「ま、気のせいでありんしょう!」
さすがのシャルティアは小さな事を気にしなかった。
五感が鋭くても注意力がない、或いは目先の楽しみを優先させる。それだけ読書にハマったとも言えた。
お仕事であればお供のヴァンパイア・ブライドたちから進言される。プライベートの今は何を優先しようと問題なし。小さな物音はきっと気のせいである。
もしも読んでいたのがミステリーかサスペンスかホラーだったら大事件の兆しを嗅ぎ取って注意したかも知れないが、読んでいるのは鉱物図鑑。そもそもシャルティアが文字ばかりの本を読むわけがなかった。読むならば最低でも5ページに1ページ以上の挿絵が必要である。文字の大きさと漢字の頻度も重要だ。
些事を気に掛けることなく読書に戻ろうと本に目を落とし、ふと顔を上げた。
「……何か臭いんすね」
すんすんと鼻を鳴らす。
第九階層はいつでもどこでも清浄だ。おかしな臭いがすることはない。匂うとすれば品の良い香を誰かが薫いたか、甘いお菓子か香り高い紅茶か。
嗅ぎ取った臭いはいずれでもない。
「これは……いやらしい匂いでありんしょうか?」
シャルティアの呟きに、クローゼットの二人は体を強張らせた。
二人が隠れるクローゼットの扉はルーバータイプ。細長い羽板を幾本も斜めに取り付けたものだ。とても通気性が良い。と同時に羽板と羽板の隙間に埃が溜まりやすい構造であり、メイドたちがマツイ棒を使って掃除に勤しんでいるのは余談である。
しばし難しい顔で鼻をひくつかせていたシャルティアは、目を見開いて叫んだ。
「むむ……、このグリーンオブシディアンライトのような匂いは…………エッチなおつゆの匂いでありんす!!」
((!!))
読んでいた本から引用である。シャルティアの知性が光った。
しかし、グリーンオブシディアンライトのような匂いと言っても誰にも伝わらない。きっとシャルティア自身にもわからない。それ以前にグリーンオブシディアンライトと云う名の鉱石はない。図鑑から拾い上げた単語を出鱈目につなぎ合わせただけである。
シャルティアの語彙能力がなんであれ、真実を嗅ぎ取ったのは確かだった。
クローゼットの内部では男と女が交じり合っている。内部には淫臭が充満していた。ルーバーの隙間から匂いが漏れ、シャルティアのところまで届いてしまったようだ。眼鏡を落として音を立てていなくとも、いずれは気付かれていた事だろう。
(ちょっと離れて!)
(残念ですが、仕方ありませんね)
深く達してはいたけれど、虚脱するほどではなかったユリは最大限に理性を働かせ、男から離れるや否やメイド服のスカートを下ろす。匂いの発生源はユリの秘部がほとんどなのだ。
それだけで匂い全てが消えるわけがなかったが、新たに供給されることもない。シャルティアは小首を傾げて部屋を見回した。
「うむむ? 確かに匂いんすが……、薄くなってきたような気も。いや、薄くてもちゃんと匂いんす! 誰かがおまんこを濡らしてるのに違いありんせん!」
シャルティアが、ついにソファーから立ち上がってしまった。
発生源は突き止めてないようだが、広い部屋でも一室の内部を隅から隅まで探すのに時間は掛からない。
(これは時間の問題ですね)
(黙って!)
呑気な男とは対照的に、ユリは真剣そのものだ。
もしもシャルティアに見つかってしまったら、あへあへのトロトロのねちょねちょのぬぷぬぷ、では済みそうにない。ただ隠れているだけではなく、セックスをしてしまっている。何をされてしまうのか、ユリの想像を越えた。
(ユリさんがスカートを下ろしても、臭いの元はここにもありますから。それに途中でしたからいささか辛く感じてしまいます。これはシャルティア様にお願いするべきでしょうか?)
(君ってやつはあぁぁぁあ!)
ある程度すっきりしたユリと違って、男はまだ果てていない。屹立した逸物はユリの汁に塗れている。
(……してやるから絶対に声を出すんじゃないぞ!)
(わざと見つかるようなことは何もしていませんよ)
(いいから黙ってじっとしてろ!)
ユリは奉仕の心云々を綺麗に忘れていた。それどころではないのだから仕方ない。命が掛かっている。命が大袈裟なら尊厳だ。見つかったら生きていけないような目に遭ってしまう。
(おお?)
ユリは意識をクローゼットの外から男へ戻すと、両手で頭を押さえた。そのまま持ち上げ、頭部をきゅっぽんと首から外した。
デュラハンであるユリは、頭の取り外しが可能なのである。
取り外した頭をお腹の位置にまで下げれば、何をしようとしているのか男へ伝わった。
(うむぅっ!!)
ユリの口目掛けて、男は腰を突き出した。
長い逸物はユリの口の中へ入って行き、先端は喉奥を打って更に進もうとして、陰毛がユリの唇に触れた。
(うぅ……)
男の逸物は根元までユリの愛液に濡れているのだから、ユリの匂いを放っている。匂いの拡散を止めなければならない。続きを求める男は、シャルティアを選ぼうとした。
匂いの元を隠し、男へ愛撫する。双方を同時に満たすためにユリが選んだのが、口淫だった。
クローゼットの中は狭いので、この場に屈んでするのは難しい。だから頭部を取り外したのだ。
(う゛っ……! ぐぐ……)
根元まで隠さないと匂いを止めきれない。ユリの唇は逸物の根元を包み、上唇は陰毛にくすぐられる。
その程度ならいいが、中では喉奥に届いている。
呼吸の必要がないアンデッドであるとは言え、喉の奥に触れられるのは異物感が酷い。耐えられない苦しさではないが、許されるなら咳き込んでしまいたい。
(ん゛っ!? ん゛ーーっ!! ん゛ーーっ!!)
ただでさえ大変なのに、男が腰を動かし始めた。
ゆっくりと出てゆっくりと戻り、あまつさえ胸に触れてくる。
(舌も使ってください)
勝手な事をと言いたかったが、もしも要求に応えないで裏切られたら尊厳の死だ。
受け入れるために縮こまらせた舌を逸物に押し当てた。動かせと言ってもどう動かせばいいかわからない。一先ず経験のある口の使い方をしてみた。
唇で根元を強めに挟み、入っているものを吸って頬を窄める。頬の内側の粘膜が逸物に密着して、口の中が温かくなってきた。
間違ってはいなかったようで、男は腰を突き出したまま動かなくなった。
(おお……!)
されるよりする方が苦しくない。
ユリはゆっくりと頭を引き、再度押し込む。逸物が多少外気に触れるが、濡れていたものは全て舐めとり吸い取った。
大人しくしていてくれるなら、このくらいは構わない。
「むーん……。あんまり匂わなくなったでありんすね。気のせいじゃないと思いんすが? うーん、むーん……」
シャルティアはソファーから立ち上がって三歩進んだが、そこで手掛かりが途切れてしまった。
クローゼットの中の二人には幸いな事に、手当たり次第探す気はないらしい。更に幸運な事に、シャルティアが進んだ方向はクローゼットから遠ざかっている。
「シャルティア様、失礼いたします。経過報告に参りました」
その時、ノックの音もドアを開ける音もなく、第三者の声が響いた。
ナザリックには転移系の魔法を使ってドアを使うことなく移動できる者もいる。代表がシャルティアだ。しかし現れた第三者はそんな大仰な事をしたわけではなく、単にシャルティアがドアを開け放っていただけであった。
二人のヴァンパイア・ブライドはシャルティアの前に跪き、深く頭を垂れる。
「報告いたします。第十第九階層を」
報告の途中で突然言葉を止めた。シャルティアが発言する気配を察知したからだ。顔を伏せていようと、ヴァンパイア・ブライドたちにとってシャルティアの行動を察するのは容易い。ヴァンパイア・ブライドは全員がスキル「気察知(シャルティア専用)」を取得しているのだ。
シャルティアは、重々しい声でこう言った。
「お前たち、おまんこを濡らしていんすか?」
「「勿論でございます」」
二人のヴァンパイア・ブライドは、間髪入れずに答えた。
「兄上様がナザリックに訪問していると聞いて、股を濡らさないヴァンパイア・ブライドは一人もおりません」
守護者統括相談役をシャルティアのシモベであるヴァンパイア・ブライドたちが呼ぶときは『兄上様』とする事が正式決定していた。元々はヴァンパイア・ブライドたちを班分けした第五班が呼び始めたものが、他班との会議を経て他の候補を選別し、更に全ヴァンパイア・ブライドを対象とした投票で決定した。
「誰もがそのようになってしまうと予想することは容易でありましたため、シャルティア様からパンツの装着をお許し願ったのでございます」
ヴァンパイア・ブライドの衣装はシャルティア好みのエロ衣装。一見ロングスカートだが、サイドにはルプスレギナのメイド服より深いスリットが入っている。スカートには到底見えない帯状の前垂れの者も多い。もしもパンツを穿いていたら横から見えてしまう。見えてしまったら大変見苦しいため、下着を着けない。もちろん上だってノーブラである。
平時ならそれで良かったが、相談役がいると聞いただけで濡らしてしまう。そうなると遮るものがないため、太ももを伝って流れてしまうのだ。それを留めるために、パンツ着用の許可をシャルティアから得ていた。ヴァンパイア・ブライドのみならず、吸血鬼はおつゆが多いのだ。
「シリーなどは兄上様がいらしたと聞いただけで気をやってしまいました」
シリーはヴァンパイア・ブライド・エリートシックスの一人で、第二班のリーダーである。
第二班は過日の抱っこ耐久の折、相談役がデミウルゴス様に面会する際に抱っこを逃れる事を黙秘する対価に相談役との一時を望んだ。シリー以外のヴァンパイア・ブライドは、三人一組で事に臨んだ。シリーの時は一人だ。シリーは、ナザリックを発った馬車がエ・ランテルのお屋敷に着くまでの数時間を、たった一人で相談役から責められた。その時の経験が心身に深く刻まれているようだ。
「もしやすると兄上様は……遠隔セックスが可能なのではないでしょうか?」
「!?」
シャルティアの脳髄に魔法最強化したチェイン・ドラゴン・ライトニングを撃ち込まれたかの如き衝撃が走った。
「ありうる!」
(ねーよ!)
クローゼットの中の男は反射的に突っ込んでいた。ユリを気遣って、声は出していない。デュラハンイラマチオに励んでいるユリには聞こえていなかったようだ。
かつてのシャルティアは、気分次第でヴァンパイア・ブライドたちの首を物理的に飛ばしていた。故に、全ヴァンパイア・ブライドが「気察知(シャルティア専用)」を取得するのは必須だった。
それを大事に扱うようにと男から忠告され、渋々と従ったところアインズ様からの任務を果たすことが出来、評価も上がった。シャルティアがシモベであるヴァンパイア・ブライドたちにお土産を持っていった時などは、アインズは感情抑制を発動するほどに感動してしまった。
また、ヴァンパイア・ブライドたちは長く生存することによって経験と知識が蓄積してきた。戦闘面では連携が格段に上達した。以前は一対一で人間の剣士に手こずった事もあるが、今や複数体による連携で完全に封殺できることだろう。
ベッドの上での連携も上達している。シャルティアのどこをどのようにどんな順番で責めるか、それぞれの強弱も完璧だ。相談役による指導があってこそ上達したわけだが、彼女たちの経験と努力が実ってきたのは言うまでもない。
中々使えるようになってきたヴァンパイア・ブライドたちに、シャルティアは愛着を抱き始めた。今や彼女らの首を飛ばすどころか、危機あらば助ける事だろう。
しかし、良い事ばかりではなかった。
ヴァンパイア・ブライドたちはシャルティアに長く接し続けてきたため、シャルティアが感染ってしまったのだ。
「お前たちは私が100レベルなのを知っていんすね?」
「「存じ上げております」」
「ここだけの話でありんすが……、お兄ちゃんのレベルは3,500でありんす」
「「!!!」」
跪く二人は絶句した。
これまで最高レベルは100だと思っていたのに、それを遥かに超えている。戦闘になれば、勝利の可能性を考えるだけ無駄なレベル差であった。
「ちっとは考えてみなんし。お前らお兄ちゃんと二人きりになったら勝てると思いんすか?」
「「……絶対に無理でございます」」
シャルティアはベッドの上を想定していたが、二人は戦闘になることを考えた。
初手で致命の一撃を与えられれば良いが、初手を繰り出す前に血を流されたらそれだけで酔ってしまう。戦闘どころか冷静に判断することすら不可能となる。そして一滴でも口に入ったら足腰が立たなくなる。勝てるわけがない。
シャルティアが「吸血鬼泣かせの血」と称したのは伊達ではなかった。
「二人じゃなくてお前ら全員でも無理でありんす。お兄ちゃんに蹂躙されるのも、それはそれで楽しそうでありんすが」
前回、シャルティアと
「アルベドと話はつけんした。今日は難しいかも知れんせんが、これからはお前たちにもいい目を見せてあげりんしょう!」
「「さすがはシャルティア様でございます!」」
シャルティアと二人の齟齬がようやく埋まった。
そしてようやっと報告再開である。
「第十第九階層を全て捜索いたしました」
「シャルティア様のお名前でも入れない部屋がございました。ですが、メイドたちから聞き取りを行っております。兄上様がそのような場所にいる可能性はございません」
「他の者たちは待機させております。お許しいただけるのでしたら、第七階層の捜索を始めたいと存じます」
「デミウルゴス様の守護階層であるため、まずはシャルティア様にご報告をと判断いたしました」
「デミウルゴスのとこでありんすか。お兄ちゃんはデミウルゴスと仲良しみたいでありんすから……」
先に抱っこ耐久を課した時も、真っ先にデミウルゴスのところに向かったと報告を受けている。
デミウルゴスはシャルティアと階級を同じくする階層守護者だ。シャルティアがデミウルゴスの守護階層に赴いても問題はない。問題は、デミウルゴスは難しい話をする事だ。
「うーーー。仕方ありんせん。お前らを行かせるわけにはいきんせんから私がデミウルゴスと話をつけんしょう」
シャルティアが嗅ぎ取ったいやらしい匂いは、ヴァンパイア・ブライドのおつゆと言う事になったらしい。
もはや部屋のどこかから発生していたと思う事はない。デミウルゴスと対峙するために気合を入れ、部屋を出て行った。
僅かに遅れて二人のヴァンパイア・ブライドが続き、出る時はきちんと部屋のドアを閉めて行った。
クローゼットの中の男は、ふうと安堵の息を吐いた。
▽
「あっ? なに?」
男は無言でユリの口から逸物を引き抜き、頭部を正しい位置に戻した。次いで頬を撫で、乱れた髪を直す。
「シャルティア様は……」
ユリが口淫している間に、シャルティアは部屋を出て行ったらしい。
部屋に誰もいないならクローゼットに隠れている必要はない。クローゼットから外に出て、シャルティアに見つからないよう部屋を出ればよい。
彼の方はシャルティアから探されているようなので仕方ない。それを言うなら自分もそうだが、それはそれ。寝所を共に、などと無茶なことを要求されたら毅然と断れば済む話である。いたしていた現場を押さえられなければ大丈夫だ。最初からそうしていたらクローゼットに隠れることはなかったと思い至り、ちょっぴり頭痛が痛くなった。
「いないみたいだね。それじゃすぐに部屋を出て……? ちょっと!」
クローゼットの扉を開けようとしたところで、男に阻まれた。スカートを大きく捲られ、閉じ込められていた淫臭がむわっと広がる。
男を押し退けようと手を伸ばしたが、狭いクローゼットの中では距離を取れない。
「何するんだよ! それどころじゃないだろ! 早くここから出ないと!」
「続きをするに決まっているでしょう?」
「待って!?」
スカートの中に潜った手が、太ももを抱え持った。片足立ちにされ、よろめいて背中が壁にぶつかった。
太ももはさっきよりも高く上げられ、と言う事はそれだけ大きく股を開かされている。
ユリはシャルティアに見つかる恐怖を忘れようとして、口淫に集中していた。夢中になって逸物をしゃぶって吸って舐めていたのだから、感じるものがあった。
胸をずっと揉まれていた。乱暴に、時に優しく。尖らせた乳首が見逃されるわけがなく、摘ままれ転がされ、引っ張られた。
乾くわけがなく、むしろ潤いが増している。
そして寸前までセックスをしていた。淫裂は緩く開いたままだ。
股を大きく開かされて、淫裂に隠れていた膣口も開いてしまった。
「あうぅっ!」
ユリがずっとしゃぶって固さを保っていた逸物が、膣に突き立てられた。
口を押えていなかったので、衝撃と熱さと充足感に声を抑えられなかった。
脚の開き方が違うからか、さっきより深いところまで来ている。最奥にきて、更に圧されているのを感じた。
「ユリさんの奥にぶつかってるのがわかりますよ」
「ばっ……ばかあっ! こんなことしてる場合じゃ、はううぅぅっ!?」
ユリは自分の体を支えようとして、壁に両手を突いた。それがいけなかった。
ユリの体が倒れてしまったら、狭いクローゼットの中では行為が出来ない。しかし、自分で自分の体を支えてくれるなら、男はユリの姿勢を気にする必要がない。
男が抱えたのはユリの左太もも。右脚は爪先立ちを頑張っていた。その右脚も、男は抱え持った。
ユリの足は両方とも床についてない。ユリの体を支えるのは男が抱える太ももと壁に預けた背中と両手、それと男と繋がっている部分だけ。繋がった部分が一層深くなった。
駅弁と似てるようで全く違う。駅弁なら女の体が逃げないよう押さえなければならないが、ユリは壁を背にしている。駅弁や立位よりも正常位に似ていた。
「ま、まてってぇっ! ああんっ!」
「声を抑えられないのですか?」
ユリの体が壁からずり落ちそうになっても、男が下から突き上げる。入るところまで入りきって、体の重さを支えられる。
数度往復すれば互いに要点がわかってきた。
ユリは中を抉られても体勢を崩さないように男に抱きついて、男の方はリズムよく腰を打ち付ける。微妙に角度を変えて、ユリが好きなところを擦るのも忘れない。
「うっ、うっ、あっあぅうっ! らめらってぇ……!」
シャルティアは部屋を出て行ったのだから、ユリは一刻も早くこの場から離れたかった。
なのに行為を続けている。何度も止めてと口にしているが、体は応えてしまっていた。
「声が可愛らしくなってきましたよ? ユリさんも楽しんでいただけているようですね」
「なっ、なにいって……あんっ! あっ、やんっ……。はやく、おわってぇぇえ……! くぅうぅっ……!」
ユリの両足は宙を掻き、靴の中で爪先がきゅっと折り曲げられた。一番奥まで貫かれていたので、膣肉が満遍なく逸物を締め付けた。
ユリがピクピクと震えている間、男は注挿を止めて蠕動する肉ひだを楽しんでいる。
吸血鬼と同じアンデッドであるユリは汁気が多く、結合部からポタリと雫が落ちた。
「早く終わって? どういった状態を指すんですか? ユリさんはいったばかりでしょう。もっと感じたいんですか?」
「そうじゃ、なくてぇ……」
シャルティアが部屋にいた時の緊張感が残っているのか、早くこの場を逃れたいのか、ユリはされるがままでいる。それが男の征服欲を大いに煽った。
ベッドの上で奔放に振舞われるのも、快感と羞恥に悶える姿も素晴らしい。やはりユリには恥じらいを捨てずに淑女のようでいて欲しい。そして当然のことながら、淑女が乱れる姿もとても素晴らしいのは真理である。
「あっ、んぅ……。おまんこに、だしてよぉ……」
ユリが男の顔を見つめれば、怪訝に笑って首を傾げていた。
何を言ってるかわかってるはずなのに、知らない振りをされるのは少しだけ頭に来た。と思っても、中で1ミリでも動かれると霧散する。自分の中に彼の熱いものが来ているのを意識すると、こんなところでこんな事をと恥ずかしくなる。繋がっているのが嬉しくなる。
何よりも気持ちよい。体が勝手に反応して、首筋に回した腕に力が入れば口は半開きになって舌を出してしまい、入っているものを締め付けてしまう。
注挿は止まる事があっても、一定以上の激しさにはならない。ユリは何度かしてきた経験から、男が出すにはそれなりの圧力と速さが要る事を知っている。胸でした時に乳圧がどうのと言われたのを覚えていた。激しくならないと言う事は、まだ終わる気がないと言う事だ。
繋がってゆっくり動いてもらうだけでとても気持ちいいのだから、このままずっと、とは言えない。早く終わらせて欲しいと思うのも本当なのだ。
さっきからそう言っているのにわからない振りをされるのは、恥ずかしい事を言わせたいのだと察しがついた。
「あっ、あっ、だからあぁ……。おまんこにだしてぇ! ボクの中にせいえき出して欲しいのぉ! ひゃんっ!」
太ももを支えていた手が尻に回った。ユリは咄嗟に両脚を男の腰に絡め、両足首を引っ掻けてロックする。ベッドの上なら大好きホールドと言われる形だ。
「中に出して欲しいんですか? ユリさんはいやらしい事を仰るんですね」
「なっ!? いやらしいのは君だろ!」
「仰せの通りです。それはユリさんがいやらしい事を否定するわけではありませんよ?」
「うぅ……。あんっ……、はなしてるときはぁあぁっ! うっ! あっ、あっ、やんっ、らめえぇ…………っ!」
甘い声が高くなってきた。
ユリは言葉を交わすために男の顔を見ていたのに、力が入って男の肩に顎を乗せる。目は固く瞑って唇を噛んだ。
口を押えられていた時は構わずに没入できたが、今は自分で抑えなければならない。手を使えないので、耐えるしかなかった。
耐えてるつもりでもくぐもった声が何度も漏れて、男から喘ぎ声が出てると指摘される。
それでもそれなりに声は抑えられ、クローゼットの中には粘着質な水音が大きく響いた。
「ふぅ……あうぅ……、はっ、あっ! あんっ♡ んっ…………、くっ、んっんっ……!」
ユリの中に入れているだけで気持ちよいし、健気に耐えようとする姿も可愛らしい。
少しだけ休ませてから動くと、可愛い声で鳴いてくれる。
それが心にも体にも楽しくて、何度もやってしまっていた。
ユリの方も、締め付け具合から感じているのが伝わってくる。
「あぁ……そっちらめらからぁ……」
挿入しながらユリの尻を掴んでいるので、ユリの股間は前を向いている。奥まで入れるのが楽な上に、尻を揉める一石二鳥である。
尻を撫でる段階はとっくに通り越して、指が食い込むほど強く尻肉を掴み、伸ばした指は尻の割れ目に届く。侵入を許したばかりの穴は、容易く指を飲み込んだ。
尻を掴んでいなければならないので抜き差しは出来なくても、肛門が締まってくるのは感じられる。
「ユリさんがいくと肛門も締まるんですね」
「くぅううううぅ………………!」
ユリは悔し涙を見せた。
辱められている言葉は、全部その通りだった。
それが恥ずかしくて悔しくて気持ちよくて逃げられなくて、体のみならず心まで支配されているのを感じてしまう。
「ほら、また締まった」
「うぅ……、もうやめてよぉ……!」
涙がぽろぽろと落ちてくる。
涙が浮かんだだけなら兎も角、流れてしまって懇願している時点で、悔し涙ではなくなっていた。
「私は本当のことを言ってるだけですよ? ユリさんが悦んでくれて嬉しいんです。ユリさんがいやらしい体をしていて本当に良かった」
「だからやめろよぉ……。いじわるするなぁ……」
「意地悪のつもりはないんですが」
勿論意地悪のつもりだった。
完璧な淑女然としているユリが泣いているのはとても心に来る。このままもっと泣かせたら、と思ってしまう。
しかしそこまですると、耐え忍んだ仕上げの開放が難しくなってしまう。
ユリを泣かせたまま自分だけ終わるのは本意ではないのだ。というか、それをやってしまうと色々なところからとても責められる。
後で起こる事をどうして今恐れるのか、と真顔で言う男なのでただ責められるだけなら苦にしないが、そこにアルベドが加わる可能性が高いなら話は別である。特にユリは、アルベドとナーベラルを交えて4Pをした事がある。
この男であっても、冒せる危険と冒せない危険があった。
「いつもお綺麗なユリさんがとても可愛らしいので、もっと可愛らしいところを引き出したくなったんです」
「なにいってるんだよぉ……」
「意地悪と言いましたが、エ・ランテルのユリさんの部屋でした時はもっと色々な事を言ってくれたでしょう?」
「なにいってるんだよ!?」
男が帝都に左遷中だった時の事だ。
セバスとの対話を求めた男が一時的にエ・ランテルに戻り、たまたま城に来ていたユリの仕事を手伝った。
その対価、というと順序が逆だが、たっぷりやった。口でも中でも、胸ですることも覚えさせた。
「ユリは俺の妻になるんだから、愛したくなるのは当然だろう?」
「!!!」
女との関係で、結婚をちらつかせる男は悪い男だと決まっている。
尤も、既にアルベドとアインズに通した話であるので決定と言ってよい。
「シャルティア様はとっくに部屋を出てる。ユリが声を我慢する必要はないんだ。ユリが本当に感じてるのか、俺に教えてくれないか?」
「わっ……わかってるだろ!」
締まってるとかいってるだろとか言われている。わかってる事をわざわざ教えろと云うのは、馬鹿にされてるようにも感じる。
「ユリの声が好きなんだよ」
「う……」
「我慢しないで聞かせてごらん」
「うっ……あっ…………」
話してる間は止まっていた動きが再開した。
中から引き抜かれて、抜け切る前に戻って奥まで叩きつけられる。尻を掴む手にも力が入って、ぎゅっと握られた。
あっと開いた口には口が被さってきて、舌を吸い出され唾を啜られる。
ユリはぎゅっと抱き着いて舌に応えた。耳の中でくちくちくちゅくちゅと鳴り、クローゼットの内部はぱんぱんぐちゅぐちょと鳴り響いた。狭い場所だから、いつもよりずっと大きく聞こえる。
「あっ、……んっ♡」
全身が甘く痺れている。
今ここがどこであるか、わからなくなってきた。
そんな些細な事がわからなくても、愛しい男と体を交えているのは確かな事だ。
自由に動けなくても、出来る事は無限にある。
「あっあっあんっ♡ あんっ♡ おちんちんきてるのぉおお♡ おまんことってもきもちいいのおおおおおーーーっ♡」
壁を突き破るように、快感を叫んだ。
男の首にぶら下がるように両手を組んで、背中を壁に押し付けながら腰を突き出す。下を向けば大きな乳房が邪魔しても、繋がっているのが僅かに見える。見えなくても貫かれているのはわかっている。
大きな逸物が行き来する度に、膣が押し広げられて奥まで届く。奥の壁をとんとんと圧されれば、堪らなくなってしまう。
(あぁ……、もうだめ! こんなところでセックスしてちゃいけないのに、何回もイッちゃってる! してって言ったのボクからだし、いっぱい意地悪な事言われちゃったし、泣いちゃったし……。でも……。なんでこんなに幸せなの? おちんちん入ってるだけでキュンキュンしちゃってる♡ おまんこの奥の……、子宮? 精液が入っちゃうとこだよね? そこがキュンってして……、体も熱くなって……。うぅ…………、こいつってエッチで意地悪でルプーたちやシズにエントマもって言ってたよな! 見境なさすぎだろ! なのに、なんでこんなカッコいいんだよぉ……。ボクの全部を愛してくれて……)
「愛してるよ。愛してるから、ユリの全てを見たいんだ」
「!?!??!?」
ユリの内心の独白に応えるようなタイミングで囁かれる愛の言葉は、ソリュシャンを始めとしたたくさんの女からの施されてきた教育の成果である。
ユリはそんな事を知る由もないし、仮に知っていたとしてもこの瞬間は忘れていたに違いない。
ビクンと腰を跳ねさせ膣が締まって膣壁は蠕動し、子宮も下がった。乳首は痛いほど勃起して、呆けたように開いた口からは掠れた声しか出てこない。潤んだ瞳は暗がりにもキラキラと輝いて、男の顔だけを映している。
男の顔だけである。視界の範囲的にクローゼットの内部も映っているはずだが、ユリには全く見えてない。
「しっかり俺にしがみつくんだ」
「あっぶな……!」
足首のロックを強めなければ、床に落ちてしまうところだった。
男は両手で尻を掴んでいたのに、左手が離れた。右手は中指が尻の穴に入っている。
「んっ……、おっぱいなんて、いくらでも触っていいのに」
「いま触りたいんだよ」
左手がユリの乳房を握りしめた。
愛撫の時とは違う乱暴な触り方で、指が乳肉に食い込んだ。強めの愛撫でも、今のユリには強く男を感じられるとしか思わない。
胸を揉まれながら腰を打ち付けられ、数度の注挿を経たら右手も前に回ってきた。
ユリは男にしがみついて離れない。両手と両脚の全身を使ってくっついている。
一番肝心なところは力強く支えられ、ユリの体は上下に弾んだ。
ユリは耐えも我慢もしなかった。
「あんっ♡ あんっ♡ あひぃいぃっ♡ ちくびとれちゃ……あぁぁぁあんっっ♡ あんっ、こんなのぉおお♡ んっちゅううぅうう……」
どちらから唇を求めているかわからない。
但し、男は適度に吸ってもユリは下の口に集中して、唇が離れる時は唾液の糸が長く引いた。
集中しているだけあってきちんと締める。男が終わるには速さと圧力が必要と体で分かっている。それに締めれば締めるほど、自分の中に来ている事を実感できた。
いつぞやのようにユリの頭部を分離して二人の真下に置けば、ユリの膣口がめいっぱい広げられて太い逸物を受け入れているのが見えていた。それよりも、ぽたりぽたりと垂れる雫に視界を邪魔されるかも知れない。
クローゼットの床に、ユリが垂らした汁が点々と散っていた。
「あっ♡ あっ♡ あっ……。いいよぉ…………。おまんこきもちいのぉ……。うぅ……………………、すき」
甲高い声は段々とすすり泣くように。
男の体を感じられるように、キスよりも抱きしめることを選んだ。
大きな乳房も押し付けられ、男の手はユリの尻に戻った。尻を掴んで引き寄せ、腰を振る。
ユリは顎をガクガクと震わせて、閉じられない口から涎を垂らした。
「すき……すきなのぉ……。いじわるしていいからあ……。いっぱいかわいがって? ボクにあきないで?」
アルベドに言われたことが棘となり、ユリの心に刺さっていた。
薄っすらと思わなくもなかったし、現にアルベドから声を掛けられるまで遠ざかっていた。
ユリから積極的に通えば良かった話なのだが、ユリに出来る事ではなかった。ソリュシャンやルプスレギナとは違うのだ。
ユリの懇願に、男は内心で苦笑する。顔には出さない。
アルベドが言った時も飽きることはないとはっきりと口にしたが、アインズが言った通り言葉だけではなく行動を伴わなければならないようだった。
「飽きるわけないだろう?」
「あっ♡」
鼻と鼻を突き合わせ、深く繋がったまま真っすぐ応えた。
「ユリはこんなにいやらしい体をしてるんだから、何度したって飽きられるもんじゃない」
「……ほんとうに?」
「勿論本当だ」
本当、愛してる、好きだ、と何度言ったところで繰り返し求められる。
言葉には行動を伴わなければならないのだ。
「あんっ♡ …………いまの、ふかくて……。おちんちんがピクピクしてるよ……?」
「ユリの中がとっても気持ちいいんだ」
「あっ……♡ もっと気持ちよくなって? ボクのおまんこで、おちんちんよくなって♡ あっ……あぁんっ♡ あっあっあっ、はあぁんっ♡ あっぁうぅっ♡」
注挿が激しくなってきた。
ずっとユリの膣内を堪能してきた男は、いよいよ込み上げてきた。
ユリからセックスをして欲しいと言われたため、手早く射精して安易に満足することなく、焦らしに焦らしてユリを高めていた。
淑女然とした様を崩して乱れる姿は淫蕩で、懇願や泣き声を漏らしていた口からは意味ある言葉が出なくなった。声は甘く、顔は蕩けて、押し付けられる乳房は乳首を尖らせ、溶けるような媚肉は逸物をしっかり包んで逃がさない。
「そろそろ出そうだ」
「らめ、もっとぉ♡ ボクのおまんこにいっぱいだしてぇ♡ あっはぁぁぁんっ♡」
矛盾を口にしてる事にも気付いてない。
膣の締め付けは腰の震えを伴っているから意識的なものではないようだ。何度も達しながらもっともっととねだっている。さすがは発情狼に淫乱スライムに搾精人形の長女である。
ユリの体は淫らだった。
「ああぁぁぁあぁあぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ♡」
深く届いたところできゅうっと締まった。
ユリの叫びは長く尾を引き、出せる声を出し切ると声にならない喘鳴が続いた。
膣壁が中へ取り込もうと蠕動し、包まれる男は最奥でどぴゅどぴゅと熱い粘液を吐き出した。
この日はまだ一度も出してなかった上に、たっぷりと焦らして楽しんだため射精が長い。ぴゅるぴゅるぴゅっと続き、射精が終わらない内に結合部から溢れてきた。
「おっと」
ユリからがっくりと力が抜ける。
男が尻を掴んでいても、ユリがしがみついて背中を壁に押し付けていたから安定していた。
ユリは壁を背にしたままずるずるとその場に崩れ、倒れてしまわないよう男が肩を持ってやった。ユリのためだけにしてやった事ではない。
「あ……う? あぁ…………」
床にペタンと座ってしまったユリの顔を上向かせる。
呆けて閉じ切らない唇に、精液と愛液に塗れた亀頭を擦り付けた。
果てたばかりで硬さを失い切ってない。亀頭で唇をこじ開け、逸物をねじ込んだ。
「んむ……ちゅる…………。んっ……。じゅるる……」
意識が薄れていても、すべきことはわかっている様だった。
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夢うつつのままお掃除フェラをさせられている途中で、ユリの意識が戻ってきた。
自分がしている事を自覚しても、ちゃんと舐めてちゃんと吸い出す。事の後に綺麗にするのは、アルベドから直々に教わってもいた。
お掃除を終えたユリは、ペタンと座り込んだまま男を見上げる。冷たい目だ。
「なあんで大きくしてるんだよ。早くしまいなよ」
「ユリさんが魅力的なんですよ。そのまま胸でしていただけませんか?」
「ばか」
「いてっ!?」
痛みには強い男だが、おちんちんをぺちっと指で弾かれればとっても痛い。慌ててズボンの中に仕舞い込んだ。立ったままなので窮屈だが我慢である。
男がズボンを直しても、ユリは立ち上がらない。スカートのポケットからハンカチを取り出した。
「もうちょっとじっとしてて」
ハンカチで男の股間を拭い始めた。性的な愛撫のつもりは全くない。後始末である。
デュラハンのユリはおつゆが多い。事の最中でもぽたぽた垂らしていた。最後の方は激しかったので飛沫が散ってしまった。それが男のズボンに付着していた。自分のおつゆがついたズボンを履いたまま出歩かせるわけにはいかない。ハンカチで拭っているのはそれである。
戦闘メイド「プレアデス」は戦闘に重きを置いていても一流メイド。一流メイドの目で付着個所を漏れなく把握し、手早く拭いとる。
「これでよし。それじゃ今度こそ出るよ」
「出たら続きをしましょうか? ユリさんの部屋では如何です?」
「バカッ! まだ外は明るいんだぞ! それどころかお昼にもなってない。こんな時間から一体何を考えてるんだ!」
今日一番力が入った「バカ」である。しかし、セックスしたいと先に言ったのはユリなのだ。それを忘れているのだろうか。
男はそれを指摘してやろうと思って、まずとりあえずはクローゼットの扉を開いた。その瞬間、外へ弾き飛ばされた。
宙を舞う男が顔だけ振り向き見たものは、険しい顔で手を突き出すユリだった。
無様に着地することを何とか避けられた男は、ユリに一言言ってやろうとしたところでクローゼットの扉が勢いよく閉まった。ユリが内側から閉めたようだ。
何がなんだかわからない男は、クローゼットに近付こうとして、部屋のドアが勝手に開いた。
「やっぱあの本は借りて……」
「あ」
「あーーーーーーーーーーーーっ!!! お前一体どこにいた!!」
入って来たのはシャルティアだった。
ユリはスキル「気探知」の警告に従い、難を避けたのである。男を救う余裕はなかった。けして生贄にしたわけではない。
「ずっと探させていたのに、まさか私から隠れていたのか!?」
シャルティアはお冠であるらしかった。
そんなシャルティアに、男は大袈裟に驚いてみせた。
「私はこの部屋で休憩していたところ思うところがありまして部屋の隅で瞑想をしておりましたソリュシャンたちから頻繁に指摘されるのですが一旦集中すると外部への注意が疎かになってしまうようですシャルティア様はお言葉から察するとこの部屋で本をお読みだったのでしょうかお読みだったのですね私が同じ部屋にいたのにお気付きになりませんでしたかそれはそれは素晴らしい集中力でございます集中力には注意を広げて何事も見落とさないものと一点に集中するものがありますシャルティア様が発揮した集中力は後者でありますねなんと素晴らしい事でしょうさすがはシャルティア様です読書でそこまでの集中力を発揮なさるとは感服いたしました。ですが私が借りた本を持っていかれてしまうと又貸しになってしまいますので、ティトゥス様から怒られてしまいます。その本だけ返却いたしますからシャルティア様のお名前で借りなおしましょう。シャルティア様がかような本をお借りになればティトゥス様は驚かれるかも知れませんがきっとお喜びになるかと。お話はきっとアインズ様に伝わる事でしょう。シャルティア様が知的な作業に勤しんでいるとアインズ様がお知りになればきっとお喜びになられますよ」
男の舌がペラペラ回った。シャルティアは何を言われているのかわからない。しかし、褒められているのはわかる。
シャルティアの機嫌が段々よくなってきたところに、男は追い打ちを掛けた。
「シャルティア様は私をお探しになってくださっていたのですね。私のために手を掛けてくださって大変ありがとうございます。私もシャルティア様にお目通り出来ればと思っておりました。私はシャルティア様にお会い出来るだけで光栄なのですが、シャルティア様は私にどのような用事があったのでございましょうか?」
「それは後にしんしょう。まずは図書館に行きんす!」
シャルティアはふんすと胸を張る。
ぷんぷんしていた機嫌は良くなったようだ。
二人が部屋から出て戻ってこないのを確かめてから、ユリはクローゼットを出た。
男の口車とそれに乗ってしまったシャルティアに複雑な思いを抱いたが、危機を脱したのは確かだった。男に売られることもなかった。シャルティアに何かしらを気付かれることもなかった。
男を売って、もとい生贄にして、もとい犠牲にして、もとい手を差し伸べられなかったのは仕方ない。
「はあ……。脱がされなくて良かった」
はだけた胸はブラジャーを着けなおして、ブラウスのボタンも閉めた。
スカートのポケットから取り出したのは、右手にハンカチ。左手は脱いでしまった紐パンだ。
今朝、ネグリジェから着替えた時の事である。
偶には攻めたお洒落をしてみようと、セクシーランジェリーに分類される下着を手に取った。紐パンがそれである。
紐パンを穿いて姿見の前に立ち、ちょっぴりポーズを取って見れば我ながら中々と思わされた。
続いてセットのブラジャーを身に着け、断念した。とても煽情的である以前に、実用に耐えなかったのだ。
なにせバストのトップが覆われてない。先端が擦れるくらいならまだしも、ちゃんと支えられないのでとても揺れる。その上、ブラウスの上から先端の形が見えてしまう。
これは駄目だと判断して、ブラジャーは違うものを着けた。
ショーツも替えようと思ったのだが姿見の前に立っていた時間が長かったらしく、時間が押していた。
誰かの前で脱ぐ予定はなし、下着は上下不揃いにしてしまった。
ナザリックの一員として、下着が上下でセットではないものを着けるのは大変恥ずかしい事である。ナザリック云々以前に、女としてみっともない。
もしもメイド服を脱がされて下着だけの姿にされていたら、大変な事になるところだった。
幸か不幸か、彼は下着よりも中身に夢中だったようである。
一人深く反省したユリは、シャルティアが寝転がっていたソファーに座ってスカートを捲り上げた。
「うぅ……、こんなになってる……」
スカートの内側は、大変な事になっていた。穿いたままエッチをしていたので、色々な汁が飛び散っている。
スカートよりも脚がひどい。垂らしてしまった汁が内股を垂れていったし、中に出されて収まりきらなかったものも溢れている。シャルティアが勘付いた匂いもある。
ユリは取り出したハンカチで内股を垂れた汁を拭う。
ある程度綺麗に出来たら、入れられていたところだ。
どこでも吸収できるソリュシャンや、子宮で吸収するアルベドや、子宮に一定量を保管できるシズと違って、ユリは中に出されたものがそのまま出てくる。
「んっ……」
汚れが広がらないよう指で広げ、下腹に力を込めると、こぷりと溢れてきた。
溢れてきたのを拭き取ろうとハンカチをあてがったところで、ユリのスキル「気探知」が警告を発した。
咄嗟にスカートを戻した。
「失礼いたします。あれ? ユリお姉さま? どうしてこちらにいらしているのですか?」
ドアをノックすることもなく、メイドがドアを開けて入って来た。
「私の事よりも、今ノックをしませんでしたね? 無人である事がわかっていても、ドアを開ける際は必ずノックをしなければいけませんよ」
「あっ! 失礼いたしました!」
メイドは慌てて頭を下げた。
頭を上げさせて話を聞けば、部屋にある本を移動させて欲しいと相談役から頼まれたとのこと。
本の山を目の前にして、メイドは呆然とユリを見た。
「私も手伝います。相談役殿は本の量を伝えておくべきでした。あなたの不手際ではありません」
「はい! ありがとうございます!」
ユリはメイドと一緒に、台車に積まれた本の山を運ぶことになった。
紐パンはポケットの中だ。
ハンカチは股の間である。こぷりと出てきた粘液を拭き取ったところであった。フロア丈のスカートであるため、周囲に気付かれずにハンカチを取る事は不可能だ。
ユリはこれから、股の間に精液を吸ったハンカチを挟んだまま、本を運ばなければならなくなった。
もしもハンカチを落としてしまったら死ぬ。
首を吊って「デュラハンジョークです☆」とやる羽目になるかも知れない。
淫乱だと思われるくらいだったら、笑われ者になる方がまだマシであった。
PSPでハーメルンにログイン出来なくなってしまいました
閲覧出来るのが不幸中の幸い
古い機種ですから仕方ないですね