崩壊した世界で水着ジャンヌに弟にされるだけの話 作:アルテマ
そしてこの舞台及び世界観で書くことを許可してくださったKEY(ドM)様に感謝します。いつも小説読ませてもらってます。
で、グウィンの方はツヅキマダー?
英霊召喚
―――今日、世界は滅んでしまった。
分かっている。自分が突拍子もないことを言っていることが。現実感なんて欠片もない、馬鹿馬鹿しい言葉だなんて分かっている。
こんなこと真面目にいう奴なんて見たことはないし、もしもいたとしても真面目に受け取る人間なんていやしない。
僕だってそんなことを聞いたところで、軽く流して終わりの筈だ。
では、どうすれば目に映るこの地獄絵図を、耳に響き続ける阿鼻叫喚を、鼻につく血と火薬の刺激臭を、どう言葉にすれば伝わるのだろうか。
いつも通学する際に利用していた路線の電車は無残にもひしゃげていて、学校帰りに弁当を買いに行っていたコンビニは荒らされつくしていて、たまに休憩に利用していたカフェの入っているビルは燃え上がり倒壊していて。
昨日まで確かに当たり前にあったものは軒並み壊され荒らされていて、代わりに辺りにはお伽噺やゲームにでも出てきそうな
この光景を前にして、世界が滅んでしまったという言葉以外に相応しい言葉があるのだろうか。
僕はただただ、その滅びの世界を前にして立ち尽くすだけだった。
あまりにも突然襲ってきた、非日常すら超えた理不尽な状況に思考が追いつかず、正しく処理が出来ずにいた。
当たり前だ。だって僕はただのパンピーでしかない。
こういう状況ですぐに動き出す判断力だとか、勇気だとかは持ち合わせてはいない。
ましてやこんないかにもな世界観を舞台に戦いそうなチート能力なんて持っての外だ。
「と、とにかく、ここから逃げなきゃ……!」
暴走する思考の中で、辛うじてだした結論を口に出す。
そうしなければ、このままずっと立ち尽くしたまま現実を受け入れず、あの
そしてどこに逃げればいいのかなんて考えもせずにその場から走り出した。あんな地獄から逃れればどこでもいいとばかりに、無我夢中で走った。
もしかしたら、たまたまあの場所だけがああなっていただけなのかもしれない。
もしかしたら、走り続ければいつもの日常を何食わぬ顔で過ごしている人々がいる場所にたどり着けるかもしれない。
そんな淡い希望は、走っても走っても、どこまでもどこまでも続く地獄の光景に打ち砕かれた。
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……!」
荒れた呼吸で膝に手を置き、ただただ項垂れ視線は真下に向ける。
どうせ、頭を上げてみたところで、
……未だに現実は受け入れたくない。だが現状は認めなくてはならない。そんな思考でしかなかった。
「イヤッ……!こっちに来ないでよ!」
不意に、近くでそんな悲鳴が聞こえてきて、ついそちらへと目を向けてしまった。
向けた視線の先は路地裏。その奥で若い女性が壁に背を向け、震えながら蹲っていた。
そしてその女性の前には、僕のの2倍はありそうな大きさの、2足歩行のナニかがおり、今にもその蹲る女性に刃物としか思えない長さと鋭さを併せ持ったかぎ爪を振り下ろそうとしていた。
「……ッ…!」
普通に考えれば、見捨てるべきだ。ここまで我武者羅に走ってきて、未だに僕は運良く襲われてはいない。
ここまできてわざわざ余計なリスクを背負うべきではない。
そもそも、僕なんかが割って入ったところでどうにかなるわけがない。
最悪僕とあの女性共に死ぬことになる。寧ろ、そうなる可能性の方が高い。であれば、それは僕のすべきことではない。
こんな非日常が飛び出してきたような世界だ。きっと、物語の主人公のような強い人物がすべきことなのだ。
そうだ、見捨てるのが現実的だ。
……そう分かっていた筈なのに。
「オラァ!!」
落ちていたこぶし大のコンクリートの塊を、化け物に向けて投げていた。
全力投球で飛んでいったコンクリートの塊は図らずして化け物の頭部へと当たり、何事かと化け物は女性から視線を外してこちらへと振り向く。
表情の読めない不定形の面貌に恐怖を煽られ、後ずさりそうになるのを耐えて叫ぶ。
「こ、この鈍間のウドの大木野郎が!そんな石ころひとつ避けられねえのか!悔しかったら捕まえてみやがれ!」
意思疎通が出来るかなんて分かる筈もないのに、普段はビビりで臆病なくせにそれっぽい罵詈雑言を化け物へとぶつける。
震えながらではあったその挑発が通じたのかどうかは知らないが、その化け物は体を僕の方へと向けて僕の方へと走り出してきた。
「ッ……!こっちだ化け物が!」
死人と言っても良いほど真っ白な顔に浮かぶ感情、怒りを感じさせる雰囲気に充てられそうになるも、すぐに反転して駆け出す。先ほどまで走り酷使していた足に鞭を打つかの如く、力強く地面を蹴っていた。
ああ、そうだ。生き残りたいのなら、こんな他人を助ける行為なんてリスクでしかないのは、現実的ではない。
でも、それでも、相変わらず僕はこの
認めたくないから、
そんな、なんともくだらない理由だったのだ。
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……あ……」
崩れるように、足がもつれて倒れてしまう。腕を使って受け身をとることすら出来ないほどに体力を使い尽くしていたために、強い衝撃が体を襲うがそれを感じることすら億劫であった。
「……」
そんな僕をあざ笑うかの如く、白い化け物はゆっくりとした足取りで僕へとのそのそと歩んでくる。
荒れる呼吸の中でどうにか上げた視線の先で、そいつは不定形の表情をゆらゆら揺らす。相変わらず読みにくいその顔は、これから弱者をどう甚振ってやろうかという、嗜虐心が表面に浮かんでいるように感じた。
ああ、僕はここで無残に殺されてしまうのだろう。
食われるのか、それとも児戯の如く遊ばれて捨てられるのかは知らないが、碌な目に合わないのは明白だった。
(……まあ、僕如きじゃあこんなものだろうな……)
現実を認めたくないなんて、目を背けて
無駄とは理解していた。だって、地獄を認めずに理不尽な運命に抗うのはヒーローであって、僕はヒーローではないのだから。
(……でも、それでも……)
まだ、死にたくはない。
まだ、生きていたい。
痛む体を無視して体を起こし、化け物をにらむ。
そんな僕の抵抗を気にも留めず、遂にそのかぎ爪の射程距離ににまで迫られていた。
目前にまで迫る死の気配を、今の今まで感じたことのなかった体は敏感にそれを感じ取り、汗が全身から噴き出す。
けれど抗うように、睨むことだけはやめなかった。
(……ふざけるなよ……)
かぎ爪が振り上げられる。断頭台の刃が、持ち上げられる。
(こんなところで、こんな理由も分からず、意味の分からないやつに殺されるなんて認めてたまるか……!)
かぎ爪が振り下ろされる。死が、目前へと迫る。
(こんな化け物どもに、こんな理不尽にも殺されるなんて―――
「認めて、たまるかぁああああ!!」
果たして、その叫びに応えるのは―――
不意に、目の前で風が吹きすさんだ。
眩い光と共に逆巻くそれは不思議なことに、その風は僕と化け物の僅かしかない空間が発生原であるようで、それでいて化け物だけを吹き飛ばすなんて、まるで意思を持っているかのような器用さを持ち合わせていた。
そして風が止んで間もなく、雪のように白く輝く粒子がパラパラと舞い散る。呆然と目の前の状況に惚ける中、僕の目の前に誰かが降り立っていた。
―――例え地獄に堕ちても、その光景を僕は忘れることはないだろう
『―――問いましょう』
女性の凛とした声が響く。それでいて、何か安心感を得られる優しい声音だった。
風が止み、光が消えていく中で女性が振り返る。
怒涛の展開に追いつかぬ状況の中で、視界に入ってきたその女性は、幾度となく見てきて、よく知っている女性だった。
だって僕はその女性の手に持つ旗で仲間を守り、その後ろ姿で力強い檄を飛ばして、数多の英雄たちを鼓舞して戦う姿を見てきたのだから。
でも、あり得ない。あり得るはずがない。
だって彼女は実在ことすれ、その姿そのものは空想上の、ゲームの中での人物なのだから。現実に存在し得る筈がない。
……ああ、でも、世界中がこんなになって、僕の叫びを聞いて来てくれたのなら、こんなに嬉しいこともないな、なんてロマンチストなことを考えつつ、彼女の言葉の続きを待つ。
―――この日、僕は運命に―――
『あなたが私の弟ですか』
「…………え」
―――この日、少年は
主「運命じゃなくて姉なるものじゃないですかヤダー!」
姉を名乗る不審者「こうやって登場した方がかっこいいと聞きましたので。あ、ちなみにこれは所謂簡易霊衣というものです。水着にはいつでも着替えられますので安心してくださいね!」
台 無 し に し て い く ス タ イ ル
いや正直真面目路線でいこうと思ったけど無理だった。というかお姉ちゃん出す時点でシリアスとか一瞬でシリアルかさらにぶっ飛んでギャグになるからそもそも無理な話だった。
軽い登場人物紹介
オリ主
こいつの名前考えてないんだけど考えた方がいいのかな。年齢は17歳の高校生。どちらかといえば陰キャ。特にこれといって大きな特徴はない。
強いて言うなら、こいつが対峙した化け物は『次元をさまようもの』あるいは『空鬼』と呼ばれる怪物なので、向き合って発狂していないあたり精神力はそこそこ高い。
Q1.なんでクトゥルフ神話の怪物だしたの?
A.FGOだともろにクトゥルフ神話の生物出てるし、まあいいかなって
Q2.この水着ジャンヌ平常運転じゃね?
A.その平常運転からヤバいんだけどね。ご安心ください。しっかりと病ませてはいますので