翌日の放課後。僕は下駄箱で佐倉に声をかけた。
「佐倉さん、ちょっといいかな」
「う、うん……」
僕は佐倉の了承を得て、人気のない体育館裏に彼女を連れ出した。
「さ、桜庭くん、どうしたの?」
「実は佐倉さんに聞きたいことがあったんだ」
「私に?」
「うん」
僕は一昨日に佐倉のポストに青年が手紙を投函しているところを目撃したことを伝えた。
「佐倉さんとその男性がどういう関係なのか気になって」
ここでストーカーではないかと問い詰めたりはしない。
佐倉から打ち明けさせないといけない。
クラスメイトに悩みを打ち明ける。
それだけで佐倉の成長に繋がるはずだ。
「そ、それは……」
僕から目をそらして言いよどむ佐倉。
「もし言いにくかったら言わなくていいよ」
「わ、私……」
さすがに悩みを打ち明けられるほど僕はまだ信頼されていなかったか。
そう思った瞬間、佐倉が口を開いた。
「その人にストーカーをされてて……」
本人から言質をとれた。
あとは僕がストーカーを撃退すれば解決だ。
「ストーカー?」
「うん。実は私――――――」
佐倉は自身が元グラビアアイドルであること、家電量販店でデジカメを購入した際にその青年に住所を知られてしまったこと、ブログに気持ち悪いコメントが書き込まれること、大量の手紙がポストに投函されていることを打ち明けた。
「そうだったんだ」
「うん……」
「先生には相談しなかったの?」
「お、大事にしたくなかったから……」
「そっか。……わかった、なら後は僕に任せて」
「え……?」
佐倉は僕の言葉を聞いてきょとんとしてしまう。
「僕がストーカーをやっつけるから」
「で、でも……!」
「大丈夫。こう見えて僕はそれなりに強いんだ」
「迷惑じゃ……」
「迷惑だなんて思ってないよ。佐倉さんは大切なクラスメイトだからね。困ってたら助けるのは当然でしょ」
「……助けてくれるの?」
「うん。僕は君を助ける」
「っ……」
佐倉がきれいな瞳から大粒の涙が流れた。
原作ではあまり気にしなかったけど、ずっと恐怖を感じていたんだろう。
誰にも相談できず、一人で耐えていたのだ。
「ご、ごめんなさい……。泣いちゃって……」
「ううん。大丈夫?」
「もう大丈夫」
「ならよかった。それじゃストーカー撃退作戦を考えようか」
「うんっ!」
作戦は単純なものだ。まず佐倉がストーカーを呼び出す。ストーカーの連絡先は手紙に書いてあったので、捨てアドから呼び出すことにした。
あとは僕がストーカーを精神的にも肉体的にも説得させるだけだ。
念のため佐倉の護衛として綾小路も協力を仰いだ。
「こんな感じで進めようと思うんだけど……どうかな?」
「桜庭くんに全面的に任せます……」
「そう?」
「うん」
「桔梗はどう思う?」
「いいんじゃないかな。要なら瞬殺でしょ」
場所は変わり僕たちは自室で話し合いを行っていた。
桔梗に隠し事をしないと決めている僕は佐倉の了承を得てから桔梗に今回の件を報告した。
「そうだね」
「怪我だけはしないでね」
「もちろん」
幼馴染の桔梗は僕が武道を嗜んでいたことは当然把握しているようになっている。
「な、仲良いんですね……」
桔梗がいるため敬語になっている佐倉。
「だって恋人だもんっ♡」
佐倉にアピールするように桔梗が腕に抱きついてきた。
今日もおっぱいの感触が柔らかくて最高だ。
「佐倉さんは恋人いないの?」
「え!?」
桔梗の質問に慌てふためく佐倉。
「い、いないです!」
「そうなんだ。芸能人だしモテたんじゃないの?」
「学校のみんなは私が雫だって知らないので……」
「雫だって知らなくても十分魅力的だと私は思うよ」
「あ、ありがとうございます……」
どうやら佐倉は桔梗が苦手なようだ。
桔梗も珍しく必要以上に絡んでいる。
「そ、それじゃ私はこれで……」
話し合いが終わり佐倉はそそくさと帰っていった。
作戦の結構は明後日だ。
明日は綾小路に相談して協力を得られたら最後に打ち合わせを行う。
☆☆☆
二日後。佐倉に呼び出されたと思っている青年は大勢の男子に囲まれていた。
「ひっ……」
青年の顔が恐怖でひきつる。
仕方ないだろう。
美少女に呼び出されたと思ったら、10人近い男子がいたのだ。
(なんでこんな大勢になってしまったんだ)
僕が直接依頼したのは綾小路だけだ。
偶然僕たちの会話を聞いてしまった池が信用できる生徒に報告したらしい。
その結果、僕と綾小路以外に、池、須藤、平田、幸村、三宅、沖谷、神崎、アルベルト、鬼頭がこの場にいることになってしまった。
違うクラスである三人は池と友達らしい。
神崎は彼女の網倉を通じて知り合い、アルベルトと鬼頭はバードウォッチング同好会の仲間だそうだ。
池のコミュ力が半端ないことになってる。
Bクラスの一番の武器は綾小路の存在ではなく、池のコミュ力かもしれない。
「あなたが佐倉さんにストーカー行為をしていることは把握しています」
「うっ……」
「今後、佐倉さんに近づかないでください」
「ぼ、僕と雫は赤い運命で結ばれているんだ!」
恐怖に打ち勝ち、青年が歪んだ愛を叫んだ。
「そうですか。なら仕方ないですね」
忠告したのに聞き入れてもらえない。
ならば無理やり聞かせるしかない。
「待てよ、桜庭」
「……池くん?」
僕が一歩踏み出そうとした瞬間、池が僕の肩を掴んだ。
「いくらストーカーが相手とはいえ、直接暴力を振るったらクラスポイントが減るかもしれないだろ」
「何かいい考えでもあるの?」
「ああ」
池はそういうと、口笛を吹いた。
するとカラスの鳴き声が聞こえ始める。
「な、なんだ!?」
青年は怪しげな雰囲気に呑まれてしまう。
「いけ!」
刹那。カラスが青年を襲い始めた。
「や、やめろ! やめてくれ!」
カラスの強烈なつつき攻撃に青年は為す術もない。
「どうだ! 佐倉に近づかないと約束するか!」
「する! するからやめてくれ!」
「よし!」
青年は鳥が苦手だったようで、すぐに降参した。
僕はその光景を呆けて見ることしかできなかった。
「Hey」
「次に雫を悲しませたら殺すぜ」
「ひいいいいぃぃぃぃぃぃ!?」
アルベルトと鬼頭が青年に追い打ちをかける。
あとでわかったことだが、この二人は雫のファンで、佐倉が雫であることは入学当日から知っていたようだ。
青年は失禁しながら去っていった。
こうして佐倉ストーカー事件は無事に解決した。
あれだけ格好をつけた僕は何の役にも立たなかった。
カッコ悪い……。
☆☆☆
「お疲れ様!」
「僕は何もしてないけどね」
時刻は22時。
あれから僕は佐倉と桔梗に解決したことを報告した。
佐倉は涙を流して感謝の言葉を述べていた。
佐倉を助けるために集まった11人の精鋭たちは友情を深めライ〇グループを作ることになった。
(そういえば山内がいなかったな。とうとう池にも見限られたか)
山内哀れなり。
彼女持ちの池にいつもやっかんでいるから見限られても仕方ないだろう。
「そうなの?」
「池くんが解決してくれたようだものだよ」
僕は池の活躍を詳細に説明した。
池は鳥と会話するだけでなく、従えて人間を攻撃できるまでなったようで、その事実に桔梗が恐怖に震えていた。
「す、凄いね……」
「そうだね」
そんな池とは近々ダブルデートをすることになっている。
なので桔梗も池とは今後も絡むことになっていく。
「麻子ちゃんは大丈夫かな?」
「大丈夫じゃない。なんか面白がってるみたいだし」
「そ、そうなんだ……」
網倉麻子は面白い女子だ。
池が小鳥を会話するようになっても、遠ざかるどころか、ますます親交を深めて、ついには付き合うようになった。
「そろそろお風呂入ってくるよ」
「うん」
「一緒に入る?」
「今日はエッチまで我慢する!」
「そっか、残念」
「ごめんね。それと要がお風呂に入ってる間に自室に戻るね」
「忘れ物でもしたの?」
「ちょっとね」
そういい、桔梗は自室に帰っていった。
☆☆☆
「そっか、そっか……。要は何もしなかったんだ……」
要は佐倉のストーカーを撃退するためにいろいろ動いていた。
最終的に池がストーカーを撃退したらしい。
「池くんのくせに役立つんだね」
彼のおかげで要が傷つくことがなかった。
これで要が傷ついてたら私はストーカーと佐倉を許さなかった。
佐倉愛里。
私の要に助けを求めた根暗女だ。
「……ざけんなっ!」
あの女は明らかに要に気がある。
要を見つめるあのアバズレを見てすぐにわかった。
「全く勘違いしやがって……!」
要は誰にでも優しい。
今回はたまたま佐倉が困っていたから手を差し伸べただけ。
それなのにあの女は……。
「死ね死ね死ね死ね死ね! B級グラドルのくせに私の要に色目を使うな!」
どうせ助けられた後はあの下品な乳を使って要を誘惑するつもりなんだ。
でも残念。
要には私がいる。
要は私の身体に夢中だ。
私は要のちんこなしじゃ生きられない身体になってるけど、要も私のまんこなしじゃ生きられない身体になっている。
だから要に色目を使っても無駄。
要は私の身体があれば十分。
確かに佐倉や一之瀬の胸は私より大きい。
けどそれだけだ。
胸以外だったら私が全部勝ってる……はず。
だから要は私を選んでくれた。
これからもいろんな女が要に言い寄ってくると思うけど、要は私以外の女なんて眼中にない。
「要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡ 要♡」
要の部屋に戻ったら私は押し倒されるだろう。
一緒にお風呂に入りたがってたから、私の身体が欲しくてたまらないはずだ。
「ごめんね、要。せっかくお風呂に誘ってくれたのに断っちゃって」
でも私は悪くないんだよ。
悪いのは佐倉。
私に余計なストレスを与えた根暗女がいけないんだよ。
要に抱かれる前に余計はストレスは抜いておきたかったの。
だから叫んでたの。
「でも、その分私の身体を好きにしていいからね」
今日はどんなことをされるんだろう。
要はおっぱいが好きだから、おっぱいを虐めらながらたくさん突かれちゃうのかな。
それともオナホールのようにイラマチオされちゃうかも。
どっちでもいいや、
要が私の身体で気持ちよくなってくれたらどっちでもいい。
「あぁ……♡ かなめぇ……♡」
要に抱かれる自分を想像しただけであそこが疼いてきた。
でも我慢しないと。
もう少し経てば要のおちんぽが私を貫いてくれるから。
私はあそこの疼きに耐えながら愛しの彼の部屋に戻った。
切りがいいのでしばらくこっちはお休みします!
次回は発情ヒロインと息抜きで書いた一之瀬純愛ものを同時に投稿する予定です!