※この作品はR-18です。

アルベドのお食事   作:dolph

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目覚め、かも ▽アウラ♯1

 ぽっかぽっかと馬車が行く。

 エ・ランテルから帝国の帝都まで、急いでも三日は掛かる。主役の若旦那様がいないのは寂しいところだが、事故にあったと思って諦めることにして、ルプスレギナとシクススは馬車の旅を楽しむことにした。

 

 エ・ランテルを発って二時間後、街道の端に先に行ったはずのアンデッド馬車が停まっていた。

 

「ルプスレギナ様、シクスス様、お待ちしておりました。どうぞこちらへお乗り替えください。荷物は私が移し替えます」

「アウラ様を追いかけたんじゃなかったんすか?」

「天駆けるドラゴンに馬車で追いつけるはずがございませんので」

 

 そりゃそうである。

 速度云々以前に、地を走る馬車では空を飛ぶドラゴンに追いつけるはずがない。お屋敷の門をぶち破って猛発進したのは、急いでいるところをシャルティアに見せるためである。シャルティアがシモベの使い方を覚えたように、ヴァンパイアブライド達も女主人の扱い方を覚えつつあった。

 

「ミラとお呼びください」

 

 ヴァンパイアブライドはベール付きの帽子を脱いで素顔を見せた。

 

「じゃあ早速聞くっすけど、シャルティア様はどーいうつもりでミラを寄越したんすか?」

「シャルティア様が仰せになった通りでございます。あのお方の護衛として私の派遣をお決めになりました」

「あのお方って……」

 

 ルプスレギナとシクススは顔を見合わせた。

 

「それだけでは納得されないと思われますので、シャルティア様の真意をお話しいたします。シャルティア様が帝国にいらした折りにあのお方との逢瀬を楽しめるよう、あのお方のご都合を調整するのが一番の役目になります」

 

 ミラは荷物を移しながら答えた。蠱惑的な手弱女に見えるがヴァンパイアブライドである。重量にしてシクスス五人分の荷物くらい軽いもの。十人分でもいける。

 

「じゃあ二番は何っすか?」

「シャルティア様はあのお方の血が大変お気に召したようでございます。時折でよいので、採血して届けよとお命じになりました」

「三番は?」

「それは…………あのお方のお側に侍ること以上に求めるものは何もございません」

 

 荷移しで疲れたわけではないだろうに、ミラは蒼白の肌をほんのりと染めて答えた。

 

(シクスス、これヤバいっすよ。間違いなくおにーさんにマジ惚れしてるっす!)

(あんなにいやらしい若旦那様のどこがいいんでしょうか?)

(それ言うならシクススも一緒じゃないっすか)

 

「うぇっ!? 別に私は、そんなつもりは」

「どうなされましたか?」

「え、いえ、何でもないです。それより向こうでの役割を相談しないと。若旦那様の身の回りのお世話は私にお任せください」

「承知しております。私ではシクスス様のようにきめ細やかな心遣いは出来ませんので」

「私に様をつけるのは止めてください。私はメイドです。様付けされて良い身分ではありません」

 

 エ・ランテルで雇ったメイド達からは教官と呼ばれたり、シクスス様と呼ばれることもあった。しかし、ナザリックの仲間から様と付けられるのはむず痒いやらもどかしいやらで如何ともし難い。至高の御方々に敬意を払うのは当然だがそれとは別だ。

 

「そうは仰いますが、シクスス様は至高の御方々の御手によって創造なされた方です。単なるシモベに過ぎない私が気安く呼ぶわけには参りません」

「では私は貴女のことをミラ様とお呼びさせていただきます。よろしいですね?」

「私ごときをシクスス様がそのようにお呼びになっては」

「あーもうそんなのどっちでもいーじゃないっすか。これからはシクススさんとミラさんで決定っすね! でも私のことはルプスレギナ様でよろしくっす」

「……わかりました」

「……かしこまりました」

 

 焦れったくなったルプスレギナが上位者の権限でもって呼び方を決定した。権力とはこういうときに使うのだ。

 

「で、ミラはおにーさんのどこがいーんすか? エッチテク?」

「それは……」

 

 うっすらとだったのが紅潮してきた。

 荷移しは完了して、乗ってきた馬車はエ・ランテルに引き返させた。当初の予定の十分の一も走ってないが、代金は既に支払われている。きっとほくほく顔で飲み屋に行くことだろう。

 

「あのお方にお会いしたのは、シャルティア様がナザリック第二階層死蝋玄室にお連れなさった時でした」

 

 振り返れば酷いマッチポンプになるのだが、あの男に煽られたシャルティアがヴァンパイアブライド達を殺そうとしたところを止め、もっと優しく扱うようにと忠言した。シャルティアは男の言葉をよく聞き、感情のままひた走るだけでなく我慢を覚えた。シャルティアの成長は先の遠征に発揮され、アインズ様からお褒めの言葉を授かったのだ。

 褒められたのはシャルティアを諫めたヴァンパイアブライド達も。

 自分たちは至高の御方々が直々に創造なさったシモベではない。死ねば幾らでも代わりが湧いてくる固有名を持たないモンスターだ。そんな自分たちを、至高の御方々の頂点に立つ偉大なるアインズ様がお褒めくださった。

 ヴァンパイアブライド達の感激は一通りのものではなかった。己が生まれた価値を、いつどこでどのように死ぬことになっても歓喜の中に死ねるであろう掛け替えのない宝物をいただいたのだ。

 更にはシャルティア様より個々の名前をいただいた。

 斯様な成果に繋がったのは、あのお方がシャルティア様へ諫言なさってくださったから。

 あのお方のために死ぬのなら是非もなし。

 

(ヤバいほどガチっすね)

(私、そんなに優しくしてもらったことないんですけど)

 

「それでは出発いたします。馬はアンデッドですので、御者はこのまま私にお任せください。夜を徹して走ります。明日には帝都に着くと思われます」

 

(シクススはライバル登場っすね)

(別に私はそんな……)

(それじゃシクススがおにーさんとエッチする時間もらっていいっすよね?)

(それとこれとは違いますから!)

 

 エッチなメイドと戦闘メイドである。

 白い麗人が駆る馬車は、今までの倍以上の速度で走り始めた。

 

 

 

 

 

 

 一方そのころ、空の二人は更に高く舞い上がっていた。

 鬱々とした曇り空はついに雨を落とし始め、濡れるのを嫌ったアウラが雲の上に出た。

 雲の下では雨だったのに、雲の上ではどこまでも続く青い空。眩しい陽光が純白の雲海を照らしている。同乗者の感激は飛び立った時よりも激しく、子供みたいだとアウラは笑った。

 

 遙か左後方に見えるのがアゼルリシア山脈。

 南北に連なる山脈を囲うのがトブの大森林。カルネ村は山脈の南端、トブの大森林の近くにある。エ・ランテルはそこから南に位置する。

 帝国は山脈の東にあり、王国は西にある。カルネ村は両者の境界付近の難しい土地にあったため災禍に見舞われた。

 デミウルゴス扮するヤルダバオトが活躍する聖王国は王国の更に西。海に突き出た半島にある。と言うことは、カルネ村近隣にあるナザリックが聖王国を目指すとき、王国を横断していくのが近道なのだ。

 

 アウラはそんなことを話しながらドラゴンを駆っている。

 男は一々頷いて聞いてくれるので、なんだか話しやすい。

 ハムスケの話も出た。

 

「アウラ様の前でハムスケさんの毛皮をモフモフに出来なかったのが残念です」

「あー、それね。本当にハムスケの毛が柔らかくできたの?」

「はい、実際にハムスケさんの毛を使って試しましたので、あとは本体に同様の処置をするだけです」

「処置って。でも柔らかくなったら防御力が落ちたじゃダメだよね。そこのとこはどう?」

「……盲点でした。簡単に千切れはしませんでしたが。耐久力の試験を追加します」

「よくわかんないけど、モフモフになって弱くなりましたじゃアインズ様怒るからね」

「仰るとおりです。ハムスケさんを加工する前にアウラ様にお話しできてよかったです」

「加工って」

 

 この男はマーレのパンツを履いたかも知れない妖しい男だが、中々の聞き上手だった。

 アインズ様がモモン様になって何度か会いに行ってるのが羨ましいと思うと同時にわからなくもない。

 そしてやっぱり見た目が良い。

 ナザリックの階層守護者であるアウラからすればどうしたって脆弱な人間となるのだが、視界に入れっぱなしでも不快ではなかった。

 ナザリックで人の形をした大人の男はデミウルゴスとセバス、ヴァーミンロードだけどおまけしてコキュートス。その他にとなるとデミウルゴス配下の悪魔やセバス配下の男性使用人がいるが、アウラとはあまり接点がない。成人男性が単純に珍しいというのもある。

 マーレのパンツを履いた疑惑があるのだが、その点に目をつむるとマーレが懐いたのもわからなくもない。

 アインズ様が仰っていたように、強者である自分たちに物怖じしないのは生意気だと思わなくもないけれど、ナザリックへの忠誠をしっかりと持っているので、まあそのくらいはいいかなと思わなくもなかった。

 と、少しだけ心を許してもいいかなと思い始めた時、別の疑惑があるのを思い出した。

 

「……そう言えば」

「はい、なんでしょう? ……あっ」

「ちょっ!?」

 

 アウラはドラゴンの背に座っている。

 男の方は景色がよく見えるからと首にすがりついていた。アウラに声を掛けられて振り向き、体がぐらりと傾いた。

 落ちそうになった男の手を、瞬時にアウラが掴んで引っ張り上げた。

 

「気を付けてって言ったでしょ! あんたが死ぬと私がアルベドに怒られるんだから! ……って」

「申し訳ありません。寒いなと思ってたら凍えたようです」

「……手がすごい冷たくなってる」

 

 アウラが握った男の手は、氷水に浸かっていたかのように冷えていた。

 

 雲の上にまで出たのだ。

 高速移動に伴う風はアウラの魔法の力で影響がない。と言うか、それがなければ空を飛べない。飛行速度が時速百キロだとしても風速は30メートルを超える。辺境の農村が更地になりかねない暴風である。優秀なレンジャーにして更に優秀なビーストテイマーであるアウラは騎乗用の道具を用いずドラゴンを駆るのだ。

 風の影響がなくても気温は別である。

 雲の上はざっと地上から五千メートル。山であれば夏でも雪があって不思議でない高さ。ものすごく寒い。

 100レベルのアウラはこの程度の寒さはへっちゃらだが、人間には厳しい環境だった。

 

「ペスからブレスレットもらったでしょ? つけてないの?」

 

 メイドのおもちゃになった代償に、ペストーニャ様から耐炎と耐氷の効果がある魔法のブレスレットをもらっていた。

 

「大変貴重な品ですので大切に仕舞ってあります。今頃はルプスレギナと一緒のはずです」

「あーいうのはずっとつけてるもんなの!」

「次からはそうします」

「あーもう仕方ないなあ……」

 

 雲の下に行くと雨に濡れる。かといってこのままだと凍える。そしてアウラは暖かくなる魔法もアイテムも持ってない。

 

「手、握っててあげるからもうちょっと我慢して」

 

 寒いくらいで死にはしないだろうが、目の前で凍えられるのも困ってしまう。もしもアルベドに報告されたら間違いなく小言を言われるのだ。

 

「でしたら抱っこしてもいいでしょうか?」

「うひゃぁ!? そーいうのはする前に言ってよ! 突き落としちゃったかもしんないでしょ!」

「ああ、アウラ様があったかいです」

「う~~~~……」

 

 ドラゴンの首から背中に移動して腰を下ろすと、アウラの手を握ったまま後ろから抱きついた。暖を取るためなので、アウラの小さな体を包み込むように密着している。

 もしもこれがアルベド直属でなかったり、さっきまで話して楽しくなかったりしていたら半殺しにした上でドラゴンの脚に掴ませて運ぶところ。

 幸いなことに、アウラから最低限の好感度は稼いでいたようだ。

 

「話の続きですが、そう言えば、何でしょう?」

「え? ああ、うん。そう言えば、この前シャルティアのとこで何してたの?」

 

 アウラとしては、ここまでストレートに聞くつもりはなかった。よからぬことをしていた可能性が大なので、もっと遠回しに聞くつもりだった。

 そう思っていたのに、突然後ろから抱きつかれた。

 双子の弟のマーレとは一緒に生活をしているし仲良し姉弟なので距離が近いのはいつものこと。エルフメイドたちはいつも過剰なほど世話を焼いてくる。だけれども、こんなにも距離が近くなることはなかった。抱きつかれたにせよ、ほんの一瞬の戯れに過ぎない。

 それなのに、今、大きな体で包み込まれている。

 ただただビックリしてしまって、ふりほどきたくなるほど不快ではないことには気づかなくて、刹那生じた心の隙が素直に口を開かせてしまった。

 

「マーレ様には少しお話ししました。ヴァンパイアブライドの方々へ従者としての心得を教示しました。それと僭越ながらシャルティア様へ、シモベたちの力を発揮できるよう適切に扱うよう忠言しました」

 

 アインズ様がシャルティアの成長を大いに喜び、勿体なくもお褒めの言葉を授けたのはアウラもよく知っている。シャルティアからうざっっったいほど何度も何度もイラつくドヤ顔で聞かされた。次に聞かされたら殴ろうと決めている。

 あのシャルティアがどうしてそんなことになったのかと思ったらこの男が影響していたようだ。

 

「でもそれだけじゃないよね?」

 

 パンドラズ・アクターから、シャルティアに拉致られたこの男の救助を要請されて死蝋玄室に乗り込んだとき、この男は大きな寝台の上にいた。半分裸みたいな格好をしたヴァンパイアブライドが何人もいた。もちろんシャルティアだっていた。

 マーレは何とも思わなかったようだが、アウラは違う。

 女の子というものは、おおむね男の子より早熟で耳年増なのだ。そしてアウラは幼く見えようとも齢80近いダークエルフ。見た目で侮ってはいけないのである。

 男と女がベッドの上にいた。

 なんとはなしに察するものがある。

 そこまで突っ込むつもりはなかったのに、驚いて心の空隙を突かれた。顔が見えないので思い切ってしまった。肉体的に接触して、ほんの少しだけ気が緩んだ、心を許してしまった。

 

 若旦那様はピンと来てしまった。

 アウラ様が一体何を聞きたいのかわかってしまったのだ。

 

「シャルティア様がヴァンパイアブライドの方々を可愛がっているのをご存じでしょうか?」

「まあ、一応。最近は扱いがよくなったって聞くけど」

「ではシャルティア様がヴァンパイアブライドの方々に奉仕させているのもご存じでしょうか?」

「奉仕? そりゃシャルティアのシモベなんだから当然じゃない?」

「その奉仕の方法についての指導をシャルティア様から要請されたのですよ」

「奉仕の方法? なにそれ?」

「手マンとクンニリングスです」

「てまん? くんに……なんとか?」

「手マンとは手で女性器を、おまんこを愛撫することです。大抵は指での挿入を伴います。クンニリングスは口や舌を使っての愛撫です」

「………………………………………………はあああぁぁぁ!?!?!」

 

 若旦那様はアウラ様の気持ちがわかってしまった。

 アルベド様が胸を痛めるレベルで女心がわからない若旦那様だが、男の子心は少しわかる。自分の過去はあまり役に立たないが、幼い頃に付き合いがあった悪童たちを思い出して察するものがあった。

 

 アウラ君は女の子の体に興味津々なのだ!

 

 この男、マーレを女の子と思っている。双子の姉と弟なのだから、必然的にアウラを男の子だと思っている。

 どちらが姉でどちらが弟なのか誰からも教えてもらってないので、服装からそう思っていた。二人とも幼く、声や体形から性別を判断できない。

 

「女性器をおまんこと呼びます。アウラ様はおまんこを見たことがありますか?」

「ななななななななななななななな!」

「ないんですか?」

「…………ないこともない、けど」

 

 飛びすぎた話に、アウラは言葉に詰まった。重ねて問われ、答えてしまった。

 アウラの答えに、男はくすりと笑った。ないだろうに、ないこともない、と強がるところが実に可愛らしい。

 ここは先達として、しっかりと説明するのが義務とわきまえている。

 

「おまんこは体が成熟する前だと股間にある一本の筋のように見えます。触った感触はとても柔らかくてぷにぷにしていますね。指で優しく押し広げると筋が開いて中身が見えるんです。だから割れ目と呼ぶこともありますね」

「ななな、なにいってんの!?」

「アウラ様に必要な知識です」

 

 アウラ君が大人の男性になって女性を愛するときに、なくてはならない知識である。なくても何とかなるかも知れないが、あった方が色々と上手く行くのは間違いない。

 内容はともかくとして、男の声音は誠実だった。アウラ様を思う衷心から話しているのだから。

 

「それともアウラ様はおまんこの正しい扱い方をご存じですか?」

「そ、そんなの……知るわけないでしょ……」

「でしたらそのままお聞きください。いずれ経験することでしょうが、知識があって困ることはありませんから」

「う………………、うん……」

 

 アウラは頷いてしまった。

 わけがわからない意味不明の話で、どうしたらいいのかわからない。

 他にどうすればいいのかわからなくて頷いてしまった。

 本当にどうしても聞きたくない話なら強く拒否すればいいのだが選択肢に上がらなかった。女の子は男の子より早熟で耳年増。全く全然これっぽっちの欠片も興味がないとは言えない。ナザリックではマーレの次に親しいシャルティアに通じる話なのだから尚更だ。シャルティアは知っていると思われることなのだから。

 

「おまんこの一番外側を大陰唇と呼びます。おまんこを広げた内側にも小さなピラピラがあって、そちらが小陰唇です。内側は外側よりずっとやわらかですよ。ぷにぷにじゃなくてトロトロです」

「…………」

「色も違います。どうやら肌の色は関係しないようですね。割れ目の内側は綺麗なピンク色ですよ。本当に体の内側と言う感じで、初めて見たときは生々しいと感じるかも知れません」

「ぴんく……。私みたいな肌でも?」

「そうですよ」

 

 アウラはダークエルフなので、肌の色は闇の影響を受けて浅黒い。それなのに内側はピンク色と聞いて、アウラは視線を俯けた。

 

「おまんこの上の方にクリトリスがあります。小さくて丸いので、肉で出来た豆のようです。刺激すると膨らんでくるのはちんこと一緒ですね」

「ち、ちん……!?」

「見たことくらいは……、さすがに勃起はまだですか」

「……ぼっきって?」

「ちんこが立つことを勃起って言うんですよ」

 

 まだ小さなアウラ君はおちんちんがおっきしたことないのかな、と思ったのだが勘違いである。

 アウラが見たことがある男性器は、当然のことながら自分のものではない。女の子のアウラちゃんにそんなのついてない。マーレ君のである。幼い双子の姉と弟なので、お風呂が一緒の時くらいあるのだ。

 

「ちんこは後回しにして、クリトリスです。通常は皮をかぶってて、勃起しても皮をかぶったままが多いですね。皮は簡単に剥けるので愛撫するときは皮をむくこともあります。ただし、クリトリスはとても敏感なようで、剥いて直にすると痛がる女性もいるので要注意ですよ」

「クリトリス…………」

 

 アウラは、呆然とオウム返しに呟いた。

 もはや恥ずかしいとか聞いてらんないとかの域を越えてしまった。雨に濡れるのが嫌でも雨が降ってくれば濡れてしまうのレベルで、聞きたくなくても聞いてしまう。どうにもならないのだから仕方ないことなのだ。

 アウラについているのはおちんちんではない。おまんこである。幼いのでまだ一本筋のおまんこ。

 うっかり答えてしまったように見たことはなくはないけれどじっくり見たことはない。割れ目を指で広げて内側を、なんて考えたこともない。

 陰唇の呼び名は知らなかった。そういうのがあるのは知っていた。

 クリトリスは存在も知らなかった。自分の体にはそんなものがついているのか。

 

「クリトリスはとても敏感なので、感じやすい部分です。気持ちよいところ、ってことですね。指で優しく擦ったり、舌を使って舐めてやったり」

「舐めるの!? そんなの汚いじゃん!」

 

 じっくり見たことはなくても、おしっこが出てくるところなのはわかっている。おしっこが出るところを舐めるのも同然で、汚いことにしか思えない。

 

「汚くなんてないですよ。舐めるときは綺麗にしてるでしょうし。そうだ、クリトリスは表に出てる部分に気を取られがちですが、見えないところも大切です。クリトリスの根本は体の奥へ沈んでるわけですが、その根本の辺りを扱いてやるのも良いです」

 

 アウラに握られているおかげで温まってきた手を使って実演した。

 薬指と中指をそろえてほんの少しだけ透き間を空け、上下に動かして見せる。指と指の間に挟まれるのがクリトリスの根になる。

 

「最初に言った通り、手マンはこの指を使って挿入することが多いですね」

 

 そう言って見せつけるのが、ピタリと揃えた中指と薬指。

 

「アウラ様はおまんこの穴のことがわかりますか?」

「え…………、おしっこの、じゃない、よね?」

「そっちは尿道口ですね。それより大きな穴がおまんこにあるんですよ。膣、と言います。入り口を指す場合は膣口と呼びますね」

「ちつ……?」

「割れ目の一番下のあたりです。これは経験がないと場所がわかりにくいので。ある程度の経験がある女性なら割れ目だけでなく膣も広がってくるので、見ればわかると思います」

「そ、そこに、どうするの?」

「始めこそ小さくて指なんて入りそうにないんですが、とても柔軟なんです。経験がない女性でもよく濡らせば指くらい入るんじゃないかな」

「ぬれる?」

「ああ、失礼しました。順序が逆になってしまいました。女性は性的に高ぶってくると、つまりは気持ちよくなってくるとおまんこを濡らすんです。膣から、挿入に備えて潤滑液を出すんですよ。それで濡れるわけです。挿入するときはよく濡らさないとダメですよ? じっくり舐めれば唾が代用になるかも知れませんが、女性がよく濡らした方がいいに決まってますから」

 

 おまんこの穴に指を入れる。

 自分にそんな部分がある。

 意識した途端に、体が熱くなってることに気づいた。

 こんな恥ずかしい話をしていれば熱くなって当然だ。

 

「お手を少々」

「あっ」

 

 握りあっていた手を顔の前に持ってこられた。

 今更ながら、手を握っていたことを思い出した。後ろから包まれていることも思い出した。元々寒さは感じていない。今は暑いくらいだ。背中から男の熱が伝わっているのかも知れない。

 手のひらを開かされて、中指だけを曲げられた。

 

「アウラ様の手は私より小さいので届かないかも知れませんが、中指を根本まで挿入してこんな具合に折り曲げたところが、女性の感じやすい部分になります。おまんこに指を入れて、膣の中をこするんですよ。私の爪は短く切ってあるでしょう? 爪で引っかいてしまうとよくないですからね」

 

 傷もシミもどこにもない綺麗な男の手をまじまじと見た。

 

「アウラ様もいずれ経験することですから」

「っ!」

 

 アウラ君だと思っているので、アウラは挿入する方と思って発言している。

 だけどもアウラは女の子なので、挿入されると思って聞いている。

 目の前にある男の指。

 この指が、自分のおまんこの中に入ってくる。場所はよくわからないけれど、自分の体の中に入ってくる。

 

「おまんこの中はとても柔らかくて、温かくて、たっぷりと潤っているのに締め付けてくるんです。いいものですよ? もっと奥へ入っていきたくなるんです」

「おく……?」

「ええ、奥へ、深くへ」

 

 声が近い。

 顔の真横から聞こえてくる。

 声は、はっきり言って悪くない。甘く、少し低く、アウラを思って語りかけてくる。本当にアウラを思って語っている。

 

 問題は、アウラを男の子だと思っているのが問題とは言えないくらい大きな問題だった。

 ネムに手ほどきしたくらいなので幼い少女に知識を与えることは何とも思わない。良いことだと思っている。

 しかし、請われなければまずしない。積極的にすることではないと判断できるくらいの常識は持っている。しかし、アウラを男の子だと思っているのだ。男の子の好奇心を満たしてあげようと女性の体について語っている。

 

「あっ!」

 

 アウラが高い声をあげた。

 手を握っていてあげたので、凍えていた手は温まったようだ。右手は手マンの実演のためにアウラの目の前に。左手はアウラのお腹に回された。

 男の膝の上に座る形なので、腕が通ったのはおへその下。手が温まろうとやはり寒いのか、より密着しようと苦しくない程度に力が入っている。

 

「どうしました?」

 

 肩から顔を出して覗き込んでくる。頬と頬が触れた。アウラの頬は熱くなって、男の頬は冷たいまま。

 熱い頬が気持ちよかったのか、頬をすり寄せてきた。

 実演していた右手も下りて、アウラのお腹の前で左手と合わさった。

 下腹がくいと圧された。

 

「な、なんでもないから! それより雲の切れ目が出てきたから下りるよ! もう寒くなくなるんだから離れてよ!」

「寒くなくなるまでこのままでは駄目ですか?」

「~~~~~~~~~っ!! ダメ!!」

 

 温かいアウラを逃すまいと、強く抱き締めた。

 アウラ君あったかくてきもちいい。子供はやっぱり体温が高い。すごいぽかぽか。寒いときはあったかいのが一番。

 と思ったのにすぐさま振り払われて、アウラは立ち上がってしまった。

 ドラゴンは雲海の切れ目に急下降し、帝都へ繋がる街道が眼下に見えた。

 

「この道の向こうに帝都が……」

 

 気温も急上昇してきた。

 寒さに耐えていた体も調子を取り戻し、アウラを抱き締めていたことも忘れて景色に見入った。

 ただし、今度はアウラがドラゴンの首に陣取ってしまった。

 そこが一番よく景色が見えるところなのだが。

 

 

 

 浅黒い肌で、背を向けているから顔が赤くなっているのは気付かれていないはず。

 ぴょこんと飛び出た耳まではどうしようもないが、自分をこんな風にさせた男は景色に見入っている。こちらを見る気配はない。

 それはそれで頭に来なくもないが、アウラは自分の体の変調に気付かれなかったことに安堵の息を吐いた。

 さっき下腹を圧された時、何かがじわっと来たような気がしたのだ。

 じわっと来た部分が部分だった。

 そんなところにじわっと来たのは初めてで、話を聞いてなければ何が起こったのかわからず戸惑ったかも知れない。

 後ろを振り返って、男がこちらを見てないことを確認してから、アウラはお腹を撫でた。

 手はおへそを通り過ぎて更に下へ。

 ドラゴンの首に跨がっている近くまで下がった。

 股間より少し上。筋とか割れ目とかおまんことか、色々言われた奥の部分が。

 おかしなところでじわっと来たような気がした。

 

(……………………もしかして。……これ、…………濡れたってこと?)

 

 帝都が見えてきた。




連続更新してるのはタバコを絶ったと同時に更新が止まるからです
たぶんこれでしばらく止まります
どうして前からこーいうのが出来なかったんでしょうね(ノ∀`;)

アウラはアインズ様が秘蔵してる凄いマジックアイテムで

  • 爆乳王女様(公式)になって色んなことを
  • やっぱ小さいままで出来るとこまで
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