舞鶴海上基地襲撃事件を終え花田中将は事務処理に終われた日々を送っていたのだった
舞鶴海上基地 執務室
花田中将「であの襲撃者は吐いたのか」
玄田課長「今はまだ混乱しているようでとても話を聞ける状態ではありません。」
花田中将「そうか」
大和「しかしまた騙されたみたいですね」
玄田課長「えぇ恐らくまたあの参謀が入れ知恵したのでしょう。」
花田中将「その可能性が高いな。」
玄田課長「では引き続き奴の取り調べをしていきます」
花田中将「あぁ頼む」
玄田課長「はっ!失礼します」
ガチャン
花田中将「ふぅーまたしても奴の考えを知ることは出来なかったか。」
大和「まぁ焦らずやっていきましょう。」
花田中将「そうですね。そうすると,,,」
ガチャン
飛龍「刀治郎!」
花田中将「飛龍ここでは花田司令と呼べと言ったはずだが。」
飛龍「そんなことより緊急事態よ」
花田中将「そんなことって」
大和「緊急事態ってどうしたんですか?」
飛龍「それが夏夜月君の鎮守府から鉄人が失踪したって!」
大和「なんですって!」
花田中将「あいつ。またやらかしてくれたな
今町中にいるとしたら混乱が起きる!」
大和「どうしますか?」
花田中将「飛龍。アイツに連絡して捜索の援護に当たらせろ。」
飛龍「了解。」
城西鎮守府
「はい、こちら城西鎮守府」
《城西鎮守府》―――それが、『鎮守府』としてのキャッスル=ウォーカーの表向きの名であった。
「ファーザー、お電話です」
カポネ「繋いでくれ」
ファーザー「もしもし……ああ!どうもどうも、飛龍さん!その節はどうも……はい、はい………なに?それは真で!?ハイ……ハイ…了解しました。では、直ちに……」
木曽「オヤジ、仕事か?」
木曽が尋ねると、カポネは「ああ」と応えた。
カポネ「お前たち!“俺”に入れ!!出撃だッ!!!」
「オォーッ!!!」
カポネの腹に『城門』が現れると、構成員たちは次々と中へ入っていった。
やがて、鎮守府から人気が無くなると、カポネは葉巻の煙を燻くゆらせながら外へ出た。
そして
「城攻キャッスル戦車タンク!!」
下半身が戦車のようなキャタピラへと変化。腕組みをしたまま駆動させて、港へと爆走した。
捜索に向かっていたカポネは、道中、戦意喪失した夏夜月と天龍たちと合流。
共通の敵を討つべく、夏夜月たちを収容したのだった。
カポネ「………で?さっきから黙り込んじまってる上に、抜け殻みてぇになっちまってるってわけかい?そいつは」
「はい……」
「まあ……そういう事になるの……」
事情を聞いたカポネは、現在の夏夜月を見て、深く溜息を吐いた。
カポネ「ったく……今更そんなシケたツラをしてんじゃねえよ、ええ?《疫病神》!!」
詰め寄り、夏夜月の胸ぐらを掴み上げた。
「っ!?」
「ちょ、カポネ提督!!提督は疫病神なんかじゃ…!!」
カポネ「勘違いすんじゃねえぜ、レディ達……。《疫病神》てのぁ、幽便屋時代のコイツの二つ名よ。幽便屋の《掟》を破っても守っても、コイツは最低一つは悲劇を残していった。依頼主の望みに応えられなかった、もしくは意図的に裏切ったかの違いはあるがな」
「幽便屋の……掟…?」
「そう……個人の前歴が何であれ、幽便屋として選ばれ、役割を与えられた以上、破ってはならない鉄の掟だ」
夏夜月から手を離すと、カポネは静かに語った。
〜《幽便局・閻魔庁》〜
古の時代、ヨーロッパにおいて幽便屋は『魔法使い』と呼ばれた。その魔法使いたちの本拠地として存在したのが『アヴァロン』である。
それと同じ役割を持った機関が、極東の島国である日本にも秘密裏に存在した。それが『閻魔庁』である
カポネ「要するにだ……夏夜月、テメェはこの状況の原因を全部自分のせいにすることで、無意識に『無かったこと』にしようとしてるんだよ!討つべき敵が居ることを分かっているにも関わらず、だ!!」
カポネ「ビビりを捨てろとまでは言わねえよ……ビビりはある意味テメェの強みだからな。だが、それとこれとは話が別だ!!戦わなきゃならねえ時に戦いを避けようとするのは、助けるべきものを見捨てるのと同じだ!!」
カポネ「分かるか!?テメェは今、この前の連邦政府の豚共と同じことをしようとしてるんだぞ!!そんな最低なマネをして、花田の旦那やヒィッツたちと同じ《提督》だって、胸を張れんのか!!!―――そうじゃねえだろう、夏夜月怪像ッ!!!!」
「ファーザーァ〜〜〜〜!!!」
一連の話を聞いていた部下たちは思わず感動の涙を流していた。
夏夜月提督「………《提督》としての……あたし……」
ぼんやりと呟く夏夜月に、利根が頭を軽く撫でる。
利根「お前は気負い過ぎなのじゃ。まだまだ未熟……ぺーぺーの提督、《ぺー督》などと言っていたのはお前自身ではないか?」
天龍「まったくだ」
続いて、天龍が肩を叩く。
天龍「ただでさえ甘え下手なんだ、もっと素直に頼ってきやがれ」
それに対し、千歳と千代田、筑摩も頷いた。
夏夜月提督「……みんな……」
顔をくしゃくしゃにして、泣きそうなのを必死に堪える夏夜月を見て、カポネは一言告げた。
カポネ「夏夜月……テメェは何の為にバケモノになったのかを思い出さなきゃいけねえ。これは……その原点を見つめ直すための戦いだぜ」
「ファーザーァ〜〜〜ッ!!!」
夏夜月提督「グスン……っ……うん!みんな、行こう!!」
この時、夏夜月が持ってきていた【ようじんぼう】の封刀と、鉄人の【操縦機】が淡い光を放ったのだが、誰も気付いていなかった………。
花田中将「よし。これで大丈夫そうだな。カポネにはあとで礼を言っておくとしよう」
憲兵「司令そろそろ」
花田中将「あぁ我々もこれより捜索を開始する!かかれ」
「はい!」
花田中将「どこにいるんだ鉄人。」
続く