広壮な館の入り口で、二個の人影は歩みを停めた。
「――ここなの?」
「さぁ?でもそうらしいよ。招待状には、少なくともそう書いてある」
若い魔導師は、ボアがついた冬用のマントをゆすると、たもとから
よこから、毛皮をまとう、金髪の可愛らしいニンフがのぞきこむ。
下の方に、判読不明なサインが二種。
「場所も――間違いない」
「それにしては人影が……ないわねぇ」
「たぶん、ぼくたちが遅れたからだろう――扉も閉まっている」
魔導師は勇を鼓し、
中央部にある聖獣が咥える“いぶし銀”なノッカー。
それを規定どおりに間を措いて鳴らした。
待つこと
やがて重々しい音をたて、片側が、ユルユルと開かれる。
とたん「ヒッ」とニンフは毛皮のしたに
なぜなら中から灰色のゴーレムが、迷惑そうな顔を(ヌゥゥッ……)と突き出したので。
「なんの――ご用ですかィ?」
「あの、ぼくたち。今日の夜会に招待されて来たんですが」
ゴーレムは
「もう、入場の刻限は――とうに過ぎております」
「特別招待状あるよ?ハイこれ」
渡された巻紙をぞんざいに拡げたゴーレムは
「刻限は、とうに――」
「そんなこと言わずに。さぁ……ホラ」
闇の中で、大ぶりの銀貨が
「……こちらへ」
しぶしぶといった風に、ゴーレムは扉を開けたまま背を向けた。
魔導師とニンフは顔を見合わせ、フフッとわらう。
灯の落ちた寂しいエントランスホールに靴音を響かせつつ、ゴツい
「どうぞ」
宝石をはめ込んだ腕輪をひからせ、ゴーレムが扉を押し開く。
とたん――。
いきなりゲインを上げたように、圧力を持つ歪んだ騒々しさが、シャンデリアの
第一の間は、テニスコート6面分はあるだろうか。
天井の高い広間に、様々な異形をした群衆。
半獣神や女神。低いモーター音を鳴らしつつ
よせばいいのに原価管理だ、受注予算だ、などと。
老若の“騎士”や“戦士”。
あるいは“巫女”や“魔女”。
広大なホールの
「うわぁ……」
ニンフが茫然としていると、入り口にいたバニー・ボーイ姿の少年たちが、エナメルの靴に付けられた鈴を鳴らして近寄るや、うやうやしく、そして優雅な物腰で、
「お待たせいたしました閣下。ならびに
ふたりが身軽な姿に変じ、狂騒の会場をオズオズ歩き出そうとしたところで、緋色の
「よぉ、
初老の剣闘士は、若い魔導師のやせた肩を
「開宴宣言の場に居ないよって、来んかと思とったぞ」
「ヴォロネツ閣下!お久しぶりであります。遅刻して、危うく入れないところで」
「んう?入り口に、受付け居たやろ?」
「いえ、無愛想なゴーレムが――」
「あぁ!?オマエら正面から来たのか!良く入れたナ?」
「へへ、ちょっと握らせまして」
「プッ。アホやなぁ!」
剣闘士は、ヤレヤレと言うように首をふり、
「今夜のような非公式な会合は、裏口が基本やぞ?覚えとかなアカン」
「そんな……ボクの20ソルド……うぅ」
「ところで――お連れの可愛いニンフは、どちら?」
「え、あぁ。シモーヌ・南部・マキシム嬢。あの“丘の上ホテル”の一人ですよ」
これは!と剣闘士は、一度のけぞり、最敬礼。
「名だたる『財界の名花』のおひとりに
初老の剣闘士は、なぜか航界士流の挨拶で、魔導師の彼女を迎えた。
「そんな名花だなんて……」
浮かびかかる微笑を必死に噛み殺しつつ、ニンフは、となりの魔導師に、
「ワタシに、この剣闘士サマは紹介してくださいませんの?」
「おっと、そうだった……こちらは“勇者”ヴォロネツ・ヴィエニャフスキ閣下」
「閣下は、よしてぇな。
「これは失礼、改めて――剣闘士“勇者”ヴォロネツ」
「ゆうしゃ?」
ニンフの問いに、そうさ!と若い魔道士は、まるで自分のごとく自慢げに、
「省内でも有名なパワハラ上司が居てね?部下を
「あンときァ、若かっただけや。それより坊主の方が、最近は『
「ボクは、まだ若いですからね」
ふんぞりかえる“魔術師”に“勇者”は
「言うわ、ハハハハハ!!……よし!おいで。ここでの作法を、教えたる」
室内楽の演奏が、
タクトを振っていた少年が背骨の曲がったゴブリンに手伝われ、演奏ブースのとなりにある黒
傍らのパイプオルガンめく三段の鍵盤とストップが並ぶ演奏者席に、杖を突いた老人がヨロヨロと座ると、キーを二、三度おして。
すると、視線を
なんです、アレ、と魔導師。
「ん?あぁ、バイオ・オルガンや」
勇者は、物の怪や天女、戦士たちがオルガンに集まり始める流れに逆らうように歩きながら、珍しくもなさそうに、
「
そのオルガンのほうで、ちょっとした騒ぎが起こった。
「お願いします!ボク、まだ声が出ますよ?ホラ、アーアー、あぁ……っ!」
見ると、ひな壇から電球を抜くように生首がひとつ、交換されるところだった。
「お慈悲です!どうか。たまたまノドが……」
あとは声にならない。
送気パイプのコックを閉じられ、維持ユニットごと、絨毯の床に投げ出される美貌の生首。顔面を涙でクシャクシャにして。
そのとき、一人の中世ドレスを纏った老婦人が、おもむろに生首へ近づくと、ゴブリンに合図。すぐさま犬の胴体を模した搬送装置が運ばれ、生首と接続される。
生気を取り戻した少年の首は、しかし、新たな恐怖にゆがんだ。
老婦人の従者にまくり上げられた、幾重にも
やがておこる、老婦人の
『では――ここでコノ仔たちの
タクトを振っていた少年の合図で、老演奏者は骨張った指を、キーのうえに
少年たちの声帯が、美しいハーモニーを
「……いろいろと、スゴいわね」
「まだまだ。こんなもンじゃないデ?たぐい
老“勇者”ヴォロネツはオルガンの
次の間に近づくにつれ、ムチの鳴る音が、聞こえてきた。
広間に入ると空気が、数度上がったような、感触。
だが群衆の数にしては、すこし静かすぎる。
薄暗い広間は、奇妙な緊張を内包して。
「なんですの?――コレ」
よくみれば観客は、ほとんどが巫女や尼僧、女騎士にサキュバスといった、老若を問わずの女性ばかり。そんな群れの視線は一様に、奇妙な腕木をもつ柱が据えられた舞台の中央に集められている。
薄地の黒いロング・グローブをはめられる両腕を、まとめて頭上で拘束され、ガーター付きストッキングの脚を拡げたかたちで「人」の字に固着されている、ウサ耳を付けられたひとりの少年。
背後にはムチを握り、調教役の記号満載な衣装をつけた年増の女。
「ホラホラ、もっとイイ声で
「あぁっ!お
ボーイ・ソプラノな少年の顔が、せつなげに美しく歪む。
一本ムチではなく、握りから枝分かれした、皮膚を傷つけ
すでに前のほうも
打たれ、身をよじるたび、首輪に付けられた鳴りものが触れ合い、
「アヌスを見たいわ!その子のアヌスを見せて
とうとう年増のエルフが、でっぷりした腹をゆすらせ、叫んだ。
ステージ上の調教師は、髪を払って汗を
歪んだ劣情を
ヒリヒリとした緊張が、暖房の効いた広間の空気に
少年のうしろには尻を割ってリング状の道具がハメ込まれ、ア○スの具合を衆目に曝している。
「さぁ!
ステージ脇にある、仮装大賞を思わせる表示版が、音と共にジリジリと上がってゆく。アッという間に最低落札価格を突破し、さらに高額に……。
「シモーヌ、まだ見てゆくかい?――ボク、お
「えぇ……先に行ってて。落札価格を見ておきたいの」
気ぃつけるンやで?、と勇者がポツリ。
「オナゴ独りウロウロした
えっ……?というニンフの不安そうな声。
薄笑いを含んだ老勇者の言葉が、それにつづき、
「全身を革でコーティングされ、テーマ・パークに飾られて。彼氏は新しい彼女と目の前を通るケド、部屋を飾るディスプレイ人形にされたアホな元カノが必死にアピールしようとしても、彼は新しいお相手に夢中で気付かない……よくあるハナシや」
「……やっぱり一緒に行きます」
色違いで統一された広間を二、三過ぎる。
そこで若い魔導師は、今夜の隠されたテーマにようやく気付いた。
エドガー・アラン・ポーの「赤死病の仮面」に準拠した部屋のつくり。
鮮血にまみれた仮装をする幽霊役が、どこから出てこないかと注意しつつ。
やがて三人は、山場を越えて一息ついたといった雰囲気のダイニング広間にたどり着く。
その光景を見た魔導師とニンフは絶句し、思わず互いに手を取りあった。
いくつもの大テーブル。
中央には、決まってマイセン調の極めて大きな皿が。
異様なのは、その上に目の周囲だけを隠すヴェネチアン・タイプのマスクをつけたギリシャ風に半裸の少年たちが、赤い玉の猿ぐつわを口にハメられ、ひくめのスケベ椅子にヒザをつけて座る格好でのけぞるように胸を反らせ、手枷を巻かれる腕を、背後に位置する大皿の固定環に金の鎖でつながれている……。
肌の色も、髪型も、それぞれに異なる彼ら。
そして、等しく生体手術で整えられたものか、少年たちには豊かな乳房が備わり、アヌスには、これも一様に蛇口付きの太いプラグが、ずっぷりとねじ込まれているのが痛々しい。
若い二人が怖れおののくのをよそに、大テーブルをゆるゆると巡りつつ、黒いロングドレスと引っ詰め髪。それに角ブチメガネの『家令』然とした、肉体のメリハリも豊かな30手前とも看える女が、指揮棒の代わりとでもいうのか、恐ろしく長い
「さぁさぁ!オークションが一息ついたら、
また御客サマが大勢いらっしゃいますよ?
ポリアンヌ!シャンパン・グラスのタワーが少し歪んでますよ。
セーラ!何しているの。早くマグナム・ボトル用のクーラーを!」
「精がでるの――バヨネッタ」
「……おやまぁ、ヴォロネツさま!」
家令は剣闘士にイソイソと近づくと、優雅に一礼。
男も
「どうやら今夜も、
「おかげさまをもちまして……でもお珍しい。このような
家令は、次いでフィと声をひそめ、
「そういえば。よろしいのですか?
「なぁに。丁度いい
「おそろしい――御方ですこと」
しばしの形式的な文句を交わした後、家令が仕事にもどり、ふたたび三人のパーティーとなった一行は、広間にある料理を物色しはじめた。
今度も勇者が料理の選び方を指南する風。
「エェか?まず皿の状態を
「ソースが少ないって、どこにソースがありますの?」
魔導師とニンフは、
ダイニングの広間に残っていた来客が、そんな彼女の言葉を聞き、初々しい新参者ふたりに好ましげな微笑みを投げかけて。
三人は、テーブルにひと皿ずつ据えられた大皿、さらにその上で、恥ずかしげに
「ほー。今夜の“
「ギトン?」
早くも皿の上の料理をソワソワと物色しながらニンフが尋ねる。
「せや。今夜のような
どこから取り出したものか勇者は、プレゼン用のレーザー・ポインターを手にすると、ひとりの少年を指し示し、輝点を浮かべる。
まるで妊婦のようにふくらんだ腹。
乱暴に扱われたあとのある乳房。
少年の周りに残る、さほど手を付けられたとも思えない料理。
マスクごしからも、涙にウルんだ眼が分かる。
「料理が残されとるやろ?不味かったんやな。スープもゼンゼン使われてナイ」
「あの……スープって?」
ニンフの問いに、男は少年の股間に手をのばすと、尻にはまるプラグのコックを開いた。
シャバシャバと、黄金色の液体が流れ出る。ボールギャグを
かすかに漂う、オニオンを含んだコンソメの香り。
しかし無情にも、すぐにコックは締められる。
「な?腹の中に、スープ仕込んどる。言うとくケド「直に」やないデ?ちゃァんと細長い大容量のビニールを肛門から十二指腸まで這わせ、その中に入れとるんや。そして――」
勇者は、少年のオッパイを
ラー油めいた香辛料オイルの
「さすがに胸は作りものや。けど見てみぃ?料理がイマイチなさかい、乳房も手荒く使われボロボロや。ちなみにこのチチは感覚素子が仕込まれてて、ちゃんと快楽なり
「そんな――この子のせいじゃないのに」
「まぁ“儀豚”ちゅうんは、そう言うモンや。そしてソースやけどな……」
勇者は、テーブルにセットされていたリモコンを押す。
天を向いた少年の若々しいチンポから、緑の液体が流れ出す。
ちょっと彼は手の甲に受けてそれを
「サボテンソースや。ケド味が――こなれてナイ。不評を買うも道理や。おそらく皿ごとに作り手がチガうんやろナ……たぶん料理人の選定試験もかねとると診た」
「それも、ビニールが?」
「仕込まれてたり、仕込まれてなかったりや。コッチは、
さて、そうなると一番の“当たり皿”は……。
剣闘士は、マスクの奥から中に詰まった料理を排泄させてくるよう哀願する少年たちの視線を冷酷に無視して、眼をつけた中央のひと皿へと確信的な足取でむかう。
まず大皿からして、美事だった。
繊細な絵付けが
周囲の料理は、あらかた平らげられ、さまざまに並べられたソースをスプーンやパンで
その皿の上で拘束される少年といえば、キメの細かな
ニンフが、おそるおそる少年の乳房を揉む――何もでない。
くぅぅぅ……と少年の切なそうな声。
勇者が、大皿に備え付けのリモコンを押した。
しかし――品よくそそり立つチ◎ポからは、ソースが流れることは無かった。
そして、そんな少年のほうは、今度はリモコンが押されるたび、ビクン、ビクンと体をふるわせ、大ぶりのイヤリングを
「なんだ、ソースもカラかぃな――おーぃバヨネッタ!?」
勇者が、とおくの家令に身振りで伝えると、やがて彼女に指示された
「よぉ見ててみい」
男の言葉に若い二人が見守る中、酌女はダイニング・ワゴンの下段にあるタンクからホースを延ばし、アナル・プラグの蛇口にセット。その根元にある耐圧のガラス・タンクには、内側に湯気のしずくを浮かべた、どうやら粘性のあるらしい白いスープが見える。
彼女は電動ポンプのスイッチを入れるや、移送コックをひねった。
「!!!!!!!」
声帯に手を入れられているのだろうか。
少年の甲高い、女性めいた鼻声の悲鳴。
どぷッ、どぷッと音をたててダイヤフラムが動き、少年の体内に、温かい、ドロドロした液を吐き出してゆく。アナルプラグに繋いだカテーテルが、ビュルビュルと
ボールギャグに口を塞がれた少年は、
ゆっくりと褐色の腹部がふくらんでゆき、スープを
はげしく身をよじり、単なる「料理の容器」と仕立て上げられた少年は、快楽とも苦悶ともつかぬ感覚に
ついで、乳房にも薬味が補充され、妊婦としてリアルさを増すと、最後にこの
顔色を変える魔導師。
ニンフの眼の輝き。
そんな若いふたりを見る勇者の微苦笑。
だがその時、胴鎧をまとうこの初老の剣闘士は、ふと酌女の肩越しに誰かを認めたらしく顔色を変えた。
相手の様子に気付いた魔導師が視線を追うと、弓を背に負う女神が、大皿に拘束され、盛り付けられた少年たちを、ひと皿――ひと皿。マスクに隠された顔も含め、吟味して回っているような姿が。
大皿の
「誉れ高き第三王女の専属秘書官殿と、お見受けいたしますが――」
かしこまった様子で、女神に、
狩りの女神は、いくぶん硬い顔で、それに応じる。
二人が、何ごとか話しながら大皿に戻ってくると、酌女が、ちょうどシリンジをカテーテルに連結し、もう片方の先を、少年の鈴口に埋め込まれたネジ山へ取り付けるところだった。
その刺激が生殺しなのか、美少年の甘えたような鼻声。トロンとした目つき。
「珍しいですな。こんなところに御
「
「うへぇッ!いや失礼。まさか“
「さすがにちがう……とは思いますが」
そんなやりとりの傍ら、シリンジの用意を終えた酌女が「宜しいですか?」とでも言うように、小首を傾げ、装身具を鳴らす。
「ドャ――いや、どうだねシモーヌ
「いいんですか!?」
ニンフの顔が、
やがて、酌女から渡された真紅のソースが充ちるシリンジの重さと、何よりその熱さに驚きながら、彼女は教えられたとおりプランジャーを押し、ドロドロとした濃厚なソースを、非情にも強制的に屹立させたシンボルをへて、少年の
撃たれた仔鹿のような――
少年の腰が、まるで射精するがごとく、スケベ椅子の上で前後に激しく動いた。
ボールギャグに縛められ、のけぞらせた顔が、苦悶に震える。
しかし――ニンフは、無情にも手を
教わったよりも幾分早めに、プランジャーを押し続けて。
600mlを超えたあたりで、さすがに酌女は制止した。
それでもニンフは手を止めず、あろうことかプランジャーの勢いを増す。
異様な輝きをみせるニンフの目と、かすかにヨダレの
魔導師とニンフの間で、ちょっとした
それを勇者は年かさの落ち着きをもって、まぁまぁとなだめながら、
「いいかね?まずはギトンを――少しラクさせてやろう」
そう言うや
「さて、次はワシ――わたしの番だ」
そういうや、皿の横に鵞ペンよろしく立てられていた大きな鳥の羽根を、少年のアソコにそよがせる。
魔導師に怒られ、ふて腐れていたニンフの眼が、ふたたび輝きだす気配。
鈴口やカリ首をいぢめていると、当然ながら、少年がせつなげに、腰をモジモジさせて。だが尿道に仕込まれているストッパーは、そんな勝手を許さない。
ついには乳房をゆらし、甘い鼻声をあげ、
頃はよし、と看たか勇者はリモコンを操作する。
一度、二度――そして三度。
少年の腰が、ガクガクと震え、やがて穂先からは、薄
「コレやがな!――通は、このソースをイワさなアカん!」
「――では、みなさん。どうぞお
少年が汗を流しながらグッタリとうなだれるのを横目に、冷酷な眼をした女神は、背負う弓の位置を直しつつ美麗な大皿を離れる。
「や、もう行かれますか?」
「もしや、この子かと思いましたが違いました。人前で
「それに?」
「なにより捜す相手は、
優雅に一礼し、宮廷秘書官は去ってゆく。
その背を見送りながら勇者は(……ッハ!)と密かに嘲りめいた嗤いをみせ、
「宮廷秘書官でございとは言うても、まだまだアオいのォ」
「……どういうことです?」
魔導師の問いに、勇者は「見てみぃ」とレーザー・ポインタを、大皿でうなだれる少年、その耳の後ろにあてる。
わずかに染め残した白い部分が――そこにはあった……。
ー次回予告ー (ナレーション:千葉繁さん希望)
ムチの唸りが、炎呼ぶゥゥゥ!
ついに!最終のメス化調教を受けるに到った主人公。
嬲られ、責められ、己を見失い、情欲に彷徨う魂。
だが!そこに現われた事象面の扉。
果たして!彼の行く末はぁぁぁッッ!
次回!『玲瓏の翼』(18禁版) 第057話!
「最終調教のこと、ならびに航界士『ホスロー』のこと」
――あらためて少年は問う。
『成美』?『九尾』?Qui suis-je?(ボクは、誰?)