※この作品はR-18です。

崩壊した世界でステゴロ聖女と旅をする   作:nibiiro

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皆様こんにちは。
nibiiroと申します。

久方ぶりのステゴロ更新。
ほんとは10月中に上げたかったのに、11月になっちゃいました。

マリーの区切りついて、ネタが溜まったので書きたかったんです。

今回はアメイジング天海さんの書く『【急募】崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこっていくにはどうしたらいいですか?』でのゲスト参戦前のお話。

新キャラも出ます。

じゃ、前置きはこれくらいで。

それでは、いってらっしゃいませノシ



ステゴロ聖女と旅してます

BBのホテルを出て早数ヶ月。

俺達は変わらず旅をしている。

 

『待てやコラァッ‼︎』

 

……旅をしている。

 

「人の物盗りやがってぇ!返せぇ!」

 

「止まりなさいってのぉ!」

 

そして現在、追いかけっこの真っ最中である。

 

「そう言われて止まる奴はいないっての!千代女!」

 

「承知!」

 

逃げる相手は、望月千代女とそのマスター。

ビル群があったと思わしき瓦礫だらけの道を駆け回る。

 

「ハァッ!」

 

千代女が赤黒い衝撃波をこちらに放つ。

見た目通り触れたらヤバいのがわかった。

 

「マルタ!」

 

「わかってるわよ!」

 

頭ひとつぶん飛び出し、右手に持った十字架の杖が払われる。

 

「フッ!」

 

迫る攻撃を物ともせずに、はたき落とされた。

 

「こんなもん効きゃあしないわ!」

 

「観念しやがれぇ!」

 

「こっわ!千代女、絶対に逃げ切るぞ!」

 

「お任せを!この身はお館様のために!」

 

どうしてこんなことをしてるのか。

 

少し、時間を遡ってくとしよう。

 

 

●

 

 

「星のように!愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)‼︎」

 

旅路の途中助けを求める人達に手を貸し、邪教の施設を破壊する。

最近はそんな日々を過ごしていた。

 

「愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)‼︎」

 

とはいえ……。

 

「愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)‼︎」

 

それが1日に何度もとなると……。

 

「吹き飛びなさい!愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)‼︎」

 

「」(白目)

 

流石に、身が持たない。

何回宝具打つんだよ。

 

「フゥ、じゃあ早速……♡」

 

その度に搾り取られるからヤバい。

干からびそう。

 

────数時間後

 

「小太郎君を助けてくれて、ありがとうございました!」

 

「いえいえ、当然のことをしたまでよ。気にしないで」

 

「本当にかたじけない……」

 

邪教の拠点を制圧し捕われていたサーヴァント、風魔小太郎を救出。

 

無事、マスターである女の子のもとへ連れてくことができた。

 

「あのような輩に捕まるとは、僕もまだまだですね」

 

「そんなことないわ。貴方はマスターを人質にされ、自ら捕まったんでしょう?気にすることではないわ」

 

「そうだよ!小太郎君はいつも私の為に頑張ってくれてるの知ってるもん!だからそんなこと言わないで!」

 

年端もいかぬ女の子、柊 菜子(ひいらぎ なこ)ちゃんは涙目で小太郎君へ訴える。

 

その様子に、小太郎君は狼狽た。

 

「あ、ありがとうございます主殿。そう言ってもらえると嬉しいです」

 

「うーん、ちょっと謙遜しすぎな気もするけど……」

 

「と、ところでそちらの方は大丈夫ですか?」

 

会話に加わらない俺へと話を振ってくれた。

 

「お、おう、大丈夫だ。大丈夫……ガクッ」

 

『あ』

 

気絶した俺を小太郎君が背負い、4人で他に救出した一般人達と合流。

その後、近くのホテルへと移動をしてくれた。

 

「どうぞ、お水です」

 

「あ、ありがとう」

 

ロビーに腰を下ろした俺に、菜子ちゃんが水を持ってくれた。

何ていい子なんだ。

 

そんなことを思いひと口飲んで、俺は隣のマルタへ声を掛けた。

 

「……なぁ、マルタ」

 

「何よ?」

 

あー、怖いなぁ。言いたくないなぁ。

でもなぁ……このままだと死ぬかもしれないしなぁ……。

 

「霊基変換、しばらく禁止な」

 

「……は?」

 

瞬間、ザワっと気が立ち昇る。

 

「何、それ?」

 

「お、落ち着け。ちゃんと理由があっての提案だ。話だけでも頼むから聞いてくれ」

 

「……わかったわよ」

 

ザワついていた気が小さくなってゆく。

ツンと、どこか拗ねたような表情で、マルタは渋々耳を傾けてくれた。

 

「えーと、理由は単純にこのままだと俺の身体がもたんからだ。お前なら、この意味がよくわかるだろ?」

 

ここ最近増えた宝具の使用に、ルーラーへの霊基変換も頻度が上がってきている。

マルタはできるだけ自分自身の魔力を使うようにしているが、消耗した分は必然的に補充をしなくてはならない。

 

いや、俺もしたいしヤルのは別に構わないんだけどさ。

このままだと息子から赤玉出ちゃいそうで怖いから……。

 

「それと、宝具の使用もできるだけ控えたい。ここぞって時の必殺と対向手段にしたいんだけど……」

 

「……わかったわよ」

 

「良かった。なら早速今日から────」

 

「ただし、条件があるわ」

 

言葉を遮り、提案を持ちかけられたが……。

なんだろう。凄く嫌な予感がする。

 

「ヤルこと以外で魔力補給できる手段を絶対に探すこと。これだけは守って貰うわよ」

 

「おう」

 

「あと、1日10回匂い嗅がせて」

 

「おいまて」

 

こいつ……!

サラッとなんつーことを……!

 

「何よ!それくらい良いじゃない!」

 

「いやいやいやいや!嗅いだらお前スイッチ入るだろうが!匂い嗅ぐ=スルでしょうが!」

 

「何それ⁉︎私が変態だとでも言いたいわけ⁉︎」

 

「半年前から言ってましたが⁉︎」

 

小言の応酬が始まった。

頭の片隅でカーンとゴングが鳴らされた気がする。

 

「だいたい、俺だけじゃなくてタラスクのことも考えてやれよ!」

 

「うっさいわねぇ!タラスクとの仲はあんたに比べれば私の方が深いの!余計なこと言わなくていい!」

 

「余計じゃねぇだろ!タラスクはもう立派に仲間の一員で、俺のサーヴァントであるお前が使役してんだ!だったら俺にだって言う権利はあるだろ!」

 

「お、おふたりとも、落ち着いて下さい」

 

『大丈夫、落ち着いてるから』

 

「落ち着いてないよぉ……」

 

嗜めてくれる小太郎君と菜子ちゃんを余所に、俺とマルタはヒートアップしてゆく。

 

「もうあったまきたわ。表出なさいよ。鉄拳で頭冷やしてやるわ」

 

「上等だ。伊達に毎日スパーの相手してるわけじゃねぇってこと教えてやるよ」

 

「おい、あんたら」

 

ドスの効いた低い声が割って入った。

 

声の方を見れば、サングラスをかけて額に傷跡がある強面の黒スーツの男性が怒りを露わにしている。

 

その様子を見て、俺とマルタは一気に冷や汗をかいた。

 

「随分と客の迷惑になるくらい盛り上がってんなぁ?おっちゃんと少しお話しするか?」

 

『すいませんでしたぁ‼︎』

 

「凄い息ピッタリだねぇ……」

 

「とても綺麗な動作です……」

 

すぐさま腰を90度折って頭を下げる。

これぐらいのコンビネーションは俺達にとっては造作もない。

 

いや、まぁ、こんなので自慢するのは違うけども。

 

「まぁまぁ、大将よ。ちっと落ち着けよ。客を連れてきてくれたのはこいつらなんだから、ちっとは多目に見てやってもいいんじゃねぇの?」

 

スーツの男性のサーヴァント、坂田金時がやってくる。

 

マスターの男性、島 黒麒(しま くろき)さんは金時の言葉を聞き、溜息を吐き出した。

 

「……ったく、金時と連れてきた客に免じて今回は許してやるよ」

 

『ホッ……』

 

「ただし」

 

2人して安堵したのも束の間、島さんはグラサンを外し、ギラリとした眼で軽く睨みながら告げる。

 

「1つ、依頼を受けて貰う」

 

「依頼?」

 

「あぁ、勿論断るわけないよなぁ?救助人を受け入れてやって、多少の迷惑をかけて、なおかつ噂の聖女マルタとマスターなんだからなぁ?」

 

「……当たり前よ。その依頼受けてやるわ」

 

いや、依頼を受けるのは俺も構わないんだけど、何か今気になること言ってたような……。

 

「あのー、噂って何ですか?」

 

「……知らないのか?」

 

島さんが意外なものを見るような顔をすると、金時がフォローに入ってきた。

 

「旅をしている聖女マルタとそのマスターが困ってる人を助けてるって奴だ。SNSでも新聞とかでも取り上げられてるぜ」

 

「え、マジですか」

 

「マジのマジ。ゴールデンマジ」

 

通りで最近道ゆく人に見られたり、カルト教団関係やサーヴァントとの手合わせが多いと思ったよ。

 

助けるっていっても大体がステゴロで解決だし。

 

「すごーい!有名人さんだったんだぁ!」

 

「確かに、僕を助けてもらえた時の手際の良さは素晴らしかったです」

 

「ありがとう2人とも。でも、特別な事は何もしてないわ。いつも通り聖女らしく困っている人を助けただけよ」

 

「そうそう。いつも通りゴリ押しでステゴロっただけ――――っぐ⁉」

 

鳩尾にいいジャブが入り、物理的に言葉を止められた。

 

「何か言ったかしら、マスター?」

 

「…何でもない」

 

話が逸れそうになったため、タイミングを見計らって黒麒さんが咳ばらいを1つ。

 

そして、本題に入る。

 

「それで、依頼内容なんだが────」

 

 

●

 

 

回想おわり。

 

依頼の内容はこの辺りの一般人やサーヴァントを始め、島さんと金時が経営するホテル、《ゴールデン・ゴールド》も狙った盗っ人を捕まえる。

 

それが今、追いかけている青年と千代女の2人組だ。

 

「追い詰めたぞ」

 

「もう逃げられないわよ?観念しなさい」

 

荒廃した建物が散乱した袋小路。

逃げようとしても崩壊したビル群が行手を邪魔するため、来た道を戻るしかない。

 

俺達と島さんと金時コンビを散々翻弄したスピードも、これでは生かせまい。

 

「魔力も少ないはずだ。大人しく俺達や皆から盗った物を返せ」

 

実は不意を突かれて野宿用のツールバックが奪われた。

今は千代女のマスターである青年が背負い、千代女はマルタからタオルを奪ったらしい。

 

何のためのタオルかはこの際置いといてだ。

 

「……お館様」

 

「あぁ。……あれやるか」

 

てっきり降参するかと思いきや向こうはまだやる気だ。

 

FGOではライダーはアサシンに対して不利だが、ここは現実なので戦い方次第でいくらでもやりようはある。

今回は俺達の戦闘経験と知識が上だったようだ。

 

ちょっとやそっとじゃ戦局は変えられないと思うが……。

 

「それは……」

 

青年がポケットから出したもの。

それは、虹色に輝く欠片。

 

「聖晶片、だと……?」

 

「ご名答」

 

青年の聖晶片を掴む手が力む。

すると、その手に宿った令呪が眩しく輝き始めた。

 

「さぁて、やるぞ千代女」

 

「承知!信濃巫女たる拙者の戦い、とくとお見せ致します!」

 

光が収まると、千代女の姿が霊基第2段階から第3段階へと変化。

変わったのは見た目だけでなく、消耗した魔力も満ちているのが見て分かる。

 

「嘘でしょ……」

 

「嘘であって欲しいけどな……」

 

まさか今の世界に聖晶片が存在して、魔力を回復できる代物だったなんてな。

とんだ誤算だぜおい。

 

「まだいけそうか?」

 

「どうかしらね。余り長くもちそうにはないわ」

 

「……だよな」

 

体勢を整えるために逃げるとしても、足の速さは向こうが上。

それでも、戦闘は避けられない。

 

「噂の盗人、尾上 由明(おがみ ゆあき)と……」

 

「サーヴァント、望月千代女!参るでござる!」

 

「噂の旅人、野中 仁と……」

 

「サーヴァント、聖女マルタ!相手してやるわ!」

 

戦いの火蓋が切って落とされた。

 




登場人物紹介

小太郎のマスター 柊 菜子
12歳の元小学6年生。
幼い外見とは裏腹に結構なしっかり者。

偶然の縁で小太郎を呼び、仲睦まじく過ごしている。
ちなみにこの子、バブみが半端ない。


菜子のサーヴァント 風馬小太郎
風魔一族。本来の名を村の名から「風間」と言い、普段は狩猟や樵、狭い田畑を耕して糧を得ていた。だがいざ任務となると「風魔」を称し、その恐ろしさを天下に知らしめた。

縁で呼ばれた菜子を心の底から信頼し、命を掛けて守るのを信条にしている。


金時のマスター 島 黒麒
いい年したサングラスに額に傷がある見た目通りおっかないおっちゃん。
ビジネスホテル《ゴールデン・ゴールド》のオーナー。

金時は触媒で呼んだらしく、付き合いのいい相棒として信頼している。
怖いけど、基本は面倒見のいい人。


黒麒のサーヴァント 坂田金時
暴れん坊、傍若無人、情に厚く、涙脆く、正義感に溢れる好漢。
足柄山の金太郎として多くの人々に親しまれる金太郎の原型ともいえる英雄である。

マスターの黒麒とは気が合い、酒を酌み交わしたりしている。
今の環境の居心地はゴールデン!らしい。


てわけで、色んなキャラと聖晶片の設定頂きました。
姿を変えられるなら魔力の回復もできるんじゃないかと思いまして…。
盗人2人の紹介は次回します。

次は戦闘ですねぇ…。
上手く書けるか不安ですが頑張りますよ~。

それ書いたらマリーに戻ります。

それでは皆様、タラスク!
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