※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

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SVB

 ナザリック上層部第二階層「屍蝋玄室」は侵入者を迎え撃つ砦であると同時に、階層守護者シャルティアの生活エリアでもある。

 十人は同時に眠れる大きなベッドを擁するベッドルーム、当然のごとくバスルームも。ゆったりくつろげるリビングやダイニング。飲食不要のアンデッドなのに実は紅茶のエキスパートであるシャルティアのためにキッチンすら。もちろんシモベたちの部屋だってある。

 むせかえるほどの甘い香りに慣れれば、古き神話の時代を感じさせる豪奢な住処となる。

 

 この男、レストランでメイドたちに囲まれて食事をとっていたら、「確保ォ!」と叫ぶヴァンパイアブライドたちに両腕を捕られ、シャルティアの階層に連れてこられた。

 女主人は不在だった。いつの間にか夜が明けて、シャルティアはお仕事に向かったらしい。睡眠不要で夜がメインの吸血鬼なので、もしかしたら勤務時間は不規則なのかも知れない。

 シャルティアを待つ時間のほとんどを応接間で過ごした。外出は許可が出なかったのだ。

 半ば監禁されたような扱いであるが、10年間も幽閉されていたのは伊達ではない。どんな環境だろうと退屈しない。

 考えることは無数にある。記憶の宮殿に遊び、美神像を鑑賞するのもよい。一度読んだ本を読み返すのもよい。最近ではラウンドムーンキリングテックの発展系であるスクエアホライゾンキリングテックの型を検討することが多くなっている。

 

 赤と青の目はここではないどこかを虚ろに見つめ、何を思っているのか表情には憂いが浮かぶ。声を掛けても答えず、微動だにしない様は白い彫像めいていた。

 エ・ランテルの屋敷でも、帝都アーウィンタールの屋敷でも、メイドたちを惹きつけて止まない佇まいは、業務妨害になるのでシクススにひっぱたかれて人目につかない場所へ追いやられるのが常である。

 この場にいるヴァンパイアブライドたちに出来ることではない。

 彼女たちは、ただただ時を忘れて男の姿に囚われていた。

 

 

 

 思索に遊んでも時間が経てばお腹が空くもの。

 ヴァンパイアブライドたちに飲食は不要であるため、屍蝋玄室にはシャルティア用の紅茶セットしか常備してない。

 

『お腹が減りました』

 

 と言えば、なんとロイヤルスイートのレストランからデリバリーしてくれた。

 勿論ヴァンパイアブライドたちが給仕してくれる。さすがに専門職のメイドたちには及ばないが、ちょっぴり短気な女主人に仕えているだけあって気遣いは細やかだ。

 食休みをして一風呂浴びたいと言えば、なんとシャルティアが使っているバスルームを使わせてくれた。ちゃんと許可が出ているらしい。バスルームには猫足の大きなバスタブがあって、帝都の屋敷にしつらえたバスルームと雰囲気が似通っている。ヴァンパイアブライドエリートシックスの一であるミラの意見を取り入れて正解だったと改めて満足する。

 風呂もヴァンパイアブライドたちが世話を焼いてくれた。吸血鬼であるとは言え、彼女たちはいずれも肉惑的な美女ばかりである。彼女たちは服を着たままだったので、色々なところが透けて素晴らしい光景を作り出した。

 まさか手を出したりはしない。そんなことをすれば間違いなくシャルティア様大爆発である。

 だからと言って、大きなおっぱいで体を洗ってくれるのを拒否したりはしなかった。

 上半身も下半身も、おっぱいでは擦りづらいところは手を使うのかと思いきや、舌。真っ赤な舌を尖らせて体の隅々まで綺麗にされてしまった。

 とあるところへ血が通い、ぴくんとなったりもした。角度的には精々30度ほどであったが。

 

 メイドたちと食事をした時もちょっぴり思ったものだが、食事だけでなく風呂も美しい女性たちに世話を焼かれると、気分はまるで王様である。

 娼館で複数プレイをする時も近いものを感じるが、あれは楽しむより技術の研鑽の意味合いが大きい。それ以外で複数の女性から同時に世話を焼かれる経験は、振り返ってもちょっと見当たらない。

 一人の女性からではなく、複数の女性から競うように面倒を見てもらうのがこんなに心地よいものなのか。

 この男は、メイドたちに囲まれていた時よりも調子に乗りつつあった。

 

 

 ナザリックのシモベたちにとって、人間を愚劣・下劣にして下等な種と見るのがデフォである。ヴァンパイアブライドたちにとっても同様。人間の男と言うだけで、評価値は-1000スタートとなる。

 この男、見た目は良い。剥製や氷像にして飾っておきたくなる希な美貌で評価が+400。

 吸血鬼が重視する血の味は絶品だ。彼女らの主であるシャルティアがたった一舐めで我を忘れる玄妙な美味。+300。

 ここまで来ても-300ポイント。殺すまではしなくてよいが、好感を抱くまでは至らない。

 ところが守護者統括であられるアルベド様直属となると評価値をリセットした上で+100。先に述べた評価は順調に加算され+800ポイントとなる。

 ここでスペシャルボーナス発生。この男、彼女らの主へシモベたちの扱いについて進言し、女主人は物の見事に言いくるめられた。その結果、彼女たちの扱いが劇的に好転した。+10万ポイントである!

 中でもシャルティアが選抜したヴァンパイアブライドエリートシックスは、彼の妙技を直に味わっている。自分たちより上であると納得せざるを得なかったようだ。

 その上でシャルティアが、自分が戻るまで持て成しておけと言うのだ。色々とサービスしてあげようと言う気分にもなる。

 シクススが日々思っているように、手が掛からないのもよい。尤も、彼女たちが仕えるのは我が儘でとっても怖い真祖の吸血鬼。比較対象が悪いとも言う。

 

 

 

 

 

 

「お前今までいったい――」

「シャルティア様がお帰りになるのを一日千秋の思いでお待ちしておりました。こうしてシャルティア様をお迎えできることがどれほど喜ばしいことであるか、光栄なことであるか。感激に堪えません。シャルティア様ほどのお方であればアインズ様から寄せられる期待に困難な任務、多大な重責があろうとは存じますがシャルティア様は如何なる難事であっても容易く果たされることでございましょう。けしてお疲れではないと存じますが、非力な私が出来るのはシャルティア様を労うことだけでございます。どうか私どものためにシャルティア様の無聊をお慰めさせていただけないでしょうか?」

「……まあ? そこまでいうなら? 付き合ってあげてもいいでありんすよ?」

 

 昨夜からシャルティアの機嫌が悪いとヴァンパイアブライドたちから聞いていた。

 

 シャルティアからすれば、予約注文したのにいくら待っても品物が届かないので取りに行ったら品切れになってて入荷待ちしてる内に出勤時間になったようなもの。

 アルベドへ用が済んだら自分のところへ来させるよう言ったのにいつまで経っても来る気配がなく、わざわざ出向いてやったら不在。その後はアインズ様とのお話があったようなので少し我慢していたのにいつになっても来るどころか連絡すらなく夜が明けた。苛々ムカムカしながら一日を過ごしてさあどうしてやろうと思っていたところをよく回る舌に言いくるめられた。ちょっとよくわかんない言葉があっても誉められてることはわかるのだ。

 ヴァンパイアブライドたちは感心しきりである。

 

 実のところ、この男はシャルティアのところへ来るつもりがあんまりなかった。

 アインズ様に呼び止められ、シズに捕まりメイドたちに捕まり、時間がなかったのは確かだ。仮にあったとしても、自分から赴こうとは思っていなかった。シャルティア様がアルベド様と話していたのは聞いていたがそれはそれ。アルベド様から命令されるまでは放置のつもりでいた。

 そしたらとてもお冠になってしまったらしい。

 こいつは不味い気合いを入れて接待せねばと考えた。

 

「それにしても服がボロでありんすね」

 

 未だへそ出しスーツである。

 

「お恥ずかしい限りです。シャルティア様をきちんとお迎えしたくスーツを仕立ててもらっている最中でしたが、出来上がる前に連れてこられた次第でございます。ヴァンパイアブライドの方々はシャルティア様のご命令を第一と考えたからでございましょう」

「ま、いいでありんしょう!」

 

 キラーパスが飛んできたかに見えたが、この男を連れてきたヴァンパイアブライドたちはそっと胸をなで下ろした。

 

 スーツを預かっているシェーダはタッチの差で渡せなかった。その旨をきちんとペストーニャに報告しており、後に回してよいと言われて仕事に戻っている。

 

「お前は少し待っていなんし。夜はとぉっても長いでありんすから、少しくらいは待てるでありんしょう?」

「……左様でございます」

 

 舌なめずりするシャルティアへ向ける笑みは、なんとかひきつらなかった。

 

 

 

 

 

 

 シャルティアは一人でバスルームへ向かった。体を清めて身嗜みを整えたいのは、やはり女だ。

 軽くシャワーを浴びて、そこからはヴァンパイアブライドに手伝わせる。体を拭かせ、袖を通すのはシースルーの黒いネグリジェ。流れる銀髪はレースに黒いリボンが飾るヘッドドレスでまとめた。

 ベッドに行くのだからネグリジェ。いつもならヘッドドレスは着けない。口を使うようなことがあった場合を想定し、一々髪をかき上げる必要がないようにした。その髪をかき上げる仕草が男心をそそるのだが、シャルティアは実用重視であった。

 

 ベッドルームには男と、着替えを手伝わせなかったヴァンパイアブライドエリートシックスの残りが並んでいる。

 いきなりベッドには上らず、一人掛けのソファーへ腰を下ろした。

 同時にヴァンパイアブライドの一人がサイドテーブルへ華奢なグラスを置き、一人が薫り高いワインを静かに注ぎ、一人が細工も見事な小瓶から真紅の液体を垂らそうとしたところで、

 

「ストップです。折角素晴らしいワインなのですから、どうぞそのままお楽しみください」

 

 赤いワインだから血と混ぜても、と思うのはど素人。赤くてよければトマトも人参もイチゴも赤い。

 

「シャルティア様にもお楽しみいただけるカクテル用の酒を調合したことがございます。次回持って参りますので、その日をお楽しみいただければと存じます」

 

 アルベドを一発昏倒させた魔酒のことである。一瓶しか残していなかったが、用途が見つかったので再生産しているところ。繊細な手順で調合しなければならないため大量生産は出来ず、作れるのもこの男だけである。

 

 余談だが、赤青緑に紫色の気泡が星のように煌めくこの酒を、酒自体も星の一つと数えてファイブスターと命名しようとしたところ、同名の物語があるとソリュシャンに聞かされた。ならば欲張ってセブンスターにしようと思ったのだが最古図書館で借りた辞書に同名の煙草があると書かれている。仕方なしにスリースターにと思ったらこれもダメ。パンドラズ・アクターによると、スリースターズと言う名の装備品があるとか。魔力消費を抑えるアクセサリで非常に貴重なマジックアイテムであるらしい。どう言うわけか奇数は全滅である。ストレートにフォウスターは似たような名前の音楽家がいると辞書にあったためこれも断念。

 面倒になってシンプルにザ・スターに決まった経緯があった。

 

「むう。仕方ないでありんすね」

 

 いさめられたシャルティアは、唇を尖らせてからワインを喉へ流し込んだ。

 

「お前も飲みなんし」

「ありがとうございます。ご相伴にお預かりします」

 

 グラスの半分ほども注がれたワインを、男は灯りに透かして深みのある色を楽しみ、グラスを揺らして立ち上る香りを楽しみ、一口、二口、と少しずつ口を付けた。様になってる飲み方である。

 ぐいぐい飲んでしまったシャルティアは、自分がお子様のように思えてちょっとだけ頬を膨らませた。ワインではなく紅茶であったら上品な飲み方をしていたはずであるところがまた悔しい。

 この男の血はストレートで飲むといささか強い。ワインは血を薄めて飲むためのものであって、ワインそのものを楽しむわけではないのだ。

 

「……この前みたいに飲ませなんし!」

「かしこまりました」

 

 微妙になってしまった空気を強引に打ち破れるのは上位者の特権だ。

 シャルティアの命令に、男は一歩前に出た。

 

 ワインは飲んだのだからもう一方。

 飲ませた場所は月下の草原。

 シャルティアを信じて大胆な飲ませ方をした。

 

「少し上を向いて頂けますか?」

「お前がさせなんし」

「それでは失礼いたします」

 

 シャルティアへ身を寄せて、細い顎に手をかけた。

 くいと上を向かせ、真っ赤な唇だけが目に入る。男の吐息を感じ取って、唇は薄く開かれた。

 

「ん…………、んぅっ! ちゅっ……んっ……あふぅ……」

 

 鮮烈だった真紅の瞳に紗が掛かる。

 細い喉が何度か上下し、静まりかえったベッドルームで小さな水音が鳴り始めた。

 柔らかな唇は開かされ、男の唇が押し付けられている。口内では舌が絡み合っていた。自分の口の中へ侵入してきた男の舌を、シャルティアが熱心に舐めている。

 舌に付いた小さな噛み傷。男自身が噛み切った傷から滲む鮮血を、シャルティアは舌を伸ばして舐めとり、強く吸って飲み込んだ。

 男の唾もすすっている。じゅるじゅると卑猥な音を響かせている。

 

 その頃には血は出なくなっていた。口内の傷は塞がりやすいものである。ナザリックの高級食材を始め、贅沢な食事で体質が改善しつつあるこの男は、小さな傷はすぐに治るようになった。きっとソリュシャンが溶かしすぎて鍛えられたに違いない。

 

 血が出なくなっても唇は離れない。

 シャルティアは、あふぅと艶めかしい息を吐き、口内の至る所を舐められるのに任せていた。

 伸ばした舌を強く吸われ、甘く歯で噛まれて捕まえられる。そこをなぶるように舐められた。歯茎を舌先がつつくのはこそばゆい。鋭い牙を舌が這うのは官能的だ。

 顎を掴んでいた手は頬を撫でている。頬を両側から包まれて唇を押し付けられるのは、奪われているようでシャルティアの被虐心を刺激した。

 細い首を掴まれて、シャルティアは男の手に自分の手を重ねる。少しだけ力を入れれば思いは伝わった。

 

「うぅっ……、けほ……、だめもっとぉ! んうぅ~~っ!」

 

 首を絞められた。

 100レベルのシャルティアは、この男どころかヴァンパイアブライドたちが扼殺するつもりで首を絞められても全く痛手にならない。

 苦しさに喘いで口を開いても、唇は塞がれたまま。

 重ねた手が離れると同時に首締めが終わったのは少し残念だったが、首から離れた手は流れるように肩を撫でた。

 ネグリジェの肩紐が外された。

 

 薄衣がはらりと落ちて、真っ白な乳房があらわになる。

 胸パッドを常用してるくらいなので大きくはない。小振りで愛らしい大きさなのだけど、ちっぱいも好きな男だった。

 首締めはシャルティアでも苦しかったろうから、今度は優しく。指を伸ばせば手のひらに収まってしまう乳房。吸血鬼の肌は冷たいのに、ふにふにと揉み続ければ熱が溜まってくるようだ。

 キスをしているので見れないのが残念だ。シャルティアの乳首はルビーのように綺麗なのだ。蒼白な肌で輝いている。

 キスを中断したいところだったが、シャルティアからも腕を伸ばしてきた。細い腕は首筋に回り、このままをねだってくる。

 

 ここまで来ると、ソファーに座るシャルティアへ男の体が覆い被さっているようなもの。

 いつもは上位にいて自分たちを責めてくるシャルティアがされるままでいるのを、ヴァンパイアブライドたちは背筋を伸ばして下腹の上で品良く手を重ね、固唾を飲んで凝視している。

 女主人の知らなかった一面を見せられるのは驚きであり新鮮である。

 シャルティアに自分を重ね、自分もあんな風にと思えば体が熱くなる。人間の男とは言え閾値を越えた好感度があり、手技に舌技を思い出せば濡れてくる。

 

「きゃうぅ……、あっ! あんっ……、シャルティアのおっぱいぃ、いっぱいペロペロしてくんなましえ……、ああんっ♡」

 

 優しい愛撫だったのに、突然強く摘ままれた。

 ちゅっちゅホールドが外れた隙にするりと逃げられ、乳房にキスをされた。

 毎晩ヴァンパイアブライドたちにさせているのと同じ行為。それなのに違うのは、温かい舌だからか、技術が違うからか。思い切りが一番かも知れない。

 乳首を舐められるのはいつものことだが、噛んでくるのはこの男だけ。

 勃起しても小さな乳首を痛いくらいに噛まれた。痛いのも好きなシャルティアだ。痛みが走った瞬間には解放され、優しく舐められてしまう。乳首に溜まった熱が爆発するようだ。

 きゅっと爪先に力が入った。

 

 シャルティアは乳首イきを覚えつつあった。アルベドはとっくに通り過ぎた道である。

 

「はぁ……、おまえたちも、いいでありんすよぉ? くふっ……あんっ」

 

 妖艶な目で見回した。

 

 女主人の許しを得て、シモベたちは下腹で重ねた手をある者は上に、ある者は下に。

 同性愛者でもあるシャルティアの愛妾を兼ねるヴァンパイアブライドたちだ。肉惑的な美女である彼女たちは、シャルティア好みの衣装に身を包む。服と言うよりは、帯で乳房と股間を隠すだけのエロ衣装。下着はどちらも着けてない。

 白い布のすぐ下には、柔肌があった。

 女主人の痴態を眺めながら、彼女たちは自慰を始めた。

 雌の匂いが濃くなり、掠れた声が途切れ途切れにあがり、淫靡な熱が籠もりだす。

 

「そろそろ……、あっちに移りんしょうか」

 

 ベッドルームには大きなベッドがある。

 男に抱き上げられ、シャルティアはベッドの真ん中に下ろされた。

 ベッドでも愛撫は止まない。

 ひたすらに胸を責められて、ルビーの赤が濡れ光っている。

 

「んっふっふ、今度もこの前も、お前をナザリックに連れてきてあげんしたのはシャルティアでありんすよ?」

「はい、感謝しております」

「くすぐったいでありんすよぉ♡ でもいいでありんすよぉ?」

 

 吐息で耳をくすぐられる。

 くすぐったいのに、温かい息を吹きかけられるのは心地よい。耳元で聞こえる美声は体の中に入ってきて乱反射して色々なところを勝手に刺激して。

 

「これからも時々連れてきてあげんしょう。だ・か・ら、そのときはぁ……」

「いえ、アウラ様にお願いすることもありましょう。それに正規に訪問する際は馬車でとなります。毎回シャルティア様にご足労願うわけには……おっと」

 

 シャルティアに押しのけられた。

 ベッドからは落ちなかったものの、端まで転がった。

 

「ほーん。へーーえ? ふっううううーーーぅん? まあ、確かに? いつもいつも私が運んでやるのは? まあ? いくらなんでも贅沢過ぎでありんすから?」

「仰るとおりでございます」

「…………っ!」

 

 この男、大原則を忘れていた。身を持ってソリュシャンから仕込まれたはずなのに、調子に乗って失念していた。

 女性といい雰囲気でいる時に、他の女性の名前を出してはいけないのだ。

 名前を間違えるのは最悪である。それが最中のことであったら覚悟しなければならないのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 アウラの名前を出されて、シャルティアのスイッチが切り替わった。

 

「他の連中を全員呼んできなんし!」

「はっ、直ちに!」

 

 シャルティアの命令を受けて、ヴァンパイアブライドたちが散っていった。

 待つと言うほど待たされることなく、すぐに戻ってきた。それぞれが数人から十数人も引き連れて。

 この場にいたのは、シャルティアと、男一人と、帝都にいるミラを除く5人のヴァンパイアブライドエリートシックス。5人がそれぞれ数人から十数人も連れてきたのだ。

 総勢50を二つ欠くヴァンパイアブライドたち。

 

 50と言うのは氏族の最大数。氏族とはすなわち血縁で結ばれた一族。50と言うのは名前も顔も中身も、互いに把握して集団を維持できる最大数となる。48に出張中のミラとシャルティア自身を足して50となるのだ。

 SVB(シャルティアのヴァンパイアブライド)48である。

 

 十人は同時に眠れる大きなベッドを擁する広いベッドルームでも、48人もいれば窮屈だ。壁際に隙間なくずらりと整列している。

 全員がヴァンパイアブライドだ。と言うことは美しい成人女性と言うこと。シャルティアのシモベなのだから、シャルティア好みのエロ衣装。

 

「本当はちょっと違うのを考えていんしたけど、気が変わりんした」

 

 本当はイチャラブックスして、ついでに側近の5人に男を教えてやろうと思っていた。

 気が変わった。

 50人もいるのに5人だけでは依怙贔屓だ。

 

「こいつらも処女膜を破られれば少しは手マンが上手くなるでありんしょうから」

「……48名もいらっしゃいますが」

「いらっしゃいんすねぇ?」

 

 シャルティアは悪そうに笑った。

 

「まさか不満がある奴はいないでありんしょう?」

「「「不満などとんでもございません。シャルティア様のお慈悲に感謝いたします!」」」

「……おおう」

 

 48人のヴァンパイアブライドの斉唱はすごい迫力である。

 

「安心しなんし。夜は始まったばかりでありんす。今日の夜はとぉっても長いでありんすよぉ」

 

 丸一昼夜以上ナザリックにいる。時計は目に入らない。体内時計は信用ならない。今が何時なのかわからない。食事の回数から夜遅くではないのではないかくらいしかわからない。

 シャルティアが言う言葉が嘘であれ本当であれ、拒否出来る立場ではない。

 

「お前のおちんぽでこいつらの処女膜を破ってあげなんし。もちろん全員でありんすよ♡」

 

 くひひと笑うシャルティアは、カルマ極悪に相応しい邪悪を見せつけた。

 とってもイイ笑顔に言葉も出なかった。




やっちまったなと色んな意味で思いました(真顔
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