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「嘘!」と大きな声を発すると、母の咲子が「どうしたの?何か有ったの?」とトイレの外で聞いた。
慌てて「何でもない、お腹が痛かったの」と誤魔化したが「脅かさないでよ」と咲子は言ったが、私まだ誰ともSEXしてないよ、と考え込んでしまった。
優香が出した結論は、この検査薬が間違っていると決め付けたのだった。
これから康正と恋愛をして、結婚そして子供を産むのに何故?
先に子供が生まれるのよ、キリストか?とお腹を撫でる優香だった。
優香は神戸に行けば普通は姉のマンションに泊まるのだが、今回は康正の自宅に泊まると決めていた。
自分の恥ずかしい処を見られて、舐めて貰って逝った記憶が大きく優香の行動を大胆にしていた。
康正もその事実は隠せないので、申し出を受けざるを得なかった。
優香を嫌いでは無かったが、自分の身体の秘密が有る限り好きには成れないと思う哀しい康正だ。
優香とは反対に連休に自宅に帰ろうとしていたのが明日香だった。
疲れ切っていて妊娠、中絶、強姦と次々と自分に降りかかった地獄の出来事に、両親の顔が見たく成っていた。
日曜日に帰る明日香と向かう優香が、上下の新幹線で交差していた。
突然帰って来た明日香を見て驚く咲子は「優香は?」と明日香に尋ねると「優香がどうかしたの?」と明日香が逆に尋ねる。
「今日、神戸に行ったから、貴女の所に泊まるのではなかったの?」
「知らないわよ、何も聞いて無いわよ」
「えー、何処に泊まるの?」
「荻野先生の所でしょう」
「そんな、まだ結婚前の娘がいきなりお泊まりに行くなんて、はしたない」と怒り出す母。
「もう、二人は深い仲でしょう、構わないのでは?」
「駄目です、結婚前に子供でも出来たらどうするの」と怒る咲子に「父親が判っているから、いいじゃない」と自分の中絶の無念な気持ちを言った。
涙を見せていたのか、急に走って自分の部屋に駆け込んだ明日香に、怪訝な表情の咲子だった。
夕方康正の自宅を訪れた優香は、岡山の白桃の籠を持参して、照れくさそうに「ご無沙汰!」と康正に言ったが、もう我慢が出来ない優香はそのまま、康正の胸に飛び込んで「寂しかったのよ」と抱きついてキスを求めた。
康正もそれに応じて、キスをして優香は離れない舌を絡ませて、長い抱擁を続けてようやく離れた。
「食事出来ているから、食べよう」
「先生が作ったの?」
「違うよ!お手伝いさんが、用意して先程帰ったのだよ」
テーブルに料理が並んで「少し待っていて、温めるよ」
「大丈夫!私がするわ、これでも女の子ですからね」と康正から鍋を取って、電磁調理器に載せて温め始める。
「じゃあ、今日はワインにしようか?」
「はい」と嬉しそうな優香は新婚気分だった。
しばらくして、椅子に座ると白ワインのボトルを開けて、グラスに注いで「乾杯」「乾杯」と二人が言って「待って、お酒飲んだら駄目なのよね」と優香が思い出した様に言い出した。
「何故?」
「妊娠したら、飲めないでしょう」
「えー、妊娠したの?」と驚く康正に「嘘よ、でもね!変なのよ、私ね!生理が来なくなってね、心配で色々調べたのよ、先日検査薬で調べたら妊娠って出たのよ、びっくりしちゃって、検査薬も間違うのよね、だって一度も男の人とSEXした事ないのよ、先日始めて先生に。。。。。ね」と顔を赤くして笑ったが、康正の顔は凍り付いていた。
「どうしたの?先生顔色が悪いわよ」
「。。。。。」
「だから、飲めるのよ」とグラスを口に持って行こうとしたら「飲むのは止めなさい!」と恐い顔で言いだした康正に「嘘、だってば、間違いよ。。。。。」と言った優香が「はい、飲みません」と言ってグラスをテーブルに置いた。
康正の頭には、優香に自分の子供が出来た。
どうしよう、どうすればいいのだと同じ事が巡り廻る。
「私ね、子供は荻野先生の子供と決めているのよ、だって始めて私のあそこ見た人で、大好きな人だから」そう言うと顔を赤くして、既にワインを飲んだ様に成っていた。
「先生の事始めて会った時から好きだったのよ」
次々と優香の口からラブコールが発せられて、康正は複雑な気持ちだった。
このまま、自分が告白しなければ近い内に、本当に妊娠に気が付いて優香は驚きながら堕胎に成るだろう。
告白すれば自分が、睡眠薬で強姦した事が知られてしまう。
同時に自分の肉体の欠点が世間に知られてしまうから、どうすれば良いのだと思案の最中に優香の携帯が鳴り響いた。
「優香、今何処に居るの?明日香は家に帰って来ているのに、荻野先生の所に泊まるのでしょう、許しませんよ」母咲子の怒りの声に「そうよ、先生の家で食事をしているのよ、今日から此処に泊まるわ」と言い切る。
「何、馬鹿な事を言うの、結婚前の娘が早く帰りなさい」
「もう、先生の子供も出来たから無理よ!」と言いだした優香の言葉に驚く康正は顔が硬直していた。
「何を、言うの!子供が出来たですって、嘘も休み休みに言いなさい」
「お母さん、嘘だと思うなら私の部屋の一番上の引き出しを見て、直ぐに判るわ」
「えーー」母咲子は直ぐに電話を切った。
「お母さんが怒るから言っちゃった」と康正を見ると涙を流している。
「どうしたの?先生!」今度は驚いて優香が康正に「ごめんなさい、嘘ついてごめんなさい」と謝った。
「お父さん、大変ですよ」
父賢造が帰ると同時に二階から駈け降りて来る咲子が「今ね、優香は荻野先生の所で夕食をご馳走に成っています、明日香は夕方帰って来て、今近くの本屋に行っています、妊娠をしています」話が混乱している。
「お母さん、何を喋っているのだ?」
「気が動転して、訳が判らないわ」
「整理して、話なさい」と肩を叩いて着替える賢造。
「あのね、優香に子供が出来たの」
「えー、本当か?相手は誰だ」
「勿論荻野先生よ」
「毎日先生の事を言わない日が無かったが、それが原因か今先生の家に行って居るのか?」
「はい、その様だわ」
「上りの新幹線はまだ有るな」賢造が急に言いだした。
「お父さんこれから行くのですか?」
「当たり前だ、子供が出来たのだ、結婚を決めなければいかんだろう」
「明日でも良いでしょう」
「娘が遊ばれて捨てられたら大変だ、結婚の約束をしてくれたら安心だ!」
脱ぎかけた服を再び着ると、直ぐに自宅を出て行く賢造。
玄関先で明日香とすれ違うと「お父さん、事件なの?」
「そうだ、大事件だ」と急いでタクシーを拾う賢造だった。