16-51
二階に上がると人の声がして「親分も元気だな」
「昨日来た女は美人だったな」
「でも親分が二回もダウンさせられたらしい、名器の持ち主らしい」
「親分には恨みが有るデカの娘らしいから、あの様な坊主にされたのだ」
「梶谷の奴、もうすぐ岡山から戻る頃だな」
「デカに髪の毛と写真を送る親分も変わっているな」
トムはここには二人が居る様だが、親分と明日香さんは何処だろう?
階段を三階に上がるトム、直ぐに二階で「交代するか、水田が飽きているだろう」と聞こえる。
一階に降りて行く男、トムはその話で庭の男が水田だと知った。
三階を調べても誰も居ないし、気配も無かった。
何処だろう?何処かに連れて行かれたのか?と考えていると「水田がサボって居ない」と声が聞こえる。
地下は防音設備がされて、外には中々漏れ聞こえない。
「あついー」
「ゆるしてー」
白い明日香の乳房から腹、太股に赤い蝋が工藤と星野によって垂らされていた。
それを嬉しそうに見る銀次、撮影している若者の荒井。
「荒井、一発したいか?」
「は、はい」
「今夜、墨の後でさせてやる」
「親分ありがとうございます」とは言ったが既に下着の中で終わっていた荒井だ。
明日香は仰向けに天井を見ているだけで、自分の身体が見えないから、工藤達が何処に蝋を垂らすか判らない恐怖が興奮を誘うのだ。
高速を走る車で居眠りから目覚めて、賢造が兵庫県警に「その後の黒人の足取りは?」と尋ねると「京都駅から消えたらしい」
「タクシー会社に聞いて貰えませんか?誰か乗せたか、見ていないか?」
「よし、片端から聞いて見る」
「お願いします」
この連絡でようやくタクシー会社に電話の問い合わせが有って、しばらくして「一時間前位に乗せたタクシーが見つかった」と吉富課長からの連絡が届いた。
「何処で?」
「銀閣寺で降ろしたと言っていた」
「銀、銀閣寺」と呟く賢造、頭の中で何かが思い出そうとしていた。
京都のインターがもうすぐ目の前に近づいていた。
蝋燭で責められて身体が蝋で赤く成ってしまって、乳房も陰部も判らなく成ってようやく「終われ」と銀次が言った。
「少し休ませてから、為吉さんの出番だ、泣き喚く声が楽しみだ!」と笑う銀次、夕食を食べてからの楽しみに成った。
明日香がようやくギロチン台から解放されて、荒井と二人の女に抱き抱えられて、風呂場に運ばれて行った。
地下には庄司だけが残って刺青の準備をしていた。
「おい、出前を角の寿司屋に頼んで来い!」と地下から戻って飛田に言う。
「親分、水田が居なくなりました」
「いつだ」
「少し前です」
「煙草でも買いに行ったのだろう」飛田が寿司屋に注文に出掛けた。
三階のトムにようやく親分の声が聞こえて地下が有る事を知ったが、何人が今下に居るのかが判らないので動け無い。
「おい、綺麗に洗えよ、墨を入れるからな」の親分の声に明日香の身体に刺青を入れるのだと思うトムは、何としても助け出さなければと思う。
三階には誰も上がって来ないのが救いだ。
風呂場でぐったりとした明日香の身体を丁寧に二人の女が洗う。
「これからが、大変だよ」
「痛いだろうね、考えただけでも恐ろしいわ」
「。。。。。」
放心状態で身を任せる明日香、木馬責めから、銀次とのSEXそして蝋燭責めと立て続けの責めに身も心もズタズタだった。
身体を洗われても反応がない。
「このお風呂は大きいから、ゆっくり入って休みな」と二人が明日香を湯船に浸けて出て行った。
玄関先の木陰の中で水田の意識が戻って、立ち上がれなくて這って玄関先まで出て来た。
そこに岡山から帰った梶谷が「どうした、水田」と駆け寄った。
「黒人にやられた」と梶谷に縋り付いて言う。
「おい、救急車呼んでくれ!」と家の中に駆け込むと「どうしたのだ?」
「水田が黒人に刺されました」
「何!」
「とにかく救急車を」
「あの、ポルノ男優の男がここに来たのか?探せ、ナイフを持っている用心しろ」男達は用心して探し始めた。
トムはその話を聞いていたので、隠れる場所を探し廻る。
クローゼットに隠れるトム、やがて救急車のサイレンが近づいて来て銀次の家で止まった。
そのサイレンの音に湯船の明日香が我に返って「助けて!」と浴槽を開けて大声をあげた。
庭に入って来る救急隊員、担架に乗せられて運ばれる水田。
明日香の声が聞こえたのはトムと探している男達で、親分も女二人も聞いて無かった。
やがて走り去るサイレンの音に項垂れる明日香は、バスタオルを巻いて呆然と立ちすくんでいた。
「何が有ったのですか?」と寿司を両手に持って、寿司屋の小僧と飛田が戻って来た。
「水田が刺された」
「誰にやられたのですか?殴り込みですか?」
「とにかく飯だ!お前も探せ」
浴室の前に明日香を見つけた工藤が「食べな、身体がもたないよ」と寿司桶とペットのお茶を手渡す。
「警察が来たの?」
「いや、怪我だ救急車よ」
そう言われて、その場にへたり込んで寿司を食べ始める明日香。
警察が来た!の希望が消えてヤケに成っていた。
救急隊員から警察に「刃物による傷です」と連絡が入ったのは病院に到着する前だった。
「今、インターを降りました、何か新しい情報は入っていませんか?」
賢造が吉富に尋ねると「そうだな、銀閣寺の近くの暴力団の事務所に救急車が出動したらしい」
「事件ですか?」
「組員同士の喧嘩らしい、足にナイフの傷だったらしい」
「組の名前は?」
「銀孤会だが?気に成る事でも?」
「銀孤会、銀、銀。。。」賢造は頭に何かを描いていたが思い出せない。
「取り敢えず京都府警に行こう」頭に銀の言葉を思いながら向かった。
「居ません」と組員が銀次に伝えると「もう逃げたのか?」寿司を食べながらビールを飲んで「水田と乱闘に成って、刺してしまって恐く成って逃げたのでは?」
「そうだな、身体はデカイが気は弱いのか、あの女の事が終わったら捕まえて八つ裂きだ」と言った銀次は拳銃を褌に突き刺して、警戒をしていたのだ。
「玄関に二人、見張れ」銀次は言葉とは逆に、少し怯えていたのだ。
トムはクローゼットを出ると、階下の様子を伺って明日香の存在を知った。
「食事が終わったら行くよ」星野が明日香に言う。
「何処に?」と尋ねる明日香の声に、高ぶるトムの耳に「綺麗な、絵を描いて貰うのよ」と聞こえて「イレズミ」と呟いてトムは早く明日香を助けなければと焦っていた。