一之瀬がちょっとかわいそうな気もしますけど……
それととある科学の超電磁砲3期が来年1月から放送開始決定ですね!
食蜂大好きなので楽しみです!
池たちを手懐けた僕は、次に須藤を攻略(もちろん恋愛という意味ではない)することにした。
桔梗のおかげで須藤も遅刻、早退、授業中の居眠りはしなくなったが、彼の学力だとテスト勉強を真面目にしなければ赤点は確実だろう。
週明けの月曜からクラスで勉強会を行う予定となっており、僕は須藤に勉強会に参加させるために動いた。
「須藤くん、ちょっといいかな?」
昼休み。桔梗との昼食を早めに切り上げ、教室に戻った僕は須藤に声を掛けた。
「おう、どうした?」
須藤は嫌な顔もせず応じる。
池たちに嫌われていた僕だけど、須藤にはそこまで嫌われていなかったのだ。
恐らく、体育の授業でバスケの紅白戦をした際に、好プレイを連発した僕に好感を抱いてくれたのだろう。
「来週から中間テストに向けた勉強会を行うんだけど、須藤くんも参加してほしいんだ」
「わりい、部活があるから無理だ」
「でも赤点をとったら退学だよ?」
「うっ……」
僕たちは茶柱先生から赤点をとれば即退学になることを説明されている。
「退学になったらバスケをする場所は限られるんじゃない?」
日本は気軽にバスケをプレイできる場所は少ない。
一部の公園にはバスケットゴールが設置されているところがあるが、須藤の実家の近所にあるとは限らない。
「もし本当にプロになりたいなら高校は退学しちゃ駄目だよ」
僕は高校を退学した場合のデメリットを説明した。
「それにプロを目指すなら勉強も頑張った方がいい」
「なんでだよ?」
「プロの選手の大半が大卒だからだよ」
「……そうなのか?」
「知らなかったんだ……」
須藤はメジャーの茂野五〇タイプだと見た。
球技そのものは愛してるし、明確な目標があるけれど、プロの情報を知らなさすぎる。
「でもバスケが上手ければ大学に入れるんじゃねえのか?」
「確かにそうだね。でも最低限の学力を求められる場合もあるから」
「そうだったのかっ!?」
これは僕のでっち上げだ。
そもそも転生前も高校一年生の僕にスポーツ推薦の情報はそこまで持ち合わせていない。
だが単純な須藤なら僕の話を信じてくれるだろう。
「もし須藤くんが入りたい大学からスカウトが来て、学力が足りずに、入学できなかったら嫌でしょ?」
「そうだな……」
「それに本気で上を目指すなら英語は頑張らないとでしょ」
「え、英語……?」
もう須藤は落ちる寸前だ。これで止めを刺す。
「バスケットリーグの最高峰、NBAを目指すんじゃないの?」
「っ……」
「日本もプロリーグができて盛り上がってるけど、レベルもお金もアメリカには遠く及ばないでしょ」
「え、NBA……」
「違った? てっきりプロとか言ってたからNBA目指してると思ってたんだけど」
「そ、そうだよ……俺はもともとアメリカでバスケをするのが夢だったんだ……」
「そうだったんだ。なら英語はマスターしないと」
「おうっ! わかった! 俺も勉強会に参加するぜ!」
「……ありがとう」
これで須藤も攻略完了だ。
あとは僕と桔梗が丁寧に勉強を教えれば赤点をとることはないだろう。
彼らには平均60点以上は取ってもらう。
僕たちはBクラスになったので、原作と同じギリギリな点数じゃだめだ。
クラスの平均点を大幅に上げて、僕たちがBクラスになったのがまぐれじゃないとみんなに示すんだ。
☆☆☆
「須藤くんも勉強会に参加してくれるって」
「そうなの? 要、凄いねっ」
須藤の了承を得てすぐに僕は桔梗の席に向かって報告をした。
「バスケを餌にしたらすぐに落ちてくれたよ」
「要、悪い顔してるよ」
他人に聞かれないよう小声で言ったら、人相を突っ込まれてしまった。
「……そんな悪い顔してた?」
「うん。でも今はいつもの顔に戻ってる」
「そっか。……桔梗も僕みたいな顔してたの?」
「どうだろうね」
はぐらかされた。
いつも僕に笑みを絶やさない桔梗だけど、たまには黒い桔梗も見てみたい。
「それより本当にいいの?」
「なにが?」
「僕と一緒に須藤くんたちの勉強を見てもらうことだよ」
桔梗は池や山内を嫌っている。
最近は二人の言動はマシになってきたけれど、嫌悪感はなかなかぬぐい切れないものだ。
「大丈夫だよ。だって要のお願いだし」
「ありがとう」
「ううん、その代わりテスト勉強中も愛してね」
「……ほどほどにね」
池たちに勉強を教えるのを手伝ってくれる対価として、僕はテストの二日前まで、桔梗を抱かなければならない。
桔梗とのセックスは気持ちよすぎるので、勉強した内容が頭から消えないか心配だ。
「桔梗」
「なに?」
「第一の難関を突破した記念にデートしようか?」
「するっ!」
第一の難関とは須藤を勉強会に参加させることだ。
勉強会が始まれば、桔梗との時間は減る。
なので僕は勉強会が始まるまでは桔梗を目一杯愛でることにした。
「ラブラブだな」
自席に戻ると綾小路が死語を言ってきた。
「久しぶりに聞いたよ」
「死語だったか?」
「そうだね」
「……そうか」
軽くショックを受ける綾小路。
「綾小路くんは彼女作らないの?」
「興味はあるが、相手がいない」
「堀北さんは?」
ちなみに堀北は席にいない。なので堂々と彼女の名前を出せる。
「ただの隣人だ。友達すらないらしい」
「それは悲しいね」
「ああ」
「よかったら綾小路くんも勉強会に参加しない?」
「考えておく」
「うん、頑張った人にはご褒美があるからぜひ参加してね」
「ご褒美?」
珍しく綾小路が食いついた。
「うん、Cクラスの女子との食事会だよ」
「違うクラスの女子とか?」
「桔梗が友達でね。中間テストが終わったら一緒にご飯をする約束をしてるんだ」
桔梗は有言実行の女だった。
本当にたったの三日でCクラス(旧Bクラス)の女子たちと友達になったのだ。
しかも相手は一之瀬帆波、白波千尋、網倉麻子、小橋夢の四人。
唯一旧Bクラスで名前が判明してる女子生徒たちだ。
「食事か」
桔梗に他クラスの女友達を作ってもらった理由。
それは池たちに勉強を頑張らせるための餌を作るためだ。
よう実の女キャラは容姿に優れている子が多い。
一之瀬はもちろん、ほかの三人も美少女と言っても過言じゃない。
そんな女子たちと食事ができる。
池たちが頑張らないわけがない。
「……わかった。オレも参加させてもらう」
綾小路の勉強会参加が決まった。
堀北のぼっちルートが開拓されているような気もするけど、気にしないでおこう。
☆☆☆
一週間後。中間テストに向けた勉強会が始まった。
僕と桔梗は、綾小路、須藤、池、山内、博士の5人に勉強を教えることになっている。
5人を引き連れて図書室に向かう途中、周りからやたらと視線を感じた。
理由はわかっている。
僕たちBクラスが全校生徒から注目を浴びているからだ。
Dクラスから一気にBクラスに昇格したのは史上初だったようで、上級生もその話題で持ちきりらしい。
「うん〇ドリルかよっ!」
図書室の端で池が叫んだ。
うるさかったので桔梗に注意させると、すぐに大人しくなった。
「君たちは子供だからね、うん〇好きでしょ?」
今度は博士がスカト〇は興味ないと言ってきたので、足を思いきり踏みつけて黙らせた。
「いや、でもこれって小学生が使うドリルだろ?」
「俺たち高校生だぞ」
池と山内がブーブー文句を言う。
「でも基礎が大事だから。それにこのうん〇ドリルは桔梗が君たちのために買ったものなんだよ」
「え……?」
嘘である。これは僕が購入したものだ。
「桔梗ちゃんが?」
池が確かめるように問う。
「そうだよ。確かにこんなドリルやらされて馬鹿にされてるかと思うけど、勉強って基礎が一番大事なの。だから使ってほしいな」
「っ……!?」
ここで桔梗の上目遣い。
これで綾小路を含めた全員が一気に落ちた。
こうして池たちは真面目にうん〇ドリル(小学高学年用)と向かい合うことになった。
池たちにうん〇ドリルをやらせた理由は二つある。
一つ目は、下のクラスの生徒たちに、自分たちはうん〇ドリルで勉強をする奴らより下なんだ、と劣等感を与えること。
二つ目は、高校生が真剣にうん〇ドリルで勉強しているところを僕が見たかったから。
くだらない理由だと思うけど、僕は性格が悪い人間なのだ。
だから桔梗と相性がいいのかもしれない。
もちろんずっとうん〇ドリルで勉強させるつもりはない。
明日からは本格的にテスト勉強をする予定だ。
「桔梗ちゃんのうん〇ドリル」
山内が呟いた。
気持ち悪いからやめてほしい。幸い桔梗には聴こえてなかったようで、彼女は博士に勉強を教えていた。
小学生の問題を教えてもらう博士もどうかと思うが、やる気があるだけマシとしよう。
初日の勉強会は大きなトラブルもなく無事に終了した。
池と山内が愛おしそうにうん〇ドリルを抱えながら帰っていたのが気持ち悪かった。
須藤、博士は桔梗に教えてもらいながらすいすい解答していたので、小学生レベルの問題は大丈夫そうだ。
綾小路は一人で黙々と問題を解いていた。
「それじゃ僕たちも帰ろうか」
「うん」
時刻は18時を過ぎていた。
帰宅してから食事を作るのは桔梗も面倒だろうと思ったので、ケヤキモールのフードコートで夕食をとることにした。
僕は醤油ラーメン、桔梗はカレーうどんを美味しく頂いた。
夕食を済ませた僕たちは帰路についた。
帰宅してすぐに桔梗を抱いた。
本当は何発も桔梗の中に出したかったけど、この後にやるべきことがある僕は一発で我慢した。
やるべきこと―――それは堀北を生徒会長から助けることだ。
昨晩。久しぶりに予知夢を見た。
内容は堀北が兄である生徒会長に暴力を振るわれてるところだった。
原作では綾小路が助けにきたが、この世界では綾小路はぐっすり眠るらしい。
生徒会長に投げ飛ばされた堀北はうめき声をあげながらうずくまる。
最後に生徒会長が絶縁宣言をして去っていき、僕は目を覚ました。
堀北とは親しくないけれど、酷い目に遭うのがわかっていて、助けないのはさすがに心が痛む。
「桔梗、散歩に行ってくるね」
「こんな時間に?」
「うん、一人で考えたいこともあるから」
「一人で?」
「そうだよ。桔梗との将来を考えておこうと思って」
「っ……」
ただ散歩するだけなら、桔梗もついていくと絶対に言うだろう。
だから桔梗が納得してくれる理由を言わなければならない。
さらに彼女が上機嫌になってくれる理由なら文句なしだ。
「わ、私との将来……」
「うん。僕は桔梗と真剣に付き合ってるつもりだから」
「わ、私も要とは真剣に付き合ってるよっ!」
「知ってるよ。だからちょっと一人で考えたくて」
「……わかった。でも寂しいからなるべく早めに帰ってきてね……?」
「もちろんだよ」
懇願する桔梗を優しく抱きしめる。
風呂上がりのため、日中よりも清楚で清潔感のある香りがする。
思わず押し倒したくなるけれど、その誘惑を断ち切り、僕は予知夢で見た場所に向かった。
おそらく生徒会長と対峙することになるだろう。
けれど問題ない。
武力なら――――僕は誰にも負けるつもりはないのだから。
格闘シーンは期待しないでください……