※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

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時間がありましたら前話後書きをお読みください


本当に欲しいもの ▽アルベド♯18

 唇から命が吹き込まれる。

 触れられた箇所は熱を持ち、凍えた魂に火を灯す。

 愛の言葉は乾いた心に染み入って、潤う心が体も潤わせた。

 

 何度もしてきた口付けだ。唇が重なれば条件反射で舌が伸びる。

 口内に入ってきた舌に絡ませ、打って出る。強く吸って男の舌を捕らえたら舌先を舌先でねぶり、注ぎ込まれる唾をすする。

 温かな唾が喉を通った時、キスを楽しんでいることに気が付いた。

 

「私を動けなくして……。キスとおっぱいを触るだけじゃないでしょうね?」

 

 アルベドは妖艶に微笑む。

 己は愛され、満たされるべきなのだ。

 

 

 

 

 

 

(はっ!?)

 

 永遠に輝ける宝玉の如き声で我に返った。

 

 気付けばアルベド様の唇を貪っていた。

 右手が幸せになっていると思ったら、いつの間にかアルベド様のおっぱいを揉みしだいている。

 左手では無意識にジャケットとシャツを脱ぎ捨て、ズボンのベルトを外しかけてる。

 アルベド様は身動きの叶わぬ身でありながらこちらの理性を溶かしてきたのだ。

 

 このままでは獣のようにアルベド様へ襲いかかってしまい、エンゲージリボンの拘束が解けてしまう。

 これは最後の奉公。アルベド様のお体をじっくりたっぷり楽しみたい気持ちは大いにあるしやるつもりだが、アルベド様にお悦びいただかなければならない。

 そのためには獣性を抑え、理性でもって事に当たる必要がある。

 

 ガリっと舌をきつく噛んだ。口内に赤錆の味が広がる。

 痛みに強く、痛みを忘れることが出来ても、痛みを感じないわけでも痛いのが好きなわけでもない。鋭い痛みは冷静さを呼び戻した。

 

「あなたに愛して欲しくて体がとっても熱くなってきちゃったわ。私の熱病を癒せるのはあなただけ。私を犯したいんでしょう? 好きにしていいのよ?」

「アルベド様……!」

 

 耳朶から忍び込み脳髄を蕩けさせた挙げ句に全身を痺れさせる甘い声。

 痛みと引き替えに胸から引き剥がした手が、またも胸へ伸びようとしている。

 

 アルベド様は美しいお姿もさることながら、声音一つで理性を蒸発させ本能の奴隷にさせるお力があると言うことか。

 アルベド様のお声が響くだけで男と言う男は獣同然に成り下がる。すなわち、アルベド様はお声だけで世界征服が可能なのだ。人々がいまだ安寧とした生活を送っていられるのはアルベド様の慈悲故であると証明されてしまった。やはりアルベド様はお優しい。

 

 苦しいとき、負けられないとき、いつもアルベド様に祈ってお力をお貸しいただいてきた。

 しかしそれをしてしまっては本末転倒。今欲しているのは冷静な思考である。

 いつ何時も冷静でおられる方は、アインズ様だ。

 

 アインズ様、どうかお力をお貸しください!

 

 男はアインズに祈った。

 手の震えがピタリと止まった。

 

「アルベド様は、抵抗できないご自分を私に滅茶苦茶にされることを想像したことがある。そう仰っておられましたね」

「ええ、言ったわ。まさにその通りになってるわね」

「お言葉の通りにさせていただきます」

「ふふ……、どんな事をされちゃうのかしら?」

 

 動かせるのは精々指一本なアルベドは、余裕な笑みを浮かべてみせる。

 男は口内に溢れる血を飲み干し、にっこりと笑い返した。

 

「失礼いたします」

 

 犯すだけではなく色々するつもりなので、今の姿勢だと少々やりづらい。

 横たわるアルベドの背にふわふわ枕を敷き、尻の下には厚いクッションを二枚入れて股間の位置を高くする。

 

「苦しくはありませんか?」

「問題ないわ。折角だから頭の下にも枕が欲しいわね。これじゃあなたの顔が見えにくいもの」

「かしこまりました」

 

 仰せの通りに枕を敷く。

 唇を合わせるだけの軽いキスをして、アルベドの股間と向き合った。

 

 エンゲージリボンは自由な行動を封じても股を開くことは出来る。アルベドは脚を広げて、股間を男へ見せつけた。

 純白の薄布は小さなシミが出来ている。手で触れるとふんわりと柔らかく、温かい。

 揉みほぐしながら語りかけた。

 

「アルベド様のお体を隅から隅まで犯し抜く前に、まずはアルベド様にお悦びいただこうと存じます。手指や口も使いますが、まずはこれを挿入いたします」

「ディルド……ね。前にもらったのとは、違うのかしら?」

「手に力が入りますか? 触れてみてください」

 

 アルベドの手に白い棒を乗せる。

 腕自体は全く動かせないが、軽く握ることは出来た。

 

「温かいわ。ツルツルしてて、形も違うみたいね?」

「このように軽く折れ曲がっています。次に軽く舐めてみてください」

 

 唇の上にかざされたディルドへ舌を伸ばす。意外な感触に目を瞬かせた。

 

「触ったときはツルツルだったのに舐めるとヌルヌルしたわ」

「塗装を工夫いたしました。形状もアルベド様のお体を考えて仕上げたものです」

 

 改良型ディルドに使ったドラゴンの角の余りを粉末状にして、塗装と共に塗り込んである。寒空の下で発熱まではしないが、現在の室温なら人肌程度を維持する。

 形状は先端だけが内を向くように太くなって、中程でややくの字形にくびれている。

 

 なお、ドラゴンの角を粉末にするのはミラが昼夜問わずとてもとても凄く頑張ったのは余談である。

 

「こちらは肛門へ挿入します。表面の塗装は同じですので形状だけご覧ください」

 

 こちらのディルドは真っ直ぐ。しかし単なる棒ではなく、小指の先ほどの突起が長さを変えて幾つもついている。

 

「同時に挿入します。膣へ挿入した物は前後に動かし、肛門へ挿入した物は中で回します。双方が干渉しあい、とてもお悦びいただけると確信しております」

「それは……スゴそうね」

 

 アルベドは、ゴクリと唾を飲み込んだ。

 男の姿は開いた股の間にある。腰に手を添えられ、ショーツがするりと脱がされた。

 

 

 

 

 

 

 片手で包める程度の小さな布切れをアルベドの足首から抜き、改めて股を開かせた。

 アルベドの熟れた性器は、股を開かせれば淫らに開く。

 何度も使って子供すら産んでいるのに、着色は全くない。肌は透き通るように白く、淫裂から少しだけはみ出る内陰唇はホワイトピンク。

 内側はぬらりと濡れ光っている。そこは薄い膜で包まれたアルベドの淫欲そのもの。

 ショーツにシミをつけた膣口は、見る間に愛液を湛え始めた。

 

「私のおまんこ綺麗でしょう? あなたに見られておかしかったらイヤだから毎日鏡でチェックしてるのよ? あなたに処女をあげる前からのことよ? …………今だから言えるんだけど。わたし……処女膜あったわよね。あなたも気付いていたんでしょう?」

「……はい、気付いておりました」

「やっぱり! 恥ずかしいわ……。あなたのおちんぽにあんなに色々してきたのに、処女だったなんて。それを知られてたなんて」

「とんでもないことで御座います。私は光栄でした!」

「……もういいわ。過ぎたことだし。あなたに処女をあげて、その夜に確認したらもうなかったの。あなたに愛してもらって、それで破けてなくなっちゃったのね。もう二度と戻らないわ。千年経っても万年経っても。あなたは私に、永遠に残る傷をつけたのよ」

「アルベド様の傷を癒させていただきます」

「あんっ♡」

 

 アルベドの女は食欲にも似た獣欲をそそる。指を添えて割れ目を広げ、傷を癒すべく舌で触れた。柔らかい女の肉はとろけるようだ。

 雌穴が垂らす涎を舌ですくい、包皮から顔を出し始めた肉芽に塗りつける。

 包皮を舌と唇で完全に剥いてから肉芽を吸いだし、舌を使い始めた。

 柔らかだったクリトリスはすぐに膨らんできた。とても小さいのにとても舐め甲斐がある。

 

「ああん……、あなたって舐めるの上手よね。これも今だから言えるんだけどぉ……、あなたに初めて舐められたときのことよ。わたし、気持ちよくて失神しちゃったのって初めてだったの。わたしサキュバスなのに失神するほどイカされちゃって……。屈辱だったけどスゴく気持ちよくて。あなたにだったらいいわ。許してあげる♡ あっ、あっ、クリちゃんいいわぁ♡」

 

 その時は、舌を使いながら手指も使った。

 今回はアルベド専用に作ったディルドを使う。指を入れてしまったら、指以外の物を入れたくなるに決まっているのだ。

 

「あっ? さっきの入れてるの?」

 

 本当なら指を先行させてほぐすべき。

 但し、今回使用するディルドは前回のものより大分細い。一番太い先端でも指二本分。細い部分は更にその半分。十分潤っているアルベドへ挿入するのに何の問題もない。

 鋭角だが丸みを帯びた先端がアルベドの中へ飲まれていく。全部は挿入せず、くびれている部分が入り口に差し掛かったところで前後に動かし始めた。

 

「あっ? あっ、あっ♡ これ、いい、わぁっ♡」

 

 アルベドの声が甘くなり、舌に触れる弾力も強くなってきた。

 

(おまんこの気持ちいいところ擦られてるぅ♡ 奥まで来ないからおかしいと思ってたらこんなになるなんて。ディルドなのに、彼に指でされてるみたい……♡ わたしの体を考えて作ったって言ってたわよね。だからわたしの体にピッタリで一番気持ちいいところに当たるのね。シャルティアは私の作ったバイブとローターを持って行ったらしいけど、彼にこんなの作ってもらった事なんてないでしょう? わたしのためだけに作ってくれたのよ? これ好き♡ 作ってくれた彼も大好き♡ 前にもらったディルドは毎日入れてるけど、これからはこっちも使ってあげなくちゃ♡)

 

 ディルドの抽送も舌の動きもあまやかなもの。

 徐々に高めてよがってもらうよりも、出し惜しみせず最初から行けるところまで行ってしまうつもりなのだ。

 

「やぁん♡ そこお尻の穴なのよ? もう一本を今度はお尻に入れるつもりなのね?」

 

 左手の中指を忍ばせたのはディルドが行き来している穴のすぐ下の穴。クッションはアルベドの尻がはみ出るように置いたので、尻肉に埋もれて指が届かないなんて事にはなってない。

 ピンクの窄まりは愛液の通り道。幾本もの皺はアルベドがよがる度に寄っては開いて、入り口には潤滑液がたっぷりと絡んでいる。

 立てた中指はぬるつく弾力を抜けると、ぬぷりと根本まで入りきった。

 柔らかく受け入れる膣とは違って、尻の穴はきゅうきゅう締め付けてくる。それでも、ずっと入れていると入れたくなってしまう。

 

 さすがのアルベドは数度往復させるだけで準備が整った。

 口を使い、膣内をディルドでかき回し、肛門へもディルドをあてがう。

 幾つもついてる突起はルプスレギナが持って行ったディルドについていたのと同じで柔らかく、挿入の障害にはならない。アルベドの肛門は白い棒に押し広げられ、大小の突起を潰しながら受け入れていく。

 潰れた突起は直腸内に入ると元の形に復元し、指では不可能な刺激をアルベドへ与え始めた。

 

「あっ♡ あっ♡ はあっ!? あ゛っ! あ゛っあ゛っあ゛ーーーーーーーーーーっ!!!」

 

 アルベドが甲高い声で鳴き始めた。

 直腸内のディルドが回転し、膣内のディルドは前後に動いている。

 膣内ではアルベドが一番感じる部分を執拗に刺激して、直腸内のディルドは無数の突起が内側を擦り、両穴を隔てる薄い肉壁を二つのディルドが擦り合う。その上で、クリトリスを吸われていた。

 どれか一つだけでも間違いなく気持ちよいのに、それぞれがそれぞれの快感を阻害することなく高め合っている。

 

 男の顔を挟む太股が熱を持ち、汗ばんできた。

 雌穴からはトロトロと涎を垂らし、小さな尿道口からはピュッと透明な液体を吹き出す。肛門は喘ぐように皺が伸びてはディルドを締め付ける。

 

 アルベドが何度か達したのを察した男は、しゃぶっていたクリトリスから口を離した。

 アルベドの痴態を鑑賞したいのと、クリトリスよりも中だけに集中してもらいたいため。

 

「まってまってぇ! こんなのらめらからぁぁああ! またイ…………くぅぅううぅうぅぅう!!」

 

 ピュッと吹き出ていたのがピュピュッと連続する。

 腰は小刻みに震えっぱなしで、力が入らないなりに爪先をきゅっと折り曲げた。

 

 クリトリスを舐められ、ディルドが一つまでの時は余裕だった。浅くイった回数を足の指で数えられた。

 両穴に入れられて始まった直後から、圧倒的な快感の波に何もかもを押し流された。

 悲しみも苦しみも絶望も忘れ、精神を漂白する白い世界で振り回される。

 それなのに、浸りきれない。

 肉体は悦楽の海に揺蕩って、心すら犯そうとしている。その心が抵抗している。これでは嫌だと訴えている。

 

「ん゛……っあああぁぁぁあああっ!! らめ、やめてぇえぇ! きもちいのらめらからぁっぁあああ! ひぅっ……~~~~~~~~~~~~っっ!!」

 

 下腹の淫紋が妖しく明滅する。淫らな肉色を淡く光らせたピンクの光。

 光に同期して膣口が開いては閉じ、淫液を垂らす。

 透明だった愛液は、ミルクのような白に変わっていった。快感が閾値を越えてなお嬲られる時に垂らす本気汁。

 

 アルベドが幾ら叫んでも蹂躙は止まらない。

 快感は切れ目なく、ずっと続いている。

 それこそがエンゲージリボンのアルベドも知らない効果で、何度達しても果てがない。

 絶頂は次の快感への呼び水であり、高まった肉欲は更なる快感を貪欲に求める。

 自分が何であったか忘れてしまう底無しの海で、アルベドの心は訴え続けた。

 

 愛液が溢れて潮を噴いて、きっと失禁もしてしまって。

 涎がこぼれているのは今更のことで、ポロポロと涙を流し始めた時、絶え間ない快感がようやく途切れた。

 

「やめ……やめて……。ひっ……ひっぅ……えぐ……、もう、らめ、なの……。やなのぉ……!」

「あ……アルベド様!?」

 

 

 

 手を止めたのはアルベドの懇願を聞き入れたのではない。

 「待って」とか「止めて」とかは「もっとやれ」を意味すると言ったのはアルベドだ。美神の言葉を違える男ではなかった。

 アルベドのアルベド汁が凄いことになってきたので、一旦拭おうと考えた。これだけ水気を出してるのだから水分補給も必要と思われる。

 そうして中断したら、アルベドが泣いていた。

 悦楽に歓喜しているのではなく、怯えた子供のように泣いている。

 女心への理解度は及第点を貰えないが、子供心なら自身の過去から察することが出来た。

 

「不快でしたでしょうか?」

 

 抱くのを泣くほど嫌がられて、泣いてしまうほど嫌なことをしてしまった。これはもう拘束が解けたら極刑待った無し。

 生き続けるにはアルベドを拘束したままにするしかないのだが、ナザリックの守護者統括にそんなことをしてしまえばどのみち死刑。ましてや己へ命と豊かな生活を与えてくださった美を司る美神アルベド様へ出来ることではない。

 アルベド様にお悦びいただけたら、もしかしたら懲罰を免れるかと下心があった。残念なことに希望は潰えたらしかった。

 

「ちがう、ちがうの……。とってもよかったからイヤだったの!」

「良かったからお嫌だったと?」

 

 好いのなら良いのではないか。

 アルベドの言葉は男の理解を超えた。

 

「あんなにきもちいのは、あなたじゃなきゃいや! 道具じゃイヤなの。あなたで気持ちよくして欲しいの。ディルドなんかじゃなくて、あなたに入れて欲しい……」

 

 丹誠込めて作ったディルドだ。

 機能は期待以上に目的を果たし、アルベドは大いによがった。

 だけどもそれが駄目だという。

 量産プリンと手作りプリンなら、味は甲乙つけがたくも後者に軍配が上がるようなものだろうか。

 

「私は気持ちよくなりたいわけじゃないわ。あなたに愛して欲しいのよ!」

「!!!!!!」

 

 黒髪しか取り柄がないと言われたナーベラルに魔法最強化したチェイン・ドラゴン・ライトニングを脳髄に撃ち込まれたかの如き衝撃!

 

 事はアルベド様への愛を示すため。

 なのに手段を目的化してしまって、アルベド様に悦んでいただける行為にすり替わってしまった。

 アルベド様がどう受け止めてどのように感じるかは、言ってしまえば些末なこと。アルベド様のお考えとお気持ちを己如きで推し量るのは烏滸がましいにも程がある。

 そうではない。

 愛しく美しい大淫魔であられるアルベド様に、こんなにも欲情しているのだと示すべきであった。

 アルベド様はそれをわかっていたからこそ、理性を蕩けさせる甘い声で誘惑してくださったのだ。目的に添うならば、そのまま情欲の限りを尽くせば良かったのだ。

 アルベド様のお優しさが心に染み入り、己の愚かさを痛感する。

 

「あんっ」

 

 愕然とした男の手がディルドから離れると同時に、アルベドからぬるりと出てきた。

 表面に施した特殊塗装によって、挿入部は濡れると摩擦がほぼゼロになる。持ち手を保持していない状態で咥えたままにするには、くるみを割るレベルの圧力がいる。

 

 

 

「アルベド様!!」

「きゃっ♡」

 

 感極まって、アルベドに抱きついた。

 下に敷いている枕とクッションが邪魔だ。抜き取り、放り投げた。

 

「あむぅ! んんっ……、じゅるる……、あなたにこんなキスが、んっちゅううぅ♡ んふうぅ……」

 

 技巧を忘れた荒々しい口付け。

 アルベドを逃がさないよう頭の角をしっかりと握り、柔らかな唇へ唇を押しつける。

 差し込む舌を、アルベドは口を開いて受け入れている。アルベドからも舌を伸ばして、主導権争いをするように激しく絡み合った。

 強く吸って強く吸われて、隙間なく合わせた唇の中で混じり合った唾が行き来している。

 

 情熱的なキスを交わしながら、男の手はアルベドの乳房を握るのさえ後回しにして、カチャカチャとズボンのベルトを外しにかかった。

 逸る心が手をもつれさせる。アルベドは裸で待っているのに、自分はズボンを履いたままなのがもどかしい。

 苦労して脱いだズボンは裏返しのまま放り投げる。

 パンツも脱ぎ捨て、勢いよく現れた逸物が跳ね上がって下腹を打った。

 

「アルベド様……、それでは」

「待って」

 

 男はアルベドの上に伸し掛かっている。

 互いに全裸で、アルベドは下腹に熱い逸物を押し付けられた。見えなくても、熱さも固さも大きさも、はっきりと感じ取れる。

 あれほどよがり狂わされたアルベドは受け入れる用意は万全で、男が少し体をずらせば入ってくる。

 だけど、その前に、

 

「アルベド様に私の愛を実感して欲しいのです。それなのに待てと仰るのですか?」

「そうじゃないわ。そうじゃなくて……」

 

 アルベドは一瞬だけ言い淀み、正直な気持ちを打ち明けた。

 

「アルベドって呼びなさい」

「……それは恋人同士のように、でしょうか?」

 

 エ・ランテルで共に過ごした最後の夜に、対等な恋人同士のように振る舞えと言われたことがあった。

 

「少し違うわね。あと、敬語も禁止!」

「敬語も?」

「あなたは誰彼構わず敬語を使ってるわけじゃないでしょう?」

「それは……、確かに仰る通りですが」

「そういう相手みたいにしなさい。でもしっかりと私への気持ちを感じさせるように」

「……アルベド様への想いを乗せ、尚且つ荒い言葉を使えと仰るのですか?」

「そうよ」

 

 簡単に言ってくれるがハードルがとても高い。

 前回は反復練習しないと呼び捨て出来なかったのに、そこに加えて荒い言葉を使えと言う。

 

 難しい顔を見せた男へ、アルベドは子供っぽく頬を膨らませた。

 

「どうしてあなたはこういう時に限って察しが悪いのかしら。私をただの女のように扱えと言ってるのよ。あなたに恋をして、愛して欲しがってる女だと思いなさい!」

「アルベド様を、ただの女のように?」

 

 心の中で呼ぶ時でさえ「アルベド様」と敬称をつけているのに、目の前にいるアルベド様を呼び捨てした上で唯の女のように扱えとは。

 それは、アルベド様を自分の下に置くも同然の振る舞いである。今は現に下になっているがそのような意味での下ではない。立場や力関係での、いわゆる上下関係での下と言うこと。

 

 アルベド様に感謝しない日はなく、今日だってこれまで以上にアルベド様へ尽くそうと決意を新たにしたばかり。

 想像も出来ないことは想像出来ないのが当たり前で、禁セックスやYes ロリィタがどう足掻いても無理だったように、無理なものは無理である。

 無理なものは無理だと答えようとしたその時、アルベド様のお言葉に手掛かりが含まれていることに気が付いた。

 

「お聞かせください。アルベド様は私に、「あなたに恋をして愛して欲しがっている女と思え」と仰いました。ですが、私がアルベド様のお気持ちを自分の思う通りに思い込むのは甚だ不敬な事です。それともアルベド様は、本心からそのように思っていらっしゃると思って良いのですか?」

「……………………え?」

「お言葉にしてくださればそのように思うことが出来ます。違うようでしたらそう仰ってください」

「………………」

 

 勢いで何を言ってしまったのかを突きつけられた。

 アルベドは口を開いては閉じて、顔を背けようにも角を握られているので視線が固定され、頻りに目が泳ぐ。

 情欲ではない熱が顔を火照らす。

 

「それは……そう言ったけど。……それは……」

「それは?」

 

 顔を背けるどころではない。

 男の目に自分の目が映っている。

 口を開けば唇が掠める距離で、甘く湿った吐息を舌で感じる。

 

「そう、よ」

「そう、とは何を指すのですか? はっきりと仰っていただけますか?」

「そっ…………そんなのわかりきってるでしょう私が言ったばかりなんだから私の言葉を聞いてなかったわけじゃないでしょうね!?」

 

 顔を赤くして一息で言い放ったアルベドが何を思っているか。

 女心はわからなくてもアルベドの事は毎日考え続けている男だ。直前の言葉から、アルベドが何を思って何を欲しているのか推測することが出来た。

 アルベドの揺れる瞳を正面から真っ直ぐ見据え、こう言った。

 

「アルベド、言え」

「っ………………、はい。あなたに恋をして愛して欲しがってる女は……、わたし、です。んちゅうぅ! んっ、んっ♡ あんっ、おっぱいぃ、はむぅっ……♡」

 

 しおらしく答えた直後に唇を奪われた。

 男の左手は角を握ったままでも、ズボンと格闘していた右手が空いている。二人の体の間で潰されていた美巨乳を鷲掴みにした。

 

「俺はアルベドを愛しているし、俺の愛はアルベドのものだ。アルベドは俺に恋してると言ったな?」

「はぃ……、言いました。あなたに恋をして、愛して欲しくて、あなたを愛していて…………。私はあなたとの愛の証を残したくて子供まで産みました。……愛してます! いっぱい愛して。いっぱい可愛がって。私の中に、入ってきて……♡」

「……お願いします、は?」

「お願いします! アルベドのおまんこをおちんぽでいっぱいいっぱい可愛がってくださいませ♡」

 

 何度か経験がある。上位者である方々はこのような時に被虐を好まれることがあった。アルベド様にもそのような時があり、少々乱暴なことをしたことがある。

 今はそれと近いようでいて、質が異なるように感じる。

 恋をして愛して欲しがってると言ったのは、ついうっかり口をついてしまったようで演技には見えななかった。アルベド様はその上で、従属したがっているように思えた。

 アルベド様を従えるなど不敬にも程がある。思っただけで天が裂け地が割れて、不埒な輩は時空の果てに吸い込まれて消え去るのが確定的に明らか。

 しかし、今この時ばかりはいいのではないだろうか。

 アルベド様がお望みで、自分とてアルベド様が愛おしいだから。

 

「入れて欲しいんだろう? 股を開け」

「はい♡」

 

 少し前まで子供のように泣いていたアルベドは、喜色満面で淫らな命令に従った。

 

 アルベドがサキュバスでなければ、双子忍者()のように逝ったきり戻って来なかった可能性は高かった。

 しかし、アルベドはサキュバス。

 多淫多情の代名詞であるサキュバスは、性的快感を至上目的にしているわけではない。快楽を好みはしても、あくまで添え物。

 サキュバスは肉体でもって愛され精を受け入れることで乾きを癒し、心を満たす。器具による快楽だけでは満足出来ない。

 そしてそれ以上に、アルベドは愛されることを欲していた。

 

 男がアルベドの中に入っていく。

 体のみならず、心まで重なったのをアルベドは知った。




あとちょっとと思うと気が急いて雑になって結果的に遅くなる悪循環
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