最高に意味の分からない作品と自覚してるので、読む時にはある意味の注意が必要です。
(それとあらすじの所にリンちゃんのイラスト載っけてるんで良かったら見てみてください)
「──っ!」
「先輩!?」
「〜〜っ!! 大丈夫だ! それより攻撃、来るぞ!」
先輩の言葉の後に私達はそれぞれ左右に分かれるように走り出す。直後、先程まで立っていた場所は巨大な剣によって地面に亀裂が入った。
「この──っ!」
巨大な剣──尻尾が地面に突き刺さり、それを引き抜くまでの僅かな時間。それを見逃すことなく私は相手の巨体に連撃をお見舞する。
その巨体からは想像が出来ないほど軽やかなステップで私から距離を取るモンスターは、引き抜いた剣を再び私目掛けて振り下ろす。
身体を捻り、真横に回避することで難なくそれを避ける。
だがモンスターの追撃はそれで済むことはなく──。
「ぇ…………きゃっ!」
振り下ろされた尻尾はそのまま私の避けた方へと真横に振り回される。
私は間一髪で両手で持っていた双剣でガードをする。
「げほっ、げほ……っ!あがっ……、っう……。今のは効いたなぁ……」
衝撃で吹き飛ばされた私の前に先輩が割り込み、モンスターの注意を逸らしてくれる。
「大丈夫か!?」
「は、はい! ──んくっ、んっ……っあ。大丈夫です!」
回復薬を口にしながら答える。
……私達が今回狩りに来ているモンスターは斬竜 ディノバルド。巨大な
攻撃方法はその巨体からは想像が出来ないような軽やかな動きで敵を翻弄しつつ、容易く木を斬り倒すほどの斬れ味を持つ尻尾で敵を攻撃する。その一撃は大剣を使うハンターが繰り出す溜め斬りさながらの威力を誇る。
「────はぁッ!!!!」
気合いとともに先輩は太刀を振り抜く。少しよろめく間にディノバルドから距離を置く。
ディノバルドは口から何かを私達の方目掛けて吐き出す。吐き出された塊が目の前で爆発し、その爆風で視界が遮られる。
そして爆風が晴れて私の視界に映ったのは──。
「──ぇ」
「! リ──」
瞬間、視界が傾いた。
そして私は地面に転がるかのように倒れる。
「が──っ」
「(早く、動かないと……!?)」
追撃が来る前に、と動こうとするが私はその場から立ち上がることが出来なかった。
初めは理解できなかったが、自分の状況を見て、理解し初めてその
「! っ、ぁ……しが……」
片足の感覚が完全に無くなっていた。フワフワと妙な感覚がどことなく漂い、しかし、動かすことは不可能ということが分かった。
「リン!!!!」
「!」
先輩の声がフィールドに響く。それで私は自分に向けていた意識を周囲へと向けることが出来た。
だが、その頃には全てが手遅れで。
「────!!!!!!」
倒れ込む私の腕に何かが振り下ろされ、地面に突き刺さる。
「い゛ぎ……っ……!」
それだけでなく横腹に爪のようなものが肉を抉り、突き刺さるような感覚に襲われた。
直後、眩い閃光と共に私の上に覆いかぶさっていた影はフラフラと動き、遮られていた光が私の身体を照らしだした。
「…………?」
最初は不思議な匂いが鼻に届いた。変な匂いだ、何かが焼けてるかのような匂い。そして視界には私の右手が地面にできた焦げ目? 切れ目? を境に見えていた。
「リン! リン!!」
「せん……ぱ……?」
「喋らなくていい! ……ベースキャンプに戻るぞ」
「は……っ、はーっ……な、で……」
先輩の言うことが分からなかった。
私はまだ戦える。ダメージも大分与えているのだ、ここで退くのはおかしい。
反論しようとするが不規則な、荒い呼吸のせいで思うように言葉を発せれない。
まぶたが重くなる中で、先輩に背負われて動く視界に映ったのは何故か私から離れていく右手だった。
「はっ、ぅ……ぜーっ……ぜェ……」
キャンプに着いた頃には私は言葉を発することがほぼ出来なくなっていた。朦朧とする意識の中で先輩の顔がぼやけて映る。
「リ──……リ、ン……! リン、リン……!」
「っは……っ。せ……ぱ……」
先輩が今までにないくらいに私の名前を呼んでくれる。こんな状況なのにとても嬉しい。
だって想いを寄せる相手に何度も、何度も名前を呼んでもらえるから。それだけが嬉しい。
冷たさと温かさを同時に感じる。
どうにかしてこの想いを先輩に伝えたい。ありがとう、と伝えたい。
「ぜェ……はー……、ッ……。ぁ……あ……げほッ!」
左手を動かし先輩の顔に触れる。……きっと触れている。全てがぼやける視界ではちゃんと確認できないが、重なる色がそう思わせてくれる。
「喋るな! 喋らなくて、いい……!」
いつものように軽口を返せない。だってまともに喋れないんだから。
「お前がこんな目に合うくらいなら……俺が、俺が……っ!」
上から何かが私の目に落ちてきて更に視界をぼやけさせる。
「もっと、お前と一緒に居たかった……時間を共にしたかった……。思い出を、作りたかった……!」
「はっ、はっ……ぁ──ぅ……」
「…………っ!」
影が、先輩が私を多分抱き締めてくれてる。分からないけど、きっとそう。
肌からは何も感じれない、だけど心はそう感じてる。
「お前との……最後の、思い出……」
先輩……。
「ごめん、ごめん、リン……。こんな俺を許してくれ……」
ぐち゛ゅ……。
何か音が聞こえた。
「お前との、最後の……。リンの感触を……!」
「? は……っ、はーっ……?」
小刻みに視界が揺れる。下側から揺さぶられるような揺れ方だ。
「ううっ……! リン、リン!」
徐々にその振動は激しくなっていく。
「もっと……もっと……!!」
「ぁ゛が──」
急に視界がチカチカとし始める。それと同時にただでさえ苦しかった息が更に苦しく…………?
「は、ぁ……っ! くぅっ!」
「……っ。──ぎ、ォ……っ……?」
それは時間が経つにつれて、更に強く、くるしくなる。
私は途中からなにも分からなくなり……わからなくなる。
「……ン! ──すき……! お前──き──!」
「──ァ、あ……っあ……? ぅ゛……?」
とおく……何もかもが、とおくなる。
全てがきえてゆく中で、さいごにのこった物は…………なんだろ、う……。
「──────」
「………………ごめん。リン」