※この作品はR-18です。

この素晴らしい「夢薬」で本心を!   作:GA 飛びイカ

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3話目です。
個人的には健全ですが、一応R-18です。


第3話

「これは…夢か?めぐみん」

 

目の前には熱を帯びたカズマの強い視線。

私はこの視線に弱い。

まるで蛇に睨まれたカエルの様に、全身が緊張して動けなくなってしまう。

カズマの言う事を、全面的に聞きたくなってしまう。

 

私は小さな、けれども目の前の人に聞こえる音量で告げた。

 

「これは…夢です」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

2回目の夢薬を使用してウィズの店でバニル特性の人形劇を鑑賞した後。

ウィズの店から屋敷へと帰ってみるとカズマの姿が見えない。

広間ではアクアがだらだらとソファに横になっている。

 

「カズマ?あぁまた外泊するって出かけて行ったわよ。最近ちょっと多いわよね」

「そうですか。あんまり夜遊びを覚えて欲しくはないのですがね」

 

アクア曰くカズマは私が外出した後すぐに屋敷を出たそうだ。

おそらくまた宿に泊まって、どういう仕組みか分からないがエッチな夢を見るのだろう。

バニルの予言で前の時のようにはならないと分かってはいるが、それでも不安でそわそわしてしまう。

 

「ふふん、カズマが外泊してそわそわするなんて、めぐみんってばあれね…!」

「な、何ですか!あれ、とは…」

 

まさかアクアに私の秘めたる想いがバレてしまったのだろうか…!

 

「カズマのお母さんみたいね!」

 

私は思わず肩の力が抜けてしまう。

それはどちらかというとアクアの方じゃないんですかね。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

翌日。

カズマが屋敷にいないということは変に意識して眠りが浅かった次の日。

 

私は広間のソファに座ってカズマを待っていた。

普通ならカズマが居ない時はアクアかダクネスを誘って午前中のうちに爆裂散歩に行くのだが、今日はカズマにやらせましょうと二人に断りを入れていた。

アクアは街に散策に、ダクネスはエリス教会の方に行くと出かけたので屋敷には現在私一人だ。

 

「まるで夫の帰りを待つ妻ですね。ふふ」

 

脳内で幸せな新婚生活を妄想し、なんだか恥ずかしくって顔を赤くする。

そんなことを何回か繰り返していると玄関の扉が開く。カズマが帰ってきたのだ。

 

カズマは静かな屋敷に誰もいないだろうと予想し、何の挨拶もせずに広間にやってくる。

しかし、ソファに座る私を見つけるとぎょっとした様子で、慌てて挨拶を言ってきた。

 

「あ、め、めぐみん。ただいま…」

「はい、カズマおかえりなさい」

 

私は今日初めてカズマに会えた嬉しさににこにこと挨拶を返したが、当のカズマはどこかバツの悪そうな笑顔を浮かべている。

 

「あ~、っと、アクアとダクネスは?」

「二人とも出かけましたよ。……今屋敷に居るのは私とカズマだけです」

 

カズマが生唾を飲んだような気がした。

私は蠱惑的な笑みを浮かべながらその様子をにやにやと見つめている。

 

「…俺は、何もしないぞ」

「…なにもしてくれないんですか?せっかく、二人っきりなのに」

 

以前、紅魔の里でも言った言葉。

だけれどその意味も状況もあの時とは全然違う。

もはや互いに少しのきっかけでもあれば事が始まってしまう危うさがある。

 

そんな空気であってもカズマはギシリと、まるで油を差し忘れたブリキ人形のように動けない。

私はそのヘタレっぷりをクスクスと笑うと、投げ出していた足をソファの上に持ち上げ、カズマ曰くの体育座りのようなポーズを取った。

もちろん服装はいつもの冒険者服だ。

正面に居るカズマにはスカートの中が丸見えだろう。

 

「…め、めぐみんさん…パンツが…見えてますよ」

「そうですか…気付きませんでした」

 

指摘されても足を降ろすことはない。

ドキドキが止まらない。

カズマの強い視線が私に突き刺さる。

 

「それで、カズマに…お願いがあるんですけど」

「……!」

 

カズマはついに来たかという期待のまなざしを向けて来る。

何ですかその受け身な姿勢は。

私はその消極的な態度にいじわるをしたくなってしまった。

 

「この後、爆裂散歩に付き合ってください」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

道中は互いに無言だった。

正直、先ほどのやり取りは我ながらやりすぎだったような気もする。

なんですか、二人きりをアピールしたり、自らパンツを見せたり。

カズマだから何もありませんでしたが、普通の男ならきっと私は手を出されていましたよ。

 

そんな、恥ずかしいような、イライラするような、だけど勿体ないような。

複雑な感情を抱えて最近の爆裂スポットに行き、爆裂魔法を放った。

 

今日の爆裂魔法は、まるで上の空のようなもので、爆裂魔法に申し訳ない出来だった。

 

「78点。……めぐみんもいつも通りとはいかないよな」

 

カズマもそんな私の心情を理解しているのか、ほっと安心したかのように笑うとそんなことをぽつりと漏らした。

爆裂魔法で倒れている私にカズマは歩み寄り、右手を掴んで魔力を流してくれる。

 

右手に、魔力を流す。

その状況にいやおうにでも昨日の出来事が思い出されて、期待してしまう。

 

「…今日は、キスしてくれないんですか?」

 

まさか私からその話を振られると思わなかったのだろう。

カズマは目に見えて慌てたが、私の視線から逃れるようにそっぽを向いた。

 

「あれは…悪い。なんか、夢で似たような状況があったから、つい」

「…どうして謝るんですか?」

「どうしてって、嫌だったんだろ?」

「嫌じゃないですよ」

 

私の言葉にカズマは恐る恐る視線を私に戻し、真意を探るように伺い見る様な目をする。

 

「……怒ってるか?」

「怒ってませんよ」

「じゃあ……嬉しかった?」

「…………はい」

 

カズマは私の肯定に、一瞬飛び上がりそうな喜びの表情を見せたが、すぐに恥ずかしくなったのか憮然とした表情になった。

私はその表情の変化をクスクスと笑いながら眺めて、魔力を分けてもらって辛うじて動かせる右手を持ち上げて、再度尋ねた。

 

「…今日は、キスしてくれないんですか?」

 

返事は生涯3度目の手の甲へのキスだった。

 

……………………

………………

…………

 

爆裂散歩からの帰り道。

今日もおんぶを頼む。

嬉しい気持ちがあふれ出して、とにもかくにもカズマと触れ合いたかったからだ。

カズマも同じ気持ちだったのか、私からおんぶと言うと「あぁ、いいよ」と文句をいう事もなく嬉しそうに引き受けてくれた。

 

心が軽い。

手の甲にキスされただけで、カズマと同じ気持ちだと思えただけで、こんなにも世界が明るい。楽しくてたまらない。

 

その気持ちがどうにも止まらなくなり、思わずカズマの背中へ頭をぐりぐりと擦りつけてしまう。

カズマの方はそんな私の心情までは分からないのか、突然頭をこすり付けられたことに驚いていたが、くすぐったそうにしている。

 

「………………」

「………………」

 

行きと同じように互いに無言。

だけど嫌な空気じゃない。

柔らかな雰囲気だ。

 

そんな空気の中、ふいにカズマの手が不自然に動く。

カズマは人差し指だけをぴこぴこと動かし、私のお尻を服の上から撫ではじめたのだ。

 

前までのような偶然を装った触り方ではない。

意図的に私のお尻を触っている、それを私に分からせる触り方だ。

 

「………………」

「………………」

 

お互いに無言だ。

どちらかが何か言えばこの空気も、カズマのほんの少しの勇気も、霧散してしまう気がするからだ。

私はお尻に感じるこそばゆさに合わせてカズマの背中に頭をこすり付ける。

セクハラをされているのに嫌な気持ちがしないのはなんでだろうか。

カズマが好きだから?

私の心情の変化?

違う、きっと繋がっているからだ。

私達の心は今一つだから全然嫌じゃないのだ。

 

軽い触れ合いを続けていくうちに屋敷へと戻ってきた。

この優しい時間ももうおしまいだ。

 

「着いたな…」

「えぇ…」

 

カズマは屋敷の扉の前で私を降ろす。

降ろされた私は後ろ髪を引かれる思いがして、ついついカズマの袖をつかんだまま立ちつくしてしまう。

カズマはそんな私の様子を見ると「しょうがないな」とぽつりと呟くと、袖をつかんでいる私の手を掴んでぐいっと引っ張った。

 

いきなりのことでたたらを踏んでしまった私をカズマがぎゅうと強めの力で抱きしめる。

頭の後ろを駄々っ子をなだめるようによしよしと撫でてくれる。

 

私は『夢』以外で初めてカズマに抱きしめられたことに思考が飛んでしまうが、カズマの見た目に寄らずしっかりとした胸板にムフムフと顔をうずめてしまう。

私をおんぶして歩いてきたせいでいつもより強いカズマの匂いがとても安心させる。

 

ドキドキとした鼓動の音が聞こえるが、それは私のだろうか?それともカズマの?

 

しばしの間、何も言わずに抱きしめあっていた私達だが、指し示したように同じタイミングで離れた。

何か言った方がいいのかも分からない。

カズマの顔を見ると、カズマも同じようで、顔を赤くさせてこの後のことを考えているようだった。

 

「顔、真赤ですよ」

 

私は可笑しくなって思わずクスリと笑いをもらす。

 

「…お前こそ」

 

カズマは指摘されたことが気にくわなかったのかそう言うと、先に屋敷に入って行ってしまった。

『夢』の様に抱きしめながら愛を語るのはまだまだ先になりそうだな、と思った。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

夕飯時。

今日も今日とてにぎやかな食事。

既にカズマの杯に夢薬は混入済みだ。

2日連続となってしまったが、今日の触れ合いの感想なども聞きたいのでまあ良しとしましょう。

 

 

今日の食事の話題は、主にアクアとダクネスのものが中心に繰り広げられている。

アクアは街で迷子を見つけたから道案内をしつつ、アクシズ教を布教したらすっかり感化されてしまって、探しに来た母親にしこたま怒られた話を。

ダクネスはエリス教会で祈りを捧げたあと帰り道で、アクシズ教徒らしき少年に石を投げられた話をしてくれた。

…二人の話って繋がってませんか?

 

なにはともあれ食事の風景としては割といつも通りだ。

いつもと違う事があるとするならば、私からの話題提供がないことと、カズマのツッコミがほとんどないことだろう。

もし、今日の私の話をするとなれば、カズマとの触れ合いの話がメインになる。

そんなものはもちろん話せたものではないので聞き役に徹している。

カズマのツッコミが少ない理由は簡単だ。

 

「……………」

 

カズマは最低限のツッコミを入れつつ、合間合間にチラチラと私を盗み見ているからだ。

その顔はほのかに赤くなっているが、それはお酒だけの性ではないだろう。

私の方もその視線に気づいてからは顔が熱くなりっぱなしだ。

 

普段ならば私とカズマのそんなやり取りに違和感を覚えて、話を振られそうなものだが、今日のアクアとダクネスは自身の話とエリス教・アクシズ教について互いに言い合っているので気付く様子もない。

 

爆裂散歩の時に感じた繋がりは、今なお継続中なのだ。

その事実が私に夢見心地のような高揚感を与えていた。

 

「………」

「………?」

 

ふいに私の足に何か柔らかいものが当たる。

テーブルの下を覗き込もうと思った瞬間に、あぁこれは誰かの足だと気づく。

アクアやダクネスの様子を見ると相変わらずやれエリス教徒は、アクシズ教徒はと言い合っていておかしな感じはない。

そして、消去法でカズマの方を見ると、テーブルに肘をついた状態で口もとを手で隠し、目だけでニヤニヤと笑っていた。

私はその表情で色々と察し恥ずかしくなってしまったが、カズマの問いかけの返事をすることにした。

 

既に全員お風呂に入っているから靴は履いていない。

私の足を素足でつんつんとノックしてくるカズマ。

スリッパを脱いだ私は、同じように足でカズマの足をさわりと撫でた。

テーブルの上のカズマは目元に嬉しさを増して、私の動きに合わせてさわさわと触り返してくる。

 

互いに足でくすぐったり。

足先だけを絡めたり。

テーブルの下で秘密の逢瀬を楽しむ。

 

しばらく足同士でじゃれ合っていると、カズマが口もとから手を離し、自分の唇をちょんちょんと触って何かの合図を送ってきた。

何の合図だろうか?

私がその合図の意味を計りかねていると、カズマの足が私の足裏にぴったりと合わせる動きをしてきた。

二度三度、足裏同士を合わせ、そのあと互いの足を絡めるような動きをする。

 

私は少し赤かった顔がさらに熱を帯びるのを感じた。

気付いてしまったのだ。カズマの言いたい事が。

 

これはキスだ。

カズマは足でキスの動きをしているのだ。

足裏を合わせ、絡めさせる。

このじゃれあいの意味が全く変わってしまった気がして、お腹の奥がきゅんと収縮してしまう。

 

「あら?めぐみん顔が赤いわよ?風邪でも引いた?」

 

流石に私の顔の赤さに気付いたアクアがそんなことを聞いてくる。

カズマはそれをにやにやとした表情で眺め、便乗してくる。

 

「確かに顔が真っ赤だな。何かあったか?」

 

そんなしらじらしいことを聞いてくる。

 

「い、いえ。食事をして血行が良くなってしまったんだと思います。体調は悪くありませんよ」

 

私はそう言って誤魔化しつつ、皆に分からないレベルでカズマのことを睨みつける。

カズマは気にした様子もなく杯のお酒を呑んでいる。

そうしながら、足の動きにも変化が訪れる。

 

今まで片足で絡めていただけだったのに、カズマは両足で私の足先を包み込み、しごいてくるようになった。

 

この足の動きはキスの動きを模している。

つまりこの足の動きは、舌を…

 

思わず脳内で今の足の動きをキスで再現してしまった私は、ぷしゅーと湯気がでてしまうのではないかという程に興奮してしまう。

 

「おいめぐみん!?顔が真っ赤だぞ!食事で血行が良くなったとかいうレベルではない!本当に平気なのか!?」

「すいませんダクネス。やっぱり少し体調が悪いようですね。今日は先に寝てしまうことにします」

 

ダクネスが心配の声を上げ、私はそそくさと食事の席から立ちあがる。

まさか食事の最中に卑猥な妄想をして興奮した、などと言えるはずもない。

私はどこか達成感を感じているカズマの顔を忌々しく睨んだ後、自分の部屋へと歩き出した。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

部屋に戻ってから興奮してしまった身体を鎮め、ベッドに横になる。

もちろん体調は悪くないのでこんな早い時間に寝る必要はないのだが、特にやることもないしもう寝てしまおう。

 

「明日もカズマを爆裂散歩に誘って…ふふ」

 

明日も続くカズマとの日々を夢想しながら眠気に身を任せてまどろむ。

そういえば昨日はカズマが外泊して屋敷におらず、寂しくて眠りが浅かったのを思い出す。

すぐに睡魔が私を襲う。

 

…何か忘れているような気が。

結局思い出せないまま眠りに着いた。

 

 

……………………

………………

…………

 

ぴちゃ…

ぴちゃ…

 

謎の水音が聞こえる。

 

ちゅっ…

ちゅっ…

 

それに何かが吸い付くような音もする。

 

何だか下半身がむずむずするし、息も荒い。

不快感と、気持ちよさと、違和感。

それらに引っ張られるように眠りの底から引き上げられる。

 

…………!!

 

何かが居る!

私の下半身をぺちゃぺちゃと舐める何かが!

どうやらパジャマのズボンは既に降ろされているようだ。

肌を直接舐められる感触にぞわぞわする。

 

この屋敷は元々幽霊屋敷だ。

アクアが除霊を済ませたとはいえ、一度そういうことになった建物はそういうものが寄り付きやすくなると聞いたことがある。

 

怖い…!

たまらなく怖い…!

カズマ、助けて…!

 

怖くて完全に覚醒した今でも目を開けることは出来ない。

そうこうするうちに私の下半身を舐め続けているそれは、だんだんと上へ上へと舐めあがってくる。

それ以上はダメだ!そこはカズマのための…!

 

愛しい人のことを考えて僅かな力が芽生える。

意を決して自分の下半身を舐めて来る者と向き合う!

 

そこには男の人が居た。

 

「きゃああああああああああ!!!」

「…しーっ!」

 

私はたまらず叫び声を上げてしまうが、その男は指を口の前に当てて静かにするようジェスチャーで伝えて来る。

薄明りの中、うっすらと浮かび上がるシルエット、声、雰囲気。

 

「カズマ…?」

「…カズマさんだよ」

 

私は横になったままへなへなと力が抜けてしまう。

何と紛らわしい。

そういえば夢薬を使用したのでした。忘れていました。

 

その時、私の叫び声を聞きつけたのか隣の部屋が騒がしくなり、すぐに私の部屋の扉を乱暴に叩いてくる者が現れた。

 

「めぐみん!めぐみんどうした!何かあったのか!?」

 

ダクネスがすぐさま起床し、駆け付けてくれたのだろう。

そのことに頼もしさを覚えつつ、今の状況の悪さに顔面が蒼白になる。

 

どうみても夜這いを仕掛けてきた同じパーティの男性。

悲鳴を上げた自分。

この状況でダクネスが部屋に乱入してきたら、もうかばいきれるものではない。

めまぐるしく頭を回転させて、咄嗟に言い訳を思い付く。

 

「す、すみませんダクネス!大きな蜘蛛がいて叫び声を上げてしまいました!おそらく昨日私の足を噛んだ奴でしょう。夜中にすみませんでした」

「く、蜘蛛!?な、なんだそうか。…てっきり不埒な鬼畜男が夜這いを仕掛けてきたと思ったのだが。体調もまだ万全じゃないのだろう?何かあったら気にせず呼んでくれ。おやすみ」

 

ベッドから降りて扉越しに会話を済ませると、ダクネスは納得したのか再び自分の部屋に戻って行ったようだ。

騙すような真似をしてしまい申し訳ない。

私は罪悪感と、ひとまず危機を乗り越えたことに安堵の息をはくと、ベッドの上で私の残り香をくんくんと嗅いでいる変態を睨みつけた。

 

「それで、どうしてあんな真似をしたのですか?」

 

私は強い口調で問いただす。

 

「…気づいたらまた今日もめぐみんの部屋にいた」

「はい」

「…それで良く見るとめぐみんが寝ている」

「はい」

「睡眠姦かと思って足をぺろぺろしました」

「何ですか睡眠姦って!初めて聞きましたよ!何ですかカズマの国はそんな変態的なプレイが横行する変態の国なんですか!」

「美しい国、日本」

「全然美しくありませんよ!」

「それでも日本には四季があるから…」

「四季くらいこの国にもありますッ!!」

 

私が思わず声を荒げると、カズマは再びしーっと口に手を当てて静かにするよう促してくる。

これ以上ダクネスに迷惑をかけられないので正論なのだが何だかやるせない。

 

「はぁ、もういいです。忘れていた私も悪いですから。ただし今度からは私が起きてるか確認して、了承を取ってからにして下さい」

「…つまりめぐみん的に足舐めは嫌じゃないと」

「うるさいですよ…!」

 

私は偽りの憤怒でごまかすと、ごほんと咳払いをして話を切り替えた。

 

「さて、こんばんはカズマ。また『夢』で会えましたね」

「…あぁ」

 

カズマが手を広げて来たので私は迷わず抱き着く。

カズマの胸板にムフムフと顔をうずめるとカズマは私の頭をよしよしと撫でてくれる。

カズマもずいぶんハグに慣れてきましたね。

 

「連続でお呼びしてしまってすみません。カズマに今日のことを聞きたくなってしまったので」

「…いいよ」

「はい、ありがとうございます。それで、今日は一緒に爆裂散歩に行きましたがどうでしたか?」

「…めぐみんがめちゃくちゃ積極的でドキドキした。パンツを見せてくるし、キスをせがんでくるし、お尻撫でても怒らないし」

「う、まぁ、その、私も色々考えているんですよ。嫌でしたか?」

「…とんでもない。嬉しかった」

 

カズマも喜んでくれたんだ。

カズマの言葉に私も嬉しくなってしまい、背中に回した手に力を入れてぎゅうと抱きしめてしまう。

 

「私も不安だったんですよ今日はちょっとやりすぎたかなって。でもこの間カズマが外泊した後は全然私に興味がない感じになってしまったので…。だから今日は私から誘ってみようって」

「…賢者モードだったんだよ」

「賢者モード。面白い言葉ですね。…じゃあ今回の外泊ではエッチな夢は見なかったんですか?」

 

抱き合いながらの感想戦。

しかし、外泊の時のことを聞いた途端、カズマの様子が変わった。

 

「…エッチな夢は見た」

「カズマ…?」

 

様子の変わったカズマを不思議に思い問い返す。

 

「…めぐみんとS〇Xした夢。どんなだったか…聞きたい?」

 

聞きたい?と確認してきたその目は、とてもじゃないが伺いを立てる目ではない。

まるで俺の話を聞け、と命令しているかのような強い目だ。

 

カズマは今回も私との情事の夢を見た、という。

その内容を聞いてほしい様子だ。

おそらく夢薬の影響もあって、私が望まないと本当の意味で自由に喋ったり動いたりは出来ないのだろう。

 

正直気になる。興味もある。

だけど…聞いていいのだろうか。

何だかそれを聞いてしまったら、後戻りできない気がする。

 

私は抱きしめられている状態でカズマを見上げる。

カズマは夢薬の影響で半眼状態なのだが、私を見る目は男の人のそれだ。

この目で射抜かれるだけで腰が抜けそうになる。

この目で見つめられた時点で、私の返事は決まっていた。

 

「教えて…ください」

 

カズマは口の端をにいっと歪ませると、再び私の頭をよしよしと撫でて来る。

まるで良くやった、偉いぞ、と言われているようで嬉しい気持ちでいっぱいになる。

 

…着実に躾けられていますね、これは。

カズマは私の様子を見て満足気に頷くと、昨日の夢の内容を語りだした。

 

「…めぐみんの部屋に行くとめぐみんがベッドに寝ていた。俺はめぐみんの肩を揺らして起こそうとする。するとめぐみんが「私は寝ているから何をされても起きませんよ」って言ってきた。俺はパジャマ姿のめぐみんのズボンを脱がせ、下半身を舐めだした」

 

…それって先程の状況に似ていますね。

 

「足先を口に含んでしゃぶる。ちゅぱちゅぱと音を立てて舐めると、めぐみんはくねくねと身体をよじって声を漏らす。足先全体を舐め上げた後はふくらはぎ、太ももと目当ての場所を目指してどんどん上へと進んでいく。めぐみんの身体のビクつきは大きくなっていき、声もどんどん大きくなっていく」

「きゃっ!?」

 

語りながらカズマは手を伸ばして私の太ももをさわさわと撫ではじめる。

夢の中の舌の動きとリンクされたそれは、先ほど眠っていた時に受けた愛撫の残滓も合わさって私の身体をくねらせるのに十分だ。

 

「うぅ…!ふっ…!うんっ…!」

「…めぐみんの喘ぎを受けて俺の勢いは増す。太ももの裏側から敏感な内ももを経て目当ての場所を舐め上げた」

 

カズマはそう言うと、私の太ももにある手を移動させ、私の秘所を一本指でこすり上げた。

 

「ひゃう!?そ、そこは…!」

「…「そこは…ダメですよ…」めぐみんは本心を隠すようにか細く鳴いたが、俺はめぐみんが最初から期待していると分かっていた。俺はめぐみんに「俺はめぐみんをむちゃくちゃにしたい。めぐみんも俺にむちゃくちゃにされたいって思ってるんだよ」と言った」

 

わ、私はそんなことない。そんなはず…。

 

「…「私はそんなことない。そんなはず…」めぐみんが弱々しく否定してきたものだから、俺はめぐみんの認識を否定するためにめぐみんのあそこを舐めだした」

 

そう言うと、カズマは私の秘所に当てがっていた指をシュッシュッと上下に動かし始めた。

 

「おおおっ…!?うひぃぃ…!おっ…!んんん…!ひぃう…!」

「…否定の言葉を言っていためぐみんの口からは戸惑いを含んだ喘ぎ声が漏れ出す。俺が丹念に丁寧にあそこを舐めると、まるで泣き出しそうな声を出す。俺はその声を聞きたくて、もっともっとと責めを強くしていった」

 

私はカズマの回想を聞きながらカズマの身体にしがみつく。

カズマの夢の内容はとても夢とは言えない精巧さで、まるで夢の中の私と現実の私がリンクしてしまったような気分になってしまう。

秘所から伝わる感覚は、夢の内容を想起させて、実際以上の快楽を私に与えている。

ただただ、カズマのなすがまま身を委ねることしかできない。

 

そして…!

 

「…そのあと、俺はめぐみんといちゃいちゃセックスをしました。…おしまい」

 

突然カズマがあそこの擦り上げを止める。

両手を頭の上に上げて、まるで降参のようなポーズを取る。

いきなりの変化に私は「え…?あ…?」と呆けた声を出してしまう。

 

「…俺はめぐみんをめちゃくちゃにしたい。『夢』が覚めても覚えていてくれ」

 

最後にカズマはおどけたような身振りをしつつ、目だけは真剣にそう言ってきた。

私はその目にゾクリとしたもの感じ、身震いしつつも頷いてしまった。

 

メモ⇒「私もカズマにめちゃくちゃにされたい」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「おかしい。なんで『夢』なのにカズマの方が主導権を握っているんですか…」

「…俺は気付いた。何かを我慢して生きていくのは苦しい。だから心に素直に生きていく」

「というか!もう何か前よりも流暢にしゃべってますし!実は起きてるんじゃないんですか!」

「ぐぅ…」

 

私はカズマの腕の中で文句を言う。

今の私達はベッドの中に潜って、添い寝の状態で抱き合っていた。

これを提案したのは…カズマだ。

 

もう何か色々と薬の効果を克服しているんじゃないかと思える自由さだが、まだ私の命令には従ってくれている。

なのだが…

 

「…めぐみん。俺の指をくわえて」

 

カズマが左手の指を差し出してそう言う。

もう色々やりたい放題といった感じだ。

 

「…それを咥えさせて、どうする気ですか?」

「…夕飯の時もやったキスの練習」

 

夕飯の時、テーブルの下で繰り広げた足による疑似的なキス。

あのなんとも言えない秘密のやり取りを思いだし、顔が赤くなる。

 

「…上手く出来たらいい子いい子してやる」

「はぷっ…!んちゅ…!れろ…」

 

その言葉を聞いて、私は是非もなしとカズマの指にしゃぶりついた。

少しだけ塩気を感じるカズマの指。

前の時は親指だったが今日は人差し指をちゅぷちゅぷと嘗め回す。

今の欲望全開のカズマに主導権を握られてしまうのは少し怖いけど、カズマの指を舐めるだなんてはしたないこと、私では言い出せなかっただろう。

そう、私はカズマに言われて仕方なくしているだけなのだ。だから嬉しくもなんとも…

 

「…めぐみん目がとろんとしてる。そんなにしゃぶりたかった?」

「ちゅぶ…っ!んちゅう…っ!」

 

あぁ、とっても幸せ。

前にカズマの指を舐めた時もそうだが、好きな人の一部が私の中にある。

そう考えただけで身体が震えるほど嬉しくて、楽しくて、幸せなのだ。

 

私は指をしゃぶりながらこくこくと頷き、たまらない嬉しさを伝えようと努力する。

そんな私の健気さを見たカズマも、ぶるっと震えて、興奮した目で私を見つめる。

 

「…めぐみんやば。めっちゃエロい。すご」

 

何ですかその言い方。

私が淫乱みたいな言い方はやめてもらいたいです。

こんな状況になったら誰だって嬉しくなってしまうってものですよ。

 

私は抗議の意味も込めてさらに指を咥えこもうとする。

でも指の長さは決まっている。

既に根元まで入っているのでこれ以上は無理だ。

 

それを見越したのかカズマは、人差し指の他に親指も入れて私の舌をにゅくにゅくと弄り出す。

 

「ふぶっ…!?んっぶぅ…!へあぁ…!」

 

気持ちいい。

舌を弄られるのがこんなに気持ちいいなんて。

もし、本当のキスをしたら、どうなってしまうのだろう。

 

カズマはそんな私の心を見抜いたのか。

私の舌を弄りながら耳元に口を近づけて喋り出す。

 

「めぐみん…キスしたい…」

 

まただ。

私がしたいタイミングでしたいことを要求してくるのだ。

カズマは魔法使いなのでしょうか。

 

「んちゅ…!えっはぁ…!んぶ…!」

 

私は辛うじて残っている理性で首を横に振る。

 

「なんでダメなんだ…?」

 

なんで。

なんで?

なんでダメなんでしょう。

 

まだ告白されてないから?

あれ、でも、もうカズマが私のことを好きなのは知ってます。

 

これが『夢』だから?

そうですこれは現実ではなく『夢』だから…

 

「…これが『夢』だからダメなのか?でも、夢って何でも思い通りにしていいんだよ。夢なら何をしてもいいんだ。起きたら忘れちゃうんだし。だから好きな事をしていいんだ」

 

そう、なのでしょうか。

あれ、この夢って普通の夢じゃないような。

えっと『夢』?それとも夢?

 

考えながらも口の中のカズマの指はちゅぷちゅぷと私の舌を弄り倒す。

カズマは優しく私に語りかけてきて…これは夢なんでしょうか。

頭がぼーっとしてしまって深く考えることができません。

 

ふらふらと頭を振って考えている私を見て、カズマは耳元で再度ささやく。

 

「…めぐみん。めぐみんの耳、食べてもいいか?」

 

きすはダメです。だからきす以外ならいい?

興奮しすぎて現実と夢の境が曖昧になってしまった私は、良く分からずにこくんと頷いてしまった。

それが間違いだった。

 

「はむっ…ちゅぶっんちゅ…れろ…」

「……♡♡!………♡♡!!……♡♡♡!!」

 

カズマが私の耳を口に含んで舐め転がす。

ひぃあ、これ、気持ちよすぎる。

それに水音が頭の中を反響してもはや別世界にいるようです。

 

「ちゅうっれろ…んぶ…ちゅう…」

「えあぁ~あぁ~」

 

カズマが私の耳の外周部を甘噛みし、耳たぶをしゃぶり、耳の中に舌を付きこんで舐めて来る。

私は味わった事のない快楽に思わず口をあけて舌を出してしまうが、それをカズマの指がこしゅこしゅとしごきあげて来る。

 

なんだ、なんですか、これは。

どうしてこんなことに。

あぁ、でも、気持ちいい。

 

目まぐるしく変わる状況と、津波の様に押し寄せる快楽が私の頭をショートさせる。

 

「…んちゅっ…めぐみん、ついでだからあそこも弄っていい?」

「へあっ!?あぁ~」

 

あそこ?

あそこってどこ?

分からない。

 

「もっと気持ちよくなれるよ」

 

気持ちよくなりたい。

カズマに気持ちよくしてもらいたい。

私が「えぅっ!えぅっ!」と頷くと、カズマは残っていた右手をズボンの中に入れて、手のひら全体で私のあそこを擦り出した。

 

「おぉっ!おぉお~っ!んぶっっちぅ…!へあぁ~!」

 

すごい。

これすごい。

カズマはすごい。

 

カズマは私の耳を舐め、舌をつまみ、股間を擦りあげる。

そのどれもが気持ちよくて、こんなことが出来るカズマは凄い人なのだと実感する。

こんなにも幸せなことがあるのかと、チカチカと電流が流れる頭で考える。

 

カズマは私のそんなめろめろな様子を見て薄く笑うと、耳を舐めていた口を離し、私にとんでもないことを言ってきた。

 

「…キスさせてくれるなら、もっと気持ちいいことをしてやるけど、どうする?」

 

今よりも気持ちいい?

…ありえない、こんなにも気持ちいいのに。

でも、もしかしたらカズマなら…

 

カズマは一度舌をしごく指も、股間を擦り上げる手も止め、耳元で囁くように聞いてくる。

 

「…さっきまでのやつとは比べ物にならないとっておきがあるんだが、どうする?」

 

快楽から解放された私は荒い息を落ち着かせてその言葉を吟味する。

さっきまでのやつとは比べ物にならない…。

私はごくりと生唾を飲みこむ。

カズマの雰囲気からして嘘ではないのだろう。

でも、そんなのを味わったら私は…どうにかなってしまうのではないでしょうか…

 

「…めぐみんは『自分のことをちょいSだと思っているけど、責められたら簡単に堕ちてしまうちょいM』だからな。これを喰らったらひとたまりもないぞ」

 

私の迷いを読み取ったのか、カズマは馬鹿にしたような笑みを浮かべて挑発してくる。

見え透いた挑発だ。

こんな手に引っかかる訳がない。

だけど

 

「私をちょいMとはいい度胸ではないですか。いいでしょう、そのとっておきという奴を使ってみてください。何にも起きませんから!」

 

あえて虚勢を張る。

ドキドキと胸の高鳴りを感じる。

先程よりも強い刺激。

そんなものを喰らったら自分はどうなってしまうのだろうか。

未知への好奇心。

カズマがもたらしてくれる物。それを知りたい。

カズマのことをもっと知りたいのだ。

 

「…そしたらめぐみん、指を舐めてくれ」

 

カズマが右手を差し出してくるので私は迷わず口に含む。

 

「んちゅ…!ちゅう…!えぉ…!」

「…可愛すぎるだろうこの生き物。はぁ…めぐみんめっちゃ可愛い」

 

カズマはじーんと感動しているようで、指を舐めている私の頭をよしよしと撫でてくれる。

…これだけで少し気持ちいいのは内緒にしておこう。

 

「…それじゃめぐみん、四つん這いになってくれ。…ちょっとパンツの中に失礼しますよっと」

「あっ!?そ、その、あんまりエッチなのはダメですよ」

 

自分で言っていて今の状況と矛盾しているような気がするが、今の空気では念押ししておかないと最後までつっ走ってしまう可能性がある。

 

カズマは私の忠告を聞いているのか聞いていないのか。

言われた通り四つん這いになった私のお尻側からズボンを降ろすと、パンツの中に指を突っ込んだ。

秘部を見られてはいないがパンツは丸出しだし、恥ずかしくて顔から火が出そうです。

 

ぬるりとした指がお尻を這ってぞくぞくしていると、予想よりも前でカズマの指が止まった。

 

「…えいっ」

「ひぃぐ!?」

 

カズマは私に声をかける間もなく、いきなりそこに指を埋没させた。

痛みはないが驚きに身体が固まってしまう。

 

「ちょ、ちょっとカズマ!?そこは、その、違いますよ?」

「…こっちでいいんだよ」

 

カズマが指を入れたのは…お尻の穴だった。

うぅ恥ずかしい。

お尻に指を入れられるなんて、子供頃に風邪を引いたとき以来でしょうか。

それも好きな人にやられるなんて、死んでしまいたい。

 

それにしてもこれがとっておきなのだろうか?

全然気持ちよくないし、異物感しかないので苦しさの方が目立つ。

…それでもカズマが私の中にいる、ということが実感できるので少しだけ心が浮き足だってしまうが。

 

「それじゃいくぞ。歯食いしばってろよ。ドレインタッチ」

「へおっ!?」

 

……………………………

……………………

 

…はっ!?

 

ここは?

ベッドの上?

私なんで四つん這いに?

 

「…めぐみん気がついたか?」

「あ!カズマ!?…あれ?」

 

そばにカズマが居ることに気付いた私は急いで四つん這いから姿勢を正そうとしたが身体が思うように動かない。

足が生まれたばかりの小鹿のように痙攣している。

良く見ると上半身も玉のような汗をかいており、パジャマが張り付いて少し不快だ。

 

特筆すべきなのは腰がへこへこと情けなく上下に動いてしまっている。

カズマの指が私のお尻の穴に埋まっているが、先ほどの異物感はなりを潜め、お尻の穴にはぬめりけを感じる始末だ。

 

「…ちょっと強くやりすぎちゃったみたいだ。ごめん。今度はもっと抑えるから」

 

カズマの言葉で状況を思い出す。

そうだカズマがとっておきがあると言って、それを受けて立ったのだ。

お尻の穴に指を入れられて…

 

そこで私は全身に冷や汗をかく。

今の状態に陥った原因と、これからの未来を予想して。

 

「ちょ、ちょっと待ってくだ…」

「…舌噛むなよ。ドレインタッチ」

 

瞬間。

カズマの指から魔力が放出して私の直腸内から吸収される。

文字に起こすだけならそれだけだ。

けれども、それに付随するものが凄まじかった。

 

「んごぉ!?へおぉおお!?ひぁあああ!!」

 

快楽。

リッチーという人外のモンスターが使う人外のスキル。

それがもたらす快楽も、人外だった。

 

お尻の穴から全身に向けて、ありえない気持ちよさが駆け回る。

身体は痙攣し、足はビクつき、無意識に腰を振り、舌を付きだして叫んでしまう。

頭の中はバチバチと火花が散って、今の状況を打破しようと高速回転する。

 

目からは涙が、あそこからは愛液が、お尻からは腸液があふれ出し、体中が発汗する。

気持ちいい。

気持ちいい。

気持ちよすぎる。

 

「…めぐみんまだ強いか!?もっと弱くするから!」

 

『夢』のカズマにしては珍しく焦ったような様子でそう言うと、魔力供給の量が減らされた。

先程までの暴力的な快楽は鳴りを潜めて、カズマの言葉に反応できる程度には弱まる。

 

「…めぐみんこれなら大丈夫か?」

「へおぉぉ!おうぅぅ!ううぉぉ!!」

 

私はその言葉に頭をぶんぶんと振って肯定する。

弱まったと言っても人外の快楽には違いないのだ。

余裕のない返事になってしまったが気持ちよすぎて頭がおかしくなりそうなだけなので問題ない。

 

「…めぐみんめっちゃエロい。やばい。マジでやばい。可愛すぎる」

 

カズマは快楽に翻弄された私を見て興奮しているのか、股間を大きくさせながらそんなことをつぶやく。

そして、お尻の中の人差し指を前後に動かしだした。

 

「あいぃぃぃ!?ひぃぃぃい!へおぉぉおお!おおおおお!!」

 

動かすことで分かる。

指でのドレインタッチは指全体ではなく、指先から魔力が送り込まれているのだ。

カズマが指を動かすことで今まで直接魔力が送られてなかった場所もカバーし、もはや直腸内全てが性感帯の様なありさまになってしまった。

 

「うおぉぉ!!おおぉぉっ!?んおおっ!!」

 

新しい性感帯をにゅこにゅこと擦られたことで私は跳ねるように腰を動かし、その度にあそこからぷしゅっと何かを漏らしてしまう。

 

「…めぐみん潮吹いてるのか…?もっと、もっと出して」

 

カズマはお尻の中の指の抽送を速くする。

既にお尻の穴の中は腸液でぬるぬるで、本来の弁の役目など微塵も感じさせない。

指を動かされる度に私のあそこは壊れたおもちゃのように潮をまき散らした。

 

「へあっ!?あぁ~~~!!くあぁ~~~~!!」

 

際限なく潮を吹いていた私だが、何度目かの噴射の後、身体がギグっと硬直して長く細かく痙攣してしまう。

 

「…めぐみんイキまくってるな。めっちゃ可愛い。えらい、えらいぞ」

 

カズマは手と足をピンと伸ばして痙攣している私の頭を、褒める様になでなでしてくる。

あぁ、なんですかこれは。

人外の快楽で絶頂していることをカズマに褒められる。

嬉しくて、気持ちよくて、幸せだ。

あぁ、なんて幸せなんだろう。

 

心も体も幸せに包まれて長い絶頂を迎える。

最後にぶるっと震えて私はべしゃっとベッドに突っ伏してしまった。

愛液と潮と腸液でパンツはぐしょぐしょで、それが倒れ伏したことで身体に押しつけられて冷たい。

四肢を投げ出して倒れ込んだ私だが、カズマはお尻から指を抜かずに未だに抽送を続けている。

 

「…めぐみんまだイケそうか?まだ続けていいか?」

「んおぉ!?おおうっ!あぁぁ…!おおお…!」

 

まだこの幸せが続く。

カズマとずっとこうしていたい。

私はそう思っただけでカズマに返事は出来なかった。

それでもカズマは私の気持ちを察してくれたのか、頭を撫でて応えてくれる。

 

「ああぁ~~っ!おおお~~~っ!」

 

指の刺激が続いているとはいえ、先ほど絶頂してから上り詰めたままだ。

あまりに快楽が強く永続的に続くので、私は降りてこられないのだ。

その様子に満足したカズマは優しい語り口で私にささやく。

 

「…めぐみん、そろそろ終わりにするぞ。このままだと脱水症状になっちゃうから」

 

その言葉に私はぶんぶんと頭をふり回して拒絶する。

もっとこの幸せを、カズマとの繋がりを感じていたいのだ。

 

カズマは私の様子に優しく微笑む。

 

「…この続きは『夢』が覚めてからにしよう。最後にスゴイのいくからそれで満足してくれ」

 

そう言うとカズマは動かしていた人差し指を入口付近まで引く。

そして、中指を追加で挿入した。

もちろんドレインタッチを発動して。

 

「んおっ!?おおっ!?あひいぃ!?」

 

さらにカズマは人差し指と中指を不規則にぐにぐにと動かす。

私の直腸はその動きでいろんな場所を刺激される。

 

「あひいいぃぃ!?ひぃぃいぃぃ!!うひぃぃぃ!!」

 

指が追加されたことでドレインタッチの快楽が単純に2倍。

さらに変則的な動きは、シンプルな抽送に慣らされていた直腸内を、再び快楽に慣れていない状態にリセットした。

 

「…それじゃ最後に10秒だけ魔力供給量を元の強さに戻すからな。10秒後に絶頂を合わせるんだ。いくぞ」

「ひあああああ!!あううううう!!いひぃぃいい!!」

 

しかもここにきて、最初の暴力的な快楽を伴う魔力供給を行ったのだ。

半狂乱になって頭を振りかぶる。

 

「10~~9~~8~~7~~6~~5~~4~~」

 

カズマが明らかに遅いカウントダウンを開始する。

もうすぐこの幸せな時間が終わってしまう。

その想いと、終わった時に自分がどうなってしまうのか。

その期待から身体は最後の時に向けて身構える。

 

「3~~2~~1~~~~0!0!0!」

 

最後の瞬間。

カズマは私に無断で魔力供給の量を増やし、それを悟られないように一気に指を引き抜いた。

 

「へあっ!?ひぃぃぃぃぃ!!いいいいいいい!!!あいいぃぃぃぃ!!!」

 

自分からこんな声が出せるのかと、頭の隅で冷静に思えてしまう程、私は叫び絶頂した。

暴力的な快楽を与えて来る元凶の指が引き抜かれたが、引き抜いた衝撃の余韻は、何度も何度も私を絶頂へ押し上げた。

 

「…えらい。えらいぞめぐみん。いっぱいいっぱいイッたな。良く頑張ったな」

 

カズマが腰をへこへこと動かす私の頭を撫でて褒めてくれる。

 

「へあぁ~~!!あいぃ~~~~!!あぅぅ~~~~~!!」

 

何だかそれだけで私は嬉しくて嬉しくて涙が出てしまう。

ありえない絶頂。

天国のような充足感。

それらに包まれた私は、カズマに撫でられながら情けなく腰を動かす。

 

そして、

 

失禁してしまった。

 

「…うれションまでしてくれるなんて。めぐみんは最高の女だよ」

 

カズマの誉め言葉に「えへへ」とだらしなく笑い、私は意識を手放した。

 

メモ⇒「あぁ、幸せ」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「プリフィケーション!…はい、これでこの染みはただの水になったわよ」

「はい…。すみませんアクアこんなことを頼んでしまって」

 

朝。

目が覚めると、私は水たまりの中にいた。

そのすべてが私の体液で…いや、思い出すのはやめましょう。

恥ずかしさで死にたくなるから。

 

「いいのよ誰にでも体調が悪い時はあるもんね。…だけどカズマさんに見つからないようにね。きっとこれを知ったら一生ネタにして事あるごとにイジってくるから!」

 

アクアの言葉に私は「はは…」と曖昧に笑い頷く。

まさかそのカズマが共犯だとは言えません。

 

朝起きて、ぐっしょり濡れたパジャマは着替えて洗濯済みだ。

しかし悲惨な事になっているベッドはどうしようもなく、アクアにこっそり来てもらって浄化魔法を使ってもらった。

明らかにおねしょの粋を越えた惨状だが、アクアは特に何も言わずに魔法を使ってくれた。

多分空気を読んだのではなく、まぁこういう日もあると思っているのだろう。

アクア自身も朝起きたらゲロまみれだったことがあるらしい。それよりはいいと笑って励ましてくれた。

…イキ散らかして嬉ションまでしてしまった方がダメだと思う。はぁ。

 

タオルを使って出来る限りの水けを吸い取った後、庭にシーツや敷布団もろもろを運び出して天日干しをする。

途中ダクネスにその姿を見られるが「ほどほどにしておくんだぞ…!」と先輩風を吹かされた。

昨日の夜の最後の方はかなりの大音量で叫んでしまったが、どうやらダクネスは激しい一人遊びにふけっていたと勘違いしたようで、それ以上に何かを言ってくることはなかった。

 

陽は高く、これならば夕方までには乾くだろう。

庭に吹く風を感じながら、昨日のことを思い出す。

 

ありえない快楽。

もはや夢だったのではないかとも思えるが、いまだにじゅくじゅくと消えない炎が身を焦がしているのが分かる。

あの快楽と充足感と多幸感。

あれを再び味わいたいような、もうこれ以上知ってはダメなような。

そしてそれを教えてくれたカズマのことを想う。

 

カズマにどんな顔をして会えばいいのか。

会いたいような、会いたくないような。

でも、やっぱり。

 

「カズマに…会いたいなぁ」

 

私の言葉を聞きつけたのだろうか。

屋敷の玄関が開かれて、中から愛しい人が出てきた。

…いつだってあの人はタイミングがいい。

 

屋敷から出てきたカズマは少しきょろきょろした後、私を見つけると一直線に向かってくる。

顔は赤く、どこか思いつめた顔をしている。

私はその姿を見た瞬間に身体がぶるっと震え、人外の快楽を味わったお尻がきゅっと引き締まった。

期待してしまっている。

ドキドキとこの後何が起きるか、知りたくてたまらない。

 

「…おはようございます。カズマ」

「………………」

 

私の挨拶をカズマは無視する。

あまり見ることのない真剣な顔にドキドキと鼓動が早くなる。

 

「…めぐみん」

「はい…」

 

意を決したのかカズマが話しかける。

 

「これは…夢か?めぐみん」

「え?」

 

突然の問いかけに私は意味が分からず戸惑ってしまう。

 

「最近、現実としか思えない夢を良く見るんだ。そういう夢は何度か経験済みなんだが、ここ最近のはどうも違う。ここ最近の夢では必ずめぐみんが出てきて、俺といちゃいちゃしたり……エロいこともした」

「はい…」

 

私はカズマの言葉を待つ。

 

「正直、俺には今が夢なのか現実なのか分からない。『夢』の俺は自由には動けないけど、今の感じとあんまり変わらない。だから、俺には、めぐみんといちゃいちゃしていたのが『夢』か『現実』か判断が出来ないんだ」

「………」

 

私はカズマの話を黙って聞いていた。

カズマは一度間をとってから続ける。

 

「俺はめぐみんと……いちゃいちゃしたい。エロいこともしたい。夢の時のように」

「……!!」

 

カズマは続ける。私の目を射抜いて。

 

「これは…夢か?めぐみん」

 

目の前には熱を帯びたカズマの強い視線。

私はこの視線に弱い。

まるで蛇に睨まれたカエルの様に、全身が緊張して動けなくなってしまう。

カズマの言う事を、全面的に聞きたくなってしまう。

 

ゴクリと唾を飲む。

そうして自分の喉がカラカラだったことに今更気付く。

返事をしたらどうなってしまうのか。

分からない。でも、知りたい。

カズマとの未来が知りたくてたまらない。

 

私は小さな、けれども目の前の人に聞こえる音量で告げた。

 

「これは…夢です」

 

私の言葉を受けると、カズマは一度下を向いてグッと拳を握りしめ喜びを噛みしめているようだった。

そして、顔を上げると二カっと笑った。まるであの時の様に。

 

「…なら、夢の続きをしよう」

 

そう言うとカズマは私との距離を詰める。

私の頬を手で優しく触ると、親指で唇に触れる。

 

そして、顔を近づけ

 

初めてのキスをしたのだった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

それからのことを少し話そう。

 

私はカズマに夢薬のことを包み隠さず全て教えた。

もう、隠す必要はないのだから。

そして、使用した次の日にはウィズの店に行かなければならないと教えると「俺も行く」とだけ言った。

青筋を立てたその顔は怒りを隠そうともしていない。

 

ウィズの店に訪れるとちょうど劇が終わるところだったようだ。

中に入ると前回と同じように突っ伏しているゆんゆんと、今回は容量オーバーなのか同じように突っ伏したウィズ、いつも通り高笑いを上げているバニルがいた。

 

「こうして、見事爆裂娘は策略通り小僧をたらしこむことに成功したのであった。これにて劇は閉幕だ!フハハハ!」

「おい!私がまるでカズマをハメたみたいな言い方はやめてもらおうか!」

「というか、人様の濡れ場を劇にして公開してんじゃねーよッ!!」

 

私とカズマの抗議が店内にこだまする。

 

「おや、これはこれは。互いに今日あたり薬を盛って相手を部屋に呼び出したら一線越えてしまおうと画策しているつがいではないか。仲がよろしくて大変結構!フハハハ!」

「「な!?」」

 

私達は互いに互いを見てしまう。

私としては再びカズマに薬を飲ませて、今日以上のすんごい事をしてしまおうと考えていたのですが…まさかカズマも同じことを考えていたとは。

私達はつい驚きで見つめ合ってしまったが、内容が内容なだけに恥ずかしさを覚え、顔を赤くする。

…あぁ、付き合いたてのカップルみたいでドキドキします。

 

「…ふん。最早貴様らからは悪感情を頂けんようだな。つまらん」

 

バニルが憎々しげにつぶやく。

初めてこの悪魔から一本取ったような気がして胸がすーっとする。

 

気持ちが落ち着いて視野が広がったことで、劇を見ていたウィズとゆんゆんの様子が見えてくる。

 

ウィズは「ドレインタッチにあんな使い方があったなんて…。上手く使えば素敵な殿方と…」と不穏なことを呟いている。

冒険者のカズマのドレインタッチであれなんですから、本家リッチーが使ったらイキ狂って死んじゃうと思うのですが。

 

ゆんゆんは前回と同じく、何も言わずにもじもじと内股を擦り合わせている。かなり劇の内容に没頭している様子で、この場でオ○ニーを始めてしまうんじゃないかと不安になる。ちょうどドレインタッチを試したいリッチーがいるから二人で別室に行ってみてはどうだろうか。

 

一応の落ち着きを取り戻した店内だが、カズマはまだ納得いかないようでバニルに食って掛かる。

 

「おい!俺は誤魔化されないぞ!人の情事を劇にしやがって。しかもめぐみんに変な薬を売りつけてんじゃねーよ!」

「フハハ!吾輩の采配によって無事に新たなつがいが生まれたのだ。感謝こそされ、憤怒されるとはおかしな話よ!悪感情美味である」

 

カズマはイライラを隠さず歯ぎしりする。

悪魔に対して怒りをぶつけても意味がないというのが達が悪い。

 

「しかし貴様の言いたい事も分かる。お得意様ということで耳寄りな情報で相殺ということでいかがかな?」

「…耳寄りな情報?」

 

カズマは胡乱げな視線を投げかける。

 

「リッチーのスキルには『ドレインキッス』という『ドレインタッチ』の上位のスキルがある。もちろん魔力供給も同じように出来るので…」

「サンキューバニル!なあウィズ『ドレインキッス』のスキルを教えてくれ!」

「えぇ!?いきなりどうしたんですかカズマさん!?教えるのは構いませんが、前にも言った様に私のスキルは相手がいないと発動出来ないんですよ」

「て、店主さん!それなら私に使ってください!大丈夫ですめぐみんのようにはなりませんから!」

「えぇ!?」

 

カズマとゆんゆんに押し切られる形で店の奥へと消える三人。

多分ゆんゆんは魔力供給を期待して発言したのだろうが、おそらくウィズは魔力吸収の方を使うでしょう。

 

ゆんゆんよ、安らかに逝ってください。

 

…………………………

…………………

…………

 

それから私とカズマは爆裂散歩をするべくいつものスポットに来ていた。

 

「では、いきます」

「ああ…」

 

爆裂魔法を撃つべく魔力を練る。

確信がある。

今日の爆裂魔法は、過去最高だ。

何たって今の私は無敵なのだから。

 

「エクスプロージョンッ!!」

 

魔力の流れ、タメ、発動時の反動。

全て完璧にこなした魔法は、目標にしていた大岩に飛んで行く。

 

射程ギリギリの大岩に着弾した爆裂魔法は、大岩を粉々に破壊し地面にこれでもかという巨大なクレーターを作り出す。

爆風はまるでそれ自体が風の上級魔法のように吹きすさび、木々をなぎ倒している。

着弾から少し遅れて聞こえてきた爆音は、耳をふさぎたくなるほど大きいのに、体の芯にズンと響き心地良い。

空に昇る爆煙はまるで入道雲のような大きさだ。

 

まさしく会心の出来。

それに満足しその場に倒れ込む。

カズマは一連の流れを腕組みして眺めていた。

カズマの採点を待つこの瞬間はいつだってドキドキする。

 

「…今日の爆裂魔法は100点満点だ。威力、音圧、爆風、全て言うことなしの出来栄え。まさにめぐみんは爆裂魔法の申し子といった感じだな…」

 

それはいつか『夢』の中でふざけて行った採点。

『夢』と同じく続きがあるのか期待して待つが、カズマはそれ以上しゃべることはない。

じれてしまった私は、カズマに続きを催促した。

 

「それで、続きは…?」

「…色々加味して今日の爆裂魔法は計測不能だ」

「何ですかその中途半端な物言いは!ちゃんと最後まで包み隠さず言ってください!」

「…勘弁してくれ」

 

カズマは私のそばに寄るとドレインタッチで魔力を分け与えてくれる。

だけど、今日は手の甲へのキスはない。

そのことに不満を覚えていると、魔力を分けたにも関わらず私をおんぶして立ち上がった。

 

「そうですかそうですか。私の可愛さにやられておんぶしたくなっちゃいましたか。カズマは素直じゃないんですね」

「そういうのは言わなくていいんだよ!ったく」

 

カズマにおぶられて帰り道を進んでいく。

特にどちらもしゃべることはない。

草原から流れてくる風が気持ちいい。

 

ふと、私はカズマの横顔を見て、無性に今の気持ちを伝えたくなってしまった。

 

「…カズマ……好きです」

 

カズマは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに恥ずかしさを隠すためか何でもないような顔をする。

 

「…知ってるよ」

「それで、カズマは私のことをどう思っているんですか?」

「……………黙秘する」

 

何ですかこの男は!

 

「何ですその煮え切らない態度は!私のことが好きで好きで仕方ないのでしょう!?だったら正直にそう言えばいいじゃないですか!」

「はいダウトー!!好きで好きで仕方ないのはお前の方だろうが!何だよ薬まで使ってアプローチとか!愛が重たくてしんどいなー!!」

 

私とカズマは互いを睨みつけ、歯をギリギリと鳴らし威嚇し合う。

そして、互いにそっぽを向いて黙り込む。

再び無言になってしまったのだが、険悪な空気になどなりはしない。

何故なら未だにおんぶは継続中で、身体がぴったりくっついたままなのだから。

 

私はそのことが可笑しくなってしまい、クスリと笑ってしまう。

カズマももちろん本気で怒っていないので、下を向いて口の端を上げてしまう。

 

そんな空気が楽しくて、幸せで、愛おしくて。

 

「カズマ!」

 

私はカズマの頬にキスをしてあげた。

 

突然のことにカズマは驚き、耳まで真っ赤になる。

私はその慌てた様子を笑い「好きです!」と追撃した。

 

素直に愛を語ってくれないあなたへの、これが今の私の最大反撃だ。

 

いつか、このひねくれた男が、素直に私に告白できるように。

いつか、絶対に、二人で愛を語らえるように。

 

これからもずっと。

 

私があなたの心に爆裂魔法を撃ち込み続けてあげましょう!

 

 

~この素晴らしい「夢薬」で本心を!~完

 

 

 




ここまでお読みいただきありがとうございました。
SS書くの1年ぶりでしたが楽しかったです。

そもそもこのSSを書くきっかけは劇場版このすばを観たからで、アニメだけ観ている人は分からないと思うのですが、劇場版ではカズめぐ的に大事なシーンが何個もカットになっているんですね。
「え!?あんなにいちゃいちゃしていたのに?」て思うでしょう?
原作はもっといちゃいちゃしてたんです。

それで劇場版で半端にカズめぐを摂取した性でカズめぐ欠乏症になりまして。
もう自家発電でもしなきゃ死ぬ。ということで久しぶりにカタカタSSを書いた次第です。

映画の内容ですがカズめぐ以外は良かったと思います。
何たって既に6回観に行ってますしね。
それに原作であった「めぐみんの告白シーン」がないってことは、そこら辺を絡めたSSが書けるな…!と色々妄想が膨らむ映画でもあります。

こんなSSを読む人ならもう行っていると思いますので、後2回くらいは劇場に行って観ましょう。
そして願わくば3期を…。

話しがそれてしまったのでこのSSについて。

まず、めぐみんが告白していないという劇場版の続きとして書き始めました。
そのため、原作でぐいぐいくるめぐみんと違った感じになるんじゃないかなと妄想していったところ、結局最後はスケベな感じになってしまいました。
ちなみに本当は4話5話まであったんですが、キリがいいのと、この後の話はただひたすらにカズめぐがいちゃいちゃSEXするだけなのでとりあえずここまでで公開しました。
続きは暇を見て書いてますが公開できる量になるかは不明です。

ちなみに前作の「お願いカード」の続きも4万字くらいは書いたんですが、これもただのエロ小説になってしまったのでお蔵入りです。悲しいなぁ。

以上になります。

最後にここまで読んでいただきありがとうございました。
感想などはPixivでも構いませんがツイッタ―(@GA_tobi_ika)にリプして下さると反応しやすいです。
それではまたどこかで。
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