※この作品はR-18です。

転生者だけど、前世の記憶を喪失している上にジェダイの騎士で指揮官になっています(白目)   作:断空我

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メインヒロイン?の登場です。


話の展開上、中々、エロがかけない。

次回こそは!


運命の出会い編 ユニオンの英雄

「戦況は最悪だな」

 

 船の上で俺は小さく呟いた。

 

 周囲を警戒しているクローン・トルーパー、ファイブスも同意する。

 

「まさか、こんなところで“インヴィジブル・ハンド”と遭遇することになるとは」

 

「ファイブス、武装は?」

 

「さっきのセイレーンとの戦闘で心もとありません。敵の動きからしてこの状況を狙っていたのでしょう」

 

「ゼロ!すぐに撃退しよう!」

 

 カウガールの姿をした空母、ホーネットが撃退の意見具申をしてくる。

 

「だが、ホーネットも疲労している。連戦は無理がある」

 

「そんなことないよ!私、まだまだやれるよ!」

 

 セイレーン出現の報告を受けて俺達は出撃した。

 

 運悪く、綾波達は別任務でいなかったので俺とファイブスを含めた少数精鋭での出撃が仇となってしまう。

 

 反艦船同盟の主力戦艦“インヴィジブル・ハンド”とぶつかってしまったのだ。

 

「見事にこちらの戦力は分散している状態で……通信は?」

 

「救命信号は発信しているようですが、すぐに妨害がされたようで、気付いてもらえたかどうか……」

 

「状況は最悪という訳か」

 

「将軍、敵艦から通信です!」

 

「降伏しろって?」

 

「いいえ!」

 

 慌てた様子のトルーパーが告げた内容に俺とファイブスは目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうみる?」

 

「罠と考えるのが普通でしょう……」

 

 輸送船の格納庫、そこでバイク型のスピーダーの調整をしていた。

 

 ファイブスが傍で待機している。ホーネットは出撃したいと騒いでいたのでついてくるなと言ってしまった。

 

 拗ねていなければいいけれど、とゼロは心の中で思う。

 

「けれど、将軍は罠と考えてはいないのでしょう?」

 

「まぁね、相手が相手だ」

 

「反艦船同盟のトップであり最強のジェダイの一角でもあったドゥークー伯爵ですか」

 

「敵だが、あの人の本質は貴族だからね……卑怯な手腕は使わないと思いたいんだけど、ジオノーシスの戦いからジェダイという存在から大きく離れているから、どういうことを考えているのやら……」

 

 ゼロの言葉にファイブスは奇妙なものを感じた。

 

 しかし、その正体がわからず口にすることができない。

 

 ファイブスの怪訝な表情に気付いたのだろう、ゼロは苦笑しながら話始める。

 

「元々、俺は彼と面識があるんだ……いや、その程度で済めばどれだけよかったかな」

 

「どういう、ことです?」

 

「俺はあの人の元弟子なんだよ」

 

「!?」

 

 驚きで目を見開くファイブス。

 

 ドゥークー伯爵が元ジェダイであることは周知の事実。

 

 抜けた理由は定かではないが、最強の一角であるという事は情報でファイブスも知っていた。

 

「ファイブス、この船のことは任せる……俺が一時間過ぎても戻ってこなかったから」

 

「将軍」

 

 ファイブスはゼロの話を遮って笑みを浮かべる。

 

「フォースと共にあらんことを……貴方が戻ってくることを我々は信じています」

 

「わかったよ、必ず戻る……キミにも、フォースが共にあらんことを」

 

 肩をすくめながらゼロは輸送船からスピーダーで指定されたポイントへ向かう。

 

 スピーダーが風を切る中でフォースがゼロに伝えてくる。

 

 良くないことが起ころうとしていると、

 

 これから起こり得ることはいくらでも考えられる。

 

 指定された場所は小さな無人島。

 

 スピーダーを止めると既に相手は来ていた。

 

「時間通りだな、若きパダワンよ」

 

「久しぶりですね、マスター」

 

 ドゥークー伯爵を前にゼロは表情を変えずに告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 重桜がセイレーン襲撃を受けたあの日、幼いゼロは当時、ジェダイマスターだったドゥークー伯爵に助けられる。

 

 その際にジェダイとしての素質を見出され、彼の弟子、パダワンとして様々な任務を受けてきた。

 

 彼がジェダイ評議会を抜けて、反艦船同盟に属するまで。

 

 

「お前の噂はこちらまで届いているぞ。あの時の子供がここまで成長したことはとても喜ばしい」

 

「偉大なマスターに鍛えられたおかげです」

 

 ドゥークーは腰に下げていた武器を地面へ置く。

 

「今回は話し合いの場を設けた。戦う意思はないと伝えておこう」

 

「元マスターの言葉として信じましょう」

 

 同じくゼロもライトセーバーを地面へ置いて、ドロイドが用意したと思われるテーブルと椅子へ腰かける。

 

 机にはティーカップが置かれていた。

 

「作法は忘れていないようで安心したよ」

 

「叩き込まれましたからね」

 

 紅茶を一口、含んで一瞬だが顔をしかめる。

 

「その様子では口に合わなかったようだな」

 

 しかし、その表情をドゥークーは見逃さなかった。

 

「優秀なメイドが淹れてくれますのでね」

 

「ほぉ、そこまで偉大になったか……あの時、是が非でも連れて行けばよかったよ」

 

「心にもないことを言わないでください。抜ける際にマスター一人殺している貴方だ。オーケーしていたら俺も誰かを殺していたかもしれない」

 

「何かを成すに犠牲はつきものだ。私の場合、暗黒卿に教えを乞うための条件がマスターの殺害だったというだけだ」

 

「相変わらず、淡々と言いますね」

 

「お前は情に流され過ぎている……相変わらず場の流れというものに逆らえないようだな」

 

 お互いのことをよくわかっているからこそのやりとり。

 

 久しぶりだと感じるとともに、相手が本題を出さないことから警戒を少しばかり強める。

 

 フォースで堅牢な壁を作ろうとしても相手はそれをたやすく切り崩していた。

 

「平和というものは我々人類自らの手で作り出さなければならないと思わないか?」

 

「そのために、我々は戦っています」

 

「複製兵士と模造物と共にかね?」

 

「彼らは仲間です」

 

「確かに見た目は人の姿をしているだろう。だが、その本質は異なる。この世界の平和を守ろうというのならその世界の住人そのものが立ち上がるべきだ。あんなものに頼らずと」

 

「そういう貴方達もドロイドを使っている」

 

「あれは道具だ。道具を使うのは当然だ。ジェダイがライトセーバーを振るうこととなんら大差はない。それでいけば複製兵士はまだ妥協できるだろう。だが、模造物は違う。その気になれば叛逆して新たにこの星の支配者となりえる力がある。わかっているのだろう?」

 

「彼女達はそんなことを望んでいない。戦うために生み出されたけれども平和を望んでいます。そのために俺達と手を取り合って戦っている」

 

「ほう」

 

 興味深いという風にドゥークーは感嘆な声を漏らす。

 

「お前は彼らを人とみているわけだ」

 

「えぇ、貴方のように嫌悪すべき存在ではないと考えている」

 

「そうか、では、お前は知っているのだろうな?あの模造物、いや、艦船の中にフォースを操れる可能性を秘めていることを」

 

 ゼロは心臓が掴まれた気分になった。

 

 どうして、知っているのかと口が震えそうになる。

 

 必死にフォースの力を借りて悟られないように力を強めた。

 

 だが、相手はそんな動きを察している。

 

「フォースで壁を作ろうとしても無駄だ、我が弟子よ。お前のことなどお見通しだ」

 

「そろそろ、本題へ入ったらどうです」

 

 逃げる様にゼロは話を切り出す。

 

 今のままではドゥークー伯爵の手によって何もかも暴かれそうな気がした。

 

「我が陣営に下れ、そうすれば、あの船の連中は助けてやろう」

 

「勧誘ですか」

 

 何を今更という風にゼロは伯爵を見る。

 

「ゼロよ、お前の力が必要なのだ。お前が我が軍門に下り、闇の力を学び、私の右腕として活動すれば世界は一つになる。セイレーンは愚か、シスを倒すことも可能だ。闇を学んだ私とお前ならば負けることはない」

 

「驚いたな、貴方は俺のことなど眼中にないと思っていたのですが」

 

「当初は、だが、戦場における貴様の一騎当千ともいえる力を見れば変わる、貴様の力はいずれジェダイを超える、その気になればシスすら打倒できる!」

 

 熱を帯びたように力強い声で伝えてくるドゥークー伯爵だが、ゼロは真剣に聞いていなかった。

 

 まるで遠い国の出来事を聴いているような気分だ。

 

「さて、返事を聞こうか」

 

「ノー」

 

 あっさりとゼロは伝える。

 

「そうか、では、死んでもらう」

 

 ドゥークーが指を鳴らすと地面から複数のバトル・ドロイドが姿を現す。

 

 その手にブラスターが握られている。

 

 離れたところにあるライトセーバーは砂に埋もれていた。

 

「武器がなければジェダイといえど太刀打ちは出来ない。フォースで防ぐにしても限界はあるだろう?」

 

「一つ、約束してもらえますか」

 

「確約はできんよ」

 

「俺以外の仲間は見逃すことです」

 

「あぁ、そのことなら無理だ。私は許可をしないが、グリーヴァス将軍が攻撃の指示を出すだろう、今頃、キミの仲間は」

 

 ドゥークー伯爵は言葉を失う。

 

 目の前で座っていたゼロから放たれる膨大な殺意。

 

 今までに感じたことのない殺意と強いフォースの波動に息をのんでしまう。

 

 気付けば、引き寄せていたセーバーを抜いていた。

 

「この音は……」

 

 上空から聞こえる飛行音。

 

 ドゥークー達が見上げると艦載機が迎撃する。

 

 突然の攻撃にドロイドたちは次々と吹き飛ぶ。

 

「ゼロぉぉぉぉぉお!」

 

 海上を移動してくるのはホーネット。

 

 艦載機を飛ばしながら距離を詰めようとする。

 

「愚かな」

 

 飛来する艦載機をドゥークーはセーバーで切り落とす。

 

 近付いてくるホーネットに向けてフォース・ライトニングを放つ。

 

「きゃあああああ!」

 

 直撃を受けたホーネットはダメージを受けて砂浜の上を転がる。

 

 今の一撃で彼女の艤装のどこが壊れたらしく、煙が出ていた。しかも、フォース・ライトニングによってホーネットは気絶していた。

 

「その命、刈り取ってやろう」

 

 ドゥークー伯爵が光る刃の先を向けようとした時。

 

「結局、こうなるのか」

 

 ドロイドの残骸を伯爵の前に投げ捨てて傷ついたホーネットを守るように立つ騎士。

 

 青いライトセーバーを構えるゼロは無表情だが、瞳は怒りに染まっていた。

 

「庇うのか?」

 

「俺の仲間だ。大事な仲間だ……元マスター、いや、ドゥークー伯爵、アンタが俺の仲間を傷つけるというのなら、俺はアンタを殺す」

 

「ジェダイは執着してはならない。そういう掟だ」

 

「今は知るか」

 

 淡々と告げて、ライトセーバーを構えるゼロ。

 

 二人は同時に刃を切り結ぶ。

 

 バチバチとぶつかりあう青と赤。

 

 互いに使われるフォームは「マカーシ」というもので対ライトセーバーに適しているものだ。

 

 熟練度でいえば、ドゥークー伯爵が圧倒的に優位。

 

 そのはずだった。

 

「貴様、マカーシに何を混ぜた!?」

 

「フォームの名前はありません、強いて言うなら重桜ゼロ式っていうのはどうです?」

 

「鍛え上げられたフォームに手を加えるなど!」

 

「シスのアンタにはもう関係のないはずだ!」

 

 振るわれる一撃はスナップを利かせた刃で受け止める。

 

 包囲していたバトル・ドロイドは攻撃を試みるがゼロによって放たれたフォースの衝撃で近くの木々に体を打ち付けた。

 

「余所見している余裕があるのか?」

 

 振るわれる一撃を後ろに下がって回避した。

 

 距離が開いたところでドロイドが銃撃してくる。

 

 フォースの手助けを仮ながら刃で受け流す。

 

「では」

 

 フォース・ライトニングの狙い先はホーネット。

 

 ライトセーバーの刃で雷撃を受け止めようとした。

 

「づぅ!」

 

 襲い掛かる衝撃によって吹き飛ぶ。

 

 痛みに耐えながら辛うじてライトセーバーは手放さなかったがゼロの体からはもくもくと煙が出ていた。

 

「さらばだ、愛しい弟子よ」

 

 ドゥークー伯爵がドロイドへ攻撃指示を出そうとした時。

 

 上空から艦載機の爆撃が降り注ぐ。

 

「……」

 

 降りかかる砂をマントで防ぎながら空を見る。

 

 無数の艦載機が次々と現れた。

 

「艦船とやらの増援か……しかも」

 

 ドゥークーはぽつりと漏らす。

 

 彼はこちらへ近づいてくる空母の姿を捉える。

 

「ユニオンの英雄とやらのおでましとなれば、分が悪いな。引き上げるとしよう。運に救われたな。元パダワンよ」

 

 起き上がろうとするゼロへ柔和な笑みを浮かべながらドゥークーは去っていく。

 

 追いかけようとしたかったがフォース・ライトニングのダメージが大きく、立ち上がることがやっとだった。

 

「将軍!」

 

 数分ほどして、武装したトルーパー達がやってくる。

 

 先頭のファイブスはふらついているゼロへ駆け寄った。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あぁ、すまない、ドゥークー伯爵に逃げられた」

 

「将軍が無事で何よりです。敵は撤退しているようです」

 

「そうか……俺よりもホーネットの様態を見てほしい」

 

「了解」

 

 医療兵を呼ぶファイブスをみながらゼロは尋ねる。

 

「援軍が来たのか?」

 

「はい、ユニオンから」

 

「失礼、貴方が指揮官か?」

 

 顔を上げたゼロは言葉を失う。

 

 流れるような銀髪。軍帽と軍のロングコートを纏った女性。

 

 着ている服は袖がなく健康的な肌が露出している。

 

 しかし、キリッとしている姿は軍人そのものだ。

 

 艤装を纏っていることから彼女は艦船なのだろう。

 

「はじめまして、援軍としてやってきたユニオンの空母、エンタープライズ……です」

 

 目を見開きながらゼロをみる銀髪の女性、エンタープライズ。

 

 ふと、ゼロは自身の胸に触れる。

 

 心臓がドキンバックンとおかしい。

 

「病気……か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンタープライズ。

 

 ユニオンの空母であり、グレイゴーストという異名を持つユニオンの英雄である。

 

 何度か艦船の紹介として特集として取り上げられていたこともあった。

 

 実際、映像で姿をゼロは何度かみたことはあったけれども、実際に遭遇するのは初めてである。

 

「貴方がジェダイであり指揮官適性を持つというゼロ将軍ですか?」

 

「あぁ、俺がゼロだ、援軍、助かったよ……このままだと全滅していた」

 

「当然の義務だ」

 

 感謝の言葉に真面目な言葉を告げるエンタープライズ。

 

 根が真面目なのだろう、フォースを通さなくても理解できた。

 

 何故だろうか、もっと知りたいという気持ちになる。

 

「それに……」

 

「うん?」

 

「貴方には感謝している」

 

「俺に?」

 

「ホーネット、妹を貴方は守ってくれた」

 

「それは、仲間として当然だろう」

 

「……どうやらホーネットは上官に恵まれているようだ」

 

「上官といわれても、俺は仲間とみているので」

 

 エンタープライズは柔和な笑みを浮かべる。

 

「敵が戻ってくることはないかもしれないが、弾薬なども限りがある。ゼロ将軍、ここから離れることを推奨する」

 

「そうだな……全員、周辺の確認が済み次第、撤収だ!」

 

「了解!」

 

 返事をするトルーパー達の姿を確認してゼロは頷く。

 

「基地へ戻るまでの護衛をお願いしてもいいかな?」

 

「任せてほしい」

 

 頷いたエンタープライズにゼロは感謝する。

 

 ちらりとゼロは自身の手をみた。

 

――まだ、自分は弱い。

 

 その中にあったライトセーバーをみてから強く握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助かりましたね」

 

 

「頑張ってくれたおかげだ」

 

 ユニオンの空母という力強い護衛と共に輸送船は近くの基地まで向かう。

 

 ゼロがドゥークー伯爵と話をしていた頃、やはりインビジブル・ハンドから砲撃を受けたという、ファイブスはホーネットにゼロの救援へ向かわせてトルーパーだけで反撃。

 

 次第に圧されて轟沈間際というところでユニオンから応援がやってきた。

 

 それがエンタープライズである。

 

「まさか空母一隻であそこまで追い詰めるとは思いませんでしたよ」

 

「ユニオン最強空母の名前は伊達ではないということだろう?」

 

「その割には納得していないという表情ですね?」

 

「まぁ、少し、な」

 

 含みのあるゼロの言葉にファイブスは疑問を抱く。

 

「どうしたんですか?」

 

「救援が来てくれたことは感謝している、だが、一隻だけできたことがひっかかっている。救援なら、戦艦はともかく、駆逐艦も来てくれてもよいだろうになぁと……それが彼女一隻というところが」

 

「呼び寄せる暇がなかったということでは?」

 

「その可能性もあるだろう、俺はもう一つの考えがある」

 

「もう一つ?」

 

「仲間を助けるために無謀な無茶をしたという考えだよ」

 

「それは――」

 

「疲れた、休むわ」

 

「あ、はい」

 

 敬礼するファイブスを残してゼロは艦内へ戻る。

 

「どうしたんだろうな?彼女のことを考えると、心が乱れる」

 

 首を傾げながらゼロは自室にこもる。

 

 それから数時間ほどして前線基地の一つに彼らは到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 報告をした俺は基地内を歩いていた。

 

 ジェダイ評議会へドゥークー伯爵の件を伝える。

 

 元マスターであることを知っているマスターヨーダは心配していたが、俺は大丈夫と伝えておいた。

 

 あの人と戦うことについては覚悟していたことだ。

 

 どこまで戦えるかという不安はあった、正直、後一手、足りなければ命を落としていたかもしれない。

 

「良い風だなぁ」

 

 気付けば港の傍にきていた。

 

 ローブが風で揺れる中、夜空でキラキラと輝いている海を眺めていた時だ。

 

「おや?」

 

 聞こえた声に振り返る。

 

 振り返った先にいた彼女を見た瞬間、心臓がバクンと跳ねた。

 

 まただ、彼女を前にすると妙に調子が悪くなってくる。

 

「もう動いて大丈夫なのか?」

 

「ジェダイとして色々な戦場に出ているからね、この程度なら大丈夫だ」

 

「……そうは、見えない」

 

「え?」

 

「今のあなたは泣きそうな顔をしている」

 

 エンタープライズに言われて俺は疑問を浮かべる。

 

「そうか?わからないな。俺とあの人はもう関係のない存在だ。いくら師弟関係と言われても」

 

「本当は心のどこかで悲しんでいるのではないか?」

 

 エンタープライズの指摘に俺は困惑していた。

 

「どうだろうな、俺自身もわかっていない」

 

「貴方は優しい人なんだろう」

 

「それはキミにも言える事だろう」

 

「……そう、言われたのは初めてだ」

 

 エンタープライズは笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけた!ゼロ!」

 

 エンタープライズと別れて寝室へ向かおうとした時、壁にもたれていたホーネットと出会う。

 

「ホーネット、もう動いて大丈夫なのか?」

 

「勿論!ゼロが命を懸けて守ってくれたからね」

 

「守ることは当然だ」

 

 ホーネットは帽子を指で弄りながら目線をさ迷わせる。

 

「エンプラ姉と何を話したの?」

 

「……ありきたりな話だが……そういえば、彼女もお前のことを妹といっていたな」

 

「そ!エンタープライズは私のお姉ちゃんなの!」

 

 エンタープライズとホーネットが姉妹。

 

 少し驚きだけれど、納得できるところが少しあった。

 

「ねぇ、ゼロ」

 

「なんだ?」

 

「ゼロは私がまた危ない目にあったら、助けてくれる?」

 

「当たり前だ。仲間は必ず守る……ジェダイの掟とか、そういうことは関係ない。必ず」

 

 これを他のジェダイは執着と呼ぶかもしれない。

 

 しかし、俺は誰かを守れる為にジェダイという道を選んだ。

 

 その根源を否定されたとしても、俺は変わらない。

 

「仲間、か」

 

 けれど、ホーネットは俺の言葉に表情が一瞬、曇る。

 

「決めた!」

 

「ん?なに――」

 

 最後まで言う前に唇をふさがれる。

 

 ホーネットにキスをされた。

 

 突然のことに限界まで目を見開く。

 

 一分も満たない時間でホーネットは俺から離れる。

 

「いつかは……」

 

 驚いて口に手を伸ばす俺の前でホーネットは笑みを浮かべる。

 

「いつかは私だけを守ってもらいたい!私も守ってあげるような関係になるから!これはその宣戦布告!」

 

 にこりと笑みを浮かべてホーネットは去っていく。

 

「……」

 

 呆然としていた俺はその光景を見ていた者がいたことに気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは急がないといけませんね」

 

 離れたところで様子を伺うメイドの姿がそこにあった。




次回、メイドのターン?

番外編 どの陣営がいい?

  • ロイヤル(ベルファスト)
  • ユニオン(ヨークタウン)
  • 鉄血(アドミラル・グラーフ・シュペー)
  • 重桜(加賀or長門)
  • その他
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