正式名称「CZ2Ⅰ28・Δ」、略称シズ・デルタはプレアデスの一員である。五女あるいは六女で、どちらが姉であるかを日々エントマ・ヴァシリッサ・ゼータと争っている。
そのエントマは羨ましいことにデミウルゴス様と一緒に出張中で、魔皇ヤルダバオトに従うメイド悪魔に扮している。
他の姉妹たちもあちこちへ出張したり何かしらのお仕事が割り振られているのに、シズだけはずっとナザリックでお留守番。
シズの創造主はナザリックのギミックを考案した「ガーネット」であるため、シズの頭脳にはナザリック内の全ギミックとその解除方法の全てが収められている。外に出たシズに万が一のことがあり情報流出に繋がるとナザリックの存続に関わる事態に発展しかねない。不慮の事態を恐れるアインズ様の意向により、ナザリックがこの地に転移してから今日まで、シズは外に出ることが許されていなかった。
アインズ様からのご命令に不満はない。
不満はないのだけれど、時間を持て余しているし他の姉妹みたいに外へ出てアインズ様のためにお仕事をしたい。アインズ様はその内出られるようにしてやると仰っておられるのでその日まで我慢の日々である。
それはそれとして、シズは可愛らしい外見から想像される通りに可愛いものが好きである。
時々ナザリックの第六階層へ遊びに行ってハムスケと戯れることも多々。いつでも無表情のため本当に楽しいのだろうかと思われたりもするがシズ本人は楽しいのである。
そして今日。
第九階層をふらふらお散歩していたら廊下に何かを引きずった跡があった。
すわ事件発生か妹探偵の出番待った無し。
跡を辿るとメイド達の部屋。そっと中に入ると男がベッドで寝息を立てていた。知らないでもない男だ。以前、ナザリックで演説をしたそうだが、シズは聞いていない。昨夜の出征式では、遠目に見かけた。
人間の男の美醜に興味があるシズではない。しかし、出征式への参加を許されたのならアインズ様に認められたナザリックに有益な人間なのだろう。
しばし見下ろし、ただ寝ているだけなのを確認。
事件はあっさり解決してしまった。
事件が解決したのでお散歩任務に戻ろうとしたシズは、床にピンク色のリボンが落ちているのを見つけた。
繊細な刺繍が施されたレースのリボンである。リボンを拾い上げたシズは、シズの姉妹であるプレアデスならわかる程度に目を輝かせた。シズの可愛い判定をクリアする綺麗なリボンだったのだ。
メイドの部屋に落ちていたのだからメイドのものだろうか。
ちょっとだけ借りてみることにした。だってとっても可愛いんだもん。
姿見の前に移動してマフラーを外し、リボンを首に巻き付けて蝶々結びにした姿が似合うかどうか鏡をのぞき込んだところでバタンと倒れた。
そして今に至る。
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「…………リボンを解くにはそれが必要?」
「はい」
「…………そう」
起きた男と名乗り合い、体の自由を奪うリボンを解く方法を聞き出したシズは静かな怒りに燃えた。
「入手に心当たりがありますか?」
「ある」
シズの即答を意外に思った。メイド達は男不足であるようだがプレアデスのシズは違うらしい。しかしそうすると同じくプレアデスであるルプスレギナの発情解消に己が選ばれたのは少々疑問だが、自分が関与することではないと考えるのを止めた。
「でも動けない。そこまで連れて行って欲しい」
「わかりました」
抱き上げると意外に重い。素直に口にしたらお前失礼と怒られた。女性に重いと言ってはいけないと誰からも教えられていなかったのだ。これでもう同じ間違いはしないはずである。
「私はオートマトン。至高の御方のお一人ガーネット様に創造された」
オートマトンとは精巧な絡繰り仕掛によって自律運動を可能とした自動人形のこと。
そう聞かされても想像より重たかっただけで体の柔らかさや温かさは人間と変わらない。美しい少女である。この美しい少女を愛する幸運な男はいったい誰だろうか。そんな益体もないことを考えた。
道すがらペストーニャと出会った。
「ご心配をお掛けしました。体はこの通り問題ありません。ご配慮、ありがとうございます」
「どうやら問題ないようですね、わん。ところで……」
「シズさんにナザリックを案内してもらっているところです」
シズをおんぶしながら歩いていた。目を引かないわけがない。
「私が案内する」
「そうですか……わん」
過日、この男はマーレ様を肩車してナザリック内を案内してもらっていた。
今日はシズ様をおんぶして案内してもらっているらしい。
小さな子が好きなのですね、とペストーニャが思うのは当然であった。
ペストーニャの温かい目に見送られて辿り着いたのは使用人たちの居住エリアの端っこ。行き止まりである。このあたりの壁は化粧が施されておらず、煉瓦がむき出しになっている。ナザリック第九階層でまさか建設予算不足だったり手が回らなかったりしたわけではない。デザインの一環である。白い煉瓦の壁は高く、ここだけ抜き出してどこかへ放り出せば聖遺物として信仰を集めそうな厳かさがあった。
「どれか適当にブロックを触って。……そこから下に6、右に23。そこが上。上上下下LRLRBAの順に触る。Lは上の左。Rは右。Aは下の右でBは更に右」
シズを落とさないように注意して屈み、言われた通りの順に煉瓦に触れる。
すると二人の体を光が包む。
転移の光である。光が止んだとき、二人がいたのは今までとは全く違う場所だった。
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白く細長い部屋である。華やかな第九階層とは打って変わって殺風景な部屋だ。壁の片側にはパイプで出来たベッドが並んでいる。ところどころに取っ手がついた白いボックス。冷蔵庫を模しているのだが男は冷蔵庫の存在を知らなかった。
部屋のずっと奥には白い扉がある。振り返るとベッドが並んでいるだけであちらの壁には何もない。
ここでシズは男と逢瀬を楽しんでいるのだろうか。
とりあえず手近なベッドにシズを寝かせた。これでお仕事は終了である。ご飯を食べたら最古図書館が待っている。
「そのリボンは私のですから、無事に解けたら後で返してください」
言うまでもなく、シズの体を拘束しているリボンはアルベドがスキルによって作成したエンゲージリボンである。男はアルベドからリボンを下賜されていた。
アルベドが好きに使いなさいと言ったのは、リボンを使って気になる女を拘束し犯してしまいなさい、と如何にもサキュバス的な思考によるものだったが、男が考えていた使い道はソリュシャン封じであった。
お仕事や読書の邪魔をしてチュッチュちゅぱちゅぱしたがる淫乱スライムを封印するのだ。
封印を解いた後、怒り心頭のソリュシャンに丸呑みされる未来が見えるが先の丸呑みより目先の読書。近視眼的な男である。
「………………」
シズは何も答えない。
男は無機質な部屋を奥へ進む。並ぶベッドは20もあった。
「あれ?」
部屋に唯一の扉を開くと、そこには簡素なシャワールームとトイレ。
他に扉がないことを確認し、シズのところへ戻った。
「出口がどこにあるか教えていただけますか?」
「そんなものはない」
「は?」
「ここから出るには特定のギミックを作動させる必要がある。それは私しか知らない。ここから出たかったらリボンをほどいて」
シズは男の言葉を全く信じていなかった。
女の自由を奪い、拘束を解くには男の精液が必要なアイテムなんて聞いたことがなかった。入手先を訊いても、「お答えする必要はありません」とばっさり。
男の言葉は嘘。自分を拘束しておくためだけの方便。
なのだからシズの言葉も嘘。精液の入手にあてなどあるわけがない。嘘を吐いて誘導した。
ここはナザリック第九階層のどこかにあるセーフティルーム。敵がナザリックの第九階層まで侵入してきたときにメイド達を避難させる場所の一つである。出入り口はなく、出入りするにはギミックを作動させて転移しなければならない。
それを知るのは自分だけ。
ここから出たければ本当のことを話して自分を解放しなければならない。
男の嘘を見破ったシズの策略であった。
「リボンを解くには先に申し上げたとおり男性の精液が必要です」
「…………精液。男の生殖器から分泌される精子を含んだ粘液。性的興奮と刺激によって分泌される」
「その通りです」
「…………嘘」
「嘘ではありません。本当です」
「…………そんなアイテム聞いたことない」
「現にここに存在しています」
「……信じられない。他に解除方法があるはず」
「あったとしても存じ上げません」
「…………」
「もう一度お伺いしますが、精液の入手にあてはありますか?」
「…………」
シズは押し黙ったまま答えない。
男は、はあと溜息を吐いた。
「お前失礼」
「失礼しました」
シズは何も言わなくなった。
怒られたばかりなので溜息を吐くのは我慢した。
シズが右目のみ露わにしている翠玉の瞳で睨まれながら、男は白いボックスを開いた。
手の平サイズの四角い銀色の包装が幾つも重なっており、取り出して開いてみると細長いクッキーのようなものが現れた。匂いを確かめかじってみる。ぼそぼそしているが割と美味しい。かなり甘い。案の定食料だった。
部屋の様子から一時避難する場所だと察した。どうやらその通りであるらしい。
種族ペナルティによってお腹が空きやすい一般メイドたちをも満足させるレーションである。それを二つも食べてからシズが横たわるベッドに戻った。ちなみに消費した分は自動で補充する魔法の冷蔵庫である。
「…………何するつもり?」
▽
シズに相手がいるならそれが一番なのだが嘘であったらしい。
この場にいるのはシズと自分の二人だけで、精液を提供できるのは自分だけ。
かなり気が進まないがやるしかなかった。
もしも自由を取り戻したシズにくびり殺されたとしてもそれはそれ。二人ともここで朽ち果てるよりましである。
これが憎い相手であれば、朽ちた相手を見ながら自分が朽ちるのを待つのもやぶさかではないが、シズはナザリックのシモベでソリュシャンの妹である。だったらせめてシズだけでも自由にしたい。
「……どうして目隠しする?」
リボンの上に巻いていたマフラーを外してシズの目を覆った。
ベッドの中央にあったシズの体を端っこに移動させて、枕を使って横を向くように体を固定する。
桃色のふっくらした唇を見下ろしながらスラックスのジッパーを下ろした。
ごそごそと取り出した逸物は力がない。昨夜たっぷりとアルベド様に絞られ、今日はメイド達の玩具になって二回出している。シズは美しい少女であるが、体は凹凸に乏しく幼さを感じさせるし表情に乏しいし色気よりも可愛らしさが勝ち、見ているだけでは中々元気にならない。
男は神に祈った。
(アルベド様! どうか私にお力を!)
想起するのは美神アルベドの艶姿。
柔らかくておっきい究極のおっぱい。言葉に尽くせぬ美しい乳首。ぬめる下腹を飾る淫らに美しくも神秘的な紋様。そして、アルベドの雌の穴。そこへ思うさま突っ込んだ事を思い出せばたちどころに立ってくる。
「…………何これ?」
シズの手を取って勃起した逸物を握らせた。シズは力を入れられないため、シズの小さな手に自分の手を重ねて握らせている。
熱い逸物に、冷たくて小さな手が心地よい。
実を言うと、生まれてこの方一度も自慰をしたことがない男である。
ラナーに囚われたのは精通前。以降は自分の体なのに自由に動かせず、ラナーの気の向くままに絞られてきた。
健康な肉体を取り戻してからはアルベド様のお食餌である。勝手に出したりしたら酷く怒られる。と言うかそんな隙も暇もなくソリュシャンに絞られている。乾く暇がないと言う奴だ。
経験がなくても、アルベド様やシクススに扱かれてきた経験からどの程度の力加減でするのが良いのか知っている。
目を閉じて脳裏に描くのは美神が乱れてよがる様。
シズの手に重ねた手は動きを加速させ、意外に早く射精の兆しを感じた。
シズの頭を押さえ、膨らんだ亀頭を桃色の唇に押しつける。逸物で小さな唇をこじ開け、飛び散らないように亀頭全てをシズの口の中へ。
無抵抗な美少女の口を犯すのは冒涜的な快感があった。
逸物に触れる艶やかな唇。このまま奥まで突き入れて口内を蹂躙したくなる。
そんなことを出来ようはずがない。己の欲望のためにシズの口を犯しているのではなく、シズを自由にするためなのだ。
「んっ、んっ、ひゃにこえっ……。うぷっ……」
亀頭を咥えさせられたまま喋ろうとするので、吐息が掛かってこそばゆい。
荒くなった鼻息が下腹を撫で、ついと達した。
無垢な少女の口の中へ、ぴゅぴゅっと精液が吐き出された。
ぴゅぴゅっである。これがもしもアルベド様がお相手であったならば、「薄い少ない。私の知らないところで何をしてきたの?」とぶち切れ確定の量である。
少量でも精液は精液だった。
短い射精が終わるとシズの口から逸物を引き抜く。尿道口がちょっぴり濡れていたので唇に塗りつけることを忘れない。
吐き出さないようシズの顎を押さえて口を閉じさせた。
「飲み込んでください」
「んっ…………こく………………」
細い首に結ばれた白いリボンにピンク色が戻ってきた。
▼
シズは体を起こし、目隠ししていたマフラーを解いた。
首に手をやる。リボンはなかった。男の手にある。スラックスはきちんと履いている。
「…………動物性タンパク質」
「まあ……そうですね」
シズの体は機械であるが食事を必要としている。燃費は悪く、コップ一杯で何千カロリーもある甘々ドリンクを常飲している。今しがた飲まされたものは今まで味わったことがない味だった。
「苦い。不味い」
「……そうですか」
精液の味の感想を聞かされてなんと答えればよいのだ。美味しいという人もいますよと言っても何の慰めにもならない。
「でも濃厚だった」
「…………そうですか」
手をぐっぱして体が自由に動かせることを確かめる。男は嘘を言っていなかった。
(精液。男が性的な興奮と刺激によって生殖器から分泌する液体。この男は私に興奮した? 私はプレアデスのCZ2Ⅰ28・Δ。私はオートマトン。私は戦闘メイド。メイドは女と決まっている。だから私は女の体)
自由を取り戻したシズに、殺されるまではないと思いたいがプレアデスのスゴいパンチ力で一発くらい殴られると身構えていた男だったが、当のシズはベッドから上半身を起こしたきりで動かない。リボンは解けたので体が動けないわけではないはずである。
それにしても精液を飲ませるだけでリボンが解けたのは幸いだった。無抵抗な女性に何をしても罪悪感は覚えないだろうが、ソリュシャンの大切な妹である。無理に犯したら何を言われて何をされるか知れたものではない。
「リボンが解けたのでここから出る方法を教えていただけますか?」
「………………」
返ってくるのは沈黙。
シズは男に答える余裕すらなくして深い思索に囚われていた。
(私はオートマトン。私の体は女の体。どうして女の体? メイドだから女の体。でも女の体が必要なだけなら外性器は必要ない。エントマは女の体をしているけどアラクノイドだから私のような外性器は持ってない。オートマトンの私はどうして持っている? 至高の御方がかくあれと創造なさったから。私には必要であると創造してくださった。オートマトンに妊娠出産は不可能。ならば私に必要であるとされた外性器の使用方法は……)
▼
シズがなんだか遠いところへ行ってしまった。
ひとまずシャワールームで水を飲んで喉を潤す。外へ出たら目の前にシズが立っていた。
「こっち」
「ぐえっ」
強い力で襟を捕まれ引きずられる。この力でパンチされたらいつぞやのナーベラルにパンチされたときのように陥没するだろうなあと儚く考えた。
「ここ」
「……はい」
さっきまでシズが横になっていたベッドである。促されて座った。
シズもゴツいブーツを脱いでベッドに上がってくる。何を考えているのか、表情に乏しい美貌からは全く読みとれない。
「あっ! 返してください!」
ジャケットのポケットに手を突っ込まれ、ピンク色に戻ったリボンを奪われた。
「お前一体何してんの!?」
「お前言うな。お前失礼」
「………………失礼しました。それで? 一体どういうおつもりで?」
シズは奪い取ったリボンを再び首に巻いて結びつけた。
結ぶと同時に身体中から力が抜けて、コテンとベッドに横たわる。
「…………ほどくには精液が必要だった」
「……そうですね。嘘は言ってなかったでしょう?」
「……私を自由にしないとここから出る方法は教えない」
「それ、さっきもやりましたよね」
寝ころぶシズを真上から見下ろす。翠玉の目が真っ直ぐに見つめてきた。
「もう私は口を開かない。経口摂取以外の方法で精液を与える必要がある」
「…………ご自分が何を仰ってるかおわかりですか?」
「わかってる」
初体験を果たして一人前になったアルベドが開眼したシークレットサキュバススキルで作成したサキュバスアイテムである。
効果はリボンを結んだ女の自由を奪うこと。解放するには精液を与える必要がある。口から飲ませてもリボンは解けるが、サキュバス的にはもう一つの口からが望ましい。
それを促すための仕掛。リボンに女を欲情させる効果があってもおかしくない。男には効果がなく、シズには初めての感覚であるため確かなことはわからない。
「私はオートマトンだけど女の体。女が持ってる外性器もちゃんと持ってる」
覚醒したサキュバスの寵愛を受けて男の体質に変化があった。やたらと増して持て余している精力もその一つ。
おいしくなあれこゆくなあれとおまじないを受け続け、精液の質も変わりつつあった。アルベドの好み通りに美味しく濃くなってきている。
サキュバス好みの精液が女へ何の影響もないとは考えにくい。
「私の女性器に男性器を挿入して欲しい」
双方が絡み合い、シズの奥深くにあったスイッチを入れてしまった。
無表情なのは変わらない。それでも、見開かれた翠玉の瞳は期待に濡れているように思えた。
ここまで差が付けばひっくり返ることはなかろうと投票終了
初のアンケートを設置して隠れた効果に気付きました
感想がなくても読んでる人はちゃんといるんだわあい( ;∀;) ってなります
とか言いながら自分が最後に書いた感想は二ヶ月前
その前はその半年前
更にその前は2017年になっておった……
エンリを
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食べちゃう
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素通り