銀髪ロリ巨乳の死神がセックスお誘いしてくる 作:緋枝路 オシエ
セミの全身全霊の自己主張すらかき消される雑音、この時間となれば黙するのは人間側。
都会は暗くなってからが賑やか、目が痛くなるサイケな色彩が点滅する然るべき場所。やけに静かなのは俺達に気を遣ってくれている、勘違いしても許されそうだ。
あそこは――最終目的地、遊びか、本気か、快楽か、命の育みか、恋人達が愛を確かめ合う借巣。
「街の灯り、星のようにも見えるな」
「カラフルな金平糖かな?」
「腹が減ってるのか? ふふっ、夕食は食べたばかりだろう」
デートの合間合間にスマホで検索、回りたかったスポットは殆ど踏破できた。本当は綿密にスケジュールを立てておくのが正解なんだろうけど、時間は残されていないからさ…………イシュチェは楽しいって、こうして高台で街を見下ろしている瞬間も手を繋いでくれている。
(一人で同じスポットを回っても、絶対に楽しくなかった。虚しかっただけ、誰かと――イシュチェと一緒ならこんなに…………)
昨日からずっと、俺はとある言葉を、気持ちを伝えたいと舌を噛む想いになっていた。
「裕矢? どうした?」
「…………………………………………」
この気持ち、明確な想いを抱いたのも昨日だ。あまりに都合がいい、あまりに展開が早い、悪い方向にばかり考えてしまう…………
「私に――言いたいこと、あるのか?」
「っ………………………………」
言葉じゃなくても伝わる物はある。
この気持ちになってからも、イシュチェと身体を重ねたけどっ――
ぎゅっ
――頑張って
「俺ッ――」
言葉でも俺は伝えたい、伝えなければならない、人生初の――
「イシュチェが好き、好き…………好きっ!!」
「………………………………裕矢、私も…………好き…………裕矢、裕矢! 大好きだ!」
告白される直前に「頑張って」…………両手を取ってくれる子なんて…………死ぬ相手に対して優しすぎるんだよっ…………
「――――~~! ふっ――――あぁあああ、言えた…………」
先程のセリフに全霊を込めていた俺は、両想いになれた幸福の抱擁を受けきれずに、背中から地面へと倒れ込んでしまった。
「俺、と、恋人…………なって、ほしっ…………」
「なるぞ♡ プシュケテロスとしてではなく、一人の女として私を必要としてくれる♡ 名を呼んでくれる♡ 私がどれだけ嬉しいか…………♡ 私を好きになってくれて――ありがとう…………♡」
倒れ込んだのに衝撃は感じない、イシュチェが何らかのパワーを使ったのか?
フライングして夜天へと羽ばたきそう『俺はこの子に必要とされている』
友達も居ない、両親にすら認められなかった『未草裕矢』が――……やっと、死ぬ7日前にして、世界の理とやらが許さなくっても――イシュチェは許してくれ、た…………
「んんっ――むっ、チュッ…………♡」
恋愛ドラマの最終回としてこの上ないシチュエーション。天然の星空と虚像の星空に挟まれてキス。
デート中も隙あらば頬に、額に、手の甲にキスして、されて、でも唇は本日初。解禁されたと言わんばかりに軽いノックを数回…………
「ン~~~♡ じゅぢゅ♡ れぢゅはぁん♡ ハーハー♡ んふぅ♡ ふぅぅれぉぉ♡ ず、ぢょじょっ♡」
何かが、多分俺ら以外のカップルが驚愕したって関係ない、イシュチェは首に手を回して俺は脚でお尻の辺りを挟みこみながら、星々にも魅せつける情愛の施錠。
「んちゃ、りゃはぁぁ…………♡ ハァ、はひゅっ…………♡ 私ぁぁ…………発情してしまいそうだっ…………裕矢と身体を交わさなければおかしくなるっ…………」
「イシュチェ…………実はここが最後の目的地じゃないんだ。ここから歩いて……走れば多分30秒くらい…………我慢できそう?」
(コクンッ…………///)
周辺が「そういう」建物ばかりなメカニズム、恋人達がすぐに駆け込める為。
予定時間よりは若干早いけど――俺も限界だ。続きはピンク色の照明が目印の……