優しくベッドに下ろされたアルベドは努めて興奮を隠し、優雅にして淫蕩な女主人の笑みを浮かべた。沸き上がる高揚はお食事への期待ではない。アインズ様に命じられた週一回のお食事をアルベドが破るわけがなかった。
かと言っておセックスでもない。これは、儀式なのだ。
男を知らなかった時分の己はサキュバス見習いでしかなかった事を今はわかっている。男を知ることでようやくビギナーサキュバスになることが出来た。
これから淫靡と神秘に包まれた厳かな儀式を執り行うことによって次の位階に進むことが出来る。自分が新たな存在へ昇る高揚感に心を震わせている。
そのためには、逃げることなく儀式を最後まで行わなければならない。いつぞやのようにマジイキさせられて敗北感から逃げ出したり、つい昨日のようにお尻にあれこれされて恥ずかしくて手が出たりしてはいけない。退路を断つ必要がある。
「私の腕を縛りなさい」
先ほど男の腕を縛っていた白いレースのリボン。受け取った男は言われた通りにアルベドの腕を優しく簡単に解けるきつさで縛った。
縛ると同時にアルベドの全身から力が抜けた。
「これはただのリボンじゃないわ。私のスキルで作り出したエンゲージリボン・ウィズサキュバスブレッシングよ」
シークレットサキュバススキル・サキュバスクリエイトアイテムである。
エンゲージには「婚約」以外に「拘束」の意味がある。さしずめ「サキュバスに祝福されし拘束リボン」だろうか。
「男には何の効果もないけれど、これで縛られた女は股を開く以外にまともに動けなくなるの。リボンを解くにはおちんぽミルクが必要なのよ」
「そのようなものを……」
男の前で自由を失い、生殺与奪の全てを任せる。深い信頼と信用がなければ出来ようはずがない。
アルベドからの信頼に、男は胸が熱くなった。今まで以上によく仕えることを決意した。
「あなたのもてる全てで私を好きなようにしなさい。何をされても私は抵抗できないわ」
「そう仰られても……」
「なあに? あなたは私の体を好きにしたくないの? まさかシャルティアなんかで満足したわけじゃないわよね?」
「そんなことは決して」
「もう! 男ってこういう時こそはっきり言わなきゃダメ。私があなたの好きにされたいの。私が『ダメ』とか『やめて』って言っても絶対に止めちゃダメよ?」
「かしこまりました」
こうまで言われて何も出来ないでは男がすたる。何より愛しき主人からの御命令だ。否は許されない。
男は衣服を脱ぎ捨てベッドに上がった。
▽
配下は主人の意を汲まねばならぬ。好きにせよと仰るときこそ主人の望みを察するべき。忖度である。
前回はおおむね成功したと思ったが、何故か最後に御不興を買ったらしい。同じ轍を踏んではならない。
しかし今回こそ大丈夫。お優しいアルベド様はヒントをくださっている。アルベド様は両腕を上げて頭の上で手首同士を縛られている。いつもは隠している部分を露骨に晒しているのだから気付かない方がおかしい。
男はそこへそっと顔を寄せ、すんすんと鼻を鳴らした。
馥郁たる芳醇な芳香が胸に満ちた。
「アルベド様の体臭はとても芳しいと知っていますが、ここはいっそう奥深い香りがします」
「な……ななな、なに言ってるの?」
「どれ、お味の方は」
「ひゃうっ!?」
敏感なところを男の舌が舐め、アルベドは思わず声を上げた。覚悟も期待も全くしていなかった場所だった。
「あ……、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!?」
絶叫。或いは絶笑。
防御メインのスキル構成をしているアルベドをして堪えきれない急所。
脇の下である。
毎日長時間お風呂を使って足の裏までお顔のようにきれいにしているアルベドだが、脇の下とは汗をかきやすい部分である。おかしな臭いはしてないはずだが、奥深い香りとは一体何なのか。
それだけならちょっぴり恥ずかしいだけで済んだろうが、舐められている。
「や……やめなさい!」
やめろと言われても絶対に止めるなと言われたばかり。舌は止めず、もう一方の脇の下でもこちょこちょと始めた。
「うひゃあぁ!? ひゃっ…………ひゃああああああーーーーっ!!」
(ああ、アルベド様がこんなにお笑いになっている。お喜び頂けているのだな。よし、もっとやろう)
全然違う。「笑っている=喜んでいる」は間違いである。くすぐったいのだ。
アルベドはあまりのくすぐったさに息も出来ずに笑い続け、腹筋がぷるぷると痙攣し始めた。痛みはない。しかし地獄の苦しみ。くすぐりは拷問に使われるほど苦しいのだ。
だと言うのに、笑っているから喜んでいると思っている男は舌技に手技を加速させた。脇の下だけでなく脇腹に足指の股。形の良いへそだって見逃されない。指を突っ込んでぐりぐりと始める。
拘束されていなければ俎上の鯉のごとくピチピチとのたうち回っていたことだろう。
「あひゅーーー……。かひゅーーー……」
アルベドに笑う体力もなくなった頃、責め苦は終わった。
全身は汗に濡れている。黄金の瞳は何も映さず水晶よりも澄んだ滴をこぼす。
「っ!?」
責め苦からの解放で全身を弛緩させてしまったのがいけなかった。アルベドの体に大変な異変が訪れた。
アルベドは100レベルである。鉄壁の防御力を誇っている。常ならば何の問題もない。しかし、たとえ蟻の一穴ほどであっても、綻びが生じてしまってからでは押さえきるすべはどこにもない。
「ほ、ほどいて!」
余裕皆無のせっぱ詰まった表情。そこに美しい笑みはなく、顔色が悪い。
男はしばし考えた。
止めるな続けろとは言われているが、解くなとは言われてない。それなら解くべきかと時間をかけて結論を得た。
優美なリボンを摘まんで引っ張った。不思議なことに解けない。アルベド様の美しい肌に跡が残っては一大事と、ゆるゆるで縛ったはずなのに解けない。
「解けません」
アルベドがスキルで創り出した拘束具だ。正規の方法でなければ解けないようになっている。それには精液が必要である。
悶えるアルベドをおかずにシコシコとすればよいのか。
「も……もう、だめ……!」
「何がダメなのでしょう?」
悠長に返事をする男が、アルベドは憎たらしくなったがどうにもならない。プライドを捨てて叫んだ。
「おしっこでちゃうの!」
100レベルであっても尿意の猛攻は凌げなかった。
女とは男の比べると尿道が短く、我慢が効きにくいようになっている。冷たい水を飲んだところに笑い死にするほどくすぐられて、全身を脱力してしまったのがいけなかった。それとも過日、ルプスレギナを叱りつけてお漏らしさせてしまった報いなのか。
アルベドは必死に股を閉じ、いやらしく身悶えしている。男は納得してアルベドの小さなショーツを脱がせた。小さな小さなショーツは湿っている。汗か愛液か、はたまた。
アルベドの抵抗むなしく、容赦なく脚を開かされた。リボンの効果は確かなもので、力を全く入れられない。
「ご安心ください。私が全て飲み干します」
「バカッ!! そんな事したら絶対に許さないわ! 絶対に絶対に絶対に……! ああもうだめ出ちゃうーーーーーっ!!!」
ラナーは人の顔に跨がって放尿することが何度もあったのだが、さすがにアルベド様は品が良く淑やかでいらっしゃる。
感心している場合ではない。
咄嗟にアルベドの腰を持ち上げ、脱毛された無垢な割れ目を指で広げた。
湧き水のように滲み出るのではなく、勢いよく美しき金色の放物線が生み出された。
「あ…………ああ………………」
100レベルの守護者統括で現在は不在のアインズ様に代わってナザリック最高責任者なのに男の目の前で放尿。
絶望は得も言われぬ快感だった。
「その調子です。最後の一滴まで気を抜かないでください」
殺意すら湧いてこない。アルベドは絶望に浸りきっている。
光を映さぬ瞳からは涙がはらりと流れた。
涙は止まらないがおしっこは止まった。
全部出してしまった。
「大丈夫です。シーツには一滴もこぼれていません」
「…………………………え?」
男は、先ほどのアルベドが傾けていた繊細なグラスを手にしていた。
グラスの内部は神秘の液体で満ちている。その輝きは水晶に溶かし込んだ黄金を淫火にくべたかのよう。
グラス上部の内側は僅かに曇って、黄金水が目に見えない程度の湯気を立てていると知れる。
「アルベド様はおしっこであってもこんなにも美しいのですね」
アルベドは泣いた。
どうして漏らしちゃったおしっこを嬉々とした笑顔で誉められなければならないのか。オークに捕らえられた姫騎士だってこんな辱めは受けないに違いない。
「あんっ! ペロペロする前に拭いてよぉっ!」
「アルベド様に汚いところはどこにもございません。このほんのりとした塩味がアルベド様のおしっこの味なのですね」
「いやぁ……!!」
アルベドは泣いた。
おしっこしちゃったところを見られて、自分のおしっこを見せつけられて、挙げ句におしっこの味さえ知られて誉められる。こんなにも恥ずかしいことが存在するとは想像することも出来なかった。
羞恥と屈辱に全身が溶けるように燃える。しかし、己を辱めている男への怒りは生まれてこない。
(こんなに恥ずかしいのに。恥ずかしくて泣いちゃってるのに。それなのにどうして? どうしてなの!? どうして私は気持ち良くなってるの? この子のペロペロが上手だから? ううん違うわ。確かに凄く上手で自分でくちゅくちゅするより気持ちいいけどそれだけじゃない。ああなんてこと……。私は恥ずかしいのが気持ちいいって思ってる!)
サキュバスの種族特性として、羞恥心が薄いことが上げられる。アルベドも例に漏れず、肌面積の7割以上を見せつけるイケイケな服を平気で着てしまう。
しかし、どこでも露出して何も感じないのはただの露出狂。低位のレッサーサキュバスだ。
もちろんアルベドは違う。
イケイケではあるのだが、きちんと羞恥心を持っている。そして得られた羞恥心を快感に変えることが出来る。
今まで知らなかった己を知り、アルベドは着々と階位を昇っていることを実感できた。
「んはああぁっ!? だめだめクリちゃんとおまんこを一緒に責めないでぇっ! そんなのされたらすぐイっちゃうんだからあああっ」
猫が水を飲むような音が鳴っている。
アルベドが動かない体をむち打って何とか頭をもたげると、股間に銀色の頭が見えた。
視線に気付いたのか、男が顔を上げる。目があった。濡れた唇は男のくせに艶やかに赤く、サキュバスの目にもなまめかしい。あの唇にしゃぶりつきたい。舌を絡めてたっぷりと唾をすすりたい。それからおっぱいを乱暴に鷲掴みにされて、もうトロトロになっちゃってるおまんこに入れて欲しい。お腹の中にたっぷり欲しい。
言葉がなくても心は通じる。蕩けたアルベドの顔を見て、男はにっこりと笑った。そして顔を伏せた。
「あん、あん、うあぁっ、お尻の穴も一緒だなんてぇっ! 中でぐりぐりされちゃってるぅ♡ どうしてそんなに上手なの、うっくぅうっ、わたしのきもちいところばっかりぃ!」
包皮がむけてふっくらとしてきたクリトリスに吸い付き、舌先で転がしていた。アルベドのクリトリスは先に吸った乳首のように固く尖り、媚肉の中で玄妙な味わいを見せる。
とっくに濡れそぼっていた膣からは蜜のように愛液がとろりと。右手の薬指と中指をそろえて挿入した。抽送はせず中で折り曲げて、クリトリスは舌の腹で強く押しつける。内側と外側の両方から責められて、アルベドは大いに悦んだ。
さらにもう一手。溢れた愛液はピンク色の窄まりに溜まっている。そこへは左手の中指を。中に入っている右手と左手を向かい合わせた。
膣に入っている指と肛門に入っている指が、アルベドの中で擦り合わされる。
リボンの効果でろくに動けないアルベドは、ベッドから腰を浮かせた。
「あっあっあ゛っあ゛ぁっ、イく、イッちゃう! おまんこもお尻もクリちゃんもぉっ、全部イッちゃうのぉ♡ ひゃうううぅううぅううぅ♡」
アルベドのアルベドからアルベド汁がプシャッと吹き出した。
つま先まできゅっと力を入れ、浮かせた腰はガクガクと震え始める。膣口も肛門も、呼吸を忘れていたのを思い出したかのようにぱくぱくと口を開いた。開く度に奥から湧き出る淫液が、閉じる度にトロトロと押し出される。尻の割れ目を伝って流れ、ポタリとシーツに落ちて染みを作った。
絶頂の余韻は長かった。やがて、震えていた足腰は力尽きたようにベッドに落ちた。
美しい黄金の瞳に溜まる涙は何がもたらしたのだろう。
美しい唇から垂れる涎は快感の深さを物語っている。
「これからですよ」
「あう……? あうぅっ! だめっ……、イッたばかりで敏感だからぁ、おちんぽ入れちゃだめなんだからぁ♡」
アルベドの腰を掴み、今度こそ勃起している逸物を挿入した。
絶頂した直後なので十分に濡れほぐれて、一息に最奥まで挿入しても何の抵抗もない。かと言って緩いわけがない。肉ひだが隙間なく逸物に絡みつき、奥へ取り込むべく蠕動している。エルフの膣内は深くてそれなりに良かったがアルベド様に敵うわけがない。
「あむっ、あんっ♡ んちゅぅ、んっんっ、あん、もっとキスして♡ もっと動いて♡ アルベドのおまんこをぉ、あなたのおちんぽでいっぱい気持ち良くして♡」
アルベドの腕は拘束されたままで男を抱き締めることが出来ない。代わりにアルベドの分も、男から強く抱擁した。
背に腕を回し、後頭部を押さえて唇を合わせる。
陰毛を舐めとっている前後に水を飲ませてくれた返礼として、口中に湧いた唾をアルベドの口へ注ぐ。アルベドは強く唇を合わせたまま、喉を鳴らして美味しそうに飲み込んだ。
おっぱいもぉ、と言われたので体を起こし、アルベドの豊かな双丘に手を突く。ピンク色の乳首は充血しきって赤くなっている。固くなった乳首の弾力を楽しみ、乳肉の柔らかさを握りしめる。
アルベドに請われてつけた歯形は消えていた。再度つけるのは体勢的に難しい。アルベドの様子を見ながら慎重に握る手に力を加えた。
「やあぁん、おっぱいつぶれちゃうぅ! あなたのおっぱいだからいっぱいにぎにぎしてぇ♡」
100レベルのおっぱいは強かった。
(ん?)
密着していた体を離したからこそ気付けた。
ぐちょぐちょと卑猥な音を立て続ける二人の結合部から少し上。黒々とした豊かな陰毛が生えていたアルベドの下腹。染みも毛穴も着色も皆無だった白い肌に、うっすらと赤いものが浮かびつつあった。
脱毛した直後は薬が強すぎて肌にダメージがあったのかと思った。しかしアルベドの下腹にうっすらと浮かぶ赤は線や曲線を描き、痣や薬の痕とは思えない。
薬の効果なら塗布した部分全体が赤くなるはずだ。
「もっともっとぉ、アルベドの乳首をいっぱいいじめて♡ おまんこもいっぱいいじめて♡ アルベドのおまんこであなたのおちんぽもいっぱい気持ちよくなって♡」
乳房に置いていた手が腰を掴んだ。
しっかりと固定して腰を叩きつける。
アルベドの膣はちょうど良い深さで、根本まで入れると先端が壁にぶつかってちょっとだけ押し上げる。
根本まで入りきるとアルベドの中はいっぱいになって、中で溢れている愛液が逸物に絡み付きながら外へと押し出され、飛沫を立てる。
激しく腰を掴いながら、ゆっさゆっさと激しく揺れるアルベドの豊かな乳房より、ぬめるように艶めかしい下腹を注視していた。
朧気だった赤い線が段々とはっきりしてくる。
線や曲線は複雑に混じり合い、何かしらの意味を持つ図像を表しているのではと思われた。
「おまんこに出てるぅっ! アルベドのおまんこの中におちんぽミルクがピュッピュしてるぅ♡」
世界で一番のおまんこに締められれば出しちゃうのは宇宙の法則。
アルベドの一番奥で、亀頭を子宮口に押しつけてどぴゅどぴゅと射精した。
「おまんこイクうううぅううっ♡ 子宮におちんぽミルクかけられてイッちゃううのぉおおおおおぉぉお♡」
甘く淫らな絶叫。
アルベドは腰を浮かせて自分の股間を男の股間に押し付け、激しく絶頂した。
始めのうちは達した回数を足の指を使って数えていたが数え切れない回数になっていた。
アルベドの膣内に熱い粘塊を放ってもすぐには治まらない。断続的にぴゅ、ぴゅっと続いている。
奥へ奥へと取り込むように波打つアルベドの肉ひだが強いているのかも知れない。
射精の快感も余韻も深いものだった。
ここがどこで自分が誰だか忘れるほどの快感だが、男の目はアルベドの下腹から離れない。
だから、アルベドの腕を縛っていた白いリボンがピンクに染まり、するりと解けたことに気が付かなかった。
「おお……、これは!」
アルベドの下腹からピンク色の光が現れ、部屋の隅々まで照らすほどの光量になった。
眩しくて目を開けていられない。
光に耐えようと、限界まで細めた視界の中で、赤い輝きが誕生する。
▼
光が治まったとき、変化は如実だった。
アルベドの下腹にあった朧気な線ははっきりと形が浮かび上がっている。
赤い線だ。
ブラッドルビーを淫水に溶かして燃やしたような赤い線。
王冠をかぶっているようにも見える。かぶっているのはハート模様。
ハートには茨が絡みつき、悪魔の翼を広げているようにも燃えさかっているようにも見える。
ハートの下端は開き、下へ下へと伸びている。剣を刺したようにも、底が抜けているようにも、或いは何かをハートへ導くようにも見える。
そしてハートの中央部。
神秘的な魔法円は人類では計り知れない大いなる奇跡を表しているに違いない。
「ふ……、ふふ……、ふふふ…………」
「あ……、アルベド……様?」
未だ繋がったまま、アルベドは妖しく笑う。
愛おしげに下腹を撫でた。深紅の紋様がピンク色に輝く。
「あなたのおかげよ♡」
「っ!」
アルベドの膣壁が蠢き、射精直後で力を失いつつあった逸物へ絶妙な快感を与え、石のように固い勃起を強制する。
「あん♡ またこんなに固くなっちゃったわ♡」
「うおっ!?」
くるりと反転した。
アルベドが下、男が上だった。一瞬で上下が逆転する。
上下が入れ替わった瞬間に二人の結合は解かれたのだが、アルベドは空中で姿勢を制御して着地時に見事な挿入を決めた。騎乗位が上手くいかなくて逃げ出した時と比べる余りにも違いすぎる。
アルベドが得た力である。
アルベドの下腹に刻まれたのは、由緒正しきサキュバスエンブレム。
淫紋がないサキュバスなどサキュバスではない。
処女を捨て、名残惜しくも豊かな陰毛を捨て、濃厚なザーメンをたっぷり注いでもらい、且つ同時イキ。
厳しいような厳しくないような条件をクリアして、アルベドは、今まさに、覚醒した。
《淫化☆覚醒》である!
海を泳ぐ魚よ、地を走る獣よ、空を飛ぶ鳥よ、天空の遙か彼方に満ちるエーテルに舞う星獣たちよ。
偉大なるサキュバスがさらにエッチで感じやすい真サキュバスに登りつめたことを言祝ぐがいい。
「あはっ、いっぱいぴゅっぴゅしたのにあなたのおちんぽはとっても元気なのね♡ まだまだ時間はたっぷりあるわ。アルベドのとっても感じやすくてエッチなおまんこでいっぱいいっぱいかわいがってあげ…………………………」
ベッドに臥せていたときは気付かなかった。
騎乗位となり、視界が広がったことで気付いてしまった見てしまった。
テーブルの上にあるグラスが空になっている!
アルベドの神秘の黄金水で満ちていたはずのグラスが空になっている。
中身は一体どこへ行った。
蒸発したのか。
それとも男は実は念動力みたいなスキルを隠し持っていて中身だけどこかへ移動させたのか。
無難なところでこぼれたのかと思いたかったが、テーブルも床も濡れていない。
中身は一体どこへ行った。
アルベドは、聞いてはいけないと思った。
聞いたら絶対恥ずかしい。
淫サキュバスに覚醒した自分でも絶対に耐えきれないほど恥ずかしいに違いない。
「うおおおおおっ!?」
無言で腰を振った。
自身の絶頂と引き替えに射精を強いる淫紋の力は初めてでも自在に使いこなせる。
ビクンビクンと絶頂に体を震わせながらも腰を振る。
何回達してもすっごく気持ちいい。もう気絶したりなんかしないのだ。
同時に、アインズ様にもお見せしたサキュバス式エナジードレインも使って吸精する。
男の顔色が見る間に悪くなっていった。
アルベド様が上になってからの快感は、今までとは次元が違った。
魔法を使ったエルフすら比較にならない。
背骨も臓腑も何もかも引きずり出されるような快感。
しかし、引きずり出されたはずの体は依然とそこにある矛盾。
存在し得ない快感は夢幻の境地。
一瞬たりとも休むことなく射精を強いられる。
時間を掛ければ五回程度ならこなせる自信があったが、数秒に一度。残存量は既に尽きた。にもかかわらず搾られている。
無から有は生まれない。
生み出すには何かしらを費す必要がある。
生命力である。
このままでは間違いなく死ぬ。
しかし、アルベド様がそれをお望みなのだ。
アルベド様に搾られながら命が尽きるのは本望である。
遺言が役に立ったかと思ったその時、口から命が吹き込まれた。
騎乗位中のキスは王道である。
アルベドは吸うだけでなく、与えたのだ。
エナジードレインが出来るならエナジーゲインだって出来る。覚醒したアルベドは房中術もまた身につけたのだ。
精を吸い、命を与え、また精を吸い、命を与える。
精気と命が循環し、二人の体で絶え間ない快感が増幅される。
その様は己の尾を飲み込むウロボロス。全にして一の体現である。
アルベドは、自分のおしっこが飲まれたかも知れないことを忘れるために夢中で腰を振った。
絶頂と引き替えに射精を強いる淫紋スキルを多用したおかげでわけがわからなくなった。
あへあへあひゅあひゅと、意味をなさない喘ぎ声を涎と一緒に垂れ流し、男の胸にすがりつく。
繋がったまま一晩を過ごした。
ANTなので