転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目) 作:断空我
重桜の艦隊と合流したゼロ達の部隊。
ゼロはジェダイローブを纏い、重桜の艦隊を率いてきた人物と謁見する。
「はじめまして、重桜の艦隊を率いる山本大佐だ」
「はじめまして、アズールレーンの特殊艦隊の指揮官であるゼロです」
「驚きましたなぁ、噂のジェダイが艦隊と行動を共にしているとは」
「色々ありまして」
他愛のない話し合いをしながらゼロは今後について打ち合わせを行う。
「では、ピュリファイアー型やチェイサーなどが目撃されているわけですね……だから、これだけの艦隊を?」
「それもありますが今回の戦いでは重桜の力を発揮するという事で神子様も共に戦います。故に全力で挑まなければならないのです」
神子という言葉にゼロはローブの中で一瞬だけ顔をしかめたがすぐに戻す。
「では、陣形としては」
「重桜を先頭としてあなた方はフォローに回ってもらいます」
「俺達はアンタ達のフォローをしろというのか!?」
傍に控えていたヘヴィが異を唱える。
「ヘヴィ、落ち着いてくれ」
「クローンというのは戦闘のために作られたと聞いたが短気ですな。栄光ある重桜艦隊のフォローができるというのに、神子様が聞かれたら嘆かれる」
「なんだと!?まるで俺達が下のように!」
「ヘヴィ!」
ゼロの言葉にヘヴィはハッとした表情で後ろに下がる。
「すいません、将軍」
呆れている山本大佐を前にゼロは話し合いを続けた。
しかし、重桜の艦隊を前面に押し出すということを彼らは頑なに主張を続けて、会議は平行線を迎えることになってしまう。
「何なんだ!あの態度は!?」
「気持ちはわかるけれど、落ち着いてくれ」
目的の海域までに再度、会議をするという事で一旦、終わりにした俺はヘヴィと傍に控えている(当たり前のように)ベルファストと共に艦内を歩いていた。
「将軍は納得できるんですか?まるで俺達が下のように!神子とやらの力がどれほど素晴らしいのか知らないが……」
「ヘヴィ様、落ち着いてください。それにあまり重桜のことを悪く言うのはよくないかと」
ベルファストの言葉でヘヴィはゼロが重桜出身ということを思い出す。
「す、すいません、将軍」
「気にしていないよ、あそこの雰囲気というか、重桜は海に囲まれた国だからね、色々と独特なんだよ」
「ご主人様は寛大ですね。ますます、惚れそうです」
「俺は何も聞いていない、聞いていないからな」
肩をすくめながら三人は食堂へ向かう。
食堂ではトルーパーや重桜の艦船たちが楽しく食事を―。
「もういっぺん、いってみろ!」
食堂の外まで響く大きな声にゼロはため息を零す。
「騒動は絶えないねぇ」
中へ入るとトルーパーの一人、ハードケースが怒りで顔を染めている。
彼の視線の先には一人の艦船がいた。
白い重桜の着物、白髪に、白い尾、そして尖った狐耳。
重桜の空母、加賀だ。
鋭く青い瞳は何も映さず、ため息を吐く。
「もう一度、伝えてやろうか……お前達のような有象無象が集まったところで無意味だ。この戦いにおいて足を引っ張るくらいなら失せろ。それが重桜の為にもなる」
「ふざけるな!俺達は兵士として多くの死地を潜り抜けてきたんだ!それを有象無象だと!?俺達の兵士としての誇りを侮辱するなら許さんぞ!」
立ち上がると同時に加賀の手が伸びてハードケースの首を掴んで持ち上げる。
突然のことに足をじたばたさせて足掻くが加賀の力は強い。
「兵士?私に手も足も出ないような奴が兵士だと笑止、貴様らのような存在など食べる価値もない……このまま、その首をへし折って」
獰猛な笑みを浮かべる加賀。
ハードケースが白目を浮かべて、口の端から涎を垂らし始めた時。
「やめるんだ」
ゼロが加賀へやめるように告げる。
ちらりと加賀は一瞥するもその手を緩めない。
周りの重桜の艦船は止める気配がない。力を至上とする思考は一緒らしい。
ハードケースの抵抗がなくなりはじめた直後。
「グッ!な!?」
加賀が急にハードケースを離す。
床に崩れ落ちた彼に仲間のトルーパーが駆け寄っていく。
何かから逃れる様に暴れだす加賀。
ゼロはフォース・グリップを解除する。
「はぁ、はぁ、はぁ、貴様ァ!」
ギロリと鋭い目で加賀が毛を逆立てながらゼロを睨む。
ジェダイローブ越しに彼女を見つめるゼロの表情は読めない。
「俺の仲間に手を出さないでもらおうか」
「仲間……弱き者が吼え」
一瞬でゼロが加賀の前に立つ。
あまりの速さに重桜の艦船達が目を開く。
「俺が弱そうにみえるか?だったら、それは一航戦加賀、お前の視野が狭いという証拠だ、重桜風にいうならば、井の中の蛙だな」
「なんだと!?」
「トルーパー一人一人はお前達艦船と渡り合うことは難しいだろう。だが、彼らは兵士だ。兵士は個々の力は弱くても団結すれば、とてつもない力を発揮する。その気になればお前達重桜のフネだろうと倒せるかもな」
「お前は、一体、何者だ」
加賀の問いかけにゼロが答えようとした時。
「これは何の騒ぎだ!」
幼い声が響く。
食堂の入口に狐耳、つやのある黒い髪、巫女装束のような姿を纏った幼女がいる。
「神子様!」
誰かが声を上げて膝をついた。
加賀も渋々という様子で膝をついている。
食堂内にやってきたのは重桜で神子と崇められているBIGSEVENの一隻とされている戦艦 長門だ。
「これは何の騒ぎであるか!?」
「すいません、こちらの部隊と重桜の艦隊との間で作戦の打ち合わせをしようとしたのですが、些細なことで争いになってしまいまして」
ゼロが咄嗟に思い付いた言い訳を話す。
長門はゼロを見上げる。
「そうであるか、これから戦が始まるのだ。滾る気持ちは理解できるが……和を乱すようなことをしてはならぬ」
彼女の言葉に重桜の艦船は頷いた。
重苦しい空気が漂う中、ヘヴィが手を叩く。
「野郎ども、解散だ。これ以上騒ぎを起こすなら将軍から罰が下されるぞ」
「いけね、将軍の罰則はおそろしいからな」
「噂じゃ、サメの餌にされるらしいぞ?」
「こらこら、エコーにファイブス、俺はそんなことしないから」
トルーパー達の間に笑いが広がる。
「あ、ゼロ!私の部屋でご飯食べよう!」
「むむ、綾波と一緒に読書なのです」
「ご主人様、ベルファストがお茶を淹れてさしあげましょう」
ホーネットがゼロの腕を掴んだタイミングで綾波とベルファストが囲んできた。
「おい、引っ張るなぁ、痛い!痛いから!」
「はぁ、いつものことか」
ヘヴィはやれやれとため息を零す。
そんな彼らのやり取り、特にゼロを重桜の艦船達、特に加賀はねっとりとした視線を向けている。
ちろりと口の端を舐めていたことに誰も気づかなかった。
「それにしても、重桜の艦船って、すごい好戦的だったなぁ」
「綾波は戦うことは正直、好きじゃないのです」
「そういえば、そうだな」
あれから時は流れて格納庫でホーネット、綾波、ヘヴィは話し合いで時間を潰していた。
輸送船は目的の海域まで向かっており、各チェックを終えたメンバーはそれぞれの時間を過ごしている。
三人はゼロがこっそりと各トルーパー達へ配っていた嗜好品を味わっていた。
「同じ重桜としてハードケースさんには謝罪しておくのです」
「やめておけ、アイツの場合、火に油を注ぎかねない」
「ハードケースは短気だからね。この前の戦闘でも怒ってガトリング型のブラスターキャノンを連射していたもんね」
「わかったのです」
ぽりぽりと嗜好品を味わう三人。
ふと、ホーネットがため息を吐く。
「はーぁ、本当はゼロも交えたかったのになぁ」
ゼロも交えて四人で味わう予定だったのだが、ゼロはジェダイ評議会へ報告することがあった為に不在だった。
「仕方ないのです。報告があるのです」
「将軍は大丈夫だろうか?」
「どういう意味?」
「このところ、評議会へ報告する回数が増えていないか?」
「言われてみれば、そうだね?どうして?」
「……前の戦いだと思うのです」
「敵の親玉が将軍の師匠か……傍からみればスパイしていると思われても仕方ないということか」
「そんな!ゼロがそんなことしないよ!私の指揮官だし!」
「綾波の指揮官なのです!」
「お前達、頼むから将軍がいないところで喧嘩はやめてくれ」
争いを始める二人を前に辟易したため息を零すヘヴィ。
その姿を見たホーネットがヘヴィをみる。
「そういえば、あのメイドは?」
「さぁ?」
「むむ!」
綾波の頭部のミミがピコーン!と動く。
「抜け駆けの気配がするのです!」
「なんだって!急がないと!」
立ち上がると格納庫を飛び出す二人。
「そういうところは連携できるんだな」
呆れながら片づけを始めるヘヴィだった。
「ねぇ、貴方ってあのジェダイの騎士なんだよね?」
報告を終えて部屋に戻ろうとしていた俺の前に一人の艦船がいた。
サイドテールにしている茶色い髪、髪留めは独特なデザインをしている。
白い羽織に赤を基調としている衣服を纏い、手には刀が握られていた。
瞼にうっすらと赤の化粧がされている。
「確か、重桜空母の瑞鶴だったか」
「へぇ、詳しいね!その通り!私が五航戦 瑞鶴!」
「そうか、じゃ」
「待て!」
逃げようとしたら回り込まれた。
「何だ、食堂の騒ぎで俺はくたくたなんだが?」
「あれは、先輩の悪い癖がでちゃったからであって、ごめんなさい。あのクローンの人は大丈夫?」
「あぁ、戦場で見返してやると息巻いているよ」
「そっか、よかったぁ」
微笑む瑞鶴。
好戦的な気質の多い艦船にしては珍しい。
「話は済んだよな?じゃあ、これにて」
「待って!てば!手合わせをしてほしいの!」
「……はい?」
瑞鶴という艦船はずぃっとこちらへ距離を詰めてくる。
「手合わせといったか?」
「そう!ジェダイの騎士ってとっても強いんでしょ!?いんたーねっと?の情報でみたの!特に貴方とアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービが最強だって」
「あの特集か」
前にNYシティにあるジェダイ聖堂へ訪れた際にアナキン達と一緒にマスコミからインタビューを受けたことを思い出す。
三人の最強のジェダイという特集で、オビ=ワンがとても疲れた表情をしていたなぁ。
「悪いけれど、ジェダイの技はみせるためにあるわけじゃない……手合わせといっても作戦もある。体力は温存しておいたほうがいいんじゃないか?」
「本当はそうだけど、待っているってことができないの!その間に鍛錬とか」
「無理せずに頑張りなさい」
瑞鶴の頭をポンポンと撫でる。
「ちょっと!子ども扱いしないでよ!」
「おっと、すまない」
頬を赤くしながら怒る瑞鶴だが、その姿は頬を膨らませた子供そのものだ。
「悪いが、俺も疲れている、手合わせは今度に」
「だったら、無理やり挑むまで!」
人の話を最後まで聞かずに瑞鶴は刀を構えて襲い掛かって来る。
本気で斬るわけではなかったので、振るわれる一撃を躱して彼女の後ろへ回り込む。
「グリグリの刑じゃあああああああ!」
「いたぁあああい!」
頭の左右を拳でぐりぐりとこする。
暴れて逃れようとする瑞鶴だが、フォースの力を借りている俺に逃れることはできん!(大人気ない)
「反省しているかぁ!」
「いたぁぁい!ごめんなさい!ごめんなさい!本当に反省していますぅ!」
「よろしい」
解放すると彼女は涙目でこちらをみあげてくる。
「うぅ、傷物にされたぁ」
「鞘に納めているとはいえ、襲い掛かってきたお前が悪い!」
「うぅ、ただ、手合わせしてもらいたかっただけ……なのにぃ」
涙目でうじうじしている瑞鶴。指で地面にずいずいとかいている。
この場面だけをみられたら俺が悪人じゃないか。
「わかった、少しの時間だけ、付き合ってやるよ」
「本当!?」
泣き顔から一転して笑顔になった瑞鶴が顔を近づける。
「本当だ、ウソつかない」
「やったぁ!じゃあ、行こう!」
笑顔の瑞鶴に手を引かれてやってきたのはフネの甲板。
瑞鶴の艤装となるフネの上である。
「観客がいるんだが」
「えへへ、先輩達に良いところ見せるチャンス!」
甲板でこちらを見つめている熱い視線が複数ある。
瑞鶴は妙にやる気で満ち溢れていた。
「よろしくお願いします!」
「それはいいけれど、模擬戦って何やるんだ?」
「これを」
横からスッと差し出されたのは木刀だった。
「あ、どうも」
自然と受け取って横を見る。
そこには白い軍服に短いスカート、長い髪をポニーテールにして、軍刀を携えている女性がいた。
誰だ?
彼女はそのまま後ろへ下がる。
前を見ると瑞鶴も木刀を構えていた。
「じゃあ、はじめようか」
掛け声をあげながら迫る瑞鶴。
洗練された動きだが、正面からくるとわかっているのなら対処はしやすい。
振るわれる木刀を受け流すようにして木刀で防ぐ。
次々と振るわれる斬撃を最低限の動きで躱す。
体力を消耗しないように動きをとりながら隙を伺う。
「このぉぉぉおおお!」
焦りを浮かべながら繰り出される一撃。
ここだ。
突きをギリギリのところで躱して彼女の間合いへ深く入り込む。
「しまっ」
目を見開く瑞鶴。
俺はゆっくりと彼女の額へ手を伸ばす。
来るかもしれない痛みへ構える様に目をつむる瑞鶴。
「俺の勝ち~」
パチンとデコピンをした。
「……へ?」
ぽかんとする瑞鶴へ木刀を差し出す。
「じゃあ、俺の勝ちだからこれで終わりな」
「え?あ」
しばらく呆然としていたが瞬きをするとこちらへ近づいてくる。
「ちょっと待って!まだ、私は負けを認めてなんか!」
「額にデコピンされるって怯えた癖に」
「怯えてなんかなーい!待て!あ」
カツンと後ろで音がして背後を振り返る。
それがいけなかった。
こちらへ突っ込んでくる瑞鶴。
咄嗟に受け止めようと手を伸ばした時。
ムニョンと柔らかい感触が手に伝わった。
「はい?」
俺は手の中の感触を確かめる様にニギニギと手を動かす。
動かしてしまった。
「!!」
顔を真っ赤にして俺から離れる瑞鶴。
彼女は自らの体を抱きしめる様にして下がった。
それだけで、俺は何を触ったのか理解する。
理解してしまったんだ。
「わ!わ!」
「あー、今のは悪い。本当に悪かった」
ここは謝罪するしかない。
素直に謝ると瑞鶴は顔を赤くしながら。
「私なんかより翔鶴姉の方が柔らかいんだからぁあああああああ!」
謎の捨て台詞を残して去っていった。
「いや、それを聞かされてどうしろと?てか、翔鶴って、姉がいるんだな…………終わったのか?」
「いいえ、終わっていないのです」
真後ろから聞こえた声に背筋が凍る。
振り返ると鬼神がいた。
いや、綾波がいる。
ただし、瞳からハイライトがログアウトしていた。
「あ、綾波さん?」
「なんです?」
普段なら「さん付けしないでほしいです」という彼女の言葉はなかった。
首をかしげているがハイライトオフのせいで恐怖が増している。
「慈悲を」
「駄目なのです。これから綾波と夜の運動なのです」
この後、メチャメチャ、ハッスル、した。
「うぅ、何だろう、私なんかより翔鶴姉の方が柔らかくて大きいはずなのに、ゼロに触れられた途端、ドキドキしたよう……こうなったらゼロを倒して!このモヤモヤを晴らそう!そうすれば…………えへへへ」
以上、瑞鶴のターンでした。
番外編 どの陣営がいい?
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ロイヤル(ベルファスト)
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ユニオン(ヨークタウン)
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鉄血(アドミラル・グラーフ・シュペー)
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重桜(加賀or長門)
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その他