※この作品はR-18です。

花田提督と艦娘達の日常   作:花田司令

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第百五話「消えた海風」

舞鶴海上基地 中央作戦室

 

蒼龍「刀治郎!大変!」

 

花田中将「どうしたんだ蒼龍!?『敵』が来たのか?」

 

蒼龍「いいえ、違うわ……でも…」

 

はぁはぁと呼吸の乱れたまま、蒼龍は続けた。

 

蒼龍「海風がどこにもいないの!!」

 

花田中将「何だって!?」

 

蒼龍「さっきまで演習場にいたはずなんだけど」

 

花田中将「何分前だ!」

 

蒼龍「五分前よ」

 

花田中将「オペレーター!ここの五分前の全ての防犯カメラの映像を出せ!」

 

オペレーター「は?」

 

花田中将「復唱はいらん!急げ!」

 

オペレーター「はっはい!」

 

花田中将「その中から海風を探せ!」

 

オペレーター「見つけました!」

 

花田中将「どこだ!」

 

オペレーター「出撃ドック近くのカメラです。時間は二分前!」

 

花田中将「そうか」

 

ガチャ ピッポッパ

 

花田中将「明石か!そっちに海風が行ってないか!」

 

明石『えぇ二分前に来てましたけど』

 

花田中将「今そこにいるのか!」

 

明石『いえ。警戒任務と言って出撃しましたけど?』

 

花田中将「高雄!今日海風に警戒任務とかあったか?」

 

高雄「いえ今日は入ってません」

 

花田中将「くそっ!」

 

ガチャン

 

花田中将「まだそんな遠くには行ってはいないはず、オペレーター!衛星カメラの映像から海風を探し出せ!」

 

オペレーター「分かりました!少し時間を下さい!」

 

花田中将「くそっ!どこに行ったんだ海風!」

 

同刻、舞鶴基地を遠くから眺める二つの人影があった。

 

少年「あれがNPFの舞鶴基地か~」

 

少女「すごーい、おっき〜い♥」

 

少年「きっと凄く強い兵隊さんや武器が沢山配備されてるんだろうな~」

 

少女「でもあそこの人達も、みーんな私達にやっつけられちゃうんだよね♥」

 

少年「今まで僕たちが行った所の人達みたいに、ね……」

 

「「ふふふ…ははは……」」

 

舞鶴基地を双眸に映し怪しく笑う少年と少女。この二人こそ、海特警施設襲撃の犯人にして宣戦布告の送り主であるウェイカー兄妹であった。

 

少女「そうだ!あの基地ぜ~んぶ、私達で乗っ取っちゃうのもいいかも♥」

 

少年「いいね!僕たちの秘密基地にしよう!」

 

「……させない」

 

少女「へ?」

 

少年「んん?」

 

海風「そんな事……絶対にさせない!!」

 

そこに現れた、第三の人影。その正体は海風だった。

 

たまたま花田達がヒィッツらと話し合っている所に通りかかった海風は敵が舞鶴基地ひいては花田達を狙っている事を聞いて、早く敵を探し出そうとして思わず一人で鎮守府を飛び出したのだった。

 

海風「……ッ」

 

海風の中に未だ深く残り続ける、忌まわしき記憶─。歪んだ者達の醜い悪意によってかけがえのない家族がバラバラに引き裂かれ、もう二度と元に戻る事が出来なかったかもしれない恐怖。花田(ちち)や蒼龍(はは)、家族達が苦しみ、悲しみの底に心が沈んでいく姿。

 

あの時の恐怖を、絶望を、悲しみを、悔しさを、海風は昨日の事の様に覚えている。その記憶は返しの付いた釣り針の様になって海風の心に深く突き刺さっていたのだ。

 

そして今まさに、あの時の悪夢が形を変えて蘇ろうとしている。再び邪悪な意思が自分達家族に降りかかろうとしている。海風は覚悟を決めた。

 

 

海風(もう二度と、あの様な事は繰り返させない。もう二度と、家族を絶望の底に沈めさせはしない。)

 

海風(私の大切な家族に、家に、勝手な真似をやらせはしない─…!!)

 

海風「あなた達を、拘束します……!」

 

 

続く

 

 

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