花田中将がカポネと話しているその頃……街は大パニックを起こしていた。
当然と言えば当然である。
巨大なロボットが現れて、街に向かっていて。しかも手当たり次第に破壊しているのだから。
肝心の連邦政府や連邦軍の上層部は、避難誘導や当面の対処を現地の憲兵隊や海特警に丸投げして、『対策会議』と称して引き籠ってしまった。
「チクショオッ!!!また政府のお偉方は、自分たちだけ安全な殻に籠もるのかってんだ!!」
花田中将が陸軍航空隊にいたときの後輩で赤塚鎮守府航空隊第一隊長・保倉中佐は、軍帽を床に叩きつけるほどに憤慨した。
それに対し、意外と落ち着いていたのは、沼田中将の後輩にして部下の一人である竪森大佐だった。
堅森大佐「落ち着け。怒りたい気持ちはみんな同じなんだ。それを今、発散したところで事態が好転する訳じゃないだろう?俺達がすべきは、市民の安全を確保しつつ、この混乱に乗じて敵性深海棲艦が攻めてこないよう警戒することだ……違うか?」
保倉中佐「ご高説は結構だがね?こちとら、お宅みたいにツマラン大人になることは、成人する前からとっくに諦めてるんだよ!」
「止さんか、青二才共」
穏やかながらも強い口調で諌めたのは、鎮守府内での年長者の一人であるドイツ出身の憲兵隊中隊長・シェーンコップ。
シェーンコップ隊長「我らが閣下の前で、つまらん内輪揉めをしてる場合じゃあるまい?」
「………」
「………」
嫌ってる訳ではないが、古臭い考え方の中に正論を含んでいる為、二人はシェーンコップが苦手だった。
故に、大人しく引き下がった。
「ふう……向こうは収まったみたいだぜ、兄さん」
「そっか……それは何より」
司令室にて机の上に腰かけ、沼田はモニターの様子を伺う。
(まさか、こんな怪獣映画みたいな展開になろうとは………。これじゃ、お偉方が引きこもりになりたがるのも無理はないかな……)
「……とは言え。何の対策も練らないのは、どうもいただけないね」
金剛から紅茶を受け取り、一口飲むと、沼田は改めて深い溜息を吐いた。
オペレーター「っ?南南西より、謎の機影が急接近!目標は……例の機械兵器!!」
沼田中将「なんだって!?」
オペレーターからの報告を受け、沼田の顔色が変わった。
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「………あ!な、なんだ!?アレは!!」
大渋滞の中、巨大ロボット【モンスター】に追われる人々であったが、ある一人が“空の彼方から飛んでくる何か”を発見。指差した。
―――それは、誰がどう見ても『少女』だった。
背中にロケットエンジンを背負い、手足に頑丈そうな篭手とブーツを身に着け。ヘルメットを被っただけという簡素な武装をした、小柄な少女。
しかし……市民に向けて振り下ろしてきた、モンスターの巨大な右腕を両手でしっかりと受け止め。
人や建物に被害が出ない方向へ逸して退けたのだった
憲兵「さすがですね」
花田中将「あぁいい判断だ。さてとここは任せる」
憲兵「分かりました。引き続き避難行動はこちらでやっておきます」
花田中将「あぁ私はあの子を追う」
憲兵「お気をつけて」
花田中将「あぁ」
続く