白いシャツが開かれた。
ナザリックには半裸を晒して己の筋肉を見せつける男性型の悪魔がいる。メイド達は彼らの体を見たことがあった。しかし、目の前で横たわる男はそれらのいずれとも違う。
人間の男だ。筋骨隆々のセバス様や悪魔達に比べれば随分と貧相。それでも脱がせてみると思ったより逞しい。胸板には筋肉の盛り上がりがあり、その下の腹筋は見事に割れて余計な肉は一抓みもない。均整のとれた美しい肉体だ。
「……男のくせにどうしてこんなに肌が綺麗なのかしら」
黒メイドの憎まれ口に二人も相づちを打つ。
メイド達は知る由もないが、時々ソリュシャンに全身を溶かされてから完全回復してもらうので、その度に全身の肌が生まれたての赤ちゃんのようにつるつるで綺麗になる。前回溶かされてからまだ一週間も経ってない。肌が綺麗なのは当然と言えば当然だった。なお、ソリュシャン風呂も同様の効果がある。
「肌が白いから乳首がピンクだよね」
白メイドが恐る恐る男の胸へ手を伸ばす。
肌が滑らかなのを意外に感じ、想像以上の固さに驚く。女の体とは違って男の体はこんなにも固いものなのか。
「私たちより小さいわね? あっ、立ってきた!」
一番手に続いて二番手は少し大胆。
金メイドは白メイドが遠慮していた男の乳首に触れた。指で摘まんで大きさを確かめ、指の腹で転がす。転がしていると指に伝わる感触が変わってきた。
自分の乳首もこんな風に触られると立ってくるのを思い出した。動悸を抑えるように、豊かな自分の胸を押さえた。
「二人とも本命はそっちじゃないでしょ?」
何時からそうなったのか、脱線しがちな二人を締めるのが黒メイドの役割。そう言う彼女も、男の腹に触れて皮下の筋肉のうねりを堪能している。指は割れた腹筋をなぞって下へ下へ。へそへ辿り着くや否や黒いスラックスにぶつかった。
誰かがごくりと唾を飲み込んだ。
黒メイドは二人を振り返ることなくベルトを解きにかかった。仲間の顔を見てしまえばためらってしまうに決まっている。意思を貫くには勢いも必要だ。
ベルトは簡単に解けた。スラックスの留め具を外し、ジッパーも下ろし、腰部分の両側を掴む。
勢いよく脱がせてしまうと起こしてしまうかも知れない。ゆっくりとずり下ろしに掛かった。慎重を要したのは始めだけで、太股まで来ると後は簡単に脱がせた。ナザリックのメイドらしく、脱がせたスラックスは丁寧に皺を伸ばしてハンガーに掛けた。
上半身は大きくシャツの前を開かれて、下半身はパンツ一枚。女物のパンツとは違って肌に張り付くことなくゆったりしている。それでも股間の部分に膨らみがあるのは見て取れた。
「い、いきなり見ちゃうのは、ちょっと心の準備が……」
「このままちょっと触ってみる?」
及び腰な白メイドに先んじて、金メイドが目一杯手を伸ばして男の股間に触れた。
実物を生で見たことは一度もないが、どうなっているかは異本で予習している。金メイドはパンツの皺に惑わされなかった。
「立ってないからまだ柔らかい、かな?」
「ホントだ」
「……そろそろいいかしら?」
二人は気まずそうに笑って黒メイドに場所を譲った。
二人が触る前に比べると股間の膨らみは幾分大きくなっているように見えたが、パンツを脱がすのに支障が出るほどでもない。脱がすのはスラックスよりずっと簡単だった。
男の下半身が三人のメイド達の前にさらけ出された。三人ともうっすらと頬が染まってきた。初めて見る生の男性器だ。
脚の付け根の真ん中にある生々しい肉で出来た棒状の器官。そのすぐ下に柔らかそうな丸い包み。男性器は二人につつかれて少しだけ膨らんできたが、まだまだ立っているとは言えない。
三人が読み込んできた異本に描かれている男性器は必ず大きく勃起する。これも同じように勃起する、はずである。
「…………触る?」
「異本が真実を伝えているかどうか、私たちは確かめなければならないのよ」
「それって立たせるってことだよね?」
今度も金メイドが率先して手を伸ばした。
今度はつつくのではなく、まだ柔らかい男性器を手の平に乗せた。手の平に伝わる肉の柔らかさと温かさ。そっと握って上下に扱き始める。
彼女たちお気に入りのウース異本は『メイドの献身』シリーズ全25巻。薄い本でもそれだけあるとかなりの量である。
異本では様々なメイドがそれぞれのやり方でご主人様に奉仕している。ご主人様の欲望を解放するために、まだ小さいおちんちんを如何にして大きくするかも克明に描かれている。
彼女たちは実際にしたことは一度もないが、想像したことくらいはある。イメージトレーニングをしたこともある。
金メイドは逸る心をなるたけ落ち着かせるようにして、イメージしてきた通りに手指を動かした。乳首を転がした時と同じで、扱き続ける内に手の中の男性器が熱を持ち始めた。太さも固さも変わってきた。余裕で握れた太さだったのに今や親指と中指で作る輪に余る。固さも全然違う。確かになまめかしい肉の弾力はある。それと同時に決して折れない強さを感じる。
それ以上に違ってきたものがあった。
「あ……ああ…………」
畏れを抱くような声が漏れた。
うなだれていた男性器が持ち上がってきた。
「立つ」とは文字通りに立つことで、太さも固さも遙かに増した男性器が、金メイドの手の中で立ち上がっている。
肉棒は根本から均一な太さで伸び、あるところで色が赤みを帯びる。そこには鋭角なエラがあり、丸みを帯びて、先端にはぴったりと閉じた小さな割れ目がある。その割れ目から排泄したり精液が出たりすることを、彼女たちは知識として持っていた。
所詮は知識だった。
雄々しく勃起した逸物は凶悪で暴力的で、思わず膝を突きそうになる。
これが女の体に、自分たちの体に入ってくるなんて想像も出来ない。知識としては持っているのに、現実の脅威は想像以上だった。
「すごい……おっきい……」
白メイドは誘引されるように逸物を握った。
扱く手が止まり、それでも逸物から離れない金メイドの手と白メイドの手。二人の手で握られても余りある長さがあった。
二人は靴を脱いでベッドに上がり、一緒に逸物を扱き始めた。
▽
(…………私だって触りたいのに)
一人用のベッドに三人が並ぶのは、ナザリックのメイドが使うベッドであっても狭かった。
二人が下半身に陣取ってしまったので黒メイドが入る隙間はない。ベッドサイドからなら届くだろうが、それでは自分が余り者のようでなんだか嫌だ。
ちょっぴり唇を尖らせて、彼女は二人に背を向けてベッドに上る。長いスカートの裾を持ち上げて男の体を跨ぎ、腹の上に馬乗りになった。体重を掛けてしまうと起こしてしまうかも知れないのでそこは気を付けて尻を浮かす。
不自然な体勢ではバランスをとるのが難しい。左手をベッドに突いた。男の顔のすぐ脇だ。右手は男の目を覆っているスカーフを解く。
二人がそっちなら自分はこっち。下半身に興味津々で部屋に連れ込んだわけだが、男の美貌にだって興味がある。
ほうと溜息を吐いて男の顔を見下ろす。ハンサムだとか綺麗だとか言うのはこのような顔なのか。
頬を撫でるとややひんやりとして柔らかい。顔の真ん中で堂々としている鼻をつんとつつく。目が閉じているのは少し残念だ。アウラ様とマーレ様と同じ異色光彩は遠目に見ても神秘的で、出来れば近くで見たいとも思っていた。
指は唇も撫でた。
艶やかに赤い唇はふにふにと柔らかい。白い指は唇を割って中に入ろうとして、止まった。
男から離れた指は女の口の中へ。人差し指をしゃぶってたっぷりと唾を付ける。再度現れた指は唇との間で糸を引いた。
滴るほどの唾にまみれた指を男の唇へ運んだ。今度は唇を割って中に入っていった。歯は閉じられていなかった。柔らかな舌に辿り着き、指に付いた唾を擦り付ける。何度も繰り返した。
美しい男に自分の唾を飲ませる倒錯的な快感。自分の思い通りに出来る優越感、と彼女は思っていた。
何歩か進んで考えてみると、唾とは言え体液の交換。間接的でありながら、口内の柔らかな粘膜による接触。
男と混じり合いたい気持ちの発露であると、彼女は知らなくても体は薄々気付いていた。気付いた体は着々と準備に取りかかる。
体が準備を始めたことに彼女も気付いた。
肩越しにちらと振り向く。二人の横顔が見えた。こちらへ注意している気配はない。
彼女は膝で踏んでいたスカートを抜いた。
左手だけを使ってスカートの裾を手繰り上げ、スカートの内側に辿り着いた左手は真っ直ぐに股間へ向かった。
白くて薄い小さな布地越しに、女の体で一番柔らかい部分に触れる。
(濡れてる……)
もう一度振り返る。
二人の横顔がちらと見える。
「んぅ……」
指を少しだけ沈ませて前後に動かした。
声が少しだけ出てしまう。
二人のことは、もう頭になかった。
黒メイドは男の顔を見下ろし、腹を跨いで膝立ちになりながら、自分の女を慰め始めた。
▽
白メイドと金メイドの二人はいつまでも扱いていなかった。二人とも異本でたっぷりと予習している。異本のメイド達がどのようなご奉仕をしているか知っている。
目的は射精させることで、そのための手段が色々あることを知っているのだ。
手淫止まりは初心者。彼女達は初心者なのだが、いつまでも初心者でいることをナザリックのメイドは良しとしない。
『メイドの献身』シリーズではどの巻でも必ず行われているご奉仕があった。
「大丈夫? 変な味しない? どんな感じ?」
「ちょっと汗の味? それだけだから平気よ。匂いも嫌な感じはしないし」
白メイドが根本を押さえて上を向かせ、金メイドが伸ばした舌先でちょっぴり触れる。何度か触れてから思い切って舌の腹で触れ、舐めあげた。たっぷりの唾にまみれた舌で。
同僚に毒味を任せてから白メイドも舌で触れた。
交互に舐めあい、竿が唾に塗れていく。舌で触れると手で触るよりも繊細に逸物の形が感じ取れた。単に真っ直ぐな棒ではなく、細かな凹凸があるのがわかる。
ある程度舐めて滑りをよくしてから二人で扱く。そしてまた舐める。
「あっ!」
何度も繰り返す内に、先端の閉じた割れ目から透明な滴が浮かんできた。二人ともまだ口を付けていない部分だ。二人が舐めていたのは竿部だけで、亀頭はまだ手付かずだった。
何事も率先するのが金メイドのポジション。中指で滴に触れた。思いの外、長い糸を引く。親指と擦り合わせると粘りが強い。最後に口へ運んだ。
「平気よ」
「……うん」
「直に行くんだ……」
白メイドは直に行った。指ではなく顔を近づけて、小さな唇で亀頭を挟む。唇の中では舌を動かし、滴が浮いてきた尿道口を丹念に舐めた。
異本によると、これらの液体は美容によいとされている。飲むのはもちろん、顔に掛けられて塗りつけたり、体に掛けられて伸ばされたり、他の部分でも。メインは精液だが、先走りの汁も無駄には出来ない。
亀頭の先端だけに触れていた唇は徐々に開かれていく。白い頭も下がっていく。亀頭は完全に口の中へ隠れた。なおも下がり、長い逸物の三分の一まできた。
口の中に含むと、舐めるだけより匂いも熱さも強く感じる。頭を上げるときは口をすぼめて逸物に吸い付きながら。唇が亀頭の始まりである鋭角的なカリまで来ると、もう一度頭を下げて逸物を口の中へ迎え入れる。
何度も繰り返す内に半分まで咥えられるようになった。
「ぷはっ」
亀頭から根本までたっぷりと唾に濡れた逸物は湯気が立ちそうなほど熱い。
「こ、今度は私が……んむっ……」
焼き直したように金メイドもしゃぶりついた。
口淫。
すなわちフェラチオは必須のご奉仕なのだ。
舐めた時と同じように交代しながらしゃぶりつく。
同僚の唾を舐めることになるのは全く気にならない。そもそも気付いていない。しゃぶることに夢中になっている。
ただし、交互にしゃぶっているのでどうしても間が空いてしまう。刺激が途切れればそれだけ射精も遠のいていく。異本にはそこまで書かれていないが、実際にしてみると何となくそうではないかと感じるものがあった。
「ねえ……。『メイドの献身』シリーズの第11巻。覚えてる?」
「!?」
白メイドの恐るべし提案に金メイドはおののいた。
「お、覚えてる、けど……」
「……あれはすぐに出ちゃってたよね?」
「それは……そうだったけど……でも……」
これまで率先してきた彼女が戸惑うにはわけがある。
メイドの献身シリーズ第11巻「あなたとわたしのご主人様♡」では、これまで別々に登場してきた二人のメイドが力を合わせてご奉仕するのだ。今の二人と同じである。
そのご奉仕方法と言うのが、手と口と、もう一つ。
「恥ずかしいなら私一人でするけど?」
「べ、別に平気よ? 見たことも見られたこともあるし」
「それじゃ一緒に、しよ?」
「う…………うん」
二人はしばらく相手の様子を伺って、首元を飾る鮮やかなリボンタイを解いた。さらさらと衣擦れの音が響き、脱いだ服はやはりハンガーへ。
スカートとエプロンはそのまま。両手は胸元へ。いずれ見られるにしても、せめて今は先端だけでも隠したい。
「私はこっちからするから」
「わ、わかったわ」
上擦った声で答える。
腹の上には背を向けて黒メイドが座っているため、一人が下からするともう一人が入る場所がない。二人は横からベッドに上った。手狭なので上半身だけ。
「んっ……、胸で触っても熱いよ」
「ほんとう……」
白メイドは乳房を寄せて谷間を作り、逸物へ押し付けた。金メイドは男の下腹に手を突いて、やはり逸物へ乳房を押し付ける。押し付けられた乳房は頼りなく形を変えた。向き合って押し付けているので、時々乳首同士が擦れる。男の乳首より大きいと称した乳首は二人とも立たせていた。
ヘロヘロが創造したメイド達はソリュシャンを見ればよくわかるように胸がとても大きい。その大きな乳房でも包みきれない。顔を出している先端には双方から口付けをする。
乳房を揺すって挟んだ逸物を上下に扱く。その度に乳首同士が擦れるのは快感で、二人ともわざと相手の乳首に擦れるように動かした。
口付けしている亀頭へは熱心に舌を使う。
ちゅっちゅと唇でついばみ、レロレロと舐めあげる。舐めるときは亀頭まで舐めてそのまま咥える。ついでに先走りの汁もちゅっと吸い取る。
逸物は二人の唾が滴るほどに濡れ、竿を伝って流れ落ちていく。それが更に乳房で塗りたくられる。乳房を揺する度に、ニチャニチャと淫猥な水音を立てた。
異本が伝える必殺技。二人のメイドが協力して繰り出すWパイズリにご主人様はあっという間に達してしまう。
二人のおっぱいに、四つの乳房に包まれた逸物もまた限界が近いらしい。熱さと太さに微妙な変化があり、脈打ち始める。
「あっ!」
「やった!」
まさに二人の目の前で、熱い逸物からもっと熱い精液が吹き出した。どぴゅどぴゅっと勢いよく吐き出されていく。
咥えようとしていた白メイドの顔にはたっぷりと。その甲斐あって髪に掛からなかったのは幸いだった。
可愛らしい顔は精液で汚され雄の匂いに酔ったのか、夢中になっていた行為に興奮していたのか。白メイドは熱い息を吐いて唇に掛けられた精液を舐めとった。
頬にはべったりと粘塊が付着している。白い頬に汚らしい跡を残して精液が流れ落ちていく。落ちきる前に金メイドが舐めとって飲み込んだ。
「美味しくはないけど不味くもない、かな?」
「……そう? 私はもっと欲しいなって思うわ。飲めば飲むほど綺麗になるって言うし」
顔に付着する精液を指ですくい取っては口に運ぶ。一通り綺麗にしてから、指をしゃぶりながら物欲しげに力をなくしつつある逸物を見つめた。異本でも、一度射精した逸物は萎れてしまうことがあった。
「出しちゃったの?」
「「あっ!」」
男の腹に跨がっていた黒メイドが振り向いた。
二人とも彼女のことをきれいに忘れていた。
▽
彼女は心配になるほど顔を真っ赤にしていた。
「顔赤いけど大丈夫?」
「大丈夫よ。それより二人ともおっぱい出しちゃって」
「うっ……。でもこの人よく寝てるし見られてるわけじゃないし?」
ボールを打ち返された白メイドがしどろもどろに答える。
男はここまでされてもよく寝ている。
黒メイドはもの言いたげに口を何度か開閉して、男を見ながら言った。
「次は私がもらうから」
有無を言わさない口調。
順番である。
しかし最初からで、射精直後の逸物は最初見た時と同じようにうなだれていた。
「えっと、大きくするには……」
「異本にあった通りよ。手でシコシコしたり、お口でペロペロしたり。ザーメンが出たのはおっぱいでしてからね」
「あれ? スペルマって言うんじゃなかったっけ?」
「どっちも同じ意味よ」
ザーメンと言ったのが金メイド。スペルマと言ったのが白メイド。ちなみにスパームとなると精子を指す。
二人は躊躇いがちにしゃぶり始めたのだが、黒メイドは最初からぱくりと咥えた。
舌使いは拙くても温かくて柔らかい口内に包まれればあっという間に大きくなる。勃起しきると、彼女は二人に逸物を扱き続けるように言って自分はスカートの中に手を入れた。
「な……何するつもり!?」
叫ぶような白メイドの言葉に耳を貸さず、スカートの中に入れた手を足下まで下ろす。右足左足と交互にあげて、手には小さくて白い布切れ。二人に見せることなくエプロンドレスのポケットに仕舞った。
「………………入れるの」
「「!?」」
入れるの意味がわからない二人ではない。
異本のメイド達は、ただの一人の例外なくご主人様のおちんちんを入れていた。
どこに入れるのか。
「無理だよ入らないよ、大きすぎるって!」
「そうよ。あんなの入れちゃったら裂けちゃうよ!?」
「でも……。指なら二本まで入れたことあるわ」
「その倍以上太いでしょ」
「そっ……そうだけど。こんなチャンスもうないもの。それに、もう……、その……、すごく、その……、濡れちゃってるし……」
真っ赤な顔を俯かせる彼女を見て、二人は顔を見合わせた。
その時である。うーん、と小さな唸り声が聞こえた。
三人は弾かれたように眠る男を見た。
「はい……、ペス……様、ありが……。ポーションはジャケットの外ポケットに……」
都合のいい寝言に、二人のメイドは気が付かなかった。
男の手を縛る紐が巻き付けているだけになっていることに。男の右手の、特に中指が根本まで何かしらの液体に濡れていることに。目隠ししていたスカーフが結ばれることなく乗せているだけになっていることに。
「勝手にいいの?」
「いいのよ。有効に利用した方がペストーニャ様もお喜びになるわ」
男性使用人用のジャケットはナザリック製。自動でサイズを調整する魔法以外にポケット内の空間を拡張する魔法も掛けられていた。あれこれと持ち運びしなければならない使用人達だが、ポケットが膨らんでいるのは見苦しい。ジャケットのポケットは見た目以上の容量がある。
黒メイドがポケットからポーションを取り出した際、ピンク色のリボンが床に落ちた。幸か不幸か誰も気付かない。
スカートを踏まないように注意して男を跨ぎ膝を突く。尻の位置は男の股間の丁度真上。ゆっくりと腰を落とし始めた。どこがどうなっているのか、二人の下半身はスカートに隠れている。
「私からじゃ見えないから……位置を合わせて欲しいの」
初心者がいきなり騎乗位はハードルが高い。するならば補助がいる。二人から見えるようにスカートをたくし上げた。
スカートの中では、逸物が尻の割れ目に触れている。
「もう少し後ろ。……そう、そのあたり。えっと、…………ここ?」
「ここって何よ?」
「だから……入るところよ」
「うっ…………、私からは見えないんだもん!」
金メイドが誘導し、白メイドが逸物を摘まんで角度を合わせる。スカートの中は暗いのでよく見えない。シルエットから何となく判断する。
「少し腰を落として」
「…………こう? おちんちんがぶつかってるのはわかるんだけど……」
横方向はばっちり。縦方向はいまいち。逸物を前後に振って、割れ目に隠れた小さな入り口を探しだす。
股を開き、すごく濡れてると言うだけあって、割れ目は男を受け入れるために開いている。
白メイドも自慰をしたことは何度となくある。位置が同じと仮定して、およその位置へ亀頭を導いた。先端がさっきより潜り込んだ。
「たぶんここ。見てて上げるからゆっくりと腰を下ろして」
「……うん。あっ……、わかるわ。たぶん……、ここ」
「こっちからも見えてるよ。さきっちょの半分くらい入ってる」
「いっ……! ひぎぃっ!」
「ゆっくりで大丈夫。そのまま」
「痛い? ポーション飲む?」
「まだ……だいじょぶ……。いっ………………たぁい……」
スカートから手が離れ、二人の下半身はまたも隠された。
さっきと違い、浮かせていた腰が男の股間の上に乗っている。
黒メイドは男の下腹に両手を突いて、痛みと熱を吐き出すように深い息を何度か吐いた。
「入ったわ……」
あれが本当に体の中に入ったのか。
二人は畏敬の目で、男に跨がる黒メイドを見た。おっぱい丸出しのままで。
「ポーション飲んでおく?」
「うん……。結構痛い。たぶん血も出ちゃってる」
初体験で出血するのは不思議ではない。膣口を狭めている処女膜が破れて血が出る。自分ですら一度も触れたことがない膣の最奥にまで男が届き、こじ開けられた痛みがあった。
しかし、正常の範疇である。メイドの細い指の何倍も太い凶悪な逸物。けども膣はいずれ産道となってそれよりずっと大きな赤子が通ることが出来る。
破瓜の痛みは確かにあっても痛みに悶えるほどではないし、すぐに気にならなくなるはずなのだ。
にもかかわらず、痛み止めにポーション。
ただのポーションではない。ペストーニャがもしもの時のために男へ渡した上級ポーションである。男が瀕死でも完全回復。男より遙かに高レベルなナーベラルが瀕死でも完全回復。代わりにアインズが使うと大ダメージ。
間違っても初体験の痛みを和らげるために使ってよいものではない。もしもこれが現地の国家にあれば、万が一、兆が一のために秘蔵される至宝となるのは間違いない。
それが、初体験の、痛み止め。
これぞナザリッククオリティである。
「もう大丈夫。全然痛くないわ。おちんちんが入っちゃってるのがわかる」
さっきは痛みで顔色が少し悪かった。今は上級ポーションを飲み干したおかげで顔色も肌の艶もよい。婉然と微笑んだ。
「入ってるのってどんな感じ?」
「やっぱり気持ちいい?」
「気持ちいいってのはまだないんだけど…………、私は一人じゃないんだなって」
男へ愛しげな笑みを向ける。
「一人じゃないって何よ! 私たちがいるじゃない!」
「そうよ。アインズ様だって残ってくださったわ!」
「違うわ。ごめんなさい。そういうんじゃないの。なんて言うか……。足らなかったものが満ちたって言うか、別々のものだったのがやっと一つになれたって言うか。…………んっ……はぁ」
ゆっくりと腰を上げ、落とした。
男へ向ける表情が変わってきた。優しそうな顔をしていたのがどこか苦しそうに、耐えるように。
ベッドのスプリングを利用してリズムよく上下に動く。メイド服に包まれた大きな乳房がゆっさゆっさと揺れる。目は閉じて、口からは艶やかに愛を歌う鳴き声。
「あっあっあっだめっ、きもちいっ、おちんちんがっ、はいってるっ、はいってるのわかるわっ、あっあんっ!」
段々と体を倒していく。
男の下腹に突いていた両手は胸へ。伸ばしていた腕が崩れて男の胸にすがりつく。それでも腰は止まらない。ポーションで過剰回復した影響だろうか。男の上で腰を振り続け、スカートに包まれた大きな尻が休むことなく上下に動いている。
二人のメイドは生唾を飲み込んで同僚の艶姿に見入った。いやらしい表情や止まらない腰つきから本当に気持ちいいのだと伝わってくる。
「やだっ! みないでぇ!」
「ごっ、ごめん。どうなってるか気になって」
「謝ることないわ。異本のメイド達は見られて喜んでたでしょ?」
「私はちがうからぁ!」
「ほら、あんなこと言ってるのに腰は止まらないし」
せっかく金メイドが謝ったのに白メイドがそそのかした。
男を受け入れているメイドは二人を止められない。腰の動きも止められない。快感を貪ることと、男を受け入れている事実をより強く感じるために体が勝手に動いている。勝手にではなく、彼女自身の意思かも知れない。
「うわぁ……」
「すごっ……」
「やだぁ……。あっあっああん♡」
繋がる二人の後ろに回った二人は、大きな尻を隠すスカートをめくり上げた。
黒メイドの大きな尻が見えた。丸くて染み一つない白くて綺麗な桃尻。尻の割れ目には少しだけ色づきキュッと締まった小さな窄まり。そして、そのすぐ下。二人が繋がっている部分。
二人がしゃぶったりおっぱいで挟んだりした大きな逸物が、メイドの女へ突き立てられている。
肉棒が女の中に隠れ、ぬめる液体を伴って現れたかと思うとまた女の中に入っていく。
多少の出血があったようで、少しだけ赤いものがあった。それは見る間に流されていく。結合部から溢れる淫液は腰を振る度に飛沫となった。
響きわたる嬌声に、初めて見る生々しい男女の結合。見られていることを忘れているかのように腰を振っている。大きな男性器が女性器の中へ出たり入ったりと。
二人は唾を飲み込んで魅入っている。
あんな風に男を受け入れる部分が自分たちにもあることを知っている。
二人は気付かない内に体を寄せていた。大きな乳房がぶつかり合っても気付かない。
操られるように自分のスカートをめくり上げ、指を揃えて股間に触れる。湿っていた。
揉みほぐすように撫で始めた。
「あっあっもうだめっもうイッて! 精液だして! おまんこにだして!」
涙ながらに腰を振り続け、直に動けなくなることを直感した。
体の奥に渦巻く熱が溜まりに溜まりきって解放されようとしている。今も全身を侵している淫らな悦びがもっとずっと強くなって。
「おまんこにだしていいからっ! ダメなのイッちゃうの! あっやっやあぁっ! あーーーーーーーーっ!!」
一際高く鳴いた。
二人のメイドが咄嗟にスカートをめくり上げると、尻がびくんびくんと痙攣している。
見続ける内に、結合部から溢れる液体が増えてきたように思えた。
二人が手伝って脱力している黒メイドの腰を持ち上げてやった。膣に入っていた逸物がずるりと抜ける。
大きな逸物にこじ開けられた膣口はぽっかりと口を開いている。やがて、暗い穴からとろとろと白濁した粘液が流れ出てきた。
▼
三人のメイドは丁寧に体を拭いてから身だしなみを整えた。
残る二人も黒メイドに続きたかったのだが、いつまでも休んでいるわけにはいかない。お仕事が待っている。
初体験とお仕事を秤に掛ければ言うまでもなく後者が圧倒的に重い。
「あ、ハンカチを忘れちゃったわ。取ってくるから二人は先に行ってて」
黒メイドだけが部屋に戻った。
ベッドの上には、男がちゃんと衣服を着せられて横になっている。
メイドは目つきを鋭くして、男の耳へ顔を寄せた。
「おまんこを好きなだけ触らせてエッチもしてあげたんだからここであったことは絶対誰にも話さないで」
男は片目を開いてメイドを見た。
確かによく眠ってはいたが、途中で目が覚めた。
男の上で自慰をしていたメイドは騒がれてはまずいと、口止め料代わりに自分の体を触らせて、そこまでするつもりは余りなかったのにエッチまでしてあげたのだ。
「しばらくここで眠っていてもいいでしょうか?」
「ちゃんと答えて」
「最初から誰にも話すつもりはありませんでしたよ。私はずっと眠っていました」
「…………そう。好きなだけ寝てていいわ。起きたらペストーニャ様に報告して」
「わかりました」
「ふん。じゃあ仕事に戻るから」
「はい」
「…………」
去り際に男の頬へ口付けし、耳元で小さく自分の名前を囁いた。
さっときびすを返したので赤くなった頬は見られていないはず。
上機嫌に仕事へ戻った。
男は欠伸をしてから手足を伸ばし、もう一度夢の中へ。
▼
男が目覚めたのはそれからどれほど経ったろうか。
物凄くよく寝た気がした。一週間瞑想を続けたような爽快な目覚めである。かつては火傷の痛みに全身を犯されて、一週間ずっと記憶の宮殿に潜ることはよくあった。
壁に掛けられた時計を見るとまだ昼過ぎだった。まさか日を跨いだわけではあるまい。
眠っていたのはナザリックのベッドだ。快眠の魔法が掛けられていても不思議ではなかった。
うっそりと体を起こしてこれからのことを考える。
アルベド様は「次はエ・ランテルで」と仰った。
週に一度の食事と仮定して、遅くとも一週間後にはエ・ランテルの屋敷のお食事部屋にいなければならない。
その前日にはエ・ランテルに戻っている必要がある。
ナザリックからエ・ランテルまでの道程は、カルネ村で一泊することを考えて、出発はさらにその前日。
と言うことは、ナザリックを離れるのは四日後。
丸三日はナザリックに滞在することが出来るのだ。
丸三日も最古図書館にこもることが出来る!
アインズ様が利用許可をくださったのだ。ああなんとお優しいアインズ様アインズ様偉大なるアインズ様と始まるアインズ様賛歌は昨日全曲覚えさせられた。アルベドが第九番を作詞中である。
「ふっふっふ……」
思わず含み笑いを漏らす。
そこだけ切り取れば美貌の男なので、深遠な真理を悟った賢者にも見えたのだが、すぐさま現実が幻想を打ち砕いた。
腹の音がぐうと鳴ったのだ。
昨夜、アルベド様の私室を訪れる前にしっかりと食事をとって、それきりである。今日は朝からずっと寝っぱなしで何も食べていなかった。お腹が減っている。
その前にペストーニャ様へ目が覚めたことを報告して。
「…………起きたなら助けて」
「?」
どこかから声が聞こえてきた。
やや幼さを感じる女性の声。少女の声であるようだ。
声は近い。声の主はこの部屋のどこかにいる。
「ここ」
ベッドから下りれば声の主はすぐそこにいた。
メイドが使うのにとても広いナザリッククオリティの部屋は、メイド達が衣服を整えるときに利用する大きな姿見がある。
その前に一人の少女が仰向けに倒れていた。
腰まで届く赤金の髪。いっそ作り物めくほどに整った容貌は繊細な芸術品を思わせた。目を引くのが左目を覆う金属色を放つ眼帯。
メイド服ではあるのだが、一般メイドたちの衣装とは意匠が異なる。ソリュシャンの姉妹であるプレアデスと察した。
そして、特に目を引いたのが彼女の首。
「あーーっ!」
「……うるさい。なに?」
彼女の側には迷彩柄のマフラーが落ちている。おそらくは彼女の首に巻き付いていたマフラー。
倒れ伏す彼女の首にはマフラーの代わりに、繊細な刺繍が施された白いレースのリボンが飾っていた。
どうすべきか迷ったので初めてアンケートを2・3日前に追加
現在、6:5で見事に割れている
結果を反映するのはたぶん次の次の次くらい
次かその次を投稿するまで出しときます
エンリを
-
食べちゃう
-
素通り