メンタルが弱っている方、グロテスクな表現が苦手な方は見るのをお控えください。
雑ですが、物語の初めの部分が書かれていますので、あらすじを読んだほうが良いと思います。
「チルノちゃんには……指一本……触れさせないッ‼」
そう言い、大妖精はチルノの前に飛び出した。
しかし、怪物の鋭利な爪の前では大妖精の細い身体など、紙切れも同然。易易と彼女の腹を裂く。腹の裂けた部分から赤黒い液体と内臓が噴き出し、ある種の芸術作品の様に錯覚させる。
その光景を何も出来ずに見ていたチルノは、いつも一緒にいる親友の痛々しい悲鳴を初めて聞いた。
怪物は大妖精の腹を裂き満足したのか、爪に付着した液体を味わうように舐めながら大きく跳躍し、何処かへと去って行った。
霧の立ち込める湖には妖精2人。大妖精は涙をこぼしながらチルノに話しかけた。
「チルノちゃん……ごめんね……いつかみんなで海に行く約束……守れなかった……」
「やめてよ‼大ちゃんもアタイの前から……いなくならないでよ‼」
そう言いチルノは大妖精の腹を擦る。裂かれた腹と血液の何とも言えない感触で吐きそうになる。
大妖精は自分の身体が手遅れなのを悟ったか、首を横に振り、チルノに止めさせる。
「もう……大丈夫だよ……チルノちゃん……」
「でも……ッ‼」
大妖精は顔を顰めると口から血の混じった吐瀉物を吐く。
チルノに心配させない為か、泣き笑いの様な表情をつくる。
「……私はもう……ダメだから……」
「そんな事言わないでよ‼」
「人間の……おじいちゃん……おばあちゃんが……言っていた意味が判ったよ……」
そう言うと、大妖精は自分の腹を触ると、赤黒く染まった掌をチルノに見せる。
「自分の身体だから……手遅れ……なのが……」
「……ッ‼」
大妖精は、泣きそうになっているチルノの手を取り、
「ねぇ……私の代わりに……けい……ね……せんせい……おねがい……」
そう言うと、大妖精は目の前に誰かが見えるのか、引き攣った笑顔で誰かに話しかける。
「あぁ……るーみ……あ……ちゃ……わたし……そ……ろ……そっち……」
そう言うと、大妖精は重くなった瞼を閉じた。まるで赤子が眠るかのように。
親友を目の前で喪ったチルノはまだ現実を受け入れ切れず、亡骸を揺さぶったり、軽く頬を叩いている。
幾らやっても、「チルノちゃん……痛いよぉ」という心配症の妖精の声は、帰ってこない。
……彼女は死んだのだ。
今まで一緒にいてくれて、いつも自分の事を心配してくれた彼女はもう、いない。
その事を否が応でも理解させられたチルノは地面に複数の水滴を落とした。
「嘘だ……うそだうそだうそだああああああああああ‼」
少女は自分の無力さに失望する。
……また、守れなかったのだ。
「チルノ……チャン……?」
奇跡が起きた……アタイは頬を抓り確かめる。
……痛い。痛いと何になるのだったっけ。忘れた。
「大……ちゃん……?」
ふとした瞬間に頬に涙が伝った。
「もウ……チルのちャんは……泣キ虫なんダから……ほら、おイで?」
アタイは思った。
大ちゃんがいるだけでどれほどアタイの心が安心し、癒やしになるのだろう、と。
目の色がいつもの髪色と同じ緑色ではなく、雪のように白くなっている気もするが気にならない。
とりあえず今すぐにいつも一緒にいてくれたあの優しくて柔らかい身体に抱き着きたい。
「大ちゃん‼」
「チるノチャン……」
大妖精は変わらずアタイを抱きしめてくれた。強い妖怪に手加減をした時もそうだった。痛む全身を抱きしめながら優しく擦ってくれた。やはりアタイは……大ちゃんがいないと……
そう考えていると、大ちゃんが質問をしてきた。
「ねェ、ちルノチャン、チルノチャンハ私ノコト……好キ?」
「当たり前だよ大ちゃん‼だって……だって、アタイと大ちゃんはずっと一緒でしょ?」
そうアタイが言うと、大ちゃんはにこりと微笑み……
「ナラ……ズット……私ト……一緒ダネ♪」
いたずら小僧が、ただ戯れにセミやトンボを殺すように、神々は、わしら人間を玩具になさる。【ウィリアム・シェイクスピア / リア王】(それはきっと、妖怪と呼ばれる存在も……)
【数日後 文々。新聞にて】
本日、霧の湖の湖畔にて、上半身の無い妖精の死体が発見された。
死体の付近に落ちていた布の破片から、死体は霧の湖に生息し、人里の寺子屋に通うチルノと推定。
里の自警団は、『連続人妖殺人事件』と同じケースの物とし、捜査を進めている。
グロテスクな表現のアドバイス等ありましたらよろしくお願いします。