ヨウヨウ姉チャン美人サンダナチョイトオイサンニ触ラセロヤペロッ。
「このガガンボ共が私に触れるなーーっ!!」
ドカドカバキッ! ウギャーグワーグワワー!
漆黒の英雄モモンは天を仰いだ。
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「まあ! モモン様にお越しいただけるなんて光栄ですわ。ご無沙汰しております。エ・ランテルではモモン様のお名前を聞かない日は一日としてありませんわ。どうぞゆっくりとおくつろぎくださいませ」
「こちらこそお久しぶりです。近くまで来たものですから寄らせていただきました」
エ・ランテルには帝国から来た商家の我が儘お嬢様の大きなお屋敷がある。お嬢様の実家は冒険者のモモン、今や漆黒の英雄と称えられる双剣の戦士を早くから支援してきた。そのためお嬢様と冒険者チーム「漆黒」はそれなりに親しい関係にあった。と言うストーリーである。
「モモン様にご紹介いたしますわ。私のお兄様ですの」
「救国の英雄であられるモモン様にお会いすることが出来、光栄です」
ソリュシャンお嬢様が腕を胸に抱くようにして引っ張って来た美男はお嬢様の兄ではなく遠縁。健康を損ねていたのでエ・ランテルへは療養のためにやってきた。と言うストーリーである。
「……とても仲が良さそうですね。ご兄妹ですか?」
「血の繋がりは遠いのですけれど、わたくしお兄様は本当のお兄様のように思っておりますわ」
ソリュシャンお嬢様は輝く笑みを見せた。英雄モモンの顔はフルフェイスの金属鎧に隠れている。男は透明な微笑。
「モモン様は騒がしくされるのがお好きではなく、かしづかれるのも好まれない謙虚な御方だ。私たちがお持て成しするのでお前たちは下がっていなさい。私が声を掛けるまで邪魔してはいけないよ?」
男がメイドたちを下がらせる。応接間には英雄モモンの真実を知る者だけが残された。念のためにソリュシャンが体内からスクロールを取り出して外からの目を阻む魔法を掛ける。一通り終えた後、二人がソファから立ち上がって跪こうとするのをモモンが手を上げて制した。
「よい。漆黒のモモンはかしづかれるのを好まない男なのだろう? 着席を許す」
「はっ。ありがとうございます」
客であるモモンが上位者のように振る舞う。それもそのはず、モモンの正体はナザリックの偉大なる支配者アインズ様なのであった。ソリュシャンはナザリックの戦闘メイド・プレアデスの一員で、男はナザリックの守護者統括アルベドのご飯である。アインズ様は遙か遠くに仰ぎ見る至高の御方であられる。
「それにしても本当に仲が良さそうだな。ソリュシャンと気があうのか?」
ソリュシャンはナザリックのシモベ達同様人間蔑視の価値観を持つ。だと言うのにアインズの目からは演技ではなく本当に親しくしているように見えた。お前もしかしてソリュシャンに迫ってあれをあれしたんじゃないだろうな。いやでもいくら見た目がよくても人間に迫られてソリュシャンがどうにかなるか? そもそも人間の美醜ってショゴス的にどうなんだ?
男は透明な微笑を疲れ切った乾いた笑みに変え、シャツの袖をめくり上げた。
「……それは一体どうしたのだ?」
「ソリュシャン様に溶かされました」
男の白い腕は帯状に広範囲が赤くなっており、軽く爪でひっかくと血が滲み始めた。
「皮下の肉までは浸透していませんが皮膚はこの通りです。どうやらとても美味しく感じられるようで。故意ではなく気を抜くと溶かしてしまうそうです。日に一度は回復してくださいますが、それなりに痛みます。かつて負っていた火傷に比べれば大した痛みではありませんが」
ソリュシャンは全力で明後日の方向を向いた。
今や死の支配者となり異形種を束ねるアインズは人間が傷つこうと死のうと何とも思わない。脳髄ドバーだろうと心臓グシャーだろうと蚊が潰れるのと大差ない。しかしかつては人間であった。当時を振り返っても心臓を貫かれる痛みなど全く想像できないが皮膚がかぶれて赤くなったことは何度もある。つまりは村娘が背中を切りつけられる痛みはわからなくとも、タンスに小指をぶつける痛みには共感できる。男の症状はアインズにも想像できる身近な痛みだった。
「まあぐっとやりなさい」
「お慈悲を感謝いたします」
お優しいアインズ様は神の血の如き深紅のポーションを下賜なされた。なんとお優しいアインズ様。全ナザリックが感涙するのはいつものことである。
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アインズにとって男との会話は驚くほど気が休まるものだった。敬意はしっかりと払われているが忠誠心が天元突破しているナザリックのシモベ達のように過剰反応されることがない。モモンとしてなら兎も角、アインズとして気楽に相手が出来るのは帝国の皇帝をやってるジルくらいだ。そのジルとて政治が絡むので気を抜きすぎるわけにいかない。自分の死はアルベドに預けたと言うだけあり「このシデムシがアインズ様と同じ視線で馴れ馴れしいにもほどがある!」と殺気がこもった視線に物怖じしないのも高評価。
「ナーベラル・ガンマ様、それとも美姫ナーベとお呼びすべきでしょうか?」
「お前のようなカトンボに名前を呼ばれる筋合いはないわ」
アインズ様は天を仰いだ。
アインズは冒険者としてのパートナーであるナーベを伴い訪れていた。アルベドが飼い始めた男の様子見もあったが本題はナーベのこと。先日起きたトラブルを話した。すると男はナーベを支持する。親しくない女性に気易く触る愚者は制裁されて然るべき。それはそうだが限度がある。お優しいアインズ様はショック死しそうなナーベに庇ってやれずにすまなかったとフォローをいれ、ナーベラルの忠誠の儀によって流れが一時中断。
ナーベラルの人間嫌いは今更だがもう少し何とかならんかと白羽の矢が立ったのが男だった。モモンの真実を知っており、裏切りの心配がなく、ナザリックの配下として自由に使え、手が空いており、一番重要なことだが人間の男であるとの消去法によって選ばれた。
「せめて手が出ないくらいにはなって欲しいものだ」
哀れなナーベラルは床の上で顔面蒼白。英雄モモンがアインズ様となってからずっと床上に跪いている。
「……試してみてもよろしいでしょうか?」
「構わん。ナーベよ、立て」
立ち上がったナーベラルの周りを男が一周二周。ナーベラルの整った顔は眉間に深い皺が刻まれる。後ろに回ってお尻をペロッとタッチ。ナーベラルは拳をぎゅっと握りしめた。御前なのだ。最大限の自制心を発揮して何とか耐える。今度は前に回ってお胸をムニっと。
おまいきなりか俺がアルベドの胸に触ったときはもっとこう慎重だったのにああくそっこの体のせいで全く羨ましくないぞ。そんな気はしていましたがお兄様はかなり女体慣れしていますわねアルベド様とは思えないし一体誰が相手だったのかしら。固すぎず柔らかすぎず柔らかいだけのソリュシャンと比べると張りがあるただの擬態とは違うのだろうかこれはいいおっぱいだ。
ムニが五回目に達し、ナーベラルはキレた。
「死ねえこのニンゲンムシがーーーーーっ!!!」
ボグァグフ、キャーお兄様!、おい大丈夫か傷は深いがしっかりしろ、アインズ様まずは回復を、まずいアルベドに怒られる、なんてことスクロールの補充が、ポーションがある飲めるか?、私が飲ませますお兄様しっかり、リザレクションをいやトゥルーリザレクションが必要か?
幸いなことにリザレクションを使わずに済みました。
「私一人では荷が重いです。ソリュシャン様にご協力いただいてもよろしいでしょうか?」
「いいぞ。ソリュシャン、この者に協力しナーベラルの矯正に尽力せよ」
「拝命いたしました」
アインズ様はナーベラルへお前に不満があるわけではないと慰めのお言葉を掛けられてから屋敷を退去されました。「漆黒」はちょっぴり休業です。
後にはアインズ様の無茶振りに天を仰ぐ男と床に崩れ落ちしくしくと泣く女と妹を優しく見下ろす姉が残されました。
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「アインズ様のご要求はナーベラル様が人間から多少のスキンシップを受けても手が出ないように、ですか」
「お兄様? ナーベラル様ではなくて冒険者のナーベですわよ?」
「……下等な人間如きに気易く呼ばれたくないわ」
「ナーベ、あなたのその態度がアインズ様へご迷惑を掛けているのよ。シモベとして恥ずかしくないの?」
「うっ……。うっうう……」
顔面蒼白でまたも床に崩れ落ちる。これは一体どうすればいいのだ。男はこっそりとため息を吐いた。
「お兄様は何か考えがございますか?」
「ナーベの心掛け次第、と言っても無理だろうから習うより慣れろ以外に思いつかないね」
「私も同じことを考えましたわ。ナーベ、ほらちゃんと立って。私の肩に掴まって」
優しい笑顔のソリュシャンに肩を借りてナーベラルは立ち上がった。
「ソリュシャン?」
ソリュシャンは笑顔である。ただし邪悪な笑顔である。ナーベラルの手はソリュシャンの肩に沈み込み押そうと引こうと動かない。
「習うより慣れろよ。それではお兄様、お願いします」
「まだ足が出そうだ」
「あら? そうですわね」
「ソリュシャン? 一体何を?」
一歩近づきナーベラルの足を踏みつける。踏みつけた足は形を失いナーベラルの足を縛り付けた。
「それでは失礼をして」
ナーベラルは冒険者の美姫ナーベとして訪れたため、プレアデスの正装ではなく冒険者姿。丈夫なシャツとズボンに外套を羽織う。烈火の罵倒を聞き流しながら外套を脱がせた。
▽
ソリュシャンがゴージャスな美女ならナーベラルはクールな美女。
青光りする長い黒髪は後頭部でまとめたポニーテール。今は嫌悪と怒りで目がつり上がっているが、切れ長の目も眉も鼻も唇も完璧な配置。マジックキャスターのナーベではなく、美姫ナーベの名に相応しい。
「習うより慣れろ、ですよ。ナーベラル様。今はナーベでしたか」
「貴様私に何をするつもりだ!」
「こうするんです」
「!!?!?!?」
ナーベラルの背後に回った男は手を伸ばし、ナーベラルの胸に優しく触れた。
大きすぎず、と言ってもそれはアルベド様やソリュシャンと比べた場合で十分豊かな双丘だ。厚手のシャツ越しではあるが指に艶めかしい柔らかさを伝えてくる。
怒りで頭が沸騰しそうなナーベラルは、男が知る僅かな時間でも落ち込んだり泣いたり怒ったりブチ切れたり、様々な表情を見せる。笑みを張り付けたソリュシャンよりもよほどに表情が豊かだ。
「ナーベの手が出なくなるまで、手を出すのを諦めるまで、ずっと続けさせていただきます」
「なっ……この……!」
「ナーベは知らなかったかもしれないけど、お兄様はアルベド様のお食餌なの。もしも傷つけたら、ましてや死なせようものならとてもとても大変なお叱りを受けてしまうわ」
目を見張るナーベラルへ、ソリュシャンはくつくつと嗤った。
人間の男に触れられる嫌悪。殴りつけたくなる衝動。しかしそれを許されない葛藤。絶望に顔が白くなっていく。
小刻みに震えるナーベラルの肩を見ながら男は指を動かしていく。乳房を乱暴に鷲掴みするのではなく、脇と下部から支えるように包み、揺するように撫でるように繊細な刺激を送っていく。ラナーの胸がちっぱいからおっぱいになるまで揉み続けた指である。多数の女性とではなく、一人の女を極めたが故の技があった。
一時間が経ち、手は乳房全体を包むようになった。罵倒を繰り返したナーベラルは静かになり俯いてしまった。
更に一時間が経ち、手指は乳房をわし掴みしている。柔らかくも張りがある乳房の形が歪む程度には力が込められている。ナーベラルは俯いたまま。偽の兄妹は一言も口を開かない。静寂に包まれているはずの応接間には不規則な息遣いが響く。
そこから数分。ソリュシャンは俯くナーベラルの顎に手を添え上を向かせた。ナーベラルの頬は赤らんでいた。
ソリュシャンはショゴス。形こそ美女の姿をとるが中身は不定形の粘液。ナーベラルはドッペルゲンガー。人間よりも遙かに頑健な体を持つが、体の内部も人間を模している。人間の女と変わらない。
「ナーベ……、顔が赤いし息も荒いわ。大丈夫?」
「……大丈夫、だから。もう、離して」
「ダメよ。そんなことしたらお兄様に殴りかかるんでしょう?」
「しないから……」
気弱なナーベラルをソリュシャンは美しい笑みで返した。
「まだだあめ。お兄様、その調子でお願いしますわ♪」
「くっ……、私はこんな辱めにはけっして屈したりしない!」
「辱めって。ナーベは趣旨がわかってないな?」
「お兄様はお優しいから。もう少し荒療治が必要とソリュシャンめは愚考しますわ」
「っ!? ソリュシャン! 止めて!」
ナーベラルの両手はソリュシャンの体に沈んでいる。ナーベラルの正面に立つソリュシャンは両手を自由に使える。ソリュシャンはお兄様を手伝うべく、澄ました妹を虐めるもとい素直にさせるべく、ナーベラルのシャツのボタンに手を伸ばした。
ナーベラルが泣こうと喚こうと、ボタンは一つずつ外されていく。一番上から一番下まで。一片の情けも掛けずシャツを開いた。乳房を包むのは飾り気のない白い下着。現地では流通してないナザリック謹製ブラジャー。やめてやめてと訴える妹を愛らしく思いつつ、ホックを外し肩紐を外し、粘体であるショゴスの利点を十二分に活用してブラジャーを外してあげた。ナーベラルの白い乳房が露わになった。ナーベラルの目に涙が浮かんできた。
女の姿は擬態であるとソリュシャンは強く思っているが、ナーベラルにとって女の姿は自分そのもの。
「うふふ、ナーベはあんなに止めてって言ってたのに。……かわいい乳首が立ってるわよ?」
「っ!」
背後の男からは何も見えない。ボタンを外しているときから手も離れている。ソリュシャンから視線の合図を受け、もう一度手を伸ばした。上質だが硬い布地ではなく、きめ細やかな温かさに触れた。
ナーベラルの感度は十分に高まっている。段階を踏む必要はなく、乳房を鷲掴みにした。指が乳肉に埋まった。
「ああっ!?」
「まだですわよお兄様。もっとナーベに慣れてもらわないと」
「ふああっ!?」
鷲掴みにした指の隙間から逃れた突起。親指と中指でナーベラルの乳首を摘まんだ。立たせようとも柔らかかったソリュシャンとは違う。柔らかくも弾力があった。
荒い吐息が熱くなり、吐息にはかすれた声が混じり始める。
「はあ……はあ……、んっ……」
「どうしたのナーベ? だいじょうぶ?」
「ああ……、そりゅしゃん……、もう、やめ……」
「気持ちよくなってきたの?」
「え……」
「人間の男におっぱいを触られて、物欲しそうに乳首を立たせちゃって」
「ちが……あっ……」
「違わないでしょう? 正直に言ってごらんなさい」
頬は赤く、瞳は潤んで、半開きの口からは荒い息がこぼれている。摘ままれた乳首がこねられると耐えるように眉間にしわを作った。
「あっあっあっ……」
「もうお兄様ったら! ナーベと話してる最中でしてよ?」
「そうは言ってもね」
とがった乳首の先端を擦っていた。
「あなたはよく頑張ったわ。でも我慢する必要はどこにもないの。お兄様におっぱいを触られてどうだったか。私にだけ教えて」
「……」
半開きの口から涎が垂れそうになって、ナーベラルはこくりと飲み込んだ。おっぱいは触られたままだがさきっちょはいじられてない。数秒迷うもとろけかかった頭は何も考えられず、体が感じるものを話そうとして口を開いた。
「おっぱいをさわられて……」
「さわられて?」
「……きもちよかった」
「一体何が気持ちよかったというの?」
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一度目があるなら二度目もある。
「アルベド様!?」
いつもの微笑は浮かべてない。代わりに心底呆れたといわんばかりのアルベド様が、半目でちちくりあう三人を見やっていた。
毎日はしんどい適度にやすむ