ベッドに腰掛けガウンを開く男の前に美女姉妹が陣取った。
ただの美女ではない。一度返り見れば城が落ち、再び返り見れば国が滅び、三度返り見れば世が傾く傾世の美女である。男であれば垂涎必至の人外魔境。
「これが私に当てられていた? 大きさが違うと思うのだけれど? それに下を向いているし」
「これから凄く大きくなるのよ。お兄様ったらお顔はとても整っているのにここはとっても凶悪なの」
ただしメキャァとかグチャァとかの可能性がなければの話である。何かあっても大丈夫。お優しいアインズ様がいくつものポーションを下賜なさってくださった。男はちょっぴり心で泣いた。
「ナーベラル、あなたの訓練よ。あなたは力加減が上手でないわ。お兄様に協力してもらって繊細な指使いを覚えなければダメ」
やはりそうなるのか。男は天を仰いだ。
己の逸物は二人の玩具。何かあってもポーションがある、わあい嬉しい。代われるものなら代わって欲しかったが誰も思い浮かばなかった。唯一知人と言えるのは子犬のような騎士見習い。虫酸が走って小さく舌を打った。
「こんな芋虫みたいなものを触る?」
「こんなとは失礼な! 男なら誰しも持ってる男性器です。呼び方は色々ですがちんこと呼ぶことが多いですね」
「ちんこ……」
「はしたないわよ。ちゃんと『お』をつけなさい」
「おちんこ……」
ナーベラルはまじまじと男の股間を覗き込んでいる。うっすら頬が赤いのは合格をもらった試験で受けた愛撫によるものか。
「お兄様に痛みを与えることなくおちんちんを刺激して大きくすること。それが次の課題よ。優しく丁寧に触るの。ロイヤルスイートのラウンジでホワイトクリームパフェロワイヤルをスプーンで少しずつ崩すような繊細な手つきで」
美女二人は床の上に座っているが、ふかふかのカーペットと毎日のお掃除のおかげで裸で寝ころんでも問題ない。
ナーベラルは男の顔と股間へ交互に視線を送り、おそるおそる手を伸ばす。
「やわらかい。下の肉袋はふにゃふにゃしてる」
「そこは特に慎重にお願いしますよ。ちなみに金玉とか玉袋を呼びますね」
「玉? 本当。玉のようなものが二つ入ってるわ。ゆで卵よりやわらかい」
冒険者をしているとは到底信じられない美しい二本の指で玉を摘ままれ、男の背筋に冷たい汗が流れた。優しくさわさわとしているのはよくわかるのだがもんのすごくスリリング。おっかなびっくりなので刺激も弱く、立たせるどころではなかった。ソリュシャンは手を出すつもりがないらしく、いつもの美しい笑みを張り付けてナーベラルの悪戦苦闘を見守っている。
「……どうすれば?」
ピクリともしない男の逸物にナーベラルは困った顔で問いかけた。
「仕方ありませんわね。私が一肌脱ぎますわ」
「ソリュシャン!?」
文字通り一肌脱いだ。ソリュシャンが着ていたのは薄いネグリジェ一枚で、一枚脱げば全裸になる。スタイル抜群でたゆんたゆんのおっぱいを惜しげもなく男へ見せた。
「とても綺麗だよ、ソリュシャン。君ほど美しい女性はアルベド様を除けばそうはいないだろう。胸もとても大きいし。…………でも見飽きた」
「その言い方はないんじゃありませんか!? いくらお兄様でも言っていいことと悪いことがございますのよ!」
「一日何回裸を見せる?」
「うっ」
「目に楽しいのは確かだけどね、希少性と言うものがだね。いつものドレスも露出が激しいし」
肉を持つ女性ならまだしも思うところがあったろうがソリュシャンはショゴスであり美しい姿は擬態。姿形こそ美しいが内部は粘液。そして日に何度も裸を見せられる。風呂にはいる時はついてきてソリュシャン風呂になる。眠るときもベッドに忍び込んで絡みついてくる。視覚で興奮できるのは唯一トイレ時のみ。全裸のソリュシャンがペタンと床に座って上を向き、口を大きく開く。こぼさないように手は口の前で皿を作り、そこ目掛けて放尿する。小便がソリュシャンの美しい顔に降り注ぎ、口へ溜まっていく様子は倒錯的な嗜虐欲を刺激した。
ソリュシャンは人間の丸呑みが大好きで体の中で生きながら溶かし苦痛の叫びを楽しむ残虐スライムだが、だからこそなのかソフトMの資質があった。アルベド様が扉を開いてしまったのだ。
「ナーベラル!」
「きゃっ!? 何するの!」
理不尽な仕打ちである。ソリュシャンはナーベラルの服を下着諸共はぎ取った。ナーベラルは手練れなのだが変幻自在のスライムには分が悪い。
脚を閉じて胸を抱く。冒険者姿もメイド姿も露出は皆無の服装で、肌を晒すことになれてない。恥ずかしがる様はとても初々しい。
スライムではないのにぷるぷる震えるナーベラルに、ソリュシャンは焦れったいと言わんばかりに腕をとる。いささか可哀想だが姉妹のこと。それ以前に力で敵うわけがない。
ナーベラルの裸身は美しかった。ソリュシャンに比べれば控えめに見えるおっぱいだが、ナーベラルのおっぱいを見ればソリュシャンは大きすぎる。さわり心地も抜群のいいおっぱい。腰は折れそうなほど細くて股間には陰毛が僅かに見えた。
ちゃんとしなさいと捉えた手は男の逸物へ。ぴくりぴくりと血が通い、少しだけ大きくなった。優しく握って扱きなさいと言われてその通りに。痛みを与えないよう慎重に、男の顔を伺いながら逸物を扱く。段々太くなり長くなり、握る手にソリュシャンの手が重ねられた。きゅっと強く握られて、力加減を教えられたと知った。
「痛くはない?」
「大丈夫です。そのまま続けて」
「……わかったわ」
美しい笑みを淫蕩に崩したソリュシャンが見守る中、ナーベラルは頬こそ赤いが真剣な顔で逸物を扱き続ける。手の中で熱く固くなっていくのを感じている。
どうして私が人間の男のこんな汚らわしくて悍ましいおちんこを握っているの、私のおっぱいをイヤらしい目で見てホントいやらしい、少しくらい見た目が良くて他の下等生物よりましかも知れないけどいやらしい、それなのにソリュシャンはどうしてあんなに楽しそうなのかしら、おちんこがそんなにいいの?、昼もいっぱいキスをして何がいいのかしら、アルベド様のお気に入りと言うのだからまだまともな男なのでしょうけど、それにしてもあまり固くならないわね、昨日私に押しつけてきたときはあんなに熱くて固くなっていたのに。
真剣な表情の中に若干の焦燥が見え隠れするのを男は見た。
二人の美女の裸身を見て、内一人から逸物を扱かれていると言うのに未だ半立ち状態。男というものはおっぱいをチラ見したりちんちんをさわさわされたりすれば簡単におっきしてしまう単純な生き物、と同時にとってもデリケートな生き物でもある。抵抗不可の絶対強者が相手というのは今更だが、ナーベラルの手技は拙いしくちゅくちゅではなくクチヤァの幻視が消えてくれない。しかしこのままではナーベラルが思いも寄らない手段に出るやも知れぬ。課題未達で自信を失い、生真面目優等生ちゃんのナーベラルは落ち込んでしまうかも知れない。それは望む未来ではない。大きくしなければならない。
アルベド様、どうか私にお力を!
目を閉じて天を仰ぎ、アルベドの美貌を思い起こした。美の化身としか言いようがない整った顔。メリハリの効いた体に極上おっぱい。乳首の美しさは言葉に尽くせぬ。舌で味わった唇の感触。飲まされた甘露。脳髄を痺れさせる甘い声。そしてなによりも逸物へ与えられた至高の快楽。
「あっ!」
ナーベラルが喜色も露わに声を上げる。手の中のおちんこが一層熱く固くなり、太さも長さも増しながらへそに届くほど反り返った。
「良くできたわね、これで今日の課題はお仕舞い。あとは私に任せて」
邪魔とばかりにナーベラルを押しのけ、ソリュシャンが男の前に。そそり立った逸物を口に咥えた。
静かな部屋でじゅるじゅるちゅるちゅると粘着質な水音が響くこと数分。男が小さな声で呻き耐えるように目をきつく閉じた。
男の股間から顔を上げたソリュシャンは満足そうに微笑んで、とっても美味しかったですわ。抱きついてキスの雨を降らせる。唾液をすすってソリュシャン汁を飲ませてベッドに押し倒し、ナーベラルの視線に気がついた。
「まだいたの?」
ナーベラルは頬を張られたお嬢様が床に倒れ伏すポーズで呆然とソリュシャンのすることを眺めていた。
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ソリュシャンはお仕置きのリスクも顧みず、借りが増えて利息で膨らむのもいとわず、摘まみ食いを止めなかった。先日アルベドが訪れるまで毎日していたのだから急に止められるものではない。しかし今回はソリュシャンの中ではセーフ。課題の一環でナーベラルがおっきさせました。私が辛そうなお兄様をお慰めしました。以上、完璧な言い訳である。
どこまで搾り取れるかも把握済み。朝起きてベッドの中で、日に数度立つおトイレで、ソリュシャン風呂で、再びベッドの中で。男としても気持ちいいし、こちらを与えておけば満足するようでうっかり溶かされてヒリヒリすることもなくなる。win-winである。
ちなみに搾取とは一方的ではなく双方の合意によって成り立つものであり、暴力を背景として一方的なものは収奪と呼ぶ。ナザリック第10階層にある最古図書館の最奥の書架に眠る社会の教科書に書いてある。本当である。
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日中は昨日と同じように長椅子に仲良く並んで座ってお勉強。ナーベラルにとっては兎も角残り二人にとってはちゃんとしたお仕事なので真面目にこなす。ノルマは一日三冊。得た情報はソリュシャンが文書にまとめてきちんと報告。そこまで男にさせたかったけど神聖文字未修得なので断念残念。
読書中も一段落つく毎にソリュシャンは男の膝に乗ってちゅっちゅと飽きない。ナーベラルと手を握り合ってるというのに。
ナーベ様がじっと見ていらっしゃいますわ、隣でこんなことをされればね、もしかしてキスしてみたいのかしら、それはないだろう、どうして?、人間全体がお嫌いなようだからね、でも私はあなたとキスするの好きよ、食欲的な意味で?、食欲的な意味で、ナーベラル様にそのような嗜好はないでしょう、なくても訓練の一環になるわ、と言うと?、ナーベラルは不意を突かれると慌てる癖があるのそこも矯正しないと、モモン様はそこまで求めていませんでしたが、求められた以上の成果を出すのはシモベとして当然よ、左様でそれにしてもあなたはプレアデスのソリュシャン様なのか商家のソリュシャンお嬢様なのかブレが激しいですね、うるさいわね早くやりなさい、何かあったら骨を拾ってください、バカ言わないで髄まですするわ。
小声とは言えすぐ隣で且つ聴覚は鋭いナーベラルだが、心は何処へ飛んでいるのか二人の内緒話が耳に入らない。
男は数分後の未来を幻視して嘆息し、ソリュシャンお嬢様は美しい笑みをたたえながら隣に座り直した。男はナーベラルの方を見て軽く首を傾げる。
「ナーベ様、シャツの襟に糸くずがありますよ。取りますので少しじっとしていてください」
「そ、そう?」
「まつげにもゴミが。目も閉じてください」
「……早くしなさい」
「かしこまりました」
襟へ伸びた手は肩をつかみ、目を閉じるナーベラルへ唇を重ねた。
驚愕に見開かれる瞳。映るのは左右で色の違う瞳。唇を柔らかな何かが割って入る。口は閉じても歯まで閉じていなかったのが災いしてぬめる肉が口内に忍び込む。口を閉じることは出来ず、反対に口を開いてしまって更なる侵入を許し、舌に触れる肉が男の舌であることにやっと気付いた。唇を合わせている。キスをしている。舌を入れられている。何が起こっているのか把握すると同時に茹だる頭。
ほんの数秒を十数回繰り返すほどの時間。舌の表も裏も、唇の裏側も、口内の粘膜全てを男の舌が舐め回してから唇が離れた。二人の唇を細く光る糸が繋ぎ、千切れた。
それから数秒が数回。ナーベラルが再起動した。
「この口吸い虫がーーーーーーっ!!」
正統派ツンデレヒロインの如き理不尽な暴力が男を襲う。
ちなみに口吸いはチュウと読み虫もチュウと読む。
飛び散った鮮血はソリュシャンがキレイキレイしてポーションの出番となりました。
なーちゃんが真面目に修行するのでおわりませんでした