※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

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温かくなってきたのはいいんですが花粉が飛んできました
どこに通報すればいいんだろうと毎年思います


ネムのこと子供だって思ってるでしょ? ▽ネム♯2

 相変わらず辺境の農村は夜が早い。あたりはすっかり暗くなってきた。それでも前回訪れたときに比べれば灯りを漏らす窓が多い。ゴブリンたちの頑張りでカルネ村は急速に発展している。エンリ大将軍が采配を振っているからだ。

 流石は血塗れの覇王エンリ大将軍のゴブリン遣いである。

 

「それでね、お姉ちゃんとンフィーと一緒にアインズ様のなざりっくにお呼ばれしたの。お兄ちゃんは行ったことある? もうすっごいすごかったんだよ!」

「美味しいものも食べたかな?」

「すっごいおいしかった! すっごいやわらかいお肉もおいしかったけど、冷たくて甘いのもすごくって!」

 

 二人は手を繋いで帰路を辿り、ネムが誇らしくナザリックを語る。お兄ちゃんにしてあげようとずっと思っていたとっておきのお話だ。

 拙い言葉でナザリックの素晴らしさを熱弁する。同じ話を繰り返すこともあるが、熱に浮かされているネムは気が付かない。ナザリックは言葉を失うくらいにすごかったのだ。実際にネムは「すごい!」としか言えなかった。

 もう一つは素敵なお兄ちゃんと手を繋いでいるから。一生懸命に言葉を綴っていないと、馬鹿のように見とれて何も言えなくなってしまう確信があった。

 前に会った時もとっても素敵でとっても綺麗なお兄ちゃんと思っていた。今回は前より凄い。何が凄いのかネムの語彙では表現できない。ともかく何かが凄いのだ。

 

 会わなかった間にネムの背が伸びてちょっぴり女らしい体になってきたのと同じで、この男も成長していた。

 今更背が伸びる年ではない。少々鍛えて力は強くなってきたが、セバス様のようなムキムキは体質的に不可能。肉体的なものではないので目で見てどうこう言うのは難しい。

 事実としては、大淫魔である美神の寵愛を受け続け、美神への愛と忠誠を示すために死の門を潜り、愛の結晶を授かった。

 様々な経験と試練がもたらしたものは、枯れきった泉が満ちるほどである。

 

 目的地の小さな家に着いても二人の繋いだ手は離れない。

 男が鍵を開けてドアを開き、ネムが先に入る。男が続き、後ろ手にドアを閉めれば家の中に魔法の明かりが仄かに灯った。

 そこでようやく手が離れた。

 ネムは初めて入る家の中を物珍しげに眺めたが、ドアがきちんと閉まって家の中に誰もいないことを確かめると、くるりと振り向いた。

 顔はのぼせたように赤く、心からの笑みを浮かべて、

 

「二人きりになったね、お兄ちゃん♡」

 

 甘えた声で言う。

 

「そうだね。二人きりでお話をしようか」

「二人きりで、どんなお話するの?」

「ネムちゃんのしたいお話でいいよ」

「こーいう時は男の人がリードしなきゃいけないんだよ?」

「ネムちゃんネムちゃん、どこでそんな言葉を覚えたんだい?」

 

 ネムは、姉の愚痴のような願望のような呟きを耳したことがある。

 カルネ村にはエ・ランテルの冒険者が訪れることもあり、そんな冒険者達はカルネ村の発展を目にしてそのまま居着く事もある。彼ら彼女らは、幼いネムに年の近い子供がいないのを気にかけてか構ってやる事が間々あった。

 ネムが率先して聞き出さなくても大人の世界をこっそり聞かせてくれて、陰に陽にネムの護衛をしているゴブリンたちを困らせたものだ。早いかも知れないが早すぎるとまでは言えないのが悩ましい。

 

「お兄ちゃんはネムのこと子供だって思ってるけど、ネムだっていつまでも子供じゃないんだから」

 

 最大限の知ったかぶりをして大人ぶる。何も知らない小さな子供のままではないのは確かだ。

 入口に連れて行ったのはこの男だ。

 

「それなら大人の女性のようにお相手しないとだね」

「うん!」

 

 ネムは赤い顔のまま元気いっぱいに頷いた。

 

 

 

 小さな家でも寝室は独立している。

 一時滞在するだけの家なので、寝室に飾り気はなく実用一辺倒。ベッドに小さなテーブルと椅子が二脚あるだけだ。但し、ベッドはそれなりに大きい。男と女が並んで寝るだけの広さがある。

 男はジャケットを脱いで椅子の背もたれに引っ掛ける。身軽な格好になってからベッドに腰掛けた。

 

「ネムちゃん、隣においで」

「……でも、ネムの服そんなに綺麗じゃないから」

「十分綺麗な格好だと思うよ。どうせ寝る時は服を脱ぐんだから気にしなくていいよ」

「……うん」

 

 ネムは普段着にしている紺のワンピース。赤いスカーフを襟に巻いているのがワンポイント。質素ながらに可愛らしい服装ではあるが、ナザリックにお呼ばれされた時のようなお出かけ用の装いではない。

 こんなに綺麗でふかふかしてるベッドに上っていいのかと怖じ気づくのだが、躊躇いがちに近付けば手を引かれてポスンと隣に座らされた。

 

「お兄ちゃんってごういんなんだから」

「ネムちゃんは本当にどこでそんなの覚えたんだい?」

「ひ・み・つ♪」

 

 照れ隠しに、いひひと笑っておどけてみせる。

 何も知らなかった前回と違って、今日のネムは少しは知っているのだ。知ってしまった以上、緊張しないではいられない。知らない振りをする選択肢もあったが、それではずっと子供のまま。宣言した通りに、いつまでも子供ではない。

 深呼吸して胸を押さえる。うるさいくらいにドキドキと高鳴っている。

 そんなネムに気付いているのかいないのか、男は何の緊張もなく声を掛けた。

 

「約束通りに触ってもいいかな?」

「…………あのね?」

「何かな?」

「これって本当はイケナイことなんだよね?」

 

 ネムに伸ばした手がピタリと止まる。二度瞬きして、ネムの顔を見た。

 頬は赤らんでいる。潤んだ目を大きく開いて、こちらを真剣な顔で見上げている。

 

「相手を選ぶ必要があるね。誰にでもしていいことじゃない。もしもネムちゃんがそうなったら困る。エンリさんも怒るだろう。イケナイことだと思うなら止めておくかい?」

「ううん。お兄ちゃんは特別だからいいの」

 

 ネムは、うんうんと何度も頷く。

 そのあたりのことでネムが集めた情報によると、両極端な意見があった。一つは、とても大事な事なのだから特別な人以外は絶対ダメ。もう一つは、楽しめるときに楽しむべき。

 両陣営の共通意見として、乱暴で一方的で体を求めるだけの男は論外、であるらしい。ネムにはわからない言葉も多かったし、まだ子供だからということで深い話はしてもらえなかった。

 けれど、お兄ちゃんなら大丈夫。とっても優しいし、とっても綺麗。自分を気遣って止めておこうかと言ってくれた。

 それに、触って欲しいのは自分の方なのだ。

 

「お兄ちゃんはネムにいろんな事を教えてくれたから、お兄ちゃんにだったらいいよ?」

 

 お兄ちゃんは特別と言っても、まさか自分がお兄ちゃんのお嫁さんにだとかは夢にも思わない。ネムはそこまで夢を見てない。

 ネムは、幼くても辺境に生きる女なのだ。現実を見ているし、人が死ぬことも知っている。だからこそ今を精一杯生きて、今この時を目一杯楽しむべきだとわかっている。

 

「光栄だよ。それならネムちゃんのおっぱいがどのくらい大きくなったか、じっくり確かめさせてもらおうかな」

 

 ネムの態度が、触って欲しいわけじゃないけど触りたいなら触っていい、でも本当は触って欲しい、であることを男は察した。どこか既視感があると思ったらナーベラルと同じである。ネムちゃんは本当にどこでこんな事を覚えたのだろうか。それともネムちゃんの心の内から湧いてきたのだろうか。

 ネムの目が愛欲に潤んでも、幼い肢体に欲情する男ではない。今日は一人寝に備えて朝からソリュシャンにたっぷり絞られた。

 だが、ネムちゃんがして欲しいなら応えたほうが良い。そこには少々の打算がある。ネムちゃんはエンリ大将軍の妹だ。ご機嫌を取っておいて損はない。

 まだ子供だから、というのは大いにある。この男が人間に人間らしく接したのは、子供時代に触れ合った子供たちだけだった。子供には優しい男なのだ。邪魔な大人には平気な顔で火を付けたりもしたが。

 可愛いネムちゃんの真っ平らだった胸に膨らみが本当にあるのか、純粋に知的な好奇心もある。

 それに大前提として、女の子の希望は極力叶えなければならない。ソリュシャンにこれでもかと仕込まれている。

 

「うん。ネムのおっぱい、お兄ちゃんなら触っていいよ?」

 

 ネムは両手をベッドについて控えめな胸を張る。

 控えめで慎ましくはあっても、ネムの胸には確かに膨らみが現れていた。

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、触るよ? 優しく触るけど、痛かったらちゃんと言うんだよ?」

「うん。……えっ? おっぱいさわるんだよね?」

「そうだよ。何かおかしいかな?」

「だって…………、足?」

 

 ネムは男の左隣に座っている。

 男の左手が小さな肩を抱いて、右手で胸を触られると思った。なのに、手が伸びたのは胸ではなく足。

 

 ネムが着ているワンピースは、昔は足首まであったが、今は背が伸びてきたのでちょっぴり脛が出てしまっている。そろそろ作り直さなければ丈が合わなくなる。今度のはもう少しお洒落なのがいい。と思っているのだが、姉にお願いすると自分でやりなさいと言われるのが確定しているので中々言い出せない。そろそろ本格的に縫い物を覚えるお年頃である。

 男の手は、ちょっぴり出てしまっている脛に触れていた。

 

「おっ、お兄ちゃん!?」

「どうかしたかい?」

「服が……。おっぱいじゃないの?」

「これから触るよ」

 

 足に触れてどうするのかと思ったら、男の手は服の内側に入ってきた。ワンピースの裾をめくりながら、あっという間に膝まで来る。

 ネムはベッドに座っているので、腰まで来ると服が引っかかってしまってそれ以上進めない。

 

 慣れている女なら何も言わずに尻を浮かせてくれるが、ネムちゃんにそこまで期待するのは無理というもの。

 

「このままだと触れないから、少しお尻を持ち上げてくれるかな?」

「でも…………、パンツ、見えちゃう……」

 

 ネムはきゅっと太ももを閉じた。

 清潔にしているがお洒落で綺麗なパンツではない。その上年季が入っている。見られるのが恥ずかしい。と思うのは姉のエンリと一緒だった。

 もう一年も前になる前回は、パンツを見せるのもパンツの上から触られるのも気にしなかった。けども、一年もあればお年頃の女の子は成長するのだ。

 恥ずかしいと思うのは社会的な感情だ。特にネムはそちら方面への情報収集を欠かさず、そういった事は恥ずかしいことなのだと何度も聞いてきた。何とも思わなかったことでも、多方面から何度も恥ずかしい恥ずかしいと言われたら、恥ずかしくなる。

 ネムは本当に、子供のままではいないのだ。

 

「それなら目を瞑っていようか?」

「そんなの目を開けたら見えちゃうもん!」

「ネムちゃんは見られたくないのかな」

「だって、ちょっと汚れてるかも……」

 

 パンツがちょっと汚れてるくらい全く気にしない男である。一日中履いたパンツを顔に被ったことは何度もある。勿論望んでしたことではない。ラナーにされたのだ。臭いが厳しかったこともあった。忌々しさと怒りと屈辱を伴って記憶に刻まれた臭いである。

 

「ネムちゃんはいい匂いがするからね。汚れてなんかいないよ」

「おっ、お兄ちゃん!」

 

 ネムの頭に顔を埋め、すんすんと鼻を鳴らす。

 匂いを嗅がれる恥ずかしさにネムは男を押しのけ、至近で目が合った。

 色褪せた世界で、艶やかな男の顔だけが輝いている。

 

「このままじゃ触れないから、お尻を少し持ち上げて」

「……うん」

 

 ネムは呆けたように頷き、男の顔を見詰めたまま立ち上がる。

 同時に、止まっていた手が上がってきた。

 ネムはインナーに、姉のお下がりのスリップを着ている。当然のようにスリップの下へ潜って少女の素肌を撫でていく。

 飾りのない実用重視の白いパンツは、生地が擦り切れていることもなくネムの股間を覆っている。

 ワンピースと一緒にスリップもめくられ、可愛いおへそが顔を出した。

 帝都に囲っている双子幼女は、幼女体型でお腹がぽっこりしている。幼女を脱して少女になりつつあるネムは、腰つきよりお腹まわりの方が少し細い。

 手は上がり続け、指先が少女の柔肌と質の違う柔らかさに届いた。

 

「ネムちゃんが言ったのは本当だったね。前に触った時より大きくなってるよ」

「うっ、うん。ネムのおっぱい、もっと大きくなるかな?」

「そうだね……」

「んっ」

 

 指を広げて全体を包み、ネムに上擦った声を上げさせる。

 

「見てもいいかな?」

「…………うん。お兄ちゃんなら、いいよ」

 

 一旦手を抜く。ネムを正面に立たせ、ワンピースとスリップを脱がせた。ネムが自分の手で脱いだ。

 脱いだ服は適当に放り投げることなく、きちんと畳んで椅子の上に置く。

 

「どう、かな?」

 

 パンツ一枚の姿になって、ネムは男の前に立った。

 両手はお腹の前で合わせ、もじもじと動かしている。そんな仕草がみっともないと思ったのか、背中に回して腰の後ろで組む。服を着ていた時に何度かしていたように、背をやや反らせて胸を張った。

 少女の手足は折れそうなほどに細く、全体的に肉付きが薄い。それでもお尻のあたりに少し肉がついて丸みを帯びつつある。

 服をたくし上げた時は片腹しか見えなかったが、脱がせてみるとやっぱり腰にくびれが出来ている。

 そして胸には、慎ましくとも確かな膨らみがあった。

 

 妖精が作った繊細な硝子細工に触れるように、男の両手が優しく触れる。

 成長途上の乳房を揉んでしまうと痛いこともあるらしいと知ってる男だ。ラナーに叩かれながらちっぱいの扱いをマスターさせられている。

 外周から包むようにして、大きな弧を描くようにゆっくり動かす。

 小さな乳房を撫でながらも、手指は柔肌へ少しだけ沈んでいる。肌自体は柔らかくても、乳房はまだまだ小さくて固さがある。

 一つのちっぱいの成長過程を見続けた男には予感があった。

 

「間違いなく大きくなるよ」

「ほんとう!?」

「本当だよ。そのためにはこれからもきちんとご飯を食べて健康的な生活を送るように」

「うん!」

 

 姉のエンリを見ればそこそこに成長すると期待できる。

 何よりも大切なのは栄養状態。その点現在のカルネ村は、エンリ大将軍が支配者となってゴブリンを使役することによって格段に食事事情がよくなった。育ち盛りで幼女を脱して少女になろうとしているネムは、栄養があるものをお腹いっぱい食べれるようになった。

 生まれと育ちの両面から、ネムのおっぱいは期待できるとの結論が導かれるのだ。

 ネムには十分な下地がある上に、大きな火種が落とされている。

 

「あっ! お、おにいちゃん……」

「痛いかい?」

「いたくないけど。ドキドキして……」

 

 おっぱい鑑定をしたのに、男の手は離れない。突き出されたネムのちっぱいをまさぐっている。

 ネムは顔の熱が体中に飛んだようで、細い首や小さな乳房がうっすらと赤らんできた。

 わかりやすいのは、薄い乳房で自己主張している小さな突起。突起自体も小さいけれど、胸がまだまだ小さいので尖ってくるとよく目立つ。

 胸を触られて体に染み込んできた熱と、体の奥から湧いてきた熱が一点に集中してしまったかのようだ。

 

「ドキドキしてる?」

「うん……。だって、おにいちゃんにおっぱいさわられて。それで……」

「それで?」

「恥ずかしいけど……。さきっちょが……、乳首がじんじんして……」

 

 情報収集で色々な言葉を知ってしまったネムだ。

 教えてしまった彼ら彼女らはもれなくどこからか天誅がくだったようであるが。

 

「ふあぁっ!」

「本当にドキドキしてるね」

 

 縁をなぞるだけだった大きな手が、全体を包んだ。

 押し付ける強さはない。優しく包んで、けども手指と肌の間に隙間はない。乳肉は押されなくても、充血しきった乳首はそうもいかない。

 突然触られたネムは大きな声を出してしまって、後ろ手に組んだ手をぎゅっと握った。

 高鳴っていた胸は拍車を掛けられたらしく、全身に血と熱を送り続ける。顔も体も一層熱く赤くした。

 

「ビックリさせちゃったかな。ネムちゃん、少し落ち着いてごらん」

「む、むり……。ドキドキして、死んじゃう……」

「それは困るよ」

 

 苦笑したが、苦笑では済ませないほどにネムの動悸は激しい。死にはしないだろうが、倒れるくらいはあるかも知れない。なんとしても落ち着かせなければならない。

 強い刺激は逆効果。敏感な部分に触れたり、強く触ったりしてはいけない。即効して欲しいので、毒をもって毒を制すを狙ってちょっぴり刺激的なのはどこか。

 

「あ」

 

 お目々をぐるぐるさせていたネムは、男の両手に頬を包まれた。

 ひんやりとした手が熱い頬に心地よい。

 このまま目を閉じたら落ち着けるかも知れない。でも、折角お兄ちゃんがいるんだから、見ないで目を閉じるのはとても勿体ないことだ。

 お兄ちゃんの綺麗な顔を見るのはとても心が落ち着いて安らいで気持ち良いのに、お兄ちゃんに顔を向けられると恥ずかしくて体が熱くなっておかしくなるのは今までになかったことだ。

 こっちから見るだけなら問題ないと思いきや、近くにいるのに見られていないのはとても寂しい。

 

 ネムが葛藤している間に、事態は致命的に進行した。ネムの瞳に映る男の顔が大きくなった。

 赤と青の神秘的な瞳に自分の顔が映っているのが見える非現実的な現状。

 瞳に瞳が映っている。

 夜でも寒くない室内で、自分の熱で火照っているネムは、自分のものではない仄かな温かさを鼻先に感じた。

 唇に触れた温かい空気の流れはどこかた出てきたのか。

 距離がうんと近くなって、唇に柔らかいものが触れた。

 

「――――――――――――――」

「ネムちゃん?」

 

 何が起こったか理解する前に、ネムの精神は数瞬だけ肉体から弾き飛ばされた。

 意識がなくても体は反応する。戻ってきたネムは、じわっと来てじゅんとするのを感じた。

 

「嫌だったかな?」

 

 ネムは呆けた顔で首を左右に振る。

 

「もうしたくない?」

 

 ネムは呆けた顔で首を左右に振る。

 

「落ち着いた?」

 

 ネムは呆けた顔で首を左右に振る。

 

「もう一度したい?」

 

 ネムは何度も何度も首を縦に振った。

 意識がなくて同じことしか出来なくなったわけではないらしい。

 

「それなら」

「あっ」

 

 さっきは男が軽く腰を浮かせた。一度だけならそれでいいが、続けてするなら中腰は不安定である。

 ネムは男に抱き寄せられ、男の足を跨いでベッドに膝をつく。

 座っている男と膝立ちのネムとでは、ネムの方が頭が高くなる。ネムの尻が男の太ももに触れるかどうかで高さがあった。

 男はもう一度、啄むようにネムの唇に唇を触れさせた。

 

「ネム……、お兄ちゃんと、キス…………。しちゃった」

「仲が良ければ挨拶のようなものだよ」

「ネムからしてもいい?」

「いいよ」

 

 ネムは小さく震えながら唇を突き出し、男の肩に両手を置いて、ちゅっと軽く口付けた。

 じゅんとしたのがじんわりと広がるのを感じた。

 

 万全だったネムの下地に火種を落としたのはこの男だ。

 ネムの意識とは独立したネムの肉体が、男に応えようと変わっていく。子供の体を女の体に作り変えていく。

 リィジーはネムが道を踏み外す事を心配していたが、それは一年前に通り過ぎている。

 そして今。ネムは後戻りできない道に踏み入った。

 

「ちゅっ……。ちゅっ……。お兄ちゃんとちゅーしてる……♡」

 

 覚えたての拙い子供の口付け。

 閉じた唇が触れ合うだけの、男に言わせれば挨拶のようなもの。

 挨拶に過ぎなくても、ネムにとっては人跡未踏の秘境に等しい未知の世界。自分が知らなかった新たな世界を堪能すべく、ちゅっちゅと何度も繰り返す。

 大きな手が背中を撫でてくれるのも心地よい。触られたところが源流になって体に新しい何かを流し込んでいるかのよう。

 

「キスにも色々あるんだよ。してみるかい?」

「……うん。してみたい。ネム、お兄ちゃんとちゅーするの、好き♡」

 

 舌足らずな甘えた声。

 自分がどんな顔をしているのか自覚せず、迫ってくる美しい顔に見とれている。見られているのが恥ずかしいと感じる気持ちはとうに溶け消えて、恍惚とした官能に身を任せる。

 顔が近付き、唇が触れた。ネムからした時よりも押し付けられ、唇の柔らかさを唇で感じる。

 そこからちょっとだけ先があった。

 

「!!」

 

 未知の感触に、ネムは目を見開いた。

 唇は柔らかかったがもっと柔らかかったというか、温かいのは温かいが温かさの感じ方が違うというか。端的に言ってぬるりと来た。

 ネムを驚かせたのが面白かったのか、男はにやりと笑った。

 

「どういうキスかわかったかな? 今度はネムちゃんも口を開けてごらん」

 

 ネムは夢うつつに頷いた。

 あーんと大きく口を開いて喉の奥まで見せるが、開くのはちょっとでいいと言われ、歯と歯の間からベロが出るくらいに調整する。

 

「噛んじゃダメだよ?」

「わはっは……」

 

 ちゅっと軽いキスをしてから、本格的にキスを始めた。愛らしい唇を男の舌が割って入り、口内に侵入して、縮こまっている舌に触れた。

 

(お兄ちゃんのベロが口の中に入ってきた!!)

 

 男の体が自分の体に入ってくるのは、前の時は指を入れられた。

 今回は舌。

 柔らかで温かでぬるぬるした舌が口の中に入っている。口の中をあちこち動いてから、ネムの舌をつついてくる。口を強く重ねながらちゅうと強く吸われてしまい、固まってる舌を吸い出されてしまう。

 舌と舌が触れ合ってしまうのは、ネムにとって天地開闢的衝撃だった。

 指と違って、粘膜同士の接触は刺激が強すぎた。

 

 続ける内にネムの舌が応えるようになった。目をきゅっと瞑って懸命に舌を伸ばすのが可愛らしい。

 前回にネムと色々したのは、女の子と男の子の体の不思議を教えるため。小さな女の子へ性の知識を与えるための手ほどきだ。

 今回はネムの希望で大人の女性のように扱っている。つまりは明確に快感を与えようと愛撫している。

 体が成熟しきってないので出来ることに制限はあっても手は抜かない。磨き抜いた技でもってネムの舌を蹂躙する。

 

「あっ……はぁ……、おっおにいちゃ……、あんっ。あむぅっ………♡」

 

 ネムの腰が砕け、男の太ももに尻をついてしまいそうになる。

 唇が離れ唾液の糸を引き、千切れる前にまた重なる。ネムが倒れずに済んだのは、男の手が細い裸身を抱きしめたから。

 左手はネムの頭が反らないよう後頭部を押さえ、右手は背中を支える。

 両手は徐々に下がって左手が背中に、右手は小ぶりな尻に来た。

 

「おにいちゃんの手、ネムのお尻さわってる……」

「まだ小さいけど、おっぱいと一緒で大きくなってくるよ」

「うん……。おにいちゃんにさわられるの、ちゅーも…………、すき♡」

「それは光栄だな」

 

 裸のまま抱きしめられ下着越しに尻を撫でられても、ネムは怖がったりしない。

 優しいお兄ちゃんが怖かったり痛かったりするわけがないと信頼しているし、この前はパンツを脱いで大事なところを触られている。

 この前より凄いけど、この前よりソフトなのだ。

 ソフトだったけど、この前に近付いてきた。

 

「あんっ……、あっ、そこ、さわられると、変な声出ちゃう…………」

「可愛い声だよ。この前は隣の部屋でエンリさんが寝てたけど、今は二人だけだからね。声が出ちゃっても心配ないよ」

「でもはずかしいよぉ……、あっ? ネムのおまんこ、ぬれてる? さわってないのに?」

 

 尻を包んでさわさわと撫でていた手が、中指を伸ばした。

 パンツの上から尻の割れ目を辿って奥へ進み、ネムの柔らかくて大事なところにそっと触れる。指は温かく包まれた。

 触られたネムは意識がそちらを向いて、ようやく濡らしていることに気が付いた。

 おっぱいを触られて凄いキスをしていたが、そこには一度も触られていないのに濡れている。そこだけちょっと冷たくなって、パンツに染みてしまっているらしい。

 

「触らなくても濡れることはあるんだよ」

「あっ!」

 

 抱きしめられてくるりと反転し、ネムはベッドに押し倒された。

 男の手がパンツの縁に掛かっているのを見て、今度は言われる前に尻を浮かせる。

 するするとパンツが下ろされていく。

 薄布が股間から離れる前に、ネムは両手で隠した。

 ちょっと汚れてるかも知れなくて濡らしたばかりのパンツを見られるのは恥ずかしいが、それより恥ずかしいことがある。

 

「手をどかしていいかな?」

「……ネムのおまた、この前と違うから」

 

 胸は隠さず股間を隠して視線を彷徨わせるネムに、男は察するものがあった。

 兆しは前のときにはもう見られた。

 

「どう違ってるか当ててあげようか?」

「お兄ちゃん、わかるの?」

「ネムちゃんくらいの年だとそうなるからね。お股に毛が生えてきたのかな?」

「………………………………うん」

 

 ネムの手がおずおずと股間から離れる。

 太ももをきゅっと閉じた三角地帯を、髪の色と同じ濃い茶色の陰毛が申し訳程度に茂っていた。

 前見た時は産毛に過ぎなかったが、今や立派な陰毛だ。それでも長さはさほどではなく、濃いこともないので地肌が見えている。

 

「俺にも生えてるのを見ただろう? 大人になるとそうなるんだ。おかしいことじゃないよ」

「ネム、大人になってきたの?」

「そういうこと」

 

 大人扱いして欲しいのは、まだ大人ではない自覚があるからだ。

 けれども、大人になりつつある証が現れている。

 

「ネムちゃんはここも大人のようにして欲しいかい?」

「うん!」

 

 大人と言われたのが嬉しいのか、ネムは食い気味に頷いた。

 それなら、と言われて股を開くのは恥ずかしく、始めは開こうと思っても鍵がかかったように閉じたままだった。

 それなのに、太ももを撫でられたら魔法のように力が抜けて、大きく脚を開いてしまった。

 

「お兄ちゃん、ネムのおまんこ、変じゃない?」

「変じゃないし、綺麗なおまんこだよ」

 

 少しは大人になっても未通のネムは一本筋。

 筋の周りには毛が生えてない。見る限り産毛もない。これから生えてくるにせよ、ラキュースのようなワイルドにはならないだろう。

 

「あっ! ゆび、きもちいよぉ……。んぅ……、ちゅっ……」

 

 隣に寝そべった男が股間に手を這わせてくる。

 長い指が筋を撫で、割れ目に沈む。ネムのぬめりけを指先にまとわりつかせると、割れ目にもぐったまま小さな肉芽に触れた。

 こするではなく撫でるでもなく、一定のリズムで圧してくる。指先が小さな弾力を感じる頃になると、ネムはくぐもった声で鳴く。

 二人きりで声を出してしまっても迷惑ではないが、口は塞がれている。

 

「舌を出してごらん」

「うん。んーーーっ、んんっ!?」

 

 尖らせた舌を伸ばせばパクリとされる。

 噛んじゃダメと自分で言ったのに、硬い歯に挟まれた。動かせなくなった舌をいたぶるようにレロレロと舐められて、痛くはないけどちょっぴり悔しくなった。

 男の舌が口に入ってきたら仕返ししようと思っていたが、いざ入ってくると何も出来ない。ぬるい唾液を二人の舌で混ぜあった。一滴もこぼすものかと音を立ててじゅるじゅる啜る。

 触られているところは甘い官能で溶けてしまっているかのよう。それなのに逞しい指を感じているのが不思議に思える。

 圧されるだけだったのが動き始めると、痺れるようだ。

 ネムは何度か腰を震わせて、唇同士が掠める距離で甘く鳴いた。

 

「あぁ、おにいちゃん、はぁ、あぁ…………、んっ! はいってるの、わかるよぉ……」

 

 中指がネムの柔らかな内側を往復し、指先で入り口を撫でる。

 ほぐれ始めた小さな穴につぷりと入っていく。

 ネムの呼吸を読みながら、ゆっくりと、第二関節まで。

 

「ネムちゃんはクリトリスのほうが好きだって言ってたけど、こっちでも気持ちよくなれるんだよ」

「おにいちゃんのおちんこが入るところなんだよね? ネムのおまんこ、おちんこ入りそう?」

「それはまだ無理かな」

 

 ラナーが今のネムくらいの年には全ての穴を使っていた。それは年単位の時間を掛けてほぐしていたからだ。男の方もまだ子供だったというのもある。

 

「ネムちゃんの体はこれからも大きくなるし、あと二年か三年は待たないとね」

「そんなに待たなきゃダメなの!?」

「無理にしたら痛いだけで壊れちゃうかも知れないだろう? だから、ネムちゃんがしたくなっても絶対にダメ」

「う〜〜〜〜〜!」

 

 それこそラナーのように熱心にほぐせば多少の時間は短縮出来るだろうが、何もそこまですることはない。

 カルネ村には毎日来れるわけではないのだ。こまめに通っても精々月一。ラナーと同じ回数だけほぐすとなると、十年掛かる。

 ネムちゃんの自主訓練に任せるのは、知識不足もあって些か不安である。

 時間が解決するのだから、急ぐことも焦ることもない。

 一番重要な点は、ネムの体で欲求解消しようとは全く思ってないことだ。現に、ここまでしても立ってない。

 ネムちゃん的には屈辱かも知れないが、幸いなことに快感に翻弄されて気付いていない。

 

「大人になるなら我慢も覚えなきゃいけないよ?」

「……………………でも」

 

 そう言われても、先のことはわからないから今すぐに。今は無理でも出来る限り早くしたい。

 ネムにとって二年はとっても長くて果てしない未来のことなのだ。

 

「ネムちゃんは俺のを知ってるんだから、まだ入りそうにないって自分でわかるだろう?」

「……………………」

 

 わかるけど、わかると言ってしまったら先延ばしが確定する。

 

 不機嫌そうに口を噤んでしまったネムに、男は困った。

 無理なものは無理なのだ。

 どうすればいいか考えて、妥協することにした。

 

「おまんこはダメ。だけど、他のところだったらそんなに時間は掛からない。ネムちゃんが頑張れるなら今年の内に出来るかも知れない」

「………………お口?」

 

 小さなお口でおちんこをペロペロして、赤ちゃんの素を出したことがあるネムである。

 

「この前はネムちゃんに口でしてもらったね。そこじゃなくて、こっち」

「ひゃん!」

 

 小さな穴に入っていた指がぬるりと抜けて、少し下がった。

 

「そこおしりだよ!?」

 

 叫びつつも、前回の記憶が蘇る。

 お口でペロペロしていた時に、お尻の穴に指を入れられた。

 舐めるのに夢中だったのでよく覚えていないが、おまんこより深く入ってた気がする。痛くはなかったが苦しくはあったように思う。

 

「こっちでも出来るんだよ」

 

 ラナーと初めて交わったのもそちらだった。

 体は小さくても、こちらはそこそこ広がるようになっている。

 

「………………でも汚いよ?」

「綺麗に出来るから大丈夫だよ」

 

 アナルセックス用に開発したローションがある。

 

「お尻でも気持ちいいの?」

「なれるさ。ちんこを入れてみる前に、指でほぐすからわかると思うよ」

「……………………それなら」

 

 ネムが首を縦に振って、アナルの開発が始まろうとしたその時である。

 

 

 

 ドンドンと激しく家のドアが叩かれた。

 

『兄さん起きてやすか!?』

 

 外でジュゲムが声を張っている。

 二人は首を傾げて顔を見合わせた。

 

 

 

 

 

 

「お休みのところすいません。大至急あっしについてきてくれませんか?」

 

 ネムを寝室に残し、男が外へ通じるドアを開けば焦った様子のジュゲムが口早に言う。

 

「ついてくって、こんな時間にどこへ?」

「エンリの姐さんのところです。姐さんが兄さんをお呼びです。あっしにも詳しいことは」

 

 詳しいことはわからないが、ジュゲムはエンリの叫び声を耳にしている。

 無礼を承知でエンリ邸に足を踏み入れれば、エンリから彼のお客様を呼ぶように言われた。そのまま急いで駆けてきたところである。

 ジュゲムがもう少し冷静だったら、男から男のものではない匂いを感じたかも知れない。

 

「わかった。上着をとってくるから少し待ってくれ」

「わかりやした。どうかお急ぎを」

 

 男は寝室に戻り、椅子に引っ掛けたジャケットを羽織る。

 ネムはベッドの上にちょこんと座って、シーツを手繰り寄せて裸身を隠していた。

 ちょっとそそる光景だったが、今は急がなければならない。

 

「何かあったらしい。行ってくるよ。帰りはわからないからネムちゃんは先に寝ててくれ」

「気をつけてね。………………ちゃんと帰ってくるよね?」

「村の外に行くわけじゃないから大丈夫だよ」

 

 男は柔らかく笑って、ネムの額にキスを落とした。

 

 ベッドの上で見送ったネムは、家のドアが閉まる音を聞いて、こてんと倒れた。

 シーツに顔を埋め、うーうー唸る。

 お兄ちゃんと色々なことをしてしまった記憶と快感が体中を駆け巡り、全身を火照らせて頭を茹だらせる。

 何も知らなかった前回と違って、今回は知った上で色々されてしまったのだ。

 恥ずかしくて嬉しくて恥ずかしくて気持ちよくて恥ずかしくて嬉しくて恥ずかしくて顔を上げられない。

 

「んっ……」

 

 シーツに潜って安全を確保したネムは、右手で股間を撫でた。

 突然ジュゲムが来て驚いてしまったが、思い出した官能がまたも湿らせている。

 

「おにいちゃんはこうやって……、んぅ……。前にした時より……、きもちいい……」

 

 前とは、一年前にされた事ではない。

 三日前に自分でした時のことだ。

 

 一年前に性的な快感を覚えさせられたネムは、誰にも知られぬようこっそりと秘部を触ることがあった。

 下着の上から擦ることがあれば、高さが丁度良くて角が丸い椅子やテーブルに押し付けることもある。

 パンツを脱いで直接触ることは稀だった。

 こんなにも濡れてしまったのは初めてだ。

 

「あっ、あっ……おにいちゃん! ネム、ネムのおまんこ、きもちいよぉ……♡」

 

 シーツの中でくちくちと小さな水音が鳴り続け、ネムは自慰で初めて達した。

 

 

 

 

 

 

「姐さん、お連れしやした!」

 

 ジュゲムがエンリ邸のドアを開ける。

 入る前から否応なく切迫感が高まってきた。

 エンリの声が、悲壮感を伴ってンフィーレアの名を呼んでいるのだ。

 

 皆でテーブルを囲んだダイニングは明かりが落ちている。

 ジュゲムの先導で進み足が止まったのは、男が知る限りエモット邸の寝室前である。

 

「入ってもらって! ンフィーが! ンフィーがこんな!」

 

 若夫婦の寝室には秘密がいっぱいだろうが、主が言うのならば入らなければならない。

 ジュゲムは先を譲り、寝室のドアは男が開いた。

 

「ンフィー君!?」

 

 エンリはゆったりとした夜着をまとい、床の上に座っていた。混乱しきっているようで、見るからに冷静を失っている。

 

「揺すらないで。私が診ますから、まずは落ち着いてください」

「ンフィーが、突然こんなになって!」

「わかっています」

 

 エンリをジュゲムに任せ、男はエンリが座っていたところに屈む。

 一片の情報も逃すまいと真剣な顔で様子を伺う。

 

 ンフィーレアが倒れている。

 おそらくは、自らの血の海の上に。




サスペンス展開にはならないです

前回投稿してから土日は何書けばいいかさっぱり
月にそろそろ書かねばと思い始め
火になんとか1.5k字まで進み
水は寒くて手が動かず
木金と3k字ずつ書いて
今日は残り書いてさっき一応誤字確認して投稿
本話13.6k字
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