※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

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ルプーは日常感が強くて書きづらい
それでも本話14kちょい


ルプーちゃんにごほうび ▽ルプスレギナ+

 精液が目当てのソリュシャンと違って、ルプスレギナが最後までするのは三日に一度のペース。代わりにハグやキスは毎日している。情は込めても気軽な挨拶のようなもの。

 今されているのは全く違う。

 挨拶のキスで舌は入ってこないし、吸われもしないし、唾を飲まされることもない。

 すぐ離れるハグと違って、背中に回った手は絶妙な加減で背筋をなぞり、スカートの内側に入った手は尻を撫で回す。

 

「ん……ちゅっ、んんっ……、あんっ。こんなの子供にするキスじゃないっすよ?」

「子供に色々教えるのは大人の役割だろう?」

「おにーさんのスケベ♡」

「ルプーちゃんが可愛いから可愛がりたくて仕方ないんだよ」

「えへへ♡ それじゃー仕方ないっすね!」

 

 ルプスレギナからも男に抱きつき、唇を押し付けた。

 さっきのお返しとばかりに舌を入れ、口内の粘膜を舐め回す。膝を男の脚の間に入れてぐいと押しやれば、股間が膨らんできているのを感じた。にんまりとするも、男の手付きが変わった。

 小さなショーツに指が引っ掛けられた。いつもの事ながら片手で器用に下ろしていく。

 

「あっ? もうっすか?」

「ルプーちゃんは知らないのかな? このままだと下着を汚しちゃうんだ」

 

 まだ汚れるほどではないが、遠からずそうなるのはルプスレギナ自身がよくわかっている。

 

「ルプーちゃんの体が俺と一つになりたがると濡れてくるんだよ」

「それっておにーさんもルプーと一つになりたいってことっすよね?」

「その通り。よく知ってるね」

 

 知ってるどころか何度も実践済み。自分の体がどうなるか、男の体がどうなるかも、ルプスレギナはよく知っている。何度めであっても、自分の体に欲情されるのは気分がいい。

 するすると下ろされていくショーツが太ももまで来た。脚を開いていると脱がせづらいので両膝を揃える。と同時に膝まで下ろされ、交互に膝を上げてやった。

 ややあってつま先から抜け、黒い小さな布切れが男の手に収まった。

 

「でも手遅れだったみたいだ」

「あっ!?」

 

 男が布切れを裏返す。生地が二重になってルプスレギナの大切なところ覆っていた部分が、僅かに変色していた。そこだけ部屋の明かりを反射して光っている。

 

「うぅ……、おにーさんのキスがエロかったからっすよ!」

 

 ルプスレギナが反射的に言い返してしまったのは、自分でも気付かない内に臨戦態勢になっていたのが恥ずかしく、キス一つでその気にさせられたのが何かに負けたようで悔しかったのもある。

 

「あんっ!」

 

 しかし、自尊心を守るための戦いは一瞬で終了した。

 尻の肉を直に掴まれ、くびれた腰を抱かれて引き寄せられる。

 男の顔が近付き、距離がなくなり、唇が重なるのかと思ったら僅かな浮遊感。

 上下が反転し、ルプスレギナは男に組み敷かれた。

 

「ルプーちゃんには口の聞き方から教えないといけないかな?」

「あ…………」

 

 男の言葉が威圧的だったわけでも、嗜虐的だったわけでもない。それなのに、ルプスレギナはぞくりと来た。

 後に思い出した時、無力な子供の振りをしていたので演技と雰囲気に流されてしまったのかもと思えた。

 

「自分のことはちゃんと認めないとダメだぞ?」

「は……はい。ルプーはちょっと……濡らしちゃったっす……」

「よしよし、いい子だ」

「あっ……」

 

 前髪をかき上げられ、あらわになった額に唇を落とされる。

 まるきり子供扱いなのに、ルプスレギナの胸は期待に高鳴った。

 キスは子供向けでも手付きは大人向き。魔改造メイド服の襟が引っ張られ、大きな乳房がこぼれ出た。

 

 

 

 

 

 

 昨日までのナザリック滞在で、子供の相手はたっぷりしてきた男だ。まずはカルネ村のネムちゃん。ナザリックでは大人ぶってるシズちゃんとエントマちゃん。アウラ様は子供に見えて色々と大人である。大人にしてしまったとも言う。

 基本的に大人より子供が好きな男で、と表現すると大いに誤解を招くので言い換えると、子供には優しく心の障壁もぐっと下がる。だからこそエントマの甘えを許し、ご褒美まであげた。あれがもしもルプスレギナだったら、馬鹿言ってないで働け、と切って捨てていただろう。そしてルプーブローを貰うのである。

 ルプスレギナ自ら子供扱いを求めているのだから、優しくするのも可愛がるのもやぶさかではない。好きなだけ甘やかして、けれども成長に悪影響がないよう適度に躾けてやるのが大人の役割。ダメなところはきちんと叱るべき。

 

「ルプーちゃんのご褒美なんだから、ルプーちゃんがして欲しいことをしてあげるよ」

「おにーさんにいっぱい可愛がって欲しいっす」

「それはもちろんだよ」

「あんっ」

 

 手のひらをルプスレギナの頬にひたりと当てる。男の手は触れるか触れないかの加減でルプスレギナの頬を撫で、首筋を這い、こんもりと盛り上がる乳房を鷲掴みにした。

 大きいのに柔らかいだけではなく適度な弾力と張りがあるいいおっぱい。仰向けになっても形が崩れない。やたらとエロいソリュシャンに比べて、ルプスレギナには野生美と健康美がある。駆け引きを強いることなく、素直に反応するのが可愛らしい。

 

「ルプーちゃんのおっぱいは少し揉んだだけで乳首が立ってきたよ?」

「だっておにーさんが触るから……。おにーさんに触られて立っちゃうんすよぉ……」

「ちゃんと言えたね。偉いぞ」

「あっ……」

 

 今度は触ってきた男の所為にしなかった。

 叱るべきは叱らないといけないと同時に、褒めるべきはきちんと褒めてあげるのが子供の成長に良い影響を与えるのだ。

 男はルプスレギナの額にキスをする。そして手付きは大人向き。

 

「あんっ! 乳首くりくりされると……、声でちゃうっすよぉ……」

「ルプーちゃんの声はとっても可愛いからね。いっぱい聞かせてくれないかな? ここなら外に聞こえることもないから大丈夫」

「そんなこと言ってぇ……。んっ……あんっ……あっちゅっ…………ん……、んんっ……」

 

 子供に口答えさせないのは大人の特権。子供は良いことも悪いこともよくわからないのだから、有無を言わせることなく大人が教えてやらないといけないのだ。

 ルプスレギナの口を口で塞ぎ、最初のキスと同じように舌を差し込む。

 舌で探る口内は熱い。高ぶっているのがこれだけでわかる。それ以前に、ルプスレギナの舌が積極的に応えてくる。舌で舌を舐めあって、貪るように強く吸う。

 じゅるると音が響き、どちらかがどちらかの唾をすすっている。どちらの喉も軽く鳴って、すすった唾を飲み込んだ。

 

「あっあっ……、キスもっとぉ……、でもおっぱいもぉ……、んんっ! もっと強く吸っていいっすからぁ……、噛んでもいいっすよ?」

 

 たっぷりと唾液を交換しあった唇が離れれば、男の頭が下がっていく。

 キスをしながら揉んでいた乳房に顔を埋め、乞われるままに強く吸う。ルプスレギナの肌は褐色なのでキスマークは目立たない。目立たないのをいいことに幾つもマーキングし、乳肉に歯を立てた。

 

「ルプーの体にいっぱい痕つけていいっすからぁ。ルプーの体中におにーさんのしるしを付けて欲しいっす♡」

 

 アウラもマーキングされたがったものだが、人狼であるルプスレギナはより積極的だった。

 ご希望通りにちゅっちゅと痕を付ける前に、尖った乳首をちゅうと吸った。

 

「あんっ♡ おにーさん、赤ちゃんみたいっすよ? ルプーの乳首は赤ちゃんが吸うとこなんすからぁ。おにーさんはルプーにいっぱい赤ちゃん産ませないとだめなんすからね?」

「ルプーちゃんが欲しいだけ作ってあげるよ」

「あはっ♪ 絶対約束っすよ?」

「わかってるよ」

 

 晴れて不老不死になった(ということになってる)男と、ナザリックのプレアデスの次女であるルプスレギナ。前者は強者というより希少者で、後者は純粋な強者である。命の法則として簡単に子供が出来るわけがないのだが、することを続けていればいずれは出来るだろう。

 ソフィーはルプスレギナより力があるアルベドの子供であるが、あちらはアルベドがサキュバススキルを駆使して、二度と会えない(と思い込んだ)男との証を強く望んだからだ。

 

 ルプスレギナは純粋に望み、男の方はその内出来るだろうと安請け合い。結果がどうであれすることは変わらない。

 

「ルプーちゃんの乳首は赤ちゃんに吸わせるためって言ったね。それならこうして乳首を立たせてるのは俺に吸わせるためなんだろう?」

「そうっすよ? おにーさんにいっぱいちゅうちゅうして欲しくて立っちゃったっす。ソーちゃんみたいにおっぱいはまだ出ないっすけど……。出るようになったらおにーさんも飲んでいいっすよぉ? あっ、んっ……。おっぱいあげる練習っすね♡ ああんっ、噛んじゃダメっすけどぉ、おにーさんなら何してもいいっすからぁ……♡」

 

 大きな乳房の先端で、ピンクの突起が突き出ている。吸い過ぎて黒くなりつつあったが、お手製の色素吸着剤の効果は抜群だ。

 充血した乳首は弾力があり、舌で転がしても跳ね返ってくる。れろれろと舐め回し、ちゅうと吸っては歯を立てる。多少強く噛んでもルプスレギナが痛がる事はなく、男の頭をかき抱いて自分の胸に押し付けた。

 

 ルプスレギナの背が弓なりに反るのは、甘い刺激で体が跳ねるのと、服を脱がせやすいようにと。

 服の袖を腕と肩から抜いたのはルプスレギナ自身。そこまですれば、男の手が脱がせていく。

 シクススから女性の服の構造を叩き込まれ、日々実践しているのだ。今更になってルプスレギナを脱がせるのに手間取ることはない。

 ルプスレギナが腰を浮かせればするりと抜いて、脱がせた服はテーブルの上に放り投げた。

 

「裸になっちゃったっす……。これからルプーはどうされちゃうんすか?」

「ルプーちゃんは痕をつけて欲しいんだろう?」

「舐められちゃうんすか?」

「それもいいが……」

 

 男もシャツを脱ぎ捨てた。

 ルプーブローによって穴が空いてしまったため、補修は不可。捨てるか、欲しがるメイドがいたら与えても良い。そのまま着たり使ったりするわけではなく、上等な生地なので縫い目を丁寧に解いてから再利用するのだ。

 

「あ…………、な、なん、すか?」

「ルプーちゃんとはいつもしてるだろう? どうしたんだ?」

「それは、そうっすけど……」

 

 狼の耳を隠している帽子も脱がせてテーブルの上へ。

 裸になった女の上にのしかかっただけ。大きな乳房が胸板で潰れ、密着感が増していく。男は女の腕を掴み、情熱的に潤む美貌へ顔を寄せた。

 さっきは何度もキスをした。同じことをしているだけで、違うと言えばルプスレギナが全裸になったことくらい。大きな違いと言えばそうなのだが、何度もしてきていることだ。

 

「ルプーは……、これからおにーさんに食べられちゃうって思ったら……なんか……。ドキドキしてきちゃったっす♡」

 

 ルプスレギナは、潤んだ目でそう言った。

 

 セックスは日常茶飯事だ。何度も入れてもらって何度も出されてきた。

 互いに全裸の時があれば、衣服を少々崩しただけの時もある。

 裸で絡み合ってキスをするのは何度も経験済みのはずなのに、こみ上げてくるものがあった。

 

「食べたがるのはルプーちゃんだろう? 俺のがルプーちゃんの中に入っていくんだから」

「でもおにーさんのちんちんがおっきくなんなかったら入んないっすよ?」

「ルプーちゃんとこうして立たないわけないじゃないか」

 

 股間はとっくに膨らんでいる。密着しているのだから、ルプスレギナもわかっている。

 男は疑問に思いつつも、口には出さなかった。ここは問答する場面ではない。

 

「ルプーちゃんが可愛いからね」

「おにーさんもとってもカッコいいっすよ♡」

 

 男がズボンを脱ぎ捨て、待ってましたとばかりにルプスレギナは抱きついた。

 胸の動悸が伝わるのが少し気恥ずかしくても、我慢できない。

 

 発言したのがすぐにルプーブローを出してくるルプスレギナではなく、ルプスレギナよりずっとか弱いシクススだったら、男にもわからないではなかったかも知れない。

 男の腕の中で無防備な裸になって、色々なところを、大切なところも触られ見られ舐められて好き放題されてしまう。信頼しているから、何よりも愛しい男が相手だからこそ出来ること。

 けれども、実はとっても強いルプスレギナ。何があってもルプーブローで一発逆転できる。だからどんな事になっても大丈夫なはずなのに、最後の壁が消えてしまったかのよう。

 ルプスレギナでは上手く説明できない。出来たとしても、戦闘メイドであるプレアデスの次女が言っていいことではない。自分がとても弱くなって何も出来ず、無抵抗で自分の体を明け渡すなんて口にしてはいけないことだ。

 普通の女ならとっくにわかっている感慨を今更になって悟るのは、無力な子供の振りをしているのが一つ。男がアインズ様から永い命を与えられたのが一つ。

 いつかの別れがなくなり、ルプスレギナはとても高ぶっている。

 

 

 

「おにーさんのちんちんすっごくおっきいっす。これからルプーの中に入れられちゃうんすね?」

「ルプーちゃんこそよく濡れてるよ。もう入れられそうだ」

 

 ルプスレギナは男の体にしなだれかかる。乳房を押し付け、上目遣いに男の顔を覗き、視線を落とす。柔らかく握り、上下に振れば固さも熱さも増してくる。

 ルプスレギナが扱いていれば、男の方もルプスレギナに指をあてる。脱がす前から湿らせていた女は簡単に飲み込んだ。中は熱く熟れ、入れる前からほぐれている。

 その気になれば、薬指を中に入れてかき混ぜつつ親指で肉芽を擦り、もう一方の手で肛門を弄ることが出来る。CVAアタックはスライムであるソリュシャンだけの技ではないのだ。しかしながら、ルプスレギナから「イジメるんじゃなくて可愛がるんすよ?」と釘を刺された。激しくするのは不許可で、とろけるような愛撫がお望みなのだ。

 そして、そろそろ次に移って欲しいらしい。

 

「あんっ♡」

 

 もう一度ルプスレギナをソファに押し倒す。両足を高く上げさせ、股を開かせた。

 髪と同じに赤い陰毛は汗と淫液で肌に張り付いている。長すぎたラキュースと違って形も長さも整えてあり、入り口がきちんと見える。褐色の肌の中で息づく膣口は、物欲しそうに涎を垂らす。

 焦らしはしない。逸物をあてがい、腰を押し進めた。

 

「あぁ……、入ってきたっす♡ おにーさんのおっきいちんちん、ルプーの中に入ってきちゃったっすよぉ♡」

 

 いつ入れてもルプスレギナの中は熱い。締め付けも上々で吸い付いてくる。アルベド様と変幻自在のソリュシャンを除けば、暫定一位であるだけはある。

 

「これからルプーちゃんの中をちんこでかき回して、精液を出すんだ。精液が赤ちゃんの素だってことはルプーちゃんも知ってるかな?」

「知ってるっすよぉ。ルプーのお腹の中にいっぱい出して欲しいっす。ルプーはおにーさんの赤ちゃんが欲しいんすからぁ」

「ルプーちゃんとこれから何度も頑張れば大丈夫だよ」

「はい……♡ ルプーはおにーさんといっぱいセックスするっす!」

「いい返事だ」

「あ……、なんか、いつもと違うっす。もっと動かないんすか?」

 

 ルプスレギナの好みもあって、いつもはもっと激しい。人狼であるルプスレギナとは後背位ばかりで、正常位でするのは稀だ。

 だけども今は股を開かせ、前から挿入している。抽挿もゆっくりだ。

 

「ルプーちゃんの中がとても気持ちいいんだ。速く動くと出ちゃいそうで、しばらくゆっくりでもいいかな?」

「いいっすよぉ♡ ルプーのおまんこはおにーさん専用なんすから好きに使っちゃっていいんすから♡」

「中は熱くて気持ちいいし、おっぱいの揉み心地も十分。声も可愛くて、ルプーちゃんに言うことなんて何もないよ」

「えへへ、そうっすかぁ? ルプーもおにーさんのちんちん入れてるだけで気持ちいいっす! 顔も綺麗だしエッチは上手だし、一緒にいて楽しいし。ルプーもおにーさんに言うことなんて……」

 

 デリカシーがいまいちな事とか空気を読まない事とか、色んな女に手を出してるところは不可抗力なところもあるかも知れないがやっぱり本人の隙が大きい影響も大で、言いたいことは実はいっぱいあったりするが、子供扱いされていても実は大人なルプスレギナは言葉を飲み込んだ。

 

「ともかく大好きっす!」

 

 強引にまとめて抱きついた。

 腰がやや浮いて挿入が深くなり、体が反射的に締め付ける。

 

「ルプーちゃんは可愛いね。可愛いルプーちゃんが大好きだよ」

「うぅ……、入ってるだけできもちいいんすよぉ……。だから今のはぁ……」

「わかってる。さあ、俺にしっかり掴まって」

「はいっす!」

 

 男の首に腕を回し、すがりつくように強く抱きつく。

 広げられた太ももを抱え持たれて、これから激しくされるのだと思った。

 

「ひゃあっ!? なななんすか!?」

 

 しかしそうはならず、男はルプスレギナを抱え持ったまま立ち上がった。挿入はされたままだ。

 これぞ今日の朝食で話したらソリュシャンに叱られた体位、駅弁である。

 

「折角だからソリュシャンより先にルプーちゃんに楽しんでもらおうと思うんだ」

「それは嬉しいっすけど、落っことしたりしないっすよね?」

 

 ルプスレギナの体も脚も浮いている。お姫様抱っこならされたことがあるが、正面から抱きついたまま立たれるのは初めてだ。

 深い挿入を楽しむよりも、落とされるかもとの不安が過る。

 

「大丈夫だよ。ルプーちゃんを抱っこするくらい軽いものさ」

「それなら……、ってどこ行くつもりっすか!?」

 

 いつもと違う体位なら許容範囲。しかし男は腰を振ることなく、ルプスレギナと繋がったまま歩き始めた。

 ルプスレギナは男と視界が反対になっているが、どこへ向かっているかは予想がつく。

 男が進む先は書斎の出入り口。この男は、書斎の外へ出ようとしている!

 

「ルプーちゃん好みに激しくするならソファーは少し狭くてね。やっぱりベッドがいいだろう?」

「大丈夫っすよ! それに前からじゃなくて後ろからだったら問題ないっす!」

 

 ベッドのみならず、書斎でいたしたことだって何度かある。完全な防音にしてアインズ様に魔法的な加護を与えられた書斎は、秘密のことをするのにもってこいなのだ。

 その時はルプスレギナお好みの後背位。ソファに乗って後ろからだったり、机に手をついて立ったままだったり。

 

「俺の部屋はすぐそこだよ。皆寝てるし、ルプーちゃんが静かにしてたら大丈夫さ」

「でもぉ……」

「それに見たり見られたりは今更だろう?」

「そーいうのとは違うんすよぉ」

 

 見るのは一先ずあっちに置いて、見せるのはそんな気分の時だけだ。今はお子様のルプーちゃんになっておにーさんを独占しているのだから、極力見られたくない。ルプーちゃんと呼ばれたり、自分のことをルプーと呼んでるのを聞かれたら恥ずかしい。行為中なのだから尚更だ。第一、廊下は裸で歩くものではない。

 儚い抵抗をしている間にも男は歩き続け、ドアがすぐそこに。

 

「ルプーちゃんが開けてくれないかな? 俺は開けるとルプーちゃんを落としちゃうかも知れない」

「絶対絶対まっすぐ部屋に行くんすからね? 寄り道したりわざと変なことしたら本当に怒るっすから!」

「しないよ」

 

 

 

 ルプスレギナを辱めたいのだったら、もっと違うことを選んでいる。

 あえて駅弁をしているのは朝方話題に出したのと、なにかの間違いでルプスレギナが駅弁のための抱っこ耐久とか言い出さないようにだ。

 ここでルプスレギナに駅弁をしてやればソリュシャンたちにも伝わって、彼女たちが抱っこ耐久などとバカな事を言い出すことはなくなるだろう。

 書斎から移動するのはルプスレギナに伝えた通りベッドを使うためだ。今夜は射精してすっきりするのが目的ではなく、ルプスレギナを楽しませるためなのだ。ソファでの行為はそれなりに良いものがあるが、座るためのものなのでどうしても狭い。ルプスレギナは立ったままも好きだが、それだって寝室で出来ることだ。

 

「あんっ!」

 

 ルプスレギナがドアを開け、男が一歩踏み出すなり、甘い声が静かな廊下に響き渡った。

 鳴いた女はしまったと言わんばかりに口を押さえる。廊下は静まり返っている。しかし今は静かでも、先の嬌声がなかったことになるわけではない。

 

(静かにって言っただろう?)

(でもでもおにーさんが歩いたら深くなってキュンときてぇ……。ゆっくり歩いて欲しいっす……)

(ルプーちゃんこそ静かにね)

(うぅ…………、こんなの頭が沸騰しちゃうっすよぉ!)

 

 ルプスレギナはきゅっと目をつむって男にしがみついた。よく知ってる廊下が恐ろしい魔境に変じたかのように。

 視界が閉ざされただけ敏感になり、自分の中に来ている男を強く感じてしまう。男が一歩進む毎に「んっんっ」と小さく鳴く。

 

「ドアを開けてくれ」

 

 とてつもなく遠い道のりが終わって男の部屋のドアを開けた時、安堵と開放感はこれまでに感じたことがないほど大きかった。

 

「こんなのもうこれっきりに、あぁんっ!」

 

 パタンと後ろ手にドアを締め、文句を言ってやろうとしたら強く突き上げられた。

 中に入っている先端が一番奥を叩き、体の中から染め上げようと企んでいる。

 

「そろそろルプーちゃんの中に馴染んできたからね。今度はルプーちゃんが好きなように激しくしてあげるよ」

「そんなのでごまかされぇっ……! あっあっあっ、やっ、はげしっ! ちんちんきてるっすよぉ! ……あ゛、ん゛っ!」

 

 ぎゅうと男にしがみつく。

 太ももはがっちり押さえられ、男の股間が叩きつけられる。ルプスレギナの雌穴は雄を受け入れ、飛沫を散らした。

 

「前からもいいだろう?」

「でっ、でもぉ! あぁんっ♡ おくまできてるぅ! あっあんっあぁんっ! まえもすきぃ♡ だいすきぃ♡」

 

 ベッドに下ろされても繋がったまま。

 ルプスレギナは密着していたかったのに体が離れ、腕を伸ばすが掴まれた。股を大きく開かされ腕を捉えられ、入ってきている男は我が物顔で内側から侵してくる。

 

 犯すではなく侵す。

 一突き毎に自分の中に侵入され、浸潤され、自分が書き換えられて変わっていく。

 絶頂するだけならいつもそうだが、心も体も溶け合って自分が男の一部になると感じられるのは、月に一度かそれ以下しかない。

 好きとか愛しいとかを通り越し、自分はこのためだけに生まれたのだと確信する。

 

「あ゛っ! らめ、イク…………! ルプーイッちゃううぅう! おにーさんもルプーにっ」

 

 女心検定は頻繁に赤点をとる男だが、情事の作法は心得ている。

 女の目に溜まった涙を唇で吸い取り、そのままきつく抱きしめた。

 ルプスレギナは男の腰に足を回す。足首同士を絡めてロックし、逃さない。両腕だって男の背に回っている。

 子宮口を何度も叩かれ、膣壁の感じやすい部分を的確に擦られ、耳元で愛の言葉をたっぷり囁かれ、ルプスレギナには言葉の意味がわからなくなってきた。

 理性は消し飛び、心と体で交感している。

 

 貪るようなキスをしていたのにルプスレギナから口を離し、背を弓なりに反らしておとがいも上げ高く鳴くのを、壁の向こうから黒い目がじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 現在のお屋敷にいるのは、いつもの面々だけではない。黄金の輝き亭崩壊に伴って、彼の宿を拠点としていた冒険者チーム漆黒の二人が加わっている。

 モモン扮するパンドラズ・アクターは偉大な父上から「そんなに暇なら夜の間も仕事しろ」と命じられ、アインズ様に変身してエ・ランテルの城で書類仕事に勤しんでいる。

 漆黒のもう一人は大きなお屋敷で夜を過ごす。

 ナザリックから戻ってきた男と一つ屋根の下にいることに中々寝付けなかった彼女は、鋭い聴覚が異音を捉え、ラビッツ・イヤーと唱えた。三つある兎さん魔法の一つラビッツ・イヤーは聴覚を強化するのだ。

 ドアの向こうから聞こえる異音に耳を澄ませた彼女は、遠くからドアの音が閉まる音を聞くと部屋から飛び出した。

 

 彼女は初体験の翌日、お屋敷のお嬢様から「夕べはお楽しみでしたわね」と言われていた。それだけなら揶揄や皮肉の範疇であるが、「あなたの強さを教えて」は看過できない。あれは何があったかその目で見て、その耳で聞かなければ出てこない言葉だ。

 すなわち、覗いていた。覗くための何かがある。

 

 彼の部屋の場所も、隣が空き部屋なのもとっくに把握済み。彼女は男の隣室に移動した。

 ナザリックの手が入っているお屋敷はどの部屋にも魔法の灯りが設置されており、誰かが入室すれば自動で明かりが灯る。しかし、その部屋は入っても暗いまま。暗いからこそ気付けた。

 壁に小さな光点がある。隣室の明かりが漏れているのだ。

 彼女はそっと目を近付けた。

 

(あっあっあっ、あんっ! ああっ、イイッ! イイっすよぉ♡ おまんこいじめてぇっ! あっすごっ……、ひゃあぁぁああああぁぁアァぁああンっ♡)

 

 彼女は声が漏れないよう、反射的に口を押さえた。

 壁の向こうでは、赤毛の美女と男が激しく体を絡ませていたのだ。

 

 覗き穴の位置は隣室のベッドの上がよく見えるよう計算されており、二人の交わりがよく見えてしまう。

 男が腰を振るたびに美女の乳房がぷるんぷるんと大きく揺れるのもよく見える。二人が体位を変える時は男の逸物も見えてしまう。

 股間から雄々しくそそり立つのは、とても暴力的で、まさに男の象徴で、気付かない内に口中に湧いた唾を飲み込んだ。

 

「あ……あんなことするなんて……」

 

 男の手が美女の胸に伸びるのに合わせて、彼女も自分の乳房に手を伸ばした。

 

 彼女が着ている夜着は、お屋敷のお嬢様のようなネグリジェではなく、着心地だけを重視した飾り気のないパジャマである。ゆったりしているので隙間は多く、脱ぐのも簡単だ。

 寝るのに合わせてブラジャーは外している。

 パジャマの裾から入り込んだ手は繊細な乳肉を乱暴に握り、親指と人差し指で乳首を摘んだ。

 

「んっ……、私が来てるのに……ルプーとするなんて……。あ……、乳首立ってる……。んんっ……」

 

 顔を壁に貼り付かせ、両手で乳房を揉みしだく。

 赤い唇はだらしなく開き、はあはあと熱い息を吐き始めた。

 

「ダメッ……。こんなことしてちゃ……。あ……おちんこ舐めてる。あんなに嬉しそうな顔をして……いやらしい! 私だったらあんな顔しないのに……。私がした時は精液だって全部飲んであげたんだから……」

 

 腰をくねらせながらパジャマのズボンを下ろしていく。

 覗き穴の位置は高さが低いので、屈まないと見にくい。それを見越してか、すぐ傍に丁度いい高さの椅子があった。

 椅子の脚につま先を引っ掛けて近くに寄せ、腰を下ろした。脚はやや開いて、太ももと太ももの間に隙間が出来ている。

 乳房を嬲っていた手は股間に伸びた。

 

「はあ……はあ……、また入れるの? さっき出したばかりじゃない! ルプーのおまんこなんていっぱい出したから白いのがあんなに……。あ、入った……」

 

 肌触りの良い下着の下は、とっても柔らかな媚肉が隠れている。

 彼女の細い指は下着に触れ、隠れた割れ目に沈んだ。沈むなり薄い生地にシミが広がっていく。

 右手の中指が割れ目を上下してシミを広げ、左手は割れ目の上端をほぐしにかかる。割れ目に隠れた肉芽は熱心に擦られて膨らみ始め、彼女に快感を与え始めた。

 シミはますます広がって下着の上にまで滲み出し、彼女の指はぬめる汁に塗れていく。

 

(あぁんっ! ぜんぶきてるぅ! おにーさんの全部がルプーのなかにぃ! ルプーのなか、おにーさんでいっぱいになっちゃってるっすよぉ♡ あはっ♪ あ、あんっ、あんっ、そこいいっすぅううぅ♡ あっだめきすぅ……、んっちゅうぅうぅ…………、じゅる…………んんっ…………♡)

 

 彼女の口は半開きで、何かをねだるように舌を伸ばした。

 右手の薬指と中指で舌を摘み、唾液を絡めて丹念に舐める。自分の愛液を舐めていることには気付いていない。

 舐めたら指を揃えて真っ直ぐに伸ばし、口の中を前後に動かした。唇で指を挟んで舌を絡めて強く吸って、指は唾液に濡れそぼり、手のひらにまで伝っていく。

 軽く腰を浮かせてもどかしげに下着を脱いだ。

 

「こんなことダメなのに! でも濡れちゃってる……。ああ、わたしおまんこ濡らしちゃってる……。おちんこ入れて欲しくておつゆがいっぱい出ちゃってる……。わたしのおまんこ、こんなに濡れてるのよ? あなたのおちんこが欲しくて濡れちゃってるのよ? だから、入れて? 奥まで入れて。わたしのおまんこをあなたでいっぱいにして……。んん…………」

 

 根本まで唾液に濡れた中指と薬指を入り口にあてがった。

 第二関節で折り曲げれば、つぷりと中へ入っていく。

 

「あっダメ、そこ弱くて……。んぅ……、そこ……そこなのぉ……。あぁっ……、そんなにいじめないで……♡」

 

 壁の向こうでは、四足をついた姉が後ろから犯されている。

 パンパンと肉が肉を打つ音に、あられもない姉の嬌声。

 時折振り向いてキスをせがんでいる。

 キスに合わせて、彼女は自身の舌を弄んだ。

 

 腰を浮かせて指を動かし、下の口から垂れる汁が椅子の座面を汚していく。

 パジャマの下では乳首が尖りきって、触ってもいないのに服の生地とこすれる度に甘やかな刺激を伝えてくる。

 額をコツンと壁にあて、黒い目は壁の向こうから離れない。

 右手の抽挿に加えて、左手は肉芽を擦り始めた。

 

 姉の姿に自分を重ね、犯されているのは自分なのだと思い込む。

 尻を突き出した姉が戸惑い気味に振り返る。

 男は大きな尻を両手で撫で回し、動きが止まったところだ。

 

(あんっ、そこちがうっすよぉ! そっちの穴もいじられるとルプーおかしくなっちゃうんすからぁ♡ あ、だめだめ入れちゃだめなのにぃいい、あっはああぁああん♡)

 

 止まっていた間に何をしていたのかは、彼女からは見えなかった。

 男の腰が姉の尻から離れ、根本まで濡れた長い逸物が現れたのはよく見える。

 尻の割れ目をなぞった逸物は、さっきの場所より少し上で止まり、男の腰がまたも姉の尻に打ち付けられた。

 見えなくても、どうなっているかの想像が可能だった。

 

「し、信じらんない! あんなところに入れるなんて! あんな、あんな……、穴はあるけど……。ルプーはあんなになって……。お尻の穴って、そんなにいいの?」

 

 左手が後ろに回る。

 すっと伸ばした中指が尻の割れ目をなぞって、固く閉じられた窄まりを見つけた。穴はあるけど入りそうにない。入れる代わりに、あてがった指先が小さく動き出した。

 右手は膣に入っている。溢れた愛液は股間を濡らし、太ももに垂れ、椅子の座面まで汚してしまって。そして、肛門にも届いている。

 ぬるつく尻穴を撫で回し続け、指先がほんの少しだけ入ってしまう。

 

 彼女は「もしかして」とか「まさか」と思いながら、力を入れた。

 細い指が熱い弾力を乗り越えて、広いところへ届いてしまった。

 

「こんなのダメ絶対ダメぇ! 彼にだってさせてないのにこんなところ弄るなんて絶対ダメよ! しちゃうなら彼に……、あっやあぁ…、熱くないのにどうして熱いのぉ?」

 

 尻はもう椅子についてない。

 膝を曲げて股を開いたがに股で、彼女は前と後ろの穴へ指を入れている。

 男の腰つきに同期させて指を動かす。尻の穴へは第一関節までしか入らなかったのに、第二関節になってもまだ足りない。中指だけだったのに、薬指まで入ってしまう。

 

「うっ、ダメ、イク……、お尻で……」

 

(あ゛っあ゛っあ゛っぁああぁ! お尻で出しちゃダメっす、出すならおまんこでぇぇぇええ、あぁっぁあああああああああああぁぁぁあーーーーーっ!!)

 

「くぅっ!!」

 

 咄嗟に唇を噛んだ。

 切れて血が滲むのも気付かない。

 足腰がガクガクと震え、力が抜ける。

 下腹から熱い波が押し寄せ、体全体を包んでいく。

 

「あっ………………はぁ…………………………。あぁ、私……。こんなことを…………」

 

 椅子の上に戻った彼女は、目の前に両手を広げた。

 右手も左手も自身が分泌した汁に濡れ、我に返った今となっては異臭としか思えない匂いをさせている。

 

 

 

 姉の艶姿を覗きながら初めての自慰をしてしまったのは、覗きの罪悪感はなくとも虚無感が酷かった。

 何も得られないのにどうしてこんな馬鹿げた事をしてしまったのか。得られないどころか自尊心がガリガリと削られる。

 情けなくて涙が出そうになる。

 そこでようやく唇が切れていることに気付き、つくづく自分の愚かしさが嫌になった。

 とりあえず何かで手を拭って服を整えて、壁の向こうから気になることが聞こえてきた。

 

(あれ? 何してるんすか? 指?)

(指のサイズを見てるんだよ。ルプーちゃんの指はよく知ってるけど、きちんと確認したほういいからね)

(薬指! 大事なのは薬指っすよ! おにーさんに作ってもらう指輪は薬指につけるんすから!)

(作った後でも寸法は変えられるよ。だからそんなに慌てる必要はないさ)

(そーいう問題じゃないっすよ。ともかく、ルプーの指輪は左手の薬指っす! 絶対っすからね!)

(はいはい)

 

 彼女は、二人の会話を反芻した。

 

「……………………指輪? それも左手の薬指に?」

 

 それが何を意味するかを、ナーベラルはよく知っている。

 

 

 

 

 

 

 翌日もルプーちゃんは続く予定だったが、予定に反してルプスレギナは通常モードに戻った。

 利子はつけないからご褒美の続きはまた後で、という事らしい。

 

 実に今更ながら、ルプスレギナはこれまでを思い出した。

 セックスまでするのは三日に一度なのは、ソリュシャンを始めとして色々な女が増えてきたからだと思っていた。

 しかし、帝都のお屋敷で我が世の春を謳歌していた時も三日に一度だった。あの頃は手や口を日に何度も使っていたから、もっと頻度が高かったような気がしていただけで、セックスの頻度は今と変わってない。

 ねだれば時間が許す限り何度もしてくれたのに、どうして三日に一度だったのか。

 一晩中可愛がってもらえて、答えを思い出した。

 

 あれはナーベラルの言葉だったが、猿になってしまうのだ。

 あまりに気持ちよくて浸りすぎて元の世界に戻るのが困難になり、あーんされないと食事もとれない有様になる。それに懲りて三日に一度にしようと、理性ではなく体が決めたはずだったのだ。自己を保つための本能が機能したとも言う。

 それなら回復魔法を使えば、と言いたいところだが、回復魔法は肉体の損傷や疲労を癒やすのであって、ダメになった精神は時間経過でないと戻らない。なお、スライムエクスパンドズームパンチも同様の効果を発揮する。

 急ぎの用事は特にないのでスライムスキルは発揮されず、ルプスレギナは自室のベッドでうへうへしている。

 

「それでは冒険者組合に行ってきます。依頼次第では外泊することになるかも知れません」

「かしこまりました。どうかお気をつけて行ってらっしゃいませ」

 

 朝になれば、冒険者である漆黒の二人は冒険者としての活動を開始する。

 お二人は賓客であるため、お屋敷の暫定ご主人様である若旦那様が見送らないわけにはいかない。

 

「私に何か?」

 

 挨拶を交わしてさあ出発という段になって、美姫ナーベが若旦那様に手を差し出した。

 若旦那様は小首を傾げつつも、手を差し出されたのだから握手なのだろうと判断して手を握ろうとするが、すっと避けられる。

 

「そうじゃなくて、指」

「指?」

「指の太さ」

 

 握手にしては妙だった。

 ナーベが差し出したのは左手で、五指を大きく開いている。

 若旦那様は、ひとまずナーベの指を確認。見るだけで0.1ミリメートルのオーダーでわかるが、触ればその二つ下まで把握できる。

 

「確認しましたが、それが何か?」

 

 ナーベは、すっと若旦那様の耳に口を寄せ、小さく囁いた。

 

(私の指輪も作るのよ。左手の薬指。わかったわね?)

 

 若旦那様の応えを待つことなく、ナーベは身を翻し、

 

「モモンさん、行きましょう」

 

 モモン様より先に行ってしまい、慌てて戻ってからモモン様についてお屋敷を後にした。

 

 お嬢様はジト目で若旦那様を睨みつけた。

 

「お兄様はナーベラルに話してしまったんですか?」

「何も言ってないが……、どうせ幾つも試作するつもりだし、二個が三個になっても変わらないだろ」

 

 お嬢様はため息を吐いた。

 三個が四個になって、五、六、と増えるのが目に見えていた。




次回以降あれな都合でちょっと時空が歪むかもです
アルベドの計画発動前にあれとあれとあれを突っ込まねば
しかしそうするとアルベドの登場が遠のいてしまい、うーん

ハーメルンの仕様が変わり、助言もあって、あらすじを変えようと思ったのだけど思うだけで変えられない
変えても本文から抜粋するだけと思うんですが
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