オバロのファンタジーR18 作:ピンクの頭
亜瑠邊弩全部書き終えたかった。
心臓の鼓動が速くなる。
一瞬でも早く目的地に着きたいと気が逸るが、無様な姿を露にするわけにはいかないと落ち着かせる。
ナザリック地下大墳墓第九階層の通路をアルベドが歩く。
シャンデリアが吊り下げられた天井から光が降り注ぎ、ナザリックに使用人として配置されたNPCによって磨きあげられた壁、床は作り上げられた当初よりその光を反射し続けている。
その歩みは一定の間隔を違えることなく紡がれていた。
あの後自身が期待するような事は起きず、むしろその逆に地の底にまで落とされるかの様な言葉を受け取った。
ナザリックに異常事態が起きている。
自身の欲望に夢中になるあまりにナザリックに異常が起こったことを察知することができなかった。
管理を任されていながらありえない失態を演じたアルベドだが、至高のお方は許し挽回の機会までお与えくださった。
モモンガから離れ、臣下の礼をとるアルベドに指示し自身もまた動くお方により現状のナザリックを把握することができた。
ナザリック地下大墳墓は元あったグレンデラ沼地より転移してしまった。
超大規模ともいえるギルド拠点のナザリックが転移するほどの大事、尚更自身の無能ぶりが露見したと思い玉座での高揚はうそのように凪いでしまった。
情報共有のため各階層守護者を集めた場で自分だけではなく皆がその異常に感づかなかった事に心中穏やかではなかったが、モモンガは冷静に今後の対処を命じた。
ひとまずナザリック内でなにかほかに異常がないかの調査。
モモンガ自身が共を連れて地表に出て、周囲の様子を眺める。
既に取り返しのつかない失態をしている僕一同は階層守護者総出で周囲を囲った。
周りは草原が広がるばかり、敵性対象は見受けられないが情報収集に専念するよう命令を受けた。
そして、モモンガがなにやら魔法を唱えたのだ。
モモンガを中心に魔方陣が立体的に展開され、より強く光ったと思えばそれはモモンガに吸収されていった。
一体何をしたのかはわからないが、その後も幾度か魔法を使用し満足げに頷いたモモンガは戻ることを告げた。
どうやらモモンガはナザリックの隠蔽に魔法を使った様なのだ。
一定の距離まで近づかないと視認できない仕掛け、そもそもナザリック周辺だと方向感覚が狂うなどの結界に似た魔法的細工を施したのだ。
これに僕達はとてつもない焦燥感に襲われる。
僕が使えないからお方直々に動くとあっては存在理由を揺るがしかねない。
これはこれ以上の失態をしてはいけないとすべての僕が気を引き締めた。
ナザリックに戻ってからモモンガは隠密を重視し生命体を見つけても観察だけに留め、情報収集をせよと告げてから自室へと戻っていった。
各々動く僕達だがすべて死に物狂いに動いた。
ナザリック内の異常がないかという調査にもほんとに隅から隅まで調べつくし、本当に異常がないかと何度も確認を行った。
結果としては転移したこと以外に異常はなかったが、NPC自身のスキルなどの使用感覚が少々異なるとわかったりモモンガ自身もスキルや魔法の確認を行った。
モモンガの姿を見ることができることは僕達にはうれしいことなのだが、今動いている姿を見ると手を煩わせてしまったとしか思えず心苦しかった。
アルベドはナザリック内外の調査報告を処理し、纏め上げモモンガに報告書として渡すということを繰り返していた。
そうして転移から数日が経ち、アルベドはモモンガから寝室に来るように命令を受ける。
胸の鼓動が一つ大きく動いた。
そのまま鼓動は自身の体内から何度も叩き続ける。
自らに直接伝言の魔法を用いて命令を下された。
寝室に呼び出される。
それは勘ぐらずともそういうことなのでは?と期待してしまう。
ほかの事柄に結びつかないからだが、あまり行き過ぎないようにしなければ。
次はないと自身に言い聞かせる。
転移の時と同じように自分の無能をさらしてはならない。
そうと決まったわけではないのだから。
それでも、やはり心のどこかで期待してしまっているのはモモンガから愛するように定められたからだろうか。
そうこうしているうちに私室の前にたどり着いた。
自身の名を告げ、入ることを許可され扉が開かないことにメイドが傍にいないのかと疑問に思いつつも自ら扉を開く。
そこで待っていたのは見慣れたガウンを纏った姿ではなく腹の一点を除けば白い姿。なにも纏っていない主の姿だった。
部屋にたどり着くまでにいくらか落ち着いていた鼓動がまた力強く、早く高鳴る。
やはりそういうことなのか。
理解するか早いか愛する方のすぐ傍へと近づく。
「ハァー❤ハァー❤ハァー❤」
すぐ傍にモモンガ様が生まれたままの姿でいる❤綺麗❤美しい❤まさにこの世の至宝の輝きを抱えていらっしゃる❤
言葉じゃ表せない❤白磁に一切の汚れのないお姿❤ああ、これからこの玉体に抱かれると思うと落ち着くことなんてできないわ❤❤❤
涎が❤だめ❤アルベドだめよ❤モモンガ様から許可を得てからよ❤このまま自分本位で動くなんてだめ❤
私はモモンガ様だけのもの❤モモンガ様のものなのよ❤モモンガ様に満足して頂くためにいるの❤
「フゥゥーーーー❤フゥーーーーー❤フウウウゥゥゥゥゥ❤」
興奮の真っ最中のアルベドをモモンガは片手で制す。
落ち着くようにと諭すのだが、その鼻息は静まることはなく。
メイド達による掃除が行き届いているため埃など舞うはずもないのだが、床に当たった鼻息が巻き上がり下から上へと風が吹いているかのようだ。
モモンガはアルベドの様子に言葉で落ち着かせるのは無理だと諦める。
そして、全身に力を入れるかのように体を力ませる仕草をした。
すると、体の間接部位からまるで粘土のようなものだどんどん溢れてきたのだ。
この様子にアルベドも息を飲んだ。
それはモモンガの全身を覆い、その形をはっきりとさせていく。
そして、そこに立っているのは人間の男だった。
精悍な多くの人に好かれるような好感の持てる顔つきをした男だ。
体つきも健康的な筋肉の割れ目が見える、しかし暑苦しさは感じない程よい量。
特殊な性癖でなければ大抵の女は見とれるだろう肉体美を持った人間がいた。
アルベドが驚いていると、モモンガがこの肉は自身の魔力を用いて形にした体だと語る。
はっとするアルベドの視線は自然とある一点に集中してしまう。
―――この肉体の具合をいろいろと確かめたいのだ。アルベドよ
一部屋に一組の男女が抱き合っている。
男は女の腰と頭に腕を回し、その肉体で逃がすまいと、しかしやさしく体へと引き寄せる。
女もまた離れまいと男の背中に両腕で輪を作る。
ふたりとも衣服はつけずに裸のままだ。
お互い抱き合ったまま動かない。
抱擁を、お互いの体温を交感しているのだ。
「ハァ❤モモンガ様❤お体に熱を感じられないのは不自然かと❤」
体温を感じていたのはアルベドだけだった。
モモンガは相槌を打ち、体内の魔力を操作し体温として変換していく。
「アア❤暖かい❤」
ゆっくりと熱を帯びていくモモンガの体に自身の体を擦り付けていく。
顔を首筋に頬ずりし、乳房を押し付け体でモモンガの肉を感じていく。
片膝をモモンガの股の間に差込、下腹部通しをすり合わせ、性器の近くを刺激していく。
アルベドは先ほどの荒々しい吐息は落ち着いていた。
興奮していることには変わりないのだが、充足感が心に注がれていく。
別々の個体である二つが擬似的に一つになる。
まだ先はあるが、それでも我慢させられていた身に、心に穏やかさが現れる。
モモンガもまたアルベドの頭髪に鼻をうずめ、鼻腔内をアルベドの香りで満たしていた。
アルベドの髪は乱れなど一切なく、清流を思わせる髪の流れは肌に心地よい。
発情したメスの香りは欲情を駆り立てるもので、モモンガ自身意識が下へと向いていく。
モモンガに肉体が生まれたのは外に出たときに超位魔法である「星に願いを」の使用したためだ。
自分に都合のいいように魔法を使用し、その結果なのだが今はどうでもいいことだ。
今度こそお互いの体温を感じ合う2人。
モモンガはアルベドの頭、背中を撫でる。
「アッ❤アアア❤❤❤」
玉座での感触とはちがう、肉と熱のあるなぞり。
くすぐったくあるのだが背骨のへこみに沿って這う指はアルベドの感覚神経を刺激する。
肌の手触りにモモンガは気に入ったのか往復させ、耳元で綺麗だなとささやく。
「❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」
涙腺がゆるみ、眼に雫が溢れる。
褒め言葉。性感など直接触られた訳でもないのに、耳から受け取る空気の振動だけでアルベドは昂ぶる。
滑らかで頚椎から腰までなんの抵抗感を感じさせず、しっとりと柔らかく暖かい背中。
興奮からわずかな湿り気が生まれるが、それは瑞々しさの表れで肌が手に吸い付くかのようだ。
指先で線を描く様に動かしていた手が大胆に手の平で押し込むように全体で肌を感じようと動く。
より体が密着しアルベドの豊かな胸の曲線がよりたわんだ。
肩甲骨をまもる皮膚を揉むように指を動かせば指の部分だけ沈み込み、力を抜けば元の張りのある表面にもどる。
(気持ちいい❤抱き合うのがこんなに気持ちいいなんて❤予想以上❤暖かい❤モモンガ様暖かい❤くふ❤骨のお体の抱擁もいいけど肉のある体もコレはコレで❤アン❤くすぐったい❤モモンガ様に私の体臭嗅がれてる❤臭くないかしら・・・当然恥ずかしくないようにしているけど。モモンガ様に気に入ってもらえるのかしら。アア❤深呼吸されてる❤不快ではないのですね❤私の体臭がモモンガ様の中に入っていってる❤これはもういたしちゃってるわ❤❤❤私がモモンガ様の中に入っちゃってる❤❤❤モモンガ様に入れられるんじゃなくて私が入っちゃってるわ❤❤❤❤❤)
―――アルベド
名前を呼ばれ、後頭部に添えられた手のひらに誘導されるままに動かせば目の前には愛する者だけが映る。
数日振りのキス。
やわらかい。初めての感覚、キスはこれで二回目のはずなのに。
唇をあわせる程度の軽いものを何度も何度も。
一回、二回、三回、その後頬にも一回のキス。
アルベドがモモンガに行った、キスとは言えないただ舌を這わせる行為とはちがう、上品な愛情表現。
本当に相手が好き、愛してると思わせるバードキス。
アルベドのファーストキスもあれはあれでアルベドなりの愛情表現なのだが、モモンガが行った軽い、しかし複数回行ったものはそれに劣らないものだった。
部屋の中で大きな音を立てていたアルベドの鼻息が徐々に落ち着いたものに変わっていく。
「お見苦しいところをお見せしました。申し訳ありません」
抱き合ったままだが、俯くように述べるアルベドにモモンガは額にキスすることで返答とした。
頬に手を回され、顔を見る様にされたアルベドの瞳には冷静さと欲情の色が交じり合っている。
モモンガの意図を察してアルベドは目を閉じた。
そして、再びお互いの唇を合わせる。
今度は上唇と下唇で食むように、荒かった鼻息が気になっていたモモンガがアルベドを味わう。
最初は上唇を次は下唇と順に咀嚼する。
次に舌を差し込む。
モモンガの舌は唾液という液体を分泌しておらず、赤みのある乾いたゴムのような舌がアルベドの口へと浸入していった。
抵抗もせず、顎を開きアルベドは静かに口の中で舌を動かさずに待っていた。
短く口から呼吸をしながら、されるがまま。
口内の上顎を触られる、ちょんちょんと動きながら探検するように動くさまを感じて庇護欲が沸いた。
情動のまま、舌が迎えにいきそうになるのを押さえ、ただ待つ。
ナザリック内の情報整理を行っていた時はモモンガに合いたいがために時間の進みがもどかしく感じていたのが今は全く感じない。
幼子が好奇心のままに動くのを見守るような気持ちだ。
舌が上顎を確かめるように動く。自身と別個体の舌が口内を這っているというのに拒絶はしないがそれがくすぐったく、肩が軽くゆれる。
歯という行き止まりにたどり着き、下へと降下する。
そうしてアルベドとモモンガの舌が接触した。
途端に甘い刺激がアルベドの背筋を襲う。
一際大きく口から空気を吐きだすと、敏感な舌からの信号が頭をとろかせる。
左右に舌が行きかい、楕円を描く動きはいやがおうにも反応を誘発させる。
舌の下に潜り込む動きに唾液が音を立てた。
ぴちゃりと下あごにたまっていた唾液だまりを打ち、高い音がなる。
それまで部屋に響いていたアルベドの鼻息とは違う音、その一つだけで淫靡な雰囲気が濃密になる。
モモンガの舌がアルベドの舌を持ち上げ、アルベドもついに動き出した。
口内でお互いの舌を中心に円で躍らせる。
途端にぴちゃぴちゃと連続した水音が鼓膜を揺らし続ける。
「はぁ・・・❤はぁ・・・❤はぁ、あ・・・ん❤」
アルベドは冷静に興奮していく。
烈火の如く燃え上がっていた感情はモモンガの動きで鎮められ、また再び昂ぶる。
至高のお方はやはり自分が及ぶべくもない存在だと再認識させられる。
キスだけで、愛の注ぎ方というものを指し示してくださった。
私は淫魔。淫らであることにおいてはどんな種族も及ばないだろう。
そんな私にモモンガ様は愛せと定めてくださった。
そして、今求められているのはアルベドという女。
私はモモンガ様を淫魔の本能のまま愛そうとしていた。
モモンガ様は女でありアルベドを求めてくださったのに。
あのキスはモモンガ様の愛を感じた。
軽い唇を合わせるだけの、舌を絡ませるキスとは違うおままごとのようなキス。
一回目は初めての歯に口付けた時とは違う感触だとふけっているとすぐに離れていってしまった。
残念な後悔にも似たものが湧き上がるよりも再び触れ合うのが速かった。
二回目、いやあの玉座でのことを入れれば三回目だ。そして、四回目。
毎日誰もいない空間にいただけの時間が何だったのかと思うほどの衝撃。
今の時間は玉座で過ごした時間を追いつくすほど濃密。
僕が至高のお方と口付けするなどあり得ないこと。それが既に四回も行われた。
そのあと頬にもキスされて、一気に落ち着いていく。
まさしく愛だった。モモンガ様の愛。
それに対して自分が行ったあれは何だろうか。見るに耐えないものだったと思い返された。
あれは出された極上の料理に対して涎を直接たらすかの様なひどく下卑たもの。
そんな私の謝意を受け取ったモモンガ様は額にキスしてくださった。
許されたのだ。であるならば今度こそモモンガ様の期待に応えなければ。
気持ちよくなっていただくのだ。
そうして、神経を舌に集中させる。
口内に差し込まれた舌は甘く痺れるような快感を断続的に送ってきている。
その刺激に反応して口の中の水がどんどん湧き、ふちからこぼれてしまう。
顎を通過して雫が胸に滴ったが、これ以上溢れないようにのどへと嚥下する。
あまりの嬉しさから自然と分泌されているのだろう、一滴や二滴なら気にならないが度も過ぎれば見苦しいものだ。
のどが蠕動し、胃へと唾液を送っていく。
・・・それにしても多い気がする。
ふと顔から遠ざかっていくのを感じて目を開ける。
モモンガ様が舌なめずりをしながらこちらを見ていた。
ごくりと自分が発していない音が聞こえる。自分のものではないなら必然的にモモンガ様から。
今は肉体を持っていらっしゃるのだから何も不自然ではない。
ああ、なら私の唾液がモモンガ様に飲まれたのですね❤
そして、気づかなかった❤いつのまにか私もモモンガ様の唾液を飲んでいたなんて❤
書いてて楽しかった。習作としてがんばっていきます。