転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目) 作:断空我
はぁ、やりたいなぁ。
「なんだ?」
いつもの報告を終えてゼロが基地の通路を歩いていると大量のドロイド達が逃げる様に去っていく姿へ遭遇する。
「あぁ、R3、それにR2もどうしたんだ?」
慌てて逃げている中にゼロとアナキンのパートナーのアストロメクドロイドの姿があった。
キャタピラで逃げる様に慌てている姿にゼロは首をかしげる。
体を左右に揺らして説明しようとしていたが何かに気付いて、R3は去っていく。
「ん?」
角からふらふらと現れるのは一人のKAN-SEN。
金髪をツインテールにして天辺で跳ねるアホ毛。
とろんとした表情でふらふらと歩いていたがこちらの姿を見つけると信じられない速度で近づいてくる。
「ゼロ、抱っこ」
「エルドリッジ、元気そうだな」
やってきたのはユニオンのKAN-SEN エルドリッジだ。
KAN-SENにしては電気を発する力を有しており、抱き着かれるとビリビリしてしまう。
「抱っこして」
「いいけど」
ビリビリと全身に電気が走りながらもゼロはエルドリッジを抱き上げる。
目を細めて嬉しそうにしながら小さな手がぺたぺたとゼロの頬を触った。
「?」
嬉しそうにほほ笑むエルドリッジを抱えながら彼女の部屋へ連れていくことにした。
「ゼロ、一緒に寝よう?」
「いや、俺はまだやることがあるんだ。悪いけれど」
「いやだ」
短くエルドリッジは拒絶するとゼロの体に抱き着いてしっかり離れない。
見た目は幼いが彼女もKAN-SEN。
その力はジェダイすらも逃れられない。
「頼むから我儘をいわないでくれないか?」
「ゼロ、休んでいない」
「そんなことはないよ。ジェダイだから鍛えているし」
「心が疲弊している」
エルドリッジのアホ毛がぴょこぴょこ揺れながらこちらを見つめる。
普段はのんびりした様子の少女だが、今は真剣な表情をしていた。
「わかった、俺の負けだ……今日の仕事はやめて休むよ」
「そうして欲しい、ゼロ、エルドリッジと一緒に休む」
「勘弁してほしいんだが」
「駄目」
ぴしゃりと否定されてゼロはエルドリッジと横になる。
翌日。
「何か、体の疲れが取れた気分だ」
体の各所を動かしながらゼロは通路を歩いていた。
そんな彼の前にR3が姿を見せる。
「お前、何も言わずに逃げるってどうなんだ?」
ゼロの言葉に体を左右に揺らして猛抗議してくるR3。
「逃げたのには理由があるっていいたいのか?」
体を縦に揺らすR3。
「まぁいいや、俺は訓練室にいるから何かあれば知らせてくれるか?」
了承した電子音を鳴らすR3を確認してゼロは訓練室へ入る。
室内は誰もおらず、訓練に集中できそうだ。
システムを起動して訓練のためにライトセーバーを構える。
「おや、先客がいたか」
「マスタータパル、久しぶりです」
ジャロ・タパル。
守護者と呼ばれているジェダイであり、ダブルブレード・ライトセーバーの使い手である。
遠方の土地でパダワンとクローン・トルーパーを率いて戦っていた。
戦況が落ち着いてきた為、報告も兼ねて評議会へ戻ってきたのだろう。
「どうだ、久しぶりに手合わせしないか?」
「それは嬉しい提案ですね!是非」
「ジェダイの守護者と呼ばれる私と剣聖と言われるお前の実力、みせてもらおうか」
「剣聖なんて恐れ多い、ただのナイトにそんな称号はいりませんよ」
構える青のライトセーバー。
「ふふ、謙遜はいらぬぞ。さぁ、はじめよう」
ライトセーバーを構えてゼロは走り出す。
振るわれる刃をタパルは冷静に受け流す。
距離を取ろうとしたところでタパルのライトセーバーが煌めく。
ギリギリのところでゼロは躱しつつ、反撃の為に一撃を振るう。
バチンと火花が散りながらタパルとゼロのライトセーバーがぶつかりあった。
「最前線で戦うジェダイだけであるな。中々の腕だ」
「そういいながら冷静にすべてを受け流している貴方は流石だ、守護者と言われるのも納得ですよ」
「フォースを信じるのだ。若きジェダイよ。フォースが全てを教えてくれる」
「仰る通りです」
二人は同時にライトセーバーを仕舞って懐へ戻す。
しばらくして、扉が開いてエルドリッジが入って来る。
「ゼロ、見つけた」
エルドリッジはゆっくりと二人の傍へ駆け寄って来る。
「エルドリッジ、ここは危ない。次からは外にいるR3に」
「誰も、いなかったよ」
「え?」
ぽかんとするゼロにエルドリッジはこてんと頭を横へ傾ける。
エルドリッジの瞳からウソをついているようにみえなかった。
「どういうことだ?」
「おそらく、その娘から放たれる電気エネルギーが原因ではないか?」
「電気エネルギー?」
ゼロの言葉にタパルが推測を述べる。
「その娘、常時、電気を放っているのだろう?ドロイドは優秀とはいえ、精密機器だ。強い電流を浴びればシステムに影響を及ぼす。そのことからドロイドはこの娘から遠ざかっているのではないだろうか?」
「つまり、エルドリッジはドロイドの天敵?」
「おそらくな」
「エルドリッジ、恐ろしい?」
「それは違う」
ゼロは微笑みながらエルドリッジの頭を撫でる。
バチバチと掌に静電気のようなものが走るも、笑顔を浮かべた。
「エルドリッジの力は守るものだ。それがたまたま、ドロイド達に悪影響を及ぼしてしまうだけだ」
「エルドリッジは悪い子、じゃない?」
「当然だ。素直で優しいエルドリッジが悪い子なら世界中の子はみんな悪い子だよ」
「エルドリッジ、ゼロのお嫁さんになれる?」
「えっと、まぁ、もう少し成長したら、かな?」
幼女の見た目をしているエルドリッジ。
仮に結婚ということになっても、今の姿では色々と問題があると指摘を受けるだろう。
勿論、ゼロは結婚ということは考えていない。
子供のお約束という程度の認識なのだ。
「エルドリッジ、頑張る」
「不用意な発言はせぬ方がいいぞ?」
「え?」
タパルの言葉にゼロは戸惑いの声を漏らす。
「頑張る」
力拳を作ってアホ毛がぴょんぴょんと跳ねる彼女の姿にタパルの言葉の意味を理解する。
「幼い子ほど純粋だ。不用意な発言をすれば、どこかで痛い目をみるぞ?」
「今、身に染みたところです」
「精進が必要だな、若きジェダイ」
「そうしますよ、マスター」
「マスタータパル、これからは?」
「オーダーが入っている。移動にかなりの時間が掛かるので道中はパダワンの修行に集中しようと思う」
「マスタータパルに指導されるんだから、優秀なジェダイになりますね」
「若いが素質はある。機会があれば、会ってほしい」
「え、俺、ですか?」
タパルの言葉に驚くゼロ。
ゼロはジェダイ評議会で変わり者といわれている。加えて、過去のことから若いジェダイに誤解されている。
少し前の鉄血領土の近くで起きた事件も誤解を加速させている原因の一つだ。
「その、マスタータパルも知っていると思いますが……俺は」
「過去に縛られることは良くないぞ、ゼロ」
諭すように話すマスタータパルの目はゼロのことを案じていた。
「お前は強い、フォースも、ライトセーバーの技量も、だが、心が時々、不安定になる。それはおそらく、あの時の出来事がお前に深い傷を残しているのだろう、忘れろとはいわない。乗り越えろということも厳しいのだろう、だが、そのことに囚われ続けることは暗黒面の誘いになる。強くなるのだ。ゼロ」
「……ありがとうございます。マスタータパル」
「そうだ、お前もいつか弟子を取るといい」
「勘弁してください。俺に弟子を育てるのは無理ですよ」
「どうかな?案外、素質があるかもしれんぞ?」
「まさか」
肩をすくめながら分かれ道にぶつかる。
「では、俺はこっちですので」
「あぁ……ゼロよ」
「はい」
呼ばれて振り返るゼロ。
「フォースと共にあらんことを」
マスタータパルからの言葉にゼロは頷いた。
「マスター、貴方もフォースと共にあらんことを」
こんな番外編はみたい?
-
現代編(記憶ナシのゼロと艦船)
-
重桜包囲網(赤城&加賀)
-
他の映画とのクロス
-
綾波メインヒロイン話
-
ヨークタウンによる逆レ