「……ぁぁ、…ら、きもちぃ」
飛粋はまだ目が覚めない。夢の中で誰かに犯され続けている。現実に帰ることは叶わず、頭につけられた洗脳装置で眠らされた表情はだらしなく口を開きヨダレを垂らしている。
その快楽を放出し続けた体は最初こそビクビクと痙攣し続けたが今は全身が弛緩しており、拷問椅子から垂れて水たまりを作るほどに女性器からは愛液が滲み出ている。
大八州の罠にかかり奇襲を受けて眠らされ、その眠っている間に装置をつけられた。その後は知っている人間から、知らない人間から、脳の思考回路が続く限りパターンを構築し犯され続ける夢を見ていた。
そしてその夢の中で感じた物を眠っている体が体現する。ただ愛液は流れ続けながら、時に泣き、時に笑い、常に喘いでいた。
「洗脳率90%……間も無く完全に脳が抵抗力を失くします」
まるで実験でもしているかのように、いや実際に実験なのだろう、何人もの科学者が飛粋の様子をモニターする。
快楽漬けにされた飛粋の脳はもう殆どの抵抗力を失っていた。
「いやぁまさか凪の部隊が潜入してくるとはねぇ。愚か極まりないよ。でもこうやって一人捕まえて洗脳できたのはありがたいかな」
大八州師団のアジトに潜入した凪の部隊のメンバーが映ったカメラ映像を見ながら、乱獅子しおんは静かに笑う。飛粋の方にはもう目もくれない。
「あの、それでこの実験体はどうするんですか?」
「んん〜?どうしようかな。さっきうちの妹の名前言ってたけど、まぁ幸せそうだしそのまんま殺さずに洗脳でいいんじゃない。どうせ夢なんてもう二度と見れなくなるわけだし」
残虐な思想を巡らせながらしおんは感情という色のない目で飛粋を見つめる。この数分間で一気に喘ぎ声も少なくなり、ただゆらの名前を漏らすようになった飛粋には毛ほども興味を示さなかった。
飛粋の方はというと、ゆらとセックスを続けているのか時折長い喘ぎと共にゆらの名前を漏らす。ここ10分ほどはずっとこれの繰り返しであった。もう夢の中の至極の快楽に酔いながら喘ぎ続けるだけの人形でしかなかった。
「さてと、感動の再会はどんなのがいいかな〜?この子使って誘い出すのもありなんだけど、それよりも目の前でバラバラにした方がショック受けて面白いかな〜?」
「んおぉ、ゆら、しゅき、しあわ」
モニターの洗脳率が100%となった。飛粋という名前だった実験体は静止した。
ただとめどなく愛液と唾液が溢れ、荒くなった呼吸を整えようともせず快楽の沼に沈んだ。
最後はこういうオチです。夢の中で何度も処女を奪われた飛粋、現実では処女を奪われることはおろか誰かと性行為をすることすら叶わなかった。ただ人形としていいように実験に使われただけ。
スパイというので拷問は付き物かなと思い話のオチを付けるためにもこういうのを書きました。でも幸せな夢を見られているから本人は幸せなんだろうなぁと思っています