※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

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3分 ▽アルベド♯15

「脱いだらこれを着けなさい」

 

 アルベドが取り出したのはアイマスク。勿論ナザリック製の魔法が掛かった逸品であり、着用者には僅かな光も届かなくなる。

 男が服を脱ぎ、アイマスクを着けたのを見てから、アルベドはマントを脱ぎ捨てた。マントの下は全裸だ。男が知る妖艶な姿とは違って、腹部だけが大きく膨らんでいる。

 

(私のお腹が大きくなっちゃってるのはこの子にも見せるわけにいかないのよね。本当はあなたの子なのよって言いたいのだけれど……。でも出来ちゃった切っ掛けがあれなのは……、言えないわね)

 

 二度と会えないと思った勘違いから宿した子なのだ。ナザリック守護者統括として、愚かな女であってはならない。

 出来るならば子の父となるこの男には伝えたいのだが、愚かな女と見下げられ見放されたら恐怖すら覚える。絶対に話せない。

 

(ん……、お腹の中でちゃぷちゃぷ言ってる。何だかお魚を育ててるみたい♪ ……違うの? パパに自分のことを教えたいの?)

 

 淫紋の光が妖しくゆらめく。

 未だ見ぬ我が子の訴えなのか、美味しいお食事を前にしたサキュバスの本能が期待に震えているのか。

 丸く膨らんだお腹を撫でている内に、アルベドへ悪魔的な閃きが降りてきた。

 

(ふ……ふふふ、そうよ、そうだわ! あの時妊娠したんじゃないって事にすればいいのよ!)

 

 ナザリックにて知謀を誇るアルベドは非常に優れた頭脳を持つ。

 しかし現在妊娠中。時々ぽわんとしてしまう。

 それでもお仕事モードの時は微塵の隙も見せない完璧な判断を下し続けているが、今は違う。愛しい男の裸体を前に、いささか色惚けている。

 そんな状態で思いついたアイデアが吉と出るか凶と出るか。全てを見通すはずのアルベドにはバラ色の未来としか見えなかった。

 

「今日はお食事の日じゃないから、私がしてあげるわ。あなたはそこで横になっていなさい。アイマスクをずらしてはダメよ。手を動かすのもダメ」

「かしこまりました」

 

 むふふと笑みを浮かべながら、アルベドは大の字に横たわる男を見下ろす。

 初めて見たときは爛れた火傷が上半身の大半を覆っていたが、今やかすり傷一つない見惚れる体。引き締まって割れた腹筋から下にはアルベドが大好きなミルクを出してくれて、何度も愛して愛された逸物が。

 軽いキスをしただけなので、まだ半勃起状態。これからサキュバスのエッチな魔法的テクニックでガッチガチになるのだ。

 

(でもその前に)

 

「アルベド様!?」

「あなたが間違って手を動かしたりしないようにしているのよ」

「ご命令いただければけして動かしません」

「それでも、よ。反射的にと言うこともあるわ」

 

 広げた両腕の手首にどこからか取り出したロープを縛り付けた。ロープは天蓋の柱に縛り付けられ、両腕は開いた状態で固定された。

 

(いつもだったら触覚も誤魔化すドレスを着てるからいいけど、今の私は裸なんだもの。お腹を触られたら一発でわかっちゃうわ。触っていいのは一回出してから……、ね♡)

 

 

 

 

 

 

 開いた脚の間にちょこんと座る。

 横たわる男は目を封じられ、手も動かせないようにしている。思えば、始めの内はいつもこうだった。初めて男の目を開かせてからお食事をした時は睨みながら扱いてあげたことを思い出す。

 それが今や、慈しみと愛しみに溢れた眼差しで見つめている。捕食者と被捕食者から女と男になってしまったのだから当然だ。

 

 アルベドは左手で長い髪をかきあげ、右手は膨らんだ腹を抱えるようにして添え、体を倒した。目の前に男の逸物。雄の匂いが鼻に届く。唇をすぼめてふうと息を吹きかける。次は開いてはあと息を吹きかける。

 吐息が命を与えたかのように、半立ち状態だった肉の棒が反り返る。

 あーんと口を開いてぱくりと行った。

 

「あむっ……、れろ……、あっという間に大きくなったわ。ちゅっ……、私のお口は気持ちいいかしら?」

「勿論です!」

「いっぱいいっぱい気持ちよくしてあげる。だから、いっぱいミルクを出して? あなたの精液、私にいっぱい飲ませて? あむっ、じゅるじゅる、ちゅるるるぅ……、ちゅぷぅ……、すー……はあー……」

 

 先端だけを含んで裏筋を舐めた後、根本まで咥え込んだ。亀頭が喉奥を突き、鼻先を陰毛がくすぐる。

 ちゅうちゅうと吸いつけば、頬の内側が隙間なく逸物に密着する。固さと熱さを感じて、男の逞しさを思い知って、ずっとしゃぶっていたいと思ってしまう。

 鼻は男の陰毛に埋めたまま、深く深呼吸。どこの匂いも芳しい。サキュバスの本能を刺激してくる。

 口内に唾液が溜まってきたので、しゃぶったまま吸って、飲み込んだ。淫猥な水音が響いた。

 

 咥えているだけでは射精に至らない。

 射精させるには気持ちよくさせなければならなくて、気持ちよくさせると不思議なことにアルベドも気持ちよくなってくる。してあげてるだけで気持ちよくなってしまう不思議を、アルベドは何度も味わってきた。

 

 ちゅうと吸いついたまま頭を上下に振り始める。

 右手は腹に添えたまま、左手は男の体を撫でている。愛おしげに優しく撫で、割れた腹筋をなぞり、下腹を這い、堅い太股をさする。

 

 ちゅぽんと音を立てて唇が離れた。

 勢いよく跳ねて下腹を打った逸物は、先端から根本まで、アルベドがたっぷり絡めた唾液に濡れている。

 小さな割れ目のような尿道口にぷっくりと浮かびつつある透明な滴はやはりアルベドが大好物な先走りの汁で、アルベドは赤い舌を伸ばしてれろりと舐めとった。

 何度味わってもまさしく甘露。口の中で味わうよりも、舌を伸ばして舐めとる方が美味しく感じる。

 

「今日はもっともっと気持ちよくしてあげるわ。あなただけよ? 私がこんなことをしてあげるのはあなただけなのよ?」

「光栄です」

 

 アルベドは左手の中指をしゃぶって、とろりとした唾液をたっぷりと絡めた。少しだけ考え、もう一度しゃぶる。ちゅうと吸い、絡めた唾液を全部舐めとってしまった。

 代わりに大きなお腹の更に下、自身の股間に伸ばして割れ目を撫でれば、下の口が早くも垂らし始めた涎をぬるりと感じる。しゃぶっている間に濡らしていると思ったら案の定。

 

「ぁん……、うふふ♪」

 

 アルベドがしゃぶりながら濡らさなかったことは一度もない。

 この男を単なる精液袋と見なしていたときですら、股間を濡らしていた。肉の棒を頬張り、扱いている時、いつだって右手か左手のどちらかで自分の秘部を愛撫していた。

 最早条件反射の域。体が覚え込んでいる。

 

「こうしてあげる♡」

「!?」

 

 サキュバス流淫術アルベド奥義・秘技エネマである。

 

 ぴんと伸ばした中指は、アルベドの唾液が濡らし始めた玉袋の少し下。男の肛門に突き刺さった。

 爪が長かろうと、サキュバススキルはけっして対象を傷つけない。

 

「うーーん。……あむっ……、ちゅうっ。んー……、直接してあげるわ」

「アルベド様!?」

 

 引き抜いた中指をぱくりと咥えて丁寧に舐めた後、アルベドは男の腰を軽く浮かせた。

 手弱女な上に妊婦であるアルベドだが、力の強さは屋敷の使用人達を驚愕させたヴァンパイアブライドを歯牙にかけないほど凄まじい。男の体を持ち上げるくらい、左手の小指だけでも事足りる。

 アルベドの目当ては、たった今指を入れたところ。

 薄く色づく窄まりは、ソリュシャンに命じて目の前で舐めさせたこともあった。今日は自分がしてあげるのだ。

 

 

 

 アルベド様はいと高き彼方より真なる美を知らしめるために降臨なさった美の化身にして具現である美神であられる。太陽も月も星々もアルベド様の前であっては己の醜さを恥じ、地上を照らす役目を譲ってしまうほど。

 お顔の形は到底言葉で表せるものではない。アルベド様のお顔としか言いようがないのだ。

 ふっくらとした紅い唇は皺すら美々しく、あの唇で触れられることを思うだけで世の男は獣欲を駆り立てられる。

 唇から垂れる赤い舌はアルベド様の舌にしてサキュバスの舌。美しくも淫らな器官はあらゆる快楽を自在に与える。

 その舌でもって、アルベド様はアナル責めを敢行なさった。

 

 目一杯舌を伸ばし、男の肛門を舐めている。

 尖らせて窄まりをつつき、力が抜ける一瞬の隙を突いて潜り込ませた。

 

(お尻の穴に指をいれたことはあったけど、舐めちゃったの初めて♡ なんだかうっとりしちゃってるわね。私もお尻の穴を弄られて気持ちよかったし、男もやっぱりそうなのね。お尻の穴なんて汚いと思ってたけど……。この子にならどんなことでもしてあげられちゃう。してあげたくなっちゃうの。私の処女をあげちゃったし、お尻の処女も奪われちゃったし♡ とてもとっても良かったし、いつでもすごく気持ちいいし、これくらいしてあげて当然よね♡)

 

 背徳感どころではない。美々しく神々しいものを汚す冒涜感。

 舐められると思うだけでこれなのに、サキュバスの舌がもたらす快楽は全身が弛緩しきって溶けてしまうかのよう。

 

「おちんぽも忘れてないわよ♡ うふふ、すっごく硬くなってるわ。お尻の穴も気持ちいいのね。私もあなたにされてとっても気持ちよかったもの。お揃いね♡」

 

 アナルを舐めながら、逸物を扱くことも忘れない。

 無意識にか、男の腕がロープを引っ張ったが、固く結ばれ動かせない。

 

「あ、あるべど、さま……!」

「大丈夫。ちゃあんとしゃぶってあげるわ。私のフェラチオはソリュシャンよりずっとずっと気持ちいいでしょう?」

「はい、もちろんです!」

「いっぱい気持ちよくなるのよ? わたしがおちんぽを咥えてあげるんだから。んふふ、おっきいおちんぽ♪ いっぱいお口を開かないとしゃぶれないわ。あーーーんしてパクってしてあげる♡ あーーーんっ……んっ、ちゅぷぷ……」

 

 舌責めから解放されたと思うのも束の間。

 アルベドが再度のフェラチオを始めると、尻の穴にはまたも指が入ってきた。

 サキュバスの本能が中で指を曲げさせ、前立腺を的確にマッサージさせる。

 

「んっんっんっ、じゅるるぅ、あむぅっ、んーー……。ちゅぽんっ……、すっごく硬いわ♡ そろそろ出したいんじゃないかしら?」

「は、はい……」

「うふふ、まだだぁめ♡ あーん……んっ……」

 

 上下に振る頭が加速する。

 唇は根本まで包み、亀頭まで戻ると再び根本まで。柔らかな頬がぴったりと密着し、ぬめる舌は高速移動の最中でも亀頭と竿の裏筋を丹念に責めた。

 じゅっぽじゅっぽ響く水音に、男の苦鳴とアルベドの熱い吐息が混じっている。

 

(ああ、おちんぽがこんなに苦しそう……。ぴゅっぴゅさせてあげたい。わたしのお口にいっぱい出して欲しい。でもまだダメ、我慢よアルベド。かわいそうだけど、もっともっと責めて気持ちよくしてあげて、それからなのよ)

 

 左手は秘技エネマを実行し、右手はお腹を抱えていなかった。暴力的なまでに屹立しきった逸物の根本を押さえている。人差し指と中指で挟むだけの押さえ方は、サキュバススキルが効果を発揮している。

 射精させないのだ。

 

 根本を挟まれて射精出来ないだけなら、一時は苦しくても時間が経てば萎えてくる。

 苦しいのは、刺激を与えられ続けるから。

 アルベドの口淫は射精不可避の激しさ。秘技エネマは、男を一瞬で射精させた実績がある。

 それを同時に受ける快楽の激しさと苦しさは、狂おしいほど凄まじい。

 

 腕を縛るロープがピンと張り、男の腰が浮きかかるも、100レベルのアルベドに抗えるわけがない。

 

「あるべどさま、そろそろ……お願いします!」

「どうしようかしら?」

 

 裏筋をれろれろと舐めながら妖艶に笑う。

 膨れ上がった逸物はピクピクと震え、早く出したいと訴えている。

 アルベドは根本を押さえたまま体を起こすと、男の腰に跨がった。

 準備はとっくに出来ている。ゆっくりと腰を下ろす。暴発寸前の熱い亀頭を秘部あてがう。期待が心身を高ぶらせ、淫紋の光が波打った。

 

「お口よりおまんこに欲しいと思ってたの。アルベドのおまんこはぁ、あなたのおちんぽをしゃぶってたらとろとろになっちゃったわ。シャルティアの言葉を借りるのは癪だけど……、大洪水よ♡ エッチなおつゆがいっぱい出ちゃってるの。アルベドのおまんこが、あなたのおちんぽが欲しいって言ってるの。どう? アルベドのおまんこにおちんぽいれたい?」

「いれたいです!」

「いい子ね♡」

「うおっ!?」

 

 アルベドは一息に腰を下ろした。

 アルベドのアルベドが男の男を迎え入れ、とろけた膣肉が優しく怒張を包み込む。

 閉じた部分をこじ開けられているのに、欠けた部分を満たされると感じるのは愛欲か肉欲か。

 

「はいっちゃったわ♡ アルベドのおまんこの一番奥まで来ちゃってるわよ? おちんぽの先っちょがアルベドの赤ちゃんの部屋をコンコンしてるの♡ おちんぽいれたらぁ……、次はどうしたいのかしら?」

「くっ!」

 

 アルベドは、ゆっくりと腰を前後に滑らせた。抜けるほどは動かさない。

 強い快感はなくても、膣内で逸物が蠢くように感じられて、入っているのを実感できる。

 

「あはっ♡ おっきいおちんぽ、わたしのおちんぽ♡ ああん、そんなに苦しそうな顔しないで? わたしはあなたにいれてもらってとっても気持ちいいのよ?」

 

 グラインドする腰を止め、きゅっと締めた。

 ただでさえ逸物に密着している膣壁が柔らかくもきつく締め付け、男の精液を何度も絞ってきたサキュバスの肉襞が蠕動する。

 

 男はアイマスクを着けているので、顔が見えない。それでも歯を食いしばっている様子から、眉間にはさぞ深い溝を刻み、苦しんでいることだろう。

 アルベドは男が苦しむ顔を見下ろしながら、僅かばかりの申し訳なさと、多大な嗜虐心とで妖艶に微笑んだ。

 臨月間近だからか、大きく張った乳房を下から持ち上げて、充血した乳首を転がし始める。両手でやりたいところだったが、右手はずっと仕事をしていた。

 右手は二人の結合部に、逸物の根本を挟んでいる。

 

「アルベド、さま、……どうか、もう……、おねがいします……」

 

 男の声には苦渋が混じる。

 アルベドのスキルで抑えられ、射精をさせてもらえないのだ。

 なのに、サキュバスの変幻自在のエッチテクで責められ続けている。押さえられていなかったら、最低でも三度は出していたはず。数度分以上の快楽を与えられているのに、出せない。

 刺激されても射精に至れない快楽は、地獄の苦しみである。

 

「出したいの? でも、あなたのおちんぽはアルベドのおまんこに入っちゃってるのよ? アルベドの赤ちゃんの部屋をコンコンしてるのよ? あなたがおちんぽミルクを出しちゃったら、赤ちゃんのもとが赤ちゃんの部屋に来ちゃうじゃない。それって、赤ちゃんが出来ちゃうってことなのよ?」

「は、はいっ」

 

 よほど苦しいのか、声が上擦っている。

 

「あなたは、わたしに赤ちゃんを産ませたいの? あなたとわたしの赤ちゃん作りたいの?」

「作りたいです!」

 

 アルベドの問いかけなのか要求なのか、よくわからない言葉に一も二もなく頷いた。男と言う生き物は、寸止めに弱いのだ。

 ソリュシャンにも寸止めされて結婚についての根回しをすることになり、ユリにもされて結婚を同意させられ、ルプスレギナにも同じ事をされ、シズには惨めったらしく射精乞いをさせられた。

 驚くべき事に全敗である。

 

 男の連敗記録はさておき、望む答えを得たアルベドは婉然と笑った。

 

「ふふ……、いいわよ♡ わたしがぁ、あなたのアルベドがぁ、あなたの赤ちゃんを産んであげるわ♡」

「っ!!!!」

 

 アルベドは宣言すると同時に、右手の人差し指と中指を開いた。

 逸物が解放され、その瞬間に激しく射精する。

 どぴゅるるるっと噴き出した熱い精液が子宮口を打つのを、アルベドは感じとった。

 体の中心に、熱い生命が迸っている。射精は長く、最初の勢いは衰えこそすれ間欠的にぴゅぴゅっと吐き出している。

 つながった一部分のことなのに、アルベドは全身で男の射精を受け止めているように感じた。

 

「あっはああぁぁん♡ 出てる……、おちんぽミルクがいっぱい出てるわ♡ アルベドの赤ちゃんの部屋に入ろうとして、いっぱいいっぱいぴゅっぴゅしてるの感じちゃうのぉお♡ こんな濃ゆい精液出されちゃったら……、妊娠しちゃうわ♡ あなたのおちんぽで種付けされちゃったぁ♡」

 

 サキュバスと女の本能が、精液を子宮に送り込もうとして、アルベドに絶頂を促した。

 全身を上気させて体をくねらせ、膣内で痙攣する逸物を恍惚と感じている。

 

 最後の一滴まで搾り取り、それでも硬さを失わない逸物を締め付けながら、アルベドは勝利を宣言した。

 

「うふふ……♡ あなたはぁ…………わたしに種付けしちゃったのよ?」

「ほあっ?!?!」

 

 ロープをほどき、アイマスクをはぎ取った。

 

 男の視界に映るのは、我が身に跨がる美神アルベド。

 美貌は愛欲にとろけきり、淫らそのものの顔をしている。

 それよりもなによりも、目を引いて止まないのは、大きく膨らんだ腹部である。

 手足は以前と変わらずほっそりとしていることから、間違っても太ったのではない。膨れているのは腹部だけである。

 股間を彩っていた神秘的な紋様は、へそを中心とした位置に移動している。

 

「そ……その、お腹は…………?」

「あなたと私の赤ちゃんよ♡ たった今種付けしちゃったじゃない」

「えーーーーーーーーーーーーーーー!?!??!?!?!」

 

 

 

 

 

 

 男の驚愕はむべなるかな。

 

 例えるならば、昨夜いたした女が翌朝子連れで訪れ、あなたの子よ、と言うに等しい。

 誰だってそんな馬鹿なと思うのは間違いない。

 誰だってそんな馬鹿な話は一蹴して取り合わないのは間違いない。

 

 しかし、アルベドである。

 男にとっては世界の創造主に等しい美しくも淫らな美神である。

 

「なによその態度。私の中で出したじゃない!」

「い……え……、申し訳ございません。いささか驚いてしまいました」

 

 つんとしたアルベドに、すかさず謝罪する。

 アルベド様のお言葉を疑うのは、割とかなり許されない大罪であるのだ。

 アルベド様がそう仰るのならそうに違いないはずであるが、今まで培ってきた知識と常識が真っ向から異論を唱える。

 出したばかりで出来るわけねーだろ、と。

 

 しかし、アルベド様はサキュバス。

 人間の女とはあらゆる面で違うに決まっている。

 しかし、中に出して数秒後に臨月と思われるほどお腹が膨らむのは一体何事であろうか。

 

「おそれながら……、もしや以前から妊娠していらっしゃったのでしょうか?」

「違うわ。たった今よ」

「たった今……」

 

 たった今中出ししたのがアルベド様のお腹を膨らませたらしい。

 信じがたいが、アルベド様がそう仰るのならそうなのかも知れない。

 最近のアルベド様の乳房が大きく張っていたり、体重が重くなってきたように感じたのは、もしかしたらこのための準備だったのかも知れない。そうとしか思えない。そうだとしても、中に出して数秒後というのは如何とも受け入れがたい。

 

(…………何とかなったかしら? この子が私のことを疑うわけないもの。大丈夫。きっと大丈夫よね。赤ちゃんが出来ちゃったのは私が勘違いしたからじゃなくて、この子が私に種付けしたいって言ったからなのよ!)

 

 妊娠によってぽわんとした上に色惚けてしまったアルベドが出したたった一つの冴えた答えが、今出来ちゃったから、であった。

 

 男の中で信念と疑念が骨肉の争いを始め、アルベドは男がちゃんと信じてくれたかどうかとはらはらした気持ちで見つめ、つながったままなのに全く落ち着かない空気は突然緊迫した。

 

「うっ!!」

「アルベド様!?」

 

 アルベドが倒れた。

 騎乗位から後ろへ倒れたので、入っていた逸物がずるりと抜け、アルベドは背中からベッドへ落ちた。

 恍惚と緩んでいた表情は苦しげに歪められ、両手で大きなお腹を抑えている。

 

「う……、うまれる、わ!」

「生まれる!?」

 

 優秀なはずの男の頭脳は、目の前で推移する現実を処理できなかった。

 処理できないながらもアルベドへの忠心で側に駆け寄り、励ますように手を握った。ぎゅっと握り返され、手指の骨がぽきぽきと粉砕した。

 痛いが痛がってる場合ではない。

 アルベド様が苦しそうなのだ。

 

「ああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 アルベドが思い切り仰け反り、跳ねた。

 へそを囲む紋様が光り輝き、淫火の如きピンク色の光が部屋を満たす。

 光は意志があるかのようにアルベドの上で凝集し、アルベドの膨らんだ腹から立ち上る何物かを受け、一層と光度と密度を増していく。

 

 光の中で、男は見た。

 ピンクの光そのものが形を作っていく。

 球にしか見えなかった物が輪郭を作り、小さな手足と手足に相応の胴体と、不釣り合いに大きな頭は、赤ん坊そのもの。

 ピンク色の肌に白さと張りが現れ、頭に張り付いているようだった毛髪が黒く長く生えていく。

 頭には親指ほどの小さな角が。背中の腰部には一対の黒翼が。

 ふわふわと宙に漂っていた赤子は、ゆっくりとアルベドの胸に落ちていく。

 おぎゃあ、と。

 元気の良い産声が響きわたった。

 

「ああ……、わたしの、赤ちゃん……!」

 

 母となったアルベドは、無限の慈しみを込めて我が子を胸に抱いた。

 

 神秘そのものである誕生の瞬間。

 慈愛を体現するアルベド様。

 

 

 

 人の心がないと指さされる男であっても、胸を打つ感動的な時間であった。

 

 しかし、中に出してから出産まで、要した時間は三分はあったろうか。

 アルベド様のお言葉に偽りはないと信じたいが、急変する事態に全くついていけなかった。




次回、ひとまずソリュシャン回予定

優先して欲しいのは

  • アルベド
  • シャルティア
  • アウラ
  • ユリ
  • ルプスレギナ
  • シクスス
  • シェーダ
  • カルカ
  • 帝国のチョロイン
  • その他
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