ユリ・アルファとくれば一癖も二癖もあるプレアデスの姉妹を束ねるしっかり者のお姉さん。
解けば腰まで届く黒髪は一部の隙もなく結い上げて夜会巻きにしており、涼やかな目元は黒縁のメガネが飾っている。お姉さんらしい知的な美女である。
女性としては高い身長と細い腰から一見スマートに見えるが、近くで見ると印象が覆る。
胸である。
白いブラウスに合わせたエプロンドレスは胸の部分で生地が切り替わり、胸部をとても強調する。丸く盛り上がった双球はメロンかスイカでも入れているのだろうか。
否。
おっぱいである。ユリのおっぱいはとても大きいのだ。
ソリュシャンやルプスレギナのメイド服と違って、ユリのメイド服は露出が少ない。首に巻くチョーカーがアクセントになっているので首もとが少々覗く程度。
しかしおっぱいである。
ブラウスをこれでもかと盛り上げているおっぱいは、誰であれチラ見せずにはいられない。今やお骨となり性欲がどこかへ行ってしまったアインズさえチラ見してしまうと言えばどれほどのものかわかるだろう。
なお、シャルティアはガン見する。アウラに「いい加減にしなよ」と注意されるまでガン見する。アンデッドであり巨乳美女であるユリは、シャルティアの好みのどストライクなのだ。ユリはシャルティアを前にすると頻繁に身の危険を感じるため、シャルティアのことが少々苦手である。
▽
大きなおっぱいにそっと触れた。手の平では到底包みきれない。
ブラウス越しでもしかと感じる柔らかさ。頼りなさすら感じる柔らかさ。愛と優しさがいっぱい詰まったふんわりと柔らかいユリおっぱい。なのに確かな重量感。大きさに相応の重さがある。
手の平を押し当てるだけでなく、少しだけ指に力を入れた。むにゅんと乳肉に沈み込んだ。
白いブラウスは魔法の服なので透けるようなことはない。だけども生地は薄く、指先はブラウスの下を、ユリの乳房を包むブラジャーの繊細な模様を感じ取った。
感触からして乳房の半分だけを包むハーフカップ。
シクススに色々教えてもらったところによると、おっぱいが大きいと乳房全体を包むフルカップがいいのだとか。ただし、フルカップだといまいち可愛くならないようだ。実用重視であるらしい。
ユリのブラジャーはハーフカップと言うことは、実用よりも見えないところまでしっかりお洒落しているという事である。誰に見せるつもりなのか知らないが、さすがはプレアデスの長女である。
手の平に包んだおっぱいを乱暴に揉んだりはしない。ソリュシャンのおっぱいではないのだ。下から包むように持ち上げて重さを感じ、指先でブラジャーの縁をなぞった。
「んぅっ……」
ユリは手綱を握ったまま顔を俯けた。
触らせる前から赤かった頬は依然変わらず、きゅっと下唇を噛んでいる。何かに耐えているように見えた。声を上げまいと抗っているように見えた。
ブラジャーの縁をなぞっていた指を折り曲げ、丸く盛り上がっている頂点を引っかいた。
「ひぅっ!?」
ほんの一瞬だけ吐息と共に声を上げ、またすぐに口を閉じて下唇を噛む。
五指を目一杯伸ばし、ユリのおっぱいをむんずと掴んだ。ふんわりとした乳肉はされるがままに形を変えた。
「っ!?!?!」
ユリは俯けた顔を更に深く伏せ、咄嗟に左手で口を押さえた。
「な……、なにを?」
右手は乳房に触れているので空いているのは左手。 空いている左手がユリの左手に伸びてきた。
絡め取られ、膝上に置かれる。上から包まれた。手の甲に手の平が合わされ、指の股に指が入ってくる。きゅっと握られた。
専門用語で言うところの、恋人繋ぎの亜種である。手の甲側から握られるため、握られている方は逃げられない。
ユリの右手は手綱を握り、左手は握られて、口を押さえるものは何もない。
「んっ…………んっくぅ……」
艶やかな唇から艶やかな声が漏れ始めた。
□
(な……なに!? ちょっと触っただけなのに!? いったいどこを触って……って。ボクのおっぱい、だよ……、ね?)
ブラウスの上からそっと触られているだけなのに、自分で直に触るときとは比べようがない刺激があった。
男の手に肌身を触れさせるのは初めてだ。それも、胸である。
胸を触られてとても恥ずかしい。昨夜のルプスレギナを思い出して頬が熱くなる。
それでも服の上からそっと触れてるだけなのだ。たったそれだけで、声が押さえきれないほどのもどかしさを感じるとは思ってもみなかった。
何かおかしなことをしていると思ったが、手で触れているだけ。
自分の乳房を男の手が包んでいるのを見て、一層頬が熱くなった。
胸の先端を擦られたときは自分でも恥ずかしくなるような声が出てしまった。服の上から丁度ピンポイントで擦られたのだ。ブラジャーの中でむくむくと立ち上がってくるのがわかる。
(服の上からされてこんななのに。もしも直接されちゃったらどうなっちゃうの?)
期待とも恐れともつかず、ユリは唇を噛んだ。
左手に合わされた手の平から熱が伝わってくる。体に染み込むような熱さ。
早朝の涼やかな風が頬を撫で、熱を奪ってくれるのが心地よかった。
■
ユリは知らず、している方の男とて自覚がない。
先日、アルベドと一晩中体を重ね合った。覚醒したサキュバスとの交合は肉体を越えて高次の域に踏み入っていた。
形而上に至る快楽は言葉に出来るものではなく、意識出来るものでもない。代わりに肉体へ刻み込まれた。アルベドの求めに応じるものが身に付いてしまった。
相手の感度を高めるわけではない。覚醒したサキュバススキルのような相手の快楽を暴力的に引き出すわけでもない。
繊細なだけの愛撫である。ただし、形而上に至る愛撫である。肉体を超えた高次の域で触れることが出来るようになっていた。相手の感度などお構いなしに心身の深いところへ触れることを可能とする。しかしながら、深いところへ触れるだけで快感があるわけがない。拙ければ苦痛となるだろう。テクニックが必須である。
そこへ行くとこの男は、ちっぱいがおっぱいになるまでの長い時間をかけて、一人の女を極めた実績があった。いやらしさの欠片もない凝りほぐしから感度を高めるための性感マッサージに高めた感度を燃やし尽くす激しい愛撫まで、様々な手付きを体得している。
培った技術はアルベド様からシャルティア様まで、様々な方にお悦びいただいている。
そんな技を身につけてしまった自覚はなく、植え付けたアルベドも知らないことである。
強いて分類するなら常時発動型のパッシブスキル。名付けるならアストラルフィンガー、或いはイデアルタッチだろうか。不感症特効の魔技である。
それゆえにオートマンが新たな自分を見つけ、純朴な田舎娘をよがらせ、初潮すらない幼子を惑わしたのだ。
こうなることもこうなっていることも誰も予想できず知らないことである。とりあえず、直接の上司であるアルベドにとっては有用性が増したと言っていいのだから好いことなのかも知れない。
▽
「馬車が止まってますよ」
「う……うん。進んで。ゆっくりでいいから」
賢い馬である。ユリの命令通りにゆっくりと歩み始めた。頬を撫でる風が強くなった。
ユリが未知の感覚に悶えている一方で、悶えさせている男も新鮮な感情を覚えていた。なんだこれめっちゃ興奮する!
大きなおっぱいとくれば、ソリュシャンはスライムなのであっちに置いて、アルベド様は至高にして究極の美乳をお持ちである。生乳をもみもみぺろぺろしたことだってある。シクススだって大きい。いやんいやんと言いながらもいっぱいもみもみさせてくれた。通ってる娼館にだって大きな娘がいる。
しかし、ユリはいずれとも違う。
アルベド様を筆頭に、皆は耳に心地よい嬌声を聞かせてくれた。体全体でしっかりと反応してくれた。
しかし、ユリは違うのだ。
顔を赤くして下唇を噛み、必死に声を抑えている。膝に乗せた左手はズボンにしわが出来るほど強く握る。体は時折小さく震え、震えると同時に赤い唇から溜息のような熱い声を漏らす。
ちらと向けられる視線は恨みがましいようで険があり、眉根が下がって切なそうでもある。
ユリは、恥じらっていた。
痴態を晒すまいと必死に耐えている。しかし、拒もうとはしない。視線で何かを訴えているようにも見えるが、止めろとも続けろとも受け取れる。
これだ、これなのだ。ソリュシャンに足りないものはこれであった。
さすがはプレアデスの長女ユリ・アルファ。男心をくすぐる術をよくわきまえている。
イケイケのアルベド様やシャルティア様には望むべくもない。ソリュシャンに至っては論外である。エ・ランテルの屋敷にいるときは服を着ているときより裸を見ることの方が多いくらいなのだから。
何かしらを感じているのにそれを見せまいと必死に耐えている姿は健気であり、美しくもあり、嗜虐心を煽り、劣情を誘った。
凛とした姿を崩し、乱れる姿を見たくなってしまう。しかし恥じらいがなくなるところまで崩してしまうのは余りに惜しい。なんというアンビバレンス!
▽
馬車の歩みは非常にゆっくりだ。
当初の予定だったらそろそろエ・ランテルについてもおかしくない時間だが、景色からして三分の一進んだかどうか。このままのペースだと、到着は昼に差し掛かるだろう。
その間、ずっとユリの胸を揉んでいた。かれこれ二時間は経つ。
「はあ……はあ…………」
余計な口は互いに利かない。涼やかな風の音と、ユリの熱い吐息だけが聞こえてくる。
ユリの方から「おっぱいを触っていい」と言ったため、ユリからは止めるよう言えなかった。
揉んでいる方は飽きずに揉んでいる。こんなにも素晴らしいおっぱいを前に飽きるなんてとんでもない。一日中だって揉んでいられる。
「くうっ!」
ユリが爪先までピンと伸ばし、体を強ばらせる。数瞬後には弛緩して男の胸に体を預ける。
揉み方が始めとは違っていた。右の胸だけではバランスが悪い。今は両方揉んでいる。
隣に座って抱き寄せるような形だったのが、今のユリは男が開いた脚の間に座っている。背を男の胸に預け、背後から伸びてきた手に両の乳房を揉まれている。ナザリックの馬車は豪華で、御者台の座席も深いからこそ出来る姿勢である。
けっして乱暴にはしない。ゆっくりとゆっくりと力を込める。柔らかな乳房は何の抵抗もなく形を変える。
根本から絞るように揉む。下から重量を確かめるように包み込む。
触れるか触れないかの繊細な手付きで撫でる。見ただけではわからないが、優しく触れれば丸みの頂点が張っているのを感じる。大分前からこうなっていた。指先で小さな円を描くと、ユリは体を折り曲げて口を押さえた。
そんな時は腰を抱く。細い腰だ。下腹に手を当てて上下にさする。へその上から股間の近くまでゆっくりと。
「あふぅ…………。そ、そっちは、ダメ。こっちに……。んっんっ……」
口を押さえるのでくぐもった声になる。鼻から抜ける息までは抑えられない。
ユリは痴態を晒すまいと懸命に耐えている。しかし、耐える姿があられもなく乱れるよりもいやらしいとは気付いていない。
ずっと気付かないでいて欲しい反面、どこまで耐えるのか見たくなってしまう。
ナーベラルの生乳を揉んでも耐えきったが、あの時はソリュシャンがいた。
今は二人だけで、ついと針が振れてしまった。
「おっぱいを触っていいんですよね?」
「さ……さわってるじゃ、ないか……」
「ユリさんから改めて確認したかったんです」
「いいけど……おっぱいだけだから。それ以上は、させない、から……っ!??! まっ……」
ぷつぷつんと、ブラウスのボタンが外された。
全部外すまでユリに気付かせないほどの早業である。シクススの協力により、素早く脱がす技を習得していた。
閉じこめていたブラウスのボタンが外されると、解き放たれたおっぱいがぽろりと現れた。上品な薄紫のブラジャーに包まれている。
一度封印を解くと正規の手順を踏まない限り、大きな乳房の乳圧によってブラウスを閉じることが出来なくなる。
野外なのだ。
ユリは反射的に体を丸めて胸を抱いた。こんなところで露出するわけにはいかない。
「ひうっ!?」
体を丸めてしまうと、男の胸に預けていた背が離れてしまう。
背筋を撫でられ、ブラウスと黒いワンピース越しにブラジャーのホックを外された。二つ目の封印が解かれ、おっぱいがぷるんと揺れる。
なお、言うまでもなくホック外しもシクススから教えられた技である。尤も、アルベド様もソリュシャンもルプスレギナも常にノーブラであるため、シクスス以外で役に立ったのは初めてである。
「あっ、だめっ、やめてっ!」
胸を触れなければ下腹を撫でる。
エプロン越しだろうと、手の平の熱とえもいわれぬ感触はユリに伝わる。胸を揉まれるだけでなく、下腹を何度もさすられている。へその上あたりから股間の近くまで何度も。
そこは子宮の上。外から体の中心めがけて何度も何度も撫でられている。撫でられる度に体の中心にどろりとした熱が溜まり、とろりと流れていくのを感じていた。
後から抱きしめられる形なので、体を丸めても逃げきれない。これ以上されまいと、胸を抱く腕を広げ、男の手を掴もうとした。しかし、腕を広げてから掴むのと、手を上げるだけでは後者の方が一行程少ない。
「あああっ!?」
下腹を撫でていた手が上がってきた。ブラジャーのカップに指を引っかけずり上げる。
白く大きなおっぱいがぽろりと現れた。
大きな乳房だ。ブラジャーのカップをずり下げて元に戻そうとしても、やはり乳圧によって阻まれる。正規の手順を踏まないと仕舞うことが出来ない。
「おっぱいを触っていいんでしょう?」
「あっ……あああ……、あっ……くうぅ……!」
ユリの胸に男の手が触れていた。
ユリはアンデッドであり、外気に触れていることもあって、おっぱいはややひんやりとしている。代わりに先端が熱を持つ。乳房の熱すべてが集まったようだ。
鷲掴みにしている指の股に、真っ赤な乳首が覗いていた。
「乳首をこんなに腫らしてしまって。これは癒さないといけませんね」
「なっ……なにいって……、くううぅ! ……つままないでっ!」
真っ赤に充血してしまった乳首は癒さなければならない。アルベド様の教えである。
乳房が白いので真っ赤な乳首はとてもよく目立つ。こんなものを見せられたら目指さないわけにいかない。親指と中指で摘まみ、くにくにと弾力を楽しんだ。楽しむだけでなく、ユリも気持ちよくなれるようにと先端だけを掠めるように触れる。勃起していた乳首が一層張り詰めてきた。
ユリの肩に顎を乗せて覗き見る。乳房の大きさや真っ赤な乳首が目を引きつけるが、形の良さも見逃せない。メロンやスイカに比する巨乳なのに、垂れる気配が全くない。かと言って固いわけがない。下から持ち上げてやればぷるんぷるんと揺れる。プリンのように柔らかいのに乳首は固く尖らせている。
「乳首だっておっぱいでしょう? ユリさんはこんなに乳首を立たせてるんですから、乳首をよけて触る方が難しいですよ」
「そうだけ、どっ!」
「ずっと立たせてましたよね。やっと直に触れました。感度がよろしいようで」
「やああぁ……、言わないでぇ……!」
ブラジャーの中でずっと立たせっぱなしだった乳首だ。閉じこめられていたのがようやっと解放され、溜まった熱が燃えるようにユリの体を焦がす。
乳房の根本から絞るように揉むと、乳首だけが突き出されて異様に強調される。
「あ……ああ……ああ……」
自分の体を見下ろし、ユリは恐れるように呻いた。
あんなになっている。
初めて見る自分の異様に、自分が作り替えられてしまったように思えてしまう。
それだけではないから苦しいのか恐ろしいのか。
触られる度に大きな快感があるのだ。自分ではない自分から、何かが自分の体へと流れ込んでくるような。流れは緩急がついて、大きな時も小さな時も。体の真芯を通って、確かな痕跡を残していく。
「ば…………馬車の……中で……」
言ってしまった。
馬車の中に入ってどうするのか。
御者台で胸を揉まれて胸を露出させられている。しかし、御者台だからここまでで済んでいるとも言える。
「馬車の中で? 馬車の中に入って何をするおつもりです?」
「!??!」
聞かれたくないことを聞かれてしまった。
こんな事になるなら、さっさと止めさせれば良かったと少しだけ思う。
おっぱいを触らせるだけだったのだから、最初に触れた時点で止めにしても良かった。
それなのに続けさせてしまったのは、自分から言い出したことと言うのがなくもないが、もう少しだけと思ったのは否めない。
触られて、何とも言えない心地よさを感じたのだ。
それをもう少しもう少しと思う内にここまで来てしまった。
「馬車の中で……、おっぱいを……。……おっぱいと……」
下腹にも溜まっている熱はとろとろと流れている。
昨夜、ルプスレギナとの秘め事を覗いたときよりもひどいことになっているのがわかる。そんなものを見られてしまったら。
「おっぱいと? ユリさんのおっぱいの他にも触らせてくれるところがあるんですか? どうせなら触るだけでなく舐めたりもしたいですね」
「なっ、なめっ!?」
おっぱいを舐められたら、絶対に乳首も舐められる。吸われてしまう。想像するだけで外気に冷やされた乳首が熱を持つ。
もしかして他のところも舐められるのか。
頭が沸騰しかけて声が出ない。
後からユリを包むように抱きしめ、首筋に鼻を埋める。両手は豊かな乳房を握っている。中指だけをすっと伸ばして乳首にあて、押し込んだり擦ったりと様々な動きをさせている。
ユリの言葉に頷き、すぐにでも馬車の中へ入ることはしなかった。
焦れったい愛撫を送りながら見極めているのである。
ユリが羞恥に悶えているのはわかる。
快感を得ているのもわかる。
羞恥と快感と、どちらかへ大きく傾かせることなく、どちらも同時に膨らませているのだ。
両者が均衡しているからこそ、屋外で胸を露出させても強行に拒否することがない。乱れに乱れて馬車の中でもっと深い行為を、と強く求めることもない。
恥じらうユリは美しく、とってもいやらしい。エロいと言っていい。今のユリに比べたら、ソリュシャンのエロエロアピールなぞ児戯である。
こんなにもエロいユリなのだ。もっと見ていたくなってしまう。それにどちらかへ傾くことなく高め続ければ、その後の快感はもっと強いものとなる。
win-winというやつなのだ。
ユリが口ごもってもお構いなしに胸を揉む。
ユリは口を押さえながらくすぐったい声を漏らす。
二人が重なって座っているので、狭くなった広い御者台の中で少しだけ腰を前に進める。
ユリがぴくりと震えた。
ズボンの中で張り詰めているものが、ユリの柔らかな尻に触れた。何が触れたのか、ユリは察したらしい。
潤んだ目でちらと振り返り、前を向いた。左手は左の乳房を包む男の手に重ね、右手は下腹に置いた。何度もされたように、自分の下腹を優しくさする。
「おっぱいだけじゃなくて……ボクの…………あそこも……」
「あそこ?」
「っ…………。おまんこのこと……」
「ユリさんのおまんこを?」
「…………触って、いいから」
「触って欲しいと言う理解でよろしいでしょうか?」
「なっ…………!! ………………うん……」
真っ赤な顔で、消え入るような声で、ユリは小さく頷いた。
「触るのがよいなら、その先は如何です?」
「え……? 先って?」
「入れてもいいですか、と言うことですよ」
「……入れる? …………!!! ……入れるって、その……あの…………」
「わかりませんか?」
「わかるけど……でも……でも、……………うん。………いいよ」
「ユリさんのおまんこに何を入れていいんですか?」
「えうぅ…………。言わなきゃダメ? きゃうぅ♡」
きゅっと乳首を抓られ、せめぎ合っていたものが一方へ傾ききった。
「……おちんちん。ボクのおまんこに入れて……いいよ」
快感と肉欲に傾ききっても羞恥が消え去るわけではない。
ユリは自分の言葉に恥じ入って、顔を伏せた。
「それでは中に行きましょうか」
「…………うん」
▼
御者台から降りて馬車の中に行くには、一旦馬車を止めなければならない。
ずっと放置していた手綱を取るべく、ユリは前を向いた。快感に揺蕩っていた瞳が破滅的に収縮した。
街道のずっと先。人の目では視認不可能な遠方に、小さな点が見えた。小さな点は人の形をしている。と言うか人であった。
時間はまだ早い。仕事を始めた農夫かも知れない。
なんであれ、そんなものはどうでもよい。
屋外だろうと誰もいない二人きりだったからあんなことが出来た。それなのに、自分たち以外の何かがいる。
見られたかも知れない。
少し考えれば、ユリの目でようやっと視認できた距離なのだから、あちらから見えるわけがない。
今のユリにそこまでの余裕はなかった。
反射的に動いていた。
グキャァグエパシャア……。
ユリの肘鉄が男の腹部にめり込んだ。盛大に吐血した。
ユリなりに手加減はしたのだ。ルプスレギナなら「痛いっすよ!」で済むレベル。しかしながら、この男はそこまで丈夫でない。
誤解と不幸が重なった。
オーガを圧倒したのだから強いと思ったのだが、強いのではなく巧いのだ。肉体の頑強は大したものではない。
夢うつつにいたところを強制的に現実に引き戻されたため、考える猶予がなかった。
「…………………………」
ユリの体にもたれかかり、血を吐き続ける男。
ちょっとあれなところが破れたため、吐血は止みそうにない。吐血よりも、そこをやってしまうと地獄の苦しみ。幸いにも痛みには耐性がある男なので、そこは措いておくにせよ肉体の損傷はどうにもならない。
ペストーニャからもらった上級ポーションはメイドの破瓜の痛み止めに使わせてしまった。余りはない。
アンデッドであるユリがポーションを使うとダメージになるため、ユリが持っているわけもない。
「…………………………」
ユリは無言無表情で男の体を慎重に抱きあげ、馬車の中へ寝かせた。
意識はあるらしく、目線と僅かなジェスチャーに従って男の姿勢を直す。自らの血に溺れないようにだ。
男がうつろな目で見上げる中、ユリは思い切ってパンツを下ろした。
盛大に濡れている。新たな供給は止まって、ちょっぴり冷たくなっている。エ・ランテルには一泊する予定だったので着替えの用意は万全だ。
昨夜と同じようにパンツを換えて、御者台に戻った。もちろん胸もきちんと仕舞っている。
「目標エ・ランテル。全速力!」
アンデッド馬が馬にあるまじき速度で、サラマンダーより速く駆けだした。
余命のカウントダウンが始まってる状況なのだ。一刻も早くルプスレギナに回復魔法を掛けさせなければならない。
ユリは冷や汗だらっだらである。
スゴい状況だったがやっちまったことに変わりはない。
しかし、ナーベラルから言われているのだ。おかしなことをされそうになったら死なない程度にぶちのめしてよいと。
長女なのに、妹に責任転嫁したくなるほどユリは焦っていた。