※この作品はR-18です。

この素晴らしい「夢薬」で本心を!   作:GA 飛びイカ

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5話目です。

それなりに長いので暇なときにでもお読みください。
内容は前話の続きで「カズめぐが倒錯的なセックスをする話」となっております。


第5話

「つまりめぐみんは世界一可愛いということで間違いない!証明終了!Q.E.D!!」

 

カズマの大声がギルド中に響き渡る。

 

「もう、カズマったら言い過ぎですよ」

 

私は嬉しくなって飲めもしないお酒をくぴくぴ飲んでしまう。

 

「バカップル、バカップルだよこの二人!!」

 

傍に控えていたクリスがわなわなと震え、カズマに負けない大声で叫び返した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「めぐみん」

「ん?なんですか?」

「はは、なんでもないよ」

 

カズマは楽しそうに笑って、私の肩に回した手で優しくなでてくれる。この問いかけは既に何度も行っているが飽きる様子がない。その様子を見ていると私も嬉しくなってしまい同じことを聞き返してしまう。

 

「カズマ」

「ん?なんだ?」

「ふふ、なんでもないですよ」

 

私もカズマと同じように問いかけ、カズマも同じように返した。その何でもないやり取りに確かな心の繋がりを感じて、私はカズマの肩へ頭を擦り付けて喜びを表現した。

 

広間のソファーに私達は座っている。

そのシルエットはひとつの塊の様で。

これでもかと密着して座っているので正直座り心地は悪いが、カズマと触れ合うのが心地良いので続けている。

朝早く起きて手早く朝食を済ませた私達はソファーに座り、こうしていちゃいちゃとした時間を過ごしていた。

 

あぁ楽しい。

互いの名前を呼びあうという何でもないことが凄く尊いことに感じる。

自分の名前を愛する人が呼んでくれる。愛する人の名前を呼ぶ。

それが特別な事のようで、呼び合うたびにどんどん幸せになっていく。

私たちはもう朝から何度目か分からない幸せになる呪文を唱え合っていた。

 

カズマは変わった。

 

カズマが私にキスをして、私がカズマに自分の気持ちを伝えた日から、だんだんと積極的になっていった。

そして、一線を越えたあの日。

私の全てをさらけ出した日から、肉体的な繋がりはもちろんだが、より心の繋がりを求めるようになった。

つまりは、暇さえあれば恥ずかしげもなくいちゃつく様になった。

 

「んちゅ…ぷあっ…ちゅる…」

 

体を密着し、名前を呼びあって、心をぽかぽかと温かくさた後、そのままキスをする。

たっぷりと舌を絡めて、たっぷりと唾液を交換する。これももう朝から何度目だろうか。

濃厚なキスに私の体の芯が熱くなって、それ以上が始まらないかと期待してしまう。

我ながら何とも色ボケ体質になったものだ。

 

しばしキスに没頭していると廊下から足音が聞こえてくる。

まだまだ冷静な部分が残っていた私達はそれを受けてキスを止め、体を離した。

名残惜しいが仕方ない。

 

広間の扉が開く。扉を開けたのは予想通りダクネスだ。

ダクネスは今日もきちんとした身だしなみでどこに出しても恥ずかしくないお嬢様な様相だが、身だしなみとは違ってその顔は何か言いたげな、胡乱げな表情が張り付いている。

原因はもちろん、朝っぱらから私達が一緒のソファーに座っているからだろう。

 

「…おはよう、二人とも」

「…おはようございます。ダクネス」

 

その顔にバツの悪さを感じて、まるでイタズラを見咎められた子供のように歯切れの悪い挨拶を返す。

 

一線を越えた日の朝。

私は夢薬を使ったのを忘れて爆睡してしまったのだが、それの所為でダクネスの前で盛大にカズマに告白してしまった。

ダクネスはお嬢様だがアクアと違ってにぶくない。

最初ダクネスは私がカズマに怪しげな術か何かをかけられていると思ったようだが、日々の生活の中でそういう紛い物ではなく、本当に私がカズマのことを好きなのだと気付いたようだ。

 

その上で私は未だにアクアやダクネスに私達の関係を話せていない。

 

このダクネスの顔はいつになったら言ってくれるのだ、という意味が込められており、仲間であるダクネスに隠し事をつづけているという後ろめたさが私を苦しめる。

 

ダクネスはしばしジッと私を見ていたが、今日も何も言ってくれないのかと、少し寂しそうな顔をした後に表情を切り替えた。隣に座るカズマに視線を移す。

 

「おはようカズマ。最近早いな」

「あぁ、おはようダクネス」

 

私と違ってカズマはハツラツとしている。

その表情は明るく、まさに幸せ真っ只中、絶好調だと言わんばかりだ。

カズマの爽やかな明るさにダクネスは眩しそうに目を薄めて、フッと笑う。

それまであったちょっと重たい空気が嘘のように晴れた。

本当にこの人は私に出来ないことをしてくれる。

 

「お前達朝食は食べたのか?」

「あぁもう食べたよ。一応お前達の分も作っておいたから火を通せば食べられるぞ」

「そうかありがとう。めぐみんはこれから爆裂魔法を撃ちに行くのか?」

「はい、カズマに付き添ってもらってこれから行くつもりです。……ダクネスも一緒に行きますか?」

 

雰囲気が軽くなったことでダクネスを爆裂散歩に誘ってみる。

ちょっとした罪滅ぼしだ。

 

「いや、私は遠慮するよ。二人で行ってこい」

 

だがダクネスは身を引いて断った。言葉通り私達に気を使ってくれたのだ。

 

「そうか?じゃあめぐみん、そろそろ行くか」

「はい、分かりました」

 

私達はソファーから立ち上がると広間を出ようと歩き出す。

私は気を回してくれたダクネスの傍に寄って小さい声で話しかけた。

 

「ありがとうございます。……いつか、ちゃんと言いますね」

「…気にしなくていい。それより、あんまり羽目を外すなよ。カズマは浮かれ気味なようだし」

 

ダクネスの気遣いが胸にしみる。

でも、ごめんなさい。浮かれているのは私も同じなんです。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「エクスプローションッ!!」

 

今日も快晴。爆裂日和だ。

森の奥の目標地点に向かって放つ。

しかし、空模様と違って今日の爆裂魔法は…微妙だ。

この後のことを考えると妙にそわそわしてしまって、急いた感じの仕上がりになってしまった。魔力を無くして力なく倒れ込む。

あぁ今日はダメだ。あぁ…。

 

「…今日は92点。焦った感じだったな」

 

私が魔法を放ち終わるまで黙って腕を組んでいたカズマが採点してくれるが、もちろんカズマにも今日の爆裂魔法の出来がよろしくないのは分かっている。

92点、的確な点数だ。

 

私は92点という数字に酷く落胆する。決して悪い数字ではないと分かっているが95点未満になってしまった。楽しみだった分凹んでしまう。

 

「だけどめぐみんが世界一可愛いので加点一億点。合計100,000,092点!」

 

そんな沈んでいた私の横で、私の心情を理解しているカズマがあからさまにひいきな加点をしてくれた。

私が顔だけを上げてカズマを見ると、カズマはにやにやと笑っている。カズマもこの後のことが楽しみなのだろう。

 

「…次は実力で95点以上を取ってみせます」

「悔しがってるめぐみんも世界一可愛いな」

 

その返しに私は表情を見せないように顔を伏せる。

あぁ、もう!

 

「なんだ恥ずかしがってるのか?可愛いな」

「もういい!もういいですよ!ドレインタッチお願いします」

 

駄目押しのべた褒め。

一線を越えてからカズマはだいたいこんな感じで、私のことを可愛い可愛いとまるで初孫の様に愛でてくる。

カズマに褒められて嬉しい気持ちが込み上げてくるが、今は不甲斐ない自分の爆裂魔法に歯がゆい思いをしていただけに余計に恥ずかしい。

 

誤魔化すようにドレインタッチを所望すると、カズマが私の傍に屈んで確認してくる。

 

「今日は表、裏、どっちがいい?」

「…今日は表で」

「今日は何本がいい?」

「…今日は…五本、両手の指全部で」

「はいよ、了解。ふふ、欲しがりさんめ」

 

カズマは確認を済ませると私をお姫様抱っこして茂みに分け入る。

一度私を降ろした後に持参したシートを敷いて、私をそこに横たわせると恭しくパンツだけを脱がせた。

お楽しみが始まる。

 

「今日も無事95点を越えたからマッサージを始めるぞ」

 

そう言うとカズマは指先でドレインタッチを発動して、まるでスティールをする前のように両手をわきわきさせた。

 

95点以上でマッサージ。

これを言い出したのはカズマだ。

今まで私達は爆裂散歩でエッチなことをしてこなかった。

爆裂魔法は私達にとって神聖なものだ。

まだカズマを意識していなかったとき、毎日の爆裂魔法でのやり取りがどれだけ私の心に暖かなものを与えたか。

紅魔の里での一件の後、カズマが背中を押してくれて放ったハート型の爆裂魔法にどれだけ心を動かされた。

爆裂魔法とは私達の仲が深まるきっかけであり、私がカズマの事を好きだと気付いた契機となったものなのだ。ないがしろには出来ない。

 

けれど初夜の後にダクネスに感付かれだし、屋敷で行為を行う事が難しくなった。

私だけでなくカズマも毎日セックスしたいと思っていただけに、もんもんとしてしまい、結果爆裂散歩でのエッチ解禁の運びとなったのだ。

ただ、何でもかんでもオッケーしてしまうと爆裂魔法に対して失礼だ。

なので95点以上を取った時だけに限って致すという約束になっていた。

ちなみにカズマ曰く「めぐみんが世界一可愛い加点」なるものの影響で、約束してから95点を下回ったことは一度も無い。

 

カズマがわきわきと動かす手を私に見せつける。

指先は怪しい紫色の色を発している。

初夜での「ドレインタッチ」「ドレインキッス」の三重起動には驚いた。両手でドレインタッチ、しかも指先だけに集中するなど、カズマのスキル回しの技術には舌を巻く。

そもそもそんなこと想像もしないし、出来るとも思わない。そして普通なら練習など絶対にしない。

けれどカズマは見事にマスターして今私に存分に試そうとしている。

それはひとえに性欲。私にエッチな事をしたいという気持ちが成し遂げたものだ。

一念岩をも通すとはカズマの国の言葉らしいが、正しくその通りだと思う。

 

カズマが私の頭側に座って指先を顔へ近づけていく。

私は魔力が枯渇していて身動きが取れない。

こんな状態でどんなことをされてしまうのだろう。そう思うときゅんきゅんと身体が疼いてくる。

 

「はふぅ…」

 

カズマはまず私の頭に触り、頭皮マッサージのようにぐにぐにと頭を揉み解し始めた。

魔力を分けてもらう気持ちよさに頭皮を揉み解される気持ちよさ。

二種の異なる心地良さに私からは甘い吐息が漏れてしまう。

いきなりエッチなことはせずに私の体をリラックスさせてから。カズマなりのこだわりが垣間見える。

 

頭皮マッサージを済ませた手は私の頬を両側から包んだ。

じんわりと温かい力が流れ込んできて、心地よさに目がとろんとしたものに変わる。

カズマを見ると舌なめずりをしながら私を見ていたようだ。

思わず私は口を開き舌を伸ばしておねだりした。

 

「んちゅぅ…んぱっ…んぶっ…んっんっんっ!」

 

カズマが顔を近づけてキスをしてくれる。

いつもと違って顔の向きが逆さまだ。いつもと違う場所に舌が届く。

 

「んぶっ…んちゅっ…えぁっ…えぉっ…えぉっ…」

 

カズマが上下逆さまのベロフェラをしてくれる。気持ちいい。気持ちいい。

頬を包まれてベロフェラをされていると頭がふわふわして、目の輝きがハート型になっていく。

 

「はぷぅ…んふぅ…」

 

カズマが顔を離してしまった。

私は名残惜しそうに舌なめずりして、鼻息を荒くする。

それを見たカズマは頬に当てていた右手を外して、中空に、私の口の上でゆらゆらと動かしだした。

 

ドレインタッチで光る指先。

それがまるで釣りの餌のように私を誘ってくる。

おいしそうな餌を前に、私は喉を鳴らしてしまう。

 

口を開いて恐る恐る舌を伸ばす。

手の位置は少し高い。私は「んんーっ」と舌を思いっきり伸ばして何とか餌に食いつこうと努力する。

そして、舌先がちょんとカズマの指先に振れた。

 

「んひっ!?」

 

私は思わず舌を引っ込めた。

舌先が触れた瞬間に頭の中に電流が流れたような衝撃がつらぬいたからだ。

目まいがしそうな強い刺激。けれどもまた味わいたくなるような甘い痺れ。

舌を伸ばしてまた舐めるか、怖いからやめようか。

そんな逡巡をしていると先程よりもカズマの指先が私に近づいている。

 

「あぁ…いや…」

 

私はいやいやと顔を振り、舌を引いてその指先から逃れようとするが、私の頭はシートを敷かれた地面の上にある。

舌先を引っ込める以上に逃れることはできない。

私は舌を完全に口内に収納してかくまう。

 

カズマの指先はもう私の口先にある。

それぞれの指がばらばらに動いているさまはまるでそれ自体が生き物の様だ。

口先で蠢くモンスターは私の口内に侵入して舌をめちゃくちゃにしようと様子を伺っている。

 

「ふぐぅ…うぐぐ…」

 

私はその誘いに乗らないように口をきゅっと結んで形だけ拒んでみる。

待っていても口は開かない。

そう察したモンスターは仲間に連絡して別の手段を使ってきた。

 

「ふぐ!?ふぐ…」

 

頬に添えられたままだった左手。

それがまるで昆虫のように指を足に見立てて、もぞもぞと私の体の上を歩き出したのだ。

 

頬から首筋へ、首筋から胸元へ。

まるで生き物のように動く左手。何かを探すような動きに、私は頭を少し持ち上げて、その行方を目で追ってしまう。

 

左手が私の左胸の上に乗る。

仰向けに寝ている私の胸は平素よりもさらに平らだ。

そんな凹凸の少ない胸の上で、左手は何かを見つけだそうと、まるで犬が地面を嗅ぐようにかりかりと指先をこすり付けている。

 

「ふぐぅ…うふぅ…」

 

胸の上を這いずる左手。

指先からは魔力供給の暖かな気持ちよさが流れ込んでいる。

ドレインタッチの魔力供給は心臓に近い位置や粘膜からの摂取が最も効果が高い。

お尻の穴や先程の舌先の甘い痺れはそれが理由だが、胸も心臓に近いためか、他の場所よりも強い刺激を私に与えて来る。さらに胸自体も敏感な場所であるため、なおさら気持ちがいい。

私の口を閉じられているためどんどんと鼻息だけが荒くなっていく。

 

ふいに、左手の人差し指が目標を発見したのか、ある一点を指し示した。他の指がそれに合わせて、その地点を取り囲むように位置取る。格指の中心地点には…

 

「ふぐっ!!うぐぅっ!!」

 

私は頭をぶんぶんと振ってやめるように懇願する。もう自力で動ける程度には魔力を貰っており、今の私を束縛するものは何もない。嫌なら飛び起きればいいだけなのだが、私の体はこれから起きる出来事に期待してしまって、地面に縫い付けられたように動けないでいる。

 

左手の包囲がどんどん狭まっていく。

ゆっくり、ゆっくり。私の左胸の頂点に向かって、乳首に向かっていく。

 

「んひっ!?」

 

指先が乳輪に当たる部分に到達した。その瞬間にびりびりとした痺れを感じて思わず声を上げてしまった。

乳輪でこんなにも強い刺激なら、本命の乳首ならばどうなってしまうのだろうか。

私の期待は嫌にでも高まっていく。

 

「ふむぅ~!うむぅ~!」

 

いよいよ乳首か。そう思っていた私だが、左手の指先は乳首を責めずに、乳輪の上をぐるぐると回りだす。

まるでゴブリンがたき火で焼いた獲物の周りを回るような行為。

私の乳首はこれから無残に食い散らかされてしまうのだ。

私は絞首台を上る死刑囚のような気持ちで待望の瞬間を待つ。

 

「ふぅ!んふぅ!ふぐぅ!」

 

ぐるぐる、ぐるぐる。

 

しかしいつまで経っても左手は乳首に襲いかかってこない。

その間も乳輪から伝わるびりびりとした刺激に私の脳みそは痺れ、身体をくねらせてしまう。

我慢できなくなった私がわざと身体を動かして指先を乳首に当てようと試みもしたが、類まれぬ察知能力を持った左手のモンスターは乳首に当たる前にサッと離れてしまった。

そして、また乳輪の周りをぐるぐると回りだす。

 

焦らされている。これでもかと言う程に焦らされている。

もじもじと内股同士を擦り合わせると、お尻の下がぐっしょりと濡れていることに気付く。

お尻の穴からは腸液が、前の穴からは愛液がとろとろとにじみ出ているのだ。

あぁ、たまらない。早く、早くして欲しい。

 

観念した私は左手のモンスターではなくそれを操るカズマの顔を見た。

視線は感じていた。けれどその目を見てしまったら私は無条件で言う事を聞いてしまう。

我慢して、我慢して。その視線から逃れるように左手を見ていたのだが…もう限界だ。

 

カズマは私を見ながらにやついていた。唇を舌で舐めてごちそうを前にしているような表情だ。

 

私は懇願の目を向ける。早く、早く触って欲しい。

自分で見ることは出来ないが私の目は赤く光り輝いていることだろう。

私のお願いの目を見たカズマが口を開く。

 

「どうした?何かお願いがあるなら口を開いてちゃんとしゃべらないと分からないぞ?」

 

あぁ。

カズマの狙いが分かってしまった。

 

私の口の前には未だに右手のモンスターがくねくねと私の口が開くのを心待ちにしている。

ここで私がお願いを口にしたら、口を開いたら、その右手が私の舌をなぶりに来るだろう。左手の乳首と一緒に。

 

乳輪に感じるびりびりとした痺れ。先ほど舌先に感じたびりびりとした痺れ。

それらが同時に襲いかかってくる。

それを、私に決めさせようとしている。

 

酷い。本当に酷い人だ。

 

「…お、お願いです…。私の乳首を…めちゃくちゃに、してください」

 

私はおずおずと口を開いてそう言った。

言った瞬間にカズマの右手と左手が獲物めがけて襲いかかってきた!

 

「んぶっ!?ちゅばあっ!?あばぁぁっ!?えあっ!?あ゛ぁぁぁ!?」

 

薄く開いた口を割って右手が口内に侵入してくる。

奥へ隠れていた私の舌を見つけだして五本指で掴む。途端に舌から魔力が伝わって、私の頭の中が沸騰するような快楽が流れ込んでくる。

 

左手は焦らしに焦らされて固くなっていた乳首を五方向からきゅっと摘まむ。

とたんに私の乳首から心臓へ向かって不整脈を起こしてしまうかのような衝撃が流れ込んでくる。

 

「ひぶっ!!ひぬっ!!ひぐっ!!しぬぅっ!!じぬぅっ!!うぎぃぃぃぃぃ!!」

 

死ぬ。

イキ死ぬ。

そう思える様な快楽が体中を駆け巡る。

もちろん連日似たような快楽に晒されていて死ぬ事はないと分かっている。

 

「ふぅ…!ふぅ…!」

 

カズマも私の悲痛な喘ぎを聞いても責めはゆるめない。

あくまで私の叫びは互いが興奮するための演出だと知っているからだ。

私が自身を興奮させるために被虐的な喘ぎを上げるたびに、カズマの加虐的な心に火が付くのだ。

カズマは鼻息を荒くしてそれぞれの手を生き物のように操って私を責めたてる。

 

「んぱぁっ!?えあぁっ…!えあぁ~~!!」

 

舌を弄っていた右手が私の舌を優しく引っ張って外へ出るよう促す。私はまるで乱暴に引っ張られたよう振舞って舌を思い切り突き出すと、カズマはそれをにゅこにゅことしごきだした。

キスの際によくするベロフェラ。それを指で行う。あまりの気持ちよさに私は限界まで舌を伸ばす。

カズマは私の舌のざらざらとした味蕾をこすり、裏側のにゅるにゅると滑りの良い部分をしごき、指の味を覚え込ませようとしてくる。

ドレインタッチの魔力供給で私の舌は大きなクリトリスのような敏感な物に変わろうとしていた。

 

「はびゅっ!?んぶっ!?あああぁぁぁ!?」

 

右手の責めに負けないとばかりに左手の責めも激しくなる。

乳首を責める左手は五本指で包んだ乳首を、舌と同じようにしこしことしごき出したのだ。

左手の動きはそれ自体がひとつの口のようで、私の乳首に吸い付き、出ることのない母乳を求めるようにむしゃぶりついている。

 

「あいぃぃぃぃ!!んぶうぅぅぅぅ!!」

 

舌も乳首も同時にしごかれる。

気持ちいい。

気持ちいい!

私の股間からぴゅっぴゅっと潮が吹きだして、冒険者服のスカート部分に染み込んで黒く変色させていく。

私はあまりの気持ちよさに自然と下品ながに股になってイキまくる。

ただ、舌と片方の乳首を弄られているだけだと言うのに既に私はカズマに完全敗北していた。

 

「んぱぁっ…!はぁ…はぁ…」

 

私の情けない絶頂を見たカズマが舌と乳首から指を離した。

その瞬間に抗いがたい快楽は無くなり、私は息を荒くしながら途端に恥ずかしくなって下品に開いていた股を閉じた。

 

終わりではない。

そんな訳はない。相手はあのカズマなのだ。

一度半狂乱になったくらいで終わるはずはない。

 

次はどんなことをしてくれるのだろうかと思っていると、カズマが私の冒険者服の胸元に手をかける。

そのまま私の胸元をずりさげて、私の胸を、乳首を露わにする。

冒険者服を着たままなのに胸だけをさらけ出す格好に、最近薄くなっている私の羞恥心にボッと火が付いた。全裸よりもエッチな格好だ。

 

カズマは一度ドレインタッチを切ると私の唾液で濡れた右手を舐めた後に、口に含んでしゃぶり、たっぷりと自身の唾液を乗せた。左手も同じように唾液まみれにする。

唾液でぬらぬらと光るカズマの両手。

本当にモンスターの触手のようになった両手を、私の両乳首に当てて、たっぷりの唾液を塗りたくってくる。

 

「あっ…んふぅ…ひっ…」

 

まるでローションのように乳首をぬめぬめにされる。

この状態で乳首を責められたらさぞ気持ちいいだろうと思い、先ほど弄られていない右乳首までもが硬いしこりになっていく。

 

準備が整ったとばかりにカズマの両手が再び紫色に光り輝く。

また、始まる。

私がドキドキとした心持でいるとカズマがポツリと呟いた。

 

「ドレインタッチの魔力供給は心臓に近い位置や、粘膜からの摂取が一番効果が高いんだ」

 

カズマがドレインタッチについて話し出す。

それは知っている。今更なんでこんな説明をしてきたのか意味が分からない。

不思議そうな顔をしている私を、カズマはにやにやとした表情で見降ろして、言葉をつづけた。

 

「俺の唾液で疑似的に粘膜みたいにしたら、心臓に近いめぐみんの乳首はどうなっちゃうんだろうな?」

 

ゾクリとした。

私はいやいやと力なく首を振る。しかし口もとが笑ってしまっている。

これからの責めで私の乳首は変わる。カズマによって変えられてしまう。

怖いのに、楽しみで楽しみで仕方がないのだ。

 

カズマの両手の指先からよだれを垂らすように唾液が落ちて、私の乳首に近づく。

私の期待した顔を確認したカズマは、その新しく出来た両方の口で私の乳首にしゃぶり付いた。

 

「ほおっ!?ほおぉぉぉ!!おほぉぉぉぉッ!?」

 

両方の乳首を五本指できゅっと摘ままれる。

唾液で濡れた乳首を五本指で甘噛みされるとそれだけで気持ちが良いのに、今はドレインタッチが起動している。

指先から送り込まれる魔力が電流のような激しい快楽を叩きこんでくる。

 

「あほおぉぉぉぉ!!ふぉおぉぉぉぉ!!」

 

ただ摘ままれただけなのに私は頭を振って狂乱し、ごんごんと頭を地面にぶつけてしまう。

それを見かねたカズマがあぐらをかいて私の頭と地面の間に割り込んで枕になってくれる。

頭がカズマのあぐらの中に納まると、今度は腰がかくんかくんと激しく動き出した。

 

「気持ちいいかめぐみん?」

「いいぃぃぃ!!あいぃぃぃぃ!!ひぃぃぃぃ!!」

 

見て分かるだろうにカズマは自分の加虐心と私の被虐心を満たすために確認してくる。

私は感謝の意を込めて大声で叫び喘ぐ。

この責めは凄すぎる。乳首責めが一気に好きになる。

そんなことを思いながら叫んでいると、カズマが爆弾を投げこんできた。

 

「よしよし、それじゃこれから乳首を責めだすからな」

「あおぉぉ!?おおおぉぉ!?」

 

責めだす?

何を言っているのだ、もう責めているではないか!

私は戸惑いの声を上げながらカズマの股の中で頭をぐりぐりと動かし、腰をかくつかせて懸命に媚を売った。

 

しかしカズマは許してくれない。許すはずもない。

五本指を上下にシコシコと動かし、乳首をしごき出したのだ。

 

「あ゛お゛おぉぉぉぉ!!?お゛お゛おぉぉぉぉ!!」

 

ありえない!なんだ、なんだこれは。

気持ちよすぎる。

乳首が作りかえられていく。

駄目だ。これは駄目なやつだ。

 

私はあまりの気持ちよさに鼻水と涎を垂らし、涙を流しながら懇願する。

 

「も゛う゛いっだぁッ!!いぐっ!!まだいぐうぅぅ!!どめ!どめでっ!!どめでくださいいぃぃ!!」

「……本当に止めていいのか?」

「どめないでっ!!もっど!もっどしでぐださいぃぃぃッッ!!」

 

カズマが手の動きを緩めずに聞いてくる。

私は頭をブンブン振って否定する。

頭がおかしくなるほど気持ちいいから止めないでほしい。

 

私の言葉にカズマはにやっと笑うと、責め方を変えてきた。

 

「あ゛お゛っ!?ふぉおおぉおお!!ふぉぉぉぉぉ!!」

 

カズマは乳首を摘まんだ状態でぐるぐると指を動かし、しこりになった乳首の側面を責めだしたのだ。

 

「どうだ?これも気持ちいいか?」

「きぼぢいいぃ!!ぎぼちいいですぅっ!!もっど!!もっど!!」

「さっきのとどっちの方がいい?」

「わがらな゛いッ!!はがりまぜんッ!!ひいぃぃぃぃ!!」

 

シコシコとしごく責めと甲乙つけがたい気持ちよさ。

どちらが優れているのかなんて私には分からない。

カズマは私の返答に不服だったのか、ちゃんと判断させるためか、しごく動きと回転させる動き、それらを交互に繰り返しだした。

 

「どっちが気持ちいい?ちゃんと考えてくれよ?」

「どっぢもっ!!どっぢもぉぉぉ!!おおぉぉぉぉ!!」

「それじゃ一生終わらないぞ?一生めぐみんの乳首をいじめちゃうがいいんだな?」

「あ゛お゛おおぉぉぉ!!あおおおぉぉぉん!!」

 

一生?

一生この気持ちよさが続く?

そんな、そんなことって。

 

なんて素晴らしいんだろう。

 

私は嬉しくなって獣のような声を上げて喜びを表現し、腰をブリッジのようにのけ反って高速で腰を振った。

股間からは絶えずぷしゅぷしゅと潮を吹きだしており、もう冒険者服のスカート部分は完全にびしょ濡れだ。

 

カズマも嬉しくなってしまったのか、ふぅふぅと息を荒くさせて私の乳首を高速でしごき出す。

 

「お゛お゛おおん!!お゛お゛っ!!」

 

あまりの気持ちよさに私の口からは野太い声が出され、辺り一面に響き渡る。

のけ反って絶叫して、そして見つめるのは愛しい人。

カズマは私の感じる様を眺め楽しみ、私を幸せの頂へと昇りつめさせようとしている。

私のために私のしてほしいことを徹底的にしてくれる愛しい人。

あり得ない快楽を紡ぐ乳首以上にカズマを見つめていると胸が熱くなり、より高みへと昇ってしまう。

 

「いぐっ!!いっでるけどいぐっ!!あおぉぉぉぉ!!凄いのぎますっ!!」

「よし、あと5秒したらいっぱいいっぱいイクんだ!」

 

そういうとカズマはラストスパートのつもりなのか、しこしこと乳首をしごくスピードをさらに上げだした。

 

「あ゛お゛おぉぉぉ!?お゛お゛おぉぉぉん!!」

「5………4………3………」

 

あり得ない!あり得ない!

なんで、なんでここにきてスピードを上げるのか。

このままでは私は乳首でイキ狂ってしまうというのに!

そんな内心をあざけわらうかのように、カズマは例のごとく明らかに遅いカウントダウンを開始する。

あと5秒で私はおかしくなる。確信に近い予感でその時のために身構える。

 

「2………1………0!0!0!」

「あぎゅっ!?うぎゅうぅぅぅ!!うひいいぃぃぃぃ!!」

 

カウントダウンの最後、カズマは以前のように魔力供給の量を少しだけ上げた。

そしてその瞬間に私の乳首をきゅっと強めにつまんだのだ。

これには私もたまらず、腰を跳ね上げさせたブリッジのまま硬直、特大の絶頂をしてしまう。

手を使わずに首と足だけで持ち上がる身体。

かくかくと小刻みに震えて、潮とは違う温かい液体が足先へと伝わってきた。

 

「めぐみん、今日もおしっこ漏らしちゃったのか。服がおしっこまみれになっちゃったじゃないか。これじゃあ服が渇くまで、ここで時間をつぶさなきゃいけないな」

「えひぃ♡♡あはぁ♡♡うひぃぃ♡♡♡」

 

カズマはさも当然と言った声色で宣言する。

その言葉の意味するところを理解している私は、何ともだらしない笑顔で呻くのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「んお゛お゛おぉぉぉぉ!!あぉぉぉぉぉ!!」

「うっ…!ふっ…!」

 

シートの上でカズマと交わる。二人とも既に服は着ておらず一糸まとわぬ姿に成り下がっている。

今の体位は互いが四つん這い同士の後背位だ。

身も心も獣になってがむしゃらに愛をむさぼりあうのだ。

 

互いに全ての服を脱いで獣のように交わる。

互いに人の言葉を話さずに一心不乱に快楽にふける。

屋外で服を全て脱ぐ、という行為に忌避感はない。恥ずかしさも薄く、愛を語らうのにはこれが最適のことだと思えるからだ。

青空の下、二匹の獣になりきって身体を重ねる。素晴らしいことだと思う。

 

脱いだ私達の服は傍にある木に干されている。その日ごとにおしっこや愛液や精液で汚れる服をカズマの『クリエイトウォーター』で簡単に洗うのだが、脱水が不十分なので完全に乾くまでは時間がかかる。

服が渇くまでこの場から離れられない、だからセックスをして時間を潰すというのが真のお楽しみの言い訳だ。

けれどいくら時間がかかろうと問題ない。

爆裂魔法の後の交尾は、なんというか、燃えるのだ。

 

「お゛っ!お゛っ!お゛っ!お゛っ!」

 

カズマが小刻みな抽送に変えて、私の口からは短い喘ぎ声が漏れる。

カリと竿を交互に行き来する浅いピストンを繰り返し、連続で便を出す快楽を叩きこんでくる。

愛の営みなのに今使っているのはお尻の穴。愛を成すことは出来ない。

それを意識させるような腰使いに、酷く背徳的な気分になってゾクゾクと身もだえる。

 

「あ゛い゛っ!?くおぉぉぉぉッ!!」

 

浅いピストンからいきなり奥まで突きこまれる。

不意打ちの一撃に私は背中をのけ反って雄叫びを上げる。

 

「ふぉぉぉぉ…!きひいぃぃぃ…!」

 

カズマがまたもや腰の動きを変えたのだ。

今度は浅いピストンから奥への突き入れに移行して、そこからゆっくりと一物を引き抜きだした。

カズマの標準よりも長い一物を活かした気の遠くなるような深い引き抜き。

ゆっくりゆっくりと一物を引き抜く快楽に、お尻の穴特有の快楽に、私は頭を掻きむしって耐える。

ずろろろろと下品な音を出して一物が抜けていく。

このお尻の穴から引き抜く快楽は何度味わっても強烈で、私は引き抜かれるたびにのた打ち回って快楽を逃そうとするが叶わない。抜いている最中ずっと絶頂を味わされている。

カズマの腰の動きに私は翻弄されっぱなしなのだ。

 

「お゛お゛お゛おぉぉぉぉ!!はおおおぉぉ!!」

 

手を変え品を変えカズマが私を狂わせる。

私は血液以外のほぼ全ての体液をまき散らしてイキまくる。

気持ちいい。楽しい。嬉しい。幸せ。愛おしい。

あらゆる善の感情があふれ出して頭の中がパーになってしまうのではないか。

けれどそれもいいかもしれない。

 

何も気にせずに、ずっとこのままカズマと繋がっていたい。

この気持ちを伝えてずっとセックスを続けていたい。

だけど今の私には人の言葉をしゃべる余裕がなく、口からは獣の声が出るばかりだ。

カズマ自体も屋外で獣のように交わるこのひと時にひどく興奮しており、うめき声を上げて腰を振る。

 

「うぐっ!ぐぅぅぅ……!」

「あきゅううぅぅ!!うきゅううぅぅ!!」

 

一物が膨れて、カズマが私のお尻の中へ本日三回目の射精をした。

その衝撃に盛大にイッた私は、四つん這いの態勢から力なく倒れ、寝そべってしまう。

「はうぅぅ…!」と絶頂の余韻に肩を震わせて、しばし訪れた小休止に身体をいたわる。

だが、カズマは容赦がない。

私の奥で射精をしたまま歯を食いしばって、そのまま次の抽送を開始したのだ。

 

「あ゛お゛お゛お゛っ!?お゛お゛お゛お゛っ!!」

 

後背位から寝バックへ移行する。

カズマは射精をしたことを感じさせない硬度を保った一物で、私のお尻の穴と子宮を責めだしたのだ。

これ!これはたまらない!

お尻の穴と子宮を同時に責められるこの動きは私の特大の弱点だ。

決して妊娠することのないセックスなのに、私の子宮は愛しい人の子供を授かろうと歓喜に震えている。

その震えが私の身体に伝わって、私はガクガクと痙攣をおこしてしまうのだ。

 

「あ゛お゛っ!?くおぉぉぉぉ!!」

 

寝そべった私は地面に敷かれたシートを掴んでぐしゃぐしゃと掻きむしる。

快楽が強すぎる。

カズマの腰振りは激しく、私のお尻の穴からはボッボッと空気と水音が混じった独特の音が奏でられている。

抽送の速さによってお尻の中の空気が抜けていき、腸壁がカズマの一物に吸盤のように吸い付く。その気持ちよさがカズマを後押しして、ピストンをより力強く、高速にしていく。

 

「ふぐっ!!うぐうぅ……!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?あ゛あ゛あ゛あおおぉぉ……!!」

 

カズマがズドンといった勢いで子宮を叩いて射精した。

私はわなないて熱いマグマのような精液を受け止める。膣に出されたと勘違いしてしまった子宮が精液を飲み干そうと収縮する。

どぷどぷと聞こえてきそうな量の精液を注ぎ込まれる。

カズマの一物は長さと回数も異常だが量も素晴らしい。先程までの吐精も含めてあっという間に私のお腹は膨れてしまった。

 

カズマが私の上に倒れ込んでくる。

精液で膨れたお腹が圧迫されて苦しいが、深い深い絶頂の余韻に私は呆けてしまって動くことが出来ない。馬車に轢かれたカエルのように伸びきってしまう。

そんな姿の上でカズマは私の後頭部に顔を埋めて、私の髪の匂いを嗅いでいる。

 

くんくんと嗅いでいると、もうカズマの一物が復活して長さと硬さを取り戻す。

本当に絶倫だ。そして恐ろしい。もう次の抽送を始めようとしている。

 

絶頂の余韻から回復した私は次の行為が始まる前にするべきことをするために、顔を起こして久しぶりに人間に立ち返る。

 

「…か、かずま…。お腹が…」

「あ、もうか?」

 

カズマはピストンを開始しようとしていた動きを止めて、右手を私の体の下に差し込む。

左手と足に力を込めて四つん這いになりながら私の体を引き起こし、四つん這い同士の格好に戻った。

 

そのまま繋がった状態でのそのそとシートの外へと移動すると、ゆっくりと一物を引き抜いた。

 

「あひぃっ!」

 

ちゅぽんと抜かれた一物。

精液まみれのそれがとてもおいしそうだが、余計なことはせずに私はシートから離れた場所でしゃがみ込んだ。いわゆるうんちポーズだ。

 

「ふぅぅ…!」

 

お腹に力を込めて中に溜まった精液を排出しようとイキむ。

いくら獣になっているとはいえ、やはりこの瞬間は恥ずかしい。羞恥で顔が赤くなる。

そこへカズマが四つん這いのまま私の正面に回り込んで、顔を覗き込んできた。

 

「あっちへ…行ってて下さいよ…」

「やだよ。めぐみんが世界一可愛い瞬間だからな。一瞬たりとも見逃さないぞ」

 

カズマはにやにやとした顔でそんなことを言ってくる。

何が世界一可愛い瞬間ですか。普通ならこんな瞬間、百年の恋も冷めるってもんですよ。

私はこれからすることへの恥ずかしさと、手放しで褒められたことへの恥ずかしさ。

二重の恥ずかしさで顔を背けたが、その先にカズマが回り込んで見つめて来る。

 

しばし黙ったまま反らして見つめての応酬を続けていたが、私はついに根負けしてしまってカズマの方を見つめ返した。

 

「…嫌いになったりしませんか?」

「まさか、お前は俺のものだ。嫌いになったりするもんか」

 

…実はこのやり取りもほぼ毎日行なっている。毎回私は恥ずかしがってカズマの愛を確かめるのだ。

確認を済ませた私はお腹に力を入れていきむ。

 

「ふ…む…」

 

でもやっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいので耳まで真っ赤にしながらお尻からカズマの精液を排出した。

 

「うぅぅぅ…!ううぅぅぅ…!!」

 

下品な音を立てて精液が地面に広がっていく。

私は唇を噛んで羞恥に耐える。その様子を嬉しそうに眺めていたカズマが手を差し伸べて私の頭をよしよしと撫でてくれた。

まるで初めて上手に排便が出来た子供をあやすかのように、優しくしっかりとした手付きで私を褒める。

 

「ふぅ…!んふぅ…!」

 

なんですかこの状況は。

明らかに人として終わっているというのに、恥ずかしくて、嬉しくて、どうしようもなく興奮してしまう。

荒い息を吐きながら全ての精液を吐き出すと、全部分かっているよとばかりにカズマは私を優しく抱きとめてキスをしてくれた。

 

「ちゅ…んぱっ…じゅる…」

 

良くやった。偉いぞ。大好きだよ。

そんな言葉が聞こえて来そうな濃厚なキス。

あぁ、目の前で精液を出すというのは未だに慣れないけれど、終わった後のこの触れ合いは何物にも変えられない。

しばし唇を重ねあい、倒錯した愛を語り合った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

キスをし終えたカズマがシートの上にゴロンと横になった。

私もその横に添い寝して、カズマに抱き着く。

まだ夏とは言えない季節。晴れているとはいえ、全裸だと少し寒い。まるで冬場の猫のようにカズマの胸に頭を擦り付けて甘えつつ暖をとる。カズマも手を伸ばして私の背中を撫でてくれる。

 

柔らかな時間だ。二人で裸のまま身体を重ねて空をゆく雲を眺める。

ずっとこんな日々を過ごしていきたい。

そんなことをぼんやりと考えていると、背中を撫でるカズマの手に違和感を感じる。先程までは優しさを感じる撫で方だったのに、今ではそこにいやらしい感情が込められているように感じる。背中を撫でられるという行為も、カズマの手でやられるだけで何とも言えないゾクゾクとした気持ち良さを感じる。

視線を下に移すとカズマの下半身の一物は天高く起立していた。

本当に絶倫だと思う。

 

一物は小刻みにピクピクと揺れており、精液と腸液が混じった液体で艶めかしくテカっている。

思わずゴクリと生唾を飲んだ。

蜂蜜をまぶした餌を前にした熊のように、のそのそと一物に向かって顔を近づけようと動いた。

しかし、その動きを察知したカズマが私の肩に手をかけて、無言で首を横にふる。

 

どうやらダメらしい。

カズマはお尻での交尾が始まると、私が一物を咥えるのを禁止する。

なんでも病気になるからだそうだ。

 

こんな極上の獲物を前に我慢させるなんて、本当に酷い人だ。

 

仕方なく一物を目で追っていると一物はより一層小刻みに揺れ、血管が浮き上がるほどに硬くなっていく。

 

じゅる

 

口からどんどんと唾液が分泌して涎が出てしまいそうになる。お尻からは新しい腸液がトロトロと溢れ出して早くしろと急かしてくる。

 

欲しい。カズマの物が欲しい。

 

私達の格好を見る。

互いに全裸のまま。つまり獣だ。

ならば獣らしくやりたいことをやりたい時にすればいいではないか。

 

私は四つん這いになってハイハイでカズマの上に移動する。その様をカズマは心底楽しそうに嬉しそうに眺めている。

 

顔をカズマの方に向けた状態で、一物をお尻の穴にあてがうようカズマにまたがる。

そのまま、了解を得ずに、少しずつ腰を沈めていった。

 

ずぷぷぷぷ

 

「ふぉぉぉ…」

 

無意識に漏れる声。

何度味わっても飽きることのない感触。

驚きとも、歓喜とも取れる声を出して一物を根元まで咥え込んだ。

 

長い。

あり得ない所まで入った一物。

カズマの存在をこれでもかと感じる。

もっとカズマを感じたくて、私は腰を動かし出した。

 

「ふぉぉぉ…!ほぉぉぉ…!」

 

カズマの物をゆっくりと引き抜こうと動く。

長い。本当に長い。

自分から腰を動かすことでその長さをより実感する。

足で腰を持ち上げて引き抜こうとしたが長すぎてそれは難しい。そこで私は小型の手漕ぎ船をこぐように、頭を下げて代わりに腰を持ち上げた。カズマの一物が抜け切ろうとした瞬間に腰を落として一気に一物を奥まで挿入した。

 

「あっへぇ…!!ひぃぁ…!」

 

再び根元まで入った一物。

私は天を仰ぎ身体をビクつかせて絶頂してしまう。

カズマは一切身体を動かさず、むしろ頭の後ろで手を組んで枕にして、その様子を楽しそうに眺めている。

 

奥まで入ったなら今度は引き抜きだ。

私はまた頭を前に倒して一物を引き抜き、頭を起こして腰を落とし、一物を咥え直した。

 

ギッコンバッコン

 

まるで馬に乗って襲歩と速歩を繰り返すような動き。騎乗位とはよく言ったものだ。

カズマを馬に見立てて、何度も乗馬を楽しむ。

 

「へっへっ…あおっ…へおっ…」

 

犬のように舌を出して浅く息を吐いてしまう。カズマの胸に何か垂れて、それが自分の口からしだれ落ちた唾液だと気付いたのはしばらくした後で、どうやら我も忘れて腰を振って快楽にふけっていたようだった。

カズマを見ると、ニヤニヤと私を意地悪そうに見ていて、一体どんな顔で腰を振っていたのだ!と恥ずかしくなって顔を赤くさせた。

 

今までも私の感じた顔はカズマに見られているが、今は自ら動いて快楽にふけっている顔だ。状況が違う。

 

私は耳まで赤くなった顔を隠すようにカズマの上に乗ったまま180度回転して、カズマの視線から逃れた。

私の背中をカズマに見せるような体位。背面騎乗位。これなら顔を見られることもないだろう。

私はまた手漕ぎ船をこぐように身体を動かしだした。

 

「あぉぉ…!ふぉぉ…!」

 

私は舌をだらんと出して呆けた顔をしながらゆっさゆっさと上下に腰を動かす。

カズマは微動だにせず、なすがままになっている。

私がカズマを犯している。私がカズマをおもちゃのように扱っている。

そんな気持ちに支配されて、忘れていた攻めっ気を思い出して一心不乱に腰を振った。

 

「あ゛お゛っ!?くおぉぉぉ!!」

 

突然、私は野太い声を上げて身体をビクつかせてしまった。

あぁ、ここ。ここだ。

 

私の雑な勢いだけの腰振りがとうとう子宮を刺激する位置を見つけ出したのだ。その瞬間に訪れた甘い痺れ。

感じていた攻めっ気など霧散した。これから起きる快楽の強さに怖くなって動きを止めた後、意を決してそこを刺激しだした。

 

「お゛お゛っ!お゛っ!お゛っ!」

 

とんとん、とんとん。

お尻の裏側から子宮をノックする。

おっかなびっくりな動きでも、そこはあり得ない快楽を私に伝えてきてくれる。

いつか行う子作りの予行練習のように。私の子宮にカズマの物を認識させる。

 

「あへっ♡へあぁ♡あひぃっ♡♡!」

 

口の端からは涎がだらだらと溢れ出していく。

もう完全に躾けられている。子宮がカズマの言いなりになっているのだ。

欲しい。カズマの精液が欲しい。

まるでサキュバスになってしまったかのようにただ無心で腰を動かして、カズマの精液を所望する。

 

あぁだけど、ダメだ。

一物は硬くなってはいるが射精の予兆は見えない。

いくら腰を振っても、いくら弱点をさらけ出しても、カズマの一物は応えてくれない。

 

やがて努力むなしく、私は限界に達してしまった。

 

「うっ!ううっ!ううぅぅぅ…!うううぅぅぅ…!!」

 

私は泣くような声を出して絶頂する。

両手で肩を抱いて、くねくねと身体をよじる。

私だけがイッて、カズマの物は変わらずだ。

 

今までのセックスで一番悲しい絶頂。

 

足らない。全然足らない。

絶頂はしたがカズマとのセックスはこんなものではない。

悲しい。寂しい。泣いてしまいそうだ。いや、本当に涙が流れてしまう。

涙で、涎で、鼻水で、顔がぐしょくしょだ。違う意味でこんな顔見せたくない。気持ちを落ち着けようと下を向いた瞬間に

 

「めぐみん」

 

不意にカズマが声をかけてきた。

 

優しい声だ。

なんだか久しぶりにカズマの声を聴いた気がして、私の心はきゅううと締めつけられる。

 

「めぐみん、こっちにおいで」

 

カズマはそう言ってきた。

わずかな心の機微を察して、すぐに声をかけてくれたのだ。

あぁ、私の愛しい人。私のすべてを理解している人。

私は背面騎乗位の態勢からカズマの方へ身体を倒して、仰向けに寝転がった後背位になる。

 

「かじゅまぁ…んぱっ!ちゅぶっ!じゅる!」

 

首を横にしてカズマと無理やりキスをする。

カズマも頭を動かしてキスをしやすい位置にまで持ってきて、右手で私の髪をすいてくれた。

身体がカズマの上にある。

愛しいぬくもりに包まれて、火を移されたように私の身体もどんどん熱くなっていく。

カズマは私の太陽なのだ。

 

「んぱっ…!ごめんな、めぐみん。意地悪しちゃったな。今度はちゃんと愛してやるぞ」

 

カズマが唇を離してそんなことを言う。

あぁ、嬉しい。いっぱいいっぱい愛して欲しい。

 

カズマの言葉に私の心はときめき、お尻はぎゅぅぅぅっと締め付けを強くする。

お尻の締め付けを肯定と取ったカズマは、髪をすいていた右手を動かして私の目を塞いだ。

 

「めぐみん、目を閉じていてくれ。俺の声と俺の体だけを感じるんだ。…怖くはないか?」

 

耳元でカズマの声がする。

背中で密着した肌。お尻の中に埋まった一物。そして声。

大丈夫だ、私達は一つだ、怖くなどない。

 

私が小さくうなづくのを確認するとカズマが顔から手を離す。目は瞑ったままなので何も見えないが、私の視界は太陽を感じて淡いオレンジ色に染まっている。

 

「んひっ!?」

 

カズマが何をしてくるのか。

目を閉じて、期待で身体を熱くさせていると、不意に両胸をなぞられて声を上げてしまった。

 

どうやらカズマの指…おそらく人差し指だけで私の胸に触れたのだろう。

耳元からカズマの声が聞こえる。

 

「今日のマッサージでめぐみんの乳首はクリトリスみたいに敏感になってるんじゃないか?どうせだから今日はとことん乳首を責めて、めぐみんの弱点を増やしてみようと思う」

 

そう言うと脇のそばで立てていた人差し指を、乳首を中心に螺旋を描くように動かしだした。

 

「あぁ…そんな…だめです…」

 

私は力なく否定するが、ウキウキとした心が体温をどんどんと上げていく。

 

「今、俺の指がめぐみんの胸の上を滑るように刺激している。向かう先は頂上。一番敏感な場所だ」

「ふぅ…♡う…ふぅ♡」

 

カズマが耳元でささやく。

その声に呼応するように、ゆっくりゆっくりと螺旋を描く指は、中心地点に向かって進んで行く。

頭の中をカズマの声が響き、胸から甘い痺れを感じる。私はもじもじと身体をくねらせてお尻に入った一物を締め付けてしまう。

 

「めぐみんの身体は全身が性感帯のように敏感で、俺のちょっとした指の動きも震えるほど感じちゃうんだ」

「はぁ♡うん♡ふぅ♡」

 

カズマの言う通り私の身体は敏感になり、頭の中で指が通った場所だけが光の軌跡のように輝いている。

 

「胸だけじゃない。お尻に入った俺の物も刺激的だ。決して妊娠しないのに、子種を求めて子宮が収縮してどんどんと性感が高まっていくぞ」

「あぉぉ♡ふぉぉ♡くぅぅ♡」

 

カズマの言葉に子宮が震える。

不浄の穴に入っているのに種を所望する。なんていやらしい身体なのだろう。

 

「お尻ばかり気を向けてはダメだ。胸もあと僅かで乳首に到達するぞ。あと少し、あと少し」

「あぁ♡は、早く♡」

 

乳首の周りで指がくるくると回り出す。焦らさないで早くして欲しい。

 

「乳首に意識を向けると子宮が嫉妬しちゃうぞ。子宮が気を引こうと乳首に負けずと自己主張していく」

「お゛っ♡お゛お♡」

 

カズマの一物が子宮の裏側をぐりっと刺激した。

し、子宮はダメです。反則ですよ。

 

私が腰を引いて子宮を押し上げる動きから逃れようとした瞬間に、カズマの指が私の両方の乳首をピンと弾いた。

 

「あ゛お゛っ♡♡お゛っ♡」

「子宮ばっかり意識するな。乳首も気にしなきゃ」

 

カズマがまるで私の乳首の言葉を代弁するかのように私の態度をたしなめる。ピンと弾いた後は再び乳首の周りをくるくると回りだしている。

 

私の乳首はカズマの言う通りクリトリスもかくやと言えるほどに敏感な物に変貌していた。

そこをピンと弾かれた私は胸を仰け反らせて喘いでしまったのだが

 

「乳首ばかりずるいぞ。子宮だってあるんだからな」

「んお゛っ♡お゛お゛っ♡」

 

子宮をトンとひと突きされて腰を浮かされてしまった。ひと突きした後は微動だにせず、あくまで意識を向けさせるだけだ。

 

「ほら、乳首がお留守だぞ」

「くぉっ♡」

「子宮も忘れちゃダメだ」

「あお゛っ♡」

 

乳首と子宮を交互に刺激される。

その度に私の身体は上半身と下半身が代わり番こに持ち上がって、まるで尺取り虫のようにクネクネと跳ねてしまう。

 

こ、こんなの酷すぎる♡

ひと思いに激しく責めればいいものを、まるで私をおもちゃみたいに…カズマに遊ばれてしまっている♡

 

「さっきはめぐみんが俺のちんこで遊んでいたからな。今度は俺がめぐみんの身体を好きなように遊び倒すから」

 

私の心の動きを的確に捉えているのか、耳元でカズマがそう宣言した。

だ、ダメだ。これはダメなやつだ。

こんな遊び方をされたら私はおかしくなってしまう。

私が泣きの言葉を出そうとした瞬間に、カズマが機先を制して次の行動を開始した。

 

「じゅるっ!じゅっ!れろっ!ちゅる!」

「うひぃっ♡!ひぃぃ♡!あひぃ♡」

 

カズマが私の左耳の穴に舌を入れて、音を立てて舐め出したのだ。

突然の攻撃に私の身体は硬直してしまい、死後硬直で固まったゾンビのように両手を天に突き上げて鳴いてしまう。

淡い暗闇の中、頭にこだまする水音。

脳みそを舐められているような気持ち良さに、全身から汗が吹き出す。

そんなメロメロの私の下でカズマが怪しく動き出すのが分かった。

 

「あ゛お゛おっ♡くおぉぉぉ♡」

 

耳を舐められながら忘れちゃ困ると乳首と子宮を同時に刺激してきたのだ。

乳首を摘ままれ、子宮をこねくりまわされる。

先程まではライバルのように競り合っていたのに、こんな時ばかり歩調を合わせて私を狂わせにかかる。私の身体なのに、全然言うことを聞いてくれない。

 

耳と乳首と子宮。

それらを同時に責められた私は突き出していた両腕を顔の横に、足をがに股…おなじみの服従ポーズを取ってしまった。

その体勢になった私をすかさずカズマの腕と足が絡み付いてがしっりとホールドしてくる。私は身動き一つ取れない状態にさせられる。

カズマが耳から口を離して不敵に笑った。

 

「…捕まえた。これでめぐみんは逃げられないぞ」

「あぁ♡あぁぁぁぁ…♡」

 

ツボを抑えた言葉に私はとろけた声を出してしまう。

そして

 

「あ゛お゛お゛お゛お゛っ♡♡お゛お゛お゛お゛お゛っ♡♡♡」

 

カズマは硬くしこりになった乳首をシコシコとしごきながら、一物を動かして子宮をトントンとリズミカルに刺激しだしたのだ。

こんな。こんな、私好みのシチュエーションにこの気持ち良さ。一瞬で私は深く絶頂してイキまくる。

 

「ふふ、俺が射精するまでずっとこのまま愛してやるよ。だけどこの体勢だとあんまり動けないから、射精するのはいつになるやら…」

「そんな゛っ♡♡!たずけでっ♡♡!だずげでっ♡♡!!」

「んじゅっ!ちゅぼっ!じゅるっ!」

 

カズマの気の済むまでこんな責めを続ける。あまりの気持ちよさ。思わず私は全然本意じゃない助けを求めたが、それを分かっているとばかりにカズマは耳舐めを再開した。

私の言葉など聞く耳持たない。

冷酷にそう宣言されたようで、私は絶望と…それ以上の喜びに支配された。

 

「だずげてっ♡♡あ゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ♡♡じぬっ♡♡しんじゃいま゛すっ♡♡」

 

自分の被虐心を満たす言葉。カズマの加虐心を満たす言葉。

私の口からは喜びを隠せない悲壮な言葉が紡がれて、その響きにカズマは気を良くして乳首のしごきを加速させる。

 

「くお゛お゛お゛お♡♡うひぃぃぃっ♡♡」

 

新たなクリトリスとなった私の両乳首。むしろ包皮を持っていない分、よりたちが悪い。

それをカズマは容赦なく弄りまわす。

私は身体を縮こませてカズマの指から逃れようとするが、拘束されているためそれは叶わず、むしろ私の下にいるカズマが逃がすまいと身体を反らして私の体も連動してのけ反らせにかかる。

そして、のけ反ったことで乳首への意識が高まったと見るや、より一層シコシコと指を動かしてくる。

 

「うお゛っ♡お゛お゛っ♡だ、だすけっ♡ゆるじてっ♡♡」

 

許す訳がない。私がそれを望んでいないことなどカズマはお見通しだからだ。

 

乳首への責めを激しくしている最中、子宮への責めも継続的に続けられていた。

しかし、カズマも言った通りこの体勢だと腰を激しく動かすことは出来ないのか、カズマは腰をゆっくりとグラインドしてお尻側から子宮をぐりんぐりんと刺激するだけにとどめていた。

それだけ聞くと大したことないかと思えるかもしれないが、とんでもない。

子宮を責められるだけで私の頭の中には多幸感溢れる脳内麻薬が分泌されており、一回一回の動きで私の頭はとろとろにとろけてしまうのだ。

しかも一回一回と言ったが、今の動きは一回という区切りが無く絶えず子宮が刺激されている。常に頭がおかしくなってしまうのだ。

 

「お゛お゛天国っ♡♡てんごくうぅっ♡♡お゛お゛っ♡♡」

 

天国。ここは天国なのだ。

カズマに無残にイカされまくる。

 

「あ゛っ♡!?あ゛お゛お゛おっ♡♡!!お゛お゛お゛お゛んっ♡♡!!」

 

いよいよ限界に達した私が自ら身体をのけ反らして盛大に絶頂する。

腰をカクカクと振って、何もない空中と交尾をしているように無様に動かす。

しょわわと音を立てて、新たに生成されたおしっこをまき散らしてしまう。

酷い絶頂。人として終わっている。

しかし、先ほど騎乗位で感じた悲しさは微塵もない。

あぁ、幸せ。カズマに気持ちよくしてもらうのは本当に幸せなのだ。

 

私の腰のカクつきが一際大きくなってぶるっと震えた後、私は力なくカズマの身体の上に着陸した。カズマは乳首から指を離し、耳を舐めるのを止めてくれたが、子宮へのグラインドはそのままだ。

 

「うぅぅ♡♡うぅぅぅ♡♡」

 

激しい絶頂をしても完全には休ませてくれない。

本当に容赦のない人だ。

そんな所も大好きだ。

 

私は舌をだらんと出して、甘い呻き声を上げることしかできない。

目は未だに閉じたまま、カズマの言いつけを順守している。

そんな中、私の口にカズマの指らしきものが付きつけられた。

 

「んじゅぼっ!?んぶっ!?んふぅ♡じゅふぅ♡♡」

 

カズマの手が私の口に挿入されて、指が私の舌をこねくり回してきた。

突然の出来事に私は驚きの呻きを上げるが、舌に指が触れた瞬間にあまりの気持ちよさにトロンととろけてしまった。

先程ドレインタッチで受けた舌への責め。それによって乳首程ではないが舌も敏感な性感帯に様変わりしていたのだ。

 

「んじゅぶ♡じゅぼっ♡えはぁっ♡♡」

 

こんなの、ダメだ。

食事をするたびに舌で感じる変態女になってしまったのではないだろうか。

……そうしたら責任とって毎回の食事をカズマの口移しの流動食にしてもらわなければ。

目をつむっている私にはそんな淫靡な光景がありありと幻視できる。

妄想でしかないのに、現実のことのように感じて、それだけでより興奮緒度合いを高めていく。

 

そんな倒錯的なことを考えていると耳元で水音が聞こえる。

カズマの指を舐める私の口と似たような音。おそらくカズマが私に突っ込んでいる手とは逆の方の手を自分の口に含んでいるのだろう。

勿体ない。そんなことしないで私に入れて欲しいのに。どうして私の口は一つしかないのだ。

隣の水音に負けないようより淫靡に、口内の指をしゃぶり、気持ちよくなった。

 

「ちゅぽっ♡あっ♡!?」

 

十分に唾液を絡めさせた後に指が口から抜き出された。

思わず舌を伸ばして離れて行ってしまったものを求める。

その様子にカズマは嬉しそうな声を上げた。

 

「ふふ、随分余裕そうだなめぐみん」

 

無様な恰好で、おしっこをまき散らしながら深イキする。

今も子宮はぐりぐりと刺激されて軽い絶頂を迎え続けている。

どこに余裕があるのだろうか。

見当違いなことを言うこの男に、私はきちんと訂正することにした。

 

「こ、こんなの…♡よゆうですよぉぉ♡わたしはぁ、絶対にイッたりしませんからぁ♡♡」

 

私の内心とは裏腹に口からはカズマを挑発する言葉が出て来る。

あぁ、言ってしまった。そんなこと言ったら…

カズマはその言葉にぞくぞくきているのか、声を震わせて言葉を返す。

 

「はは、そう言われたらもう容赦はしないぞ。今日はとことんイキ狂わせてやるよ」

 

イキ狂わせる。

その言葉に甘い痙攣を続ける子宮が嬉しそうに飛び跳ねているのが分かる。

 

カズマは笑いながら宣言した。

 

「第二ラウンドだ」

 

そう言うと私とカズマの唾液でべとべとの両手を私の胸に被せてきた。

もちろん、狙いは乳首だ。

 

「くお゛お゛っ♡♡!?これ、だめ♡♡だめですぅ♡♡」

 

唾液を乳首に塗られる。それだけだ。

ドレインタッチもされていないし、まだしごかれてもいない。

それなのに予想以上の気持ちよさに、私は早くも自分の挑発を後悔していた。

 

「もう泣きごとか?でも容赦しないって言っただろ。じゃあいくぞ」

 

私の後悔を感じているのかいないのか。いや、これは分かっているが関係ないと思っているのだろう。

カズマが唾液で濡れた乳首をシコシコとしごき出した。

 

「お゛お゛ッ♡♡!?イ゛ッだッ♡♡もう゛イッだッ♡♡うひいぃぃ♡♡!!ひぃぃぃ♡♡!!」

「何言っているんだ。めぐみんはイッたりしないんだろ?そんな言葉に俺は騙されないからな」

 

しごき始めた瞬間に体中に電流が走り深く絶頂する。

私の両胸に出来た新しいクリトリスは、唾液まみれのしごきが相当お気に召したようで、褒美とばかりに私の頭におかしくなるような快楽をもたらしてくる。

カズマは早くもイキ散らかしている私を見ても責めを緩めたりはしない。

有言実行。今日はイキ狂うまで止まらないのだ。

 

「ぐぎゅっ♡♡うきゅっ♡♡かはっ♡♡……あきゃああああっっ♡♡」

 

気持ちよすぎる快楽に私は一瞬気を失ってしまうが、すぐに絶頂で覚醒する。

乳首に負けないぞとばかりに子宮の責めも小刻みなものに変わり、子宮自体の収縮と合わせて私の体を震わせる。

 

「どめでっ♡どめっ♡お゛お゛っ♡お゛お゛お゛っ♡」

「とめないよ」

 

私の懇願に簡潔に一言。それだけ言うと、無慈悲にシコシコと乳首をしごき、子宮を刺激し続ける。

止めて。止めないで。

助けて。もっとして。

矛盾した思考回路を寸断するような激しい快楽が私を襲う。

 

「あ゛きゃああっ♡♡うぷっ!?んじゅぷっ♡♡えぶっ♡♡」

 

舌を伸ばしてのけ反っていた顔に突然、カズマの手が突っ込まれた。

右手を突っ込まれたようで右乳首への責めは無くなったが左乳首は相変わらずで、舌への刺激に差し替わっただけだ。どちらがましかは微妙な所だ。

どうやらカズマの手は唾液の補充に来たようだった。

 

激しい乳首責めのため潤滑油代わりの唾液がすぐに乾いてしまう。

唾液が無くなれば乳首への負担も増えてしまうので、常に潤った状態を保つために私の口から唾液を受け取りに来たようなのだが…。

 

「じゅぼっ♡じゅぶっ♡ぷはぁッ♡」

 

唾液を受け取ったらすぐに手が抜かれる。これでは唾液を溜めた蜜壺だ。まるで物のような扱い。

だが、そんな乱雑な扱いが私の自覚せざるを得ないマゾッ気に火をつける。

 

唾液が乾いた独特の匂いが鼻に付くが、私とカズマの唾液が混じった物だと思うと、凄くいい匂いだと錯覚してしまう。

そこへ新たな唾液が塗りたくられて乳首の滑りが復活した。

 

「くお゛っ♡お゛んっ♡お゛んっ♡お゛っ♡♡」

 

舌を突き出して野太い声で喘ぐ。

しょっぱい味が口の端から口内に侵入するが、恐らく鼻水か涙か。

目をつむった暗闇の中、自分の状態も分からず、カズマのされるがままイキまくる。

 

「む゛りっ♡むりですっ♡♡も゛う゛イッだのに゛っ♡♡イッだッ♡♡」

「そうか、よかった。遠慮するな。もっともっとイクんだぞ」

 

あくまで優しいカズマの声。カズマは私を想ってこんな激しい責めをしているのだ。

ならこれは私の為?私がしたいこと?私の望む事?

分からない。ただただ気持ちよくて頭が働かない。

 

「うぎゅっ♡♡イグっ♡イグッ♡♡う゛うぅぅぅッ♡♡!!」

 

大きくのけ反って特大の絶頂をする。

腰をかくつかせてブリッジしたまま腰を振る。カズマに手足を絡められて動けないが、絶頂が激しすぎてまるで暴れているようだ。

 

「お゛お゛お゛っ♡♡!?あ゛お゛お゛お゛お゛ん♡♡!!」

 

獣の声で遠吠えする。激しい絶頂だ。

けれどこれなら少しは休めるかもしれない。

そんな安直なこと、カズマが許さないと分かっていたはずなのに。

 

「あ゛お゛っ♡!?お゛お゛おっ♡♡!?」

 

こんな激しい絶頂をしても、カズマは乳首も子宮も責めるのを止めない。

弛緩することも許されずに再び絶頂の渦に呑まれていく。

痙攣の仕方がガクンガクンと壊れたおもちゃのような物に変わる。

 

壊れる!

壊れるッ!

こわれる!

こわれる…!

こわ…

 

その瞬間、私の中の何かが切れた。

糸が切れた人形のようにがくりとカズマの上に寝そべり、舌を出して笑いだす。

 

「あへぇ♡あはぁ♡あひひ♡」

 

今まで閉じられていた目がゆっくりと開く。

その目は真赤に光っているがどこも見ていない。中空を捉えているようにも、呆けているようにも見えるだろう。

穏やかな菩薩のような表情。

 

『トランス状態に入ったのですね』

 

精神だけになった『私』がガッチリと絡まった「私」とカズマを見下ろす。

トランス状態に入ったことをカズマも気づいているだろうに、全く責めを緩める様子がない。

 

「あひぃ♡ひぃぃ♡」

 

その上で楽しそうに笑う「私」を、若干羨ましそうに『私』は見つめていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

容赦はしないと言う言葉は、本当だった。

 

「あぉぉ♡ふぉぉ♡」

 

未だに乳首をしごかれ、子宮を責められてイキ散らかす身体の「私」。

時たま唾液を補充しては胸に塗りたくり、滑りが良くなった乳首を責められてまた深く絶頂する。

ある種の作業のようなもので絶頂へ導かれていた。

 

「くりぃ♡くりとりすがぁ♡おぉぉ♡」

 

しかし、トランス状態になってから少し変わったことがある。

それは抜け殻の「私」から時たまクリトリスに関する喘ぎがもれるのだ。

けれど「私」への責めはトランス状態に入る前から変わりない。乳首と子宮、たまに舌。「私」のクリトリスはカズマは触れていない。「私」の、は。

 

『くおぉぉぉ♡♡ゆるしてっ♡♡許して下さいっ♡♡』

『駄目だ。今日はイキ狂わせるって決めたんだからな』

 

精神だけになった『私』

今の『私』はカズマの顔にまたがってクリトリスを強烈にしゃぶられていた。

その余波が身体の「私」に流れて、うめき声になって漏れ出しているのだ。

 

『私』も最初は驚いた。

体の「私」とカズマとの触れ合いを見ながら、オナニーをしていたらいきなり『私』の頭の中に声が響いたのだから。

 

『めぐみんのクリトリスを舐めたいからこっちに来てくれ』

 

声の持ち主はもちろんカズマだ。

驚いて「私」を責め続けるカズマを見ると、しっかりと空中に浮かぶ『私』を見つめて、こくりと頷いていた。

 

どうして?なんで?どういう理屈で?

色々疑問は沸いたが、すぐに答えは分かった。

愛だ。これが愛の力なのだ。

二人は繋がっているのだから、ちっとも不思議ではない。

 

むしろ『私』にとってこの状態の『私』を一人にさせないカズマの優しさが嬉しくて嬉しくて、ふよふよとカズマに近づいてキスを迫った。

 

『んちゅっ♡ちゅるっ♡んぱっ♡』

「じゅるっ!ちゅっ!んちゅ!」

 

精神の『私』と肉体のカズマでキスをする。

文字通り心まで愛してもらう。女に生まれて、これほどまでに嬉しいことがあるだろうか。

 

しばし無心でキスを続けていると、体の方の「私」が「えあぁ♡んぁ♡」とうめきだした。

唇を離してカズマの隣を見ると、カズマの方に顔を向けて口を開き、舌を伸ばしている「私」が見えた。

 

「ふふ、こっちのめぐみんも本当に嫉妬深いな」

 

カズマは楽しそうに笑うと体の「私」の唇を奪い、濃厚なキスをする。

体の「私」は『私』が入っていないからどこかぎこちない様子だったが、しっかりと舌を絡め、乳首と子宮を責められて絶頂していた。

その目は虚空を眺めているはずなのに……なんだか『私』への優越感を感じさせる瞳で…あ、今うっすらと笑いましたよ!

 

『ずるい!私ともキスしてください!!』

「はいはい。本当にめぐみんは可愛いな」

 

カズマが体の「私」から口を離して、反対側の『私』とキスをする。

舌を絡めて、どうやったのか分からないが唾液を交換してキスに没頭していると、先程よりも若干不機嫌そうな「えあぁ♡!んはぁ♡!」という呻き声が聞こえだした。

 

「今度はこっちだな」

 

カズマが『私』から離れて「私」にキスをする。

『私』を得意そうに見る「私」。

あぁー!!もう!!

 

しばし、そうやって、交互にキスを楽しんだ私達だが、最初に根を上げたのはカズマだ。

 

「はい、おしまい。キスじゃなくて俺はクリトリスを舐めたいの」

 

そう言って両方の口吸いから逃れるように宣言した。

その言葉に『私』よりも不服そうだったのは体の「私」で、カズマの言葉を受けても舌を伸ばしてキスを求めた。

それに対してカズマの対応は抜かりない。

 

「あ゛お゛っ♡!?お゛お゛っ♡ふぉぉぉ♡♡」

 

キスの最中に少し控え目になっていた乳首への責めを激しくさせ、子宮を責めているのだろう腰を力強くグラインドしだしたのだ。

体の「私」はそれで完全敗北してしまい、再び虚空を眺めながら深い絶頂の渦へ飲み込まれてしまったようだ。

 

『これでよし。それじゃめぐみん、俺の顔にまたがって』

 

カズマの心の声が聞こえる。

『私』だけに向けた言葉。

それを嬉しく思いながらも、つい疑問の声を上げてしまった。

 

『…なんで、私に声をかけてくれたのですか?』

 

どうやってではない。それはもう確信をもって分かっている。

でも、なんで『私』まで。それは分からなかった。

カズマは『私』の目をしっかりと見つめて、理由を教えてくれた。

 

『…めぐみんは俺のものだ。寂しそうな顔をしているお前を一人にはさせない』

 

『私』は驚きで目を丸くしてしまう。

 

『このめぐみんも、お前も、俺のもの。ずっと傍に居てやるし、寂しい思いもさせない』

 

カズマは一度『私』から視線を外し、体の「私」の乳首を責めている手を離して優しく頭を撫で、その後に再び『私』の方を見た。

その仕草、言葉に『私』は深い愛を感じて、精神体ながら涙を流してしまう。

 

一方、体の方の「私」は乳首の快楽が突然止まったことを不思議そうにしていたが、思い出したかのように舌を伸ばしてカズマにキスを求めた。

 

「くお゛っ♡♡!?あひぃぃぃッ♡♡!!」

 

カズマはたしなめる様に乳首を優しくつねって、体の「私」はだらしなく腰を振る。

…我ながら体の方の「私」は、本当にしょうがないですね。いい雰囲気が台無しだ。

体の「私」の下品な声で感動の場面が何とも言えない淫靡な感じに変わってしまった。

肝心な場面で締まらないのも私達らしいと言えば私達らしい。

 

『…それに言っただろ』

『何をですか?』

 

カズマが話を切り替えるためか、ぽつりとつぶやく。

『私』には何のことか分からず、質問で返してしまう。

 

『捕まえた。これでめぐみんは逃げられないぞ…って』

 

その言葉に『私』はゾクリと身震いした。

カズマの目は優しさの中に…肉食獣のような獰猛さを兼ね揃えた怪しい炎を宿している。

あぁ、ダメだ。その目で見ないでほしい。

 

『そっちのめぐみんも、イキ狂うまで責めてやるからな』

 

カズマは口の端を持ち上げて笑う。

見透かされている。カズマの表情から、カズマに全部バレていると気付く。

 

トランス状態とは一種の逃避行動だ。肉体に多大なる負荷を負った際の精神の分離がその正体だ。

体の「私」が絶頂に絶頂を重ねた結果、今の『私』がいる。

深く深く絶頂した「私」から分離した『私』は、いくら身体を責められようと関係ない。

トランス状態になった『私』は安全地帯に逃げ込んだとも言えた。

 

しかし、それももう終わりだ。

カズマの強い視線に縫い付けられる。

逃げられない。この強い目に見られた段階で『私』の運命は決まったのだ。

 

『俺の顔にまたがって』

 

カズマが再び『私』に命令する。

逆らえない。

『私』は『ぅ…ぁ…』と呻いて逡巡していたが、カズマにジッと顔をそらさず見つめられ、結局ふよふよと近付いてカズマの顔にまたがろうとした。だが…

 

『…体の方の私がいるので、上手くまたがれませんよ』

 

そうなのだ。

カズマの上には「私」がいる。

私とカズマにはそれなりの身長差があるが今は繋がっているので顏が隣り合っている。

カズマにまたがろうにも、「私」の顔にぶつかってしまう。

 

『何言ってるんだ。今のお前は色々すり抜けるんじゃないのか?それに自分の体なんだからぶつかるもなにもないだろ』

『…あ、そうでした失念していました』

 

それもそうだ。

カズマに指摘されて自分の状態を思い出した。

 

『めぐみんはうっかりさんで本当に可愛いな。ほら、おいで……レロレロ』

 

カズマは優しく微笑むと口をぱかっと開いて舌を上下に動かしだした。

いつも私がフェラチオをしたい時にする誘惑。それをやり返してきたのだ。

高速で動く舌。唾液で怪しく滑っているそれに自身のクリトリスをしゃぶってもらえばさぞ気持ちいいだろう。

私は思わず唾を飲み込んでしまう。

所詮はクリ舐め、カズマの言い方で怖くなっていたがイキ狂ったりはしない。

そう自分自身に言い訳をしながら私とカズマの頭をまたぐように四つん這いになった。

 

レロレロと動くカズマの舌。

そこへ向けて腰を落としていく。

少しずつ少しずつ。

 

そこで異変が起きた。

 

まだカズマの口には届かない。そんな時『私』にとって予想外の衝撃が襲いかかってきたのだ。

 

『んお゛っ♡!?あ゛お゛お゛っ♡♡!?』

 

思わず野太い声を上げる『私』

何もされていないはずの『私』乳首と子宮に電流のような快楽が流れ込んで来る。

 

『ち、ちくびとぉ♡しきゅうがぁ♡お゛お゛ぉぉ♡♡』

 

『私』は肩を落として突然起こった異常事態に身体を震わせる。

これではまるで体の「私」と同じではないか。

……体の「私」と同じ!?

 

『ダメだろ〜めぐみん。自分の体に触れたりしたら。快楽から逃げるために精神を分離したっていうのに、それじゃ意味がないじゃないか』

 

カズマの人を馬鹿にしたような声が頭に響く。それで気付く。この男は最初から分かっていて『私』に指示を出していたのだ!

 

『だ、だましましたねぇっ♡あ゛お゛っ♡お゛んっ♡』

『騙してなんかないさ。言ったろ、イキ狂わせるって……隙あり!』

『はおおおぉぉっ♡♡!?クリ゛がっ♡!クリがぁっ♡!あ゛お゛お゛お゛っ♡♡!!』

 

隠していたことを非難していた『私』。

それに対して悪びれもしないカズマがいきなり首を持ち上げてクリトリスにむしゃぶりついてきたのだ。

あまりの強烈な吸い付きに『私』は四つん這いから倒れこんで、股間をカズマに押し付けるような態勢になってしまった。

 

『ありえ゛な゛いっ♡♡!ちくびも♡しきゅうもっ♡クリもっ♡おかじくなるっ♡♡うぅぅぅっ♡♡』

 

乳首を両手でしごかれる快楽。

お尻の穴に一物を入れて子宮をトントンと刺激する快楽。

クリトリスをちゅばちゅばと舐め転がされる快楽。

 

本来なら一人ではなし得ない、不可能な同時責め。

それを「私」と『私』を責めることで成し遂げたカズマ。

そのあり得ない快楽に『私』は半狂乱になってイキまくる。

 

『はは、本当にめぐみんは可愛いな。世界一可愛い、俺だけのめぐみん。大好きだぞ』

『うおっ♡お゛お゛っ♡!お゛お゛お゛んっ♡♡』

 

さらに『私』のクリトリスをちゅばちゅばと舐め回しながら心の声で『私』を褒め殺す。

心の声を聞き取ることが出来る『私』だからこそ出来る言葉責め。

まさしく身も心もこれでもかと愛されて『私』は狂ってしまう。

 

両胸のクリトリス、本来のクリトリス。

それらを同時に責める三点責め。

そこへカズマはお尻の中の一物の動きを変化させて『私』を追い込んでいく。

 

『どうだ?チンコでクリトリスの裏側も刺激してみたんだが、気持ちいいか?』

『ぎぼぢいいっ♡♡それっ♡やめっ♡♡うひぃぃぃっ♡♡』

「あ゛お゛っ♡♡くおぉぉぉっ♡♡」

 

子宮のみをぐりぐりと刺激していた一物。

それを手前まで引き抜きつつ、クリトリスの根元から子宮にかけてを刺激するような抽送に変えて来たのだ。

子宮の気持ちよさは変わらず、クリトリスへの快楽が強調され、引き抜かれることでお尻での快楽も加わった。

あんまりだ。こんなのあんまりだ。

身体の「私」も精神の『私』も声を上げ、それが二重合唱のように辺りに響き渡る。

 

『ふふ、肉体は精神を分離して快楽から逃げることが出来たけど、逃げ場のない精神の場合はどうなっちゃうんだろうな』

 

私達の淫靡な歌声に耳を傾けていたカズマが、うっすらと笑みを浮かべてそんなことを言ってきた。

狂わされる。おかしくなる。

もはやそうなることが確定し、怖くて怖くて私達は泣きだしてしまった。

 

『だずけてっ♡♡だすけっ♡♡うお゛お゛っ♡♡うぅぅぅ♡♡』

「たす…♡けてっ…♡♡あぉぉ…♡」

 

体も心もカズマに助けを求める。

この快楽を与えいるのは他でもないカズマなのに、私を助けてくれるのはカズマだと信じて疑わない。

もう正常な判断が出来なくなっている。

だからカズマに救いを求める。

そして……いつだってこの人は、私の願いを叶えてくれる。

 

『大丈夫だめぐみん。俺がいるから。何も怖くはないよ』

 

とびきり優しい声でカズマが私達に語りかける。

何をしてくれる訳じゃない。ただ傍にいてくれる。それだけで私は無敵になった気がしてくる。もう大丈夫だ。

 

『私』が「私」へと吸い込まれる。

クリトリスへの刺激は無くなったが乳首と子宮、そしてお尻をかきまわされる快楽が強くなる。

 

「めぐみん、そろそろイクぞ。いっぱいいっぱい頭がおかしくなるほどイクんだぞ」

「あへぁ♡♡あひぃぃ♡♡」

 

カズマがいよいよ射精に向けて腰を動かしだす。

どうやら体勢的に腰を動かせないというのは嘘で、平時と変わらぬ力強いピストンで私を愛してくる。

私は体と精神が一つになったばかりで、その愛に翻弄されて、舌を垂らしてあへあへと喘ぐ事しか出来ない。

 

「イクぞ!出るぞ!今まで我慢した分全部出すからな!出るぞ!!」

「あ゛お゛ぉぉぉっっ♡♡!!ふぉぉぉぉぉっ♡♡!!ぐおぉぉぉぉっ♡♡!!」

 

私が雄叫びを上げて絶頂する。

カズマが私のお尻の中へ射精するが…凄まじい量だ。

びゅくびゅくと脈打つ一物から、今まで我慢していた精が解き放たれていく。

みるみるうちに私のお腹の中はたぽたぽになり、膨れてしまう。

 

「あ゛お゛お゛お゛っ♡♡お゛お゛お゛お゛お゛んっ♡♡」

 

腹が膨れていく感覚に私は長く長く遠吠えする。

自身のナワバリを主張するかのように、この人は私の物だと世界中に響く様に鳴き続ける。

 

カズマが精を出しきった一物をお尻から引き抜いた。

無意識にお尻の穴を閉めて漏れないようにするが、正直限界だ。すぐにでもシートから出て排出しなければ。

そう思って動こうとするが、カズマが未だにがっちりと私の手と足を拘束して動くことが出来ない。

 

「か、かじゅま…♡もれる…♡もれちゃう…♡」

 

舌がマヒしたようにうまく動かせないが、辛うじてそれだけを伝える。それでカズマには伝わるはずだ。

なのにカズマは微動だにしない。私の手足に自分の手足を絡めさせ、服従ポーズのまま私を固定している。

 

「…このまま、出すんだ」

 

カズマがぼそりと低い声で命令してくる。

その言葉が私の頭に染み込んで、意味を理解した時、

 

私から漏れたのは笑いだった。

 

「あひひ♡うひぃ♡うひひ♡」

 

普段の私と違った卑しい笑い方。

この人は本当に容赦がない。本当に酷い人だ。

そんなあなたが本当に大好きだ。

 

私はカズマの命令に逆らえない。逆らう気も起きない。

カズマの望み通り、お尻の穴の力を緩めようとしたとき、それは起こった。

 

身体の「私」と精神の『私』

二人分の絶頂。

カズマの酷い命令で失念していたが、その二人分の絶頂が時間差で私に襲いかかったのだ。

 

「お゛ごっ♡♡!?あ゛ぎゃぁぁぁっ♡♡」

 

凄まじい快楽。

絶叫を上げながら絶頂してしまう。

その快楽の前に、私の括約筋など何の意味などなく…

 

私は絶頂しながらお腹の中の精液を排出し始めてしまった。

 

「あおおおぉぉぉぉっっ♡♡くおおぉぉぉぉぉっっ♡♡」

 

精液を勢いよく出しながら絶頂する。

あくまでこれは身体と精神の絶頂であって、排出で気持ちよくなっている訳ではない。私はそんな変態女ではない。そう自分に言い聞かせながら精液の排出を楽しむ。

 

だけど、そんな心情の誤魔化しを、この男が見逃すわけがないのだ。

 

「めぐみん、精液をひり出しながらイッてるのか?本当に変態だな」

 

カズマが楽しそうに私を追い立てる。

違う。違う!私はそんなはしたない女ではない。

 

「あへへへっ♡きもちいいっ♡出すのきもちいいですよぉぉっ♡♡」

 

あぁ、ダメだった。認めてしまった。こんなの偽るのなんて無理だ。だって気持ちが良いのだから。

 

「そうか、めぐみんがどんな変態になっても俺の気持ちは変わらないよ。それじゃ乳首を責めてやろう。出しながらいっぱいイクんだぞ」

「うぎぃっ♡♡あひいぃぃぃっ♡♡おひいぃぃぃっ♡♡」

 

カズマは私の自白に興が乗ったのか、精液を出してわなないている私の乳首を再びしごき出した。

もう何でイッているのか分からない。

身体と精神の融合、精液の排出、乳首責め?

なんだっていい。気持ちよければなんだっていいのだ。全部カズマがくれた物なのだから。

 

「ぁぉぉ…♡♡ふぉぉぉ…♡♡」

 

さんざん叫んで絶頂し、ようやくお腹の中の精液を出しきった。

カズマが乳首から手を離してくれたので、安心しながら息も絶え絶えで放心する。

シートの上はカズマの精液で水たまりのようだ。

仰向けなので視界には空がこれでもかと青く広がっている。

 

なんという解放感。

なんという充実感。

 

カズマとの触れ合いは本当に素晴らしい。

いつだって行為の後はすがすがしい気持ちでいっぱいになる。

 

服従ポーズのまま空をぼんやり眺める。

天に向かって痴態を晒してしまった実感に、もうどうしようもない興奮を覚えて、早く次の絡まりが始まらないかと期待してしまう。

 

そう思ってしまった私は愚かだ。

私の全てを理解している男が、下にいるというのに。

 

「それじゃ途中で終わっちゃったから、最初からやり直すぞ」

「…………は?」

 

思わず間の抜けた声を出してしまう。

カズマの言葉の意味がまるで分からない。

途中で終わった?何を言っているのだ。ちゃんと最後までやりきったではないか。

 

「めぐみんの精神をイキ狂わすはずだったのに、いつのまにか元に戻っちゃったしな。もっかいトランス状態になるまで責める所からやり直しだ」

「え…あ…」

 

カズマの言っていることを理解していくうちに私はだらだらと汗をかいてしまう。

本気だ。この人は本気で言っている。

それが実感できて、どんどんと息が荒くなっていく。

 

「あぁ…♡はぁぁ……♡♡」

「めぐみんも準備オッケーみたいだな」

 

そう言うとカズマは一物を私のお尻の中に挿入した。

あれだけ出したのに、まるで萎えることはないそれが私のお尻をいっぱいにする。

 

「お゛ごっ♡♡あおぉぉぉ♡♡」

「乳首も責めるぞー」

「あ゛ひいぃぃぃ♡♡う゛ひぃぃぃぃ♡♡」

「時間はたっぷりある。気にせず存分に狂うんだぞ」

 

カズマは言いながら乳首と子宮を同時に責めだす。

すぐに私は昇り詰めてしまう。

 

「あ゛お゛お゛お゛っ♡♡!!あ゛お゛お゛お゛んっ♡♡!!」

 

いつまでもいつまでも。

私の遠吠えが空に響き渡ったのだった。

 

……………………………

………………………

…………………

 

「…おかえりカズマ」

「…ただいま」

 

アクセルの屋敷に帰ってきた。

既に時刻は夕方で、朝早く出たというのに楽しい時間と言うのはあっという間に過ぎてしまう物だなと、後から思う。今はそんなことは考えられない。

 

屋敷に帰ると不機嫌なダクネスが玄関の前で腕を組んで仁王立ちしており、私をおぶっていたカズマは仕方なく玄関先に私を降ろした。

 

「あへぇ♡かじゅまぁ♡♡あひっ♡!うひぃぃっ♡♡!!」

 

一人では立っていられない私をカズマが肩を貸す。

私はだらしなく笑い、腰をかくつかせていたのだが、その腰振りで両胸と股間のクリトリスが擦れてイってしまった。

お尻の中も未だにカズマの物が入っているような感じがして、早く射精をして欲しくて腰振りを速くして催促する。

 

「…カズマ」

「…黙秘します」

「カズマッ!」

 

ダクネスの表情が鬼のような形相に変わる。

カズマは耳を塞いでしゃがみこむがそれに合わせて私もべしゃりとその場で四つん這いになった。

 

「にゃあ゛お゛ぉぉっ♡♡!!に゛ゃぉぉぉっ♡♡!!」

 

発情期の猫のような声を出してカズマを誘惑するよう身体をくねらせる。

そのあんまりな様子にダクネスは堪忍袋の緒が切れたのか、カズマの胸倉を掴んで無理やり立ちあがらせた。

 

「詳しく説明してもらうぞッ!!めぐみんもそんな所にいたら誰かに見られるかもしれない!早く屋敷に入れ!」

「も、黙秘する!俺は悪くない!俺は悪くない!!」

 

ダクネスがカズマの襟首をつかみ直して玄関を開け、そのままずるずると引きずって中に入る。

私もカズマの傍に居たい一心で身体を動かし後を追う。

…ぺたぺたと四つん這いのまま、獣の様に。

 

「にゃお♡にゃお♡」

「せめて人らしくしてくれ!!」

 

ダクネスの悲痛な叫びが屋敷中に響き渡った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「危なかったな。あやうくダクネスに俺達の関係がバレる所だった」

「…もう、バレバレだと思いますよ」

 

あれからしばらく経った別の日。

私達はギルドの食堂でお昼を食べていた。

 

あの後、ダクネスの追及にカズマは黙秘を続け、私は鳴き続け、帰ってきたアクアにも目撃されてドン引きされてしまった。

何とかドレインタッチの魔力補給をやりすぎたらめぐみんがおかしくなった、ということでその場を収めたのだが、もうダクネスはもちろん、アクアにも感付かれてしまったことだろう。

 

バレてしまっては仕方ない、爆裂散歩の際の行為を控える…なんてことはやりたい盛りの私達には不可能だ。

その次の日も次の日も、毎回獣に成り下がった私を見て、ダクネスも最近では怒鳴りもせずに頭を抱えるだけに収まっている。

それでいいのかというと、良くないが。

 

「あいつも変態だからな、理解はしてくれるはずさ」

「今、『も』って言いましたね!?私は変態なんかではありませんよ!」

 

私の噛みつきにカズマはどの口が言うんだよ、とため息を吐いている。

思い当たるふしが多すぎる私は顔を赤くしつつ、これ以上この話題を続けるのは止めた。

中断していた食事の手を再開してカエルの唐揚げを口に入れる。

 

今日の爆裂散歩からのお楽しみは早い時間で打ち切った。

そのため私は久しぶりに獣になりきる事も無く、時間もお昼頃と言うことでギルドの食堂で昼食を取っていたのだ。

お楽しみを打ち切らざるを得なかった原因に忌々しく耳を立てる。

 

「…雨、やみませんね」

「そんな目をしてもダメだぞ。こんな中でやったら体調を壊す。めぐみんに風邪なんか引かせられない」

「そ、そんな物欲しい顔なんてしていませんよ」

 

私はカズマに心を読まれるのを防ぐために顔を横に背けた。

 

そう、雨。今日は朝から雨なのだ。

爆裂魔法は雨だろうと問題なく撃つことが出来る。だが、その後のお楽しみを雨が降る中行うことは出来ない。そのため雨の日の時はお尻でちゃっちゃと済ませてアクセルまで戻ってくるというルールになっていた。

 

だからというか、やっぱり、物足りない。

お尻で絶頂は迎えるが、獣のような交尾ではなく、着衣のまま割とあっさり目なセックスで終わる。

日々の濃厚な絡まりに慣れているためか、お尻もひくひくとわなないてもっと責めてくれと…

 

「やっぱり、欲求不満じゃないか」

「!?」

 

カズマの一言に我に返った私は、恥ずかしさを隠すために足を伸ばしてカズマの足をケシケシと蹴りだす。

カズマもそれに合わせて足を出してきて、次第にいつも夕飯の時に行っている足同士のじゃれ合いになってきたころ、にわかにギルド内が騒がしくなったことに気付いた。

 

「だから新種のモンスターですって!」

「あの凶悪な鳴き声…縄張りを主張しているに違いないわ」

 

何やらギルドのクエスト受付が騒がしい。

どうやら複数のパーティが見覚えのある職員に詰め寄っているようだ。

アクセル近郊は弱いモンスターしかいないので新種のモンスターが発見されるのは珍しいことだ。

不思議に思っていると報告も終わったようで、眺めている私達に気付いたのか、いつも懇意にしている受付のお姉さんが私達の傍に歩み寄り、声をかけてきた。

 

「サトウカズマさん、めぐみんさん、良い所にいました!今お時間よろしいでしょうか?」

「俺達なら大丈夫ですよ」

 

受付のお姉さんは私達が座っているテーブルまで近寄ると「お話があります」と言いながら、ぺこりとお辞儀した。同性だからこそ分かる、カズマの目の前という不自然な立ち位置だ。

 

受付のお姉さんはかなりスタイルも良く、美人で、男性冒険者に人気の人だ。

さらに職員の制服は胸元がかなり開いたもので…お辞儀をすると胸の谷間が眼前に来る格好になる。恐らく話の前にカズマの心証を良くしようとわざとお辞儀をしたのだろう。

私は無意識にお辞儀されたカズマを観察する。

 

カズマは……私の予想に反して見えた胸元にあまり興味を示さずに何でもないことのように流していた。

その様子に私はむふむふと鼻息が荒くなる。

あの女に見境が無かったカズマがいやらしい目を向けることをやめたのだ。それはどう考えても私の功績で、カズマを変えたということが何とも誇らしい。

逆に受付のお姉さんは目論見が外れたからか微妙そうな顔をしているが、人の男に色目を使うのが悪い。

内心でふふんと勝ち誇る。

 

「それで、話って何ですか?」

「え、ええ…。実はですね最近新種のモンスターが現れたって、主に女性冒険者から情報提供が来ていまして」

 

私は受付に陳情していたパーティを見る。

それはどれも女性中心で組まれたパーティで、比較的若い子が多い様に見受けられる。

 

「姿は確認できず、敵感知などのスキルにも反応がないのですが、大きな声で遠吠えをしたり、あまり友好的な雰囲気ではないそうなんです。それに女性の声で「助けて!」という叫びも聞こえたらしく近々臨時のクエストをギルドから発注しようかと考えているんです」

 

カズマはその話に自分たちは関係ないといった顔をしているが…、私は嫌な予感がして仕方ない。

 

「それで、なんでそんな話をわざわざ俺達に?」

「それはもちろん、万が一大物だった時にサトウカズマさんのパーティにも出張ってもらって…」

「お断りします」

「そんなことは言わずに!割の良いクエストも斡旋しますから」

「もう借金もないし、焦ってクエストを受ける必要もないんですよねぇ」

 

お姉さんとカズマが駆け引きをしているが私にはその会話が頭に入ってこない。

どうしても確認したいことがあって、お姉さんに声をかける。

 

「あ、あの、そのモンスターの特徴とかってもう少し何か分かっていたりしますか?」

「え?特徴ですか?ちょっと待って下さい…!」

 

二人の会話に割り込む形で質問をする。

モンスターの特徴を聞きたいということで、お姉さんは私がクエストに前向きだと思ったのか、嬉しそうな反応を返す。逆にカズマは嫌そうな顔をして私を見ているが、私の予想ではそういう問題ではない…

 

お姉さんは手に持った紙束をパラパラとめくり該当するか所を見つけたのか、新種モンスターとされる生き物の特徴を挙げだした。

 

「あぁ、ありましたよ。えぇと、まず姿は目撃されていませんが鳴き声は人間の女性に近く「お゛お゛お゛」といった野太く下品な声で威嚇・遠吠えをします。恐らくゴブリンやオーガなどの亜人モンスターではないかと考えられています」

 

お姉さんの言葉に私は頭を抱える。

カズマも気付いたようで目を泳がせて汗をかいている。

 

「さらに雨の日には声が聞こえないことから水が苦手なモンスターではないかと推測されています。今日も声は聞こえなかったそうです。こんなところですね。まだ情報が少なく、どんなモンスターかは分かりませんので、また何か新しい情報が入りましたら連絡いたしますね!」

 

お姉さんは黙り込んだ私達を見て新種モンスターへの対策を検討しだしたと勘違いしたのか、話しを終えると私達のテーブルから離れ、受付業務に戻っていった。

私達はしばし沈黙してしまう。

 

「…めぐみん」

「…言わないで下さい」

 

言わなくたって分かっています。

新種のモンスター。

野太い声で遠吠えする。

雨の日は声が聞こえない。

 

それ、間違いなく、私のことです。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

夜、もう就寝する時間。私はいそいそと出かける準備を進めていた。

 

昼間のギルドでの話で、野外でのセックスが実質出来なくなった。

原因は私の声の大きさで、男性冒険者は色々察して問題にしなかったようだが、若い女性冒険者はまさか女の喘ぎ声と思わずギルドに報告してしまったらしい。

さらには私の被虐心を満たす「助けて」というワードも悪い方へ働いた。

臨時クエストも組まれるという話で、そんな中行為をして事が露見すればアクセル中に私達の悪名が広がってしまう。仕方なく、爆裂散歩後のお楽しみは取りやめとなってしまった。

 

これでは膨大なカズマの性欲と若干量の私のいちゃつき欲が満たせない。

それは大変な事だ。とても大変なことだ。もしもカズマが性欲を持て余して別の女の所へでも行ってしまったらと思うと気が気ではない。

そう、私にとっては全然大したことではないが、他ならないカズマのため。そう自分に言い聞かせて準備を完了する。

 

パジャマ姿の私が抱えるのは自分のマクラ。

さらには汚れてもいい様に替えのパジャマに下着。

これで準備完了、今後のことを相談しに、カズマの部屋へと赴くとしよう。

あくまで今後どうするかを話し合うだけだが、愛する二人が夜中に出会えば事が始まってしまってもおかしくない。

それも致し方なし。用意だけはちゃんと済ませる、自分は何て賢いのだろう。

既に頭のなかでは今日のプレイ内容を妄想しつつある。

むふむふと鼻息を荒くしつつ部屋を出ると

 

「おっと、めぐみんか。どうした?こんな夜遅くに」

 

ダクネスに、出くわしてしまった。

 

頭が真っ白になる。私はカズマと違って予想外のことに弱い。

あわあわと慌てて挙動不審になりそうになるが、心を落ち着かせるためになんとか言葉を紡いで取り繕う。

 

「え!?あ、だ、ダクネス……こんばんは。ダクネスは………どうしてこんな時間に?」

「あぁ、ちょっと花を摘まみにな。めぐみんもトイレか?」

「え、えぇ!!そうです急な尿意に見舞われまして私もトイレに行こうかと!」

 

ダクネスの言葉にこれだと思い、乗っかるように早口で同意する。

 

「…マクラを持ってか?」

「……………」

 

痛い沈黙。

どこの世にトイレにマクラ持参で赴く人がいるのだろうか。

墓穴を掘ってしまった私は、それ以上何もしゃべれないで視線を泳がせることしか出来ないでいた。

 

どちらも何も言わない。言えない。

まるで悪戯が露見した子供のように身を縮こませてしまう。

しばしの沈黙の後、ダクネスが私に向かって語り掛けてきた。

 

「なぁ、めぐみん。そろそろ、教えては……くれないのか?」

 

何を、とは言わない。

何が、とは聞かない。

言わずとも、聞かずともわかる。

マクラを持って向かう先、カズマとのことだろう。

 

もう既に私のだらしない姿は何度も目撃されている。ダクネスにはとっくの昔に私とカズマがただならぬ関係になったことなどバレている。

けれど私はきちんとカズマとのことを打ち明けてはおらず、どこかなぁなぁのまま日々を過ごしてきてしまっていた。

もちろん理由もなく黙っているわけではない。

恐らくダクネスは……自分で気付いていないだけで、カズマに淡い恋心を抱いている。

だけど、カズマはもう私と一線を越えていて……

私はダクネスの気持ちを考えると、カズマとのことを打ち明けることが出来ないでいたのだ。

 

「…………」

 

私はダクネスの問いかけに返事が出来ないでいる。下を向いて、後悔と自責の念に襲われる。

 

本当に?

本当にダクネスのことだけを考えて打ち明けていないのか?

違うでしょうに。

 

もし打ち明けて、それがきっかけでダクネスが自分の気持ちを自覚したら。

そしてその勢いでカズマに告白したら。

カズマが私を捨てて、ダクネスを選んだら。

そんなことを一遍も思わなかったと言い切れるだろうか?

 

私の醜い嫉妬と独占欲でこれ以上ダクネスに隠し事をするのが、本当にダクネスのことを考えてと言えるのか?いや、そんなわけがない。

 

カズマには事後承諾になってしまうが打ち明けよう。

そう決意して口を開こうと顔を上げた瞬間

 

「いいんだ」

 

ダクネスは微笑んでいた。優しく、悪いことをした子供をたしなめるように、愛情をもって笑っていた。

ダクネスが私の肩に両手を置いて続ける。

 

「私はクルセイダーだ。何かを耐え忍ぶのには慣れている。お前たちの口から説明があるのを待つくらい、なんて事はない」

「ぇ…ぁ…」

「お前達は私の大事な…仲間だ。いつかちゃんと打ち明けてくれるなら、それでいいさ」

 

ダクネスは肩に置いた手を離して私の頭をくしゃりと撫ででくれた。

 

「………!!」

 

私は思わずダクネスに抱き着いてしまう。抱えていたマクラと着替えが床に落ちる。

普段カズマから硬いだの筋肉女だの言われているダクネスの身体は、柔らかく、優しい匂いがした。

ダクネスは突然のことに驚いていたようだが、頭に置いた手を背中に回して優しくさすってくれた。

 

「…ごめんなさい。ちゃんと……言います」

「焦らなくていい。気持ちの整理がついたら、でな」

 

しばし互いに何も言わずに無言でしがみついていたが、気持ちが落ち着いてきたので私はダクネスに抱き着くのをやめて身体を離した。

気恥ずかしくて私が「へへ」と少年のような笑い方をすると、ダクネスも「ふふ」と笑ってくれた。

 

床に落ちたマクラと着替えを拾いなおして部屋に戻ろう。そう思い二つを拾いなおした段階で妙案を思いついた。

マクラと着替えを抱えて、悪戯っぽくダクネスへ微笑み返す。

 

「ふふ、すみません。実を言うとですね、マクラを持っていたのはトイレに行くためではないんですよ」

「?…どうした、やっぱり行くのか?なぁめぐみん、あんまり言いたくはないが最近少し羽目を外しすぎでは…」

「ダクネスの部屋に行こうと思ったんです」

「え?は?えぇ!?」

 

ダクネスが素っ頓狂な声を上げる。

私はなんだかおかしくなってしまって、クスクスと笑いを漏らしながら続ける。

 

「ダクネスが言った通り、私達はパーティの仲間なんです。なら、たまには夜通しでおしゃべりをしたっていいじゃないですか。そうですね…ダクネスのことを教えてください。お返しに、私の武勇伝でも語って聞かせましょう」

 

ダクネスは突然のことに頭が追い付かなかったようで目をぱちくりしていたが、私の楽しそうな顔に触発されたのか、フッと肩の力を抜いた。

 

「夜通しって…。徹夜は勘弁してくれよ?」

「ふふ、今夜は寝かせませんよ?」

 

まるで男性が女性に言う口説き文句のような口調。

おどけてそういうと私とダクネスは小さく笑いあったのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

翌日。

いつものように広間に行くと既に起きていたのか、カズマが台所で料理を始めていた。

本当に最近のカズマは早起きで、少しでも長く私と一緒にいたいという気持ちが十全に伝わってくる。

 

「おはようございますカズマ」

「あぁ、おはようめぐみん」

 

私はカズマの傍に近づくとカズマは調理の手を止めて私に相対する。

そのまま優しく抱きしめあって朝っぱらから濃厚なキスを交わす。

 

「んちゅっ!んぱっ!じゅる…んじゅ…」

 

一晩会えなかったことを埋めるようなキス。

早くも身も心も熱くなってしまうが、今日は色ボケる訳にはいかない。

いつもより短めにキスを済ませ、私から体を離してカズマに向き直った。

 

「…めぐみん?」

「ちょっと、お話がありまして」

 

私の真面目な雰囲気にカズマが居住まいを正す。

 

「私達のことを、アクアとダクネスに話そうかと思います」

「…いきなりだな、何かあったのか?」

 

私はカズマに昨夜のことを話した。

 

あの後、私とダクネスは夜通し、とまではいかなくもかなり遅い時間まで話し込んでしまった。

ダクネスのこと、私のこと、そして一番話題に上がったのはカズマのこと。

私の口からは如何にカズマが優しくて、頼りになって、素敵なのか。

ダクネスの口からは、あいつは変わった、大人になった、良い目をするようになった。

そんなことを話していた。

 

そしてやっぱり思う。

このままじゃいけないと。

仲間に隠し事など許されない。

いつまでも自分可愛さに打ち明けないのはダメだし、嫌だと思った。

 

「アクアもダクネスも爆裂散歩の後の様子を目撃していますから気付いているとは思います」

「…めぐみんが猫や犬や牛になってる姿な」

「言わないでください!」

 

過去の痴態を想起して顔が赤くなる。

ぶんぶんと頭を振って話を戻す。

 

「ですが、やっぱりここまで報告が遅れたことに対して、何かしらの文句はあるかもしれません」

「ふむ…」

 

私は目を伏せて自嘲気味に笑う。私の醜い我が身可愛さでカズマにも迷惑をかけることになるかもしれない。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

そんな私の様子をあごに手を当てて見ていたカズマは、何のことでもないような素振りで話しかける。

 

「なぁ、めぐみんがここまで打ち明けるの渋った理由ってのは…俺達4人の関係が崩れると思ったからだろ?」

「気付いていたのですか…!」

 

カズマは「俺のことをなんだと思ってるんだよ」と頭をかいてぼやく。

頭をかいていた手を腰に当てて、安心させるようにゆっくりと私を諭す。

 

「大丈夫だよ。俺達はずっと4人でやってきて、これからも4人で楽しくやっていく。何も変わらない。…俺に任せておけ」

「…!」

 

あぁ。この人を好きになって良かった。

私のことをこんなにも理解してくれている。私のことをこんなにも考えてくれている。

そして、こんなにも頼もしい。

何を一人でうだうだと考えていたのだ。もっと早く、カズマに相談していれば良かった。

 

そんな想いが胸を去来して、私は再びカズマに抱き着いてしまった。

 

「はい、よろしくお願いします。カズマ、愛してますよ」

「知ってるよ。なんだよ突然」

「そこは、俺も愛している、と言って欲しいのですが」

「……ほら、二人も起きてきちゃうから早く朝飯作っちゃおうぜ」

 

カズマは誤魔化すように私の体をぐいと押してシンクに向き直った。

その顔は少し赤くて、私は思わずクスリと笑ってしまう。

 

きっと大丈夫だ。二人ならきっと大丈夫だ。

自然とそう思えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おはよう二人とも」

 

ダクネスが広間にやって来た。既に朝食は出来ており、テーブルの上に並んでいる。

 

昨日の夜、遅くまで話し込んでダクネスの部屋で一緒に寝て、朝の目覚めで顔を合わせているので少し変な感じがする。

私はダクネスに含み笑いをするとダクネスも同じ気持ちだったのか私と似たように笑ってテーブルの席に着いた。

 

「ダクネス、飯を食べ終わったら話があるからそのつもりで」

「…そうか。一体何の報告か分からないが楽しみだな」

 

カズマがダクネスへ話を切り出すと、ダクネスはとぼけてそんなことを言った。

知らないふりをしているというのに顔は笑っていて、早くも私達を祝福してくれているようだ。

 

「はよ~。みんな早すぎよ。もうちょっと寝坊をしたって私は怒らないわよ」

 

続けてアクアも起きてくる。

アクアには私から「朝ごはんを食べたら話があります」と言っておいた。

アクアは何か怒られるようなことをしたかしらとビクビクしていて、まるで私達のことに気付いていないような素振りだった。意外にも演技派なのだなと思う。

 

朝食はつつがなく済んだ。

少しアクアが挙動不審だったがそれぐらいで、特に語る事もない、いつも通りの朝食の風景だった。

食事を済ませて食器を流しに運ぶが洗い物は後回しだ。

再度テーブルに座り直す。アクアにお願いして席替えをし、いつもの配置ではなく私とカズマが隣り合うように座った。

 

「それじゃ話がある」

 

カズマが切り出す。

テーブルの下で私達は手を繋ぎ合っている。

少し震える私の手をしっかりと包むカズマの手。頼もしさに心が軽くなる。

 

「実は、俺とめぐみんは男女の関係になった」

「……そうか」

 

カズマが端的に表現すると、ダクネスが短く返事をする。

腕を組んで頷くさまはまるで実家の父のようで、仲間への報告と言うよりも両親への結婚の挨拶のように感じられる。

アクアは今一つ良く分かっていないのか「ん?え?」と疑問の声を出す。

だが、カズマはそれをスルーして少し頭を下げて二人に謝った。

 

「今まで隠すような感じになって悪かった。ごめん」

「…それはいい。だが、毎日めぐみんが息も絶え絶えになるまで行為にふけるというのはどういうことだ?」

 

ダクネスはジロリとカズマを睨む。

どうやらダクネス的には報告の遅れよりも、日々の行き過ぎた絡まりの方を問題視しているようだった。

先程の笑みで問題なく話が進むと楽観していただけに、思わぬ正論にカズマも少し顔色が悪い。

 

「いや、あれは、その…興が乗って…」

「あのめぐみんが腰をかくつかせて「にゃあ゛あ゛♡」だの「わお゛お゛ん♡」だの「もお゛お゛♡」といった下品な声を上げるなど、生半可な責めではないはずだ!どんなことをしていたか言ってみろ!!詳しく話してくれ!!いや話してください!!………ふふっ」

「ちょちょちょ!?だ、ダクネス!?」

 

私は突然そんなことを言いだしたダクネスを慌てて見ると、先ほどまでの真面目な顔は既になく、珍しくニヤニヤとからかうように笑っていた。

カズマはその様子にピンと来たのか、それに合わせるように言葉を重ねる。

 

「あれは…めぐみんがあまりにも可愛いから…。めぐみんが止めて助けてと懇願するも、どこか期待した目で俺を見るから…。だから俺はめぐみんの乳首を…」

「乳首を…一体どんな風に……!」

「言わせません!言わせませんよ!!」

 

私は椅子から立ち上がって怒鳴り声を上げた。

それに合わせてダクネスが組んでいた腕をお腹に当てて「ハハハ」と楽しそうに笑う。

 

「ふふ、すまんめぐみん。ちょっと意地が悪かったな。だけど報告が遅くなったことの仕返しだと思ってくれ」

「…もう!たちが悪い冗談は止めて下さい!」

 

私は再び椅子に座り直してぷいっとそっぽを向いた。

ダクネスはそんな私の反応を楽しそうに眺めつつ、カズマに話しかける。

 

「私から二人に言う事はない。おめでとう。…あ、いや、最近羽目を外しすぎだからもう少し節度を持って行動してくれ」

「分かったよ」

「肝に銘じます」

 

私とカズマは二人揃って頷く。

息のピッタリな私達をダクネスは眩しそうに見つめる。

良かった。一瞬どうなるかと思ったが何事もなく終わりそうだ。

 

「え!?ちょっとまって!もしかしてカズマとめぐみんってばそういう関係になったの!?」

 

安堵の息を吐こうとした瞬間に今まで私達の会話を黙って聞いていたアクアが驚きの声を上げた。

というか…

 

「だから言っただろ。男女の関係になったって」

「いきなりそんなこと言われたって冗談だと思うわよ!もっと事前に根回ししてからにしてちょうだい!」

「あ、アクア…。最近爆裂散歩の後のめぐみんの様子が変なのはアクアも目撃しただろう?」

「あれはドレインタッチのしすぎでああなったってカズマが言ってたじゃない。汚わらしいリッチーのスキルだし、そういうこともあるのかなって」

「えぇ…」

 

ダクネスが憐れんだ目でアクアを見る。あれを見て、あんな適当な言い訳が通用していたとは思わなかった。

アクアはその視線に耐えきれないのか、顔を私の方に向けてわめきだす。

 

「というかめぐみんは本当にこんな人でいいの!?カズマさんよカズマさん!あのカズマさんよ!?」

「おい!俺の評価について何かあるなら聞こうじゃないか!」

 

カズマが私の口癖を真似してイキリ立つ。

私はくすりと笑ってアクアに応える。

 

「えぇ、こんな人だけど、私はカズマがいいんです。カズマじゃなきゃダメなんです」

「めぐみん…」

 

私にはカズマが必要だ。

もうそれは、痛いほどに実感している。

私の言葉にカズマは感動しているのか、今にも抱き着いてキスしてきそうな勢いで私の方に振り返った。ふふ、このまま二人の前でキス。それもいいかもしれない。

 

私達二人の様子を怪訝そうに見つめていたアクアだが、何か合点がいったのか、あっと声を上げてぽんと手を叩いた。

 

「分かったわ、そういうことね!カズマ、あんためぐみんに何か薬を盛ったわね!?なんか、こう、エロ漫画とかに出て来る都合の良い感じの薬を!」

「ふざけんなよお前!何でお前達は俺をそういうことする奴だと思ってるんだよ!俺は何もしてないっての!」

 

随分な言い方のアクアにカズマが怒りだす。

カズマの発言に心当たりがあるのか、ダクネスは気まずそうに顔をそらしている。

アクアもカズマの剣幕にたじたじで、カズマはやれやれと息をつく。

 

「たく、薬を盛ったのはめぐみんの方だってのに……あっ」

「「え!?」」

「ちょ、ちょっと!!」

 

思わず口から出たのであろう一言。

アクアとダクネスは衝撃の事実に声を合わせて驚いている。

 

「どういうこと!?めぐみんが薬を盛ったって!?逆レイプ!?逆レイプなの!?」

「どういうことなのだめぐみん!詳しく教えてくれ!」

 

当たり前だが二人から激しく追及される。

恨めしそうにカズマを見るが、手を合わせて「ごめん」と頭を下げるだけだ。

これは、私の口から説明しないといけないだろう。

 

私は重い溜息を吐きながら事の経緯を説明しだした。

 

………………………

……………………

…………………

 

「と、こんな…感じです。……以上です!」

 

夢薬という物の存在、初めて薬を使用した理由、それからどうして私達の関係が深まったのか。もろもろの事情を説明し終わる。まさかここまで詳しく話すことになるとは思っていなかったからか、私の顔は恥ずかしさで真っ赤になってしまっていた。

 

「つまり、めぐみんはカズマのことが好きで好きでたまらなくて薬まで盛ってカズマをものにしたのね」

「そうだ。全く持ってその通りだ」

「違います!いえ、その通りですけどもうちょっと言い方を考えてください!」

 

私は恥ずかしさを誤魔化すように声を大きくして抗議する。

最近はどんな変態的なことをしてもあまり恥ずかしさを覚えなかっただけに、この手の辱めは強烈だ。カズマは久しぶりに恥ずかしがっている私を見て楽しくなってきたのか、調子に乗って追撃してくる。

 

「俺はめぐみんの愛の重さにやられ、その愛に報いるため、めぐみんの望む変態的なプレイにも手を貸しているのさ」

「へ、変態的なプレイ…羨ましい!」

「私はそんなプレイは望んでいません!もっと普通の…一般的な…」

 

言いながら声の大きさが尻すぼみに小さくなる。今更普通のセックスで私は満足できるのだろうか。あんな、強烈な快楽を味わって…

私の葛藤を理解しているのか、カズマはにやにやと笑って、二人に見えない位置に手を回して私の背中からお尻にかけて、さわさわと撫でてくれる。

日々の絡まりで完堕ちしている私の体はそれだけでスイッチが入って、ぶるっと震えて異議を唱えるのをやめてしまった。あぁ、もう戻れないのだ。

 

黙りこくってしまった私達を不思議そうな目で眺めていたアクアだったが、合意の元の関係だと理解したのか、椅子の背もたれによりかかって「はぇ~」と気の抜けた声を出した。

 

「そういうことなら仕方ないわね。二人ともやりたい盛りだろうし、人間なんて猿みたいなものだしね。いいんじゃない?」

「ナチュラルに人間をディスるのは止めろよトイレの神様」

「水の女神様!!…でも避妊はしなきゃダメよ!聖書にも書いてあるはずよ、やってて良かったクモン式。やってりゃ良かったオギノ式って」

「それは聖書ってより性書だろ」

 

アクアとカズマが良く分からないやり取りをしている。

それを眺めていると不意にダクネスが席から半分立ち上がり私の方に顔を寄せて、こしょこしょと内緒話の体勢に入った。

 

「アクアじゃないが避妊は大事だぞ?そこら辺は大丈夫なのか?」

「えぇ、今の所絶対に妊娠することはありません」

「そうなのか?やっぱりめぐみんの体だと挿入は難しいのだろうな」

「む、今私の体が幼いみたいなことを考えましたね!」

「か、考えてない」

 

まさかアナルセックスをしているとは思いもよらないのだろう。ダクネスは挿入まではいっていないのだと勘違いして、妊娠のリスクはないと安心したのか顔を離して再び椅子に座り直そうとした。

私は身を引こうとするダクネスの肩を掴んで引き留める。

私の方からカズマとアクアに聞かれたくない話があるのだ。

 

「ダクネスは、私達が深い仲になって、いいんですか?」

「?どういう意味だ?健全な関係なら私は構わないが」

「……ダクネスは、カズマのこと………好きなんじゃないですか?」

 

ダクネスの身体が固まる。

ずっと確認したい事だった。いや、気持ちは知っているが、本当に私達はダクネスを尻目に関係を築いていいのだろうか。

不躾な質問だと思ったが、聞かないことには前に進めないと思った。

 

すると、ダクネスが一瞬の硬直から回復して、私に問いかけてきた。

 

「……めぐみんは理想のタイプ、というのがあるか?」

「理想のタイプ?」

 

いわゆる異性の理想のタイプという奴だろう。

昔そういう話をした覚えがあるが、今はどんな人だったかおぼろげだ。

何故なら今の私の理想のタイプはカズマだからだ。

 

「その男は正しく自分の理想のタイプで、そいつの見た目や行動、性格までもが自分の好みだったとする」

「はい…」

 

自然と頭にカズマを思い浮かべる。確かにカズマの見た目、行動、性格、全てが愛おしい。私の好みのタイプだ。

 

「そいつが変わった。見た目は変わらないが、行動や性格が様変わりした」

「ふむ…」

 

頭のカズマをこねくり回す。見た目をそのまま、性格を…今の優しい感じからクズな感じにしてみる。

…前のカズマに戻るだけですね。そんなカズマも魅力的ですが。

 

「それを変えたのは他ならぬめぐみん、お前だ」

「えっ?あ…」

 

頭のカズマが霧散してダクネスと目が合う。

 

「私が口を酸っぱくしてちゃんとしろ、と言っていた男は、ほんの僅かな時間でまともな人間になった。それを目の当たりにした瞬間に、かなわないな、と思った」

「…………」

 

私は黙ってダクネスの独白を聞く。

かなわないが、敵わないなのか、叶わないなのかは分からない。

いや、どっちの意味もあるのだろう。

 

「私の心にあった想いがなんだったのか、今ではもう分からない。二人の姿を見ていたら何だか消えてしまったんだ。その程度の想いだったんだろう」

「そんなこと……」

 

私は思わず否定の言葉を出そうとするがダクネスが目でそれを制する。

 

「もし、めぐみんに後ろめたい気持ちがあるなら、そうだな、幸せになってくれ。それが忘れてしまった私の気持ちへの手向けになる」

「……私は幸せですよ?」

「知っている。なら、もう名もない気持ちも昇天したな。この話はおしまいだ」

 

小さく笑って今度こそダクネスが顔を離して席に座り直した。

割り切った顔をしている。

私は正直まだダクネスみたいに割り切れていない。だけどおしまいと言ったダクネスの言葉を受けて、同じように笑った。

すみません、気にするな、違う意味を込めて笑い合った。

 

「なになに、何で二人とも笑ってるの?何を企んでいるの?教えなさいよ!」

 

丁度カズマとの言い争いを終えたアクアが笑いあう私達を見て割って入ってきた。

隣のカズマはどこか察したような顔をしているあたり、ダクネスの淡い気持ちも何となく気付いていたのだろう。

ねぎらうように、今度は優しさだけを込めて、私の背中を撫でてくれた。

 

「ふふ、なんでも…あ、いや、実はめぐみんと話してな。今日の夜はお祝いにしようかと思うんだがどうだろう?」

「いいわね!やっぱりこういうのはちゃんとお祝いをして祝福するべきよね!」

 

ダクネスの突然の提案にアクアが便乗する。おそらく騒ぎたいだけだろうがちゃんと祝福したい気持ちもあるのだろう。

二人の申し出にカズマも嬉しそうに笑う。

 

「よし、それじゃ今日の夕飯は豪華な物にするか。アクアも良い酒を買ってきていいぞ」

「さすがカズマね、話が早いわ」

 

言うが早いがカズマからパーティ共用の財布を受け取るとアクアは席を立つ。

朝食を食べ終えたばかりだというのに、もう夕飯用のお酒を買いに行くのだろう。

相変わらず行動力の塊のような人だ。

元気よく広間から飛び出していく姿を三人で見送った。

 

「じゃあ、めぐみん。今日も爆裂散歩に行くか。今日は夜に騒ぐんだからお楽しみはしないからな」

「…はい、分かりました」

 

席を立ちながら念を押された私は若干不服そうに頷く。

カズマはくすっと笑って私に顔を寄せ、小さな声で耳打ちする。

 

「もう二人に報告したんだ。今日からは部屋で気兼ねなく出来るから心配するな」

「………!」

 

その言葉に私はパァっと顔を明るくして、はしたない自分を恥じて顔を赤くしてうつむいた。

 

「あぁ、めぐみんは可愛いなぁ!」

 

カズマはたまらんとばかりに私に抱き着いてキスをしようとしたのだが…

 

「…二人のことは祝福するが、そういうのは見てない所でしてくれ」

 

恥ずかしそうにチラチラッと見ていたダクネスが待ったをかけた。

けれどカズマは顔を近づけるのを止めず

 

「お構いなく。……んちゅ!ちゅっ…!」

 

ダクネスの居る前でキスを始めてきた。

私はダクネスに悪いと思いつつもカズマには逆らえない。自分から舌を絡めてより一層淫靡な水音を立ててキスをし返した。

 

「あ、ああぁぁ…!わ、私はギルドにでも行ってくるかな!あんまり羽目を外すなよ!!」

 

そう行って逃げるように広間から飛び出すダクネス。

変態なのに変な所はウブで可愛らしいと思う。

 

私達はしばし唇を重ねて、二人だけの空間を楽しんだのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

夕飯のお祝いは、いつもより豪華な献立に、いつもより高いお酒が並んだくらいで、特にこれといって何かをしたりはなかった。

ただいつもと違って、食卓の話題に上がるのは主に私とカズマのことばかりだ。

 

「でも、めぐみんに手を出すって、カズマさんたらやっぱりロリコンなんじゃないかしら。なら、馬小屋で私に劣情を抱かなかったって言うのも納得よね」

「おい!俺をロリコン認定するのはやめろ!」

「ちょっと待ってください!私に手を出したらロリコンという話、詳しく話してもらいましょうか!!」

 

既に酔っぱらったアクアがふいっと顔を横にそらす。

今日のアクアはいつにもまして絡み酒で、大概のことは流していた私だが、ロリ呼ばわりは見過ごせない。

私の怒り具合にダクネスがフォローに入り、「まぁまぁ」と言いながら私のグラスに飲み物を注いでくれる。

 

「落ち着けめぐみん。アクアもだぞ。めぐみんは結婚が出来る年齢なんだから、カズマが手を出したって何もおかしな話ではないだろう」

「!!そうですよね。私はもう結婚できる年ですから。いつだって結婚できるんですよね。ねぇ…カズマ?」

「う…、そ、そうだな…」

 

お酒は呑んでいないが今日は私達のお祝い、私も変なテンションになっている。

怒っていたのも忘れて私はダクネスの発言から「結婚」という言葉をくり抜き、ことさら大げさに強調してカズマに投げつける。

思わぬ攻撃にカズマは目を泳がせて呻くことしかできない。

 

いつも心の声で「結婚しよう結婚しよう」と熱烈にプロポーズしてくるカズマならば、二人への報告の際にさらっと結婚まで言及するかと密かに思っていたのだが…そういうのは特になかった。

何も私とは遊びだとか、今更責任を取りたくないという訳ではない。

カズマはただただヘタレなのだ。

私と結婚したいのに中々言い出せないだけ、それは分かっているが、やっぱりちょっとは面白くないのでこうして困らせてあげる。

 

バツの悪そうなカズマの顔。行為の際には中々見られない受け身な顔に私は上機嫌で注いでもらったグラスを傾ける。が、杯の中身に気付いてすぐにしかめっ面になった。

 

「ダクネス!ずっと思ってましたがなんで私だけお酒じゃないんですか!私は結婚だって出来る年だって言ったのはダクネスですよね!ならお酒を飲んでも問題ないはずです!」

「あ、いや…めぐみんの体ではまだアルコールは早いかなと、思ってだな…」

「やっぱりダクネスも本心じゃ私のことを子供と思ってるじゃないですかッ!」

「ほら見なさいめぐみんはロリってことじゃない!だからカズマさんはロリコンよロリコン!」

「うるせぇ年増女神!お前に手を出さなかったのは年増だからだ!年増が若い子に嫉妬して見苦しいんだよ!」

「なんですってッ!?」

 

アクアが席から立ちあがりカズマに掴みかかる。私もダクネスに突っかかって指を頬に当てグリグリとなじる。

もうお祝いしているのか、騒いでいるのか分からない位に食事の場はぐちゃぐちゃだ。

あぁ、だけど良かった。

私達のことを二人に打ち明けても何ら変わらない食事の風景がそこにはあった。

 

私は表情こそ怒りに染まっているが、その実内心ではニコニコと笑いながらこの騒ぎを楽しんだのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

食事を終え、台所で洗い物をする。

本来なら洗い物はアクアの役割なのだが、あの後お酒を呑みすぎて酔いつぶれてしまった。

ダクネスは自分が代わりにやると言っていたが、アクアを部屋へ運んでもらい、私が食器洗いを担当することになった。適材適所だ。

 

「手伝うぞ」

 

広間の片づけを終えたのだろう、カズマが台所に顔を出す。

私は手を振って水を切り、タオルで手をふきながら振り返った。

 

「いえ、もう終わりました」

「そうか、悪かったな」

「気にしないでください。それに丁度よかったです話がありまして…」

 

私はポケットからお馴染みの小瓶を取り出す。

 

「これは…夢薬か。どうしたんだ一体?」

 

私が取り出したのは私達の仲が進展したきっかけ、夢薬だ。

使わなくなって久しいが別になくなったわけではない。むしろ一回の使用量は一滴なのでまだまだ量が残っている。

私の部屋の枕元にお守り替わりで鎮座していたものを持ってきていたのだ。

 

「今日の夜はこれを使おうかと思いまして。初夜のときは実質使ってませんでしたから」

「まぁ、俺は使ってると思って行動してたし疑いもしなかったが…。まさか素の状態であんな変態的なことをしだすとは思わなかったよ」

 

カズマがにやついた顔でからかってくる。

確かに今思い返しても中々に刺激的な内容だったと思う。

 

「わ、私だって効果が出ていると勘違いしていたんですよ!…こほん、それで今日はこれを使って初夜のやり直しをと思いまして」

「いいのか?それを飲んだらめぐみんは俺のいいなりになっちゃうんだぞ?」

「薬なんかなくてもいつもいいなりでしょうに。それに何だかんだ理由を付けて、カズマは私に命令なんてしないでしょう?」

 

この男は変なところで律儀だ。

素の状態ならまだしも、薬の影響下にある時に無茶なお願いはしてこない。

それは初夜の時に証明済みだった。

 

「それに今日は私だけではありません。カズマにも飲んでもらいます」

「え!?俺もか?」

「はい。お互いがお互いに飲ませあうんです。お互いの命令に逆らえない状態。本能のまま、本心に忠実な命令を互いに出し合い、それを拒否できない。…燃えませんか?」

 

私は先ほどまでの理性的な顔を取り払い、肉欲に染まった笑みを浮かべる。

その顔を見たカズマは興奮を抑えられないのか、小刻みに震えて、同じように飢えた獣のような顔で笑った。

 

「…本当に、めぐみんは変態だな」

「…あなたが、そうなるよう望んだんでしょうに」

 

私達はお互いにふへへと笑いあう。まるで悪だくみをしている悪党みたいだ。

互いの心からの要求を断れないとき、私達はどうなってしまうのか。

それを想像すると何も入っていないはずのお尻が疼いて仕方がなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

部屋に戻って就寝の準備をする。

二人とも夢薬を使った場合にどんなことが起きるのかは未知数だ。

なので寝る前だというのに私は普段の冒険者服のままでいる。

さらにもしかしたら私の部屋で事を成すかもしれないため、ベッド脇にはタオルや着替え、カズマからもらった香油などが置いてある。

 

あらかた準備は整った。

最後に私は夢薬とは違う錠剤を飲んで布団に入った。事前に用意していた睡眠薬だ。

初夜のときは興奮で眠ることが出来ず、起きたまま行為にふけってしまった。

だから今日は睡眠薬を飲み、確実に夢薬が発動するようにしたのだ。

 

「むふふ、楽しみですね」

 

初夜の時とは違った興奮で変な笑い声が漏れてしまう。

私達のセックスは獣のようだが、そこには相手への敬意と配慮が存分に含まれている。

要はどこか遠慮している部分もあるのだ。

夢薬を使ってそれを取り除いたとき、私達はどんな絡まりを見せるのか。

夢薬を使っている最中の出来事は翌日になっても覚えているので、今後のプレイ内容にも反映できるだろう。

 

この後の愛の営みを夢想していると睡眠薬の影響か抗いがたい眠気が襲ってきて、私は深い眠りへと落ちていったのだった。

 

……………………

………………

…………

 

ふらふらと覚束ない足取りで誰もいない廊下を歩く。

私はなぜこんなことをしているのか。分からないがただただカズマの所へ行かなければという想いだけが胸を占めて私の足を動かせる。

 

深夜の館は以前と同じくシンと静まり返っている。

聞こえるのはぺたぺたとした私の足音だけだ。

 

少し歩いたところで前方の部屋、カズマの部屋のドアが開いた。

中からは私と同じようにふらふらとした足取りのカズマが出てきて、私のことを確認すると、何も言わずに私に向かって歩き出した。

 

私は光に誘われる虫のようにふらふらと、カズマに歩み寄る。

カズマの方も花に誘われる虫のようにふらふらと、私に歩み寄る。

 

「…………」

「…………」

 

目の前にカズマがいる。

普段の冒険者服に身を包んだその目は眠たげな半眼で、かつて見た夢薬の状態と同じだ。

私は何かしゃべろうと試みるが頭に靄がかかったように思考がまとまらず、口がついてこない。

ならば行動で示そうとしても鉛のように体は重く、自由に動くこともままならない。

そんな私の様子を知ってか知らずか、カズマは普段と変わらぬ軽妙さで私の身体を抱きしめると、顔を近づけキスをし始めた。

 

「んちゅっ!ちゅばっ!じゅばっ!じゅっ!」

 

普段のような愛を確かめるような、私を気持ちよくさせるためのキスではない。

むさぼるような、まるで自身の中に渦巻く感情を発散させるようなキス。

私は身体を動かすことが出来ないまま、カズマのキスにいいように翻弄される。

私のお尻の穴からは腸液がたえずあふれ出て、早くも挿入準備を完了する。

 

しばし一方的な口吸いに晒されていたが、満足したのかカズマの方から顔を離した。私は特に感情を表に出せないままそれを見つめている。

 

無機質な私の表情。人形のようなそれをジッと見つめていたカズマ。

ふいにぶるぶると震え出したかと思うと、何かを抑えるように顔を伏せる。

そして我慢の限界になったのか再び顔をバッと上げて叫び出した。

 

「…ジト目のめぐみん、めっちゃ可愛い!!」

 

は?ん?

ジト目とは恐らくカズマと同じような半眼状態のことを言うのだろう。

それにしてもカズマは夢薬の影響下にいるというのに全く行動を制限されているように見えないがどうなっているのだろうか。

 

「…ん~可愛い!めぐみんめっちゃ可愛い!好き!好きだ!あぁ、めちゃくちゃ好きだ!」

 

私の疑問をあざ笑うかのようにカズマはジト目の私に夢中のようで、抱きしめながら後頭部をわしゃわしゃと撫で、耳やおでこに軽いキスをしてくる。

なんだこれは。身動きが取れないまま、カズマのなすがまま可愛がられる。これではまるで愛玩動物ではないか。……最高だ。

 

表情を変えられず身動きも取れない私。けれどその心の内は喜びの感情がマグマのように吹き出し暴れまわり、その熱によって顔にも赤みが増していく。

 

「…照れてるのか?あぁ~無表情なのに照れて赤くなってるめぐみんも可愛いなぁ!」

 

カズマはもうどんな私でも手放しで褒めてくれる。

そして

 

「んちゅぶっ!じゅぶっ!んぶっ!」

 

また濃厚なキスを始める。

 

そうやってカズマは何回かキスをしては私を褒め、またキスをするというループを繰り返していたが、私がしゃべらないのではなくしゃべれないことに気付いたのか抱きしめるのを止めて私の顔を覗き込んだ。

 

「…あぁごめんめぐみん。うまく動けなかったんだな。それじゃ命令だ、今から自由にしゃべっていいし好きに動いて構わないぞ」

 

カズマが私に命令する。

その途端、頭の中に渦巻いていたもやは晴れ、全く反応しなかった体が動かせるようになった。

 

「…はい、助かりました。…思考もまとまらず動けない。このままカズマの…愛玩人形になってしまうのではと…思ってしまいました」

「…愛玩人形」

 

咄嗟に出た私の一言。私の本心。

カズマがごくりと唾をのむ。私の発言に興奮してしまったのだ。

でも、忘れないで欲しい。さっきから動けない状態で可愛がられ興奮しているのは私も同じなのだから。

 

「んばっ!ぶふっ!んぼっ!ちゅるっ!」

 

今度は私からキスをする。

先ほどまでと違って私の舌も縦横無尽にカズマの口内で暴れ、むさぼりつくそうとやっきになって動き回る。

 

互いの口内が相手の唾液の味だけになったころにキスを終える。

カズマは息を荒くしながら、キスをする前の話を持ち出した。

 

「…めぐみんは、俺の愛玩人形になりたいのか?」

「…はい、なりたいです。毎日、好きな時に好きなように…愛でて可愛がって…欲しいです」

 

夢薬の影響で私は自分の心を偽ることが出来ない。

カズマの愛玩人形。何とも素晴らしい響きだ。咄嗟な思い付きだったが、私はそれになりたい。なってみたい。

カズマの顔を見ながら伝えるとカズマは嬉しそうに私を抱きしめてくれた。

 

「…あぁ、めぐみんは今から俺の可愛い人形だ。世界で一番可愛いお人形さんだ」

 

そういうと喜びを表現するようにまたキスを始める。

どうやらカズマはキスが大好きなようだ。いつもは切りがいい所でキスは終えるのだが、今は事あるごとにキスを迫ってくる。

もちろん愛する人の、愛する持ち主のキスを拒める人形などいやしない。

私はカズマの熱烈なキスの攻撃を、真っ向から受け止めた。

 

「…んはぁ…!はぁ…!はぁ…!」

「…んふぅ…!ふぅ…!ふぅ…!」

 

短い時間で連続のキスの嵐。

既に私達はメロメロで、息も絶え絶えになっている。

一足先に呼吸を整えたカズマが私に問いかける。

 

「…可愛いお人形さん、俺ばっかりでごめんよ。何かやりたいことはないか?」

 

カズマが私に主導権を回してくる。

私のやりたいことはカズマのやりたいこと。持ち主の言いつけを忠実に守りたい。

けれど私の中の夢薬が私の偽りない本心を言葉にして発言させた。

 

「…お酒を、飲んでみたいです」

「…お酒?」

 

予想外だったのかカズマがオウム返しに聞き返す。

 

思い出すのは夜のやり取り。

かたくなに酒を飲ませようとしないダクネス。アクアはそれを見て私をロリと呼び、普段のカズマもお酒を飲むことはどこか反対気味だ。

お酒を飲めるようになれば大人であるということ。つまりカズマがロリコン呼ばわりされることもなく、どうどうと私に結婚を申し出てくれるかもしれない。

私はお酒を飲むことと、その先にある浅ましい結婚願望まで口に出そうとしたのだが

 

「…分かった。…それじゃあギルドにでも行くか」

 

カズマは二つ返事でお酒を飲むことを了承した。

忘れがちだがカズマも夢薬を服用中だ。私が望んだことを拒否することが出来ない。

 

私達は仲良く手を恋人繋ぎにしながら、深夜の屋敷を後にしたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アクセルの街は治安がいい。

深夜ということで人通りもない街中だが、こんな時間に外を出るなど他の街では考えられない。

路地裏では酒につぶれた冒険者などが倒れていたりするが、それを襲う夜盗はいない。

縄張りからあぶれ、宿も取れない三流娼婦の姿なども見えない。

一定間隔に置かれた街灯が照らすのは、正しく昼間の様子から人だけを減らしたアクセルの街だった。

 

私とカズマは街の中心、冒険者ギルドに向かって歩を進める。

夢薬のためふらつきはするが酔っ払いも多い時間だ。特段変な印象は持たれないだろう。

 

「…………」

「…………」

 

私達は互いに無言のまま足だけを動かす。

今は私の命令「お酒を飲みたい」からのカズマが言った「ギルドに行こう」が実行中で余計なことはしゃべれない。

しゃべれないのだが…

 

「…カズマ、フェラがしたくなりました」

「…いいぞ」

 

突然頭に沸き上がった気持ち。カズマの一物を咥えたい。

そう思った瞬間に私の口は要望を唱え、カズマから了承を得る。

思いついてから3秒も経っていないだろう。

命令よりも自分の願望、本心が優先されたのだ。

 

丁度街灯の真下で私は跪き、カズマのズボンを降ろして一物を取り出す。

 

街灯に照らされた一物は完全に勃起していて、街灯に照らされてまるで白刃のように煌びやかに見える。

 

「んばっ!んぶっ!んぽっ!んぼっ!」

 

物陰に隠れることもなくカズマの一物を咥えこむ。

深夜で人通りが少ないとはいえ居ないわけではない。

酔っ払いが「お熱いね~」などとヤジを飛ばしつつ歩き去っていくが気にしない。

咥えたくなったのだから仕方がない。

 

カズマは私の咥えこみに顔をのけ反らして感じているようだ。

中空を彷徨っていた手が私の頭を掴み、わしゃわしゃとペットを褒めるように私の髪を無造作に撫でまわす。

持ち主が感じていることに無上の喜びを感じる愛玩人形。それが今の私だ。

私はカズマの腰に回していた手を自分の頭にやってカズマの手に重ねる。

そのまま頭を激しく振って「こうして欲しい」と表現した。

 

カズマは最初、私の動きに戸惑っていたが、夢薬でいつもより理性がなくなった思考は一物から伝わる快楽に敵わず、私の頭をがっちりと掴んで無理やり腰を動かしだした。

 

「がぼっ!んぼっ!がぼっ!がぽっ!」

 

むせてしまいそうな激しい抽送。

カズマが私の頭を掴んで腰を一心不乱に振る。口からは下品な音が出て頭の中を反響する。

こんな激しいフェラチオは初夜以来だ。夢薬のおかげでストッパーが無くなったカズマは私のことなど気にせず腰を振ってくれている。それが何より私を高ぶらせる。

 

「…うぐっ!ふぅぅぅ!」

「がびゅっ!?んびゅっ!?んばぁっ!」

 

カズマが私の喉奥へ一物を差し込んだ状態で頭を固定し勢いよく射精してきた。

直接胃の中へ熱いものが注がれていく。

それだけで私の身体はぶるぶると震えて、喜びだけで絶頂まで押し上げられてしまった。

 

「じゅうぅぅ…!ちゅううぅぅぅ…!」

 

尿道に残った精液まで吸い出して飲み込んでいく。

私のために出された精液だ。一滴たりとも無駄にはしない。

私という愛玩人形の徹底的なサポートに、ご主人様であるカズマもご満悦か、私の頭をなでてくれる。精液を頂いた上にこんな寵愛までもらえる。カズマの人形になって本当に良かった。

 

吸い終えた私はズボンを上げて一物をしまうとカズマの横に立ち上がる。

カズマの一物は射精をしたにも関わらず勃起したままなのでズボンの前はテントが張ってしまっているが、これはいつものことなので仕方がない。カズマは絶倫なのだ。

 

一物を咥えたことで満足した私はカズマと手を繋ぎ、腕を絡めて再びギルドに向かって歩き出す。

しかし少し歩いたところで今度はカズマの方が私に話しかけてきた。

 

「…めぐみん、キスしたい」

「…いいですよ」

 

カズマの要望に即答する。

なんというテンポの良さ。思い立った時がやり時なのだ。

 

水音を多分に含んだ音を出しながらキスをする。

 

私の口は先ほどの精飲で臭くなっているだろうに、カズマはそんなことお構いなしに私の口を吸って唾液交換を持ちかけてくる。

カズマの体液ならば何でも私の興奮材料になる。今の私はカズマの体液を燃料にして動く愛玩人形なのだから。

一心不乱に唾液を交換し合い口の中から精液の味がしなくなった頃にキスは終わった。

 

口を離して再び身体を密着させてギルドに向けて歩き出す。

歩き出すのだが…

 

「…カズマ、フェラがしたくなりました」

「…いいぞ」

 

口から精液の味がしなくなったことが物足りなくて、少し歩いた段階でまたカズマにフェラを所望した。もちろんカズマも了承する。

 

そしてフェラを済ませてしばらく歩くとカズマがキスをねだってきた。

もちろん私は即答する。

 

そんなこんなで、3回ずつフェラとキスを楽しんだ私達は、ようやくギルドまでたどり着いたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

冒険者ギルドというのは不夜城だ。

ダンジョンなど昼夜関係ない環境でクエストを完了した冒険者への窓口のため。

突然のモンスターの襲来に備えるため。

様々な理由で明け方近くまでその明かりが消えることはない。

そして、ギルド内の食堂兼酒場も明け方まで営業している。

私達が中に入ると夕飯時のような混み方はしていないが、それなりの人数が管を巻いて酒をあおっていた。

 

私達は適当なテーブル席に座るが、テーブル席にも関わらず隣同士で密着して席に着いた。

隣同士で座るならカウンター席に座ればいいものだが、夢薬の所為で短絡的な思考しかできない。近くの空いた席に座っただけなのだが…

 

「おい、あれカズマと頭のおかしい子じゃねぇか?」

「あいつら付き合ってたのか?なんか様子もおかしいけど」

 

ひそひそと周囲の冒険者から注目される結果になってしまったようだ。

だけど別に気にならない。ここにはお酒を飲みに来たのだから。

 

私達が席に着いてすぐ、深夜ということでやる気がない店員がオーダーを取りに来た。

その目はテーブル席で隣同士に座る私達を訝しんでいるのを隠そうともしていない。

 

「…この世界一可愛いお人形さんに、しゅわしゅわを一つ」

「お、お人形さん!?わ、分かりましたしゅわしゅわを一つ。少々お待ちください」

 

カズマは私のことをお人形さんと呼ぶ。それはまるで「妻です」と紹介されているようで、私のお尻は嬉しくてぴくぴくと動き出してしまう。

 

「しゅわしゅわ、お持ちしました」

「…これが……!」

 

僅かな時間で私の前にしゅわしゅわが置かれる。

いつもみんなに禁止されているお酒。それをいよいよ飲むことが出来る。今から大人になるのだ。

 

ジョッキの中身を見るときめ細かい泡に乗ってアルコールの変な匂いがする。

これがみんながおいしそうに飲んでいるしゅわしゅわ、さぞおいしいのだろう。

私は両手で包むようにジョッキを掴むと、中身を口いっぱいに含み飲み込んだ!

 

「……まずいです」

「…だろうな」

 

初めてのお酒は…まずかった。

苦いし、変にしゅわしゅわしているし、アルコールの後味も悪い。

私の幻想はこなごなに砕け散った。

 

「…その苦さが、大人の味なんだよ」

 

カズマが済ました顔でそう言ってくる。

苦みは大人の味!確かにそう思えばこの味わいも深いような気が…

私は再び、今度は先ほどまでよりも少なめにしゅわしゅわを飲む。

 

「…やっぱりまずいです」

「…貸してみろ」

 

まずい物はまずい。

ジョッキの中にはまだまだしゅわしゅわが残っており、飲み干せるか微妙だ。

これなら先ほど飲み干したカズマの精液の方が何倍もおいしい。

いっそのことカズマに精液をトッピングしてもらおうか思案していると、カズマが私の手からしゅわしゅわを取り上げて、自分の口に含んだ。

 

「……ん」

 

カズマが口を少し膨らませて私の方へ顔を寄せる。それだけでカズマが何をしたいのか理解した私は、是非もなくカズマの唇に吸い付いた。

 

「んっ…こく…こく…こく…」

 

少しずつカズマの口からしゅわしゅわとカズマの唾液が混ざったものが送り込まれてくる。

私はそれを嬉しそうに飲み干す。どんなものでも、カズマから与えられたものは宝物なのだ。

 

私の口の中に入ったしゅわしゅわ。

それは先ほど飲んだものよりもまろやかで、甘く、とろけるような味だった。

おいしい。もっと飲みたい!

 

私はもっともっとと餌をねだる雛のようにカズマの口に吸い付き、この極上のカクテルを楽しんだ。

 

「おい!口移しで酒を飲ませてるぜ!?やっぱりあの二人付き合ってたんだな…」

「あんま見るな馬鹿!こんな所で口移しに酒を飲ませる…頭がどうかしてるぜ、目を合わせるな」

 

周囲の冒険者がざわつくが知ったことではない。

むしろこんなおいしいお酒を飲めないなんて可哀そうな人たちだ。

 

何口かカズマ特製のしゅわしゅわを楽しんでいると、頭が夢薬とは違った感じでふらついてきた。どうやら初めてのアルコールで早くも酔いが回り始めたのだろう。

ふらつく私を見たカズマは口に含んだしゅわしゅわをごくんと飲み干して、自分の前に置かれていた水を私に差し出してくれた。

本当に私のことを理解してくれている。

 

その水をちびちびと飲んでいると、自然と周囲の冒険者の会話も耳に入ってくる。

ほとんどが取り留めもない話だが、聞き捨てならない会話が聞こえ、私の耳はそちらに向けられた。

 

「けどよ、臨時クエストが出るって話だがどう思う?」

「やめとけよ。あんなのただの色ボケ女の喘ぎ声だろ。それをモンスターの鳴き声と勘違いするんだから、この街の女冒険者は本当に身持ちが固いというか」

「受付嬢のルナさんも気付かないんだから、男日照りが激しいってもんだ」

 

臨時クエスト。すなわち私の喘ぎ声の大きさで新種のモンスターと思われた一連の流れ。

最初はなんだか悪いことをした気になっていたが…

夢薬と酒に酔った思考は、全く別な結論に達する。

 

なんで私達が我慢しなければいけないのか。

別に誰にも迷惑をかけていないではないか。

 

仲間に報告して屋敷でセックスは出来るようになったが、それでもあの爆裂散歩の後のお楽しみはかけがえのないものだ。これから一生出来なくなるなんてとんでもない。

 

私は瞳にメラメラと炎を宿して立ち上がる。

断固抗議しなければ!

 

カズマが突然立ち上がった私を不思議そうな目で見てくる。カズマにも無関係な話ではないので一緒に来てもらおう。

 

「…ギルドの受付に抗議しに行きましょう」

「…?分かった」

 

何を、と聞いてこないカズマ。流石カズマです今の一言で何に対しての抗議か分かったのでしょう。私のことを本当に理解してくれている。

 

飲みかけのしゅわしゅわをテーブルに残し、私達はギルドの受付へ歩み寄る。

この時間になるとクエスト報告などはほとんどないためか、開いている受付は一つだけだ。そこにはお馴染みの美人なお姉さんが座っていた。

 

「あれ?サトウカズマさんにめぐみんさん、こんな時間に珍しいですね。私ももう上がりますが、何か御用ですか?」

 

お姉さんはこんな時間まで仕事をこなしていたようで、その点に同情したくなるがそれとこれとは別問題だ。

私は半眼になった目をきりりと持ち上げて、話を切り出した。

 

「…新種のモンスターが出たっていう臨時クエストについてです」

「まさか何か有益な情報を手に入れたのですか!?」

 

お姉さんは期待に満ちた視線を私に向けるが私は憮然とした表情で端的に返した。

 

「…そのモンスター…私です」

「え?」「…え゛っ」

 

お姉さんから疑問の声が、カズマから驚きの声が上がる。

全てを理解しているカズマから声が上がったのは不思議だが、私は気にせず続ける。

 

「…新種のモンスターだと思われている謎の遠吠えは、私の声です」

「ええええ!?ちょ、ちょっと何を言っているのか…」

「…あの遠吠えはここにいるカズマとセックスしている時に出した喘ぎ声です!!」

「えええええええっ!?」

 

呑み込みの悪いお姉さんにイライラした私は大声で説明すると、それに負けない大声で驚くお姉さん。深夜で静かに会話を楽しんでいたギルド内にその声は響き渡り、否応にでも私達は注目を集めてしまった。

 

背後から集まる視線。お姉さんは気が動転しているのか目をぱちぱちとしていて話にならない。ならばここにいる皆に説明して広めてもらった方がいいだろう。

私はカズマと共に他の冒険者の方に振り返ると、お腹に息を吸い込んで、セックスで鍛えた大声でギルド内に宣言した。

 

「…新種のモンスターとされる謎の遠吠え、あれは私の喘ぎ声です!!私達は爆裂散歩の後に獣のように全裸でセックスするのが日課です!!その大切な日課を邪魔する者は我が爆裂魔法で跡形も残らず消し炭にしてやります!!」

 

私の堂々の宣言にギルド内はざわつきだす。私は上々の反応にむふむふと鼻息を荒くする。

 

「…セックスしているからと言って覗きに来る人には容赦しません!!私の裸を見た人はここにいる卑怯でずる賢いことで有名なカズマが必ず見つけ出して破滅させます!!ね?カズマ?」

 

うら若き乙女である私の裸目当てに人が集まってしまうかもしれない。しかし私に衆人環視の中情事にふける性癖はないのだ。そこら辺をしっかりとケアする私の言葉。なんて賢いことか。

隣のカズマは顔に手を当てて空を仰いでいたが、私に話を振られ、やけっぱちな感じで追従した。

 

「…めぐみんの裸は俺の物だ!!覗いた奴は全力で嫌がらせをするからそのつもりで!!」

 

完璧だ。

ここまで言えば私達の聖なる(性なる?)たわむれに邪魔が入ることはあるまい。

私は見事な口上を言い切ったことを褒めてもらいたくて隣のカズマにブイサインを送る。

それを見ていたカズマは重い溜息をついていたが

 

「…可愛いから許す!」

 

そう言って、周り中が見つめる中私に抱き着いてキスをしてきた。

それを見てさらに周りの冒険者のざわめきが大きくなる。

ふふ、私達の愛の深さに恐れおののくがいいでしょう。

 

「ちょちょちょっと!何やってんの二人とも!?」

 

しばしちゅっちゅと淫靡な水音を出しながらハグとキスを楽しんでいた私達だが、周囲の冒険者達の中から見知った人物が飛び出して中断させられてしまう。

 

「こんな時間に二人だけ?ダクネスやアクアさんはいないの?」

 

私達の手を掴んで強引に引っ張り、テーブルまで連行するのはダクネスの友達、盗賊少女のクリスだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「どういうことか聞かせてもらうからね」

「…ぐぅ」

 

再びテーブル席に着いた私達の相向かいにクリスが座る。

さながら尋問官といった様子でカズマに食って掛かったが、当のカズマは寝たふりで誤魔化そうとしている。

 

「ちょっと!今まで起きてたのに何でいきなり寝たふりをするの!」

「…クリスは…どうしたのですか?…こんな時間に」

 

この状態のカズマに真面目に問い詰めても時間の無駄だ。私はカズマの代わりにクリスに尋ねてみる。

 

「あぁ、この間ひどい仕事を押し付けられて、それが終わったから息抜きに呑もうと思ったんだよね」

「…ひどい仕事?面倒な…仕事だったのですか?」

「いや~、面倒なのもそうだけど、見た目がグロくて…。ったく無茶しすぎだよ」

 

そう言ってカズマの方を一瞬見たクリスだったが、すぐに本来の目的を思い出したのか逆に私の方へ興味深けな視線をよこした。

 

「それで、いったいどういう訳で、衆人環視の中キスを始めちゃったのさ」

「…めぐみんが世界一可愛いので我慢できなくなった」

 

カズマが寝たふりから復帰してそう答える。

カズマも世界一格好良くて素敵ですよ。

 

「ず、随分とはっきり言うんだね。もしかしなくても…二人って付き合ってるの?」

「「…付き合ってません」」

「え!?ええ!?どういうこと!?付き合ってもいないのにキスするとかどうなってるのさ!?」

 

私達は愛し合っているが付き合ってはいない。もうそういう次元は超越しているのだ。

クリスは私達の答えが意外だったのか、目を白黒させて驚いている。

 

「お互いのことは好きなんだよね?」

「…べた惚れだ」「…べた惚れです」

「それなのに付き合ってないの!?」

「「…はい」」

「おかしい!おかしいからそれ!!」

 

クリスには理解できない事柄のようだ。だけど愛し方はひとそれぞれ。私達は形にこだわらない。

あ、いや、そういえば先ほど追加された新しい関係を紹介しておくことにしましょう。

 

「…私はカズマの愛玩人形です。好きな時に愛でてもらい…愛し…可愛がってくれます」

「…めぐみんは俺の可愛い可愛いお人形さんだ」

「大丈夫!?それってカズマ君に騙されてたりしない!?」

 

失礼なことを言うクリスに私達はムッとする。

神聖な人形とご主人様の関係を疑うなんて。

私達の視線を受けて少したじろいだクリスは、気まずいのか、話を変える様に一口ジョッキを煽る。

 

「…というか、なんであんなに周りの注目を集めてたのさ。あ、いや、キスをすればそりゃみんな注目するだろうけど」

「…クリスは先ほど私が叫んだ内容は…聞いていなかったのですか?」

「今来たところだからね。入ってみたら中がざわついて人だかりが出来てたから覗いてみたらって感じだよ」

 

私はその言葉に頷いて考えをまとめる。この様子ではギルドに来たのも久しぶりで新種モンスターの騒ぎなども知らないかもしれない。

 

「…実はですね」

 

もろもろの出来事を説明すべく、最初から順序だってクリスに話して聞かせた。

 

…………………

………………

 

「ちょっと待って!屋外ですっ裸になってセックス!?」

「…はい、青空獣セックスは…愛を確かめるのに最適です。あれほど濃厚な絡まりは…中々体験できません」

 

私は過去のセックスの内容を想起してうっとりとしてしまう。その姿を見ていたクリスは「うわぁ…」と声を出して身を引いている。

 

「ちょっと見ないうちにめぐみんがダクネスみたいになっちゃってる…。ちょっとカズマ君、めぐみんをこんなにしたの君の所為でしょ?めぐみんばっかりに任せないでちゃんと説明してよ」

 

クリスに促されたからだろうか、私が説明している間黙っていたカズマがふらりと私を見る。

 

「…めぐみん、キスしたい」

「…いいですよ」

「え!?ちょっと…!」

 

カズマはキスがしたくなってしまったのだろう。ならば応えるだけだ。

私はクリスがわめくのも無視してカズマと濃厚なキスを始める。

 

「ちゅばっ!じゅばっ!んばっ!ぶちゅっ!」

「うわぁ…!うわぁ…!」

 

クリスに見せつけるように下品な音を立てて口を吸いあう私達。

クリスは手で顔を覆いながら目の部分だけは隙間だらけ…昼間のダクネスのようなポーズで恥ずかしがっている。親友ということらしいが、根本の部分で似ているのかもしれない。

 

ひとしきりキスを楽しんで顔を離す。私達の口からは唾液がツッと糸を引き何とも扇情的だ。クリスはそのあまりの光景に生唾を飲んで黙り込んでしまった。

そんなとき、私の頭の中に天啓がひらめく。

 

「…カズマ、フェラがしたいです」

「…いいぞ」

「良くないよ!ここはギルド!公共の場!何普通の顔して咥えようとしてるのさ!!」

 

私の頭の中の発想を霧散させるように、クリスが身を乗り出して手をぶんぶんと振った。

残念だが止められたら従わざるを得ない。

 

「…分かりました。やめておきます」

「…分かった。やめておく」

「ふぇっ?ず、随分物分かりがいいんだね。というか、なんかしゃべり方とかいつもと違うんだけど、何かやばい薬とか使ってるんじゃないの?」

「…ヤバくはないが、薬は使ってるぞ」

「やっぱりーっ!!」

 

クリスは頭を抱えて天井を見上げる。エリス教の祈祷は初めて見ますが独特ですね。きっと私達の仲をエリス様に報告してくれているのだろう。

 

「…ヤバくはありません。簡単に言うと飲むと他人の命令に逆らえなくなる薬です。私達は二人ともそれを飲んでいます」

「めちゃくちゃヤバいじゃんそれ!?色々常識がおかしくなってるからね!?」

 

クリスが叫び声を上げるが、すぐに口を塞ぎ辺りを見回す。どうやら薬の影響を心配して、不審者がやってきてないか確認してくれているのだろう。今の私達は他人から何か強制されたら逆らえないのだから。

だが、先ほどの私の大声の宣言の影響か、周りの冒険者は私達と目を合わせないどころか耳まで塞いで「やべぇよやべぇよ」「あいつら頭がおかしい」とビビっている。

この状態なら、変なことをしてくる不埒物はいないはずだ。

 

クリスは一応の安全を確認すると、声を潜めて私達に話しかける。

 

「今の状態と、二人がそういう仲になったってことは分かったけど、全裸で青姦とかどうかと思うよ?君たちその様子だと避妊だってしてないでしょ?」

「…それなら大丈夫です。私達はアナルセックスをしていますから」

「…あぁ、妊娠することはない」

 

クリスが、固まる。

 

もはや当たり前のことなので私達はさも当然のように暴露する。

しかしクリスは驚きの表情のまま固まり、微動だにしない。

 

「…俺達はアナルセックスをしているから」

「聞こえていますよカズマさんッ!二回も言わなくて結構ですッ!!」

 

聞こえなかったと思ったカズマがダメ押しに宣言すると、クリスが硬直から復帰した。

復帰したのだがその口調や仕草はいつものクリスとは全く違った、どこか上品さを伴ったものに変わっている。一体どうしたのだろうか。

 

「お尻の穴ですよお尻の穴!そんな不浄の穴で性交をするなんて、どうかしています!」

「…いや、よく考えてみてくれ。不浄の穴。だからこそ、そこに愛が生まれるんじゃないか?」

 

クリスは口を手で押さえて、信じられないものを見る目で私達を見ている。

カズマはそんなクリスと対照的に、まるで聖職者が信者に説法するような穏やかさで話を進める。

 

「…お尻の穴は汚い。それは間違いない。しかもいくらセックスを重ねても子供が出来ない、愛は育めない。そうは思っていないか?」

「その通りですよ。お尻での性交など、快楽を求めただけのものではないですか」

「…いや、それは違う。汚い場所、意味のない場所、だからこそ二人の愛が無ければそこでセックスをするという発想自体生まれないんじゃないか?」

「そ、それは…」

 

クリスがはっきりとしない口調で目を泳がせている。対してカズマは自身を持って持論を展開した。

 

「俺はめぐみんと触れ合うことで一つの真理に到達したと思っている。……すなわち、愛とはお尻舐めと見つけたり!愛する人のものならば、お尻の穴だって舐められるはずだ!」

「!?愛とはお尻舐め!…そ、そんな……」

 

カズマの熱い力説。最初クリスは反論していがその熱量に負けたかのように、へなへなと力なく肩を落としてしまう。今まで信じていた価値観が崩れていく。その姿にはそれが如実に表れている。

 

あくまでカズマの言ったことは私達の中だけの話だ。

真剣に落ち込んでしまっているクリスに慰めの意味も込めて私からも話をする。

 

「…私達はまだ子供は早いと考えているので前の穴でのセックスはしていません。私としてはカズマと早く子作りセックスをして結婚をしたいとも考えていますが、正直怖さも同じくらい感じているので今のところアナルセックスでいいかなと思っているのです」

「…俺としても子作りセックスをしてめぐみんを孕ませたいと思っているが結婚とかはまだ早い気がしている。でも将来はめぐみんと結婚したいからもう少ししたらプロポーズするつもりだ」

 

私の話を受けて、カズマがいきなりそんなことを打ち明けだす。もう少しでプロポーズするなんて初耳だ。

本心をしゃべってしまう夢薬、恐ろしい代物ですね。

 

「…カズマ、そういうことは夢薬を使ってないときに言って欲しかったですよ」

「…ごめん。俺も言うつもりはなかったんだけど薬の所為で暴露しちゃったよ」

 

カズマは後ろ髪をかきながら照れくさそうに笑う。本当に、しょうがない人ですね。

カズマにつられて笑っていると、落ち込み気味だったクリスが顔を上げて、同じようにくすりと笑った。

 

「…お二人は本当に互いを愛しているのですね」

「…あぁ」「…えぇ」

「固定概念だったのかもしれません。ダメですね導く者がそんなのでは…」

 

私達の力強い返事にクリスは吹っ切れたように遠くを見つめる。

というか

 

「…さっきからしゃべり方が変ですが一体どうしたのです?導く者?」

「!?おほん!あーっと、なんか二人が凄いことを言ってきたから私も真面目スイッチが入っちゃったのかもしれないよ!あはは…!」

 

目を不自然にキョロキョロさせて額にかいた汗を拭うクリス。

怪しさ全開だが夢薬を使用している今では、詳しく追及することもままならない。まぁいいでしょう。

 

クリスからの理解も得られ、しばし三人で会話する。

 

クリスは呑みに来たという言葉通り、クリムゾンビアーを呑んでいるが私は未だにしゅわしゅわの味に慣れない。

しゅわしゅわをカズマの前に置くとそれだけで意図を察してくれたのか、口に含んで口移しで私に分け与えてくれた。

 

「げはぁっ!?ごほっ…ごほッ…。そ、そこまでする?」

 

クリスが驚きでむせてしまうがしょうがない。こうしないとおいしくお酒が飲めないのだから。

一口で十分だった私はカズマから顔を離して、移された液体をこくこくと飲み干す。小動物のようなその飲み方をカズマは幸せそうに、クリスはあきれ顔で眺めている。

 

「…あぁ、めぐみんってば、世界一可愛いなぁ!」

 

カズマの一言がギルド内に響き渡る。

 

もちろんカズマの一言はさほど大きな音量ではなかった。けれどギルド内の会話の途切れ、それらが偶然重なって、カズマの声だけがギルド内に響いてしまったのだ。

その声を聞きつけたのか、少し離れた席にいた酔っ払いが立ち上がりこちらに近づいてくる。

 

「よぉカズマ、さっきから聞いてれば可愛い可愛いって、初めて彼女が出来たからって見せつけすぎなんじゃないかぁ?」

 

絡んできたのはカズマと顔見知りの冒険者だった。普段なら割と口下手で温厚な人なのに、今日はお酒も入っているせいか変な絡み方をしてきている。

 

「おい、あいつ確か先週彼女に振られたって…」

「溺愛してたのに浮気されたんだっけか」

 

周りの冒険者からそんな噂が聞こえてくる。ならばこの絡み方も納得だ。

 

「カズマくん下がって。酔っ払いに構ってもいいことなんかないよ」

 

近づく前から警戒していたのだろう。クリスが颯爽と席を立ち、カズマと男の間に割って入った。

しかしカズマも冒険者だ。絡まれて女の子にかばわれちゃ恰好がつかない。

夢薬の影響で半眼になった目をさらに細めて、ゆらりと席から立ちあがった。

 

「…俺のめぐみんが世界一可愛いことに異論があるのか?」

「自分の彼女が可愛いからって世界一可愛い!世界一可愛い!って連呼してるのを見てるとイライラするんだよ。お前は世界中の女を見て回ったのか?えぇ?」

「カズマくん下がって!あんたも彼女に振られたからって変な絡み方するのやめなよね!」

 

カズマと冒険者が剣呑な雰囲気を高めていき、それをクリスが必死になだめようとしている。

 

「あいつも彼女のこと世界一可愛いって自慢してたよな」

「今のカズマと昔の自分を重ねちゃってるんだろうな」

 

周りの冒険者の発言でこの男の事情が知れるがそんなの関係ない。

紅魔族は売られた喧嘩は必ず買う。私はただ見ているだけの女ではないのだ。ここは一発ガツンと…

 

そう思って席から立ち上がろうとすると、ククク…と場違いな笑いが聞こえだす。

他でもない。当事者のカズマから笑いが漏れ出していた。

 

「な、なにがおかしい!?」

「…俺のめぐみんがどうして世界一可愛いか教えてやるよ」

 

凄みのある表情に男もクリスも、周りで事の成り行きを見守っていた冒険者たちも息をのむ。

 

「…俺は何度も何度もモンスターにやられて死んでいる。そのたびにエリス様に会って話をしている」

 

突然のエリス様の話に絡んできた冒険者も、周りの人たちも、私も、意味が分からずにきょとんとしてしまう。

クリスだけは何だか落ち着かない様子だったが、カズマの言葉を待っている。

 

カズマが話を続ける。

 

「何度も何度もエリス様に会い、エリス様の姿を拝見しているが…………ぶっちゃけめぐみんの方が可愛い!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇッ!?」

 

断言するカズマ。何故かショックを受けるクリス。

私はその言葉に怒りも忘れて顔が赤くなってしまう。

 

「…カズマ♡」

「…さらに俺は女神アクアにも会ったことがあるが、あいつよりもめぐみんの方が数万倍可愛い!女神二柱よりもここにいるめぐみんの方が可愛い!つまりめぐみんは世界一可愛いということで間違いない!証明終了!Q.E.D!!」

 

カズマはギルド中に響く大きな声で高らかに私の可愛さを証明して見せた。

 

「…もう、カズマったら言い過ぎですよ」

 

私は嬉しくなって飲めもしないお酒をくぴくぴ飲んでしまう。

あまりの自信たっぷりな証明に、絡んできた男はだらだらと汗をかき「悪い。邪魔したな。幸せにな」と言ってそそくさと自分の席へと戻っていく。

周りの冒険者もカズマの話に感銘を受けたのか「エリス様の見た目をディスるなんてどうかしてるぜ」「エリス教徒が怖くないのか?頭がおかしいってレベルじゃねーぞ」と震えあがっている。

 

カズマは勝ち誇ったような、やり遂げたような顔をすると、先程の私のように私に向かってブイサインを出してきた。

私も同じくブイサインをしてカズマを褒めたたえる。はぁ、カズマ、カッコいい。

 

ぐうの音も出ない見事な証明。けれどそれに待ったをかける人物が一人現れた。

他でもない、ショックを受けていたクリスがカズマに食って掛かったのだ。

 

「か、カズマ君!もちろん女神エリスが世界一可愛いって言うつもりはないけど、可愛いにも色々あると思うんだよね!?」

「ふふ、クリス。確かにエリス様もとびきりの可愛さがあるのは間違いない。だが、めぐみんにあってエリス様にないものが一つだけあるんだよ」

「そ、それは…?」

 

クリスがごくりと唾をのんでカズマの答えを待つ。

周りの冒険者も答えが気になるのか耳をそばだてている。

 

「俺はめぐみんのアナルは舐めたいが、エリス様のアナルは舐めたくない!!」

「舐めさせないからッ!!エリスは君にアナルなんて舐めさせないから!!」

 

カズマの判断基準を聞いた周りの冒険者達が一斉に私達から距離をとる。

口々に「頭がおかしい!」だの「やべえ奴とやべえ奴が付き合いだしちまったぞ!」と恐れおののいている。

 

「…私もカズマに早くお尻の穴を舐めてもらいたいですね♡」

「バカップル、バカップルだよこの二人!!」

 

傍に控えていたクリスがわなわなと震え、カズマに負けない大声で叫び返した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…早く結婚したいな」

「…早く結婚したいですね」

 

もう何度目か分からないやり取りを繰り返す。

あれから私達は完全に「関わったらやべー奴ら」になったのか、周囲のテーブル席から他の冒険者は非難して三人だけで呑んでいた。

クリスは辟易しているが、聞かないと延々と同じことを繰り返すのが分かっているのか、しぶしぶと何度目か分からない質問を繰り出した。

 

「そんなに結婚したいならもうしちゃえばいいのに。末永く爆発してください!」

 

投げやり気味なクリスの言葉に私達は同じように応える。

 

「「それはまだちょっと怖い」」

「あぁぁ!!面倒くさい!!」

 

クリスが頭をぐしゃぐしゃと掻きむしっているが私達には関係ない。カズマといるだけで楽しくて楽しくて仕方ないのだ。

 

そうやって私達は惚気たり、いきなり一物を咥えようとしたのを止められたり、いきなりお尻の穴を舐めようとしたのを止められたりしながらお酒を楽しんでいたのだが…

 

「……帰るか」

「…はい」

「え!?ちょ!?いきなり!?」

 

カズマが思いついたように帰宅を宣言し、私もそれに即答して帰る準備を始めた。

店員に自分たちの分のお金を払ってギルドを出ると、後ろが騒がしい。

何事かと振り返ってみると慌てたクリスが追いかけてきたようだった。

 

「ま、待ってよ!いきなり帰るって急すぎるでしょ」

 

確かに急だがそろそろセックスがしたくて仕方がない。

カズマも同じ気持ちだったようで帰ることを指示したのだろうが、正直な話クリスとはここで別れても問題ないはずだ。

 

「いやいや問題大有りでしょ!二人は互いの命令を断れない状態なんでしょ?そんな状態でセックスって危なすぎるよ!誰かが付いててあげなきゃ」

 

クリスがさも当然のことのように言ってくるが…

何を言っているのだこの娘は。それはつまり私達のセックスを見学して、問題があれば止めに入るということだろうか。

クリスのことはダクネスの友達ということで信頼はしているが、それでもセックスを見せるのには抵抗がある。

口を開いて断ろうとしたが

 

「お願い。二人のセックスを見学させて」

 

先んじて命令されてしまった。

 

「…分かった」

「…分かりました」

 

命令されたら断ることなどできない。

私達は不承不承返事をする。

けれどカズマはここだけは譲れないとばかりに、クリスに念を押した。

 

「…俺達のセックスは激しい感じだけど、止めないで欲しい。あくまで見守るだけにしてくれ」

「分かったよ。女神エリスに誓って、二人の愛の営みを止めたりしないよ」

 

クリスはにこっと笑って了承した。

エリス「様」と付けないあたり、どこまで本気かは分からないが仕方がない。

今日のセックスはクリスに見られて、だ。

 

誰かに見られながらのセックス。

それは初夜の時にちょむすけに目撃されて以来だ。

 

あの時のことを思い出す。

獣のような繋がりを見られる。ひどい状況なのにどうしようもなく興奮して…

初夜の時は一瞬だったけど、今はずっとクリスが付いて回るのだ。

どうしよう。そんなの…

 

「…興奮してきたか?」

「!?」

 

カズマが私の心の動きを見透かしたように聞いてくる。そんなことはありません、普段ならそう答えるというのに…

 

「…はい、今から楽しみで楽しみで仕方ありません」

 

いやらしくにへへと笑ってそう返してしまった。

 

「うわぁ…!」

 

クリスは私の返答に引きながらもどこか興味ありげな…言うならば生娘のような反応を示した。

盗賊なんて職業で明るい性格のクリスなら男性経験など数えきれないほどあるでしょうに、存外ウブな反応をしますね。

 

私とカズマは行きと同じく手と手、腕と腕を絡めて歩き、その後ろをクリスが付いてくる。そんな不思議な三人パーティで屋敷への帰路についた。

 

…………………………

……………………

 

ギルドから出て少し、まだ大声を出せばギルドの中に届きそうな距離。

私は早くも天啓を得て、カズマに打診することとなった。

 

「…カズマ、フェラしたいです」

「…いいぞ」

「ええぇぇ!?こんな道端で!?そんなの…」

 

非難の声を上げ止めさせようしたクリスを私とカズマが薄く睨む。それでは約束が違う。

あくまでクリスは見守るだけなのだから。

 

「…大丈夫だよ。行きもやったけどヤジを飛ばされただけで済んだから」

「それ全然大丈夫じゃないからね!?」

 

クリスは路上で口淫をすることに慣れていないのか、恥ずかしさを隠すようにわめきだすが、そうやって大声を出す方が人目に付く。

こんなのは堂々とやっていれば案外気にもされないのだ。

 

私はその場にしゃがみ込むと、慣れた手つきでカズマのズボンをずり降ろす。

カズマの物がぶるんと音を立てて飛び出すと、クリスが「きゃっ!?」と小さく悲鳴を上げた。

 

「…カズマ君の…大きくて、長いね」

 

咄嗟に出てしまった感想なのだろう。しかし、その言葉にカズマの一物は興奮してぴくぴくと動き出す。

私というものがありながら他の女の誉め言葉に反応するとは言語道断。そんな悪い一物にはとびきりのをくれてやりましょう。

 

「うくっ…めぐみん…」

「うわぁ…!うわぁ…!」

 

じゅぼぼぼと音を立てて一物が口内に収まっていく。

ギルドに向かう際にした時よりも深く深く。

根元までカズマの長い物を収めることに成功する。

 

「うそ…全部入っちゃった…」

 

喉まで使った深い咥えこみ。初夜で失敗したことを契機にあれから練習をしていたのだ。

呼吸は出来ないが吐き気はだいぶ緩和されている。

咥えたまま上目遣いでカズマを見る。

 

「うふぅ~」

「うぅ…めぐみん…」

 

快楽にさらされた情けない顔。

その顔も、この一物も、全部私の物だ。クリスなんかに渡さない。

その意思を込めて咥えた状態でにいっと笑うと、カズマの一物がずくんと脈打った。

どうやら興奮しているようだ。

 

「じゅぼぼぼぼっ!」

 

一度完全に引き抜き、口を広げて舌をちろちろと動かして誘惑する。

今からこの口でカズマの一物を咥えることを意識付けさせる。

 

「すごい…あのめぐみんが…」

 

クリスが口を押えて驚愕の表情を浮かべている。

その舌先でカズマの弱点のカリの部分をぺろぺろと舐めてあげた。

 

「うくっ…めぐみん…」

 

カズマの情けない声。私は興が乗って遊ばせていた右手でカズマの睾丸を優しくマッサージする。

 

「ううぅぅ…」

 

泣くようにカズマが喘ぐ。睾丸はずっしりと重く、今日も終わるまで一度も弾切れにならないことを保証している。

私は睾丸を弄る手はそのままに、再び喉奥を使って一物をすべて咥えこんだ。

 

「がぼっ!がぽっ!がぼっ!がぼっ!」

「す、すごい…」

 

そこから深い深いストロークで一物をしゃぶりだす。

口からは空気と一物が触れ合ってはじける、何とも言えない下品な音が発せられる。

引き抜いたときに鼻から呼吸することを覚えた私は、イマラチオの最中も酸欠にならず、徹底的にカズマの一物から精液を吸引する搾精器となったのだ。

 

「め、めぐみん…気持ちいいぞ」

 

カズマが精液を出すまでこの動きは止まらない。

私はカズマの愛玩人形。搾精器型の愛玩人形なのだ。

だからお腹の奥へ熱く重い愛を解き放ってほしい。

 

「め、めぐみん…出そうだ…いいか?」

「がぽっ!じゅぼっ!んぼっ!」

「え?え?」

 

カズマのしたいことが分かって頭を振りながら小刻みに頷く。

クリスは何のことか分からないのか戸惑った声を上げていたが、私たち二人にはもうクリスのことなんか見えていない。

カズマはクリスに説明することもなく行動に移した。

 

「がびゅっ!?ぼぽっ!?がぼっ!!ばぽっ!!」

 

カズマが頭をがっしりと掴み、腰を高速で動かしだす。

私は固定され物のように扱われて、苦しさと大いなる幸せに酔いしれる。

 

「め、めぐみん大丈夫!?めぐみんが死んじゃうよ!とめ、とめ…ひっ!?」

 

何も分かっていないクリスが待ったをかけようとしてきたが、私はそれを射殺さんばかりの強い視線で黙らせた。

今いい所なのだから黙っていて欲しい。

 

幸いにもカズマはもう私の口に夢中のようで、必死に腰を振ることしか出来ていない。

そして

 

「んびゅっ!?がびゅっ!?ばぷっ!?んぶっ……」

 

喉奥まで一気に挿入してカズマが射精した。

胃に直接精液が叩き込まれて、お酒を飲んだ時以上に身体が熱くほてってしまう。

びゅくびゅくと精液を出されていると幸せで、私の身体は力が無くなって、正座のように足を折り曲げてカズマの射精を受け止め絶頂する。

 

長い長い射精を終えるとずろろろろと食堂から一物が引き抜かれる。

嗚咽感が込み上げるが、訓練の成果か吐きだすこともなく、カズマの物をすべて胃に納めることが出来た。

 

引き抜かれた一物をぺろぺろと舐め上げて綺麗にする。

尿道に残った精液も吸い出して飲み込む。

 

一連の流れを終えた私の頭をカズマが優しく撫でてくれて、充実感でいっぱいになった。

 

「ひえぇ…」

 

すっかり存在を忘れていたクリスが何とも言えない情けない声を上げた。

脇を見るとクリスはしりもちをついて地面に座っており、そういえば途中止めようとした時に睨んだことを思い出した。

 

「…行為の最中は止めないでください。真剣なので」

「うぅごめんよ。あんまりにも凄かったからつい」

 

素直に謝るクリス。

クリスだって私のことを思って止めに入ったのだと理解しているので許してあげる。

 

「…しょうがありません。もし、昔の私が今の状況を見ても止めに入ったでしょうし。だけど私達はセックスに対して真摯です。無茶はしますが危なくはないので大丈夫です」

 

私の言葉にカズマも続ける。

 

「…今のだってめぐみんは最初の内は吐いちゃったんだよ。だけど練習して吐かずに最後まで出来るようになった。それはひとえに俺への愛だと思っている。だから俺はめぐみんが苦しそうでも止めたりしない、それは愛を疑う行為だからな」

 

初めて言葉にして聞くカズマの本音。

まさしくその通りだ、練習をしたのもカズマのことを想ってだ。

カズマは正しく私のことを理解してくれていることが分かり、自然と頬をゆるんだ。

 

「人同士のセックスをこんな間近で見るのは初めてだったから動揺しちゃったみたい。ごめんよ。次からは大丈夫だと思う」

「…なんかその言い方だと遠くからなら何度も見たことあるような言い方ですね」

「そ、そんなことはないよ!それじゃまるで私が暇でずっと覗き見してたみたいじゃんか!」

 

クリスは変な風に誤魔化す。この人も謎が多い人だ。

けれど詮索は野暮というもの、気にせずにいきましょう。

 

私とクリスは手で土を払って立ち上がる。

まだ屋敷までは随分距離がある。まだまだ夜はこれからなのだ。

 

………………………

…………………

 

ギルドの傍でイマラチオをしてから数百メートル。

そろそろ何かくるかと思っていた矢先、案の定カズマに天啓が降りてきたのか、立ち止まって私の方を見つめてきた。

 

「…めぐみん、アナルを舐めたい」

「…いいですよ」

「ほ、本当にお尻の穴を舐めるんだ」

 

クリスは先ほどのギルドでカズマに熱く力説されてはいたものの、本当にお尻を舐めることになるとは思っておらず、どこか興味深げな声を上げた。

 

私は壁に手をついてお尻をカズマの方へ向ける。

カズマは私のパンツだけをするすると降ろして、ノーパン状態にすると、冒険者服のスカート部分をまくってお尻をあらわにした。

 

「うわぁ…ど、同性とは言え、お尻をこんなまじまじと見ると、なんだか恥ずかしいね」

「うぅ…!」

 

クリスが感想を漏らすが、恥ずかしいのはどう考えても私の方だ。

私のお尻はこれから舐められるのを期待し、腸液と愛液がしたたり落ち、ぴくぴくと開閉を始めているのだから。

 

「…さっきはクリスをないがしろにしたから途中で止めようとしちゃったんだろ?今回はじっくり解説しながらやっていくから安心してくれ」

「え、えぇ!?い、いいよそんなの!もう止めない、止めないってば!」

「うぅぅぅぅぅ……」

 

そんなの出まかせだ。

クリスのためなんかじゃない。私を辱めるためにクリスに見せつけるのだ。

それが分かっている私は呻き声を上げて控えめな抗議を示してみる。

 

けれどそんなのカズマは分かったうえでやっている。

止まるわけがないのだ。

 

「…アナルを舐める前に色々見ておこう。まずここが舐める予定の肛門。さらにこっちが膣口に尿口、クリトリスだな」

「め、めぐみんのお尻の穴、ぴくぴくと震えているよ。緊張してるのかな」

「…違うよ。今からお尻を舐められるのが楽しみで楽しみで、我慢できなくなってるんだよ」

「うぅぅぅぅぅぅ……!」

 

カズマが屈んで私のお尻を指さして色々とクリスに説明しだす。

根が真面目なクリスはおかしな状況だと分かっていても説明されると律儀に観察しだし、気付いたことをきちんと報告してくる。

恥ずかしい部分をまるで授業のように解説される。なんだこの状況は。

 

「…それじゃ舐める前に指でほぐしておこう」

 

カズマはそう言うと中指を口に含んで唾液まみれにした後、私のお尻の穴へずぶぶぶと埋没させていく。

 

「結構すんなり…入るもんなんだね」

「…指一本くらいなら誰でも入るぞ。もし指一本を挿入するなら器用な人差し指か長い中指がおススメだ。めぐみんは慣れているから中指だな」

「ふぉぉ…!ぉぉぉ…!」

 

他人に見られながらお尻の穴に指を入れられる。

導入も導入、普段は意識もしない刺激のはずなのに、状況も相まって私の口からはもう喘ぎ声が漏れてしまっている。

 

「…一本指でやれることは少ないけれど、こうして小刻みに振動してやると…」

「あっ、クリトリスが震えてるよ」

「…そう、この状態でクリを弄ってやると」

「うきゅぅぅぅぅ♡♡うぅぅぅぅぅ♡♡」

「…泣き出しちゃうくらいに感じちゃうんだよ」

「めぐみん…気持ちよさそう…」

 

カズマがお尻に入った指を振動させて私のクリトリスの根元を刺激してくる。そしてその状態で私のクリを優しくこすりだした。

電流が流れる様な強い刺激に、私はクリスがいることも忘れてかん高い嬌声を上げてしまう。

 

「…さらに、今は皮を被っているけどこうやって皮を使って上下にこすってやると」

「ふぉぉぉっ♡♡それ♡やめ♡うひぃぃぃっ♡♡」

「…痛みもないし気持ちよさだけが駆け抜けるんだ」

「うわぁ…うわぁ…!」

 

カズマはクリの皮を使ってちゅぽちゅぽと皮オナのように上下にしごき出す。

カズマの言うとおり、痛みはなく気持ちよさだけで腰がかくかくと動いてしまう。

まるでクリトリスに身体全体を支配されているように翻弄される。

 

クリスは気持ちよさそうに腰を振っている私を見て、ちょっと興味が出て来たのか食い入るよう私の痴態を観察している。

そんな事務的な視線が私をさらに興奮させるとは思ってもいないのだろう。

 

カズマがお尻から指を抜いてクリトリスのしごきも止める。

クリスは指での責めが終わったと勘違いしたのか、感嘆の息を吐くが、もちろんこんなものでは済まない。

 

「…次は指を二本入れてみよう」

「二本も?大丈夫なの?」

「…めぐみんは三本までなら余裕で入るぞ」

「三本も?ひぇぇ…」

 

クリスが驚きの声を上げるが、何だかいけないことを叱られているみたいで恥ずかしい。自然と広がってしまったのだから仕方ないではないか。

 

カズマが指を二本挿入する。

 

「…指二本を挿入する場合は人差し指と中指がいいだろうな。指二本の場合はこうやって指を交互に動かして」

「バタ足みたいだね」

「うおぉぉ♡♡おおぉぉ♡♡」

 

カズマがバタバタと指を動かす。

別の生き物が私のお尻の中でのた打ち回っているような感触に、私は頭を振りかぶって感じてしまう。

 

「めぐみん、気持ちいいの?」

「いいぃぃ♡♡いいぃぃですよぉぉ♡♡」

「…お尻で本当に感じるんだね」

 

クリスが絶妙なタイミングで私に質問してくる。

そう、そうやって気持ちいいか聞いてくれるとこっちも燃えるのだ。

お尻で感じているのか、お尻なんかで。言外にそんなメッセージを込められている気がして心もお尻も燃えて来るのだ。

 

クリスのナイスアドリブで予想以上に私が乱れたのを確認してカズマが指を抜く。

この流れならば次は…

 

「…それじゃあ指を三本入れるぞ。さっきの二本に加えて薬指を入れるぞ」

「ねぇ、さっきから色々解説してくれてるけど、私は人のお尻に指なんて入れないから教えてくれなくていいよ」

「…もしかしたらこの先ダクネスに入れたりするかもしれないだろ?」

「入れないから!私とダクネスはそんな関係じゃないからね!」

 

クリスの反論を聞き流しつつ指三本がお尻の中へ埋没していく。

 

「ふぉぉぉ♡くおぉぉぉ♡」

「…指三本まで使うと色々な責めが出来るけど、めぐみんが一番好きな責めをしてみるかな」

「めぐみんの一番好きな?」

 

そう言うとカズマは三本の指を三方向に広げ、すぼめてを繰り返してきた。

私の大好きな連続排便の動きだ。

 

「お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡」

「…こうやって広げて閉じてを繰り返すのがめぐみんは大好きなんだよ」

「こ、声が凄いことになってきてるよ。…本当に気持ちよさそう」

 

私は舌を突きだしながら短く下品な声で喘ぎまくる。

クリスの前で疑似的にでも排便していることを考えると、恥ずかしくて、とても気持ちが良い。

私が恥辱によって快感を得ていることを分かっているカズマは、さらに追撃してくる。

 

「…クリスはお尻の穴が広がるのはどういう時だか分かるか?」

「えっ!?そ、それは…アレを…出してる時だよね……!?まさか…!」

「…そうだよ。この動きは連続でうんちを出したような快感が味わえるんだよ。めぐみんは今、クリスの前でうんちを出して感じているのさ」

「う゛う゛うぅぅぅ♡♡!う゛う゛う゛うぅぅぅぅ♡♡!」

 

やめて!クリスにバラすのはやめてください!

私はそんなはしたない女ではない!そんな女では…!

 

「めぐみん…本当に変態さんになっちゃったんだね」

 

クリスが呆れたような、諦めたような声を出す。

あぁ、そんな言い方、しないで……

 

「お゛お゛おおおぉぉん♡♡あ゛あ゛おぉぉぉん♡♡」

「うわっ!?な、なに!?遠吠え!?」

 

クリスの突き放したような言葉に私は深く絶頂してしまう。嫌なのに、はしたない女になってイキまくる。

頭と腰を振って、潮をぷしゅぷしゅと噴射してイキまくる。

 

「…よしよし、いっぱいイッたな。……俺はめぐみんがどんな変態さんでも大好きだぞ」

「うぅぅぅ…♡♡ううぅぅぅ……♡♡」

 

カズマが指を引き抜き、汚れていない左手で私の頭を撫でながらそんなことを言ってくれる。

そうだ、どんな風になってもカズマがいてくれる。カズマが傍にいてくれれば恥ずかしく何てないのだ。

 

「ちゅっ…んちゅ…ちゅばっ…」

「うわぁ…」

 

カズマが頭を撫でながら顔を近づけて来たので間髪入れずキスをする。クリスの言葉に傷ついた心がカズマで補修されていく。あぁ、満たされる。

一方で上辺だけのやり取りしか見えていないクリスは私達の倒錯的なやり取りに心底引いたような表情で私達を眺めている。

ふふ、所詮は他人。私達の崇高な愛のやり取りは分からないのでしょう。

 

キスを終えて唇を離す。

名残惜しいが次のステージに進むとしましょう。

 

「…それじゃお尻を舐めるか」

「えぇ!?今盛大にイッたじゃん!?あれで終わりじゃないの!?」

「…んふぅ。…おかしなことを言いますね。カズマは最初にお尻を舐めると言ったじゃないですか。ならばあれはあくまでクリスへのパフォーマンスですよ」

「そんなパフォーマンス求めてないから!!」

 

クリスの叫びは無視してカズマが再び私のお尻の前に跪く。

手でお尻の穴をくぱっと広げると、先ほど絶頂したからかいつも以上に腸液がしたたり落ちて初見の人にはグロテスクだろう。

 

「…ほら見てみろクリス。ぬめぬめしててめちゃくちゃ綺麗だろ」

 

カズマはいつだって私を手放しで褒めてくれる。

カズマの誉め言葉に私のお尻の穴は嬉しそうにぴくぴくと動く。

 

「えぇ…どっちかというと気持ち悪いよ?本当に舐めるの?」

 

クリスの言葉にぴくぴく動いていたお尻の穴はしゅんとすぼまってしまった。

 

「…こらクリス!お尻の穴はデリケートなんだぞ!」

「ご、ごめんよ!」

「…お尻の穴さんごめんなさいって言わないと!」

「お、お尻の穴さんごめんなさい!……うぅ何で私がこんなことを…」

 

クリスの謝罪でお尻の穴も機嫌を直す。

元気にぴくぴくと動き出す。

 

「…それじゃアナルを舐めだすけど、舐めだすとしゃべれないから俺は解説が出来ない」

「いや、だから私は解説を求めてないって」

「…だから俺じゃなくめぐみんがクリスに実況して伝えるんだ」

「…えっ、私がですか!?」

 

カズマの突然の申し出に私は驚いてしまう。

クリスにお尻を舐められている所を見られながらそれを実況する。

どこまで私を辱めれば気が済むのか。

 

「…めぐみんは獣じゃなくて人間だからな。出来るだろ?」

 

カズマが挑発してくる。見え透いた挑発だ。こんなものに引っかかるはずもない。

 

「…当たり前ですよ…。私は獣のような声なんて上げずに見事に実況してみせます…」

「めぐみん、それフラグ、フラグだよ」

 

クリスは呆れているがこれは素晴らしい手なのだ。人間のまま実況を完遂すればカズマに褒めてもらえ、獣に堕ちても可愛いとカズマに褒めてもらえる。どう転んでも私にはおいしい状況だ。

 

話しをまとまったとばかりに、いよいよカズマが私のお尻の穴に顔を近づく。

この瞬間は実は緊張する。

舐める関係上鼻もお尻の穴に近づくので臭くないか不安なのだ。

カズマに聞いたって本当の所は教えてくれないだろう。

 

「うきゃ♡」

「ほ、本当に舐めた…」

 

カズマがぺろっとお尻の穴をひと舐めした。私は思わず声を上げ、クリスは信じられないのか戸惑いの声を上げる。

このままぺろぺろ舐めるのかと思いきやカズマは口を離してしまった。

 

「…実況」

「…うぅ、すみません」

 

ついいつものように成すがまま流されそうになってしまったが、今は実況をしなければならない。

今度こそはと気合を込めて身構える。それを受けてカズマも再び舌をお尻の穴に這わせた。

 

「ぉぉ♡か、カズマの舌がぁ♡私のお尻の穴のシワを丹念にぃ♡たんねんにぃ♡舐めてくれていますぅ♡」

「す、すごい。しわを伸ばすように舌を使ってほじっているよ」

 

どうしても震えて中途半端になってしまう私の実況を補足してくれるクリス。

生真面目な性格が災いして気付いていないが、お尻を舐めている状況を本人と合わせて実況なんて頭がおかしい。どうかしているとしか思えない。

 

おぼつかないながらもきちんと実況しているからか、カズマの舌の動きは次のステージへと進む。

 

「ふぉぉぉっ♡♡したがぁ♡奥まで♡にゅくにゅくと私のお尻の中を這いずり回っていますぅ♡♡」

「お尻の穴の中に舌が全部入っちゃった…」

「なめくじぃ♡♡なめくじがぁ♡お尻の中であばれていますぅ♡♡」

 

カズマが舌を突きだして奥まで差し入れる。

その状態でにゅるにゅると動いて私の腸壁を舐めようと暴れ回る。

 

「あ゛お゛っ♡出し入れしないで♡イッダ♡イギましたっ♡♡」

「そんな…舌をそんな早く出し入れするなんて…」

 

カズマは舌を伸ばしてそれを高速で出し入れし始める。

柔らかい舌でそんな動きをしたら気持ちよさしかなく、私はイキまくって腰をカクつかせる。

 

「たすけっ♡たすけてっ♡お尻の穴でディープキスするの♡♡やめてくださいぃぃっ♡♡」

「だ、大丈夫なの!?めぐみんが助けを求めてるけど!?」

 

カズマは使っていない手を使ってオーケーサインを出してクリスを安心させる。

私もグーサインを出して介入を阻止する。

 

「…君たちは似た者カップルなんだね」

 

あくまでプレイの一環ということが分かったのだろう。クリスは静観の構えを見せる。

 

カズマは高速の出し入れをした後、再び奥まで挿入してちゅっちゅと舐め回したり、お尻の蕾を舐めたりとやりたい放題に弄りまわす。

快楽に晒された私とそれをフォローする形でクリスが実況していくが、思いのほかちゃんと出来ている、これならカズマによくやったと褒めてもらえるだろう。喘ぎ声を出しながら内心でほくそ笑む。

 

そんな風に、私は油断していた。

油断は死につながる。冒険者家業をしているのにそのことを失念していたのだ。

相手はどんなモンスターよりも厄介なカズマだというのに。

 

悲痛な叫びを混ぜた喘ぎを上げる私の内面の余裕。そんなのカズマはお見通しなのだ。

そして、カズマは容赦がなかった。

 

『ドレインキッス』

「あぎゃあああああっ♡♡!!があああああああ♡♡!!」

「なに!?何が起こったの!?」

 

深く深く差し込まれたカズマの舌。発動される『ドレインキッス』

私は声高く絶叫を上げて身悶えるが、クリスにとってはイキナリ私の気が狂ったように見えたのだろう。混乱しておろおろとし出す。

 

「…ひっきょう」

「むり゛いいぃぃ♡♡!!う゛りいいいい♡♡!!」

「これ大丈夫なの!?ほんとに大丈夫なの!?」

 

こんな状況なのにカズマは実況を続けるよう促してくるが、そんなことできる訳がない。

私は目を裏返しながら叫ぶことしかできない。

クリスはあまりの光景に泣き出しそうな程慌てている。

 

だけどこんなのはカズマとのセックスにおいては日常茶飯事だ。

カズマも慌てる様子もなく先程と同じようにオーケーサインを出し、私も震える手でグーサインを出した。

 

「おかしいから!!こんな感じ方おかしいから!!」

 

クリスには理解できないようで私の喘ぎ声に負けない音量で騒ぎ出す。

 

しかし今は深夜で、ここは街中だ。

こんな大声で悲痛に喘ぎ、怒声を上げたら周辺住民が気付かないわけがない。

近くの民家の明かりが付いてざわつきだす。

 

「!?ま、まずいって二人とも!みんな起き出してきちゃった早く逃げなきゃ!!」

 

クリスは見つかるとマズいと考えたのか先程とは別の意味で慌てだすが、青空獣セックスに慣れている私達からすればこんな状況など想定内だ。

こんなこともあろうかと、以前から練習していた秘策を披露する事としよう。

 

「に゛ゃお゛お゛おおぉぉぉっ♡♡な゛お゛お゛おぉぉぉぉッ♡♡」

「そんなのが通じる訳ないでしょ!!」

 

私は猫だ。カズマの愛玩猫人形なのだ。

そう想いを込めて発情期の猫のような声を上げる。

迫真の私の演技にカズマもオーケーサインを出して褒めてくれる。

しかし、クリスは何をとち狂ったのか大声で駄目出しをしてきた。そんな大声をだしたら…

 

「こんな時間に何事だい!?うるさいよ!!」

 

明かりが付いた家のドアが開いて、中から中年のおばさんが出てきてしまった。

 

「ほらぁ!!やっぱり駄目じゃん!!」

 

クリスが泣き崩れる様にその場にへたり込んでしまう。そりゃあんな大声で怒ったら住民も何事かと思って出てきてしまうというものだ。

 

おばさんは、何度か挨拶もしたことあるおばさんは、私達を見て驚愕し混乱している。

その間もカズマはドレインキッスを発動し、お尻を丁寧に愛し続け、私の口からは発情期というよりもひき殺した猫のような声が出続けている。

 

おばさんは固まっていた。

固まり、言葉を失っている。

そして、事態の把握を済ませると、

 

「…なんだい。猫かい」

 

汗をかきながら回れ右をしてドアを閉めてしまった。

 

「ええぇぇぇぇっ!?」

 

クリスは地面に尻もちをついた状態で驚いている。

深夜ということで良く見えず、声だけで判断したのだろう。我ながら完璧な鳴きまねだ。

 

「違うよ!ヤバイ人達だと思って見て見ぬふりをしたんだってば!!」

 

クリスは見当違いなことを言うがそんな訳がない。

危機を乗り越えて安心した私は一際大きな鳴き声を上げて絶頂する。

 

「にゃ゛お゛お゛おおおぉぉぉっ♡♡♡!!」

 

街中に響く猫の嬌声。けれど今度は誰も出てくることはない。

私とカズマはそれぞれグーサインとオーケーサインを出して、互いの健闘をたたえ合った。

 

「もうやだぁぁぁっ!!」

 

何故かクリスは精神をすり減らしてしまい、うずくまって泣き言を叫んだのだった。

 

 

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屋敷の前まで戻ってきた。

 

「うぅ…もう街中を歩けないよぉ…」

 

あれから数十メートルおきにカズマがお尻を舐めたくなり、その度に私は自分のお尻を提供し、猫となって叫び倒した。

クリスは猫になった私に抱き着き「もうやめてぇぇ!!」と叫びながら制止しようとしてきたが、その声の大きさに再び住民が飛び出してきてしまった。

そんな住人達も私の渾身の鳴きまねを聞くと、目を泳がせて家に戻っていった。

 

結構な人達にお尻を舐められている姿を目撃されてしまったが、その全てを誤魔化すことが出来るとは、カズマの運の良ささまさまだ。

 

「薬の効果はどうしたの!?私が止めに入ったらやめるんじゃなかったの!?」

 

涙目のクリスがカズマに食って掛かるが、カズマは至って冷静だ。

 

「…最初に確認しただろ。止めに入らないって。ルール違反には従えないよ」

「そんなぁぁぁっ!!」

 

クリスはがっくりと四つん這いになって肩を落とす。

奇遇ですね。私と同じ格好だ。

 

「にゃお゛おぉぉ♡あ゛おぉぉぉ♡」

「めぐみんもこんなになっちゃうし」

 

度重なるお尻舐めで私は完全に猫になってしまった。というか私は最初からカズマの愛玩猫人形だった気もする。

ともかく、腰の振りすぎで一人で立つことが出来ない私は、屋敷の前で肩を貸してくれていたカズマの腕からするりと抜けおちると、四つん這いになって腰を振り、鳴き声を上げていたのだ。

というか私は猫なので二足歩行に無理がある。

 

「…めぐみんも猫になったし一度俺の部屋に行こう。今のめぐみんにぴったりなプレゼントも用意してあるんだ」

「えぇ、まだやるの!?」

「…何言ってるんだ、まだセックスもしてないってのに」

 

クリスはおかしなことを言っているが、私はプレゼントという言葉に嬉しくなって持ち主兼飼い主のカズマに正面から飛びつく。

抱っこちゃん人形のように腕と足をカズマの胴体に巻きつけて、ぺろぺろとカズマの頬を舐めて喜びを表現する。

 

「にゃぁ♡にゃぁん♡」

「…猫になっためぐみんも世界一可愛いぞ」

 

私とカズマはキスをしながら屋敷の中へと入って行く。

後ろから肩を落としてどこか疲れた表情のクリスが付いてきていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お、お邪魔しま~す…。…やっぱり先輩の結界は綺麗だなぁ」

 

屋敷の中は深夜と言う事もありシンと静まり返っている。

クリスは他人の家ということで恐る恐る歩を進めているが、私を抱えるカズマは気にもしないでズンズンと自分の部屋へと向かっていく。

 

何事もなくカズマの部屋にたどり着き三人で中に入った。

 

「はぁぁ…疲れた…」

 

クリスがへなへなと床に座り込む。特に何をした訳でもないのにだらしない人だ。

私もカズマから降りて、クリスの横に伏せって待機する。

私を降ろしたカズマはクローゼットを開いて何やらごそごそと漁っている。

 

「はぁ、でもこれで一安心かな」

 

クリスが何気なく呟くが、何をもって安心なのか分からない。

カズマのことを甘く見ていると痛い目を見るのだ。

それを忠告したくても猫である私は人の言葉をしゃべることが出来ない。ちょむすけもこんな気持ちなのだろうか。

 

「にゃぁっ♡にゃっ♡」

「…いつになったら戻るのさ、これ」

 

せっかく私が猫語で忠告したというのに失礼な人だ。

そんなやり取りをしているとカズマが目当ての物を引っ張り出し終えたのか、満面の笑みで私に笑いかけた。

 

「…めぐみん!お前にプレゼントだ!ベッドの上に来てくれ」

「にゃあっ♡♡」

 

愛しい飼い主に呼ばれ私はベッドに飛び乗る。

四つん這いでお尻をふりふりと振っている私にカズマが何やら色々取り付けていく。

どうやらプレゼントとは装飾品のようだ。

 

「…めぐみんは俺の愛玩人形だからな。お人形さんには着せ替えと相場が決まっている。……よし、完成だ!めぐみん見てみろ!」

 

カズマが部屋の隅にあった移動型の姿見を持ってきて私の姿を映してくれる。

 

私の両ひざには黒く染められたプロテクター。これで膝が痛くならない。

両手には肉球が付いたミトンのような大きな手袋。

そして頭には、私の髪の色と同じ黒色のネコ耳。

 

「…完璧だ!ねこみん!お前はねこみんだ!ちなみにめぐにゃんという呼び方も考えたが色々まずそうなのでやめておいた!」

 

カズマが興奮した声で叫ぶ。

私の姿はネコ型の獣人もかくやと言える姿になっていた。それでいて四つん這いになっても手と膝が傷つくこともない。私のことを考えぬいた衣装だ。

さらに最初から付けている首のチョーカーが首輪のようで…。

普段の私の冒険者服に付け加えられたそれらは、完璧な調和をもって私の見た目をネコに変えていた。

 

「わぁ可愛い!似合ってるね!」

 

これにはクリスも手を合わせて褒めてくれる。

私も嬉しくなって鏡の前で飛び跳ね、プレゼントしてくれたカズマに頭をこすり付ける。

 

「にゃあぉっ♡なぁぁ♡」

「…ふふ、これだけじゃないぞ。さらにとびっきりの物がある」

 

カズマは私の頭を一撫でするとベッド脇の机から何やら長い物を取り出し、私とクリスに見せつけてきた。

 

「…どうだ!」

「………なにそれ」

 

テンション高めのカズマと対照的に冷めた目で見つめるクリス。

 

カズマが取り出したのは長く、黒い、猫の尻尾だった。

尻尾なのだが、その根元には同じく長く、黒い物が…男性の一物が取り付けてあった。

 

「…これをお尻に入れれば完全にネコになれるぞ」

「馬鹿ッ!カズマ君は馬鹿なの!?こんな物貰って喜ぶ女の子なんていないよッ!!」

 

クリスが怒り狂う。

完璧な衣装を褒めた分、頭に来たようで、青筋を立てて怒っている。

けれど、そんな怒り心頭なクリスが気にならないほど私はカズマの取り出した尻尾…。その根元の一物に目が釘付けだ。

一般的な男性基よりも長い代物。形と言い長さと言い…。

 

「にゃあんにゃっ♡」

「…おっ、めぐみんは気付いたな、そう、これは俺のチンコの型から自作した張り型だよ」

 

やっぱり。

根元の一物はカズマの物だった。毎日見ているからすぐに分かった。

しかし、自作したとはどういうことだろう。

 

「…実は尻尾が付いた張り型というのはその手の店なら普通に売っているんだ。だけど、めぐみんに俺以外の物が入るなんて許容できない。だから俺のちんこの型を取って自作してみた!」

 

カズマは自信満々に言ってのける。

そんな風に思ったからと言って本当に自分の一物の型を取って張り型を作るなど、普通はあり得ない。

そこにカズマの純然たる愛と、強い独占欲を感じて、私は嬉しさで震えてしまう。

 

「…さらにこれは魔力伝達効率の良い金属を使ってる。見ていろ」

 

そう言うとカズマが尻尾の部分を握って魔力を流しだす。ドレインタッチの魔力供給ではなく、お風呂に備え付けられている湯沸かし器に魔力を流すのと同じ要領だ。

そう、これはドレインタッチではない。けれど魔力を流された途端に尻尾の根元部分の一物が、紫色に怪しく輝きだした。まるでドレインタッチを発動した時のように。

 

「…触ってみろ」

 

私は手袋を脱いで一物部分に振れる。

金属ということで冷たいはずなのに暖かな力が流れ込んでくるのを感じる。

効果こそ小さいが、それは正しくドレインタッチの魔力供給の効果だった。

 

「…これを入れた状態で、ねこみんが悪い事をしたらお仕置きに魔力を流すからな。ねこみんは賢いから、悪い事なんてしないよな?」

 

カズマが挑発してくる。

悪い事をしたら魔力を流される。こんな長い物から一様に魔力が放出される。そんなの……

 

「ふにゃにゃにゃっ♡♡」

「…こらっ!ベッドの上で爪とぎするんじゃない!」

 

私は素早く手袋をはめ直すと前足でベッドのシーツをかりかりとかき出した。もちろん手袋には爪なんてないから爪とぎも何もないのだが…。

期待した目でカズマを見る。

 

「…たく、しょうがないなねこみんは。クリスッ!」

「え!?え、なに!?わっわっわ…」

 

カズマが持っていた尻尾と引き出しから取り出したのだろう香油が入った瓶をクリスに投げ渡す。いきなり物を投げられたクリスはつい受け取ってしまうが、それが一物を模した物だと分かると顔を真っ赤にして投げ捨て…ることは出来ないでわたわたする。

 

「…それは金属製でそのまま入れるには冷たいんだ。人肌程度に暖めて欲しい。それとその香油も塗りたくっておいてくれ」

「なんで私が!?」

 

カズマはクリスの了承を得ないまま背中を向け、再び引き出しを引っ掻き回して何かを探し出す。

クリスが何を言っても聞かないといった意思表示を見せる。

 

クリスはカズマの有無を言わせない態度に逡巡する。

手の中にある尻尾を、張り型を見る。平均よりも長い張り型は金属製ということで黒く、鈍く、光沢を放っている。

 

「うぅぅぅぅぅ……」

 

見た目に寄らず真面目な正確なクリス。

頼まれたからには断れないどころか完璧にこなしてしまうのか。

 

クリスは香油の瓶の蓋を開けると張り型に垂らし、それを全体に行きわたるように手を使って塗りたくっていく。それでいて張り型全体に熱を与えるためにちゅこちゅことしごき出した。

 

まさしくそれは手コキの動きだ。

 

「うぅぅ…。なんで私がこんなこと…」

 

活発で可愛らしい女の子が黒い張り型を手コキしている。

同性の私から見ても酷く扇情的で淫靡な姿だ。

思わず猫であることを忘れて見入ってしまう。

 

カチャッ

 

一心不乱にクリスの様子を眺めていた私の意識を、金具の音が引き戻す。

音の発生源は私の首。

首にあるチョーカーには新たに留め具が繋がれており、そこから赤いロープのような紐が伸びている。その紐の先をカズマが握っていた。

 

「…猫にはリードなんてないけど、ねこみんはやんちゃだからな」

 

カズマはにやにやと笑っている。その目は痴態を晒しているクリスなんて少しも写しておらず、私のことだけを見ている。

 

カズマに繋がれている。

カズマに見られている。

 

生涯の飼い主を前に愛玩猫人形たる私はすぐさま行動に移る。

 

「にゃおぉぉん♡にゃあぁぁ♡」

「…本当に、可愛いな」

 

お腹を出すようくねくねと動いてカズマに媚を売る。

早く可愛がって欲しい。早く早く早く!

そんな気持ちを込めて、マタタビを与えられた猫のようにうにゃうにゃと転がりまわる。

 

「もう十分温まったと思うよ。……本当にこんなの入れるの?」

 

律儀に温め続けていたクリスが依頼を完了して、持っていた張り型をカズマに渡してくる。

いつもは股間に生えているカズマの物が手渡しで移動している。餌を前にした本物の猫のように、私の視線は受け渡される一物に沿って動かされる。

 

「…大丈夫だよ、いつも同じ大きさの物を入れているんだから。それじゃねこみん、そのままでいいから入れやすいように足を広げて」

「にゃおんっ♡」

 

私はいつもの服従ポーズ、手を顔の横、足をがに股になって受け入れ態勢になる。

パンツは先程のお尻舐めの時に脱がされているので私の股間を隠すものは冒険者服のスカート部分だけだ。それもがに股で足を広げているので、カズマとクリスには私の陰部が丸見えだろう。

 

「めぐみんの恰好、エッチすぎるよ…」

「…よしよし、今日も最高に可愛くてエッチだぞ。それじゃ入れるぞ」

 

カズマが尻尾付きの張り型を私のお尻の穴にあてがう。後は力を入れれば入ってしまう。

そこでカズマは驚きの提案を投げかけてきた。

 

「…よしクリス、一緒に入れてみようか」

「え!?な、なんで!?私はいいよ!!」

「…温めるのを手伝ってくれたりここまで付いてきてくれたお礼だよ。…あ、ちなみにこの尻尾は予備があるから終わったら一個上げるよ」

「そんなお礼いらないよ!!こんな長くて…黒光りしてるのなんて…」

 

クリスはそう言いつつも香油でテカテカに光っている張り型のことが気になるのか、ちらちらと目で追ってしまっている。

カズマはそれに気付いているのかいないのか、クリスの手を強引に掴むと、自分と一緒に張り型を持つよう握りこませる。

 

「…遠慮はいらないって。ほら、どんどん飲み込んでいくぞ」

「遠慮とかじゃ…。うわ、本当だ、こんなに長いのにつっかえず入って行っちゃう」

「にゃおぉぉぉ♡♡なおぉぉぉぉ♡♡」

 

力を込められたことでずぶずぶと張り型が私のお尻の中に入っていく。

カズマだけでなく、クリスまでにも挿入される姿を正面から視姦される。

私の口からは長い長い喘ぎが漏れて、目は裏返り、口は間抜けな形に開いてしまう。

 

「めぐみん、本当に気持ちよさそう…」

「…お尻の穴は慣らすと本当に気持ちいいからな。おススメだぞ」

「…………」

「にゃおっ♡にゃ゛おぉぉ♡」

 

クリスが少し迷ったような顔をしていたので私からもお尻の気持ちよさを布教する。猫語で。

そんなこんなしていると、尻尾付きの張り型は私の奥深くまで入り切った。

 

「…完成だ。完璧なねこみんだ!見てみろ、ほら」

 

カズマがブルブルと震えて歓喜の声を上げた後、姿見を私に見える位置まで持ってくる。

私は挿入された衝撃から回復すると服従ポーズをやめて四つん這いになり、鏡に映った自分を眺めた。

 

先ほどの格好に黒くて長い尻尾が加えられている。

どういう訳かその尻尾は本物の尻尾のようにくねくねと重力に逆らって動いている。

 

「…その尻尾はねこみんのお尻のうねりなんかを感じ取って自動で動くようになっているんだ」

「無駄に高性能だね…」

「にゃぁ♡」

 

カズマが私のために作ってくれたもの。

それを身に着けてカズマの理想通りの姿になれた。こんなに嬉しいことはない。

私はさらにカズマを喜ばせるために本物の猫のように前足で顔をこすったり、伸びをしたり、猫になり切ってカズマを誘惑する。

 

「…あぁ可愛い。本当に可愛い。なぁ魔道カメラっていくらするんだっけ?」

「詳しい額は分からないけどカメラも高いしフィルムも使い切りなのに高額なはずだよ」

 

どうやらカズマはこの姿の私を後世に残しておきたいのか、魔道カメラの購入を真剣に悩んでいるようだ。私達の子供と一緒に猫になった写真を眺める。……アリですね。

 

「…いや、今ないものをねだっても仕方ないか。よし、ねこみんの準備も整ったし予定通り夜の散歩に出かけようか」

「ちょ、ちょっと待って!予定も何も、散歩に出かけるなんて初耳だよ!」

「…何言っているんだ。こんな可愛いねこみんを部屋だけで可愛がったらもったいないだろ。大丈夫、散歩と言っても屋敷の中だけだからさ」

「全然大丈夫じゃないから、それ!!」

 

クリスは部屋で完結すると思っていたのだろうが、こんな所でカズマが止まるはずもない。

 

「にゃぁおん♡」

 

愛しい飼い主との散歩が楽しみで、私は明るいトーンで一声鳴いたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

カズマの部屋から出る。

私は特製の衣装に身を包み、四つん這いで進む。手袋とプロテクターのおかげで四つん這いでの移動も苦にならず、もう一生カズマの愛猫として生活してもいいかもしれない程だ。

 

私の横にはカズマが立ち。私の首のチョーカーに繋げられたリードを持っている。このリードを無理やり引っ張って従わせる…と言った暴力的なことも出来るはずなのに、あくまで私のことを考えて優しく持つだけに留めてくれている。優しい所も本当に愛おしい。

 

クリスは私とカズマの後ろを、びくびくしながら付いてきている。

その様子は何かにおびえるような、誰かに見つかるのを怖がっているような、挙動不審と言える歩き方だ。

 

「そりゃそうでしょ!アクアさんやダクネスに見つかったら…ブルッ」

 

私の心の中を読んだのかクリスはそんなことを言ってくる。

だけど二人には私達の仲を報告済みだ。つまりはこんな姿を見られても何ら問題はない。

カズマも同じ考えなのか、クリスを安心させるために話しかける。

 

「…二人にはちゃんと言ってあるから大丈夫だよ」

「屋外でセックスしたことは?ギルドで噂のモンスターが自分たちなことは?二人が変態的なセックスに夢中なことは?」

「…………俺達は仲間だ。きっと分かってくれるさ」

「ああぁぁぁ、どうか二人とも起きてこないでください!」

 

今のところクリスの声が一番大きいのを分かっているのだろうか。

まぁすぐに私の声が上回るので気にせずにいこう。

 

クリスの嘆きを無視して私達は屋敷の廊下を歩きだした。

シンと静まり返った屋敷の中を、猫として歩く。それだけで楽しくて、嬉しくて、興奮する。

私のお尻から生えた尻尾は、そんな気分を反映しているか如く、ゆらゆらと絶え間なく揺れている。

 

「にゃぁ♡にゃぉ♡」

「…ふふ、ご機嫌だなねこみん」

「にゃおっ♡にゃあん♡」

 

それはそうだろう。

愛しい飼い主との散歩で機嫌が悪くなる猫などいないはずだ。

私はカズマの足に頭を擦り付けて甘えてみる。

 

「…こらこら、そんな風にしたら歩きづらいだろ?」

 

カズマは笑いながら私の頭を優しく撫でて、たしなめるだけだ。

まるで本当の飼い主と猫との触れ合いのように暖かな光景。

後ろから見ているクリスも、その柔らかな雰囲気に、こんな異常な状況なのも忘れてクスと小さく笑顔を浮かべている。

 

「………それにしてもねこみんは本当に良い子だな。普通の猫なら壁なんかで爪を研いでズタズタにしちゃうのにな」

 

だけど柔らかで温かいだけの空気など、すぐに消し飛ぶ。

カズマは突然爪とぎを話題に持ち上げて私を試すようにジッと見つめだした。

そうだ、良い子なだけの猫などここにはいない。ここにいるのは飼い主にお仕置きをしてほしくてわざとイタズラをする、悪い猫なのだ。

 

「あぁ…やっぱりそうなるのね」

 

クリスもだいぶ分かってきたのか、あきらめたように呟いた。

その声をきっかけに私は行動に移る。

カズマの足の間でじゃれるのを止めて、壁の方まで歩み寄り、勢いよく前足で爪を研ぎだしたのだ。

 

「うにゃにゃにゃにゃっ♡」

「…あっ、こら!」

 

カズマが白々しい声を上げて少し強めにリードを引っ張る。それに伴って繋がったチョーカーがぐいと引かれ、私は壁から廊下の床へと倒されてしまった。

…この、ぐいと引っ張るの。結構クセになりそうです。

 

「…ダメだろねこみん!見ろ壁がこんなにズタズタになっちゃった!」

「全然ズタズタになんかなってないけどね…」

 

クリスが冷めた声で突っ込みを入れるが私達は既にスイッチが入っているので無視して続ける。

 

「…これはお仕置きが必要だな」

「にゃぁ…♡にゃぉぉ…♡」

 

カズマのお仕置き。

私はそれが怖くて怖くて仕方ないので、か細い声を上げて反省する。

カズマを上目遣いに見て許してもらおうとする。

 

「…そんな声で鳴いてもダメだぞ。お仕置きだ」

 

だけどカズマは許してくれない。私は自分の顔が笑顔になってしまわないよう必死にこらえて、鳴き続ける。

 

カズマが私の尻尾をむんずと掴んだ。

それはまがい物の尻尾で神経などは通っていないはずなのに、乱暴に掴まれたことで無意識にびくっと身体を強張らせてしまった。

 

「…いくぞ」

 

カズマが低い声でつぶやく。

あぁ、いよいよお仕置きが始まる。

 

合図を送ったカズマの手から、尻尾を伝わって魔力が流れ込んできた。

 

「にゃ゛お゛っ♡♡!?にゃ゛お゛お゛お゛お゛っ♡♡!?な゛おぉぉぉぉッ♡♡!!」

 

その途端、深く深く差し込まれた張り型から魔力が溢れて、私の腸壁を狂わせにかかった。

魔力の供給量という意味ではドレインキッスはもちろん、ドレインタッチにも遠く及ばない。

けれどこの張り型はカズマの一物を模しており、カズマの一物はとても長い。

その長い張り型全てから魔力があふれ出て、指や舌では届かなかった奥の奥まで私の直腸内を魔力で満たしたのだ。

 

あまりの快楽に、私は潮をまき散らして絶頂する。

パンツを履いていないため、吹き出た潮はスカート部分や廊下の床を黒く変色させていく。

 

「…こら、床まで汚して!全然反省してないな!」

「に゛ゃお゛おっ♡♡!!にゃ゛お゛っ♡♡!!な゛あ゛あぁぁ♡♡!!」

 

違う!反省している!これは生理現象だから仕方ないのだ!

そんな気持ちを込めて叫ぶも、猫語はカズマに通じることはなく、想いはすれ違ったままだ。

そのすれ違いの分だけ私は深い深い絶頂に押し上げられてしまっている。

 

「ちょっと、声!声が大きいよ!反響して凄いことになってるから!」

 

クリスは辺りをキョロキョロとせわしなく見回して、ビクつきながら注意してくる。

クリスが言う通り廊下の形状上、声が洞窟の中のように跳ね返り、私の声が重なって聞こえてくる。

 

クリスは必死になって止めるように言うがカズマがこんな中途半端で終わるはずもない。

そう思っていたが…

 

「…そうだな。よく見たら壁も平気みたいだしお仕置きはここまでにしておくか」

 

カズマが魔力を流すのを止める。

その途端張り型からの暴力的な快楽は収まり、お腹の中にカズマの物を収めている充足感だけが残る。

 

「にゃぁ…♡にゃぉ…♡?」

 

激しい快楽が中断されたことと、予想外にお仕置きが短時間で終わったことが不思議で、私は呆けた鳴き声を上げる。

クリスを見ると声が収まったことを安堵しており、不思議がってはいないようだ。

 

そして張本人のカズマを見る。なぜ止めてしまったのか。夢薬の影響で止めてしまったのか。まだ自分は余裕だ、これからだというのに!

疑問と憤りと期待を込めてカズマを見る。

 

カズマは…笑っていた。

大丈夫だよ、と私を安心させる目で。

 

「…クリスも止めに入ったしお仕置きはここまでだ。…………ねこみん、反省したか?」

 

あぁ、ずるい。

ずるいですよ、そんなの。

 

カズマは私に問いかけてくる。

反省したか。もう悪いことをしないか。

……もうお仕置きはしなくてもいいか、と。

 

そんなの、答えなんて決まっている。

 

私は絶頂を迎えて少し気だるい体を動かす。

 

「うにゃにゃにゃにゃっ♡」

「…全然反省してないな!本当にイケナイ子だ!」

 

私は床に敷いたカーペットをガリガリと削るように前足を動かす。

その通り私はイケナイ子なのだ。だからイケナイことをしてイカせまくって欲しい。

私の望みを理解しているカズマは再びしっぽを掴むと魔力を流し込んできた。

 

「う゛にゃあああああっ♡♡」

「なんで!?なんでまた始めちゃうの!?」

「…これはお仕置きだ。ねこみんが反省するまで終わりには出来ないんだよ。…ほら、どうだ、これならどうだ反省したか!?」

「もうやだぁぁ……」

 

そう言いながらカズマが私の中に入った張り型の出し入れを始める。

アナルをいじめる基本の動き、ゆっくり抜いて素早く入れる。それを腕を動かして張り型で再現してくる。

 

「に゛ゃお゛お゛おぉぉぉ♡♡にゃ゛お゛ッ♡!?」

 

一見すると、引き抜かれる際には魔力を放つ張り型が腸壁に触れる面積も減るので楽になるような気がしてくる。しかし実際には引き抜くという動きはアナル本来の快楽だ。魔力を放とうがそれは変わらず、私を狂わせる。

さらに圧迫感を伴う突き入れの際は、逆に魔力を放つ張り型が苦痛を全て快楽に変換して私を狂わせてくる。

 

抜いても地獄、入れても地獄の快楽地獄。そんな無間地獄に私を突き落としてきたのだ。

 

「…反省したか?反省したか?」

「にゃ゛あ゛ううぅぅ♡♡にゃ゛あ゛ううぅぅぅ♡♡」

 

私は首をぶんぶんと振って否定する。反省などしていない、だからもっともっとお仕置きを、無限にお仕置きをして欲しい。

私の股から溢れる愛液と腸液が、先ほど潮で濡らした床の上に落ちて、もう床のカーペットはぐしょぐしょだ。

 

カズマの一物を模した張り型がもたらす夢のような快楽に私はイキ散らかす。

けれど一向に反省しない私に、飼い主のカズマは怒りだしてしまう。もちろん演技だが。

 

「…ねこみん、いい加減にしなさい!そう反抗的なら俺にも考えがあるぞ。クリス、そんな所でうずくまってないで手伝ってくれ」

 

カズマが張り型を動かす手を止めずにクリスの方へ振り返る。

クリスはいくら行っても行為を止めない私達にどうしようもないと悲観し、涙目になってうずくまっていた。

そんな陰気な雰囲気では私の喘ぎ声も暗い物になってしまうではないか。

 

「うぅぅ何?これ以上私に何を求めるのさ…」

「…いくらお仕置きをしてもねこみんがちっとも反省しなくてさ。俺の代わりに尻尾を動かしてほしいんだ。俺はその間に上半身にお仕置きをするから」

「えぇ!?」

「にゃおぉっ♡!?にゃおおぉぉ♡♡にゃおおぉぉ♡♡」

 

この状態で上半身も愛される?

そんなことをしてしまったら私は間違いなくおかしくなってしまう。

私は首をぶんぶんと振ってやめるよう懇願する。

 

「…ほらな、ねこみんも首を振って全然反省してないだろ?」

「これは止めて欲しいってことなんじゃないの…」

 

勘違いするクリスをたしなめるために私は手袋を付けたまま歪なグーサインを作った。

 

「…そういう訳だからクリス、頼んだぞ」

「え、えぇ……」

 

私の意志を確認したカズマがクリスに張り型をバトンタッチする。

途端に張り型は魔力を発しなくなり、動きもしなくなる。物足りない刺激に私は抗議の声を上げた。

 

「うにゃぁあああ♡♡うなああああ♡♡」

「…ほら、お仕置きを止めた途端にこれだ。こんなんじゃいつまで経ってもお仕置きが終わらないんだ」

「で、でも…、こんなの渡されてもどうしたらいいか分からないよ…」

 

いきなり張り型を握らされたクリスはおろおろとしてしまって、張り型を握ったまま固まっている。

そんな初心者のクリスに対してカズマは懇切丁寧に説明していく。

 

「…まずは魔力を流し込んでみてくれ。魔道具を使う時みたいに。出来るか?」

「こ、こう?」

「んにゃあぁぁぁぁ♡♡」

 

クリスの手から魔力が流し込まれ、張り型部分から発揮される。

カズマの時よりも若干気持ちいい感じがするのはクリスの魔力の質がいいからだろうか。

 

「…よし、いい感じだぞ」

「そ、そうかな。えへへ」

「にゃ゛あ゛お゛っ♡♡!!にゃお゛っ♡♡!!」

 

カズマは褒めるのが上手く、優しい。クリスが変な勘違いをしないよう、クリスに対して牽制の意味を込めて威嚇のような声を上げる。

カズマは感じながら怒った私をなだめるために、優しく背中を撫でてくれる。

しょうがない大目に見るとしよう。

 

「…ほら、ねこみんもお待ちかねだ。次は動かしてみるぞ」

「う、うん…」

「…動かし方は実は簡単だ。引き抜く時はゆっくり丁寧に、入れる時は素早く乱暴に。これでオッケーだ。出来るか?」

「こ、こうかな?」

 

カズマに教えを受けたクリスが張り型を動かしだす。

カズマの言うとおり抜く時はこれでもかとゆっくりに、逆に入れる時はボリュッと音が出る位に激しく入れて来る。

 

「う゛に゛ゃ゛あ゛あああああッ♡♡!?」

「…いいぞ、上手いぞ。クリスは凄いな!」

「そ、そうかな。どうめぐみん、気持ちいい?」

 

気持ちいい!

なんだこれは、初めてとは思えない。間違いなくクリスはお尻責めの才能がある。

気持ちよすぎる!

 

「…動かすのに集中しがちだけど、言葉でもねこみんを高めてやるといいぞ。ねこみんはお仕置きが大好きだからな」

「わ、わかったよ。こ、こらめぐみん!ダメでしょ反省しなきゃ!反省しなさい!反省しなさい!!」

「にゃ゛お゛っ♡!?にゃ゛お゛ああんっ♡!!」

 

カズマの反省しろとは違う、本当に叱るようなクリスの言葉。

その上お尻の攻め方が、一気に奥に突き込むのではなく二段階に分けてきたり、ゆっくり引き抜くかと思いきや素早く抜いたりと、早くもアドリブを混ぜだしてきている。

私の反応を逐一観察して、私の喜ぶポイントをすぐに見分け反映実践してくる。

クリスはお尻責めの天才だった。

 

「…クリスに負けてられないな」

 

思いがけない才能を見せるクリスに対抗心が湧いてきたのかカズマがクリスの監督の任から離れ、四つん這いで喘ぐ私の正面にやってきた。

同性の、初心者のクリスに責められて、無様にイキ散らかしている。

そんな顔をカズマは正面から覗き込んでにやにやと笑い喜んでいる。

 

「…ねこみんは本当に可愛いな。感じている顔も世界一だぞ」

「なあぁぁぁっ♡♡なあぁぁぁぁっ♡♡」

 

カズマは私の頭をなでなでと撫でながら褒めてくれる。その間もクリスは私をなじり、お尻の責めを続けている。褒められているのか叱られているのか、心が気持ちいいのか体が気持ちいいのか分からない。

私は長く鳴いて身体を震わせてしまう。

 

カズマは私の頭を撫でたあと、床にあおむけに寝そべって、四つん這いで喘ぐ私の下に潜りこんできた。顔と顔が至近距離に来る。

 

「…おいで、めぐみん」

「うにゅっ♡ぶにゅっ♡ちゅぶっ♡」

 

カズマの言葉に応える様に私はカズマの舌に吸い付いた。そのままディープキスを始める。

この体勢でカズマは腰を振っていないが、お尻の中にはカズマの物があり、私好みの抽送を続けている。

これはセックスだ。完全にセックスだ。カズマとのセックスは最高だ。

私はうにゃうにゃ言いながらカズマと舌を絡めてカズマとの愛の営みに酔いしれる。

 

しかし、これは罠だった。

カズマはクリスにバトンタッチする時なんと言った?

前をお仕置きすると言ったのだ。

ではこれはお仕置きか?そうは思えない。

 

もちろんその時の私はそんな穿った考えなど持たずにただただこの幸せに翻弄されていた。

そこへ、カズマが『お仕置き』を開始する。

 

『ドレインキッス』

「うぎゅっ♡♡あぎゅううううううう♡♡」

「え!?な、なに!?」

 

キスの最中なのでスキル発動が分からなかったクリスが戸惑いの声を上げる。上げつつも張り型の動きも魔力流しも滞る事がないのだからいよいよクリスも私達のことを分かってきたようだ。

 

私はお尻にクリスの上質な魔力と、天分の才を発揮するお尻責め。

口にカズマの暴力的な魔力を受けて半狂乱になってイキまくる。

 

日々の絡まりによって私の舌は開発されつつあったが、現在『ドレインキッス』をされながら舌を舐め回された結果、完全な性感帯として生まれ変わった。

最早口の中にクリトリスがあるような物。それを舌を使ってにゅるにゅると弄りまわされるのだからたまらない。

 

「あぎゅっ♡!?ひぶううぅぅっ♡!!あぶううぅっ!!」

 

頭にチカチカと電流を流しこまれるような快楽。

意識が朦朧として視界が歪むが、顔の横に見覚えのある光を見て私は慌てて騒ぎ出す。

 

「カズマ君の指先が…紫色に光ってる…?」

「うぼおぉぉっ♡!!んぼおぉっ♡!!」

 

やめて!やめて!!

それをどうする気ですか!

やめて!やめて!!

 

カズマはキスをしながらそんな私の様子を楽しげに眺め、指先を冒険者服の胸元へもぐりこませる。

そして…

 

「ぶぎゃっ♡♡!?がぎゃっ♡♡!?ぐぎゅうっ♡♡!?ぐべっ♡♡!!」

 

私の両乳首をきゅっと摘まみだした。

 

口、お尻、そして乳首。

三か所から魔力を流し込まれる。

私の口からは果たして喘ぎ声なのか、うめき声なのか、嬌声なのか。あるいはまったく別の何か。

そんな判別のできない声があふれ出した。

 

体は声と同じく不規則にぎぐんぎぐんと痙攣して、明らかにおかしな挙動を繰り返す。

さんざん酷い状態を見てきて、その度に私やカズマが大丈夫だとサインを送ってきていたからか、この状況になってもクリスは手を止めずに張り型を動かしている。

 

「ねえこれ大丈夫なの!?めぐみん死んでないよね!?大丈夫だよね!?」

 

けれど今回の私はグーサインもせずにただただ糸が切れた人形のように、カズマの上に横たわって痙攣しているだけだ。

心配で、恐怖で、クリスは涙目になって震えている。

 

本当に有り得ない快楽を受けた時、絶叫など出来ない。

ただひたすらに静かに、安らかに、絶頂するだけなのだ。

 

私はカズマの体の上に力なく横たわり、そして失禁する。

私の服も、カズマの服も私のおしっこにまみれてしまうが、それを気にすることも出来ない。

 

カズマがドレイン系スキルの発動を止めて、上に横たわる私の頭を撫でる。

カズマが責めるのを止めたのを見てクリスも張り型から手を離して私の体をゆさゆさと揺らしだした。

 

「めぐみん!?めぐみん大丈夫!?カズマ君どうしようめぐみんが返事しない!…死んじゃったの…?」

 

クリスの顔がどんどん青ざめていく。

ゆさゆさと揺らしていた手が震えて、その小刻みな振動が私に伝わる。

だんだんと青ざめていた目に涙が溜まっていき、そして…

 

 

『勝手に殺さないで下さい』

 

死亡判定が緩すぎるクリスに文句を言う。

私はクリスの前にふよふよと浮かんで、健在な事をアピールした。

 

「……………めぐみん?」

『……どうも』

 

『私』とクリスが気まずい対面を果たしている中、体の「私」はいつものように「うひひ♡」とだらしない顔でイキ笑っていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「私」のおしっこで濡れてしまった服を脱ぐことになった。

 

「私」の場合は普段の冒険者服の部分がだいたいおしっこまみれになってしまったので、服と呼べるものは全て脱ぎ、カズマからプレゼントされたネコ耳、手袋、ひざ当てと、首輪と化したチョーカーだけの姿になる。

 

「私」を上に乗せていたカズマの服も「私」のおしっこでかぐわしいことになってしまった。なのでカズマの場合は全ての服を脱いで、私のチョーカーに繋がったリードだけを手に持つこととなった。

 

つまり今の「私」とカズマは互いに全裸の状態だ。

全裸の飼い主が全裸の飼い猫を紐に繋いで散歩する。

まさしく変態カップルと呼んでいい光景だ。

 

どうしてこうなったのか、冷静な『私』はあんまりな光景に溜息が出る。

 

「溜息なんて吐いてないでどういうことか教えてよ。あなたはめぐみんでいいの?」

 

憂いの息を吐く『私』の後ろからクリスが声をかけて来る。

現在の隊列は変態なカズマに変態な「私」が前衛を務め、中衛に『私』、後衛にクリスという理想的なパーティ編成になっていた。

私はクリスの方に振り返りながら説明する。

 

『これはカズマ曰くトランス状態という奴で、私は深い絶頂に見舞われると心と体が分離してしまうんですよ。『私』は精神、あっちは身体の「私」です』

「なにそのご都合主義みたいな状態!トランス状態ってそういうものじゃないからね!?真面目に研究している人が聞いたら怒りだすよ!?」

 

クリスはトランス状態というものを知っていたらしく、あまりの状況に文句を言ってくる。

そんなことを言われても現にそうなっているのだから仕方ないだろうに。

 

『私』とクリスがかしましく話している最中も、体の「私」は愛しい飼い主との散歩を心から楽しんでいる。心の『私』はここにいるが。

 

「んにゃぁ…♡にゃぁ…♡」

「…はは、こっちのねこみんは本当に甘えんぼだな」

 

体の「私」は散歩をしながらカズマの足にじゃれつき、頭をこすりつけて甘えている。

甘えながら時たまふよふよ浮いた『私』を見ては優越感に浸った視線を投げかけて来る。

ああぁぁぁ!!

 

『「私」と言えどもう我慢できません!はっ倒してやります!!』

「自分と争ってどうすんのさ!落ち着いて落ち着いて!」

「…めぐみんごめんよ。ほら、これで機嫌を直してくれよ」

 

クリスが『私』を後ろから羽交い絞めにして止めに入り、カズマが『私』にちゅっと唇だけの優しいキスをしてくれる。

そのキスを受けながら『私』は「私」にふふんと鼻を鳴らして得意げな顔をしてやった。

 

「うにゅにゅ…」

 

体の「私」が悔しげに歯ぎしりしている。これでおあいこだ。

 

「自分同士でカズマ君を取り合ってどうすんのさ。カズマ君を…。……」

 

クリスが『私』に落ち着くよう言いながらカズマのことを見る。今のカズマは全裸だ。股間の物は天高く起立していて非常に魅力的だ。

クリスはカズマを、具体的には歩くたびにぴくぴくと動く一物に釘付けになっている。

これは良くない状況だ。

 

『体の「私」よ!今は一時休戦です!ダクネス亡き今最大のライバルが登場したかもしれません!』

「うにゃにゃっ!にゃにゃ!」

「ちょっと待って!私はそういうんじゃ…そういうんじゃないってば!」

 

先ほどとは違って『私』がクリスを羽交い絞めにしつつ、「私」がクリスに猫パンチを食らわせる。流石元々は一つだっただけはあり、息もぴったりだ。

 

「…二人のめぐみんから責められるなんてクリスが羨ましいな」

「そんな呑気なこと言ってないで助けてよ!」

 

しばし『私』と「私」によるクリスへの可愛がりが続けられた。

 

……………………

………………

 

クリスへの制裁も済んだことで私達は散歩を再開する。

 

『というか、クリスは何で私の姿が見えたり、声が聞こえるんですか』

「えぇ、今更聞く…?」

 

実は最初から不思議に思っていたが中々聞くタイミングが起きずにそのままになっていたのだ。

だが、それにしてもクリスが『私』を認識できるというのはおかしな話だ。今の『私』は精神体。見ることはもちろん、声だって普通は聞こえない。聞こえるのは魂で繋がっている「私」と、愛で繋がっているカズマだけなはずだ。まさか、無意識に私はクリスのことを愛してしまったのだろうか。

 

「違うよ!愛とかじゃなくて…えーと、なんというか、特異体質?的な奴でさ」

『特異体質?それでは他にも見える人がいるかもしれないのですか?』

 

クリスが理由を教えてくれるが根本的な理由とは言えない。まぁ、『私』としても今の状態をどうして見えるのかの原因が知りたいわけではない。

どちらかというと今の状態を見える人が他にいないかの方が気になる。もし、見える人がいた場合にカズマとの逢瀬を邪魔されてしまうかもしれないからだ。

 

「あぁ~、アクアさんは見えると思うよ。他は…多分いないと思う」

 

随分身近に特異体質を持った人物が集まったものだ。というかアクアが見えるということは『私』はゴースト的なものでプリーストなら見えるということなのだろうか。

 

「ううん、プリーストでも見えないと思うよ。今のめぐみんはそういうのとは違うしね。本当に特殊な人しか見えないから安心していいよ」

『その特殊体質な人が身近に二人もいるのだから全く安心は出来ませんけどね』

 

私達が取り留めもない会話を続けていると、先行している二人が目的地へと辿り着いたようだ。扉を押して中に入る。屋敷の中心、広間の扉だ。『私』とクリスもその後へと続く。

 

広間は廊下と同じくシンと静まり返っているが、いつも賑やかな場所なのでかえって静けさが強調されてしまう。正直少し怖い感じがして、一人だったらこんな時間には来られなかっただろう。お化けとか出そうだ。

 

「お化けみたいな状態の人が何を言ってるのさ…」

『さっきゴーストとは違うって言ったのはクリスでしょうに』

 

そんなやり取りを聞いているのかいないのか。カズマは「私」のチューカーに繋がっているリードを手放すと、四つん這いの「私」に手を伸ばす。

そのままお姫様抱っこをして広間の中心、テーブルへと横たわらせた。

 

「…いよいよ、するんだね」

 

クリスも私達の三人の雰囲気を察して、誰に確認した訳でもないが、そんなことを言った。

 

いつも皆で楽しく食事をするテーブル。

今そこにはカズマにとってのご馳走が、全裸に猫のコスチュームを付けた「私」が乗っている。

 

「…裸だけど机は冷たくないか?」

「うにゃんにゃん♡」

 

「私」は大丈夫だという意味を込めてうなうな鳴いている。魂が繋がっている『私』には分かるが、先ほどの三重魔力供給や、今のこの変態的な散歩によって、「私」の身体はかつてないほどに火照っている。テーブルの冷たさなど問題にならない。

 

火照っているのは「私」だけではない。カズマもいい加減セックスがしたくてうずうずしているのか、何も身に着けていないというのにだらだらと汗をかいている。

そして、体の「私」につられるように私もふぅふぅと浅く息を吐く。

 

いつセックスが始まってもおかしくないほどに、三者三様に興奮していた。

 

そして、最後の一人も。

 

「ふぅ…。ふぅ…」

 

私達の雰囲気に当てられたのか、軽口を叩いていた時とは変わり、クリスの息も荒くなっている。

そして、場に呑まれたのか……

 

クリスがおもむろに服に手をかけ……脱ぎだしていく。

 

短めのマントを外し、ズボンを脱ぎ去り、胸と下半身のインナーに手をかけるが……思いとどまってそこで脱ぐのを止める。

私と同じくあまり肉感があるとは言えない身体だが、ぴったりと張り付くインナーが女性らしいシルエットを浮き彫りにしている。

顔は上気して赤くなっているが、それが恥ずかしさからだけでないのは明白だ。

 

クリスがズボンをぱさりと床に落とす。それが合図だった。

カズマは「私」のお尻に深々と挿入されている張り型付きの尻尾を掴むと、ゆっくりと引き抜きだした。

 

「にゃおぉぉぉぉ……♡♡!!」

 

ぼりゅりゅりゅりゅ!

下品な音を立てながら張り型が引き抜かれていく。

平均的な一物よりも長いカズマの物。それを模した張り型も長く、引き抜かれる際の快楽は強烈だ。

「私」は両手を顔に当ててうっとりとしながら長い嬌声を上げている。

 

「にゃおうっ♡!!」

 

ジュポンと音を立てて張り型が引き抜かれた。

長い間張り型を入れていたお尻の穴はしばしぱっくりと開いていたが、すぐにすぼまって普通の状態に戻る。我ながら見事な収縮力だ。

 

カズマは引き抜いた張り型を持って、どうするか考えていたが、今晩共に戦い続けてきた戦友クリスへと手渡した。

 

「…約束通りそれはあげるよ。……ここからは、俺も冷静でいられないと思うから、何かあったらそこのめぐみんに聞いてくれ。…めぐみん、分かるな?」

 

カズマが『私』の方を見ながら意味ありげな風に言ってくるのでこくりと頷いた。

どうやらカズマは『私』にクリスの処遇を一任したようだ。

当のクリスはカズマから張り型を受け取ると、私の腸液でまみれたそれを大事そうに抱えている。素質は十分である。

 

『私』とクリスに後のことを任せたカズマはテーブルの上に寝転がる「私」に相対する。

「私」は腹を見せる格好から四つん這いになり、そして伏せのように身体をまとめた。

後背位で獣の様にして欲しいのだろう。お尻を振って誘惑している。

 

今のカズマにその誘惑を断る力はない。

ふらふらと一物を「私」のお尻の穴にあてがい、腰を前に突き出した。

 

「にゃおおぉぉ♡!!あおぉぉぉぉ♡♡!!」

 

「私」が背中を反らしながら嬌声を上げた。

どうやら挿入の衝撃でイッてしまったようだ。

だが、今の今まで同じ形の張り型が挿入されていたというのに、この反応は過剰だ。

『私』は理由を知りたくなり、ほんの少し「私」と身体を重ねて感覚を共有する。

 

『ふぐっ♡!?ふぅぅ…♡』

 

途端にお尻に入ったカズマの一物が脈動する感覚が伝わってくる。

それで理由が分かる。

 

張り型は当たり前だが脈打ったりはしない。しかし現在お尻の中に入っている物はそれ自体が心臓のように一定間隔でズグンズグンと膨張と収縮を繰り返している。

その脈動は私のお尻の括約筋に伝わり、直腸全体を適度に震わせている。それは直腸で絶頂を迎えた時のような動きに似ており、張り型の無振動に慣れていた直腸へ不意打ちのような快楽を与えたのだろう。

 

さらに本物の一物は血が通っており、熱いお尻の中にいてなお存在感を主張する程に熱くなっている。

クリスが人肌に暖め、腸内にあったとはいえ張り型自体は発熱をしている訳ではない。

女性が感じるのに「暖かい」ということはとても重要だ。感じることで身体は熱くなるが、その最初のきっかけを引き起こせる本物の一物は人工物よりも明確に優れている。

 

『私』は「私」に触れるのを止めてその場から離れた。

 

「にゃおぉぉ♡♡にゃああぁぁ♡♡」

 

そして何より重要なのが、愛する男と繋がっている実感だ。

 

「私」はお尻の中から感じる充足感・充実感にうっとりとしている。

愛する男とセックスするのは、女の幸せだ。

今の「私」は幸せで幸せで、多幸感によってイッているのだ。

このまま「私」に触れ続けて、同じようにイキ続けていたいが、カズマとの約束がある。今回は見に回ることとしよう。

 

「うなぁぁぁ……♡なおぉぉぉ……♡」

「ぅ…ぁ…」

 

卑猥な音を立ててカズマが一物を引き抜いていく。「私」は張り型を抜く際にも味わった快感に身を震わせて耐えている。

その様子をクリスは呆然として見守りつつ、声にならない声を漏らした。

 

カズマや自分が張り型を使って実践した引き抜きの動き。

しかし同じ動きでもセックスの場合は、臨場感というか何というか、迫力が違う。

本物の愛の絡まりにクリスは目が離せないのだ。

 

「にゃお゛っ♡♡へあぁ…♡♡」

 

限界まで引き抜いた一物を勢いよく奥まで突き込む。

カズマの腰と私の尻肉が当たってパンっと弾けた様な音がするが、「私」はその衝撃に肩をわななかせている。

思わず漏れた声は猫語ではなくなっており、その衝撃の凄さを現わしている。

 

「にゃお゛っ♡♡あ゛お゛っ♡♡にゃおっ♡♡」

 

カズマが本格的な抽送を開始した。

ゆっくり引き抜き、素早く入れる基本の動きではない。「私」の肉欲を刺激するようながっついたピストンだ。

嬌声が広間中に響いて、ここが普段食事をする場所だとは到底思えない淫靡空間に様変わりしている。

肉球付きの手袋をはめた「私」は、テーブルをがりがりと引っ掻いてのた打ち回るが、それが先程イタズラで行ったような演技ではないと誰の目から見ても分かる。

「私」はカズマの一物が出し入れする度にイキまくっているのだ。

 

「ぅ…ふ…」

 

クリスが私達の獣セックスをまじまじと見ている。

手を口に添えてどこか上品にしつつも、口からは吐息が漏れ、もじもじと股を……お尻を震わせている。

頃合いか。

『私』はそう思い、クリスに話しかける。

 

『凄いでしょう?私達のセックスは』

「…………」

 

クリスが間を置いてこくりと頷く。『私』は手ごたえありと見て、クリスの手を取った。

 

『こっちに回って観てみましょう。その位置だと結合部しか見えないでしょう?』

 

『私』はクリスの手を取った後、ふよふよと漂い動いて、クリスを「私」の頭の方、「私」の顔を覗ける位置まで誘導した。

あくまで精神体の『私』の力など微々たるものだ。だけどクリスは連行される罪びとのようになすがまま私に連れられていく。

 

「にゃおぉぉぉっ♡♡はがっ♡♡あおおぉぉん♡♡」

 

クリスと共に「私」の惨状を見つめる。

もう「私」は猫に拘ることなく、猫だったり、人だったり、犬だったり…

好きなように感じ喘ぐ、本物の獣に成り下がっていた。

その顔はぐしゃぐしゃで、涙は流れ、鼻水が出て、涎が垂れている。

とてもじゃないが人様に見せる顔ではない。正直恥ずかしいが、そんなことをおくびも見せずに『私』は冷静にクリスに語り聞かせる。

 

『酷い顔ですよね?だけどしょうがないんですよ、凄く凄く気持ちいいのですから』

「…………!」

 

クリスはゴクリと唾を飲んでいる。

有り得ない、信じられないと思っていたアナルセックス。

カズマに力説され、お尻を舐められている所を見て、張り型を自分で動かして、今実際にアナルセックスを目撃している。

どこか見下していた行為で快楽にふけ、確かに愛を深めていく私達。

 

それを見ているクリスの表情からは一つの感情が読み取れる。

 

どんな感じなんだろう、と。

 

『私』はクリスのお尻をさわりと撫でた。

 

「ひゃっ!?な、なにを…」

 

クリスが飛び跳ねるように驚き『私』に振り返る。『私』には分かる、クリスは今、きっかけを求めている。

 

『今の『私』は精神体です。カズマ以外には見えません。そんな『私』に弄られても…他の人には分かりませんよ?』

 

言いながらクリスのお尻を撫で続ける。

カズマから託されたクリスの扱い。これが『私』の答えだ。

 

『私』は思う。アナルセックスは何故か変態扱いされがちだ。しかし本当にそうなのか?

 

そんなはずはない。『私』はそうは思わない。

 

現に私とカズマのセックスは尊く、素晴らしい物だ。

そしてクリスも一般的な感性を持っていた人物だった。

けれど今晩私達の逢瀬に同席したことで価値観が確実に変わってきている。

お尻の穴を弄るということに対して、確実に興味を抱きだしている。

 

つまりはかつての私と同じ、言うならば後輩だ。ならば導いてやるのが先輩の役目だと思う。

カズマも似たようなことを考えていたのだろう。でなければ苦労して自作した張り型を上げたりしない。

 

『私』の言葉にクリスは何も言わない。黙ったまま視線を冷静な『私』の顔と恍惚とした「私」の顔を行ったり来たりしている。この冷静な顔があんな顔になる。それほどまでにアナルセックスに魅力がある。それを目の当たりにして逡巡している。

 

気持ちの揺らぎを後押ししてあげよう。

『私』はさわさわと撫でていた手を止めて、何の準備も出来ていないクリスのお尻の穴へ中指を挿入した。

 

「ひぐっ!?い、いた……くない?」

 

突然の蛮行。

けれどクリスには痛みなどないはずだ。

 

『何度も言っているでしょう?『私』は精神体。実際には存在しません。インナーやパンツもすり抜けて挿入できますが、お尻の中に入った感じがするだけ。本当は何も入っていませんよ』

 

クリスは突然お尻の中に異物を挿入されたことに身を固くしたが、付随するはずの痛みや圧迫感がなく困惑してしまう。

何も入っていない。だけど入っている。不思議な感覚。

痛みも、圧迫感も、不快感もない。そんな負の感情はなく、あるのは…

 

「くぉぉ…!」

「やっぱり、出す感覚だけはあるんですね」

 

『私』は根元まで入れた中指をゆっくりと抜き差しし始めた。

苦しさもないのに出す時の感覚……気持ちよさだけが残る。

痛いなら暴れることが出来る。苦しいなら声を荒げることが出来る。

だけどそんなものはなく、純粋な、出す気持ちよさだけが与えられている。

 

クリスは混乱してどうしたらいいか分からないでいる。

その間も中指の出し入れを続ける。

次第にクリスの顔が陶然としたものに変わっていく。

 

「ふぅ…!んふぅ…!」

 

耐えきれずにクリスがテーブルに手を付いた。

左手に持っていた張り型をテーブルに置いて手を付き、右手で口を塞いで、声を出すのを必死に耐えている。

 

その様子に『私』は忘れていた嗜虐心を思い出す。

 

『どうです?気持ちいいでしょう?たまらないんじゃないですか?』

「ふっ…うぅ…、も、もうやめて…」

 

クリスが泣くようなか細い声を上げて力なく抵抗する。抵抗したいのにお尻から伝わる快楽に腰が震えて力が出ないのだろう。

いつもの活発で元気なクリスの姿はそこにはない。『私』は楽しくなってきて、どんどんクリスを追い込んでいく。

 

『どうして嫌がるんですか?こんなにも気持ちいいのに。こんなにも期待しているのに。変な事じゃないんですよ、気持ちよくなるのはおかしなことじゃないんですよ』

「あう…!で、でも…私は…」

「気持ちよくなっていいんですよ。誰だって気持ちよくなる権利があるんですよ」

「だ、誰にでも…?」

 

クリスが『私』の言葉に反応する。『私』は優しく微笑んで肯定してあげる。

 

『えぇ、誰でもです。誰でも気持ちよくなってもいいんです。神様だって、エリス様だってきっと赦してくれます』

 

敬虔なエリス教徒のクリスを縛るのは、罪の意識。エリス教に姦淫を縛るような教えはないが、それでも清廉であろうとしたのだろう。

『私』は勝手に神様、エリス様の名前を出して赦しを与える。まるで懺悔室で行われる懺悔のような雰囲気で。

我ながらいい加減な言い分だが、クリスには刺さったらしい。

気持ちよさで上気した顔を驚きに変えて、確認してくる。

 

「ふぅっ…!こ、こんな私でも、みんなは赦してくれるの…?」

『えぇ…。みんなも分かってくれますよ』

 

そこはみんなではなくエリス様ではないだろうか。

疑問に思ったが本人が納得しつつあるので黙っておく。

 

クリスの中でそれがきっかけになったのだろう。

『私』の方へ振り返るのをやめて、僅かだが、本当に僅かだがお尻をクッと持ち上げて快楽を受け入れる体勢になった。

そのことを指摘したらせっかくその気になったクリスがヘソを曲げてしまうかもしれない。

『私』はその変化にちゃんと気付いていることを伝えるために、クリスのお尻の中に入っている指を追加して応えた。

 

「こ、これ…!す、すごいぃ…!ひぃぃ…!」

 

二本指を挿入し、クリスの中でバタ足する。路上で私がされているのを目撃したはずだが、見るのとされるのとでは段違いなのだろう。

 

『気持ちいいでしょう。お尻の中で指が暴れるのは?』

「うぅ…き、気持ちいい…です…うぅ…」

 

『私』の問いかけに恥ずかしそうに、それでも素直にクリスは答える。

根が真面目なので聞かれたからには答えないわけにはいかないのだろう。

羞恥と快感で顔を赤くしている。

 

『そんなに恥ずかしがることでもありませんよ。お尻の穴が気持ちいいのはあらゆる生物に備わった機能みたいなもの。性別年齢種族を問わず平等です。こんなこと言ったら失礼ですが、神様だって感じちゃうんじゃないでしょうかね』

 

『私』はさらなる快楽の渦へクリスを飲み込むため、神の名を出して、神様も感じると言ってクリスの罪悪感を薄めようと試みる。

神様も感じる。もちろんそんなのはあくまでも冗談だ。

クリスに対する軽いジョークのようなものだったのだが…

 

「う、ぅん…!こ、こんなの…エリスも感じ…ちゃうよ…!こんなの…私だって我慢できません…!」

 

大丈夫だろうかこの人。

自分の所の神様を呼び捨てにしてアナルで感じると断言しただけでなく、自分とエリス様を混同したような物言いをしてきましたよ。

この場に他のエリス教徒がいなくて本当に良かった。

アクアも自分のことを女神と勘違いしていますし、熱心な宗教家というのは憧れを通り越して自身に神を投影してしまうのかもしれません。

 

クリスは自分のことをエリス様と勘違いしている残念な人だが、私にとっては可愛いアナル後輩だ。

後輩がそういうプレイを望むなら応えてやるのが先輩だろう。

 

『エリス様、エリス様でもお尻の穴で感じるんですか?神様なのにお尻の穴で感じちゃうんですか?』

「あぁ、やめて、そんなこと言わないで下さい…。めぐみんさん…許して…」

 

案外クリスもノリノリなのか、普段の口調からエリス様を意識した上品なものに変えて喘いでいる。

神様を冒涜しているようで申し訳ないがこれもクリスが望んだこと。もしエリス様がこれを覗いているようなら、罰を与えるのはクリスだけにして下さい。

 

『えぇ、赦しましょう。エリス様がお尻の穴でいやらしく感じてしまっても私が赦してあげます。いっぱい感じて下さい』

「あぁ…あぁぁ…!」

 

赦しを得たからか、クリスは声を震わせてお尻の快楽に没頭する。

目の前で獣のような下品な声を上げる「私」とは対照的に控えめな喘ぎ声だが、確かに感じているのかインナーの股間部分は黒い染みが広がり出している。

 

「はうっ!?うぅぅぅぅ……!!」

 

『私』はよりクリスを楽しませるために指を一本追加して、三本指の挿入を試みた。精神体ということで何の抵抗感もなく飲み込まれる『私』の指。

しかし、クリスに与えた衝撃は想像以上だったらしく、入れた瞬間に肩をわななかせてビクリと震えた。どうやら軽くイってしまったようだ。

 

指を入れた段階でそれ以上動かさずにクリスに尋ねる。

 

『はしたなくイキましたね?三本指はどうですか?』

「あぁ…あぁぁ…!」

 

『私』の問いかけにクリスは放心状態だ。それもそうだろうクリスにとってはアナルで迎える初めての絶頂だ。

ほうけるに足る衝撃だったのだろう。

『私』は優しく導くように聞く。

 

『指三本を入れましたがどうされたいですか?私の好きなクパクパと開閉の動きをしますか?』

「……あ、あれは……ダメですやめて下さい…」

 

放心しつつも私の問いかけに反応したクリスだが、あの連続排便の動きは嫌らしい。恐らく、今のクリスの状態なら感じてしまう。それをクリスも分かっている。だが、それは人としての終わりを意味すると思っているのだろう。

『私』もあの快楽を味わうのはもう少し経験を積んでからの方が良いと思い、別の責めを提案する。

 

『なら、お風呂場でお尻の穴を洗う動きをしましょう。今後は一人で洗って、いつかそれを挿入出来るようにしなくてはいけませんし』

 

そう言いつつ見るのはクリスにプレゼントされた張り型だ。クリスも『私』の言葉に同じように張り型を見て……お尻の中をうねらせた。

 

「そ、それで……お願いします…」

 

カズマの型の張り型を入れるのを想像したクリスは、どこか期待した声でそう返事をした。

それを入れられるようになるには最低1ヶ月はかかりますよ。これから頑張ってください。

 

『私』はクリスのお尻の穴を洗うために、クリスを完全にテーブルの上に乗せた。

 

「にゃ゛お゛おぉぉぉっ♡♡あ゛お゛お゛おぉぉっ♡♡」

 

クリスの隣では「私」がカズマの高速ピストンでイキまくっている。

自分の将来の姿をそこに夢想して、クリスはブルっと身震いした。

 

『いきますよ』

 

私は期待するクリスの穴の中で、指三本をドリルのように回転し始めた。

 

「くあっ!?はうぅぅ…!あふうぅぅ…!」

 

連続排便ではない選択肢を選んだクリスだが、このドリルのような責めだって引けを取らない。あまりの快楽にクリスは頭を深く下げ、肩を震わせて絶頂している。

しかしお尻の快楽の恐ろしい所は一度の絶頂で降りてこられない点だ。

膣での性感は一度絶頂を迎えると膣内の収縮が静まり、安全圏と言えるゾーンまで性感が収まる。しかし直腸での性感は一度絶頂を迎えても括約筋が震えるのを止めず、結果的にずっと昇りつめたままのような深い絶頂へと誘われてしまう。

しかも今は『私』の指が問答無用で回転し続けている。

アナル性感の初心者であるクリスのとってこの責めは、正しくアナル地獄と呼べるに相応しい快感を与え続けてくるのだ。

 

「ひぃぃ!!やめ、やめてください…!あひぃっ!もう、いい…!いいです…!!」

『そんなにいいなら止める必要なんてありません。エリス様がアナルでイキまくっているのを信者のみんなに知ってもらいましょう』

「だ、ダメです…!それだけは許してください…!」

 

クリスは感じながらもイヤイヤと首を横に振ってイキ狂うのを拒否している。

しかし、先輩の愛情を無碍にするとはイケナイ後輩です。ここは少し罰を与えなければ。

 

『私』は三本指を三方向に広げ閉じ、まだ早いかと思って取りやめになった連続排便の動きをしながら指の回転を加えた動きを開始した。

 

「はうぅっ!?それはしないって…!約束したのに…!」

『先輩に歯向かうなんて生意気な後輩ですね。そんなあなたとの約束なんて無効ですよ』

「ずるいぃ…!先輩はずるいですよぉ…!私だって先輩みたいに自由に生きたいのに…!」

 

クリスが涙を浮かべながら叫び、感じている。

先輩である『私』と同じようにイキたいとは。中々倒錯的な趣味を持っていますね。

 

『私』はクリスの望み通り、お尻の中に入った指を三本ばらばらに動かし、めちゃくちゃにお尻の中をかき回してあげる。

 

『イキなさい!女神なのにお尻の穴ではしたなく、みっともなくイキなさい!!』

「ひぐっ!!うぐうぅぅぅっ!!ひいぃぃぃぃっ!!」

 

とどめとばかりに指を勢いよく引き抜く。

クリスは隣の私には負けるが、それでもかん高い嬌声を上げて、びくびくと身体を痙攣させてイキまくった。

腰をカクつかせる度に股間のシミが増えていくが、どうやらイキながら潮を吹いているようだ。

初めてのアナル責めで潮まで吹いてイキまくるとは…

他人のアナルを責める才能だけでなく、アナルを虐められる才能も併せ持つとは恐ろしい子である。

 

『私』は引き抜いた方の右手で優しくクリスの頭を撫でてあげる。

 

「はふぅ…!んふぅ…!んひ…!」

 

余程深く絶頂したのだろう。

クリスは未だ回復しておらず、テーブルの上で小刻みに震えながら、軽くイっている。

 

「にゃ゛お゛お゛おぉぉぉっ♡♡にゃあ゛あ゛あ゛あああっ♡♡」

 

『私』がクリスの見事なイキッぷりを褒めている中、クリスの隣、カズマに愛されていた「私」に変化が訪れた。

声が裏返るような余裕のない喘ぎ声。頭を掻きむしる激しい性感。

今現在どんな責めを受けているか予想が付いて、羨ましくてため息が出た。

 

『はぁ…』

「……いったい…なにが…」

 

絶頂から回復したクリスが隣でのたうち回る「私」を見て、疑問を投げかけてくる。

『私』はさも当然と言わんばかりの態度で、クリスの疑問に応えてあげた。

 

『あれは、子宮を責められているんですよ』

「しきゅう…え、子宮…?」

 

クリスが少し真面目に戻りつつ聞き返す。驚くのも無理はない。私だって最初の内はそんな所を責められるとは想像もしていなかったのだから。

 

「お尻に入れているのに…子宮ですか…?」

『えぇ、お尻側から子宮全体をぐりぐりと刺激されるんです。…正直言って頭がおかしくなるくらい気持ちがいいんですよ』

「…………」

 

クリスが再び黙る。

その顔には興味がありありと浮かんでおり、優秀な後輩を持って鼻が高くなる。後輩に求められたら応えてあげたいのが先輩というものだが…

指の長さでは子宮の位置まではどうやっても届かない。

カズマ製の張り型ならば子宮まで届くが、今日の今日アナルを開発し始めたクリスにあんな物は入らない。

 

クリスの望む責めを与えることは出来ないという事実に、『私』の顔が歪んでしまう……あ、いや、出来なくもないのか。

 

『エリス様、お尻からの子宮責め……味わってみたいですか?』

 

今のクリスはエリス様だ。後輩とはいえ恭しく確認を取る。

本物のエリス様にこんなことを聞いたら世界一の不運にされそうだが。

 

「そんな…子を宿す場所である子宮を責めるなんて…しかもお尻の方から…」

『そんな建前はいいんですよ!したいんですか!したくないんですか!』

「………してみたいです」

 

私の剣幕に圧倒されたのか、クリス称するエリス様は恥ずかしそうに首を縦に振り、肯定した。

エリス様も案外好き者ですね。あ、これはあくまでプレイなので天罰はやめてください。

 

クリスの首肯を受けて私は再びクリスのお尻の穴の位置に手を持っていく。

クリスの陰部はインナーに隠れているのでどんな状態か分からないが、期待でひくひくしているのは容易に想像できる。

 

最終確認を含めて、今一度クリスに話しかけた。

 

『いいんですね?今からお尻側から子宮を責めますよ?』

「…はい。人の子の業を知るのも、神の務めですから」

 

ダメだこの信者。早くなんとかしないと。

 

私は呆れを顔に出さないようにしながら、行動を開始する。

クリスのお尻の穴の前にある手の指先をそろえて、蛇の頭のようにする。

そのまま腰を落としてタメを作り、戦う聖職者、モンクのように『はぁぁ…!』と息を整えた。

 

『いきます』

「その…どうやって子宮を責めるのか、聞いても…」

 

クリスの問いかけに応えることはなく、『私』は溜めていた力を開放する。

腰を回転させ、その力を手に伝導させる。

その勢いのまま手のみならず、腕までをクリスのお尻深くまで突き入れた。

 

「ふごっ!?うきゃああぁぁぁ!?あぁぁぁぁぁ!?」

 

クリスが悲鳴を上げる。

仕方がない。今や私の腕は深くクリスのお尻の穴へ突き入れられているのだから。

 

フィストファック。

後にカズマから教えられたこの手法は、カズマから「頭がおかしい」と言われる程の、無茶なやり方だったらしい。

 

「はぎゃ…!あぐ…!」

 

クリスが口をパクパクと開いて、目を瞬かせている。

股間からあふれ出した液体がパンツとインナーに吸い込み切れずに太ももに垂れる。

その色は薄い黄色で……クリスはあまりの衝撃に失禁してしまったのだ。

 

『クリス、無茶をしてしまってすみません。痛いですか?』

 

私は詳しく説明する前に行動に移してしまったことを反省しつつ、クリスに問いかけた。

クリスは力なく、ふるふると首を横に振る。痛みはない。苦しみもない。

純粋な衝撃……気持ちよさしかないようだった。

 

クリスの反応を確認した『私』は薄く笑う。

アナル開発初日で腕を入れられて、これから子宮を責められる。

なんて幸運な人なのだろう、と。正しく幸運の女神エリス様の加護があると言える。

 

私はお尻の中深く入った腕をゆっくりと引き抜き始めた。

 

「はひっ!?ひぃぃぃ…!ひぃぃぃぃ…!!」

 

指とは比べ物にならない太さを持つ腕。それを引き抜かれるのは、いったいどれほどの快楽か。

残念ながら私でさえも腕を入れられたことはない。幸運な後輩に嫉妬しつつ、入り口付近まで引き抜いた腕を今度は奥へとゆっくり挿入し始めた。

 

「うひぃ!ひぃん!ひぃぃ…!」

 

ゆっくりとゆっくりと。

お尻の中を進みつつ、膣道方向へ手を曲げて刺激し、文字通り触診していく。

クリスの子宮の位置はどこなのか。ダウジングをするトレジャーハンターのように、丁寧にしつこく、クリスの腸壁を刺激していった。

 

「はうっ!!あうっ!!あひぃっ!!」

 

クリスは涙を流し、鼻水を出し、涎を垂らす。いつもの私のような顔で喘いでいる。

まだ子宮を責めていないというのにこんなでは先が思いやられる。

やれやれと子宮探しの旅に出ていた腕先が、他とは違う感触の部分を掘り当てた。

 

「うひぃ!?ひぃぃぃぃ!!んひぃぃぃぃ!!」

 

見つけた。お宝だ。

無事にクリスの子宮の位置を掘り当てた私の指先。

その発見を祝して、私はぐにぐにと丹念にその場所を刺激倒した。

 

「はひぃ♡♡やめ♡やめてくださっ♡うひぃぃ♡♡」

 

女神ともあろうエリス様(自称)が子宮を責められてイキまくっている。

その声も顔も、普段の私のようなとろけた下品な声で、素晴らしい才能を持つ後輩を誇らしく思う。

 

「にゃ゛お゛っ♡♡な゛お゛っ♡♡にゃ゛お゛おぉぉ♡♡」

「はぁんっ♡くおっ♡こ、こんなの♡女神に対するぅ♡冒涜ですぅ♡♡」

 

獣になりきる「私」と女神になりきるクリス。

「私」が下の生き物になりきって快楽を味わうのとは対照的に、クリスは女神という崇高な存在からの転落で快楽を得ている。どっちがより変態的か、甲乙つけがたい。

 

『……?』

 

ぐにぐにとクリスの子宮を責め続けていると、どこからか視線を感じた。

顔を上げると、同じように「私」の子宮を責め続けているカズマが、優しく微笑んでくれていた。

『でかした』『すごいな』『よくやった』『えらいぞ』

私を褒めるカズマの言葉がどんどんと頭に流れこんでくる。

 

クリスには自覚していないアナルに対する才能があり、アナル性感に興味を持ち出していた。『私』はそれを引き出して導いただけだ。そこまで褒められる程ではない。

けれどカズマに褒められることは無上の喜びであり、私の存在意義だ。

 

嬉しくなった私はテーブルに身を乗り出して、カズマの方へ顔を寄せる。

カズマも『私』の意図を汲み取ったのか身を乗り出して、顔を寄せた『私』の唇に吸い付く。

 

『んちゅ!ちゅばっ!んばっ!じゅるっ!』

「にゃ゛あ゛あ゛ぉぉぉ♡♡あ゛お゛おぉぉぉ♡♡」

「め、女神である私がぁ♡♡こんなの♡いけないのにぃ♡イクっ♡イッてます♡♡ひぃぃぃ♡♡」

 

一心不乱に口を吸いあう『私』とカズマ。

その下には倒錯的な喘ぎ声を上げる「私」とクリス。

 

淫靡な宴。それは正しく酒池肉林。この世の物とは思えない淫らな絡まり。

しばし、完全な調和のとれた世界を楽しんだ私達だが、終わりを迎えることとなる。

自称女神エリスを横目に見下ろしつつ腰を振る、この場の絶対神カズマの手によって。

 

「うぐぅ…!ううぅぅぅ……!!」

 

ゆっくりな引き抜きから激しい高速ピストン、そして子宮責め。

その間中一度も射精しなかったカズマの一物が限界に達したのだ。

カズマは『私』から唇を離すと、「私」の腰を掴み射精態勢に入り、「私」の準備が整う前に射精を始めたのだ。

 

「にゃ゛お゛♡♡な゛おぉぉぉぉ……♡♡!!」

 

私が長く長く鳴いてカズマの吐精を受け止める。

びゅくびゅくと音が聞こえそうな程の激しい射精は、見る見るうちに「私」に腹を膨らませていく。

 

カズマの射精を見て、『私』の方も終わりに向けて動き出す。

 

残念ながら『私』に腕には射精機能は付いていないのでクリスの腹の中を満たすことは出来ない。

なので『私』は一工夫加えることにした。

 

「はぎゃっ♡♡それっ♡そんなのっ♡神への冒涜ですぅっ♡♡やめっ♡やえてえぇぇ♡♡」

 

私は子宮を刺激していた手をお尻の中で握りこみ、次いで広げだす、ぐーぱー運動を始めたのだ。

私なりに射精を始めた一物の動きを模したつもりなのだが、クリスはこの手の動きにメロメロのようで、また神だのなんだの呻いて感じまくっている。

 

「ふぅ…」

 

カズマが射精を終えて息を吐く。下に敷かれた「私」はもう声を発しずに僅かに手をもがいて呻くだけだ。

そのお腹は横目に見ても膨れており、一回の射精では考えられない量を吐き出したと分かる。

カズマが繋がったままの状態で「私」の身体に手を差し込み、うつ伏せから回転させて仰向けにさせる。膨れた腹が圧迫されて苦しいだろうと、カズマなりの優しさだったのだろうが

 

「ぅ…♡ぁ…♡おぉ…♡」

『うわぁ…』

 

『私』は「私」の惨状を見て思わず声を漏らす。

顔は涙と鼻水と涎が混じったものでぐしょぐしょ。乳首はぴんと尖って、体全体は極限までイッた影響か平素よりも赤く火照っている。なにより腹の膨らんだ様子は妊婦のようで、仰向けになった際に自然と服従ポーズになっているのも完全に屈服しているのをよく表している。

こんな状態でよく『私』が吸収されなかったものだ。紙一重だったのだろう。

 

『私』は腕を差し込んだままのクリスを見る。

クリスは先ほどまで女神だの神だのとわめいていたが、今は「私」と同じく呻き声を上げるだけになってしまった。途中ひどい顔になっているのを確認したが、今は完全にテーブルにキスをしているような状態なのでその様子はうかがい知れない。

 

『私』は完全屈服して放心している「私」を満足げに見ているカズマを見る。カズマも視線に気づいて顔を上げると、『私』の意図を察したのか、クリスの身体に手を入れて強引に仰向けにしてくれた。

 

「はぎゃっ♡♡!?あうぅぅ♡♡」

 

クリスは尻の中に何かが入った状態での回転が初体験なので、仰向けにした段階で悲鳴のような声を上げた。

 

「あひ…♡おぉ…♡くぉ…♡」

『こっちも大概ですね』

 

クリスも「私」とどっこいだ。目は虚空をとらえまるで正気には思えない。鼻水が口へと伝わっているのにそれを拭う気力もない。そもそも涎が出すぎていてタオルなどがないと吹ききれない。

残念ながらクリスはインナーを着ているので胸も股間も詳細は分からないが、胸に浮かぶぽっちが存在を主張しているし、股間はもう濡れている部分がないほどに染みが広がっている。

仰向けになったクリスは「私」のように服従ポーズにはなっていないが、手も足もだらんと投げ出されて死に体といった様子だ。ふふ、まだまだですね後輩よ。

 

あへあへと息も絶え絶えに喘ぐ「私」とクリス。

魂の双子のように同じような顔で放心している。

それを見つめていると何とも言えない達成感が胸を占める。

思わず笑顔になっていると、カズマから脳内通話が入る。

 

『いっせーので抜こうか』

 

カズマを見る。

カズマも『私』と同じようにハツラツとした笑顔で、私達は互いの健闘を称えるかのようにふふっと含み笑いをした。

こくりと頷いてカズマの申し出を受け入れる。そろそろクリスも一休みが欲しいだろう。

 

『それじゃいくぞ。いっせーのーせっ!』

「にゃお゛っ!?にゃ゛お゛おぉぉ♡♡お゛おぉぉ♡♡」

「あぎゃっ!?はひぃぃぃ♡♡あひぃぃぃ♡♡」

 

カズマが一物を、『私』が腕を抜く。

ほぼ同時に尻穴の中の物を抜かれた「私」とクリスは同じように腕を天に突き出してバタバタと暴れた後、くたりと身体の力を抜いた。

入れられている二人にとっては不意打ちのようなもので、その衝撃は相当なものだったのだろう。

 

その証拠に、イき散らかした衝撃でとうとう『私』が「私」に吸い込まれた。

 

「あ゛お゛っ♡!?お゛っ♡お゛っ♡お゛っ♡」

 

途端に感じるありえない快楽。お腹に満ちる暖かな苦しみ。

私は両手を頬に当ててうっとりと絶頂してしまう。

 

その手にカズマが手を重ねてくれる。ずっとクリスを責めていた私にとって久しぶりのカズマだ。嬉しくて嬉しくて涙が出てくる。その涙をカズマが指ですくってくれるものだから、私はどんどん感極まって、涙と鼻水がマシマシになってしまった。

 

ぐぎゅるるるるる

 

そんな感動的な場面をぶち壊すのはいつだって正直な私の身体だ。

お腹の中にたまるカズマの精の量はすさまじく、早く外に出させろと警告を出してきたのだ。

 

カズマが私の頬から手を離し、お腹に触れて優しく撫でる。

まるで妊婦にするような柔らかな撫で方。私の方を見てコクリと頷いたので私も分かっているとばかりにコクリと頷き返した。

 

「ふぅぅ……♡おぉぉぉ……♡♡」

 

量が量なので特にイキむ必要もなく、下品な音を立ててお腹の中から精液が噴出する。

精液はテーブルの上に広がり、それも溢れて床へと垂れていく。

日々の爆裂散歩の後で散々精液排出を繰り返していたので、もう隠す必要もない。

私は精液をひり出してはしたなくイっていた。

 

カズマに出された精液の分だけ、愛の分だけこの精液排出は長くなる。

つまりは愛の証明。気持ちよくないわけがない。

長い長い排出と同じように、長く長く鳴いてイキまくる。

うっとりとしつつ、カズマとの愛の結晶を生み出す喜びに震える。

 

……そんな幸せな私の視界を、ゆらりと立ち上がった人物が不穏な気配をたぎらせて塞ぐ。

 

「うふぅ…♡ふぅ…♡め、女神たる私をよくもぉ…辱めましたね、めぐみんさん……!お仕置きですよ……!」

 

クリスだ。

私の横で放心していたはずのクリスはいつの間にか復活して立ち上がり、私の頭側に回り込んだのだ。

こんなにも早く復活した優秀な後輩を褒めてあげたいが、今はそれどころではない。私はカズマの精をひり出してイキまくっている。これでもかと言うほどに無防備なのだ。

 

「カズマさんの精を出してイっているんですか…?本当にしょうがない人ですね。そんな人には……こうです!」

「はぎゃっ♡!?あぎゅぅぅぅっ♡は、はんしょく♡はんしょくうぅぅぅ♡♡」

 

クリスは私の胸に両手を伸ばすと、私の乳首をきゅっと摘まみ、シコシコとしごき出したのだ。

ただでさえ精液排出でイっているというのに、無防備な人物への乳首責めなど、反則も反則。甚だしいラフプレーだ。

 

「…反則なんかじゃないぞ。ナイスプレーだクリス」

 

クリスの卑怯なプレイに審判へと抗議の声を上げたが、審判自体が反則の権化なのを忘れていた。

カズマは乳首を責めるクリスを褒め称え、お腹を撫でていた手を離した。嫌な予感しかしない。

 

「…それじゃ俺はこっちの方を責めるかな」

「あぎぃぃぃっ♡!?うぎゅううっ♡♡!!はがあああっ♡♡!!」

 

カズマが手を伸ばしたのは股間、クリトリスだ。

クリトリスをクリスと同じように摘まんだカズマは、クリスの動きに合わせてクリトリスをしごき出したのだ。

 

精液をひり出しつつ、二人の手によって三転責めをされてイキまくる。

なんだ。なんだこれは。

気持ちよすぎる。

 

「またイって!本当にめぐみんさんは変態さんですね!反省してください!この!この!」

 

クリスは未だに女神モードが抜けないのか、エリス様になりきって私の乳首を激しくしごき上げる。クリスは知らないだろうが私の乳首は今やクリトリス並みだ。

そんな風に乱暴に扱われたらおかしくなってしまう。

 

「…あぁ、と。あんまりやりすぎない方がいいぞ?」

 

それを分かっているのかカズマがクリスに声をかけるがクリスは責めるのに夢中なのか反応しない。というかカズマもクリトリスをしごく手を少しは緩めて欲しい。

 

「はがっ♡!!あひぃぃぃ♡!!うひぃぃぃぃ♡♡!!」

「反省しましたか!?反省しましたか!?」

 

長い長い排出も終わりお腹の中が空になる。それを見たカズマが切りを付けるためにクリトリスをきゅっと強めに摘まみ離したが、クリスはそんなこと関係ないとばかりに乳首を責める手を止めない。

 

私は派手にイき散らかすがクリスは責めるのを止めない。

私は派手にイき散らかすがクリスは責めるのを止めない。

私は派手に……

 

『しつこいですよ!そんな際限なく責めてもダメです!!』

 

とうとう限界に達した私は、再び「私」と『私』に分離する。

この後輩は、まだまだ人を責めるということを分かっていません。

これは指導が必要です。

 

『私』は素早くクリスの背後に回り込むと腰を落として攻撃準備を整える。

クリスは突然現れた『私』に驚き固まってしまい、対応できていない。

 

『覚悟してください!せいっ!』

「あぎゃああぁっっ♡!?あごごおごっ♡!!おごごおおっ♡」

 

『私』は再度クリスのお尻の穴へ腕を挿入するフィストファックを行う。

しかし今度は先程とは違う。私の腕は一本ではない。両腕が深々とクリスのお尻に突き刺さっていた。理論的にどれだけ入れても苦痛を感じないはずなので、大丈夫だろう。

 

「…ほどほどにな」

 

さしものカズマも二本腕を入れるというのは予想外なのか、若干引いたような声を出す。大丈夫です、あくまでクリスに与えるのは快楽だけだ。きっと終わる頃にはアナル弄りに心酔していることだろう。

 

『私』は両手を交互に動かしてクリスの子宮に当たる部分をこねこねとマッサージし始めた。

 

「あぎゃごおっ♡♡!!たしゅけっ♡♡!!せ、せんぱいぃっ♡♡!!たすけせんぱいぃぃっ♡♡!!」

 

クリスはお尻側から子宮をこねられ、半狂乱になってイキまくる。

ふふ、クリスも私のことを先輩と思っていたのですね。可愛い後輩です。

 

クリスは私の子宮マッサージから逃れようとテーブルの上に自ら乗っかる。しかし私の腕はどこまでもどこまでも追いかけて丁寧に、丹念にクリスの子宮をこねくり回す。

テーブルの上でクリスはうつ伏せから横寝になり、続いて仰向けになって、じたばたと手を振り回してイキまくる。

 

私はそんな往生際の悪い犯人に懸命な説得を続ける。

無慈悲な子宮マッサージを続けて降参するよう呼びかける。

しばしそんな風にこねこねしていると、じたばた動いていたクリスの手と足が自然と縮こまっていく。手を胸の位置に、足は「私」のようなガニ股ではないが膝を曲げてお腹の上に持ってくる。これはまるで…

 

「…はは、クリスってば犬のちんちんみたいなポーズだな」

 

そう、まるで犬のようなポーズをして『私』に媚を売り、許しを乞うてきた。

自称とは言えエリス様にこんな下品なポーズをとらせて許しを乞われるなんて、大変名誉なことだ。

 

「…ねこみんとわんこなクリスか。よし、獣同士朝まで楽しんでいこう」

「にゃ゛お゛おぉぉ♡♡な゛お゛おぉぉ♡♡」

 

犬になったクリスを見て盛り上がったのか、カズマは再び「私」に挿入し腰を振り出した。それを嬉しそうに迎える「私」

 

『聞こえましたかエリス様?今からあなたは犬なのですから犬のように鳴いてください』

「ぞんっなっ♡♡!!わ゛だしはめがみっ♡!!あぎゃっ♡♡!?わ゛お゛っ♡!!わ゛おおぉぉっ♡♡!!」

 

こういうのは堕ち切った方が気持ちいいのに、頑固な後輩ですね。

私はマッサージの頻度を上げてクリスの態度をたしなめると、クリスは観念したのか犬語で鳴き始める。

 

そうやってクリスを責め続けた『私』だが、カズマの責めが激しく、再び「私」に吸収されて席を外す。

クリスは好機と見て、アナルと子宮でイキながらよろよろと立ち上がると、先ほどと同じように私を責め立てるのだが…責め立てすぎて『私』を再召喚してしまい、アナルと子宮を徹底的に、これでもかと責められる結果となった。

 

そんな感じで、『私』とクリスは責めと受けを交互に繰り返し、カズマは容赦なく「私」を責め続ける。

 

カズマの宣言通り朝まで続いた淫行は、広間のテーブルも、床も、ソファーも、カズマの精液や私の愛液やクリスのおしっこで汚していった。

広間を素的空間に変えた私達は、体力の限界まで交わり続け、そのまま気絶するように眠りに落ちたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「な、なんだこれはああああああっ!?」

 

凄まじい大音量。

まだまだ体がだるく休息を求めている。声の持ち主にはもう少し静かにしてもらいたいものだ。

 

「カズマ!どういうことか起きて説明しろ!!めぐみんもだ!……そこにいるのはクリスか!?一体なにがどうなって……アクア!!アクア早く来てくれ!!」

 

声の持ち主はダクネスだろうか。ひとしきり騒いだ後アクアを呼びに広間を出たのか、再び静寂が戻った。これで安心して寝られる。

そう思った矢先に、ダクネス以上の声で妨害される。

 

「なによ~昨日は呑みすぎたからもうちょっと寝かせて……くさっ!?この部屋臭いっ!?なによこれ!?」

 

アクアの声で鼻をすんと鳴らして嗅いでみる。

何が臭いのか、こんなにも人を興奮させる匂いが他にあるだろうか。

私はうっすらと目を開けて周りの状況を確認して……

 

顔を青ざめた。

 

パーティの憩いの場である広間。それはもうない。

昨夜の夢のような絡まりが、夢であって欲しいと思わずにいられないほどに、精液が、愛液が、おしっこが、涙が、涎が……

ありとあらゆる体液が飛び散り、汚していた。汚したまま放置されていた。

 

それらが発する臭いも相当なものなのだろうが、私の鼻はとっくに馬鹿になってしまっているのか、良いか悪いか判断できていない。いや、悪い匂いなのは間違いないはずだ。

 

目だけを動かして共犯の二人の様子を見やる。

私と同じようにクリスやカズマも意識を取り戻しているようだ。

 

クリスは今の状況を確認して青い顔をしている。ガタガタと震えている様を見ると巻き込んで申し訳ない気持ちが沸き上がる。

一方カズマはどうにかこの状況を変える打開案を考えているが思い浮かばないようで、口に右手を当てて「やっべぇ…」とうめいている。

 

そんな様子を確認して、私は

 

うっすらと開いていた目を閉じて、寝たふりを開始した。

 

「めぐみん!!起きてるのは分かっているぞ!!ちゃんと事情を説明しろ!!」

 

あぁ、終わった。

 

 

………………………

…………………

 

怒髪天なダクネスの指示で広間の床に正座させられる。

 

ただ、昨夜の淫行の後、そのままの状態で眠ってしまったので私とカズマは全裸のままだった。そしてクリスも、下半身のインナーが愛液やおしっこで濡れてしまったので途中で脱ぎ捨てており、下半身だけすっぽんぽんの状態になっていた。

流石にそんな状態では説教が出来ないと、私達三人はバスタオルを巻いて、身を縮こませて座っていた。

 

ダクネスは腕を組み私達を睥睨し、額には青筋が浮かんでいる。

ご立腹だ。この惨状を目の当たりにすればそれも納得だが。

 

アクアは広間の臭いに耐えられなかったのか、浄化魔法を放つとどこかへ逃げて行ってしまった。

 

「ねぇ待って!何で私まで正座させられてるの!?私は巻き込まれただけだよ!」

 

正座をさせられている下手人の三人。私、カズマ、クリスの三人のうち、クリスはこの裁量に不服があるのかそんなことを叫び出した。

往生際が悪い人だ。

 

「何自分は無関係みたいな言い方をしているんですか!この汚れの四分の一はクリスの体液でしょうに!」

「た、確かに私のあれも混じってるかもしれないけど多くても五分の一だと思うよ!」

「それに自分のことをエリス様だの何だの言ってアヘアへ感じてたじゃないですか!最後の方は自分から下半身丸出しになりましたし!」

「何!?エリス様を騙っただと…!?これはどうやらクリスからも詳しく話を聞かなくてはいけないようだな…!」

 

私とクリスの醜い言い争いを黙って聞いていたダクネスだが、エリス様の話が出た途端に凄味のある笑顔を浮かべて一歩前にでる。

その圧にクリスは「ひっ」と怯えて黙り込む。やっぱりエリス教徒的にエリス様の名を騙るのはご法度の様だ。

ダクネスは怯えてしまって話せる状態じゃないクリスから視線を移して、口笛を吹いて誤魔化しているカズマを見据えた。

 

「カズマ、どうせお前の仕業だろう。最初から最後まで包み隠さず話せ!」

「おい!何でもかんでも俺が原因だと思ったら大間違いだからな!今回の件は……まぁ、俺も少なからず関係していると言えなくもないが…」

「いいからさっさと話せ!!」

 

もにょもにょと口ごもるカズマを一喝するダクネス。

それからカズマは路上での姦淫は省略しつつ、夢薬を飲んだこと、ギルドで酒を呑んでたらクリスに会った事、一緒に屋敷へ帰ってきてセックスしてたら盛り上がって、広間で乱交もどきをしたことを話した。

 

「何だそれは…。それではクリスはこれからセックスするカップルにほいほい付いていき、ムラムラしたからそれに混じった色情魔ではないか…」

「おおむね、あっている」

「全然違うよ!!自分達の都合の悪い所をカットしすぎだから!!」

 

いきり立ったクリスはカズマが省略したもろもろを暴露していく。

ギルドで他の人達の前でキスをし始めたこと、命令されたら断れないという私達を心配して付いて行ったこと、私を責める手伝いを半ば強要したことなどを話していく。

 

「だけど結局クリスは私達の絡まりに混ざったということに間違いありません」

「ちょっと待って!私はめぐみんに無理やり誘われたんだけど!?」

「おかしいですね私はその時カズマにひぃひぃ言わされていてクリスを手籠めにする余裕などなかったはずですが?」

「う、うぬぬ…それは…精神のめぐみんが…」

「なんだ、精神?何を言っているのだ?」

 

まさか私が幽体離脱してクリスを責めていたなどという訳のわからない話をすることも出来ず、私の追加情報にクリスはぐうの音も出ないでいる。

 

「というかその卑猥な物は何だ一体!?どうしてクリスはそんな物を後生大事に抱えているのだ!?」

「あっ!?こ、これは…その…」

 

満足な説明を出来ないでいるクリスにダクネスは別の部分を指摘する。

クリスはダクネスへの弁明が始まった当初から、胸に張り型を抱えて説明をしていた。口では何のかんの言っているが、クリスにとっても昨夜はお楽しみだったことが窺い知れる。

ダクネスに指摘された今でも張り型を手放そうとはしていない。

 

「それは俺がクリスに上げた張り型だよ。俺のチンコの型の」

「何だそのセクハラは!?クリスもそんな物は捨ててしまえ!私がきちんと処分してやるから……」

「えぇ!?こ、これは…私が貰ったものだから…」

「ちょっと待って下さいダクネス!それって捨てるという意味ではなくダクネスのコレクションに加えられるという意味ですよね!?同じパーティ内でチンコを共有するとか頭がおかしいでしょう!」

「頭がおかしいお前達に言われたくない!」

 

最早誰が誰を怒っているのか。

ぎゃあぎゃあとそれぞれが言いたい事をわめいていると、玄関の扉がバンと開けられて、そのままの勢いで広間にアクアが飛び込んできた。

 

「ちょっと聞いて大変よ!……まだちょっと臭うわね」

 

アクアはどこへ行っていたのか、少し息を切らして肩を上下させている。

息を整えることもなく、慌てた様子でそのまま話を続ける。

 

「今ギルドに行ってきたんだけど、新型モンスターの噂があったじゃない?あれがめぐみんのことだってなってるのよ!」

「新型モンスター……臨時クエストを組まれる予定だというあれか!?」

 

私とカズマはふいっと視線をそらす。

上手く話さずにうやむやに出来そうだったのに、アクアがギルドに行ったことで事が露見してしまった。

 

「それに帰り道で奥様方に「お宅のカズマさんとめぐみんさんと盗賊の子が路上でお尻を舐めていたって。声が大きいからもう少し静かにして欲しい」って注意されたわ!ねぇ一体何がどうなってるの!?」

 

アクアも混乱しているのか、理由を聞きたげに私達を見つめるが、クリスも気まずげに視線を横にそらす。

 

「……おいお前達。最初から最後まで、包み隠さず、客観的に全部教えろ」

 

ダクネスの圧に屈して、私達はうなだれる。

互いの話を補完し合い、昨夜の出来事をモンスター騒動の流れも含めてすべて話すこととなってしまった。

 

………………

……………

 

「…つまりお前達は全裸で青姦し、それが露見するとギルドで逆ギレし、帰り道で口淫を済ませた後、屋敷に戻ってペットプレイをし、クリスも交えて乱交した、で間違いないか?」

「「「間違いありません」」」

「馬鹿者どもがッ!!!」

 

ダクネスが私達の発言をまとめてくれたが、我ながらあんまりな内容だ。

ダクネスの渾身の怒声に対して自然と三人揃ってDO・GE・ZAをする。

 

「性の乱れ!若者の性の乱れが叫ばれる昨今だけど、まさか身近に具体例がいるなんて!?謝って!清く正しい水の女神のいるパーティの風紀を乱したことを謝って!」

 

アクアは好機とばかりに私達を指さしてなじってくる。カズマはイライラと歯ぎしりしているが今回ばかりは何の反論も出来ないでいる。

私達の土下座を見ていたダクネスは、平謝りをする私達に毒気を抜かれたのか「はぁぁぁ~~」と深く溜息を吐いて椅子に座った。

 

途端にべしゃっと不快な音が

 

「あ、そこは俺の精液が垂れたままだぞ」

「~~~~!!!」

 

ダクネスが慌てて立ちあがるが既にお尻にはカズマの精液が付いてしまっている。アクアが「えんがちょ~」とダクネスから身を引く。

 

「…お前達の言い分は分かった。その上で言わせてもらうと、お前達は頭がおかしい」

 

ダクネスは怒り疲れたのか、声を荒げることもなくたんたんと告げる。

そういう言い方が一番心にクルのですが…。我ながら頭がおかしいと思うので黙っておく。

 

「お前達が深い仲になるのは素晴らしいことだと思う。だが、今の状況はあまりに不健全で退廃的だ」

 

私とカズマはダクネスの言葉に頭を下げたまま黙って頷く。

 

「これからしばらく……そうだな、一か月間セックスは禁止にする。いいな?」

 

思わず「そんな…!」と言いたくなるのをこらえる。それだけのことをした自覚がある。

カズマも納得しているようだ。

ダクネスはさらに、広間の掃除をすることと、迷惑をかけたご近所へ謝りに行くことを命じた。

身から出た錆だが、お尻を舐められている姿を見られた人達に謝りに行くなど、恥ずかしくて死んでしまいたくなる。

 

とりあえず今回の件に関する説教と罰の言い渡しが終わる。

ダクネスがもう気にしないのか、精液まみれの椅子に座って、はぁと息を吐いた。

 

「これでも大目に見たんだぞ、お前達は付き合っているのだからもう少し分別を持って…」

「「付き合っていません」」

「は……?え……?」

 

もうこの問答も何度目だろうか。

しかしそこはきちんと訂正しておかないといけないだろう。

私達は頭を上げ、声を揃えて否定の声を上げた。

 

予想外の答えだったからか、説教をしていたダクネスが目を白黒させている。

 

「つ、付き合ってないのに…セックスをしているのか…?」

「えぇ…?付き合わずに突き合うとかダジャレにしても……ちょっとダクネス痛い!痛いってば!」

「ほらぁ!やっぱり私もおかしいって言ったじゃん!」

 

アクアが茶々を入れダクネスに頭を掴まれ、クリスも頭を上げて便乗するが、そんなに悪い事なのだろうか。

ダクネスはカズマをキッと睨んで私達の関係を非難してくる。

 

「カズマ、あんまりじゃないのか?どうせお前の方から何も言わないからそんな半端なことになっているのだろう?めぐみんに対して何か言う事があるんじゃないのか?」

 

ダクネスは全てお見通しなのかそんなことを言う。確かにカズマが肝心な所でヘタレるため私達の関係に明確な名前がないのも確かだった。

あ、いや、今の私はカズマの愛玩人形ではあるが、そこら辺を暴露するとまずそうなので黙っておこう。

 

カズマはダクネスに指摘され「ぅ…」とうめき、目を伏せて考え事をしていたが、決心が付いたのか正座のまま私の方へ向き直る。

私の顔をジッと見つめるが、そわそわと落ち着きなく視線を動かし、話しかけてくる。

 

「あぁ~と、めぐみん」

「はい」

「その、あんまり言葉にしてこなかったんだけど…」

 

カズマが言葉をためる。

 

「…俺はお前を愛している」

「はい…!」

 

ダクネスがうんうんと頷いて、クリスが手で顔を覆ってきゃあきゃあ言っている。

それらを気にしないようにしながらカズマは続ける。

 

「それで、だな。めぐみん」

「はい」

「……俺と結婚を前提に、付き合って欲しい」

「…………!!」

 

カズマが頭を深々と下げて、手を差し出してくる。

思わぬ申し出に私は言葉を無くし、口を手で覆って……涙を流してしまう。

 

「えぇ…!えぇ…!!不束者ですが、これからも末永くよろしくお願いします」

 

私がカズマの手を握り返しつつ返事をすると、カズマは顔を上げ、照れたように空いた左手で頭をかく。

私達のやり取りを黙って観ていたダクネスは無事に事が成ったのを見届けると、すかさず私達に手を差し伸べ立ち上がらせて「おめでとう」と声をかけてくれた。

アクアも「しょうがないわね~。風紀を乱したのは水に流してあげるわ。水の女神だけにね!」と声をかけ、怒ったカズマに頬をつねられた。

 

「いやぁ~一時はどうなることかと思ったけど、上手くまとまって良かったよ。二人とも、おめでとう!」

 

ダクネスやアクアに遅れて、クリスが私達に祝福の言葉を投げかけた。

手にはしっかりカズマの張り型が握られており、雰囲気を台無しにしている。

 

「それじゃ部外者の私はそろそろお暇するよ。後はパーティメンバー同士で、お祝いだね」

 

そう言いつつ、無事なズボンと外套を拾い上げると、そそくさとその場を後にしようとする。

そんな見え透いた逃亡を許す訳もない。

 

「ちょっと待てクリス。二人には罰を与えたがお前にはまだだったな」

「うぇぇ!?私は今回の件自体が罰みたいなものだし勘弁してよ!」

「あぁ、だからお前の罰はそこまで重くはしない。広間の掃除を手伝うのと、一か月間毎日エリス様に懺悔しろ。エリス様の名前を騙ってすみません、とな」

「それくらいならいいけど、私がエリス様に懺悔って、どうしてそんな面白い状況に……」

「なになに、クリスったらエリスを自称したの?物好きね~。ん、あれ…?クリスってば何だか本当にエリスに…」

「あぁー!!早く!早く掃除を始めよう!夕飯までに間に合わないかもだからさ!」

 

アクアが何かを言いかけたのを強引に遮ってクリスが叫ぶ。

そのまま、一人で汚れた広間の掃除を始めだしてしまった。

どうして慌てたのか気にはなるが、流石にクリス一人に全部任せる訳にはいくまい。

 

「一人で全部やるつもりですか?私達の罰も兼ねているのを忘れないでください」

「そうだぞ、半分くらいは俺の精液だしそこは俺がやるよ」

「あ、ありがとう。カズマ君、めぐみん…」

 

クリスが嬉しそうな声を出すが、私達三人で汚しておいて感謝されるというのはマッチポンプのようで心苦しい。

私はクリスを落ち着かせるために、優しく声をかける。

 

「何て言ったって私はクリスのアナル先輩ですからね。後輩の面倒はちゃんと見てあげますよ」

 

その言葉にクリストダクネスが固まり、カズマがあちゃーとした顔をした。

 

「どうして私は先輩に恵まれないの!?私、幸運の女神なのに!!」

「おいアナルとはどういうことだ!!それにクリス!またエリス様の名を騙って!これ以上の罰を受けたいのか!!」

「ねぇ、クリスってばエリスなんじゃないの?顔も声も似てるし」

「うるさいんだよお前達!!いいからさっさと掃除を始めるぞ掃除を!!」

 

ぎゃあぎゃあと騒ぎ出す4人。あんなことがあったというのに、全然そんなことを感じさせないやり取り。

 

ふふ、いつもと変わらない。それでいて素敵な毎日が始まるのだ。

私はそんな素晴らしい日々に思いをはせて顔をほころばせた。

 

この日、この場所にて、アクセル随一の頭のおかしいカップルが誕生したのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

王都、エリス教総本部。

 

その日、エリス教上層部に激震が走った。

高位神官のみが立ち入ることが許された祈祷の場。

その日、いつものように幸運の女神エリスへの祈りを捧げていると、複数の神官がオラクル、神託を授かったのだ。

 

この世界の女神は確かに存在している。

そして、不定期だが困難に立ち向かう人類へ向けて、女神様はお言葉を授けることがあった。

それは女神様の心からの呟き、心からの憂い、心からの願い。

軋轢を生むので言及しないが、あの宗派の髪の青い女神のような適当な呟きではなく、女神エリスは人類にとって本当に大切な事を教え伝えてくれるのだ。

 

「しかし、これは、あまりにも…」

「神官長、どうなさるので」

 

私は執務室の机に広げられた今回の神託を見て、うむむと唸る。

本当にエリス様の神託なのか何度も確認を取り、そして今朝の明け方に発せられたもので間違いないという回答を得た。

 

紙に書かれている内容を読み上げる。

 

「アナルセックスは、いいものです」

 

あんまりな内容だ。

最初は魔王軍の工作か何かかと思ったが、それはないと断定されている。

今日の明け方頃にエリス様が「アナルセックスは、いいもの」と思える何かが起きたのだと予測される。

まさか、エリス様が不浄の穴で性交を?いや、それはありえない。そんなこと考えたくもない。

 

私の心の中の葛藤を良く理解しているのか、副神官長は同じように思い悩んでいたが、何かに思い至ったように声を張ってしゃべりだす。

 

「これはもしや……。通常の性交が出来ない人々…たとえば男色家などを憂いて呟いた言葉では?」

「!!た、確かにそう考えることが出来るか…!なるほど、なんと慈悲深いお方だ…!」

「もし、そうだとして、お触れの方はどういたしますか?全信者に?」

「…まずは上層部のみに留める。アクシズ教の教義と被る可能性があり、一般の信者が混乱するのを防ぐためだ」

 

今回の神託でアクシズ教のようにほぼ全ての愛を認められた訳ではないが、エリス教も男色家同士の愛が承認されたことになる。

これは大変大きな意味を持ち、素晴らしいことだ。

 

副神官長が私と同じように、嬉しそうに微笑んでくれる。

 

「エリス様に私達の愛が届いた、ということでしょうか」

「さもありなん。エリス様は我々を見守ってくれているのだから」

「神官長…」

「…二人きりの時は名前で呼べといっただろう?」

 

エリス様の加護を得て、私達の関係も大いに進展することだろう。

やがて二人のシルエットは一つになっていく……。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

この日、アクセルの街で頭のおかしいカップルが生まれた日。

エリス教上層部にてエリス様の神託により男同士の姦淫が解禁された。

 

その事実を知ったクリスがギルドのテーブルに頭をごんごん打ちつけて「頭のおかしい盗賊」呼ばわりされたのは、言うまでもない。

 

 

 




我ながら4話・5話の内容は頭おかしいな。
読み返す度にそう思います。
だけど自分の頭の中だとカズめぐは大体こんな感じで、常に変態的で歪んだセックスをしているのでしょうがないのです。

夢薬は当初、この5話までで一括りの話でした。
エタるのが嫌なので切りのいい3話まで書いて投稿したのですが、4話と5話は(特に4話)は前シリーズの「お願いカード」の時から書きたかった、というか自分の考えるカズめぐ像を集約した内容だったので頑張って書き上げました。

なんかこの内容ならカズめぐではなくカズダクでやればいいのに、と感じる人もいるかもしれませんが、自分はカズマとダクネスがセックスしている姿が全然想像できないんですよね。
無理やり妄想しても、なんか凄くあっさりしたセックスというか、こてこての純愛セックスをして終わるか、ファッションSMみたいな浅い内容になると思います。
一方カズめぐは、二人とも相手のことが好きすぎて好きすぎてどんどん変態チックなセックスにハマりそうな(というかハマる)んじゃないかと思っています。

例えばセックス中に尻を叩くことになってもカズダクは楽しそうにおしゃべりしながら叩くのに対し、カズめぐは終始無言で(けど痛くならないよう気を付けながら)ガチセックスしそうな雰囲気があると思っています。

…何を語っているんだ自分は。

とりあえずここまで読んでいただいてありがとうございました。
一応次の話のネタもあるにはありますが、とりあえず夢薬はここまでです。
出来れば年内にもう一個SSを上げて、それが終わったら書きたい方を書く予定です。

それでは、またお会い出来たらよろしくお願いします。
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