転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目) 作:断空我
ゼロ達、ジェダイの騎士やクローン・トルーパー、そして艦船に休日と言えるようなものは存在しない。
一度、戦いが始まれば、その地域へ向かい、セイレーン出現の連絡があれば、その地域へ向かう。
一日の休日と言えるようなものはゼロ達、アズールレーンの部隊に存在しない。
はずだった。
「休暇ですか?」
『左様』
立体映像のマスターヨーダからの言葉にゼロは呆然と繰り返す。
『議員から連絡があっての……戦時中とはいえ、ジェダイを365日休ませずに働かせるのは問題ではないかと言われてのう、流石に全員を一気に休ませるわけにいかん、そこで徐々に休みをという事にしたのじゃ、そして』
「俺の番がきたというわけですね?」
『そうじゃ、今から48時間、緊急の任務が入らない限り、お前さん達アズールレーン部隊は休暇じゃ。ゆっくりと満喫するように。ヨーダ終わり』
「了解しました。ゼロ終わり」
話を終えてゼロはため息を零す。
「休み、ねぇ?」
「素晴らしいことでございます」
「背後にいきなり現れないでくれる?心臓に悪いんだが」
振り返るとロイヤル式の挨拶をするベルファスト。
ぺろりと舌なめずりしたことで後ろへ下がる。
じりじりと近づいてくるメイドから逃げるために警報装置を押すか本気で悩む。
「今はいいでしょう、二日間の休みです、その合間に、ふふふふ」
「怖いっての」
シェフィールドの話によるとパーフェクトメイド、ただしご主人様にやたらと甘いということらしいが、ご主人様を性的に食べるメイドといったら無表情の彼女はどんな反応をするのだろう?
そんな疑問を抱きつつもゼロとベルファストは格納庫へ向かった。
格納庫には武装のチェックをしているトルーパーや艦船の姿がある。
ゼロの姿をみて、全員が動きを止めた。
「では、ご主人様」
「わかった」
ベルファストに促されてゼロは全員へ休暇のことを伝えた。
直後。
「「「「「いやっほうぅぅぅぅぅうううううううう!」」」」」
空にメットや様々なものが舞った。
どうやらみんな、休暇を望んでいた様子。
騒ぐ彼らの姿にゼロは苦笑する。
休暇についての措置をヘヴィと打ち合わせするために休憩室で話し合っていた。
「ヘヴィは休暇をどうするつもりだ?」
「シェフィールドと買い物を終えたら兄弟たちと酒を飲むつもりです」
「いつのまにかシェフィールドと仲良しになっているな」
「驚きです。クローンの自分がいつの間にか他人と親しくなっているとは」
「そういうものを変化というのさ」
互いに笑みを浮かべる。
「将軍はどうするつもりですか?」
「そうだな、読書や睡眠ができればいいな」
「もしかしたら艦船が部屋に突撃してくるかもしれないですよ」
「勘弁してくれ。実際に起こりそうだから」
「すいません、冗談では済まないですね」
申し訳なさそうな表情を浮かべるヘヴィにゼロは首を振る。
実際に艦船がやって来ることは明白。
「俺に休日ってあるのだろうか?」
漏らした言葉に返事はこなかった。
「ゼロ、見つけたのです」
ヘヴィと打ち合わせを終えて自室に戻ろうとしたところで綾波と出会う。
綾波は俺に近づくと腕へしがみついてきた。
「どうしたんだ?」
「きゅうか、というものが何をすればいいのかわからないのです」
「そうか」
「後、ゼロと一緒に寝たいのです」
彼女の腕の中には枕があった。
追い返すつもりのないので頷きながら綾波と一緒に自室へ入る。
寝間着に着替えて一緒のベッドへ。
勿論、それだけである。
小さなベッドなので二人が入るとぴったりと体を寄せ合うことになるのだが。
「ゼロの温もりなのです」
綾波は嬉しそうに目を細める。
「そんな喜ぶことか?」
「久しぶりに二人っきりなのです」
「……そういえば、そう、だな」
指摘されて、周りにメイドやホーネット、クローン達がいたことを思い出す。
「ゼロと一緒に居られて綾波は幸せなのです」
「そんなこといっていると、明日からの休日は幸せいっぱいになるんじゃないか?」
「……休日は何をすればいいのです?」
「体を休めるなり、好きなことをすればいい」
「好きな事?ゼロの好きな事ってなんです?」
「静かなところで休むことだよ」
「綾波も好きなのです」
笑顔を浮かべながら頬をすりすりしてくる。
「おい、どうしたんだ?」
「ゼロは沢山の女の子に好意を寄せられているのです」
「そうなのかな?」
好意を寄せられる。
そのことはわからない。
重桜にいた時も、パダワンからジェダイになっても。
恋や愛がわからない。
アナキンとパドメの関係をみていても、わからないことが多いのだ。
そんな俺に好意を寄せられているというのが。
「ゼロは綾波と似ているのです」
顔を近づけてくる綾波、
気付けば、ぴったりと抱き合う様に体を寄せ合っている。
「だから、綾波とゼロはきっとお似合いなのです」
「疲れた、寝るぞ」
会話を打ち切るようにして意識を闇の中に沈める。
きっと、これは逃げだ。
いつか向き合えばいいと考えて。
「おやすみなさいです。ゼロ」
朝日の差し込む基地内をベルファストは歩いていく。
目的の部屋の前についたところで一度、身だしなみをチェック。
おかしなところもない。完璧だとベルファストは納得しながら部屋の中に入る。
ノック?愛しい人の部屋へ入ることに遠慮など必要はない。
「おはようございます。ご主人様――」
にこりと笑みを浮かべながら室内に入ったベルファスト。
しかし、その表情は一瞬で無に変わる。
ベッドの上で静かに寝ている彼は紛れもなくベルファストが敬愛するご主人様であるゼロだ。
そのゼロの上、気持ちよさそうに寝ている綾波の姿がいた。
互いに寝間着なのだが、その程度で動揺するほどメイドは愚かではない。
なぜ、無表情なのか、それは愛しい人の傍に異性がいることだ。
ベルファストは本来、多分、そこまで独占欲はない。
しかし、肌を重ねて、自らの気持ちを吐き出したベルファストにとってゼロはなくてはならない人であり、最愛の人。
そんな彼の傍に仲間とはいえ、異性がいる。
本来なら迷わず砲撃していた。
堪えたのはゼロが目を覚ましてベルファストを見ているからだろう。
愛しい人にみられていると気付いた瞬間、ベルファストは笑顔を浮かべた。
「おはようございます。ご主人様」
「あまり言いたくないけどさ、何で部屋にいるの?」
「ご主人様のおはようからおやすみ、果てはご奉仕までがメイドの仕事でございます」
「メイドを雇った覚えがないんだがな」
「ツれないことを仰らないでください。私とご主人様の仲ではございませんか」
「まぁいいや、ベルファストは休日、どうするんだ?」
「そのことですが、ご主人様に提案があります」
「提案?」
「はい、艦船の皆様が争うことのない、素敵な提案でございます」
「まさか、全員で出かけることになるとは」
「良いじゃない!滅多にない機会だもん」
俺の横で嬉しそうに答えるのはホーネットだ。
「綾波も楽しみです」
「こういう休日も素敵だと思いませんか?」
ベルファストの言葉に俺は頷いた。
「こいつらもその気分でいてくれたらな」
「ゼロ!勝負だぁ!」
「ほう、瑞鶴殿が挑むというのなら、その後は拙者の相手も」
「お前ら!今日は休日だということぉ自覚しろ!」
後ろで模擬戦、模擬戦と何かの音頭のような動きを取る艦船に俺は呆れるしかなかった。
折角、ベルファストが休日の一日、親睦を深めるため、全員で出かけることを提案したというのに。
「お前達は親睦という言葉を知らないのか?」
「勿論、知っているとも、だが、指揮官殿のような強さに少しでも近づけるのなら、近づきたいと思うのは当然のことであろう」
「休日くらいは別のことを考えなさい」
「だってぇ!いつもいつもゼロに負けているんだもん!一度くらい勝利してから」
「お前もだよ!このバカ!」
「酷い!なんで私のことだけバカっていうの!?ゼロのバカぁ!」
「ご主人様、視線を集めております」
ベルファストの言葉にため息を零す。
おそらくだが、視線を集めているのは別の理由もあると思う。
ちらりと周りを見る。
いつもの服装と異なる綾波達だが、全員が美少女。
その中に男が一人という事で色々と視線を集めてしまっているらしい。
「移動しよう」
俺の言葉で全員が移動を始める。
基地から少し離れたところにあるレジャー施設。
プールもあれば、遊園地もあるという。
かなり大きなレジャー施設だ。
私服姿の俺達はまずはということでプールへ向かうことになる。
「おい、メイド」
「何でございましょうか?」
「どうして男子更衣室へ入ろうとしている」
「ご主人様へ付き従うのはメイドとして当然かと」
「ベルファスト、今日は休日だ。メイドは休みだから」
「そうですね、では、愛するものとして」
「はいはーい、大人しく女子更衣室へ行こうね~」
「行くぞ」
尚もついて来ようとするベルファストはホーネットと高雄によって連行されていく。
残された俺はため息を吐いた。
「休日も前途多難だと思うのは、俺だけだろうか……」
男子更衣室で水着とパーカーとタオルを片手に俺は更衣室を出たところで、待ち合わせをせずに一足先にプールへ向かう。
設置されているテーブルの上にタオルや服を置いて、準備体操を終えると息を止めて、水の中へ飛び込む。
海水の中へ飛び込むのとまた違った感覚が俺を包み込む。
人に当たらないように注意しながら水の中を進んでいく。
体が水に包まれている感覚は少し、フォースと似ていた。
しばらく水の中を突き進むように泳いだところで回転しながら元の場所へ戻る。
水面から顔を出して空気を吸う。
「ずるいです」
「うぉっ!?」
顔を出し、呼吸をしていたタイミングで綾波が膝をついて目の前をみていた。
むむと不機嫌な表情でこちらをみている綾波。
「似合っているな水着」
「ありがとうなのです」
白を基調としているワンピースタイプの水着は綾波にとても似合っている。
「普通はまっているものだと思うのです」
「悪いな、気付いたら泳ぎだしていた」
謝罪していると体操を終えた綾波も水の中に入る。
ことはなかった。
「綾波?」
「よくよく考えたら綾波は泳ぐことを知らないのです」
「……教えてやろうか?」
「よろしくなのです」
綾波はゆっくりと水の中に入るとこちらへ両手を伸ばす。
差し出された両手を掴みながらゆっくりと泳ぎの指導を始める。
元々、海で戦っていた綾波の反射神経などからすぐに泳ぎ方をマスターした。
彼女の指導をしていると残りのメンバーがやって来る。
「あ、綾波ばっかりずるい!ゼロ!私と一緒に遊んでよ~」
金髪をポニーテールにして、黒いビキニ姿のホーネットは体操を終えると水の中を泳ぎながらこちらへ近づいてくる。
「うぅ、この水着というのはあまり好きではないな」
「似合っているよ?高雄!」
白いワンピースタイプの水着、赤いビキニの水着姿の高雄と瑞鶴、ベルファストはすいすいと泳ぎながら背後にぴったりと寄り添ってくる。
「うふふ」
背後から不敵な笑顔を浮かべるベルファスト。
逃げようとしたら背中から伸びてきた腕に抱きしめられてしまって、ぴったりと彼女の温もりを感じさせられてしまう。
「逃がしませんよ」
「わぷっ」
後ろからざばざばと水面の中に沈められてしまう。
一瞬で空気を奪われてしまったところで持ち上げられる。
「うふふ」
見下ろしているベルファストが笑顔でこちらへキスをしようとしたタイミングで。
「ちょっと待ったぁ~チュッ」
横から奪う形でホーネットがキスしてきた。
逃げる暇はない。
「むむ」
「残念!ゼロは私と遊ぶの!」
「ホーネット様、いくら仲間であろうとご主人様は私の」
「ゼロを回収するのです」
隙を突いて綾波に引っ張られて距離を取る。
バチバチと火花を散らしているホーネットとベルファストはそのまま対決を始めた。
「いつも思うのだが、ゼロ殿はこの状況でよく無事だな?拙者が思うにいつか刺されるのではないか?」
「高雄、怖いことを言わないでくれ」
「安心するがいい、何かあれば拙者が貴方を守ろう」
「俺の問題だ。何とかするさ」
心配する高雄に大丈夫と伝えた。
「ゼロ!ゼロ!勝負しょう!勝ったら私に何か奢ってよ!」
赤いビキニ姿の瑞鶴からの挑発。
「お前が負けたら?」
「私を好きにしていいよ!」
「パス」
「何でよう!?」
「自分の体を大事にしなさい!綾波、何か飲みに行くか?」
「行くのです」
「あ、待って!私も行くからぁ!」
「やれやれ、拙者も行くとするか」
綾波、瑞鶴、高雄を連れてプールの近くに設置されている売店でドリンクを購入する。
炭酸飲料とお茶、フルーツジュース。
「どうでもいいんだが、高雄?」
「む?」
「お前、何でお茶なの?」
「拙者、しゅわしゅわは好まないのだ。それに、甘い飲み物というのも、どうも……」
「飲んでみるといいです」
綾波がフルーツジュースを差し出す。
少し戸惑っていた高雄だが、流石に断るわけにもいかないと思ったのか、ちびちびと飲む。
パァッと目を輝かせる高雄。
「気に入ったみたい!」
「ふぅん」
「あ、ゼロも飲む?おいしいよ!」
「それ、お前、飲んでいるじゃん」
「それが?」
きょとんとしながら炭酸飲料を差し出す瑞鶴。
断る空気にもなれず、仕方なくいただくことに。
「うん、おいしいな」
「でしょう!私も飲もうっと!」
「あ、おい!」
止める暇もなく飲みだす瑞鶴。
しかも、俺が飲んだところからそのまま飲んだぞ。
「「あー!」」という声が聞こえる。
「ガチ間接キスじゃない!」
「瑞鶴様、まさか、そのようなことをなさるとは……」
「え、なに?なに!?」
瞳から光を失ったベルファストとホーネット。
がしりと手が伸びて瑞鶴の左右を拘束する。
「え、ちょ!?何か怖い!怖いんだけど!?」
「「さぁ、行きましょうか」」
「ゼロ、助けてぇ!」
「……グッドラック」
「薄情者ぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!」
瑞鶴の叫びがプールに木霊した。
「合掌」
ゼロの言葉に高雄と綾波は静かに両手を合わせる。
「指揮官殿はどうして、強いんだ?」
プールを後にした俺達は遊園地へ来ていた。
ベンチでソフトクリームを食べていた俺に隣の高雄が尋ねてくる。
「俺は強くなんかないさ、ただ、失うのが嫌だから我武者羅にライトセーバーを振るっているだけに過ぎない、臆病者だよ」
ウソではない。
戦うのだって怖いし、人を斬ることも震えてしまいそうになる。
「拙者はそうは見えないぞ」
「え?」
「重桜の艦隊と共に戦った時に貴方の姿を見た。誰かを守るために奮闘していた貴方の姿はとても凛々しく、そして明らかに武人であり強き者であった」
「買いかぶりすぎじゃないか?」
「そのようなことはない」
首を振りながら高雄はこちらをみる。
「拙者は貴方の戦い方に惚れた。そして、本当に思ったのだ。貴方に忠義を尽くすと……貴方のように守るものが何かはっきりと見極めた者の下であれば、全力を出せると!」
目をキラキラさせながらこちらをみる高雄。
隠している筈の尻尾がブンブン揺れている気がした。
「高雄、近い」
「も、申し訳ない……その、だから、ゼロ殿、自分を臆病者と卑下しないでほしい。私は何があろうと貴方の刀として戦おう」
「ありがとう、高雄」
しばらくして、高雄へ尋ねる。
「ところで、高雄は何かの乗り物にいかないのか?」
「うぅ、拙者はその、あまり、こういうのは」
「ガンシップに乗っていて、大丈夫だろう?」
「ゼロ殿、できれば、このまま」
「よし、まずはメリーゴーランドからいきますか」
「なっ!?」
捨てられた子犬のような表情をする高雄に苦笑しながら彼女の手を握り締める。
「大丈夫だ。俺がちゃんと傍で支えてやるから」
「どうして、こうなった?」
夜、割り振られた部屋でゆっくり休もうと考えていた時。
「ふふふ、さぁ、夜はこれからですよ?旦那様」
笑顔でこちらをみている下着姿のベルファストの姿がそこにあった。
休日の夜はまだ終わらないらしい。
番外編 どの陣営がいい?
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ロイヤル(ベルファスト)
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ユニオン(ヨークタウン)
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鉄血(アドミラル・グラーフ・シュペー)
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重桜(加賀or長門)
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その他