転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目) 作:断空我
次回で寒冷の戦場編は終わる予定です。
「シャドーピープルとの戦争が開始して三日が過ぎたわけだが」
「敵は行動を変えるという考えがないのか?」
トルーパー達は夜闇に紛れて現れてくるシャドーピープル達へブラスターを撃つ。
初日、二日は警戒を強めていたのだが、三日目になると行動が単調すぎて、逆に呆れてしまう。
同じような行動ばかりとってくるのである。警戒しろというのがアホらしく思えてしまう。
「油断はするな。将軍は敵が現れた常に警戒せよと指示を出していただろう!」
ヘヴィが雑談をしているトルーパーへ渇を入れながらブラスターピストルを撃つ。
「空気が緩んできていますね」
「三日も同じことを繰り返す相手と戦っていれば……こうなることは仕方ない。この基地の兵士は経験も少ないようだ」
バイザー越しでヘヴィは置かれているバズーカを構えて撃つ。
砲弾がミミズ型の機動兵器に直撃して爆発を起こした。
「良き腕です」
「ありがとう……しかし」
ヘヴィは後ろを見る。
少し離れた基地。
そこからこちらを監視するように見ている一人のジェダイ。
腕を組みながらこちらへ参加する様子も指示をすることもない。
「ジェダイ一人で、こうも違うものなのでしょうか?」
シェフィールドの言葉にヘヴィはなんともいえない表情をバイザーの中で浮かべた。
彼が知っているジェダイ達は戦線へ誰よりも飛び出して、仲間達と共に戦っていく。
今までとかけ離れたジェダイのタイプにヘヴィは内心、戸惑っている。
「どうだろうな、ゼロ将軍、スカイウォーカー将軍、ケノービ将軍は我々のことを考えてくれている。ローメイル将軍は三人とも違う。よくわからないというのが本音だな」
「撤退していきますね」
シェフィールドの瞳は去っていくシャドーピープルの姿をみながら呟いた。
「ゼロ将軍の予想していた通りだな……」
ため息を零しながらブラスターピストルをホルダーへ仕舞う。
「しばらく周囲の警戒だ。シェフィ、休んでくれて構わないぞ?」
「私はメイドです。主と決めた人の傍に付き従います」
「そうか……俺の休憩は三時間後なのだが?」
「構いません」
ロイヤル式の挨拶をする彼女の姿にヘヴィは両手を挙げて降参する。
彼女に敵いそうにない。
仲間のトルーパーへ指示を出しながらヘヴィはシャドーピープルが去っていった方向をみる。
「将軍、無茶はしないでください」
「さて、敵は逃げたわけで」
「行くのです?」
暗視スコープで逃げていくシャドーピープルの姿を確認しているゼロへ綾波が問いかける。
「そうだな、行こう」
二人はジェダイ用の戦闘機へ乗り込む。
ゼロが腰かけるとその上へ載って来る綾波。
からかいの電子文を送って来るR3。
「どうしたのです?」
「気にするな……あの、綾波さん、どうして同行を」
「綾波は相棒です。必ずついていくのです」
フンス!と拳を作る綾波。
これ以上は言っても無駄であると学習しているゼロは戦闘機を起動させる。
「一応、レーダーにひっかからない様に対策はされているが……慎重にいきますか」
操縦桿を握り締めて戦闘機が低空飛行で逃げているシャドーピープルを尾行する。
事前に整備の担当者へお願いして、調整をしてもらっているので見つからない筈。
ゼロがどうして彼らを追いかけているのか、それはシャドーピープルを完全に叩き潰すためである。
ジェダイ騎士、ローンメイルは動こうとしないのでゼロと彼の仲間達は徹底抗戦の構えを取ることにしていた。
「あそこが敵の拠点なのです?」
「そうみたいだ」
シャドーピープル達は廃墟になっている施設の中へ入っていく。
あそこが彼らの拠点なのだろう。
「戻るのです?」
「そうだな、あ?」
「む?」
旋回したところで急に戦闘機のシステムがシャットダウンした。
「R3!どうした!?」
悲鳴を上げながらR3が叫ぶが戦闘機の画面はブラックアウトしたままである。
「待て待て待て、この停止は困る」
即座にゼロは側面の基盤をこじ開ける。
配線の一つを切り替えて、別の部分を弄る。
バチバチと配線同士の火花を散らして反応を伺うが、戦闘機が再起動する様子はない。
「あぁ、まずい、まずいぞ」
「えい」
慌てるゼロの横で綾波が正面のパネルを拳で叩く。
バチン!と大きな音を立てながら戦闘機が再起動。
後部のイオンエンジンが変な音を立てながら噴き出す。
「くっ!」
操縦桿を掴んで戦闘機を上昇させようとするが少し遅かった。
地面をガリガリガリと削りながら戦闘機の両翼が音を立てて千切れていく。
「不時着なのです?」
「まぁ、そんな感じかな」
コックピットを無理やり開けながら尋ねてくる綾波にゼロは肩をすくめるしかなかった。
一足先に脱出して雪まみれになったR3がため息の電子音を吐く。
「でも、どうして急に機能停止したのです?」
「まぁ、調べてみないことにはわからんが仕込まれたのかも」
「誰がそんなことをするのです?」
雪の景色を見ながら。
「少なくとも、仲間のクローンや艦船達ではないと思う……考えられるのは」
そこから先の言葉をゼロは飲み込む。
「ゼロ?」
「いや、確証のないことを話しても仕方ない……とにかく、基地へ戻ろう……この調子じゃ夜になる」
「へっくち!」
綾波がくしゃみをしたのをみてゼロはジェダイローブで覆う。
R3が電子音を鳴らしながら雪道を進みだす。
「こういう形でゼロと二人っきりというのは違いますけれど、嬉しいです」
「喜ばないでくれ」
ローブの中で嬉しそうにほほ笑む綾波の姿に実はほっこり癒されながらもゼロは雪の道を歩いていく。
R3はちらりと二人のやり取りを眺めながらレーダーで周囲を索敵しながら進む。
「将軍との連絡がとれなくなってもう二時間が過ぎている。捜索隊を出すべきだ!」
ファイブスが格納庫にいるヘヴィ達へ訴える。
彼の傍にはハードケースやZ1の姿があった。
戦闘機でゼロと綾波が出ていって既に二時間。
連絡が取れず、暗い空が基地の上空を覆い始めていた。
「今日の夜は吹雪だという予報が出ている。この基地の正面ゲート等全ての封鎖が決まった」
「決まったって、そんなの!」
最後まで言うことをファイブスは躊躇う。
「あそこのスピーダーが使えるんじゃないのか?」
ハードケースがシートで隠されているスノースピーダーを指さす。
「残念ながら低温措置が間に合っていません」
Z23の指摘にハードケースは言葉を詰まらせる。
夜になればガンシップの飛行は不可能。
「何もできないのかよ!なぁ!」
悔し気にZ1は拳を壁に叩きつけた。
めり込む壁の音が室内に響く。
ハードケースが尚も言いつのろうとしたところでファイブスが止めた。
「何で止めた!?」
格納庫を後にした基地内の通路でハードケースがファイブスへ詰め寄る。
「このままじゃ、ゼロ将軍は凍死しちまう!あんな素晴らしい人を失うなんて俺は耐えられない!」
「わかっている、ヘヴィもそれは同じだ」
ため息を零しながらファイブスは思い出す。
報告を告げていたヘヴィの手は血がでそうになるほど握り締めていたことをファイブスは見抜いていた。
付き合いが長い戦友であり、ゼロのことをクローンの中で一番、信頼している彼が辛いことを理解している。
だが、このままではゼロの生死にかかわってしまう。
「イッチ!ニー!サン!シ!」
通路の外で体操をしているZ1の姿が目に入る。
「おい、何をしているんだ?」
「あ?イブを探しに行く」
「はぁ!?」
「おい、この基地は」
「もうまもなくゲートが封鎖されるだろうな。だが、この程度の寒さで鉄血の艦隊は止まらんぞ!何より」
拳を握り締めるZ1。
「オレの大事なイブを見捨てるなんてこと、できるかよ!」
覚悟を秘めた彼女の目にファイブスやハードケースは言葉を失う。
それほどまでに彼女の血に圧倒された。
「探そう」
ファイブスがぽつりと呟く。
「将軍と綾波を探そう」
「しかし、部隊は」
「俺達だけで探す。寒冷地仕様になっていないがスピーダーバイクがある。エンジンが凍り付くのが先か、俺達が将軍を見つけ出すか……時間との勝負だ」
「チップはオレ達の命!」
「そういうことか、いいねぇ、やる気でるぜ!」
ハードケースが拳を打ち鳴らす。
「行こう、将軍の為に」
ファイブスが拳を前に出す。
「将軍の為に」
ハードケースが拳をぶつける。
「イブの為に」
Z1が拳をぶつけた。
三人が拳をぶつけ合い頷いた。
「吹雪いて来たな」
綾波をローブの中で隠しながらゼロは進む。
R3が困惑の電子音を鳴らす中で綾波が顔を上げた。
「ゼロ、大丈夫、です?」
「そろそろ、どこかでビバークすることを考えないといけないだろうな」
「基地はみえないのです?」
「駄目だな、少し先が真っ白だ」
「……綾波達、どうなるのです?」
「まぁ、悪いことは考えないようにしよう、そういうことは考えれば考えるほど、事態はその通りに行くからな」
「まるで、そうなったことがあるみたいな言い方です」
「経験者は語るという奴だ。昔、ジェダイマスターと一緒に雪国へいった時に、まぁ、それはひどい目にあったんだよ。雪男みたいな怪物に襲われるし、雪崩は起きるわ、とにかく散々な目にあっていた」
「酷い話です」
ゼロのローブの中で綾波が苦笑する。
「寒くないか?」
「大丈夫です、ゼロが温かいです」
「おいおい、俺はカイロじゃねぇぞ」
「くす」
小さく微笑む綾波。
ゼロは笑みを浮かべながら意識を集中させる。
フォースの力を借りながらみえない道を進む。
今のままでは確実に二人とも凍死してしまう。
綾波はフネだが、体は人間と同じものだ。
徐々に弱っている以上、放っておけない。
何より。
「(死なせない)」
ゼロはより意識を集中させる。
「(目の前で救える命を見捨てるなんてことはしない。絶対に)」
あの日に誓ったことを自らに言い聞かせる。
足に絡みついてくる雪にもたつきそうになりながらゼロは歩みを止めない。
その時、ゼロの通信端末に連絡が入った。
「くそっ、吹雪いて来たぞ!」
「このままじゃ、俺達も二次遭難って奴じゃねぇのか!?」
「知るか!このまま突き進め!」
「俺の頭を叩くな、チビ!」
「誰がチビだ!」
ハードケースと騒ぐZ1のやり取りを聞きながらファイブスはレーダーの生体反応へ注意しながら通信機に呼びかける。
「ゼロ将軍、綾波、聞こえますか?」
通信機に応答はない。
「ゼロ将軍、綾波、聞こえますか?こちらファイブス、この通信が聞こえたらすぐに応答をしてください」
このままでは自分達の命も危なくなる。
スピーダーの速度を上げようとした時。
『通信、聞こえているよ!こんなところで会うなんて奇遇だね』
聞こえた声にファイブスはヘルメットの中で笑みを浮かべる。
ファイブスがハンドサインでハードケース達に発見したことを伝える。
「すぐに向かいます」
『頼む、足が冷たくて感覚がなくなってきたよ』
「将軍が無事でよかったですよ」
数分後、ファイブス達のスピーダーバイクに乗っているゼロ、綾波、R3の姿があった。
「キミ達がこなければ、俺と綾波は雪道の上で氷漬けになっていたよ」
「綾波はゼロと一緒でよかったのです」
「ケッ!イブはオレのだからな!」
「俺の後ろは騒がしいぜ」
ハードケースが悪態をついた。
ファイブスは苦笑している横でゼロが小声で話しかける。
「ファイブス、俺の乗っていた戦闘機は細工されていた」
「え!?」
「小さな声で」
ゼロに言われてファイブスは頷く。
「色々と気になるところはあるけれど、今回の任務、色々と裏があるかもしれない」
「ただのテロリスト撃退ではないってことですか?」
「その可能性はあるかもね……はぁ、マスターヨーダの采配を今度から警戒しないといけないかなぁ」
ため息を吐くゼロの言葉を聞きながらファイブスはスピーダーバイクの速度を上げた。
「貴様ら、どういうつもりだ!」
ゼロ達が基地の格納庫へ到着すると武装したクローンと怒り心頭のローンメイルが待っていた。
「彼らを責めないでくれるかな?俺を助けるために無茶をしたんだ」
「フン」
怒鳴るローンメイルはゼロを睨む。
「貴様がクローンで私の部下だったら迷わずに処刑していたところだ」
「物騒な指揮官だな」
「お前みたいな自由人に言われたくないな」
「何だと!」
我慢できないという風にハードケースが叫ぶ。
「ゼロ将軍が来なければ、シャドーピープルに苦戦していた癖に!」
「苦戦?この基地はあくまで防衛線の維持だ。撃退は指示にない」
「指示にないことはしないというのですか!?」
驚きを隠せないファイブスにローンメイルは答えない。
「お前達が私の部下であれば罰則だったのだが、これ以上、よそ者が好き勝手するなら評議会に連絡して出て行ってもらうからな!」
警告を飛ばしながらローンメイルは去っていった。
「ま、怒られたけれど、キミ達には感謝しているよ」
「イブ!」
我慢できないという風にZ1が抱き着いてくる。
不意打ちにバランスを崩したゼロの上に覆いかぶさるとそのままキスをしてきた。
抵抗する暇もないまま、唇をむさぼろうとした。
「ムム!ゼロから離れるのです!」
気付いた綾波が顔を真っ赤にしながら引き剥がした。
「けっ、次は二人っきりだぜ」
耳元で囁きながらZ1が離れる。
「あぁ、後、悪いんだけど、ヘヴィに」
最後まで言う前にゼロはそのまま地面へ倒れた。
「ここにいたのですね」
武器庫。
ヘヴィはそこで武器の手入れをしていた。
そんな彼に声をかけるのはシェフィールド。
彼女の姿をちらりと一瞥した後、ヘヴィは武器の手入れを再開する。
「自らの武器の手入れをすることは素晴らしいですが、扱いが少し乱暴ですね」
「……」
「ゼロ将軍へお会いにならないのですか?」
「俺は」
言葉を詰まらせるヘヴィをみてシェフィールドはため息を零す。
「あの時の判断は間違っていません。将軍がいない場合、部隊の責任者は貴方になる。あの時、全体を守ることは大事でした」
「だとしても……俺は将軍を見捨てることを決めたんだ。それが」
ヘヴィは苦悩に顔を歪めていた。
兵士として引き上げてくれたゼロに恩がある。勿論、それだけではない。
共に戦場を駆け抜けて上司と部下というだけの関係ではない固い絆がある。
アナキン・スカイウォーカーとキャプテン レックスのようなもの。
だが、今回の件はその絆を踏みつぶしてしまうようなものにヘヴィは感じていた。
「呆れました」
シェフィールドのため息にヘヴィは顔を上げる。
「長い期間、共に戦っていながら、あの人のことをわかっていないのですか?」
「それは……」
「私からみて――」
「ヘヴィ!」
部屋に慌てた様子のエコーがやって来る。
「ゼロ将軍が倒れた!」
気付けばヘヴィは外に飛び出していた。
「ツンデレ、ですか?全く」
呆れながらシェフィールドは後を追いかける。
残されたエコーも後に続いた。
「今は麻酔が効いていて眠っています」
ヘヴィ達が部屋に入ろうとすると熱湯の容器を持ったベルファストと遭遇する。
「それで、将軍の様態は……」
「軽い凍傷です。今は体を温めて休んでもらっています」
「そう、か」
「中へ入りますか?」
「いや、今はいい」
首を振りながらヘヴィは断る。
「おや?シェフィ、どうされたのですか?」
「変にこじらせているのです。将軍は気にしていないといっているのですが」
「あぁ、そういうことですか」
シェフィールドの言葉にベルファストは理解する。
ヘヴィは視線を悟られないようにバイザーを装着していた。
「嫉妬するわけではありませんが、もう少しヘヴィ様は余裕を持つべきだと思いますよ」
「余裕?」
「周りを見る目ですよ」
首をかしげるヘヴィへベルファストは話す。
「ご主人様は一度、見捨てられたくらいで許す、許さないなんて考えませんよ。それよりも、出撃前に万全な状態だったはずの戦闘機がなぜ不時着することになったのか、その理由を探るべきだと思いますよ」
「それは」
「ここにいたのか」
「ローンメイル将軍」
入口で話し込んでいた彼らの前に現れるのはこの基地の責任者。
ローンメイルはヘヴィ達をみる。
「CT-782 お前達に任務だ」
「我々にですか?」
「そうだ、二回も言わせるな。シャドーピープルがトルーパーの武装を奪い、この基地へ襲撃を仕掛けようとしているらしい。お前達とこの基地のトルーパーはすぐに迎撃へ迎え」
「了解です」
ローンメイルの指示にヘヴィは敬礼する。
それに対してベルファストとシェフィールドの二人は警戒するようにローンメイルをみていた。
「あの将軍の命令というのはどうも納得がいかないな」
「ぼやくな、ハードケース。任務だから必要なことだ」
悪態をついたハードケースをファイブスが嗜める。
「しかし、気持ちはわかる。俺達はゼロ将軍の部隊だ。あの若造の部下じゃないのに相変わらず偉そうにしていたらしいぞ?」
頭に血が上りやすいハードケースに同意する形でエコーが頷く。
彼らは武器を構えて隊列を組む。
ヘヴィはバイザーを被りなおして指示を出す。
「出撃だ!」
合図とともに進軍していくトルーパー達。
ローンメイルの報告によれば、彼らの向かう先にトルーパーの装備に偽装したシャドーピープルがいるという。
武器を構えて警戒しながら彼らは目的地へ向かった。
薄暗い寒空の下。
トルーパー達は隊列を崩さずに進んでいく。
寒冷地ということでいつもの武装に加えて防寒対策を施しているものの、慣れない場所でいつも以上に彼らの疲労は蓄積される。
それでも彼らは進む。
命令を遂行するためにトルーパー達は目的地を目指す。
「いたぞ!」
先に進んでいたトルーパー達が敵を発見する。
「構え、撃て!」
合図とともに一斉にブラスターが火を噴く。
それは相手も同じようで青色のブラスターの光線が反撃してくる。
「くそっ、同じ武装を使っているのかよ!」
「なんて奴らだ」
悪態をつきながら攻撃の手を緩めない。
攻撃はヘヴィ達側のトルーパーが優位に進んでいた。
ヘヴィはブラスターピストルを構えながらゆっくりと敵を追い込もうとしていた。
ふと、傍に倒れている敵トルーパーの姿が目に入る。
何か、違和感があった。
その理由はわからない、だが、今までゼロと共に戦場を駆け抜けてきた影響だろうか、倒れている敵兵士の何かが気になっている。
ゆっくりとヘヴィは敵トルーパーのヘルメットを外す。
「これは!」
信じられないものをみたヘヴィは動揺を隠せない。
ふと、大きな爆音が耳に届く。
ヘルメットを投げ捨ててヘヴィは戦闘の中心に立つ。
「やめろ!戦闘をやめるんだ!」
両手を広げて戦闘をやめる様に叫ぶヘヴィ。
「ヘルメットを脱いで顔を見せるんだ!ここに敵はいない!敵はいないんだ!」
訴えるヘヴィの言葉にトルーパー達は一人、また一人とヘルメットを外していく。
素顔が明らかになると敵側も驚いたのかヘルメットを脱ぐ。
敵側の素顔はクローンと同じもの。
「どういう……どうなっているんだ!?」
信じられないという風にブラスターを投げ捨ててハードケースが叫ぶ。
敵側も信じられない表情でブラスターを投げ捨てる。
「そっちの部隊の所属は!隊長は誰だ!」
「わ、我々は、た、隊長はワックサーです!」
「どこだ!」
案内されてたどり着くとブラスターを腹部に受けて苦悶の声を上げているワックサーの姿があった。
「ワックサー!」
「キミはアズールレーンの、そうか、我々は兄弟と戦っていたなんて」
信じられないという言葉を残しながらワックサーは息を引き取った。
ヘヴィはワックサーの頬へ手を伸ばす。
「一体、何が起きているんだ!?」
信じられないという声をトルーパーの一人が上げる。
「この作戦はローンメイル将軍が立案したものだ!武装を奪ったと報告してきたのもローンメイルだ!」
「ヘヴィ、どうするつもりだ?」
「どうする?」
戸惑いの言葉を漏らすヘヴィ。
「そうだ、ローンメイル将軍の作戦で部隊に損害が出ている。彼の指揮下にいたら、部隊全滅もありうる」
「それは」
ファイブスがヘヴィへ詰め寄る。
「俺達の知っているゼロ将軍は誰よりも仲間を失うことを嫌っていた。ローンメイルはそれをやらかしたんだ。何より、味方同士をぶつけるような作戦を立てている指揮官だ。拘束をしないと俺達以外にも被害が出るかもしれない。決めるのはお前だ」
「……ローンメイル将軍を更迭する」
頷いたファイブス。
「ただし、これは俺の独断であり、部隊全員は関与していないものとする。よって何か罰が発生するとなれば、それは俺だけの責任であり、部下は関係ないものとする」
「いつの間にか堅苦しいこという様になりやがって、行こうぜ。兄弟」
「あぁ」
ファイブスに肩を叩かれてヘヴィ達は基地へ向かう。
こんな番外編はみたい?
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現代編(記憶ナシのゼロと艦船)
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重桜包囲網(赤城&加賀)
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他の映画とのクロス
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綾波メインヒロイン話
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ヨークタウンによる逆レ