しばらくぶりの投稿は初投稿
良く朝目覚めると既にクロエは起床していたのか俺の腕の中から居なくなっていた。肌寒さを感じながら素っ裸でベッドから出る。キッチンの方から何かが焼ける音と匂いがするので朝ご飯を作っているのだろう。
「おはようございます。まだご飯はできていないのでシャワーをどうぞ」
「ん…」
朝シャンが日課なのを知ってか知らずか湯船にはお湯が張られていた。クロエさんはきっと俺の趣向とかを入念に調べ上げて来たに違いない。
献身的な女性ほど好きなものはない。俺が最も好きなものは三つあって一つ献身的な女性、二つラーメン、三つ甘いモノ、四つ愛。
「申し訳ございませんが朝餉の用意がありますので湯浴みはおひとりでお願いします」
「うむ、苦しゅうない」
寮の湯船だというのにユニットバスじゃないし手足をのびのびと広げて入れる湯船は素晴らしい。この大きさだから二人で入ってもきつくない。クロエさんとまた一緒に入りたかったな。
お風呂から上がると着替えが用意されていた。用意が良すぎて悪いことはない。
「クロエさんは俺のことで知らない事あるの?」
「はい、私にも分からないことはあります。しかしできる限り俊葵様に快適な生活を提供すべく日々精進しております」
「そりゃどうも」
「こちらが朝餉になります。俊葵様のお口に合うかどうか心配ですが束様は喜んで食してくださっておりました」
テーブルの上にはステーキやフライドポテト、スペアリブ、トマトポトフ、ガーリックトーストとあまり胃に優しくないメニューになっている。てか学校があるのにガーリックトーストって…。
「朝から肉か…まぁ食べるけど。いただきます」
クロエさんは外国人だし洋風なメニューになるのは当たり前なんだけどこれはすごい。しかも美味しい。束さんは毎日こんなメニューなんだな。なんだか羨ましい。
しかしこんな食生活で束さんはあのスタイルを維持しているのはすごい。どこにその秘密があるのか知りたいね。そうしたら俺だってもう少しは痩せられるのに。
「お口に合いましたか?」
「うん、まぁ美味しいんじゃあないかな。好きだよ、この味」
あまり親しみのない味だけどとても美味しい。でも朝ご飯は白米とみそ汁が無いと始まらないのは日本人だからだろうか。
「俊葵様は日本人ですので白米も必要だと思いまして炊いておりますが如何いたしましょう」
「それを先に言ってほしかったな…」
あったのかよ。
食事を終えた俺はクロエさんと一緒に登校する。なんだか周りの視線が痛い。この視線は俺ではなくてクロエさんに注がれたものなのだけれど隣にいるだけで俺にも注がれている気がする。
IS学園に入学してから注目される事には慣れていたつもりだけど女性を一人連れているだけでこんなにも違うなんて知らなかった。
「さすがは俊葵様、皆様の注目は全て俊葵様のモノですね」
別に俺のモノじゃなくても良いんだけどなぁ…。
みんな注目するだけでこちらに声をかけてはこない。それはそれで居心地が悪い。もう声をかけてもらった方が幾分か良い。
「俊葵さん、お隣の女性は誰ですの?」
しかし声を掛けてくる相手も選ばせてくれたら万々歳だった。
「俺のメイドとして転校してきたクロエ…えっとなんだっけ?」
「クロエ・クロニクルと申します。ここへ来る以前は束様の下でメイドをしておりました。現在は俊葵様のISをメンテナンスするために小間使いとして働いております。どうかよろしくお願い申し上げます」
とても丁寧な所作でカテーシーをするクロエはとても絵になる。ヴィクトリア朝の風のメイド服に改造された制服はとても貞淑で瀟洒なクロエにとてもよく似合っている。
「そうでしたの。それは安心しましたわ。俊葵さんに悪い虫がついたのかと…」
「でも俺たち一緒のベッドで寝たよ?」
「は?え?そ、それはどういうこ・と・で・す・の?」
「俺は抱き枕が無いと寝れなくてさ。折角だからクロエを抱いて寝た。セシリアさんもいっしょに寝る?」
「それは…とても良い提案ですわね。俊葵さんがそうおっしゃるのでしたら一緒に寝るのもやぶさかでは…」
あからさまに喜んでいるセシリアを横目に俺たちは教室へ歩を進める。己の妄想にトリップ↓セシリアを止めようとする者がいないので遅刻しないか心配だ。
……
…
案の定、セシリアさんは遅刻ギリギリで教室に滑り込んで千冬さんに説教を食らっている。
「まったく…どこで油を売っていた」
「ほんのちょっぴり寝坊を」
「高校生になって浮かれる気持ちもわからんでもないが気を引き締めろ。お前は代表候補なのだ」
「はいっ!」
返事だけはいっちょ前にして席に着く。なんか罪悪感が心の隅っこに残っているので後でフォローしてあげよう。
「それでは転校生の紹介をする。出てこい」
こんな時期に転校生が、とみんなが騒ぐ気持ちもわかる。入学式直後の転校生なんて珍しすぎる。
「クロエ・クロニクルです。どうぞよろしくお願いします」
「端の席が空いているからそこに座れ」
「できれば俊葵様の隣に座りたいのですが」
「贅沢を言うな。そんなに座りたいのなら交渉しろ」
「では…」
クロエさんの「俊葵様」発言に教室のざわつきがうるさいと感じるほど大きくなる。
「ちょっと俊葵さんどういうことですか!?」
「ずるいずるい、私も俊葵さんのメイドになりたい!!」
色々な意見が飛び交う中、クロエさんは静かに端っこの席に着いた。みんなの質問を我関せずと目をつむり、まぁいつも閉じてるわけだけど。静かに一言だけ。
「一人のメイドとして私は俊葵様の品位を穢すような真似は致しませんし、俊葵様に失礼のないようにするつもりです。ですからよろしくお願い申し上げます」
凛とした佇まいに周りも何も言えなくなる。ただただ、「あ、この娘は本気だ」と周りに認識させただけでこのクラスにおいて一定の地位を手に入れた。
「それでは授業を開始する。教科書の105ページを開け。今日はISの基本的な構造について学習する」
……
…
授業が終わると次の授業の準備を始める。大学とは違い高校の休み時間は10分しかないので、実質『次の授業のための準備時間』だ。引き出しからタブレットとノートを出して準備完了。授業によってはタブレットを使うなんてとても進んでいる。俺が通っていた高校はもちろん、大学でもタブレットを使った授業なんてなかった。
特に俺が使っているタブレットは束さんが改造してくれたのでみんなが使っているやつよりも一味も二味も違う。外見は同じだけれど特別なAIが搭載されている。時間に合わせて必要なものをトップ画面に出してくれる。
今画面には次の授業で使うパワーポイントの資料がダウンロードされている。しかもこのAIは人間の感情や意志のようなものが搭載されているのか喜怒哀楽がある。
『資料のダウンロードが完了しました。褒めてください』
「うん、ありがとう。助かるよ」
『もっと褒めてください。そうすれば私の性能は飛躍的に向上します』
「あ、そう。でも褒め過ぎたら調子に乗るって束さんも言ってたしもう褒めない。それじゃあしばらく眠ってて」
『そんな態度ではいつか私は俊葵様の下を離れますよ?』
「そりゃあ困る」
『でしょう。だから褒めてください』
「分かった。お前は最高のAIだよ。俺が望むことを察して行動してくれるすごい奴だ。しかも可愛い」
『ふふ、そうでしょうとも。私は凄いのです』
画面の中で女性の姿を模したAIが胸を張って『えっへん』と威張っている。俺が行動する前に察してくれるのは助かるけど調子に乗られるのは扱うのが大変で困る。機嫌を損ねたらまともに操作できなくなってしまう。
「本当に助かっているよ。お前無じゃあタブレットを操作できない。だけど授業が始まるから落ちような」
『畏まりました。では私はこれで…。授業を頑張ってくださいませ』
画面の奥に消えていくと代わりに資料のファイルが開かれる。しかし同時にI♡Uと書かれたメモ帳も開かれた。
「俊葵さんこれはいったい…」
一連の流れを見ていたセシリアさんに声を掛けられた。みんなが持っているタブレットにはいないAIに興味があるようだ。隠す必要も意味のないので話してあげる事にした。
「束博士が作った人工知能だよ。誰の人格をコピーしたのか知らないけど扱い易いんだか難いだか分からないよ」
「でもとても便利そうですわ」
「便利過ぎるものは人を駄目にするよ。そこそこ不便な方が人間らしくて好きだけどな」
「その考え方はとても素晴らしいと思いますわ」
「だろ?もっと褒めてくれてもいいんだぜ」
どこかの誰かさんに俺も似ているようだ。もしかしてAIの人格データって俺のを使っているのではないだろうかと思う。
……
…
今日も駆け抜けるような一日が終了した。朝早く起きて授業を受けて放課後にはISの訓練をする。いつもと違ったのはISの訓練にクロエさんも参加してくれたことだ。
クロエさんのISは普通のと違っていて生体融合型とか言うよく分からないけど凄い奴だった。普通のISは鎧の様に着るのだが黒鍵(クロエさんのIS)は見た目は装備していないのにファンネルのような兵器を使ったり身体能力が向上したりとすごかった。
アレで電子戦専門なのは卑怯だと思う。でも作ったのが束さんと言われ納得してしまった自分がいる。
今は自室に帰ってきてクロエさんとご飯を作っている。今晩はカレーを作ろうと思って野菜を切る。玉ねぎ、にんじんを切り圧力なべに入れる。俺のカレーはじゃがいもを入れないのがミソだ。
「じゃがいもは入れないのですか?」
「じゃがいもを入れると重たくなる。だから入れない」
ふたを閉めて圧力をかける。俺がドロドロカレーが好きなので長めに圧力をかける。
しかし待っている間は手持無沙汰なのでクロエさんを後ろから抱きしめる。私服+エプロンのクロエさんは彼女みたいでとても可愛い。本人は否定しているけれど、もう俺の彼女を名乗っても差し支えない。と言うかこんな可愛い子と付き合っているんだぞってみんなに自慢したい。あ、でもこの世界じゃ逆で俺と付き合いたいって女の子の方が多いのか。
「俊葵様…駄目です///」
「でも本気で嫌がってないじゃない」
「お肉の準備もしなくては…いけません」
「ちぇ…それじゃあチューして」
「は、はい……ちゅ♡ん…んぅ…ちゅ、ちゅる、ん!?じゅる…じゅ、じゅちゅ♡ぷはぁ!はぁ…はぁ…俊葵…様///悪戯が過ぎます///こ、このような濃厚な接吻を…」
「嫌かだった?」
「そうでは…むしろ光栄です。ただ、こういったキスは初めてだったもので」
それは良かった。クロエさんの初めては何でも欲しい。でもそんな事を今のクロエさんに言ったりしたら茹でダコよりも真っ赤になってしまいそうなので胃の中に飲み込んで、「クロエさんが好きだからエッチなキスしちゃった」と真っ赤とまではいかないまでもそこそこ赤面させた。
俺はクロエから離れ冷蔵庫から鶏のササミと牛筋、そして豚バラのブロックを取り出す。ここでみんなはまさかと思うだろうがそのまさかだ。俺は全部ぶち込む。
それぞれの肉を臭み取りのために清酒、みりん、しょうゆで味付けして一つにまとめておく。生姜とニンニクをすりおろしたもの掛けて臭み取りと香り付けを行う。こうすることで肉の癖がなくなって全部の肉をぶち込んでも美味しくなる。
野菜が柔らかくなるまで時間があるので薄くスライスした玉ねぎをバターで炒める。あめ色になったところで圧力釜のふたを開けてあめ色玉ねぎと肉をぶち込んで中火で煮込む。肉の旨味がスープに溶けだしたらカットトマトの缶を入れる。沸騰してきたらカレールウを入れてしばらくかき混ぜる。
ルウが完全に解けたらはちみつ適量、チョコ適量、ケチャップ適量、おたふくソース適量、しょうゆ適量、ミックスバジル適量、ブラックペッパー適量を適当に入れて味を整えたら完成。料理をするときに入れる甘味料は思っている倍入れよう。間違いなくおいしくなる。
最後の調味料を加えてから数分後にご飯が炊きあがる。世間の主婦は毎日これをやっているのだと思うと頭が上がらない。
「さぁ、今日の夕飯はカレーだ。作りすぎたから明日の朝も明日の晩もカレーだ」
「カレーは好きですし俊葵様の料理なら毎日食べても飽きません」
「そんな事言ってると本当に毎日俺が料理するからな。てか料理好きだから毎日作るし」
これって「毎日あたしの料理を食べさせてあげるわ」的な発言なのだろうか。でもクロエさんは可愛いし、束博士の助手ならお金も持ってそうだし結婚するのもありかも。でもお金目当てに結婚するのは気が引けるなぁ…あ、この世界じゃ女の人が外に働きに出るって風潮だから結局のところ家事が得意な俺は家を守る主夫になるのかな。
「それは楽しみです。俊葵様の料理を毎日食べられる私は果報者です」
「そうかそうか、そりゃあ嬉しい。ほら完成したぞ。ご飯をよそって来い」
「はい!」
クロエを席についていただきますをしたら扉がノックされた。夕飯時だし誰とも会う約束していなかったので誰か分からないけれど取り合えずモニターで確認したらセシリアだった。
「もう夕飯は食べられましたか?」
「いや、丁度食べるとこ。セシリアは?」
「実は俊葵さんと食べようと思って…これを」
そう言って渡されたランチボックスの中にはサンドイッチが入っていた。前科持ちのセシリアとしては不味いものはもう食べさせられないと思ったのか見た目も匂いも良いものを所狭しと敷き詰めてある。
「クロエさんも一緒だけど良いかな?」
「もちろんですわ。みんなで一緒に食事を楽しみましょう」
押し入れから来客用の椅子を出してセシリアの分もカレーをよそって出してやる。みんな席についたのを確信してから『いただきます』と食べ始める。
「このカレーとても美味しいですわ」
「さすがは俊葵様です。こんなにおいしい料理は初めて食べました」
普段は何を食べてたんだ…。
「束博士って料理とかしないの?」
「料理は基本的にレトルトが多かったもので…手料理というものは良いですね。束様にも食べさせてあげたいです」
「それなら今度、束さんに何か作るよ」
「私も差し支えなければお願いいたします。」
「良いよ。何が食べたい?何でも言ってよ。初めての料理でも挑戦してみるから」
こんな具合に夜は更けていき…今夜は三人で川の字になって寝た。恥ずかしがるセシリアをクロエさんと二人で無理やりお風呂に入れて無理やりベッドへ押し倒し何もせずにゆっくりと寝た。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました
次回予告
スポーツ少女の腹筋とか安産型のむっちりお尻とか最高だよね
次回「今度こそR-18を書く」
生徒と教師って関係だけで人は燃え上がる