※この作品はR-18です。

冬の獅子と氷の花(BLEACH)   作:三神 ゆうさ

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イヅルー1ー

 

瀞霊廷上空

 

 

刀と刀の切り結ぶ音が辺りに響く。

次々と繰り出される斬撃を雅が無表情で受ける。

それを見て吉良の顔が歪む。

 

市丸とは全く違う

容姿も表情もなにもかも。

なのにどこかへいってしまうような、そんな不安感を吉良は抱いていた。

 

自分たちを捨て置いてしまうような隊長は認められない

松本乱菊や同級生の阿散井が羨ましかった

隊長との信頼関係を築けている彼ら

 

本当に羨ましかった。

 

 

「受け流すだけですか、黒晶隊長。」

 

いくら切り込んでも、何の手応えもなく受け流されてしまう。

 

「隊長とはそれだけのものですか!僕を甘く見ていると怪我をしますよ、黒晶隊長!」

 

 

「…よく口が動くな、イヅル。」

 

雅は周りを見てため息をついた。

興味津々…なのかどうかは知らないが多くの死神が離れたところから見ている。

…面倒くさい

 

 

「僕は認めません、あなたのような「弱そうな女隊長などには、か?」

 

「ーーーっ。とにかく僕はみとめない。」

 

「面を上げよ、侘助。」

 

 

 

 

3番隊副隊長の始解に、見物していた各隊隊長及び副隊長は目を見開いた。

 

 

「吉良のやつ、どうたんでしょうか。」

 

10番隊隊長松本乱菊が問いかけると、同隊隊長日番谷冬獅郎はしばらく黙って答えた。

 

「しらねぇよ。お前の方がよく知っているだろう。」

 

「そうですけどぉ〜、何か話しているみたいですけど聞こえませんねぇ〜」

 

黙って戦いを見つめる日番谷に乱菊はニヤニヤしながら言った。

 

「隊長はイヅルなんかより、あの新しい隊長に興味津々ですね〜♡」

 

「何が言いたい。ニヤニヤするな松本。」

 

いつも通りへらへらしながら含みのある言い方をする副隊長を呆れながら横目で見る。

 

「新しい隊長さん、とっても綺麗じゃないですか〜、もしかして、隊長惚れちゃったんですか〜?」

 

「何を言っている、俺は「えぇぇぇえ!そうなんですか、日番谷隊長ぉう!」

 

いつの間にか現れた6番隊副隊長阿散井恋次が乱菊と一緒ににやにやしている。

 

「そうなのよれんじ〜、隊長にもやっと春が来たわねぇ〜」

 

二人でワイワイ盛り上がり日番谷をからかい始める。

お決まりの光景である。

 

「まーつーもーとぉぉぉぉぉぉぉお!」

「まぁまぁそんな熱くならないでくださいよ日番谷隊長!」

 

「てめぇもだ、阿散井!」

 

舌うちを一つして未だ続く戦いに目を向ける。

あの新隊長の実力を見たいと思ったが…

吉良の負けだ

 

「…にしても吉良のやつ、どうしたってんだよ」

 

阿散井がぽそりとつぶやいた。

 

 

 

 

 

「面を上げろ、侘助」

 

 

霊圧の上昇とともに吉良の斬魄刀が曲がる。

 

「覚悟してください。」

 

そう言って勢い良く踏み込んで繰り出された刀を例のごとくうける。

 

……!?

 

「気づいたようですね。

僕の斬魄刀を受ければ受けるほど、受けたものの重さが2倍、またその2倍と膨れ上がります。

その重さに耐えきれなくなり詫びるように頭をさげる。

ゆえに侘助。」

 

 

「…面倒な斬魄刀だな。」

 

 

何度も繰り出される斬撃を受ける度に重くなり、そろそろ構えるのも難しい状態だ。

 

「…随分太ったな、氷花。」

 

斬魄刀は使えないな。

すでに振り回せる重さではない。

雅は手近にあった建物の屋根に斬魄刀を突き刺した。

 

 

「…斬魄刀を使わずに戦うなんて、正気ですか。」

 

「お前のせいだろう。」

 

雅がさらっと答えると吉良の顔が歪む。

 

「…余裕なのも今のうちですよ。」

 

そう言って飛びかかってくる吉良に雅はため息をついた。

鬼道しか手はないか。

…やはり面倒臭い。

 

雅へ向かって踏み込むと、彼女はゆっくりと手をかざした。

ーー鬼道か

くりだされた双蓮蒼火墜をよけながら瞬歩で間合いを詰め切りかかろうとする。が。

 

「なっ!!」

 

雅のはなったいくつもの双蓮蒼火墜が吉良を襲った。

 

距離をとった2人の間には、吉良の荒い息遣いだけが聞こえる。

 

ーーーそんなはずはない。

双蓮蒼火墜はそんな容易な鬼道ではない上に、二重詠唱なしの連発など考えられない。

 

「…どうした。」

 

未だ雅の表情は変わらない。

高いレベルの鬼道を使ったことを当たり前かのように、ただ自分を見つめている。

吉良は冷静を失いながらも切りかかった。

 

 

「…っ。うぉああああああああああ!」

 

それは一瞬だった。

 

 

 

 

 

 

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