転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目) 作:断空我
話の展開とか、色々と考えてたら遅くなりました。
エロ回は当分、ないかもしれない。
「青い海、澄み切った白い空……とても綺麗だな。こういう時はのんびりと」
「ゼロぉ!勝負!」
「待て、瑞鶴殿!その前に拙者がゼロ殿と手合わせを約束しているのだ!」
「だ、だったら乱戦にしよう!そうすれば、鍛錬になるだろうし!」
「名案でござる!」
ゼロの後ろで軍刀を構えている二人さえいなければ、のんびりできただろう。
ため息を吐きながら振り返る。
「キミ達ねぇ」
「勝負!」
「覚悟!」
「てい」
横から綾波が二人へ砲撃と雷撃する。
攻撃によって甲板の上に倒れこむ二人の姿があった。
「成敗なのです」
「ありがとうよ」
ピースサインをみせる綾波にゼロは感謝をする。
「故郷へ戻れるからって興奮しすぎなのです。故郷というものが綾波はよくわかりませんが……」」
「仕方ないわよ、故郷へ戻れるってそういう感情なんだから」
呆れた表情を浮かべる綾波へアソーカ・タノが苦笑しながらやってくる。
「綾波にはわからないのです」
「……さて、綾波が潰した二人は放っておいて、俺達は修業を始めようか」
ゼロの言葉に二人は頷いた。
今回の任務、本来ならアソーカは同行する必要はない。
綾波の指導することの条件としてジェダイのパダワンをもう一人面倒を見る様にということをマスターヨーダから伝えられ、アナキンが「ならば、アソーカを」と言ってきたのである。
綾波は仲の良いアソーカが一緒という事で安心している様子だった。
「まずは瞑想をはじめるとしよう」
「瞑想、です?」
「ジェダイはフォースを使いこなせる者、それ故にフォースを感じる様に自らの心を隠している鎧を外してフォースに体を預ける必要があるの」
首をかしげる綾波へアソーカが説明する。
「フォースを学ぶ者はフォースというものを知らなければならない。今日は綾波がフォースに慣れるまでやるけどね」
「え?」
「わかりました」
「あ、あの」
「じゃあ」
笑顔を浮かべるゼロ。
本来なら安心するはずなのに綾波は不思議と安心することができなかった。
嫌な予感というものが綾波の中を通過する。
「はじめようか」
この日、綾波はぐっすりと眠りにつくこととなった。
「マスタージェダイ、少し良いかな?」
「これはヴァローラム議員、どうされました?」
「今回、私に同行してくれて感謝するよ」
「オーダーが下されたから偶然ですよ」
ゼロの言葉にフィニーズ・ヴァローラムは笑みを浮かべた。
「偶然とはいえ、私にとってキミは幸運の女神だ」
「勘弁してください。偶然です」
ゼロがまだパダワンだったころ、移動用のバスへ乗ろうとしていた人が落としたハンカチを拾って呼び止めた。
直後、爆破テロによってそのバスが吹き飛んだ。
乗っていれば命を落としていたであろう彼はゼロを命の恩人と呼んで友人という関係を築いた。
そう、フィニーズ・ヴァローラムの命を偶然にもゼロは救ったのである。
「偶然は必然とも呼ばれる。こんなしがない政治家だが、受けた恩は返すつもりだとも」
「恩なんて、俺はそこまで思っていませんよ。それに、故郷へ手を差し伸べてくれて、ありがとうございます」
今回、ヴァローラムは物資支援ということで重桜へ訪問しようとしていた。
クローン戦争が続いて、多くの国が資材や様々なものを消耗している。戦争が続けば小さな国等の物資消耗が続けば、疲弊や貧困に繋がっていく。
資産家であるヴァローラムは協力国へ今回のように物資などを提供していた。
「あぁ、そういえば、重桜はキミの故郷だったか」
「はい、もう何年も帰っていませんけれど……議員、その、重桜は」
「二回ほど訪問させてもらっているが、独特な国だと思うよ」
「独特ですか」
「お目にかかったことはないがミズホの神秘だったかな?それに、国を治めているのがとても小さな少女だが、鋭く、先見の目を持っていると思う」
長門のことだ、
ゼロは口に出さずに彼の話に耳を傾ける。
「だが、あの国は少し怖いと感じる」
「怖い?」
「行けばわかるとも」
遠くを見るヴァローラムの言葉が酷くゼロの中で説明のできない焦燥感を生む。
その理由はわからなかった。
ただ、直感的に何かが重桜で起こっている。
ゼロはそう感じた。
数日後、輸送船は重桜の港へ到着した。
輸送船を護衛するのは瑞鶴、高雄、綾波のフネだ。
港の入口に複数の人影があった。
一人は高雄と似たような軍服、流れるようなストレートの黒髪、天辺に伸びる獣耳。
流れるような銀髪、瑞鶴と似た着物を纏った女性。
「高雄ちゃん~」
「瑞鶴ぅ!」
嬉しそうに高雄と瑞鶴の姿を見つけると二人は近づいてくる。
「愛宕か」
「翔鶴姉ぇ!」
微笑む高雄の横を飛び出していく瑞鶴。
瑞鶴は姉妹艦である翔鶴へ抱き着いた。
「ひっさしぶり!翔鶴姉!」
「瑞鶴、元気だった?」
「勿論!」
嬉しそうに話し合う二人の横で高雄と愛宕は再会を喜ぶ。
「高雄ちゃん、久しぶりね」
「あぁ、そちらもな」
にこりと笑みを浮かべながら愛宕は顔を近づける。
「と、こ、ろ、で、噂の剣士様はどこにいるのかしらぁ?」
「む?ゼロ殿なら」
高雄はヴァローラムと一緒にいるゼロを指さす。
ジェダイローブを纏い、フードで素顔を隠している。
「ふーん」
愛宕の視線を感じたのかフード越しにゼロと目が合う。
「あらぁ」
ニコッと笑みを浮かべる愛宕をみて、高雄は首を傾げた。
「愛宕?」
「タイプかも」
「は?」
「見た目は年上にみえそうだけれど、一瞬だけ浮かべる笑顔っていうの?それが年下にみえて可愛いわぁ」
「……」
頬を赤らめてぺらぺらと話す愛宕の言葉に絶句する高雄。
「ねぇ!高雄ちゃん!あの人を紹介」
「ほら、行くぞ」
「あぁん、いけずぅ」
ため息を吐きながら高雄は愛宕を引きずっていく。
彼らの様子をフード越しにゼロはみていたことに気付かなかった。
「お待ちしておりました。ヴァローラム議員様」
ヴァローラムとゼロは港を出てすぐに一人の艦船が立っていた。
「私は江風、あなたを神子様のいる社まで案内を務めます」
「おぉ、これはよろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げるヴァローラム。
江風はちらりと隣にいるゼロをみた。
「そちらは?」
「彼はジェダイです。今回は私の護衛としてきてもらっています」
挨拶をしたいところだが、一目でわからないかもしれない。
ゼロはぺこりと会釈した。
「そうですか、では、こちらへ」
続こうとする綾波とアソーカへゼロが振り返る。
「二人は重桜の街並みをみてくるといい」
「え、でも、議員の護衛は?」
「俺だけで今は大丈夫。それよりも二人には街へ繰り出して、雰囲気などをみてきてくれるか?」
「わかりました。綾波、行きましょう」
「はいなのです。では、ゼロ、後で」
「あぁ」
頷いてアソーカと綾波は街の方へ。
ゼロはヴァローラム議員と江風の後を追いかけていった。
「国の名前に桜がついているからだろうけれど、桜の木が多いわね」
アソーカと綾波は重桜の街並みを見ていた。
多くの艦船達が行き交い、賑わいを見せる街中を進む二人。
同じような造りの建物が並ぶ場所を綾波は興味深そうに見ていた。
「綾波?どうしたの?」
「ここが重桜、ゼロの故郷なのですか」
「綾波の故郷でもあるでしょう?」
不思議そうに景色を眺めている綾波の姿をみて、アソーカは微笑む。
「そうなのです。でも、あまり実感が湧かなくて困っています」
「これから故郷だって思っていけばいいのよ」
にこりとほほ笑みながらアソーカは綾波の手を引いて歩き出す。
「アソーカ、楽しんでいます?」
「任務ということもあるけれど、前から重桜はマスターから話を聞いていて興味があったの」
「重桜、とても興味深いのです」
綾波は小さな笑顔を浮かべる。
アソーカに手を引かれて彼女は町中を歩いていく。
数分後、厄介ごとに綾波達は遭遇する。
「どうしてこうなったのだろうか?」
フードを深くかぶりながらゼロはため息を零す。
正面には巨大な棍棒を持った二回りほど大きな男。
一応、重桜で肉屋をやっているらしいが見た目がどうみてもオー〇である。
手の中にある木刀をみて、相手の持つ棍棒をみた。
「こちらの武器が木の棒にしかみえないなぁ」
ため息を吐きながら近くの舞台をみる。
集まっている重桜の重役たち、彼らに囲まれる形で長門が心配そうにこちらをみていた。
彼女が不安に揺れている姿を見て、もう一度、相手を見る。
「覚悟を決めるか」
ため息を吐きながら正面の相手をみる。
審判役の人間が叫ぶ。
「これより!神子様の婿を決める試合をはじめる!第ニ試合!流浪の民、零。もう一人、肉屋とんてきの大橙丸!」
鼻息を荒くしながら棍棒を構える男。
「ちょっと、吐息がこっちまで当たって来るんだけど」
「はじめ!」
合図とともに振るわれる棍棒をギリギリのところで躱す。
ただただ躱していると相手が笑い出す。
「逃げるだけか?腰抜け!」
「ツバを飛ばすなよ、汚いなぁ」
「死ねぇええええ!」
叫びと共に振るわれる棍棒が地面を砕く。
棍棒が地面へめり込んだことを確認すると同時に駆け出す。
地面にめり込んでいる棍棒を踏み台にしながら宙を舞い、男の額へ拳を一撃。
相手は白目をむいて地面へ崩れ落ちる。
「審判、気絶しているけど?」
「え、な、あ!流浪の民、零の勝ち!」
審判が旗を上げたことで試合が終わる。
観客たちの歓声が上がる中でゼロは片手をあげて挨拶をしながらそくささと姿を消す。
戦いのやり取りを見ていた長門へ傍にいた陸奥が静かに声をかける。
「やったね、長門姉」
「む、そう、だな。しかし、なぜ」
曖昧な笑みを浮かべる長門へ傍に控えている男が話しかける。
「長門様」
「っ、な、なんだ?」
「流浪の民ということでしたが、どうやら余興としては楽しめそうですな」
男の言葉に長門は応えない。
陸奥は男を見て不機嫌な顔になる。護衛として控えている江風は表情を変えないがいつでも刀は抜ける様に待機していた。
二人の表情の変化に気付かないまま、男は元居た場所へ戻っていく。
長門は小さなため息を零しながらゼロが去っていった方を見つめていた。
「やりましたね!殿!」
「あぁ、まぁ、そうだね。龍驤」
控室へ戻るための通路のところでこちらへ駆け寄って来るのは重桜の空母、龍驤。
頭部に龍のような角を生やした彼女は先ほどの戦いを見て、キラキラした眼差しをゼロへ向けてくる。
「ところで、龍驤、殿って、なに?」
「龍驤は武士です!貴方の戦いを見て、主と定めました!この命を殿へ捧げます!」
「いや、ごめん、それはちょっと」
「遠慮しないでください!殿のような素晴らしい方へお仕えすることができて幸せです!」
こちらの話を聞かずにぐんぐんと距離を詰めてくる龍驤。
どうして、こうなったのか、ゼロは記憶を遡る。
「お願い!ゼロ!長門姉を助けて!」
ヴァローラム議員と長門との面会するため、待合室にいたゼロ。
江風から話を聞いたのだろう慌てた様子で入ってきた陸奥は涙目でゼロへ抱き着いてきた。
フードで素顔を隠しているとはいえ、陸奥は迷うことなくゼロへ訴える。
「このままじゃ、長門姉がしたくもない結婚をすることになっちゃう!」
「……どういう、意味だ?」
陸奥の言葉の意味が理解できず、ゼロは首をかしげる。
「マスターゼロ、そのことで伝えなければならないことがあるのだよ」
泣きじゃくる陸奥の傍でヴァローラム議員が話を切り出す。
ヴァローラム議員の話によると長門を神子と祭り上げている連中がより、自分達の権力を確固たるものとするために、彼女の旦那を決める催しを本日、行うのだという。
「長門は、いや、神子様はそのことに対しては」
「反論できないよ!だって、長門姉様は……だって」
ゼロは考える。
今回の話ははっきりいってジェダイが関わるべきものではない。
ジェダイは平和と安寧の使者、長門の婿を決める話というのは重桜内における権力争いだ。
そんなものにジェダイが関わるべきか?というところで、多くのジェダイは悩むだろう。
だが、ゼロは目の前で泣いている陸奥をみる。
ため息を零しながらゼロはフードを取った。
「ジェダイとして、権力争いに参加することはできない」
「そんな!?」
「だが、家族が泣いているんだ」
絶望に染まっていた陸奥の頭を撫でる。
「ただのゼロとして、協力するよ。陸奥」
そうして、現在。
ゼロは長門の婿候補の一人として、この争奪戦に参加していた。
フォースの力を借りずに自らの鍛えた力だけで既に二戦目を終えている。
手の中の木刀を握りなおす。
初戦で何故か参加していた龍驤を倒して、先ほどのオー〇もどきを倒して一息をついた。
龍驤から距離を取りながらゼロは懐から通信機を取り出す。
「アソーカ、こちらゼロ」
少しばかり雑音が走りながらもアソーカの応答が入る。
『マスターゼロ!えっと、どうされました?』
「いや、ちょっと、こちらがややこしいことに巻き込まれていて、そっちは」
ふと、ゼロは通信機へ耳を澄ます。
何やら通信の向こうで水の音と爆発、続けて怒鳴り声のようなものが聞こえていた。
「もしかして、アソーカ」
『マスターゼロの推測の通りです。えっと、厄介ごとに巻き込まれています』
「そうか、じゃあ、しばらく合流はできそうにないな……」
『ごめんなさい』
「謝ることはないさ、合流は難しそうだな。とりあえず、落ち着き次第、また連絡という事で、ゼロ通信終わり」
『了解です。アソーカ通信終わり』
通信機を懐に仕舞って次の試合へ備えようとした時、伝令係の人間が伝えてくる。
――試合は明日になったと。
「さて、帰るか」
「殿!お供を」
「要らない、帰るんだ」
フォース・マインドを使って龍驤へ帰宅するように促す。
艦船は普通の人間よりもマインドに対する抵抗が強いのだが、どうやら龍驤はゼロに対してかなり心を開いているらしい。
「わかりました!帰ります!」
あっさりとマインドに嵌った龍驤はダッ!と勢いよく去っていった。
「さて、ヴァローラム議員のところへ戻るとしよう」
通路を出たところで人ごみに紛れようとしたゼロ。
その時、泣き声が聞こえてくる。
野次馬達が離れたところで輪を作っていた。
ゼロは何事かと思いながら輪の向こうをみる。
そこでは見覚えのある女性があたふたしながら泣いている少女をどうすればいいか悩んでいた。
周りの人たちは彼女を恐れているのか、近づこうとしない。
ゼロはため息を吐きながら人込みを抜けていく。
「大丈夫かい」
「っ、貴様は」
驚く加賀の言葉に反応せずにゼロは泣いている少女の頭を優しく撫でる。
泣いていた少女はゼロをみて、驚いたように目を見開く。
「怪我はしていないようだね」
懐からハンカチを取り出しながら少女の顔の汚れと涙を拭う。
「急ぐ気持ちはわかるけれど、ゆっくり歩いていくんだよ?」
ゼロは懐で購入していたどら焼きを少女へ差し出す。
笑顔を浮かべて少女は両手で受け取ると走り出して、去っていく。
「走らない方がいいのに」
苦笑しながらゼロは土ぼこりを祓いながら目の前の彼女へ挨拶をする。
「久しぶりだね、加賀」
「貴様、あの時のジェ――」
「シッ」
最後まで言い切る前に加賀の口を止める。
「悪いけれど、今は放浪の民の零ということになっているから」
「どういうことだ?」
「えっと、歩きながら話すで良い?何か、視線を集めちゃっているから」
加賀が周りを見るとひそひそと話している人達の視線がある。
舌打ちをしながら歩き出した加賀の後に続くゼロ。
手短にゼロは長門の婿になるための争いに参加していることなどを伝える。
「お人好しめ」
「否定はできないよ」
呆れた加賀の言葉にゼロは苦笑する。
加賀はそんなゼロの姿を横でみながら尋ねた。
「そういえば、貴様、なぜ、助けた?」
「泣いている子を放っておくことはできないだろう?それに、泣いている子をどうすればいいかわからずあたふたしている子を」
「忘れろ」
言い切る前に加賀がゼロの前に立ち、胸倉を掴む。
「いいな?忘れろ。忘れないなら貴様の首をひねりつぶす」
「物騒だな。まぁ、いうつもりはないから手を離してもらえるかな?あと」
「?」
「その、当たっている」
胸倉をつかむために距離を詰めてしまった為にゼロの体と加賀の体がぴったりと触れ合っていた。
「何のことだ?」
首を傾げる加賀。
どうやらこういうことに関する羞恥心はない様子。
「えっと、とりあえず、広めるつもりもないから離してくれないかな?」
「いいだろう」
加賀が離れたことを確認してゼロは感謝を告げる。
「貴様は……変わっているな」
「そうかな?まぁ、よく言われるかもね」
鼻音を鳴らしながら加賀は先を歩く。
「そういえば、貴様はこれからどこへいくつもりだ?」
「あぁ、議員の護衛できているからね、今からそこへ戻るつもり」
方向を指すと加賀は「そうか」と短く頷くと歩き出す。
「どうした、来ないのか?」
少し進んだところで振り返る加賀。
首をかしげるゼロの姿を見てため息を零す。
「議員のところまで案内してやる。ついてこい」
「……ありがとう」
感謝の言葉を述べてついてくるゼロの姿を見て、加賀は小さく呟く。
「調子が狂う」
「何か言った?」
「……さっさと、行くぞ」
加賀を先頭にしてゼロはついていく。
探し人はすぐにみつかる。
ヴァローラム議員は長門と一緒に重桜で有名な茶屋で談笑をしていた。
ユニオンの人間と重桜の人間が一緒にいることで政治的なやりとりがあると想像されるだろう。
実際は違う。
「ふむふむ、やはり、ゼロは変らぬか」
「そうか、重桜で生活していたことは知っていたが、そういう話でしたか」
「……何をしているんですか?」
談笑している二人の姿に呆れた表情を浮かべながらゼロは尋ねる。
「世間話ですよ。マスタージェダイ」
「内容が俺のことのように聞こえますけれど?」
「む、ゼロは余と会いたくなかったのか?」
「いや、そういうわけじゃなくて」
「さて、マスタージェダイが来てしまったから楽しいお話はここまでですな。では、長門様、また、明日」
「うむ、貴重な話を聞かせてもらって大変感謝しておるぞ。ヴァローラム殿」
「気軽におじいちゃんと呼んでもらっても構いませんよ」
「か、からかわないでください!」
顔を赤くしながら叫ぶ長門の姿が可愛いと思いながらもゼロは護衛としてヴァローラムに続く。
店の外では加賀が待っていた。
「無事に合流できたようだな」
「加賀のおかげだよ。ありがとう」
「おや、マスタージェダイも隅に置けませんなぁ、こんな美女と一緒に行動していたのですか?」
「揶揄わないでください。議員。彼女は案内をしてくれただけですよ」
そういってゼロは加賀へ感謝する。
「案内をしてくれてありがとう」
「……貴様に、言いたいことがある」
「何かな?」
「…………前は悪かった」
「?」
加賀の言葉の意味がわからずゼロは首をかしげる。
顔を赤くしながら加賀は言葉を発した。
「この前の戦い、兵士のことをバカにして悪かった」
「それは俺に言う事じゃないよ」
優しく言うゼロ。
「俺じゃなくてトルーパー達へ謝罪してほしい」
「それは……」
「戦いはまだ続いている。重桜と戦うこともまたあるだろうし、その時に謝罪をしてほしいな」
「……やっぱり、貴様は変っている」
「そうかもね?でも、それでいいと俺は思っているから」
「フン、私は行く」
そういって加賀は去っていく。
振り返るとヴァローラム議員がほほ笑んでいた。
「なんですか?」
「いえいえ、若いというのは素晴らしいですね」
「?」
言葉の意味がわからず首をかしげる。
同時刻、長門の機嫌が悪くなり周囲の温度が下がったとか、そうでないとか。
重桜のどこか。
光の差し込まない闇の中。
水の流れる音だけが響くその場所に彼はいた。
「彼がきたわよ?」
迷走するように岩の上へ腰かけている彼へ囁く者がいる。
宙に浮きながら男の耳元へ囁く者は人ではない。
ましてや、艦船ですらない。
その正体はセイレーンの上位個体、オブザーバー。
少女のような体つきをしているが、無数の蛸のような触手と頭部にある触覚のようなもの、何より怪しい輝きを放ち黄色い瞳が尋常ならぬものを感じさせた。
「そうか」
「嬉しいかしら?再び、相まみえることができるのだから」
「俺よりも奴が喜ぶだろうよ」
男は暗闇の中でその者の名前を呼ぶ。
「余計な連中もきているようだな」
「あら、貴方と同郷の連中でしょう?」
「同郷?ふん、偽りの連中だ。どちらにしろ、いつかは潰すべき存在に過ぎない」
「あらあら、物騒なこと」
笑いながらオブザーバーは男の周囲を漂う。
「とても楽しいことになりそうだわぁ」
「ゲテモノの趣味だな」
呆れながら男は瞑想を続ける。
いずれ、戦う未来がやってくる。
男の脳裏に交差する赤と青のライトセーバーのイメージが浮かぶ。
「その未来はすぐにやってくる。まぁ、短い時間くらい待てるとも」
にやりと男は笑う。
「(そう、全ては計画通りに進んでいる。私達の望んでいる通りにねぇ、あぁ、早く会いたいわぁ、呪われた子に)」
そして、オブザーバーも妖艶な笑顔を浮かべた。
この話のキャラクター設定は
-
必要
-
不要
-
もっとヤンデレを増やせ、本編はよ