※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

156 / 268
サキュバスの子はサキュバス ▽ソフィー?

 ソフィーの姿を目にした瞬間、自分の体もアルベドの存在も忘れるほど驚いた。

 

 前回会った時のソフィーは、お屋敷の双子幼女とさして変わらない年頃の幼女に見えた。

 それが今は、シャルティアより上背がある。体つきはゆったりしたシュミーズを着ているのでわからないが、すらりと長い手足が伸びている。

 肩口で揃えられていた黒髪は、母を真似たのか腰まで届く。髪質は母より少しだけ細いように思えた。

 外見から推測出来る年齢は10代の半ばから後半に差し掛かるかどうか。

 

 つい一月前まで幼女だったのに、今や少女を脱して女になろうとしている。

 驚いて然るべきだし、アルベドが会ったら驚くと言ったのも当然だが、言ってしまえば些細なこと。

 ヴァンパイアブライドたちは生まれたときから成人女性の姿だと言う。ジュネは生まれて一年経ってないと言った。短期間で成長するのは確かに驚くべき事であるが、それ以上の例がある。

 男が驚いたのは全く別のこと。

 

 ソフィー本人は会ったことも見たこともないので気付きようがない。

 アルベドは数度会ったことがある。ナザリックにおいて頭脳明晰の代名詞であるアルベドなので、姿形は昨日会ったかのように脳裏に描ける。だとしても、見せなかった表情までは知らない。仮に見たとしても、何とも思わない可能性は高かった。

 親族ですら二人を並べて見たところで不思議な違和感を覚えるかどうか。

 今まで生きてきた時間の半分以上で、強制的に見続けさせられたこの男にしかわからないこと。

 

 目の色も髪の色も違うので印象が大きく異なり、神の目を持つ希代の画家でもなければ共通点はわからないだろう。強いて言うなら輪郭が近い程度。

 しかし、大輪が開いたような一点の曇りもない無邪気な笑顔に、ラナーの面影を感じてしまった。

 

「あっ!」

 

 父の顔を見て笑みを見せたソフィーは、全身を確認するや否や頬に朱を浮かべ顔を背けた。

 

 ラナーに似ていると思えた印象はその瞬間に消え失せた。

 よく見れば、愛嬌たっぷりの大きな目はラナーのように間抜けな垂れ目ではない。幾つになっても童顔でガキ臭いラナーと比べたらソフィーの方が余程大人びている。

 自分の娘があんな女に似ているなんて、気の迷いと偶然と天の悪戯とアルベドミルクによる高揚が光を歪めた結果生じた一瞬の勘違いに決まってる。

 

 それはそれとしてカオスだった。

 

 父は全裸で逸物を勃起させ、全裸で眠る母へ手を伸ばそうとしている。

 何が起ころうとしているのか生まれて間もないソフィーにはわからないかも知れないが、母と同じくサキュバスであるのでわかるかも知れない。

 

「わっ、わっ、わたしがっ! ソフィーが、頑張ります!」

「……………………は?」

 

 実は出待ちをしていたソフィーである。

 お食事部屋をこっそり覗き見していたソフィーは、今日こそ成長した姿を父に見てもらおうと思っていた。

 ところが中々終わらない。

 二人の交わりは覗き見防止の魔法が掛かった天蓋付きのベッドで行われていたため、何がどうなっているのかよくわからない。

 一時間待っても出てこない。二時間待っても出てこない。ずっと覗き続けるのは疲れるので母から課せられた勉強をしたりお菓子を食べたり、時間を置いて再度覗けば二人は裸のまま並んで座っていた。

 母は寝入ってしまったようで、父は何かしらの作業が一段落したらしかった。

 良いタイミングと見定めてドアを開けた。

 父が裸なのはわかっていた。ソフィーなりに期待している事がある。

 期待を現実のものとすべく、羞恥を決意で塗り替えた。

 

 圧された男はソフィーが詰め寄るのと同じ速度で後ろへ下がり、長椅子に足がぶつかって倒れようとしたところを手を引かれて事なきを得た。

 すとんと長椅子に座らせられ、隣にソフィーがするりと座る。

 その際、ちらと背中が見えた。

 ソフィーはアルベドと同じに腰から一対の黒翼が生えている。アルベドの翼より一回り小さいにせよ、どうやって膝まであるシュミーズを着ているのかと思ったら背中が思い切り開いていた。何かの拍子で脱げないよう上部でストラップが留めている。その下に重なる紐は下着のようだ。細い紐である。

 

 ソフィーは赤い顔を両手で覆い、けども大きく開いた指の隙間から男の股間をしっかり見ていた。真横からの視線に気付くなり顔を上げて前を見る。取り繕うには今更感が漂うが、顔を赤くしていることからして恥ずかしいことは恥ずかしいらしい。

 しばしの沈黙の後に、娘から口を開いた。

 

「ソフィーはお母様のミルクは卒業しました。これからのソフィーが成長するのに必要なのはお父様のミルクです」

「……俺のミルク?」

「一度だけお母様に飲ませてもらったのを覚えています。あれがお父様のミルクなことくらいソフィーにだってわかります」

 

 アルベドと授乳セックスをした時である。アルベドは口内で受け止めた精液を、口移しでソフィーに飲ませた。

 

「ソフィーはお母様と同じでサキュバスですよ? あれがお父様のおちんちんから出てきた精液なのはわかっています。殿方は気持ちよくなるとおちんちんから精液を出すんですよね?」

「………………それは、まあ」

 

 倫理とか人の道とか何それな男であるが、実の娘にして生後数ヶ月のソフィーにそのようなことを答えて良いものかどうか、葛藤があった。

 一応あったのだが、嘘を教えるのは良くない。そもそもソフィーはサキュバスで、アルベド様の言葉によると生まれながらにして必要な知識を受け継いでいるらしい。知ってる相手に誤魔化す意味はない。葛藤は三秒で理性に打ち負かされた。

 

「ソフィーにはお父様の精液が必要なんです。頑張りますからソフィーに出してください!」

「いやそれは……」

 

 知識を与えるのと実際にするのとでは天地の差がある。実の娘との性行為は、男が忘れたはずの倫理観をいたく刺激した。

 しかし、アルベド様からいずれソフィーへ直接と聞かされてからYes ロリィタに励んできたのも事実。ここで断るのは自身の履歴に整合性がなくなる。

 それに今のソフィーより幼く見えるネムちゃんとアウラ様の口へ盛大に放ったことがある。出来ないではないことだ。

 そもそもにして如何にアルベドミルクの効果と言えど、これでもかと股間のものをそそり立たせているのだから、断るどころかこちらからお願いするのが筋かも知れない。

 

 男が黙り込んでしまったのを、ソフィーは迷っているのだと捉えた。

 父と娘が関係するのはアブノーマルなことくらいソフィーの知識にある。父は人間でソフィーはサキュバスだからそれには当てはまらないのだが、父は割り切れないらしい。

 こんな時、難関を突破するのはいつだって女の魅力、であるはずだ。

 ソフィーは深く息を吸って吐いて、右手を背中に回した。プツンと軽く鳴ったのは、シュミーズのストラップを留める薄いボタンを外した音である。

 

「お父様、こっちを見てください」

 

 父に見守られる中、ソフィーはシュミーズの肩紐を外した。

 辺境の開拓村に住むエンリが着ているのとはデザインも質も段違いのシュミーズは、肩紐で吊す造りになっている。右を外し、左を外すと、ソフィーの体を隠していた薄布は重力に従ってはらりと落ちた。

 

「お母様ほど大きくないけど……どうですか?」

 

 シュミーズの下は、いつぞやのアルベドのようなサキュバススタイルのビキニだった。光沢ある黒い三角形が丸み盛り上がった柔肉の先端を隠している。三角形は小さくて、上乳も横乳も下乳も見えると言うことは谷間だって見えてしまう。

 肝心の大きさは、背丈や顔立ちから推定される外見年齢よりも大分育っていた。シャルティアが舌打ちするくらいはある。

 

「……綺麗だ」

 

 アルベド様のご息女なのだ。美しくないわけがない。

 アルベド様が今の美しさを得るために切り捨てたものを、ソフィーは持っている。

 

「お父様がソフィーにミルクをくださるなら、ソフィーはお父様以外の殿方からはけして吸精しません」

「いやまて。それはちょっと違うだろう」

 

 妻や恋人が操を立てるならいいが、娘が父にと言うのは何かが狂っている。

 

「それならお父様はソフィーがどこの馬の骨ともわからない男たちを好きなだけ吸い殺していいと言うんですか!?」

「いやそうじゃなくてだな」

 

 奔放に男遊びをするのがまずければ、吸い殺すのはもっとまずい。ここは帝都で、魔導国の友好国なのだ。お屋敷の近隣で行方不明者を続出させるわけにはいかない。被害者は慎重に選ぶ必要がある。

 

「お父様は……ソフィーが嫌い、ですか? ずっと顔を見せなかったから? お父様と種族が違うから?」

 

 あどけなさが残る美貌に、悲哀の色が浮かんだ。

 黒炭に炎と氷を散らした目が濡れてくる。見る間に溜まって頬を流れた。

 

「嫌いではないよ。……わかった。ソフィーにミルクを飲んでもらう」

「はい、お任せください♪」

「…………」

 

 悲しくて泣いたはずのソフィーは、満面の笑みを見せた。

 涙を自在に出すくらい、サキュバスでなくても出来るのである。

 

 

 

 

 

 

「ソフィーは初めてだから……、間違ったら教えてください」

「ああ…………、っ!」

 

 ソフィーは男へぴったりと体を寄せ、男の股間へ右手を伸ばす。

 硬く勃起してへそまで反り返る肉棒を、細い指がそっと握った。

 

「すごくかたくてあっつい……。おちんちんてこんなになっちゃうんだ。お父様気持ちいい?」

「ああ……、もう少し強く」

「はぁい♡」

 

 甘えた声で返事をする。

 股間に釘付けだった視線は、繊手が上下し始めると上目遣いに男の顔を見上げた。

 ソフィーの顔は依然赤いものの、行為への羞恥やためらいは薄れてきたようだ。代わりに、嬉しくてたまらないと言いたそうな笑みを浮かべている。

 

「お母様から、ソフィーもいつかお父様にミルクをもらえるようにって色々教えてもらってるんです。エッチなことを言ったりするとお父様は興奮する?」

「それはちょっと違う」

「えっ」

 

 意外なほど真面目な声が返ってきて、ソフィーの動きが止まった。

 

「エッチなことはエッチに言わないと効果が少ない。どんなにいやらしい言葉でも、日常語と同じように言われたら日常の会話と同じになる。言葉に相応しい態度が必要だ」

 

 ついさっきアルベドに言ったように、その場その時に相応しい言葉があるのだ。

 

「あと、脱げばいいってもんじゃない。いつもは隠されているものが現れるからこそ、秘密の開示に高揚するんだ」

 

 つまり、いつでもおっぱいを見せたがるソリュシャンはもうちょっと服を着ててもらいたいという事である。

 

「なるほど……。お父様好みの女になれるよう頑張ります!」

「………………そうか」

 

 応援するのは違う気がする。

 かといって意気込んでるソフィーに頑張るなとも言えない。

 

「お父様、もっと色々ソフィーに教えて? ソフィーはお父様のミルクが欲しくて、だからお父様に気持ちよくなって欲しいの」

「とりあえず一度出したいんだ。握り方はそれでいいからペースをあげて扱いてくれ」

「はい、ソフィーはお父様の言う通りに何でもします♡」

 

 にっこり笑うソフィーが可愛らしく、細い肩を抱いてやった。

 ソフィーは一瞬だけ動きを止めたが、すぐに自分から体を寄せてきた。黒いビキニに包まれた乳房がわき腹にぶつかってゆるく形を変える。

 

「お母様ほど大きくないけど、お母様より張りがあっていいおっぱいだと思うんです」

「…………、ソフィー?」

 

 男が答えないでいると、ソフィーの動きがピタリと止まった。

 

「ソフィーのおっぱいどうですか?」

「……いい胸だと思うよ?」

「えへへ……、今はまだ恥ずかしいけど、いつかお父様にお見せしますね♪」

「あ……、ああ……」

 

 ソフィーはにへらと笑って手の動きを再開した。

 

 初めての手コキなのでまだまだ拙い。だけれども爆発しそうな逸物には十分な快感を与えてくれる。

 当てられているおっぱいもいい感触だ。ソフィーはお母様と比べたら小さいとは言うが、ソフィーの実年齢はともかく外見年齢でそこまで大きいとバランスが悪い。バランスを保てる上限いっぱいのサイズ。

 そして腰は細く、尻の肉付きも上々のようだ。

 サキュバスだからか、アルベドの娘だからか、ソフィーは男の精を絞れる肉体を持っていた。

 

「ソフィーはお父様のミルクを飲んだから、お父様に相応しい体にまで成長できたんです。ソフィーをこんな体にしたのはお父様なんですよ?」

「そ、そうなのか?」

「そうなんです! だからお父様は、ソフィーをこんな体にした責任をとらないとダメなんです」

「責任……」

「ソフィーにいっぱいミルクを飲ませてくれるのがお父様の責任ですよ?」

 

 じいっと男の顔を見つめながらも手の動きは止まらない。

 熱い逸物は娘の手に扱かれて、尿道口から透明な汁を滲ませた。先走りはソフィーの手を汚し、にちゃにちゃと粘着質な音を立てるようになった。

 

「ソフィーがお父様のおちんちんを弄ってるのはミルクが欲しいからだけじゃないんです。ミルクは欲しいけど、お父様とこうしてるだけで胸が温かくなって、安心できて、とっても嬉しいんです。ソフィーはお父様が大好きだから……」

 

 好きと言われて悪い気はしないが、実の娘でありながらほとんど接点がなかったのにどこをどう好かれたのか。

 親子の絆を感じるのか、はたまた初めてのミルクで何かしらを刷り込まれたのか。

 

 そのいずれでもあって、一番はアルベドが父のことを色々と言い聞かせてきたからだ。

 最大の庇護者であり無償の愛を注いでくれる母が想いを込めて語るのだから、娘の心に響かないわけがない。

 日毎に募る憧れは、実際に会って接しても崩れなかった。父の、男としての美しさと逞しさは想像していた以上。

 

「ソフィーはお父様が好き。お父様もソフィーが好き?」

「もちろん好きだよ」

 

 嫌いと言える流れではない。

 爆発しそうな逸物を扱かれて、生殺与奪を握られてるも同然なのだ。

 

「それじゃあお母様よりも?」

「は?」

 

 ソフィーは自分の娘とは言え、父である実感は全くない。

 となればアルベド様のご息女。あるいは一人の女。

 一人の女とアルベド様を比べたら、どちらが好き以前の話だ。

 

「でもソフィーが言ってるのは娘として好きかってことだから、お母様を出すのはおかしいかな? お父様はお母様を娘として好きなわけじゃないですよね?」

「それはそうだろう。そういう意味でアルベド様をお慕いしているわけじゃない」

「ソフィーも公の場ではお母様をアルベド様と呼びなさいって言われてます。お父様はそんな風にアルベド様をお慕いしてるわけじゃないんですね?」

「その通りだ」

「お父様はソフィーが好きですよね?」

「さっき言ったとおり大好きだよ」

 

 男が早口で答えているのは、ソフィーの手の動きがゆっくりになったから。

 そろそろ出そうなのに、出させてもらえないのが全ての男にとってどれほど苦しいことであるか。この責め苦を逃れるためなら、聖人だって悪魔に魂を売ることだろう。

 それに比べたらソフィーを好きと言うくらい安いものである。

 

 しかしこの場には、二人以外にもう一人いる。

 彼女は、男にはわからないソフィーの言葉の裏を読んでいた。

 

「……ソフィー」

 

 大きくはないのに、世界の隅々にまで響き渡る深い声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 アルベドはずっと起きていた。

 寝た振りをして犯されるのを待っていたがソフィー登場。

 目論見が崩れてしまったのにあえて寝た振りを続けたのは、ソフィーが上手くやれるか見守りたかったからだ。娘の成長を観察する母そのものである。

 睡眠姦を諦めて娘に譲り、娘がきちんと出来たら起き出して二人に混ざろうと思っていた。

 

 母は娘の幸せを願うもので、アルベドとて例外ではない。ソフィーがアルベドから無償の愛を感じていたように、アルベドはソフィーへ惜しみなく愛を注ぎ続けた。

 しかし、限度がある。アルベドに限らず母と言う存在は、娘が自分より幸せになることを許さない。

 娘は幼い頃よりこのような教育を母から意識無意識問わずに施され、長じた時に幸せ恐怖症の遠因となることが意外なほど多い。

 娘の夫となる男は、娘が母から掛けられた呪いを解かないと娘を幸せにすることが出来ないのだ。

 

 では、母の幸せを娘が奪う最大の手段とは何か。

 女として父を奪うことである。

 ソフィーが仕掛けたのはこれだった。

 

 彼がソフィーを愛するのはいい。まずは自分の娘として愛し、ソフィーはサキュバスであるのだからいずれは女として愛するのも全く問題ない。

 だけれども、自分より上に立とうとするのは許さない。彼に特別枠で一番愛されるのは自分であって、そこを犯そうとする者は自分の娘だろうが何だろうが絶対に許さない。

 

「おかあさま……?」

「ソフィーは良い子ね。お父様をお慰めしようとしてたのね。偉いわ」

 

 アルベドが起き出して長椅子の前に立ったのを、二人は気付かなかった。

 ソフィーは初めての搾精に夢中になってる。されてる方は苦しさから解放されたい一心でソフィーの手だけに集中している。

 

「……はい。お母様に教えられた通りに頑張ってます」

「そうなの? 私が教えてないことを口走っていたようだけれど」

「うっ!」

 

 ソフィーは呻いてアルベドから顔を背けた。

 お父様がお母様へ向ける気持ちを自分へ向けさせようと、自覚あって口にした言葉だった。

 

「でもお父様はお母様が好きじゃなくてソフィーが好きだって言ってくれたわ!」

「黙りなさい」

「本当のこと言ってるだけだもん! お母様はお母様なのに娘として娘に張り合うなんておかしいです!」

「…………」

「あ…………、いたいいたいいたい! お母様ごめんなさい!!」

 

 アルベドは、ソフィーの頭から生える白い角を掴むと、羽ペンでも持ち上げるように腕を上げた。

 ソフィーの腰が長椅子から浮く。次いで足が床から離れた。

 アルベドの腕には力が入っているようには見えない。すごいぱわーである。平手の一発で男の下顎粉砕しただけはあった。

 

「初めての娘だから甘やかしてしまったのかしら? 少しお仕置きが必要なようね」

「ひっ!」

 

 ソフィーの顔を覗き込む黄金の瞳は、怒れるドラゴンのように裂けていた。

 

「お父様助けて!」

 

 そうは言われても、お父様は事の成り行きが全くわかっていなかった。

 アルベド様が怒ってる理由がわからない。ソフィーが怒られる事をしたのも心当たりがない。

 そんな事よりも手コキを再開して欲しかった。

 

 ソフィーが己を吊すアルベドの腕を必死で掴み、何とか逃れようと足をばたばたと動かすが、怒りの一睨みで沈黙してしまう。

 お仕置き待ったなしである。

 ソフィーの心を諦念が支配しようとしたその時、アルベドの表情がふっと凪いだ。

 

「ええ、わかったわ。何かご命令があったかしら? ……そう。それなら私が戻るまで待機していなさい。すぐに戻るわ」

 

 父と娘は小首を傾げる。

 アルベドにメッセージの魔法があったのは察せられるが、守護者統括が休みを切り上げて戻らなければならない事態が発生したのだろうか。

 

「アインズ様がヤルダバオトを討伐したそうよ。私はナザリックにもどるわ。ソフィーは……」

 

 虚空から取り出した小さな金属棒を男へ放り投げた。

 一端にはリングがついて、もう一端には凹状の突起が出張っている。

 単純な構造に見えて、複製不可能な魔法の鍵だ。

 

「あなたに渡しておくわ。すぐに出しては駄目よ。私はしばらく来れなくなると思うから、その間にしっかり反省していなさい」

「お父様!」

 

 アルベドはソフィーを吊しながらソフィーの部屋へ姿を消した。

 男一人が取り残された。

 

 

 

「これをいったいどうしろと……!」

 

 股間の逸物は、ソフィーに寸止めされた状態のままいきり立っている。

 このままでは爆発して死ぬ。

 早急に解消しなければならない。




一度も聖王国に行ってないのに長い聖王国編が終わりました
あとちょっとなのでちょっとダラダラした気がします

このままだと爆発して死ぬので一話挟んでからエピローグ、の予定

次話二万字を超えて

  • いい
  • わるい
  • まかせる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。