※この作品はR-18です。

玲瓏の翼【18禁版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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047:            〃             (後【18禁版】

 その日の仕事が終わったのは、26時もかなり回っていた。

 

 数度の“お着がえ”をへて、最後は振り袖をまとわされ奉仕をつづけた『成美』は、ポックリを履く足もともあやしくフラフラになりながらバックヤードに戻ると、スチール製の細長いロッカーが並ぶ、開放された控(ひかえ)区画(エリア)にゆき、ビニール地なソファーの座面を鳴らしてグッタリと座りこむ。

 

 背中のお太鼓や、はさまれた詰め物がジャマだ。

 なによりキュウキュウに締め上げられた帯が苦しい。

 まるでボンデージ・スーツの革製ウェスト・ニッパーめいて。

 

 浮かびかかる不吉な記憶を封じ込め、数百ギニーはすると言われた西陣織(にしじんおり)の帯を手荒(てあら)にほどき棄(す)てると、前身頃をハの字全開に開け放ち、うすピンクな腰巻に黒い貞操帯が透けるまま、しどけなく足を投げだした。

 

 顔に、血の気がもどってくるのがわかる。

 耳のなかに、こめかみに、心臓の鼓動(ビート)がトク・トクと。

 

 絹の照りを魅せる赤い裏地を背景に、白足袋を履く素脚の生々しさ。

 

 早上がりのパピヨンたちが――これも様々な衣装で――そんな彼にむけ、各人各様の視線を投げかけて。

 

 ――警戒

   ――侮蔑

     ――敵意

       ――嫉妬

         ――追従

           ――憐憫

             ――そして欲情……。

 

 

 えッ!?と思ったのはその時だった。

 チリチリと音が近づいて、きわどいメイド服姿の少女が、うなだれた暗い視線で目の前の通路をよぎってゆく。

 

 ――愛香!?

 

 一瞬、喜んだものの、彼女はイツホクについて出張中のはずだった。

 涼子社長のようなピン・ストライプのビジネス・スーツをキメて、イツホクに続きリモの後部座席に乗り込むのを正体不明の胸苦しさとともにメゾン・ドールの車寄せから見送ったのを覚えている。

 人ちがいか、と脱力しつつ、

 

 ――あんなJKめいた仔が……。

 

 前(おマ○コ)と後(アヌス)ろ、場合によっては尿道(ユリスラ)までズップリと淫具を挿入され、ラビア(小陰唇)に鈴付きのピアスまでされているかと思うと痛々しい。

 そして、そのJKの横顔を見たとき――ふと彼はイヤな記憶が甦りかける。

 

 あの娘はココにいてはいけないような……。

 なにか非道なことが行われたような……。

 そもそもドコで見かけた子だろう……。

 

 記憶をたぐろうとするも、今夜はもう頭が飽和状態だった。

 いさぎよく未練(みれん)を捨て、ソファに寄りかかる。

 はしたなくも、大股(おおまた)びらきで。

 

 高価な振り袖を脱いで衣装担当のオバさんたちに渡し、呼んでもらったハイヤーでワタのように疲れた身体をホテルの部屋に運んだ彼は、シャワーでほんのり色づいた素肌にパール色なシルクガウンを羽織(はお)り、壁一面のガラス窓に己(おのれ)の裸体(はだか)を映しつつ、眼下にひろがる夜景を眺めわたした。

 

 彼方をまた、航界機の航空灯がよぎってゆく。

 それは先日の椿事を、彼に思い出させた。

 いつの間にか注入されていた“防衛(Oдер)用自(жимость)我”……。

 

 どうやら生身の人間の記憶を「加工」して、作成されたような気配。

 実在の人間と情報を細部にわたってやりとり出来るのが、その証拠だ。

 ハナシの感じから、相当古い人格データをつかっているらしい。あの老人が少年だったころに隊長なのだから、生きていればかなりの歳だろう。

 

 それが完全な一個人の自我ではなく、加工されたモノである証拠には、死後の出来事まで知っている(らしい)ことが挙げられる。

 

 ――“奉天(ほうてん)”のことを知っていた……。

 

 それどころか、『九尾(きゅうび)』という名前まで。

 

 彼は窓に映った自分を凝然(ジッ)とみつめる。

 どこかオカルトめいた薄気味わるさ。

 自分の知らない自分が、都市夜景の爛熟な煌(かがや)きを背景に、闇の奥からこちらを見返してくる感覚。

 

 おそるおそる、丁寧(ていねい)な口調で問いかける。

 

「ねぇ。アナタは――いったい誰なんです?」

 

 返事はない。

 

 生マジメそうな少年が、緊張した顔をするのを観るだけ。

 『成美』は、とりあえずホッとする。

 ここで自分の口が勝手に動き、ひくい声でしゃべりだしたら《オシッコちびる》に有り金を全部賭けていい。

 

 ――Oдержимостьとの意思疎通は、できないものだろうか。

 

 彼は界面翼の話を思い出す。

 自分の翼は自分では見えない――雲海の中を除いては。

 

 おそらく、なにか契機(きっかけ)がないと、現出しないのだろう。

 自分のピンチ……あるいは縁(えん)のある人物との接触?とか。

 

 はぁっ、と彼は窓際の革ソファーに腰かける。

 

 ――今日は疲れたァ……。

 

 明日は休みたい――でもダメか。

 “舞い”のスタジオレッスンもある。

 イサドラの代わりのダンス教師が、マトモな人でよかった。

 

 ――そういやあのサド女教師、ドコいったんだろう……?

 

 鉛のように重たい身体を立ち上がらせ、フラフラとベッドに倒れこむ。

 音楽でも聴こうと手探りでヘッド部にある機器を操作すると、手元がくるったのかアロマテラピーのスイッチにでも触ったらしい。

 

 かいだことのない穏やかなハーブの香り。

 かすかに部屋をただよい、『成美』の鼻腔をくすぐって。

 やがてゆるやかに天井が回りはじめ、彼は背中から睡(ねむ)りに墜ちてゆく……。

 

 ――……。

 

 ――……。

 

 ――……。

 

 ――あ……まただ。

 

 

 噎(ム)せかえるような、革の匂い。

 ジジジジ……と秘部を苛むモーターの振動。

 身体の深層(おく)からゆっくり炙(あぶ)られるような、せつない悶(もだ)え。

 

 胴体(どう)をギッチリと砂時計のように締め上げる、ウェストニッパーの気配。

 頭はスッポリと革のふくろで覆(おお)われ、そのうえ目隠しまでされているらしい。

 口には丸い球を咥(くわ)えさせられ、あえぎ声も満足に出せない状況。

 

 被(かぶ)せられた革袋に通気口は空いているのか、妖しく澱(よど)んだ空気の臭い。

 どこかで奴隷を責(せ)め苛(さいな)むのか、ムチの音と嬌声。

 あるいは別の方から、肉の焦げる気配――絶叫めく女の悲鳴。

 

 ――そうだ、ワタシもお股(また)に焼き印を……。

 

 もぢもぢと無意識な内股歩きは、よけいピンク色めく情欲の淫火を煽(あお)る。

 

 と、頸(くび)のうしろに圧迫感。

 

 幅広の首輪を巻かれ、そこから延びる鎖(くさり)で曳(ひ)かれているらしい。

 チャリチャリと冽(つめ)たい、胸のうちを哀(かな)しく冷やしてしまう様な音が、被せられた革袋ごしに硬い空間を響くのを幽(かす)かに聴いて。

 腕は、後ろ手にひとまとめにされて拘束された格好と思えた。

 合わせられた手の甲側で、自分の尻を恐る恐る撫(な)でてみる。

 

 ――えぇ……ッ!?

 

 信じられないほど肥大化され、ムッチリとした感覚……。

 まるでタップリとシリコンでも注入されたような。

 わずかに突き出たアナル・プラグも、肉感的にされた尻のヴォリュームに負けぬよう、よほど野太いものをズップリと奥まで挿入されている気配が。

 

 ――そんな……そんなぁ。

 

 ピンヒールらしきものを履かされ、硬い廊下をヨロヨロ歩く緊張感。

 それが、秘部をよぎって上に締め上げる、ハイレグらしい股革(またかわ)の内側に突き出た責め具をイヤがうえにも認識させ、愛液に濡れた太ももをヌラヌラと摺(す)り合わせて歩くたび、花弁のしこりを熱くさせてしまう。

 

 あッ!と『成美』は硬い床(石畳?)を踏みそこねてヨロけた。

 身体がふれ、危ういところで立ちなおるが、その拍子に自分の胸がユサリ、と或(あ)る確実な重さをもって主張したのに気づかされる。おまけに根元がくびられているのかジンジンと、痛痒(カユ)い。

 

 ――おちついて。深呼吸三回……これは、ただの夢な(・)の(・)よ(・)……。

 

「ホラ、急ぎなさい!」

「ナニよろけてンの!」

 

 左右から腕を取る女の声。

 ピッ、と蜜壺に挿入された器具から、よわめの電撃。

 

 あァッ!とふたたび崩れ落ちかけるが、両わきを掴む腕が許さない。

 それが細い指で握られるため、二の腕に食い込んでとても痛いのだ。

 爪先立ちのようなピン・ヒールをムリヤリ立たせると、首輪が邪険に引かれる。

 

 また鎖(くさり)の音。

 廊下らしい空間に、冷酷な反響をして。

 

「この仔(コ)も、すっかりメスになったのねぇ」

「パピヨンにするって聞いてたンだケド?」

「ヒヒ爺ィの一人が、どうしても!!ってね」

 

 エナメルの感触がある手袋が、『成美』の豊乳(おっぱい)を絞(しぼ)りあげた。

 

 ――!オォォォォ……ォ!

 

 悲鳴を出そうにも、口に銜(くわ)えさせられた丸い玉が、それをゆるさない。

 ただかろうじて、哀(かな)しい鼻声を、抗議にあげるだけ。

 玉からは苦い汁のようなものが滲み出し、それが苦しさを倍化させる。

 

「――早くなさい?」

 

 両わきの声とは別に、首輪を引く鎖を鳴らされて慄(ぞ)ッとする冷たい声が。

 

「今月中に馴致を終えなければ、つぎの課程に移れないのだから」

「ネェネェ。この仔(こ)、よくアタマ狂わせずにココまで来ましたねェ」

「本当、こんなに早くメスに換(か)えられたら、フツーの男の娘は発狂してしまうのに」

「……洗脳用のプログラム、バージョンが上がったのよ」

 

 鎖を引く方から、くだんの冽(つめ)たい声がそれに応えて、

 

「本人の中では、自分はメゾン・ドールの人気ビェルシカを営(や)っている設定のようね。それで自意識の崩壊を回避してるの。そうプログラムに誘導させたのよ」

「まさに “ウツシ世ハ夢、ヨルノ夢コソ、マコト” ですわね……」

「この仔もカワイソーに。もうじきオッパイ、ブルブルさせてご奉仕かぁ」

 

 さ。今日はココよ、と先のほうで声がしたかと思うと、古いフェルトの匂いがする重い扉が開かれたような空気の流れ。

 邪険に背中を押され、フラフラと空気の動かない空間に導(みちび)き入れられる。

 そのまま、貞操帯用のトイレめくモノを跨(また)がされ、脚を折り曲げて拘束具を連結されると、天井から下げられているらしい鎖に首輪を繋(つな)がれる感触。

 

「ほぉら、ご対ぃ面ぇえん」

 

 革の袋が手荒く引かれ、目隠しがはずされた。

 瞳孔を刺激しないよう、赤い灯の充ちる小部屋だった。

 美事なボディに仕上げられた自分の身体。

 正面の大きな姿見で、マジマジと『成美』は決定的に見せつけられる。

 

 むねが丸く明いた、黒革のレオタード。

 そこから縊(くび)り出されるかたちのよい巨乳。

 ウェーブがかった長い髪の奥に光る瞳(ひとみ)が、哀しげに光って。

 黒い口枷(ギャグ)を咥(くわ)えさせられた猥(みだ)らに赤い唇――そして首輪。

 いかにも男好きのする、淫乱な身体つき。

 それをヒシ型に縛め、胴体(どう)は残酷に8の字型へ括(くび)れさせる装具。

 一部のハーネスは容赦(ようしゃ)なく、お股の秘部にくい込んで。

 

 両わきに侍(はべ)る、金髪と銀髪のベリーショートな女たちが、そんな『成美』の胸をネットリと揉(も)みしだき、哀れな “メス奴隷候補” の情欲をいっそう煽(あお)りながら、

 

「年齢(トシ)のわりに“Curvy”(ボン・キュッ・ボン)にしちゃいましたけれど、お客様の希望ですから」

「なら仕方ないよねェ?どうせ性欲便器(トイレ)になるんだモン。どうかし、らッ!」 

 

 マニキュアを整えた細い指が、固くシコった乳首をつまんで、ひねり上げる。

 

「――――!!」

 

 鼻声の哀しげな悲鳴。

 あぁ、ゴメンゴメン。と、わざとらしく銀髪な片方が『成美』の口から、ユルユルとボールギャグを外し、鏡ごしに流し目線を “彼女” に合わせつつ、ヨダレまみれなその器具を、ピアスが穿(うが)たれた長い舌でコレ見よがしに丁寧(ていねい)に舐(な)めとる。

 

 『成美』の耳の中、高ぶる心音に合わせ、ズキズキとうずく乳首の痛み。

 

 ――夢……じゃない。いったいどういうコトなの?なんで、髪がこんなに……。

 

「おいしい……雌(メス)人形『成美』の味ね」

 

 ナニか喋ろうと思うが、のど元で意思が消えてしまう。

 口は動くものの、声を出す気力が萎えてしまう。

 

 そして――その口唇(くちびる)……。

 

 ボッテリと肉厚にされ、まるでダッチワイフのような。

 なによりツヤツヤとした真紅のグロスが、品下っている印象。

 アタマの悪そうな、まるでSEXのことしか考えていないトロンとした表情(かお)になっているのは、濃い目な化粧のせいだろうか。

 

 金髪が、いかにもワザとらしく、

 

「あら……こんな巨乳(オッパイ)ちゃんにされている割には、なにかサビしそうねェ」

「ワかった!お飾りがナイからだよ!アタシ準備しよッと」

 

 銀髪が、すこし視野から姿を消していたが、やがてステンレスのワゴンを押して現われた。台の上には注射器(シリンジ)と茶色の小瓶。筆。そしてトレイには針のような器具と、コンドームのパックめいたものが2枚。

 

 既視感めいたものを感じる。

 あのときは――残酷な焼き印だった。

 

「今度は……いったい、なにを……」

 

 ふるえる声で“彼女”にされた『成美』は、うす笑いを浮かべて手術用のゴム手をはめる銀髪の仕草を見守る。

 金髪が、メスとなった『成美』の女核(さね)を、同性をなぶる女特有の嗜虐的(サディスティック)な手つきで筆の先を使い嬲った。ただでさえ勃起している乳首が、さらに凝(しこ)り勃って。

 

 そんな哀しい女体の性(さが)を思い識(し)り、扇情的にふくれた紅唇を噛みしめて『成美』が打ち寄せる快楽の小波(さざなみ)に耐えていると、つぎに彼女は茶色の小瓶から、別の筆の穂先に数滴たらし、勃起した乳首に黄色な液体をソョソョと塗り伸ばしはじめる。

 発情した雌臭にまぎれて漂うヨードの匂い。

 

「さ――デキた」

 

 使い捨てマスクをした銀髪が、針を片手に目を細める。

 

「いつも恥知らずにボッキし続けなきゃならないように、根もとからピアスしてあげるネ?安心して。お股にも、そのうちつけてあげるから。でもメス人形であるコトを自覚させるンだから、麻酔は無しだョ?」

 

 アタマがクラクラして何も考えられない。

 後ろから金髪が『成美』の体を押さえて。

 

「ウゴくと……取り返しがつかないヨ~?」

 

 銀髪は容赦なく針を近づけ、たわわとなった『成美』の乳房(オッパイ)、その右側の勃起乳首(ボッキちくび)に突きたてる。

 

 ヒギィッ!という“婦(おんな)”にされた少年の、哀れな悲鳴。

 

 だが、痛いのはここからだった。

 反対側にブツッッ!と音を立てんばかりに針が徹(とお)る。

 頭の中に電気を通されたような、金属的な感覚。

 

「あッ!がァァァァァァァ……ッツ!」

 

「もっと可愛く啼(な)きなさいよ!」

 

 怒鳴り声がして、厳しいムチが背中に一度、二度。

 

 シャァァァァァァァァァァァァァァ――ァ……ァ……ァ。

 

 黄金(こがね)色の飛沫が、黒いハーネスが食い込む秘部からほとばしる。

 

 あとは、何をされたのかも分からない。

 半ば失神状態のまま施術はつづき、気が付けば『成美』の乳首には、メス人形の証であるチタンのリングが冷たく、哀しく輝いて。

 

 ――あぁ……。

 

 正面に据えられた姿見は、拘束された少女のみじめな姿を映しだす。

 豊かな胸に、リング状のピアスは、その哀れさをいっそう加味した。

 涙がひとすじ、メス化された奴隷人形(スレイブ・ドール)のほおを伝って。

 

「ワタシ……これからどうなるの?」

 

 鏡ごしにギロリ!と邪険に睨(ニラ)むベリショなふたり。

 上役らしき長い黒髪も、ヒュン、とムチを一振り。

 ヒッ、と小動物のように身をすくめた『成美』は、

 

「あ、あの……哀れなメス人形の『成美』は、これからどうされるのでしょうか?」

 

 宜しい、と黒髪は満足げにムチ先をテロりと舐め、

 

「どうもこうも無いわよ。今しばらくは、まだ夢を見ててもらうわ。オマエの身体が仕上がったとき、専用コンテナで西ノ宮に運ばせるの。そこで玩具(オモチャ)に成り下がって……あとは、そうねぇ……飽きられたら、本当の“お人形”サンにでも、造り替えられるのかナ?」

「本当の “お人形” って……」

「もうしばらくは、「作りモノ」の身体で、ビェルシカしてなさい、ってコト!」

 

 ドヤ顔で金髪が腰に片手をあてる。

 銀髪が、その肩にしなだれかかり、

 

「アナタは“パピヨン(蝶)”なのかしらネ?」

「それとも真面目(マジメ)な“航界士候補生”?」

 

 体内を犯す淫具に、スイッチが入った。

 

 微妙な強弱の刺激で、銀幕(かがみ)の中の少女は、恥じらいの表情(かお)で、登り詰めてゆく。

 金銀の両方から、施術されたばかりのピアス付き乳首を吸われ、コロがされ。

 やがてその鋭い疼痛が、次第に甘美さを交えて自身を責め立てる有様に、彼女はイヤイヤと髪を振りみだしつつ。

 

 やがて波の高まりが訪れ、メス化されたアタマの中に火花が奔(はし)って。

 

 ふたたび――世界は白い無に充(み)たされた。 

 

 

 

 

 

 

 

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