抜きゲーみたいな島に住んでる後輩を攻略スるにはどうスりゃいいですか? 作:米五郎左系アイドル
自室のベッドに、二人の人間が座っている。
告白を終えた、俺と伊波。
少し長かった拗らせ関係も、ようやく終わりを告げた。
これからは、アイツ俺の彼女です!と胸を張って言えるのだ。
しかし、いまだに気恥ずかしい。
この感情は、恋人という慣れない存在に俺がドギマギしているのが原因か。
それとも、隣で物理的に距離をつめてくる俺の恋人が原因か。
それはよく分からない。
が、分からないままにして置いたほうがこの初々しさを楽しめるからいいなと俺は考える事をやめた。
互いの手が重なり合い、寄せ合っている腕や肩もぶつかる。
冷え込んでいた外に比べて、伊波の体はより温かく感じる。
時折どちらかの手が、愛おしそうに相手の手を撫でたり。
或いは、少しだけ体を相手に預けてみたり。
そんな言葉を解さないコミュニケーションが、しばらくの間行われていた。
「淳之介センパイって、童貞なんっすよね?」
「ど、どどど童貞じゃないが!?」
伊波からサラっととんでもない質問が飛んできたので、思わずそう返してしまう。
その返しに、少し怪訝な顔をする伊波。
「誇り高き心からの童貞って設定はどこにいったんすかね……じゃなくて、心の童貞の捨て方ってなんなんすか?」
俺が日ごろから口にしていた、心の童貞。愛の無いセックスでは童貞は失われない理論。
それをかいつまんで説明する。
「心の童貞の捨て方は、愛し合う人と心から通じ合うセックスをすることによって初めて捨てられる」
その説明に納得したような表情をして、伊波はとんでもない発言をする。
「あ、じゃあアタシ処女なんで優しくしてほしいっす」
SSとしての活動上でしていた行為は?或いは先日の教室での俺との行為は?と聞きたい気持ちになったが理性がソレを咎める。
「ほら、アーサーちゃんが淳之介センパイは処女厨って言ってたんで、そういうことにして……おかないと、って……」
触れ合っている手から、伊波の震えが伝わってくる。
隣を見ると、伊波は顔を伏せていた。もしかしたら泣いているのかも知れない。
確かに俺は、この島に来た当初処女厨と僭称していた。
そして今、それが俺の恋人を怖がらせているのだろう。
「童貞には」
恋人として、彼女の不安は取り除いてやらねばならない。
「処女が実際にはどういうものなのかがあまり分からない。なんとなく血が出るのかな?位の認識でしかない」
「だから伊波が自分を処女だと言うのなら、俺はその言葉を信じるだけだ。確かめる術がないからな」
心の童貞を騙る男が、実は童貞では無くても。
心の処女を騙る女が、実は処女では無くても。
そうありたいという気持ちがあれば、それでいいのだ。
ハッとしたように伊波がこちらを向く。
少し涙ぐんだ痕が見られるその顔に手を添えて。
再び俺からキスをした。
「んっ、むちゅっ…………ん、ふっ…………」
啄ばむようなキスをしながら、伊波の髪を丁寧に撫でる。
心配する事は無いぞと慈しむように、安心するように。
最初は肩に力が入っていた伊波だったが、少しずつ少しずつ俺のキスに身を任せるようにリラックスしているように見えた。
少し落ち着いてきたなという段階で、ゆっくりと口の中に舌を入れた。
「んむっ、ぇろ……ちゅっ、んはっ……ちゅぷっ」
いつの日か、伊波がしてきたキスに比べるとたどたどしく慣れていないキスだった。
伊波はその緩慢とした動きに合わせて、ゆったりと舌を絡ませてくる。
ゆったりと流れていく時間の中で、伊波の両手が俺を掻き抱くように両手を回してくる。
このまま二人がとろけて一つになってしまうのではないだろうか、という不安から唇を離した。
「ぷはぁっ、相変わらずキスは下手っぴっすけど」
「今のキスは、すっごい良かったっす」
伊波は頬を赤らめて、そんなことを言った。
そこには先ほどまでの不安そうな表情は見られない。
むしろこれからの情事を期待するような、蕩けた瞳をしていた。
「それで童貞の淳之介センパイは、次に何がしたいっすか?」
「服、脱がせるぞ?」
言ってから、SSの制服に手をかける。
思えば、SSの制服は着たままデキるがコンセプトになっていたので、その服をとった姿は初めて見るのだなと思うと少し緊張して来た。
制服の上を脱がし、ロクに胸元を覆ってない謎の白い布も取っていく。
途中、脱がせ方が分からない部分は伊波が優しくサポートしてくれた。
そうして伊波の上半身は一糸纏わぬ姿となった。
「綺麗だ」
思わず言葉が出る。
程よい形に膨らんだ胸と、わずかながらに存在を主張する乳首。
思わず手が伸びてしまった。
柔らかく、ハリがある肌。揉みこんだ指がにゅっと沈んでいく。
「んっ……今はそんなことしてる場合じゃないっすよ」
少しの間、夢中になっていると伊波に怒られてしまう。
気を取り直して、スカートを下ろす。
その下に秘部を覆う、最後の砦である下着が姿を現した。
明るい水色の生地で、中央には小さいリボン。腰周りにはフリルがついている下着だった。
「いざ、そんなマジマジ見られると恥ずかしいっすね。ささっと下ろすっす」
そのまま下着を直視している俺を放置して最後の一枚をスルスルと脱ぎ出してしまった。
「って、なんで靴下は脱がせないんすか!?」
「いくら暖房が効いているとはいえ寒いだろうと思ってな」
半分はそれが理由、もう半分は趣味だ。
靴下を残してすっ裸になった伊波。
改めてそのスタイルの良さに舌を巻く。
自分の身長にコンプレックスを持っている彼女だが、スラっと伸びているからこそ全体的に引き締まって見える。
ただ、その中でも胸や尻といった部位にはしっかりと肉がついていて、それがまた性感を煽る。
伊波一人だけを裸にはさせまいと、俺も服を脱ぐ。
今度は逆に、俺が伊波に体をマジマジと見られる番であった。
そうして互いに(ほぼ)全裸になったところで、再びキスをした。
「んっ、ちゅっ……」
むき出しになった腕から、肩にかけて。
足先から、腰にかけて。
今まであまり触れることのなかった場所を撫で回していく。
「センパイ、ちょっともどかしいんで……早く挿れてほしいっす」
伊波が顔を羞恥に赤らめながら促す。
もう少しその柔らかい肢体に触れていたかったが、そう言われては仕方がない。
その愛撫ともいえぬ触れ合いで十分興奮しきった肉棒を伊波の陰部にあてがう。
ふと触れたソコは、俺のイチモツを受け入れるのに十分と言えるほど潤っていた。
「伊波、俺の童貞をもらってくれるな?」
「こちらこそ、しっかり処女を奪ってくださいっす」
二人の心におまじないがかかる。
お互いの目をみつめあいながら。
真に童貞ではない者と、真に処女ではない者。
抜きゲーみたいな島に住んでる二人の間で、発生する筈のなかった、純愛ゲーみたいな恋愛をするためのおまじない。
つぷり、と。
秘裂を肉棒が貫いていく。
伊波に一度受け入れられたソレは、抵抗と感じられない優しい締め付けと共に膣奥へ膣奥へと進んでいく。
根元まで入ったかどうかという所で、これ以上は進めないという感触へと変わる。
「……ナカ、全部埋め尽くしてるのが分かるっす」
伊波が手でスリスリとお腹をさする。
「今日、正常位にした理由は分かるか?」
「アタシが、今度スる時は向き合ってスれば~って言ったからっすよね?」
「そうだな。ではどうしてその話になったんだったかは?」
「……アタシのトロけ顔を、どっかの誰かが見たいからじゃな――んっ」
この体勢にした理由も分かっているようなので、抽挿を始める。
最初の一擦りで深いストロークを刻むと、伊波の言葉は嬌声によって中断された。
「分かっているなら話は早い。お前のトロけ顔とことん堪能させてもらう」
その言葉を皮切りに、ずん、ずんと腰を前後させる。
こちらの言葉にムキになったのか、表情を変えまいとする伊波。
しかし、イチモツが膣奥を突く度にその表情が少しずつ崩れていく。
つなぎあった手からは、ピストンがもたらす快感から必死に逃れようとよじりが伝わってくる。
声も押し殺そうとしているようだが、それも完全ではない
「…………ふっ、…………んっ、…………あっ」
吐息のような、声にならない声が、わずかに開いた唇からこぼれる。
いつもは明るく、笑顔を振りまく少女にこんな我慢を強いている。
その事実が余計に俺を興奮させる。
その後しばらくピストンを続けていると。
ある時を境に、ずちゅっ、と。
イチモツが擦れる音に少しばかりの変化が生じる。
挿入した時よりも愛液の量が増して、膣内で発生する音が変わったようだ。
まだまだ我慢している伊波もそろそろ、何かきっかけがあれば開放されるのではないか。
そう思い、ギュっと伊波の両手を俺の手とつなぎ合わせた。
そのまま一思いに唇を重ね合わせる。
「んむっ……れおっ、んちゅっ」
キスをしながら、ぐりっ、ぐりっ、と膣の深いところへとイチモツを擦りつける。
「んふっ!?……んぷっ、ぷはあっ」
キスをされながらの行為に耐えられなかったのか、伊波が顔を無理やり横に向けてキスを中止した。
呼吸を整えようとしている伊波に、容赦なく追い討ちをかける。
「ちょっ、待っ……はぁ、んっ……い、いまは本当に、ィッ……ダメっ、」
だんだんと取り繕えなくなってきた表情を隠そうとするも、手は依然俺が繋いだまま。
他に隠す方法もなく、わずかながらに顔を背けるだけでこちらから表情は十分視認できる。
トロんとした瞳。
息も絶え絶えに震える唇。
どちらのものかも分からない唾液がつーっと頬を垂れている。
ようやく見たい表情が見れた。
押し殺していたはずの声も、俺の耳までハッキリと届くようになった。
そろそろ限界も近くなってくる。
ピストンのスピードを上げると、先ほどまでしていた湿った音は、パンパンと肉をたたき付ける音に取って代わる。
与えられる快感にあわせてより一層締まる伊波の膣内に、強い射精感を煽られる。
「んあっ、はやっ、すぎぅっ、だめっ、アタシっ、もぅっ、」
伊波もどうやら限界が近づいてきているようだ。
声を我慢するということすら忘れて快楽に喘いでいる。
自分のイチモツで相手をよがらせているという事実が、更に俺の腰の動きを加速させる。
「まっ、まだはやく、っ!?んあっ、なるっ……もうっ、イキそっ」
「伊波、俺も、もう――」
二人の絶頂が近づく。
深い口付けを交わしながら、膣奥一番深くへとイチモツを押し付ける。
「んんっ!?――んん~~~~~~~~っ!?」
くぐもった声が伊波から漏れる。
急激な膣内の締め付けに、俺はそのまま射精した。
脳が焼けるかのような快感が、長く続く射精の中で襲ってくる。
意識を失わないように繋いだままにしていた手を強く握ると、伊波も同じように強く握り返してくる。
射精の余韻は、三十秒近くも続いた。
脳が酸素を求め、自然とキスをしたままの唇が離れる。
名残惜しさを覚えながら、荒い呼吸を二人で繰り返す。
少しして息が整うと、どちらからともなく触れ合うだけのキスを交わした。
「……なんか、いろいろ恥ずかしいところ全部見られちゃったっすね」
「今日、誰も帰って来ないんっすよね?なら、もう一回スるっすか?」
行為の余韻に浸る俺のイチモツを扱きそう問いかける伊波。
その卑猥な手遣いに、再び野勃起を強いられた。
一度も二度も変わらないと、吹っ切れた伊波を止めることが俺にできるはずもなく。
結局その後四回戦まで行い、終わったのは日が昇るころであった。
…………
………
……
「――――……可愛すぎかッ?」
何の変哲もない朝だ。
と、思ったが起き上がろうとしたときに腕に重みを感じた。
隣には、情事の後始末も最低限と言った形で眠っている伊波の姿。
ふと、明け方まで行われていた行為を思い出し興奮してしまうがなんとか抑える。
(その前に、アサちゃんや文乃はもう帰ってきているのか!?)
できることなら、この部屋の惨状だけでも隠蔽したい。
そう思い、隣の伊波を起こすことにする。
「伊波、起きろ!もう昼だぞっ……って昼!?」
時計を見ると、既に正午を回っていた。
何の変哲もなかったが、昼だ。
流石に行為が長引きすぎたのだ。
これでは流石に妹達がいつ部屋に踏み込んできてもおかしくない。
「んあーっ、なんっすか……ススはおねむっすよ?」
意識は覚醒しかけている寝ぼけ眼の伊波をおいて、俺は一人でそそくさと片付けに入る。
すると、そこにコンコンと扉をノックする音が響いた。
「わ、悪い!夜更かしして朝勃ちヤバいから入ってこないでくれ!」
「あ、大体分かってるから大丈夫だよ。アサちゃん朝帰りしてから物音がするまで待ってたから。文乃が兄の分と那賀さんの分のご飯作って下で待ってくれてるから、色々準備ができたらでいいから降りてきてね」
ノックをしてきたアサちゃんが、朝から待っていたということは。
大体の状況は把握されているのだろう。妹にまで気遣われる兄の立場とは。
ようやく部屋の片付けも終わり、伊波と俺も着替え下へと降りていく。
リビングでは既にアサちゃんと文乃が料理を広げた状態で着席していた。
「おはよう、文乃。アサちゃん」
「おはようございます、淳之介さん。昨日はたくさん体力を消耗されたようでございますので、今朝は食べやすいものを揃えました」
「お、おはようございます。……お邪魔してるっす」
「那賀さんも、積もる話はあるだろうけど、朝ご飯は食べよ?ほら、こっち座って座って」
後ろから恐る恐るついてきた伊波も、アサちゃんに勧められしずしずと席に座る。
いくら陽気な伊波でも、流石に朝の橘家ではアウェー感を感じるのだろうか。
「と、とりあえず覚める前に食べようか。いただきます」
そう言って、黙々と料理に手をつけていく。
…………
………
……
「アーサーちゃん。お兄さんをアタシに下さいっす!」
「そりゃダメだね。兄は私を朝から晩までゲーム漬けに集中できるように介護するので忙しいから」
少し気まずい空気を伊波がどうにかしようと、アサちゃんに直談判をするがどうやらダメだったようだ。
「ってのは冗談で。私達も昨日の顛末は大体察してるけど、今こうして二人で一緒にいるっていうことは、二人はお付き合いをすることにしたんだよね?」
俺と伊波はうなずいた。
「ん、そっか。ねえ那賀さん。兄は……お兄ちゃんは、変なところはあるけど優しくて格好良くて、それでもやっぱり抜けてる所もあって将来困ること絶対あると思うんだ。
それでも那賀さんは、そんなお兄ちゃんの隣にいてあげられる?お兄ちゃんを幸せにできる?」
真剣な面持ちで聞いてくるアサちゃん。
その問いに対して同じく真剣に考えていた伊波が口を開く。
「確かに、淳之介先輩は変わってるところがあったり……多かったりもするっすけど」
何で言い直した。
「でも、そんな所も含めて淳之介先輩を好きになったから。だから多分大丈夫っす」
そう答えて朗らかに笑う伊波。
「那賀さんは、そんな兄と一緒にいて幸せになれる?」
「勿論っす!」
今度は即答。
「うん。那賀さん、兄をよろしくお願いします。はい妹面談終わりー、次末妹の文乃ね」
俺はよろしくされる側だったのか。
「ドスジャン師匠!お兄さんをアタシに下さいっす!」
「だ、ダメにございます!!――し、師匠……?」
「そうっす!淳之介先輩の胃袋を掴んで離さない料理の師匠!ぜひ弟子にしてほしいっす」
「師匠……弟子……」
「こうしてほしい!なんてことがあったら、師匠のいうことほいほい聞いちゃうっす。だって師匠っすから」
「いうこと……聞いちゃう……」
不穏な言葉を文乃がつぶやいた後、少し黙り込む。
やや時間があいてから
「いうこと、というのは淳之介さんをお休みの日に一日ずぅっとひとりじめ……などでもよいのでしょうか?」
なんて事を言い出すんだ文乃は。
「たまーになら大丈夫っすよ!」
「今後とも淳之介さんをよろしくお願いします。お弟子のすっすさん」
「こちらこそお願いするっす、師匠!」
そしてなぜかすべてが丸く収まったようだ。
こうして俺の意思や説明は何一つ介在することなく、無事に家族への紹介が終わってしまった。
今まで三人でとることが多かった橘家の食卓は、料理の修業をしにくる弟子が一人増えて四人で過ごすことが多くなるのだろう。
その騒がしさこそ、家族らしい。
そう思うと、自然と笑顔になるのであった。
俺とアサちゃんの二人しかいなかった家に。
文乃が増えて三人になった。
やがて文乃も本当の家族になり。
そして、今伊波がその中に加わろうとしている。
彼女が、文乃と同じように家族になるのは。
そう遠いことではないのかもしれない。
実はもうそろそろ終わりです。
自分で書いていて、再びぬきたしロスを起こしそうになっています。