまに怒りを露わにするも、その男は苛立たし気に舌打ちをして話を切り出す。

 

 

「まあいい。 貴様のような雑魚サーヴァントの元に俺がわざわざ出向いたのは、貴様にもわが財団の代表の恩恵に預かれるチャンスをやろうと思ったからだ。 優しい俺に感謝しろ」

 

 

「へーそりゃあ光栄ですなー。 拙者お主の言うその財団とやらについて全く知らないのでござるが、とっても光栄ですなー」

 

 

「減らず口も大概にしておけ! そうやって我ら葛城財団を舐めていると死ぬことになるぞ!

 おい、出てこい!」

 

 

 耳に指を突っ込んでどうでもよさげな黒髭に遂に怒りだし、背後の方へと怒鳴り声で何かへと命令を下した。

 するとその男の背後の港に積まれたコンテナの陰から、機械のモーターの駆動音を鳴らし、遠慮なしに地面へと足を踏みつけ、ガシャンガシャンと鎧のような重低音を響かせながら、命令を出した男の背後へと並ぶ何かが現れた。

 姿は足や腕こそあるが、人間とは似ても似つかないそれは鈍い銀の色のフォルムで構成されており、足の根元から上は電車の先頭車両を真四角にしたかのような胴体、その横には腕らしき部位に装着された黒塗りのマチェット、もう片方の腕には火炎放射器が装備されていた。 そんな重装備と言える兵器が合計で3体。

 その3体は整然と男の後ろへと並び、センサーが搭載されているように見える胴体の中心のそれは、男の命令を待つようにチカチカと光っていた。

 

 

「……あら、やけに余裕かましてると思ったら、そう言うこと?

 それもお主の言う葛城財団の代表ってやつから貰ったものですかな?」

 

 

「そう、これは我ら葛城財団が対サーヴァント用に開発した機械兵、その試作品だ。

 代表は俺のこれまでの働きを評価してくださり、その褒美にこれらを下賜してくださったのだ。

 貴様のような星2の低レアサーヴァントなんぞ、束になっても敵わないほどの兵器だ」

 

 

 葛城財団。 その財団の名前はあまりにも有名な巨大組織。

 海で活動することが大半である黒髭でも、特に調べずとも葛城財団の名は耳に入るほどだ。

 建前は崩壊した世界の復興の援助をしてはいるが、実態はひたすらに弱者から搾取し、財団だけが利益を貪っている。

 それだけでなく、目的は不明だが女性サーヴァントを無作為にひたすら捕らえており、そのサーヴァント捕獲のためにいくつもの対サーヴァントの兵器を開発している。

 葛城財団を名乗ったその男の後ろに控えている機械兵たちも、サーヴァントとの戦闘を想定して開発された代物であることを男の言からも黒髭は察し、両手を上げて振りながら自虐するように言う。

 

 

「……まあ確かに拙者は所詮無料ガチャで召喚されるアンコモンな低レアサーヴァントでござる。

 霊基も他の高レアのサーヴァントたちと比較したらひ弱ですしおすし、葛城財団程の有名で技術力のありそうなとこが作ったそんな頑丈そうな機械の兵たちに襲われたら、ひとたまりもないですなー」

 

 

「ククク、そうだ。 分かったのなら大人しく身の程を弁え、俺の命令に従え」

 

 

 黒髭の生意気な態度が引っ込んだことに気を良くしたのか、愉快そうに男は笑う。

 なんともまあ、分かりやすいやつだことで、なんて黒髭は心中で口にしながら男の用件を促す。

 

 

「で、その命令ってのはなんでござんしょ?」

 

 

「簡単な話だ。 貴様、あのイルカショーで役者の仕事をしているのだろう?

 ショーの一環と思わせながら、会場を滅茶苦茶に混乱させろ」

 

 

「……ふーん、一応目的を聞いても?」

 

 

 男のその命令に、黒髭は返答を返しつつも眉を小さくひそめる。

 不快そうな表情と声をあげる黒髭に気づいていないのか、自分に酔った様子で男は話を続けた。

 

 

「代表はあるサーヴァントたちを連れてこいと我々に命令していてな。 その指定したサーヴァントの中にはジャンヌ・ダルクがいた。

 シルク・ドゥ・ルカンには1度そいつの身柄を寄越すように交渉をしたんだが、あそこのオーナーは愚かにもそれを拒否してな。

 今じゃ、あのイルカショー会場近くには警備のサーヴァントどもがそこら中を日夜監視の目を光らせ、いくら我々と言えども近づくのは面倒な状況。

 そこで貴様の出番と言う訳だ」

 

 

「……なるほど。 拙者はシルク・ドゥ・ルカンで仕事がある身。

 それを利用し、相手が油断しているところをかき乱す寸法と言う訳でござるか……。

 古くからある策の1つではありますが、単純な上に狡いですなー」

 

 

 男の意図を理解した黒髭はこの場にそぐわないどこか呑気な声を上げつつ嘲るように鼻で嗤うも、黒髭よりも優位を得ていると思っているその男はその嘲りを気にするようなことはせず、寧ろ黒髭をどこか憐れむように言った。

 

 

「褒め言葉として受け取ろう。 俺は使える物ならなんであれ使う主義でね。

 それに、貴様にとっても悪い話ではない筈だ」

 

 

「……そりゃどういった意味で?」

 

 

 まるで自分はお前を理解していると言わんばかりの言い方に、黒髭の声が遂に低く威圧するようなものへと変化する。

 得意げに語る男は黒髭のその変化を図星を突かれたことによるものだと解釈し、更に気を良くしたように尊大な態度を肥大化させて語り出す。

 

 

「しらばっくれなくていい。 貴様があんな三文劇に付き合っている理由は容易に想像がつく。

 要は金銭が目的なのだろう? でなければ、かつてカリブ海で悪名を馳せた黒髭ともあろう大悪党が、あんな稚拙で程度の低いショーの道化を律儀に演じる筈がない」

 

 

「……」

 

 

 押し黙る黒髭の顔は俯いていて、その表情を窺うことは出来ない。

 それに気づいているのか気づいていないのか、得意げなその男は遂には両手をあげ、訴えかけるような演説を続けた。

 

 

「今の貴様はただ略奪するより、そちらの方が金払いがよく儲かるから堅気の仕事をしているに過ぎんのだろう?

 結局のところ、どう取り繕うが貴様の本質は略奪者でしかない。 自分で生み出すより、他人から奪った方が楽だからな。

 俺はその略奪のための場を、貴様の為に整えてやろうと言うのだ。

 無論報酬は相応のものを用意する。 高い成果を上げた暁には、報酬を更に上乗せしてやろうじゃないか。

 

 

 

 

 

 ───本当は気に食わなかったのだろう? くだらないショーの舞台装置に据えられて、屈辱だっただろう?

 

 ───もう耐える必要などないのだ。 好きに暴れて、好きに奪って、好きに殺してしまえばいい。

 

 ───それが海賊、略奪者の生き方であり、矜持であるのだからな!」

 

 

 

 

 そう締めて演説を終えた男は満足したように一息ついて、興奮して上げていた両手をゆっくりと下げた。

 やりきったような様子で黒髭の前に現れた時と同じような、気色の悪い笑みを浮かべて黒髭の返答を待つ。

 男の視線の先で、黒髭は演説が終わった後でも未だに俯いて沈黙を保ったままだった。

 僅かな静寂。 港の埠頭へと緩やかに寄せては返すさざ波の音だけが彼らの耳に聞こえてくるのみ。

 数十秒たって男の方が痺れを切らし、黒髭に返答を促そうと口を開こうとしたその時だった。

 

 

「……ク、クク」

 

 

 左手で顔を抑えて笑みを堪えるように、されど堪えきれずに声が漏れ出している黒髭。

 それを訝し気に見る葛城財団の男であったが、その態度もすぐに別の物へと変化する。

 

 

「クハ、ハハハハハ!ギャハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 突如として体を仰け反り、狂ったような笑い声を空へ向けてあげる黒髭。 波の音しか聞こえてこないないこの港で、その哄笑は嫌に響き渡っていた。

 黒髭の唐突な変貌に、余裕の態度だったその葛城財団を名乗るその男も驚愕し、困惑する。

 

 

「ハ、ハハハ……分かってるねぇ、分かってるじゃねえかお前!

 お前くらい分かってる奴の方が、俺も面白いってもんさ!」

 

 

 そんな困惑する男には目もくれず、矢継ぎ早に黒髭はそう言うと男の下へと歩き出して左手を差し伸べた。

 黒髭の奇行に混乱しているその男は差し出された手と黒髭の顔を何度も交互に見た後、その意図を察したように、また気色の悪い笑みを浮かべていた。

 

 

「ハ、ハハハ! そうかそうか、なるほど、どうやらお前は他のサーヴァントどもよりはマシで多少賢いようだな。

 そうとも、俺は他の愚か者共とは違う! 俺は誰よりも優秀で、選ばれた人間なのだ! だからこそ、葛城財団であの方に認められ、機械兵(こいつら)を与えてくださったのだ!

 貴様のような低レアの雑魚に理解されるのはそれはそれで腹が立つが、俺は寛大だからな、俺の手を握る栄誉も含めて特別に許してやろう!」

 

 

 優越感に満たされ、一転して機嫌を良くしたようにべらべらとそう言う男は、黒髭が差し伸べている手をしょうがないと言わんばかりに握ろうとして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───空気が割れたような音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 足元辺りから伝わった衝撃波が全身を貫き、男の体は硬直。 間を空けず耳に響いてきたその音に思考が停止する。

 

 

「……は?」

 

 

 背後から聞こえてきた、波打ち際で羽休めしていた海鳥たちが逃げるようにして飛び立っていく羽音を聞きながら、男の思考が少しずつ取り戻されていく。

 

 

 今、何が起きたのだ? 何か、甲高い音が……

 

 そうだ、今のは銃声だ。 世界が崩壊した後で、もう数えきれない程間近で聞いてきた音だ。

 

 どこからだ、今の銃声はどこから聞こえてきたのだ……?

 

 確か、音がした方向は……

 

 

 男はゆっくりと、機械のようなぎこちない動作で銃声がした方向へと視線を向けた。

 視線が向かう先は男が握ろうとしていた黒髭の左手。 差し伸べられるように形作られていた筈の手には、彼が愛用している髑髏の絵と黄金の装飾を施されたクイーン・アン・ピストル*1が握られており、その銃口からは発砲された直後の証である硝煙が、海風に揺れながら空へと上がっていた。

 

 

「……は、あ?」

 

 

 男が再び視線を動かし、銃口の先の銃弾の放たれた方向へと顔を向けると、男はなんとも間の抜けた声を漏らし、視線の先で映ったものを呆然とみつめていた。

 

 

 それは赤い染みが広がっていく、自身の膝頭であって───

 

 

「ぐ、ぎ、ぎゃぁぁああああああああああ!!?」

 

 

 自分の足が撃たれていたことに今更気づいたその男は、膝を抑えてその場へと倒れ込みながら苦悶の声を叫んでいた。 

 男は自身が撃たれたことを自覚した瞬間に膝が熱せられたかのような熱を帯びた錯覚を受けて、その熱をもみ消すようにして強く膝を抑えるも、その熱が冷めるようなことはなく男を苦しめる。

 

 

「デュフフフフw と言う訳で拙者を楽しませてくれたお礼に、この黒髭直々に鉛弾をプレゼント!

 いやー、良かったですなーモブ団員A君。 拙者のような大海賊に銃弾をぶち込まれて、さぞ嬉しいことでしょう! 栄誉ですぞー!」

 

 

 撃たれた痛みでのたうち回るその男の様子を、黒髭はケラケラと笑いながら、いつものふざけた調子でそんな事を口にする。

 あまりにもこの場の状況にそぐわない黒髭の様子に、訳も分からず撃たれたことも含めて怒りを露わにするその男は痛みに耐えつつ、黒髭へと問いただす。

 

 

「き、きさまぁ……! 何の真似だこれは!?」

 

 

「何って、お主があまりにも100点満点なテンプレすぎる三下ムーヴかまして面白かったから、そのお礼に花丸の代わりに弾丸をプレゼントしただけですが、何か不満でも?」

 

 

「な、に……!? お、おのれぇ、俺を騙したな……!」

 

 

「……あ、もしかして、『お前くらい分かってる奴の方が、俺も面白いってもんさ』ってやつ、おたくがえらっそーに語ってた、拙者の海賊の矜持とやらについての回答だと思った?

 ハハハ、だとしたら見当違いも甚だしいでござるなー。 どれくらい甚だしいかって言うと、SNSでちょっとした討論中になんの接点もない第三者がドヤ顔で意味不明なこと喚いた挙句に、『はい論破~w』って締める奴くらいには見当違いですぞー!」

 

 

 男の勘違いを心底可笑しそうに、そしてその男が苦しむ様を見て楽しそうにしながら笑う黒髭。

 黒髭のその挑発を受けて、痛みに悶えていた男の中で殺意が急速に膨らみ、激昂したように痛みすら忘れて吠えていた。

 

 

「ッ……! 何をやっている木偶共が! 殺せ! そいつを殺せぇええええ!!」

 

 

 殺す。 こいつだけは、絶対にこの場で殺す!

 

 

 ドス黒い殺意だけを胸に、そしてその殺意を燃料に口を動かし、背後にいる命令待ちをしていた機械兵たちへと命令を下す。

 主人が命の危機の状態であるにも関わらず不動であり、主人の命令を受けてやっと動き出した機械兵たちは、取り付けられた武装を黒髭へと向けようとするも、機械兵が武器を構える前に既に黒髭は動き出していた。

 

 

 黒髭の敏捷はEとランクの中では最低であるが、それでも人間を遥かに超えた超常的存在のサーヴァント。

 会話が出来るほどに接近した距離で、尚且つ命令してやっと動き出すような兵器に後れを取る筈もないのだ。

 

 

「フンッッ!!」

 

 

 一息で機械兵へと接近した黒髭は最も近くにいた機械兵へ裏拳を炸裂させる。

 直撃した機械兵は叩かれた金属性の胴体(ボディ)を内部の部品を軋ませながらヘコませ、地につけていた足は港の埠頭より離されて放物線を描きながら最後にはボチャンと音を立てて海へと落ちた。

 

 

 早くも1体戦闘不能になるも、感情持たぬ機械故に動揺などせずに状況を冷静に判断し、互いに至近距離にいることから白兵戦を仕掛けることを決定。

 機械兵2体は近接武器であるマチェットを構えると、左右から挟み撃ちになるようにして黒髭に襲い掛かる。

 黒い刀身に、魔力で強化されたことが窺えるブレードの部分に走る赤い粒子は血のようであり、まともに喰らえばサーヴァントでも危ういと一目で分かる。 対サーヴァント兵器の名で開発されたのは伊達ではないのだろう。

 

 

 しかし、黒髭とてカリブ海においてその異名を轟かせた大海賊。

 部下たちにまで悪魔の化身だと畏れられていたその名もまた伊達ではない。

 

 

 挟み撃ちで同時に迫ってきていた機械兵に対し、黒髭は迷う素振りもなく片割れの機械兵へと突進し、マチェットの刃を右手のフックで弾き、軌道を逸らすと機械兵の胴体(ボディ)を捕らえ、もう片方のマチェットで刺突を仕掛けてきた機械兵の方へと押し付けた。

 その結果、マチェットで貫かれたのは黒髭ではなく機械兵だった。 マチェットは機械兵の胴体(ボディ)の中心を貫き、バチバチとショートした音が響く。

 すかさず黒髭は盾にした機械兵のマチェットを根元から引きちぎり素早く逆手に持ち替えると、刺突したマチェットが抜けずに身動きの取れない機械兵へと突き刺し、無理矢理押し込むようにしてマチェットの柄に横合いから回し蹴りをお見舞いした。

 ガリガリガリッ!とギア同士の連結が軋み壊れ、最終的に核となる部位を貫かれたのか機械兵はアイセンサーの光が点滅し、やがて力尽きたかのようにして明かりが消えた。

 

 

「ヘッ……」

 

 

 1つ鼻を鳴らし、マチェットで貫かれた機械兵たちを蹴り、一体目の機械兵同様海へと突き落とす黒髭。

 片やショートし行動不能、片や完全に機能停止している機械兵たちはドポンと音を立て、浮かび上がることもなく港の海へと沈んでいった。

 時間にして1分にも満たない戦闘時間。 いや、機械兵が戦闘不能になるまでの時間と、機械兵たちに苦戦することもなく、数手で敵を殲滅した黒髭のことを考えれば、今のは戦闘ではなく蹂躙であったと言えるだろう。

 

 

「……は?」

 

 

 その光景は怒りと殺意で満たされていた男の思考に冷や水をぶちまけたようで、銃で撃たれた時と同様に呆然とした表情を浮かべる。

 

 何故だ、試作とは言え3体の対サーヴァント兵器が、何故こんな低レアのサーヴァント1体に反撃すら叶わずに破壊されているのだ。 あの3体の対サーヴァント兵器は、代表からの賜わり物であると言うのに、何故あんな星2の下劣なサーヴァントなんかに、何故……!?

 

 

 膝に走る痛みの事も忘れ、頭の中で何度も何故と言う言葉がリフレインしてしまっている男だったが、首元を急に引っ張られて息が一瞬止まったことで現実へと思考が無理矢理戻された。

 

 

「ぐぁっ!? き、貴様何をする!?」

 

 

 首の襟を後ろから掴まれ、引きずられている男は自らの首を絞めている服の襟の部分へと手を掛けて空間を作り、自信をひきずっている黒髭を睨みつけて問う。

 今更そんな強気で出られても、最早虚勢としか言いようのない状態では効果はないに等しい。

 そもそも、黒髭と言う男が、どこの馬の骨とも知れないただの人間に恐れる理由などないのである。

 

 

「何って、生ゴミの処理ですが?」

 

 

「な……に……!? 貴様、それはどういう……!」

 

 

「ああ安心してくだちぃ。 陸に打ち上げらたりして腐り果てて、市民の皆様に迷惑をかけないように、低級霊(うちの部下)がキッチリと海の餌となるように誘導しますから、何も心配する必要はないでござる」

 

 

「……! ま、まさか……!?」

 

 

 ふざけた態度を保ち続け、ニヤニヤ笑いを絶やさない黒髭が何をしようとしているのかを察し、頭に過ったその可能性を否定したいがために首をどうにか動かして、自分を引きずる黒髭がどこに行き、何をしようとしているのかを確信した。

 瞬間、男の表情は呼吸困難を訴える苦悶の表情から、その場から逃れようとする必死の形相のものへと移り変わり、ジタバタと暴れまわって拘束から逃れようとするが、人を遥かに超える身体能力を有するサーヴァントに捕まえられて逃れられる筈もなく、それどころか引きずられる速度は下がりもしない。

 赤子の如く扱われているその男に、黒髭は振り返らず引きずったまま口を開いた。

 

 

「さーて、そんじゃあ拙者を楽しませてくれたお礼が鉛弾ってだけじゃあ物足りないでしょうから、今からお主が死ぬ理由を3つ懇切丁寧に説明しますぞ。

 いやー良かったですなー、こんな世界じゃあなんで死ぬのかも分からないまま死体に成り果てるなんてことはざらですからなー、こんなにサービスしちゃう拙者に感謝して欲しいのでござる」

 

 

「ふ、ふざけるなっ! 離せ! その手を離せぇ!」

 

 

 男の口から吠えるような罵声が、毒づき交じりに吐かれる。

 

 黒髭は気にも留めない。

 

 

「お主が今から死ぬ理由その1。 自分の持つ兵力で力の誇示をするのは構わないでござるが、その性能くらいはしっかりと把握しておくでござる。

 軽く見た感じ、あの機械兵は確かに攻撃性能自体はそこそこ良さそうではありますが、命令を受けてからの行動であったとしても反応も動きも遅いし、その上肝心の耐久性がサーヴァント相手じゃ紙屑同然ですぞ。

 あんな兵器じゃ、作家系サーヴァントくらいしか倒せないでござる」

 

 

「くそっ、くそっ! や、やめろ! 頼む、頼むから手を離してくれ!

 もうお前たちには関わらないから、頼む!」

 

 

 男の表情から怒りが萎んでいき、代わりに芽生えてきた恐怖から口にしていた罵声が懇願へと変わる。

 

 黒髭は気にも留めない。

 

 

「お主が今から死ぬ理由その2。 まあその1と似たような理由ですが、相手の戦力について把握してなさすぎでござる。

 拙者が星2の低レア雑魚サーヴァント? そう思うのは勝手でござるが、カルデアにおいてはスキルやステータス、宝具使用の制限をされているサーヴァントも数多くいたのですぞ? 当然、こっちではそんな制限は魔力の縛り等を考えなければ基本的にはないですからなー。

 そもそも、この世界じゃあクラス相性なんて例外はあれど基本皆無なんだから、そこからサーヴァントについての情報を見直そうともしなかったお主の怠慢でござる。

 ま、おそらくはゲーム(フィクション)のことばかりが目について、現実(リアル)に目を向けていないお主にはどだい無理な話でしたかな」

 

 

「わ、分かった! 分かったよ! 分かったから離してくれ!

 た、助けてくれ! 死にたくない! まだ死にたくないんだ!」

 

 

 男の懇願は遂には命乞いへと変わり、死への恐怖から体中が震え、ズボンの股の部分には染みができ湯気が立つ。

 

 黒髭は気にも留めない。

 

 

 やがて黒髭の歩みは止まり、男の襟首を掴んだまま目前へと引っ張り上げ、軽く上へと投げて襟首を掴んでいた手を男の胸倉へと持っていき、そのまま持ちあげた。

 男の表情は絶望に染まり切り、嗚咽と一緒に流れている涙が彼の顔をグシャグシャにし、傍から見ても酷い表情をしていた。

 

 

「ひっ、い、嫌だぁ! やめてくれ、殺さないでくれ!

 悪かった! 俺が悪かゴボァ!?」

 

 

 尚も足をバタつかせ、命乞いを続ける男を無理矢理黙らせるようにして、黒髭は男の口へとピストルを押し込んだ。

 突然のことに男は驚き、口を塞がれて不明瞭なうめき声しか上げられなくなる。

 

 

 黒髭はようやく鬱陶しい言葉を紡ぎ続ける口を閉じた男の顔を覗き込みように顔を近づけ、口にする。

 

 

「お主が今から死ぬ理由その3。

 これが1番決定的なのですがな───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰にナメた口利いてやがる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海鳥たちが、再び飛び立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かが海へと落ちた音がしたのを最後に、港は波打つ音だけが辺りを満たす静寂の空間へと戻った。

 無粋な闖入者は消えた港の埠頭の先で、黒髭は硝煙の上がっているピストルを虚空へと消すと、おもむろに自身の服の内ポケットを漁り、ウイスキーの入ったスキットル*2を取り出すと一気に煽った。

 

 

「……プハァ~~~~……あー……一気にテンションがた落ちしたでござる……。

 ゴミ掃除した後は達成感とかでスッキリするって聞いてはいましたが、喋る生ごみの場合は当てはまらないんでしょうかなー……あ、でも地球からゴミを失くして綺麗にしたって考えれば案外いい気分に……デュフフ、なりませんなぁ!

 だって拙者大悪党で大海賊ですからな! 今のはゴミ掃除じゃなくて、共(・)食(・)い(・)が正しい表現でござるな!デュフフフフw」

 

 

 何かやるせないような表情をしたかと思えば疑念を浮かべ、直後何か1人で納得をして愉快そうに笑って百面相をする黒髭。

 直前に人間を殺したと言うのに、黒髭が見せているのはいつものふざけたような態度だ。 だが、それも当然と言えよう。

 黒髭は海賊。酒と金と女と暴力が好きな、享楽的思考の海賊らしい海賊だ。 今や死体と成り果てたあの葛城財団の団員のような、気(・)に(・)食(・)わ(・)な(・)い(・)と(・)思(・)っ(・)て(・)殺(・)し(・)た(・)人(・)間(・)の(・)数(・)な(・)ど(・)覚(・)え(・)て(・)は(・)い(・)な(・)い(・)。

 

 

「……ケッ、好きで堅気の仕事なんざやってないっつーの」

 

 

 あの不愉快な男が不遜に語っていた言葉をふと思い出し、吐き捨てるように呟く黒髭。

 金払いがよければどんな仕事であろうとするのだろうとあの男は言っていたが、実際のところ黒髭が露骨に海賊稼業をせずに、海上輸送と商品の販売という真っ当な仕事をしているのに理由があるとすれば、それは……

 

 

 

 

『───エド』

 

 

 

 

「……!」

 

 

 頭に過った声に、手に持っていたスキットルを握りつぶしてしまう。

 中に入っていたウイスキーが飛び散り服を汚すが、苦虫を食い潰したような表情の黒髭はそれを気にする余裕はない。

 こびりついて離れない幻聴を振り払うように頭を振り、握りつぶしたスキットルをも海へと放る黒髭は苛立たし気に呟く。

 

 

「……あー、やめやめやめ! センチメンタルな黒髭とか誰得なんですかってーの。

 と言うか最早解釈違いって領域のような気もしますなー、だって拙者のキャラじゃないでござる。

 うし、じゃあ今日も一日真面目に仕事に取り掛かろうかねぇ! ……あ、真面目に堅気の仕事取り組む拙者ってのもキャラじゃないような……まあでも拙者が楽しければ問題なーし! 別に悪役(ヴィラン)演じるのは嫌いじゃないですしなー。

 まあぶっちゃけ今日のご褒美が待ち遠しいのもあるでしょうがな! 待っているでござるよ綺麗系のお姉さん女子! デュフフフフw」

 

 

 段々といつもの調子を取り戻し、黒髭はオタクっぽい特有の笑いと共に港を後にしようとして───

 

 

 

 

 

『───ごめんね』

 

 

 

 

 

 

「……ハッ」

 

 

 海風に流されたその嘲笑は、誰に向けられたものだったのか

 

 

 それはもう、本人にすら分からないことだった。

 

 

*1:
1702年~1712年頃のアン女王時代に主にイギリスで製造されていたフリントロック式の拳銃

*2:
アルコール度数の高い蒸留酒を入れておくための携帯用容器。 酒用の水筒のようなもの。




Q1.ステータスやスキル、宝具の制限?

A.FGOのゲーム内では基本的に使用されなかったor使用できなかったスキルや宝具は結構多いです。
 例を挙げるとヘラクレスですね。 Fate/stay nightにおいては猛威を振るった宝具【十二の試練(ゴッド・ハンド)】はカルデアで召喚されたヘラクレスには備わっていません。
 まあ十二の試練(ゴッド・ハンド)を使えるようにするにはイリヤ級の魔力用意しないと無理でしょうけど、他にもFGOではゲームの都合上使えなかったりした宝具やスキルを持つサーヴァントはマテリアル見た感じだと結構多いです。
 ステータスに関しても、神秘&魔力満ち溢れた世界でマスターたちも潤沢な魔力を持つ者が多いと思うので、ステータスにも変化が起きてると思うのです。
 本家の方で【各カルデアのサーヴァントのコピー】が崩壊世界に召喚されているとありましたので、カルデアのサーヴァントのステータスをベースにし、マスターの有無、供給される魔力量によってそこから更にステータスが増減すると想定しております。


Q2.黒髭のマスターは?

A.崩壊世界最初期に死去されています(サイキライカ様の設定より)。 黒髭は今も、その件を引きずっているのです。


Q3.葛城財団まだ諦めてないのか……

A.何度道化に仕立て上げても襲撃をしてくるため、割とおこモードな子ギル君が対策を取り、巡回のサーヴァントの動員数増加や、対対サーヴァント兵器の開発を金に物言わせて敢行。 今や葛城財団は周辺に近づけない程なんだとか。



 今回黒髭について調べたり、何度もマテリアルを読み返したりしながら書いたので遅くなっちゃいました。
 私の思う黒髭について書いたつもりなのですが、違和感なく書けたか不安です……。



 次回はシリアスを書いてた反動を利用して思いっきりぶっとんだギャグテイストなコラボ回を書きます。
 2話くらいで終われば……いいなぁ
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