下着姿になったシクススは涙目でメイド服を畳んだ。これで良いかと視線で男に問うと、真面目腐った顔で顎をしゃくってきた。続けよということだ。シクススは泣き顔でショーツに手を掛けた。
見守る男の態度はとても真剣なものである。下心あってシクススを辱めているわけではないのだ。シクススにぴったりのディルドを作るための調査である。シクススの愛らしさに惑わされず、見極めなければならない。ただし、自分の下心は否定しない。その時はディルドだけでは満足できないかも知れないシクススを助けてやればいい。
「こっちに」
「……はい。あっ」
下着姿からショーツだけ脱いだシクススを手招きし、近付いてきたのを抱き寄せる。綺麗な背中を撫でまわしつつ、ブラジャーのホックを外した。
「ぜんぶ……、脱がしちゃうんですか?」
「折角なら綺麗なシクススを見たいんだ」
「ご主人様がおっぱい見たいだけじゃないですか」
「否定はしない」
「ご主人様のエッチ! んっ! んぅ……、ちゅる……、んんっ……」
細い肩から肩紐を外しつつ、唇を重ねる。
キスはいつもの始まりのように互いの口内を舌でまさぐりあった。
シクススがディルドを使うに至るにはある程度の準備が必要だ。準備段階からじっくり鑑賞するのはとても興味深いが、シクススはまだ仕事が残っているらしい。時間を短縮するために手伝うのはとても合理的である。いやらしいことをしたいからではない。
ただし、下心は否定しない。その時はシクススの仕事が増えるかも知れないだけである。
▽
ソファに座った男の膝上にシクススがいる。横を向いて座るのは、シャルティア曰く大人の女の座り方。
男の上で裸になった大人の女なのに、シクススの太ももはぴったりと閉じられ、両手は股間の上で重ねられた。キスで少しは高ぶっても、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
始めは真逆だった。シクススは着衣のまま男のものを取り出し、あるいは半裸にさせ、手や口で慰めてきた。
真逆の今は、男は服を着ているのにシクススが着けているのはガーターストッキングだけ。
「俺も手伝うから、シクススがいつもしてるようにやってみるんだ」
「いつもしてるわけじゃ……。あんっ!」
たぷんたぷんと揺らしていた大きな乳房を、男が強めに鷲掴みした。
強めと言っても、盛り上がっている時はシクススも普通にされる強さ。けども、最初からされるのは少々痛みが勝ったらしい。シクススは眉を寄せて痛みを訴えた。
「い、いたいです……。もっと、優しくしてください……」
「シクススの分もしようと思ったら気が急いたんだよ」
「……ご主人様の噓つき、エッチ。私が自分でしてるのがそんなに見たいんですか?」
「勿論だ。とても見たい」
「ご主人様のエッチ! でもそんなに言うなら……。ご主人様も手伝ってくれるんですよね?」
「シクススが望む通りに」
「私がして欲しいって言うじゃなくて、ご主人様がしたいって言ってください」
シクスス的に重要なポイントである。
「俺がシクススを可愛がりたいんだ」
「それなら……」
股間の上で重なっていた手が上げられる。未だ閉じられた太ももに挟まれ、淡い金色の茂みが顔を出す。
シクススの左手は男の腕と交差して、右の乳房に触れた。右手はもう一度茂みの上に重なる。むっちりとした太ももの間を、掘り進むように少しずつ進んでいく。
「あっあっ……ごしゅじんさまぁ。キス、してください。ちゅっ……ちゅっちゅぅ……、んっ、れろ……」
愛らしい唇を啄み、啄まれ、シクススから舌を伸ばした。舌と舌が触れ合えば激しく求めあい、互いの口内を熱心に行き来する。温度が溶け合った唾液を啜り啜られ、シクススは強く吸った。
泡立った唾は甘露のよう。なめらかで甘い上に、心が喜び体が熱くなる。触れていただけの左手に力が入った。指が沈み、柔肉の形を変え始めた。
左の乳房はそれより先に進んでいる。ひんやりとしていた乳肉は薄っすらと汗ばんで、男の大きな手の平との密着感が強くなる。いやらしく揉まれ続け、乳首はとっくに立っている。
長く続いた口付けが終わって唇が離れると、シクススは熱っぽい目で男の目を見返した。
「この次はどうするんだ?」
「あ…………、おっぱいを揉んでると乳首が立っちゃうから……。摘まんだりして、んぅ……あっ、いやっ! ご主人様もしてください!」
シクススがすぐに答えられなかったのは、薄く唇を開いて舌を伸ばしていたから。
いつもの行為を説明しながら実践する。この期に及んで自分だけが摘まむのは恥ずかしいらしく、同じようにすることをねだった。二人でする時に自分の体を愛撫するのはいつもの事でも、色々な過程を経て挿入してからがほとんどだ。
「わかってるよ」
「はい……。あっ……、ご主人様やさしい……♡」
希望通りに優しく摘まんでやった。
男はシクススへ優しい微笑みを向けながら、観察を怠らない。
シクススが胸を揉んでいるのは左手だ。右手は股間に伸びていた。中指と薬指が太ももに挟まれて見えなくなっている。よくよく見れば、他愛ない話をしながらも手が僅かに動いている。
シクススから女の匂いが立ち上ってくるようだった。
「シクススはそろそろ準備が出来たかい?」
「……まだです。シクススはご主人様にしてもらわないとダメなんです。ご主人様が……シクススの子猫ちゃんを可愛がってください♡」
「もちろんだよ」
シクススに色々させようと思っても、いつの間にか色々する方に回るのはいつものことである。
「あんっ! クリちゃんさわっちゃダメですぅ、気持ちよくなっちゃうんですからぁ。あぁぁあんっ! ダメっていってるのにぃい♡」
「あっあっやぁっだめぇ……そんなにじっくり見ないでくださいぃ。ご主人様にいじめられて気持ちよくて…………、シクススのおまんこぬれちゃってるんですからぁ……」
「えっ? えっ? えぇっ! そんなのだめぇ……。舐めちゃダメなんですよ? 舐めるのは子猫ちゃんなんですからぁああぁあんっ♡ あん、やだぁ……はぅう……、なめちゃダメなんですぅ、あぁぁあんっ♡」
シクススのおねだりによって何をするかを指定されるのもいつもの事。ダメとかヤメテはして欲しいを意味するのだ。
まことアルベド様のお言葉は真言である。
荒い息を吐くのと同期して豊かな乳房が上下する。ソファに押し倒された姿勢で股を大きく開かされ、閉じられないよう男の手が太ももを押さえている。
愛欲に揺蕩っていた目が僅かな理性を取り戻し、潤んだ目で男を見つめた。
「あの…………、そろそろご主人様のおちんちんも……。私がペロペロしてあげますから」
何度も達していたシクススが、次を求め始めた。
いつもならシクススがここまで乱れる前に、手や口を使わせている。けども、今日の目的は違うのだ。
「シクススはディルドを忘れてるのかな?」
「あっ」
たっぷりの前戯はディルドを挿入するためである。シクススはバツが悪そうに、琥珀色の目を泳がせた。
「でも……」
「うっ」
シクススは男の手を避け、足を伸ばす。ガーターストッキングに包まれたつま先が男の股間に触れた。
「ご主人様のおちんちんはこんなに大きくなってますよ。私がしてあげますから」
「どこでこんな技を……」
調査のための下準備とはいえ、我慢するつもりがなかった男はズボンの下で股間を張り詰めさせていた。
それを、シクススはピンと伸ばしたつま先で優しくさすってきた。
足コキ、の前段階である。
アルベド様を筆頭に、何人もの女性を何度も抱いてきたが、足でされたことは一度もない。好んでいるプレイではないため、させようとは思わなかった。アルベド様に出会う以前に一生分の足コキをされていたからだ。
『お前には足でしてあげれば十分ね』と言われながらラナーにされたことが何度あったことか。
それをシクススからされている。
苦い屈辱の記憶が蘇るが、案外悪いものではないと感じるのが不思議だった。
それ以上に不思議なのは、シクススが足コキを知っている事。一体どこで覚えたのか。
「どこで覚えたかは秘密です♪ いつものようにお口でしてあげますね」
異本で覚えた技であることを告白出来るわけがない。
シクススは雌豹のポーズで男へにじり寄り、手慣れた手付きで服を脱がせる。逸物が跳ね上がって下腹を打った。
衣服は軽く畳んで隣のソファに。
長い髪をかき上げ耳に掛け、反り返った逸物の根元を握って先端を自分に向けて、目をつむってあーんと口を開ければ温かい吐息が男をくすぐり、
「待った!」
「……なんですか? ご主人様は口でして欲しいんじゃないんですか?」
上目遣いで責めるように言う。とてもではないが、泣き顔で許してと言った同一人物とは思えない。
「して欲しいのは確かだが」
キスをしてイチャイチャして、たっぷり前戯をしたら舐めてもらう。そうしたら次にすべきは決まっている。しかしそれではディルドの出番がなくなってしまう。
舐めてもらった後にディルドを使うのは不可能だ。入れたくなるに決まっている。しかし舐めてもらいたい。
難しいことは何もなかった。同時にすればよいのだ。
「ゆっくり入れるんですからね? いきなり奥までしたら怒りますよ?」
「わかってる」
ソファに横たわった男の上に、シクススが頭の向きを逆にして重なっている。
互いの性器を同時に舐めあう69の体勢。ただし、舐めるのはシクススだけ。男の手には白いディルドが握られている。
「それじゃシクスス、してくれ」
「…………はい。ご主人様のおちんちんをいっぱいペロペロしていっぱい気持ちよくしてあげますから、ご主人様はシクススの子猫ちゃんに優しくしてくださいね? 酷いことしたら泣いちゃうんですから」
「シクススに酷いことなんてしたことないだろう?」
「ご主人様の嘘つき。…………あーんっ……、んっんっ……、ちゅぷっ……。ご主人様のおちんちん、すごくおっきいです♡ あむっ、んー……。じゅぷぷ……ちゅうぅっ! ちゅっ」
逸物が温かく包まれる。柔らかくぬめった感触と思えば強く吸われ、尿道から吸い出されるのを感じる。
シクススの口淫は日課だったこともあり、とても具合がいい。どこをどんなリズムで責めればいいかわかっている。
頭は激しく振らず舌を使うのは、これで出させるつもりがなく、シクススとしても前戯のつもりだからだろう。
このままシクススの口を楽しんでいたくもあるが、しなければならないことがあった。
「あんっ。あんまり広げちゃ恥ずかしいですぅ。シクススの子猫ちゃんはご主人様に可愛がってもらったから……、おねだりしちゃってるんです。いっぱい濡れちゃってるのはご主人様のせいなんですからね?」
69でシクススの脚がこちらの顔を跨いでいるのだから、シクススの股間が目の前にあった。
淡い金色の陰毛は股間の三角地帯にだけ形よく茂り、陰唇や肛門の周りはつるりとしている。ラキュースとは大いに違うところで、そろそろ脱毛してやらないと思うがそれは後回し。
たっぷりと舐め中までよくほぐしたため、シクススの淫裂は薄く開いて赤ピンクの内側を覗かせていた。中はてらてらと濡れ光り、女の欲を訴えている。
クリトリスは包皮を被っている。少し触ってやれば膨らんで、剝けてくるのはさっき見たばかりだ。
こちらも口を使うなら控えめに見えて実はいやらしい肉芽に吸い付くところだが、用があるのはその上。
すべすべとして豊かな尻を掴んで引き寄せると、シクススは膝をつく位置を僅かに変える。割れ目が少しだけ下を向き、ということはさらに上にある尻の穴までよく見えた。
何度も使って茶褐色になってるラナーと違って、シクススの色は薄い。とても興味をそそられるが、我慢しなければならない。
「あっ! 本当に優しくゆっくりですからね!? 自分でする時だって最初はゆっくり入れるんですから!」
シクススが自分の手で入れてるところを是非観賞したかったものである。それはいつかの機会にとっておき、ディルドの先端をシクススの穴にあてがった。
己の勃起した逸物を参考に作ったディルドは、長さがあれば太さもある。シクススのディルドは最初に作った試作品で、持つ部分を考慮して長めにしてある。
どこまで入ってしまうのか。
亀頭を模した部分が柔らかい穴に入りきった。
「んうっ……。ゆっくりだったら、入れていいですから……」
白い棒がシクススの中に埋まっていく。外側に出てる部分がどんどん短くなるということは、他の部分がシクススの中に入っているということ。抵抗はややあるが、拒むというほどではない。
半分以上入ってもシクススに変わったところは見られない。きちんとフェラチオを続けている。
ディルドは亀頭を模した先端部が一番太く、竿部の太さは一定だ。シクススの雌穴は、ディルドを飲み込む広さまで開いたまま。
入れる前は小さかった穴がずっと開いたままでいるのは、入っているところを近くで見るのは初めてなのもあって新鮮な驚きがあった。
「奥まで、来たみたい、です」
外には持ち手の部分が少しだけ余っている。これ以上入れるとシクススの体を傷つけてしまう。
手で出し入れするなら深さを調節出来るだろうが、固定してシクススが腰を振る場合は勢いがついて深く入ってしまうかも知れない。そうならないよう新しく作るディルドは短くしてシクススの深さぴったりにするか、ストッパーをつけるかする必要がある。
それに気づいただけでも、ディルドを使った意味があった。
「痛くないかい?」
「大丈夫、です。ご主人様がいっぱいしてくれたから……」
シクススは、自分一人で慰めるより誰かにしてもらった方が、もっと言えば彼にしてもらった時の方がよく濡れて遥かに感じる。ほぐれ具合も相応で、太いディルドを難なく飲み込めてしまうくらいに。
同じ太さの逸物を受け入れるための準備なのだから、当然と言えば当然だ。
長さについては有用な知見が得られたが、太さについては要検討である。
「あんっ♡ 動かしちゃだめですぅ、あっやぁあんっ、じゅぽじゅぽしないでぇええ♡」
「口を忘れてるよ」
「だってだってぇええ♡ ご主人さま上手でぇ、あっあっあふぅうんっ♡」
可憐な唇はあえぐだけ。快感に悶えながらも逸物からは手を放さず、上下に扱く。
素晴らしい光景を目の当たりにしてる事もあり、萎える気配は全くない。ディルドの白とシクススの肉色が、印象的なコントラストを生み出している。
「あんっ、そこぉ……、中でぐりぐりしてるぅ♡ かたいのあたってますぅうう。そんなにいじめちゃダメなんですからぁ♡」
シクススが一人でディルドを使う時は息が荒くなって多少の嬌声をこぼすが、こうもあえぐことはない。
膣内に挿入されているのは逸物ではなくディルドであっても、自分でするのとされるのとでは全く違う。あちらは一人遊びに対して、こちらは行為の一環だ。
快感と充足感が違うのはもちろんのこと、シクススは本人が意識していないところで、男の興奮を煽ろうと乱れている。
股を開いて秘部を見せつけ、下の口から涎を垂らして快感に泣き叫ぶ。
シクススが乱れれば乱れるほど、ずっと握っている逸物に血が通う。
シクススは何度も浅く達して、ディルドが入ってからは深くなってきた。全身を包む波の予感から次はもっと深くなるのがわかっている。
いつも使ってるディルドでこうも感じてしまうのが意外であり驚きでもある。
深く達してしまったらしばらく動けなくなるが、ご主人様は休ませてくれない。ディルドを使わない時だって二度三度続けるのはいつもの事だ。続ける度に深くなって、最後は失神してしまうのは珍しいことではない。
今日は時間が早いから何度もすることはないだろうが、ディルドの次があるのは確実。とても気持ち良いけれど、浸りきってしまうと次の仕事が出来なくなる。
シクススは誘惑を断ち切って、声を上げた。
「シクススの子猫ちゃんばかり気持ちよくなって……。ご主人さまのおちんちんも気持ちよくなりたいですよね?」
先端の尿道口に透明な雫が滲むのを見て、シクススは無意識にぺろりと舐めた。
シクススに鈍感と告げられたばかりの男だが、こういう時は察しが良い。
「シクススはディルドじゃなくてちんこが欲しいのかな?」
「…………はい。シクススの子猫ちゃんに、食べさせてください♡」
「それならちゃんと言ってごらん。シクススは処女だった時もちゃんと言えただろう?」
「ご主人様のエッチ!」
シクススはこの男に処女を捧げる時、いやらしいおねだりを言わされている。
始めというのは肝心なもので、その時の経験がなければシクススがいやらしい言葉を口にすることはなかっただろう。
男の上から降りたシクススは、怒っているのを装って頬を膨らませる。
すぐに愛欲に蕩けた顔になり、男に抱き着いて裸体を絡めた。
言葉を発するエネルギーを蓄えるかのようにちゅっちゅと口付けを繰り返し、重なった唇の間からにちゃにちゃと粘着質な音を響かせ、男の耳に唇を寄せた。
いつもは凛々しいメイド長で、厳しい叱責や指導を飛ばす愛らしい唇が、小さく開いた。
「ご主人さまに可愛がられてシクススのおまんこはいっぱい気持ちよくなって、いっぱい濡れちゃってるんです。とろとろになっちゃってますから、ご主人さまのおっきなおちんちんでも全部入っちゃいます。シクススのおまんこにご主人さまのおちんちんを入れてください♡ いっぱい可愛がって、いっぱい愛してください」
ちゅっと頬に口付け、もう一度唇へ。
間近で見ると飲まれてしまうのを承知で、シクススは青と赤の目を覗き込んだ。
浮遊感がある。
現実感が薄れていくようなのに、逞しい体は確実に存在して、自分の体を抱きしめている。
シクススは男の吐息を吸い込み、唇が唇を掠める距離で思いを告げた。
「大好きなご主人さま、私だけのご主人さま。わたしの全部をもらってください♡」
いつもは凛々しいメイド長だが、二人きりの時は見栄を張る必要がない。
シクススの中には甘えん坊な子猫ちゃんが住んでいるのだ。
「シクスス……。それなら……」
一方、思いを告げられた男は冷静に思案していた。
シクススを抱くのは決定でも、抱き方がある。
この場はあくまでも、シクスス専用ディルドを作るための調査なのだ。長さ、太さ、形状はさておき、追加する新機能がきちんと使えるか試しておく必要があった。
男の提案に、シクススは渋った。
「ご主人さまの顔を見ながらがいいです」
「最後はそうするよ。大丈夫、シクススなら出来るさ」
「……わかりました」
男が大きく足を開いてソファに浅く座る。
シクススは男に背を向け、男の両膝に手を突いた。後ろを見ながらゆっくりと腰を落とせば、尻に熱いものが触れる。
「最初は何もしないからシクススが自分で入れてごらん」
「入れてくれないんですか?」
「シクススの練習だからね。上になったことは何回かあるだろう?」
「ありますけど……。全部前からだったし……」
シクススが好きなのは対面座位。座ったまま重なることがあれば、騎乗位から移行する時もある。どちらも互いに向き合った姿勢で、背中を向けて乗ったことは一度もなかった。背を向ける時は全て後背位だ。
シクススが背面座位に挑戦しているのは、固定したディルドに乗るのを想定した練習である。
ベッドなら騎乗位でも良かったが、ソファだとやや手狭だった。
シクススも少しだけ股を開き、股の間に手を入れて逸物の角度を合わせる。
尻の割れ目に亀頭を滑らせ、入り口に触れた。
そのまま入れようにも、シクスス側の角度があってない。このまま入れようとすると、アルベドが男が寝てる時を襲った時のような惨劇が発生する。
初めての体位でも、セックス自体は何度もしているシクススだ。後ろから入れられる時はどうすれば良いかわかっている。
体を前に倒しつつ背を反らして尻を突き出す。その姿勢で腰を落とせば、入り口に入ってきた。
「大丈夫だよ。シクススの好きなようにしてごらん」
「はぃ。……んぅ……、入って、きてます♡」
さっきまで入っていたディルドと近い形状でも、道具と愛しい男の一部とでは全然違う。
入れている、あるいは咥えられている方も、途切れ途切れだったフェラチオと違って、隙間なく包まれるのはとても気持ちがいい。
入り始めたのでシクススは逸物から手を離し、再度男の両膝に手を突いた。
「あ……、んっ!」
シクススの尻が男の下腹にぶつかった。
尻はすぐに離れ、戻ってくる。肉が肉を打ってパンと鳴った。
「はぁ……んっ、あっ、あっ、ご主人さまっ、きもちいですかっ?」
「ああ、だけど俺よりシクススだ。俺のちんこを貸すから、イクまで動くんだ」
「あっあっ、やっ、そんなぁ……。ご主人さまもぉ! いっしょにぃ! あんっ♡」
「シクススの練習だって言ったろ? 俺はこっちだ」
「あんっ♡ おっぱいさわるなんてぇ♡ いっぱいさわってください♡ ご主人さまのおちんちんはっ、シクススのおまんこで、きもちよくしますからぁ♡」
シクススが腰を振る度に揺れる豊かな乳房は、男が後ろから鷲掴みする。
むにむにと揉んで柔らかさを楽しみ、尖った乳首は摘まんで抓って引っ張って、シクススの甘い声が高くなる。
慣れない体位で、滅多にやらないシクスス上位で、それでも男を受け入れていることに変わりはない。
自分を貫くために固く滾らせて、体の中に入ってきている。
胸を揉まれるのが気持ち良ければ、触られる全てが心地よい。
体も頭も痺れるようで、味とも匂いともつかない何かがこみ上げている。
口はずっと開いたままで、快感にあえぐかいやらしい言葉を口走るか。
(またおまんこって言っちゃった。だっておまんこって言うとご主人さまは興奮するみたいだし。それにエッチなこと言っちゃうと、私もなんだか……夢中になっちゃう? ご主人さましか見えなくなっちゃう? でもご主人さまと私の二人きりだし。エッチになっても大丈夫だから。シクススのエッチな子猫ちゃんは、ご主人さまのおっきなおちんちんを食べさせてもらってすっごい悦んでるの。……こんなこと言っちゃったらエッチすぎる? それとも喜んでくれる? 私をエッチにしたのはご主人さまなんだからご主人さまに責任があるにきまってるわ)
内心の思いは、途中から口に出た。
自分の言葉でますます高ぶり、快感が深くなっていく。
男は全く動かないまま、ディルドの時よりずっと深いところに辿り着こうとして、
「ただいまー。外すっごい暑くて帰ってきましたー……、って」
第三者の声が響いた。
二人が使うソファは窓に背を向けている。
声の主はふわりと宙に浮かび、窓辺から一足で二人の前に降り立った。
少女はまるい目で二人を見て数秒後、
「お父様とシクススがセックスしてるーーーーーーーっ!」
「ソフィー様!? ヤダダメ、見ないでくださいッッ!!」
「こら、大声を出すな。はしたない」
全身を赤く染めて胸を隠すシクススとは対照的に、男はこんな時も冷静だった。
暑いので帰ってきました
38度とかバカじゃなかろうか