舞鶴海上基地
蒼龍「海風のバカ!どうして一人で勝手に出て行ったりなんかしたのよ!」
花田中将「俺も蒼龍も、それだけじゃない、皆も心配したんだぞ!」
海風「ごめんなさい、ママ…パパ……」
蒼龍「でも…無事で良かった………!」
花田中将「あぁ……お帰り、海風……!」
海風「うぅう……パパああああああああああっ!ママぁぁぁああああああああああっ!!」
蒼龍「よく頑張ったわね、海風……!」
花田中将「早く行ってやれなくてごめんな……!」
花田司令と蒼龍(りょうしん)に抱きしめられたことで今まで限界以上に張り詰めていた緊張の糸がほぐれ、海風は両目から大粒の涙をぽろぽろと零しながら、大きな声でわんわんと泣いた。そして一しきり泣いた後、疲れが一気にやって来たのか眠りに落ち、蒼龍の腕の中ですぅすぅと安らかな寝息を立てた。
花田中将「あとは頼んだ」
蒼龍「分かった」
作戦が完了し、ヒィッツ達特警チームも帰還の手筈が整った。
花田中将「あの兄妹はどうするんだ?」
ヒィッツ提督「クソガキ共はいっぺん特警で預かる。だが最終的な処遇の判断に関してはNPFの代表として花田君達にも意見を聞きたいと思う。本来ならNPFの監察・管理下に置くのがスジってモンだろうが、指揮権の都合でな」
花田中将「大丈夫、理解しているさ」
ヒィッツ提督「ご理解とご協力に感謝する」
花田中将「それにしても今日は本当に助かった。那智にも礼を言っておいてくれ」
ヒィッツ提督「ああ、分かった」
そして帰り支度を完了させていよいよ帰ろうという、その時だった。
「ふふふ、あははははは……!」
「ひひっ…!」
拘束されているウェイカー兄妹が突然笑い始めたのだ。
ヒィッツ提督「目ェ覚めやがったんかクソガキ!」
花田中将「一体何がおかしいんだ!」
花田司令が激しい語気で問う。
「はははっ…だってさぁ、面白いんだもの」
「私達が『二人だけ』だとホントに思ってんだもん!あっはは!おっかし~♥」
花田中将「何だと!?」
二人の言葉に衝撃が走る。
「僕たちは『三兄妹』…まだもう一人いるんだよね~…」
「嘘じゃないよ、ホントだよ♥私達ウェイカー兄妹は三人兄弟♥皆なかよし~♥イヒッ♥」
「お前達が僕たちにてんてこ舞いになってる間に、もうこの基地の中に入り込んじゃったろうね♪」
「あははっ!それに気づかずに私達にばっかり夢中になっちゃって、必死過ぎ~♥キモ~イ♥あはっ♥」
勝ち誇った様子で得意げに語るウェイカー兄妹。
花田中将「そんな……」
ヒィッツ提督「あと一人いる…だと……!?」
一同の間に再び緊張が走る。
足柄「あ、もしかしてコイツの事?」
そこへ足柄が、顔中ボコボコに殴られて全身をぐるぐる巻きにされた状態で涙を流している少年を連れて来た。その少年の顔を見ると、ウェイカー兄妹の顔がみるみる内に絶望に染まっていった。
ヒィッツ提督「あ、コイツなんだ……」
花田中将「あっさり解決したな……」
ヒィッツ提督「足柄、そいつも放り込んどけ」
足柄「りょうかーい♥」
足柄は三人目の兄妹とやらをウェイカー兄妹(ほかふたり)とが収容されている護送車に乱雑に放り込んだ。
こうして本当に、NPF舞鶴基地を突如として襲った兄妹達の野望は打ち砕かれたのだった。
ヒィッツ提督「そう言えば足柄、お前どうして三人目の事に気付けたんだ?」
足柄「んにゃ?あぁ、それはね。偶々基地の裏口の方に行ったら怪しいガキがいて目が合ったら急に泣き出しながら謝り出したからこいつは敵だなって思ってボコボコにしてそれから締め落としてやったのよ♥間接技(サブミッション)も中々良いものね!」
ヒィッツ提督&花田中将「コワ~………」
続く