転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目) 作:断空我
最後に爆弾を投下しながら、次の話へ向かいます。
「おかしい、休日の筈なのに全然、休んだ気がしないんだが……」
げっそりした表情で起き上がるゼロ。
傍にいるメイドはキラキラと輝く笑顔を浮かべている。
昨夜の乱れたあの姿は夢だったのではないだろうかと本気で思えてしまう。
「失礼、朝からご主人様の姿を見ていると濡れてきました」
訂正、現実だわ。
呆れながらゼロはベルファストを追い出す。
「メイドは今日も休みだろ?部屋で休んどけ」
用意してきた服に着替えながらゼロはドアを開ける。
そこにメイドはいない。
「おっはよう!ゼロ!」
代わりにホーネットがいた。
ジーンズに袖のないシャツをきた彼女が笑顔で立っていた。
「ホーネットか」
「うん!いやぁ、昨日は休めた……すんすん」
「顔が近いんだが」
「メイドの匂いがする」
いつからこの子に犬属性が追加されたのだろうか?
「まぁ、昨日、姿を見なかったからもしかしたらと思ったらぁ」
ため息を零すホーネット。
「まぁ、俺も油断していたのが」
「隙あり!」
ドンを突き飛ばされるように抱きしめられながらそのまま部屋の中に連れこまれる。
連れ込まれた際、ドアに鍵がかけられた。
「ゼロは本当に甘いよねぇ、まぁ、そういうところも可愛くて好きなんだけどさぁ」
ニコニコと笑顔を浮かべているのに全くと言っていいほど、目が笑っていないホーネット。
瞳から光が消えている気がする。
滅茶苦茶、嫌な予感がするのですが。
「あの、朝なんだけど」
ダメ元でいってみる。
「そうだけど?朝から運動もいいんじゃない?」
結論、ホーネットは止まる気配がないようである。
「やめ」
「さぁ、スタート♪」
「ゼロ殿、何やらげっそりしているようだが、大丈夫か?」
「あぁ、問題ない、その心配させて悪いな」
「いや、大丈夫ならそれでよいのだが」
ゲームはホーネットの勝利で終わることだけは阻止した。
途中でなんとか脱出したものの、少し遅ければ何から何まで絞り取られていたことだろう。
心配してくる高雄に大丈夫と答えながら置かれている紅茶を飲む。
「あぁ、良く寝たぁ!」
紅茶を飲んでいたところでキラキラした表情の瑞鶴がやって来る。
「瑞鶴殿、朝から元気だな」
「うん!お姉ちゃんの夢を見たからかも!」
「本当に、お前は姉が好きなんだな」
「当然だよ!お姉ちゃんさえいれば何も怖くないから!」
大袈裟すぎるだろうに。
まぁ、寝ぼけながら俺を姉と間違えて抱きしめようとしてきたくらいだし、良い姉であることは理解できる。
「そういえば、高雄は瑞鶴と仲が良かったな」
「あぁ、共に鍛錬をしてきた仲だ」
「ふーん、じゃあ、翔鶴っていうのも知っているのか?」
「ゼロは翔鶴姉に興味があるの!?」
ぐいっと身を乗り出してくる瑞鶴。
その目は限界まで開かれていて、何か怖い。
「いや、お前がそこまで姉、姉、姉っていうからさ、どんな人物なのだろうか気になっただけだよ」
「そ、そう…………よかった、ゼロが翔鶴姉に興味持ったわけじゃなくて」
離れたと思うと笑顔になる瑞鶴。
「コイツ、本当にころころ表情が変わる奴だな」
「うむ」
戻ってきた瑞鶴を含めた三人で朝食をとる。
「そういえば、外が何か騒がしかったよ?」
もぐもぐと朝食を食べていた瑞鶴の言葉に俺と高雄は首をかしげる。
「騒がしい?」
「はて、今日は何もイベントなどなかったかと」
首をかしげながら朝食を終えた俺は外に出ることにした。
「確保です」
「あ?」
背後から聞こえた声に反応する暇もないままズタ袋に視界を隠されてしまう。
ズタ袋から解放されると円卓に俺は腰かけていた。
「え、なにこれ?」
「ふん!遅かったじゃないゼロ!」
「あれ……クイーン・エリザベス、陛下」
呼び捨てにしようとしたら滅茶苦茶睨まれたので付け足すようにして陛下をつける。
円卓にはクイーン・エリザベスの他にウォースパイト、そして。
「ご機嫌麗しゅうございます。私はロイヤルネイビーの栄光、フッド。貴方がかのゼロ将軍でございますね?お会いできて光栄です」
「あ、はぁ」
挨拶してきたフッドの柔和な笑顔に少し面食らいながら頷く。
「ところで、これは」
「茶会でございます」
「うぉう!?」
真後ろから囁くように言われて振り返るとベルファストがいた。
私服姿からメイド服になっている。
「……いつの間に」
「陛下がお忍びで来られるという事でメイドとして準備をしておりました」
「腕は衰えていないようね!ベル!」
「恐縮です。陛下」
「……それで、茶会なのはわかったが、どうして俺が?作法なんて」
「ご安心をメイドの私が手取り足取り教えますので」
「結構だ」
「つれないご主人様です」
悲しそうに息を吐くベルファスト。
「全く、毎日、招待状を送っているのに無視するのがいけないのよ!」
「……招待状?」
クイーン・エリザベスの言葉に俺は首をかしげる。
招待状など届いていただろうか。
「すまない、基地に手紙の類は届いていなかったと思うが……」
「はぁ!?私はちゃんとジェダイ評議会を通して送っていたわよ!ベル!」
「申し訳ございません、陛下、私の記憶する限り……ご主人様の手紙はチェックしておりましたがロイヤルから届いたものはありません」
「どういうことかしら?」
首をかしげるウォースパイト。
「まぁ、手紙のことは置いておいて、陛下もウォースパイトも久しぶり、元気だったか?」
「当然よ!それよりゼロの噂はロイヤルまで届いているわ!大活躍しているそうじゃない!」
「あ、ありがとうございます。活躍なんてそんな……ただ、戦っているだけですよ」
「そうだとしても、ゼロが戦って救った命がある。そのことをしっかりと理解しておきなさい!」
ウォースパイトの言葉は素直に受け入れておこう。
「ゼロ様、こちらのクッキーはおいしいですよ」
いつの間にか隣まで近づいていたフッドからクッキーを勧められる。
手に取って食べようとしたらフッドから差し出された。
「さぁ、どうぞ」
「……どうも」
突き刺さる三か所の視線。
素直に終わらせた方が早い。
何度も経験して学習したことである。
大人しくクッキーを食べた。
「うん、美味い」
「お口にあってよかったです」
「ありがとう、フッドさん」
「さんは要らないですよ。あの有名なゼロ様とお話ができるなんて光栄です」
前から思うのだが艦船達の間で俺はどういう風に伝わっているのだろうか。
そんな疑問があった。
楽しい茶会を終えた後、クイーン・エリザベスから買い物など付き合う様に言われそうになったが即座に離脱。
ベルファストはしばらく彼女の付き添いになるだろう。
去り際にフッドから写真にサインを求められるという事態がありながらも離脱に成功する。
「休日か、久しぶり過ぎて何をすればいいか悩むっていうのも重症だな」
ぶらぶらと施設内を歩いていく。
綾波はホーネットや瑞鶴達と買い物に出ているらしい。
久しぶりの一人。
「大抵、誰かがいたからな……一人になるというのはこんな感じだったんだなぁ」
寂しいという感情に苦笑が漏れた。
前までは独りが当たり前だったというのに、いつの間に周りに誰かがいることが当たり前になってしまっているらしい。
「はぁ」
「あぁ、見つけました」
聞こえた声に体が固まる。
「あら?聞こえなかったかしら……」
おそるおそる振り返る。
儚げな笑顔を浮かべながらこちらをみている白よりの長い髪、瞳はこちらを捉えて離さない。
「何で、ここに」
「久しぶりね、ゼロ、会いたかったわ」
ユニオンの空母、ヨークタウン。
車椅子に乗っている彼女がさらに深い笑顔を浮かべた。
光のない瞳は真っ直ぐにこちらへ向けられたまま。
「どうして、ここに?」
「貴方に会いに来たの……」
「っ!」
彼女の言葉に自然と顔が険しくなる。
「冗談よ……療養でここへきていたの。そうしたら偶然だけど、貴方と出会えたわ」
車椅子を押しながら施設の周辺を歩く。
「ゼロはどうしてここへ?」
「休暇だよ。休むように言われてね……」
「そう」
小さく頷いた彼女の手が車椅子を押している俺の手に触れる。
ユニオンの空母、ヨークタウン。
儚い印象の彼女だが、少し前まで空母として最前線で多くのセイレーンを倒してきた。
今は戦いの最中で負った傷が原因で戦線から離れて後方で傷を癒している。
「貴方の戦いは噂で聞いているわ……大丈夫?」
「ジェダイは平和の使者だ。戦いを終わらせるためならどこへだって戦うさ」
「そういうことじゃないの」
こちらを見上げてくるヨークタウンは笑顔を浮かべている。
「貴方が戦争で死なないか、私は心配……なの」
しかし、目の奥は笑っていない、まるで何かを探るような感情が含まれていた。
「大丈夫だ。俺は死なない、キミと約束したからな」
あの時、ヨークタウンが重傷を負う切欠となった戦いの場で俺は約束した。
絶対に死なないと。
そして、
「あの時、ゼロと一緒に過ごした時間は夢のよう……でも、貴方の傍でいられないのはとてもつらい……それに」
すんすんと匂いをかがれる。
「私以外の、女の匂いがします」
「……それは」
「仕方ないよね、貴方はジェダイで指揮官適性を持つ者……多くの艦船がいても仕方ない……でも、一番は、私だよね?」
見上げる彼女の手が俺の頬へ触れる。
大事なものを扱う様に優しく、けれど、絶対に逃がさないという風に。
「ゼロ、キス、しましょう?」
「ヨークタウン、それは」
「なぜ?」
首をかしげるヨークタウン。
「私達は互いに重ねて気持ちを理解しあったのよ?それなのに、これくらいのことは許してもらえないの?」
一気に悲しそうな表情になるヨークタウン。
涙を流す彼女の姿があの時と重なってしまう。
「今回、限りだ……もうしない、約束できるか?」
「えぇ、勿論」
にこりとほほ笑みながら見上げながら目を閉じるヨークタウン。
ゆっくりと顔を近づけていく中でどういうわけかエンタープライズの姿が過ぎる。
まるで酷い罪をこれから重ねるような気分。
俺はゆっくりと彼女の唇と自らの唇を重ねた。
「ゼロ?」
聞こえた声に動きが止まる。
慌てた様子で振り返ると驚いた表情でこちらをみている綾波の姿があった。
浮気の現場を見られたような気分になる。
「あら、ゼロと戦っている艦船達ね?」
「ウソ、ヨークタウン姉!」
驚いた表情になるホーネット。
「久しぶりね、ホーネット、元気そうで安心したわ」
「う、うん、その、姉ちゃんはどうして」
「療養中だったんだけど、まさか、ここでゼロと会うなんて思わなかったの」
「……ゼロと知り合い?」
「えぇ、彼は私を救うために【ジェダイを殺して】くれた“命の恩人”だもの」
最悪の爆弾を投下してくれた。
ヨークタウン
ユニオンの空母でエンタープライズとホーネットの姉。
儚い雰囲気がとても強く、一部のユーザーからヤンデレ評価がされている彼女。
アニメと同じで戦線で重傷を負い、療養中。
ゼロといつか結婚できると本気で思っており、途中でふらふらしていても最後に自分のところへ戻ってきてくれれば良しと思っている。今回は手を出そうとしている艦船達へ牽制のつもりでやってきた。
番外編 どの陣営がいい?
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ロイヤル(ベルファスト)
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ユニオン(ヨークタウン)
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鉄血(アドミラル・グラーフ・シュペー)
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重桜(加賀or長門)
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その他