年度明けの4月6日。この日がなんの日か知っているか?
学校の入学式や始業式? いやまぁ確かにな。ぶっちゃけそのイベントが多くの人の頭にあるだろう。6日ってのが絶妙だ。確実に土日は明けて平日だからな。1日とか2日みたいに明けてすぐって訳でもないし。割とちょうどいい。だが違う。
城の日? いやそれも違う。だけどあれよね。“しろ”の語呂合わせって多いというか、4と6でキャラクターかなんかの日とかにされやすいよね。かくいう俺の好きなキャラも4と6で名前が作れる。もしくは8と6。斬れないものなどあんまり無さそう。
卓球の日? え、なにそれ知らん。なんで4月6日が卓球の日なの? 卓球とかあんまり興味ないからわかんない。前陣速攻型とドライブ型とカット型があるくらいしか知らない。意外と知ってた。
4月6日の誕生石がブルーダイヤモンド? それは知ってる。というか、そこまで出てきたならもうそれが答えだ。そう今日は──
「俺の誕生日……」
とある場所へと向かう道中、俺は今日が自分の誕生日であることを自覚した。
というかだ。今日の朝になるまで気づかなかった。いや、そういうのあるよね。一週間前くらいは意識してたけど何か用事あると忘れてて直前で思い出したりする感じ。
そういう訳で俺は今日から21歳になった訳だが……だからどうしたって感じだな。
別に誕生日だからって何かがある訳ではない。お祝い事もないしな。毎年何事もなく終えるというか、タイミングが悪いので友人からも祝ってもらえないことが多い悲しい日でもある。
なにせ入学式や始業式があったりするからな。進学の時は初めて会う相手に祝われることはないし、始業式があるとまた微妙だ。ギリギリ春休みだったりすると目も当てられない。
だから俺の20年の人生の中で、誕生日をちゃんと祝ってくれたのは従姉妹の良子や春、後はボブくらいだ。良子と春の家族も一応。
というのもボブはともかく、良子と春は誕生日が近いんだよな……良子は4月10日で、春は4月18日。だからタイミングさえ合えば一緒にお祝いしてくれたりする。
良子は子供の時は春の大会とかで会ったり、春休みに会った時にお互いに祝い合う。春はなんだかんだで割と毎年祝ってくれたか。それが救いと言えば救いだ。普通の人よりは寂しいかもしれないが、特に不満はない。他人から見たら微妙に可哀想でも当人からすればそれが当たり前だからな。同情されるほうが鬱陶しかったりする。
とはいえ今年は……いつもよりは賑やかだ。俺は周囲の街並みを見ながら歩く。
「学生多いな……」
ボソリと呟く。うん、まあ時期的に、場所的にもそうだろうなと思う。
俺が今いるのは埼玉県。埼玉県だ。さいたま市だ。
……ぶっちゃけ特に知らない。ハートビーツ大宮の本拠地ってくらい。あと有名な子供向けアニメ、漫画の舞台ってこと。
試合や興行では何回か来てるが、正直あまり……いや、埼玉県民に怒られそうだからやめよう。そういうのは良くない。
ただ正直、あまりよく知らないんだよな。普通に栄えてる感じ。名産品とか何があるんだろうか……後で調べておこう。
とりあえず、目的の場所まではもうちょっとだ。やっぱ結構都心なんだな、と思いつつ向かっていく。
すると不意に携帯が鳴った。俺はそれを直ぐに取る。相手は大体分かってるからな。すると案の定、
『……もしもし』
「もしもし。やっぱ春か」
見知った声。少し淡々とした落ち着いた声がスピーカー越しに聞こえる。
彼女は滝見春。俺の地元、鹿児島に住んでる従姉妹で、今年高校一年生になる少女だ。
結構昔から知っている相手だけに、特に建前などもなく、素直に応対する。
『お誕生日、おめでとう……』
「おお、ありがとな。態々電話で。そっちも今は高校入学で忙しいだろ?」
『別に……今日は入学式だけで暇だった。この後は姫様達と部室に行くだけだし……』
「あー、あの有名な……」
『いつものこと』
俺は春の言葉で1人の少女を思い浮かべる。姫様、と春が呼ぶ相手は1人しかいない。
俺は面識はほぼない……いや、一、二回くらいは会ったことがあったか? ガキの頃に。そんなレベルなので知り合いという程でもないのだが、一応全国的にも有名な相手なので知ってはいる。
俺と春、そして良子は親戚だが、春の家とその親戚の……まぁ、神職関係の連中との付き合いはほぼないのだ。
一応、霧島神境のやべー本殿とかに行ったこともあるが……なんというか、常識が破壊されるスーパーオカルトな場所だってことくらいは知ってる。
あんまり人に話すような──話せるような内容じゃないが、鹿児島の神職連中はやべーオカルトなのだ。良子もそうだが、俺の中の常識を子供の頃に破壊した一因である。
とはいえ春はおとなしい……せいぜいお祓いが出来るってくらい。それもガチの。これくらいでは特に驚くこともないと思ってしまう。
春が入学したのも、神学系の永水女子高校。去年のインターハイで全国的にも有名になった高校で、全国ランキング3位のとんでもない学校でもある。
春も割と強いんだよな、と思いつつ、俺はそのお祝い電話を受け止めて、こちらからも用件を伝える。
「まぁ、それはいいとして……お前も、もう少しで誕生日だし、高校入学もあったろ? 適当にプレゼント送っといたからな」
『……ありがとう……じん兄……ポリポリ』
「ああ、中身は──って、電話口で黒糖食うなっ。行儀悪いぞ」
『冗談……ほんとは食べてない』
「本当か……? お前、いつも食べてるからな……信用出来ないが……」
『……黒糖は美味しいから……しょうがない』
「しょうがなくないけどな」
そう、春は黒糖が好物で、いつも持ち歩いては食べている。昔からそうだった。
どうやら今も変わってないようだが、そんなに黒糖食べて大丈夫か? と思う。糖尿待ったなしな気もするが。
だが今気にしてもしょうがないので、呆れながらも諦めるしかない。まぁ、今度会った時に注意してやるかと、
『そういえば、見た』
「……? 見たって何を」
『5000円で麻雀教えるやつ……』
「あー、あれか。いやまあちょっとした小遣い稼ぎというか、将来の為の投資というかそういうやつだ。評判が良ければどっかでコーチとして働くことも──」
『……なら、うち来る?』
「ああ? ……うちって……」
『永水女子』
「そうだよな……えー、いやまぁ……」
春からそんなことを言われて、少し唸ってしまう。前々から考えることだが、ホントに迷いどころなのだ。
そりゃちょっとこのオカルトを使って、あのテレビで見た有名な姫様とかと……とは思わないでもないが、あそこはオカルトの総本山みたいな場所だし、どいつもこいつもオカルト慣れしてる上に、麻雀だって強い。相当難易度が高いから行くのはちょっと覚悟がいる。
それにだ。何より、実家に帰りたくない。それに尽きる。実家さえ鹿児島に無ければ、俺も肉棒をギンギンにしてこの性欲を発散してやろうとウッキウキで向かうのだが……それがネックなのだ。
オカルト満載でオカルト探知にも長けた良子に俺のオカルトも効いたし、オカルトの効力とか露見に心配はないが……それでも、あの神降ろしの魔物に効くのかと言われるとちょっと不安でもある。
逆に言えば、あれに効くならもう誰に対しても効くだろう。それを試す意味でも、どこかで永水女子とは接触したいんだけどな……あと、春がお世話になってるし、ちょっと普通に挨拶もしとくのも悪くない。
特に今は相当ムラムラしてるし、行けるものなら行きたい。はぁ、おっぱい……おっぱい揉みたい。おっぱい欲を満たしたい。
『……考えといて』
「ん、ああ……そうだな。考えとくよ」
春の言葉にはそう返すしかない。そういえば春も、数年前に見た時は結構胸も膨らんできてたよな……今は結構成長してたりするんだろうか。親戚の良子があれだし、期待は出来る。若干の抵抗もある……あるが、良子とヤッた時点でそんなものは霧散したというか、性欲に勝るものではなくなってしまった。まぁ従姉妹だし、兄妹とかならさすがに無理だけど、従姉妹なら全然イケる。世間的にも問題ない。
「とりあえず、またお前の誕生日にでも電話する。……あ、良子にもちゃんと──」
『先に電話した……おめでとうって』
「って、俺の方が誕生日先なのにっ!? 」
4月6日の俺と10日の良子。今日は6日だし、一緒にお祝いするとはいえ、10日の良子よりも先におめでとうと言われて然るべきだと思うのだが、やはり性別の壁は大きかったか。
「はぁ……それじゃあな」
『ん……また、ね』
春との電話を切り、二回目の溜息。相変わらずマイペースな奴だ。
ともあれ、態々誕生日に電話してくれたんだし、嬉しくは思う。祝ってくれる奴が少ないから、それだけにな。
とか思っていたら、携帯に別の連絡が。こっちはメールか? えっと、
『誕生日おめでとう先生! ユキも入学したし、有珠山高校麻雀部伝説の始まりの日でもあるな! ほら写真!』
「って、獅子原か……有珠山高校麻雀部員よりって……」
獅子原爽。北海道、有珠山高校麻雀部の部長である彼女からのお祝いと報告メールが来ていた。
態々律儀な奴らだな、と思う。3日だけのコーチにここまで絡んでくるとか普通ないだろと。
だが純粋に嬉しく思ってしまう。見れば5人全員で有珠山高校の制服を着た写真が添付されていた。入学したばかりのユキも当然入ってる。
『夏には東京行くから、その時は皆で写真撮ろう!』
「はは……もう行く気でいやがる……自信満々だな」
そして何気ないが、俺も皆の中にさりげなく入ってるのが面映い。いや、お前ら5人で全員だろ。そこに俺が入るってのはな──というツッコミが浮かぶが、どうも言う気にはなれないな。
俺は短く──期待してるぞ、と送ると携帯を閉じようとし……しかしチャットも届いていることに気づいた。というかこっちは、
『先生、お誕生日おめでとうございます。それと私、入学しました』
……ユキか。一応あの面々とは個人でも連絡先は交換してるからな。全員を代表して獅子原が送ってきただけかと思ったが、ユキの方もちゃんと送ってきてくれている。
送られてきた写真には、有珠山高校制服姿のユキの写真が。……やっぱでっかいな……こんなちっちゃいのにこんなでかいの犯罪すぎる。
このロリ爆乳美少女とエッチしたんだよな……と、つい感慨に耽ってしまうが、自重しないと思い出し勃起してしまう。ただでさえ、もう一ヶ月近く抜いてなくてヤバいのだ。ちょっとでも想像すると股間がイライラする。
だというのにだ。ユキの続くチャットと写真は、
『先生がいなくて寂しいですが、先生と会うために頑張ります。夏にはお会い出来ると思うので、その時は先生と沢山エッチしたいです』
そんないやらしさ、いじらしさが詰まった文面に股間がムズムズする。だからやめろって。想像するとヤバいから。
『それと、先生の為に自撮りというものをしてみましたので、どうぞ受け取ってください』
「っ……これは……」
思わず携帯の画面を周囲から隠す。一応人の往来が多い街中なのだ。この写真は見られたらマズい。
ユキから送られてきた写真は……制服姿のユキ。上から撮ってみた写真で……わざと、制服の胸元を緩めて、ユキの吸い込まれそうな深い胸の谷間と……少しずらしてユキの左胸を──その先端の乳首を晒している写真。
やらしい陥没気味の乳頭。それを相変わらずの真顔。だが少し興奮しているのか、口を半開きにして頬を僅かに赤くしたユキが映っていて、
『最近、先生を想って1人でシてしまいます。それと、また胸が大きくなったかもしれません』
「っ……」
『また先生に揉んで貰ったり、先生のおちんちんを挟んであげたいです。……そうやって想像しながら自分で慰めてしまったからでしょうか?』
ぐっ……うおお……! 今直ぐ北海道行きてぇ……!!
なんだこのエロい子。そういうのを教えたつもりはないのに、気がつけば1人でオナニーしちゃうほどエッチに目覚めてやがる。いや、俺が目覚めさせてしまったのか。それを思うと興奮してしまう。くそっ、今直ぐこのユキとかいうJKデビューしたエッチなロリ爆乳ちゃんを俺の肉棒で慰めてあげたい。あぁ、なんで俺こんなところにいるんだ……馬鹿か? 馬鹿なのか? こんなエロい子がいるのに……!
くそっ、と俺は股間が勃ち上がるのをズボンの締め付けで無理矢理押さえながら、チャットを打つ。自分でも気持ち悪いと思うが、
『夏になったら、また滅茶苦茶にしてやるからな』
『はい、絶対会いに行きます。その時は是非エッチしましょう』
すっごい真面目な文面っぽいのに、単語だけがヤバい。ユキの真面目というか、ある意味純粋さが出ている。純粋に俺とエッチなことがしたいのだろう。
あー、なんか、ちょっと誕生日祝われて気恥ずかしいような嬉しいような良い感じの気分だったのに、やっぱりムラムラしてしまった。ほんと良い話ブレイカーである。
こんなんで、この後のパーティ大丈夫なのかと思う。せっかく祝ってくれるんだぞ、俺の女達が。さすがの俺も少しは真面目にならないとな──。
「東郷くん、お誕生日おめでとう!」
「おめでとうございます先輩!」
「ハッピーバースデー、ジン」
「……お、おお、どうも」
目的地に着くと、早速祝われた。眼の前には笑顔の美少女が3人。
瑞原はやりに戒能良子、それに加えて宇野沢栞と、女子のトッププロに大型ルーキーの贅沢なメンバーであった。
「久し振りだねー! とりあえず、上がって待っててね!」
「あ、はい。お邪魔しますはやりさん……って、料理ですか」
「うん! せっかくのお誕生日だし、しおりんも料理が得意みたいだから一緒に作ろうって。ね? しおりん☆」
「はい。もう少しで出来るので楽しみにしといてくださいね」
「わ……わかった。それじゃあ……」
俺ははやりさんの家──高級マンションの一室に足を踏み入れて、そわそわしながらソファーへと移動する。
俺を態々祝ってくれる3人。彼女達がいる室内はとても華やかで、料理の香ばしい匂いも合わさって、とんでもなく尊い空間である。
「オフが重なってラッキーでしたね」
「うん。特によしこちゃんも一緒だから一緒に祝えるし」
「あ、そういえば先輩。琉音さんからもおめでとうって伝えてほしいと伝言が……」
「……いや、直接伝えろよ。なんで伝言……?」
「琉音ぴょん、今イベントで福島まで行ってるから誘ったけど難しそうだったんだよね」
「あー……そうなんすか。いやまあ、いいっすけどね……それだけでも十分……」
エプロン着用で料理をするはやりさんに栞。そしてソファに足を組んで腰掛ける良子とやり取り。
琉音もどうやら祝おうとはしてくれたみたいで一応感謝するが、なんというか、ほんとこういう雰囲気はどうしていいか分からない。
なんとなく、目線を逸らし、良子が座るソファーのサイドから人2、3人分離れた中央に座る。
すると良子がこちらをじっと見てくる。俺は訝しみ、
「……なんだ?」
「……照れてるんですか?」
「は? ……い、いや別に照れてねぇよ」
「照れてますね」
は、いや、照れてないし。証拠でもあんのか。証拠だせオラァ!
良子が全く見当違いのことを言ってきたので顔が熱くなる。はーやだやだ。勘違いとかもうね。いやなんかもう……やめてほしい。とにかくやめろ。そういうのはずるいから。
微妙に微笑ましい感じでこっちを見て微笑を浮かべる良子がムカつく。良子は春と似て、表情の起伏が分かりにくいが、それでも春よりは分かりやすい。口角とかあんまり上がらないけど、昔から知ってるので俺には分かる。だがクールでミステリアスな感じがまた美人だから困る。ほんとずるいわ。久し振りに生で見たせいか、いつもより増し増しで美人に見える。長い足組むな。エロいから。ああ、ヤバい落ち着け。今ここで勃つのはヤバい。だから落ち着こうと俺はいつものように話をすることにする。
「というか、お前は料理しないのかよ」
「私も今日はゲストなので。4日後は集まれませんからね。それぞれ試合もあって」
「……まあそうだろうけどな。どうなんだ、調子は」
「最近はネフティスとテスカトリポカの調子が良いですね」
「普通なら意味分かんねーはずなのに分かる自分が嫌になるな……」
相変わらずオカルト満載な麻雀をしてるっぽい良子。いやほんと、対戦相手に同情する。麻雀やってる筈なのに、訳分かんねぇエフェクト出しまくるからな、こいつは。
「そっちはどうなんです? 色々と足を伸ばしてるとは聞きましたが……」
「……別に、普通だ。消費する一方だからなんとか職を見つけたいところだが中々厳しいって感じか」
「マネーですか。……まぁ、本当に困ってるなら、少し貸しても構いませんが……」
「いらねぇよ。年下の従姉妹から借りる馬鹿が何処にいるんだ」
「……そうですか。まあお金は余ってるので、困ったらいつでも連絡してください」
と、そう言ってくれるが、幾らクズの俺でも、従姉妹から金を借りるのはさすがにどうかと思う。
そもそも金の貸し借りがあんまり好きじゃない。借りると心苦しいし、貸すと……十中八九返ってこないしな。貸すくらいなら最初からあげちまう。
……とはいえ、困ってるっちゃ困ってるんだよな。別に今直ぐ困るって訳じゃないが、1年か2年以内にはなんとかしないと路頭に迷う。
ちょっと気になったので俺は聞いてみることにした。
「……つーかお前、幾ら貰ってんだ?」
「……中々デリケートなところを突っ込んできますね……ブラザーだからいいですが、普通は聞きませんよ……」
「俺だってお前にしか聞かねぇよこんなこと。お前、去年は大活躍で年俸は上がってるだろうし、番組とか中継のギャラとかもあんだろ? 後グッズとかイベント、国際試合で勝った時の協会から出る支援金とか、雑誌の取材にグラビア……実際、若手でトッププロのお前がどんくらい稼いでるのかはちょっと興味ある」
「よくそうスラスラと出てきますね……まぁ、構いませんが。ではちょっとイヤー貸してください」
と、良子が俺に座ったまま近寄ってくる。いい匂いがする。あ、ヤバい。すげぇムラムラする。近くで見ると胸とか腰とか、こいつのスタイルの良さが更によく分かるし……とか思っていたが、耳元から聞こえた金額でそういった想いが吹き飛んだ。
「──は? マジ? やっべ……ひと月で俺の貯金の倍以上稼ぐじゃん……めげるわ……」
「いえ、最初は驚きましたけど、残高の0が一桁増えてからは正直麻痺してきますよ。それに、忙しくて使う機会があまり無いですしね。……それより、私でこれなので、はやりさんとかはもっと稼いでいるかと。そっちの方が私は気になりますね……」
「……言われてみれば、お前でそれなんだよな……ってことはだ。単純に考えても数倍は固いよな……」
「噂ですが、アイドルとしての印税がとんでもない額らしいですよ。逆に、牌のお姉さんのギャランティはそれほど……」
「ちょ、ちょっとふたりとも? なんか嫌な話してない?」
「「ないない。ノーウェイノーウェイ」」
「ほ、ほんとかな……?」
「先輩と良子さん、息ぴったりですね……」
ひそひそ話がちょっと聞こえていたのか、はやりさんが嫌な予感を感じてツッコんで来たので、良子と二人して手と首を振って誤魔化す。苦笑いの栞と共に不安そうなはやりさんがキッチンに戻っていったが、そこで俺と良子は話を再開させた。
「……でも確かに、あの番組、国営だしギャラはあんまり高くないって聞くな……ならやっぱこんくらいか?」
「そうですね……私の予想ではそれよりもうちょっと上ですか」
「どっちにしろヤバそうだな……ちょっと良子。お前、痛さ爆発で聞いてこいよ。そういうの分かりませんって感じで」
「嫌ですよ。……それなら私がこの辺に漂う霊でも降ろして聞いてみた方が確実ですね。預金残高くらいなら知ることも不可能では──」
「──って、やっぱり嫌な話してるよね!? もう東郷くんよしこちゃん! そういう話は駄目だからねっ!」
「「バレた……」」
「あ、あはは……霊とかなんとかはツッコまなくて良いんでしょうか……」
二人して、はやりさんに注意される。うん、まあちょっと下世話な話過ぎたか。──あと栞。良子の霊とかオカルト云々はツッコんだら負けだ。麻雀以外でも使える奴だし、正直俺にとっては今更というか日常茶飯事である。お前もプロになるなら慣れた方が良い。
しかし良子の……若手のトッププロの稼ぎは衝撃だったな。
はやりさんも、この家とかもそうだが、家具とかも結構良いものっぽいのばかりだし、お金には困ってないよね、確実に。……この分だと、栞も俺より稼ぎそうだな……年俸は俺より確実に上だろうし、メディアの露出にも期待出来るし。
なんかもう、マジで養って貰った方が良いんじゃねぇかなって思う。いや、前々から思ってたことではあるが、さすがにみっともないかなって思って考えないようにしていることだ。男のプライド的にね……。
とはいえ、多少の緊張はほぐれた。……いや、こういう経験って殆どないから、どうしていいか分からんねんな。誕生日パーティとか初めてだし。去年、良子が食事に誘ってくれたくらいでもちょっと感動してしまった俺だ。
別にだからどうという訳でもないが、むず痒いのはしょうがない。というか、
「……そういえば良子も、20歳になるんだよな」
「イエス。お酒を飲むのが今から楽しみです」
「あー……まぁ、大丈夫だとは思うが、最初は程々にしろよ。自分のペースが分かるまでは」
「……なら今度、飲みに連れて行ってください」
「お前がオフの時ならな……まぁ、はやりさんよりは強いだろうけど」
「はやや……また私の話……」
「は、はやりさん! 焦げちゃいますよ!?」
キッチンがまた騒がしい。……いやまぁ、あんまり見ないようにはしている。刺激が強いし。
お酒はまぁ、親戚連中は皆強いし、良子も強いだろうからあまり心配はしていない。
逆にはやりさんは飲むと直ぐに酔ってふにゃふにゃになる。それはそれで可愛いしエッチだから良いんだが、手は掛かるので俺と良子で注意していたりするのだ。
俺も今日は誕生日だし、飲んでもいいのだが……出来れば遠慮したい。
何故なら、歯止めが効かなくなりそうで怖いからだ。
俺は先程から、ぶっちゃけ我慢している。──性欲が湧き立つのを。
俺は最後に栞とエッチした一ヶ月前から今日まで、一回も抜いていないのだ。
タイミングが合わないというか、依頼も4月からだったし、出来るタイミングが無かった。
一ヶ月抜いてないので、今の俺はヤりたくてしょうがない。
だがちょうどよく誕生日だったので、この性欲を発散していいものか悩んでいる。
皆、態々俺の為に祝いの席を開いてくれてるのだから、さすがに襲いかかる訳にはいかないだろうと。
だからちょっと良子といつものやり取りを交わしてみたり、視線を逸らしたりして気を紛らわせているのだが──どうしても視界に入ってしまうから、質が悪い。
今のこの状況……ここにいる3人は全員、俺の女なのだ。
キッチンを見れば相変わらず胸の谷間が開いたエッチな衣服とエプロンを身に着けたはやりさんと、同じくエプロンを身に着けて料理をする栞がいて、俺の隣にはタイトスカートから伸びる足が眩しい良子がいる。
どこを見てもおっぱいがぷるんぷるん揺れてて、とんでもなくムラムラする。料理をしているはやりさんと栞の後ろ姿もたまらない。後ろからはみ出るおっぱい。安産型のお尻。キュッとしまったウエスト。後ろから抱きついて襲いたくなる衝動を抑えるしかない。
だが隣には良子がいて、相変わらずそのスレンダー爆乳振りが俺の肉棒をイライラさせる。結局その無自覚な誘惑からは逃れられない。
いや、本当は誘惑に負けたい。同じ部屋に俺好みで俺に惚れてる3人の爆乳美少女達がいて、男が俺1人という状況は、色々とたまらないのだ。
このハーレム感に、俺の肉棒が勝手に反応しようとする。エッチしてもいい相手が近くに3人だ。全員、俺が女にした。
それを思うとニヤついてしまいそうになるが、自重せざるを得ない。それがキツい。
今日この後、どうにか出来れば良いのだが……お祝いってのもあってタイミングが難しく、しかも3人もいるため言い出しづらいのがある。
この一ヶ月の昂りを発散したい。したいが、彼女達の厚意を無碍にも出来ない。
結局俺は動くことは出来ずに、誕生日というイベントを普通に楽しむしかない。くっ、嬉しいのにキツい……生殺しがこんなに辛いとは、かつて思いもしなかった。
「東郷くん、よしこちゃん、お料理出来たよっ」
「ケーキも作って置いたんです。今出しますね」
はやりさんと栞の声が届き、俺と良子はテーブルへと向かう。……いやほんと、有り難いことだ。この間だけは封印しよう。なんとか、多分ね。
──そうして、俺は3人と一緒に誕生日パーティを経験した。
はやりさんと栞が作った美味しい料理の数々。俺と良子の好物が多く、ケーキも態々栞が朝から作ってくれたらしい。
ケーキにロウソクを立ててお決まりのやつをやって、誕生日プレゼントも貰った。良子も同様に。良子からも貰ったし、実は後日、俺も良子にプレゼントを送っている。それを言ったら喜んでいたので、まあ良かった。
それからは食事をして、色々な話をした。同じハートビーツだからか、はやりさんと栞はもうすっかり仲良くなっているし、良子も同様に、栞とは打ち解け始めていた。
俺は……こそばゆい気持ちになりながらも、まぁ、普通に嬉しいというか、3人には感謝だな、と思っていた。
しょうがない。これだけ祝ってもらったのだし、今日くらいは諦めようと、また少し我慢する覚悟を決めたところだった。
──そんな矢先にだ。食事も終わり、ソファーで休憩してお喋りをしている最中に、はやりさんは言った。
「東郷くん……その、ね。私もよしこちゃんみたいに、名前で呼んでもいいかな?」
と、そんな可愛いことを言ってくれる。俺の答えは一つだ。
「全然いいですよ。むしろ、はやりさんから名前で呼ばれるなんて嬉しいです」
「良かった。それじゃあ……じんくんって呼ぶね?」
ズキュン、と心臓にダメージ。はやりさんの名前呼びは破壊力が凄かった。ついでに股間も反応しそうになる。自重しろ。
「お、オッケーです、はやりさん」
「えへへ……前から名前で呼びたいって思ってたから呼べて良かったよ」
「……はやりさん、そろそろ──」
「…………」
「あ、そうだね☆ ごめんねじんくん。実は、もう一つプレゼントがあるんだけど……その準備があるから、ちょっと席外すね。大丈夫?」
「あ、はい。全然大丈夫っすよ」
「良かった。……それじゃあよしこちゃん、しおりん、行こっか」
「はい」
「せ、先輩はここで待っててくださいね?」
「おう……ん?」
プレゼントがあると聞いて退席するはやりさんを見送る……のだが、3人ともリビングから別室に消えていった。
え、なに? そんなに大掛かりな物なの? てっきりはやりさんだけかと思ったのに、3人とも? マジで何するつもり?
ちょっと予想がつかない。プレゼントか……いやまぁ、何を貰っても嬉しいけどな。あの3人からなら。雑草でも家に飾るまである……いやごめん。さすがに雑草だとどうだろう。まぁ、無碍には出来ないので天ぷらにして食べるくらいか。揚げれば大体のものは食べれる。揚げ物って偉大だな。
とにかく、待つ。待つのだが……意外と遅いな。マジで何持ってくるつもりだ?
数分か、もしかしたら10分くらいは経っただろうか。俺はなんとなく携帯を開いて色々と確認していると──別室から声が届いた。
「じんくーん! 準備が出来たから、こっち来てくれる?」
「あ、はーい。……え、なに?」
はやりさんの声に従って立ち上がり、3人が消えていった部屋へと向かう……いやなんだ? ほんと、持ち運べない程にとんでもないプレゼントだったりするのか?
俺は部屋の扉を開いて、中へと足を踏み入れる。──そして目の前に広がる光景を見て、俺は身体を固まらせた。
「えへへ、お待たせ、じんくん♡」
「サプライズプレゼントですよ」
「んっ……やっぱり、恥ずかしいですね、ちょっと……」
「っ……こ、これは……」
そこは寝室だった。
はやりさんが普段使っていると思われるキングサイズのベッド。
そしてそのベッドの縁、俺の正面に並んで座っているのは……水着姿の3人だった。
俺は喉を鳴らす。その水着には見覚えがあった。
「さ、3人とも……それ、水着グラビアの……」
「うん、そうだよっ。グラビアで着た水着。全部本物だよ」
「ジンが1番喜ぶことと言えばこれですよね」
「その、恥ずかしいですけど……皆で相談して……先輩を喜ばせてあげようって」
「お、おお……」
雑誌に載せられたグラビア。3人の水着は、それぞれグラビアで見せた水着姿そのものだった。
はやりさんは桃色の、フリルやリボンのついた可愛らしいビキニトップにパレオで、良子は紫のセクシーな水着。栞に至っては、かなり露出度の高いマイクロビキニだ。それも同じく、実際に学生時代のグラビアで着たもの。
3人の魅力的な身体、その深い谷間を覗かせるおっぱいや、くびれた腰つき、女性らしい肉付きの太腿。シミ一つない白い肌。
本来、グラビア越しでしか見ることの出来ないアイドル雀士達の水着姿。それを、3人同時に、しかも密室となった寝室、ベッドに並んだ状態で視界に収めている。
その事実に、頭がクラクラする。写真ではなく、実際に水着姿で身体をよじる現実の彼女達を見て、俺の身体は勝手にその先を期待して、一瞬で準備が整う。
「今日は、その……他の人には見せないじんくんだけのグラビア……じんくんだけのはやり達を楽しんでね♡」
「水着で、3人でシてあげます。水着で、4Pですね」
「先輩が大好きなおっぱいを、好きなだけ味わってくださいね?」
股間が、肉棒が、ギンギンにいきり勃つ。
ずらりと並んだ3人のトッププロ。アイドル雀士。水着に包まれた6つのおっぱいが、それぞれの動きに合わせて、ふるふると揺れ、俺にその深い谷間を見せつけてくれる。
こんなのは、ヤバい。ヤバすぎる。
海やプールで水着を着るのとは訳が違う。彼女達は、寝室のベッドの上で水着を着ているのだ。
泳ぐために着ているのではなく、俺という男を誘惑するために。俺とエッチなことをするためだけに、多くの人の眼に映ったグラビア水着を着ている。
そのことに濃厚な性の気配を感じる。ベッドの上の水着姿の爆乳美少女3人。俺とハーレムエッチ。4Pという妄想でしかあり得ないことをしてくれる。
「はぁ……はぁ……ま、マジか……こんなの、たまらん……ヤバい……」
先程まであんなに我慢してた肉棒がギンギンに、最高潮に勃起し、俺は理性を一瞬で溶かしながら3人に真っ直ぐ近寄っていく。
ル○ンダイブ──なんてことは現実には出来ないが、ただ真っ直ぐに近づいて3人を味わおうと手を広げて飛び込んだ。
「はぁ、ああ……! 最高……ああっ……!」
「あんっ。えへへ、久し振りに抱きしめられちゃった……んっ、じんくん……♡」
「私達も我慢してたんですよ? だからもう……今日はもうずっとセックスです……♡」
「先輩、脱がせてあげます……あっ、腰もじもじして……可愛い……♡」
正面から、3人に抱きつく。右に栞、左に良子、正面にはやりさんだ。
腕を精一杯広げて、無理矢理彼女達と密着すると、それだけで大興奮だ。
想像以上の柔らかさ。瑞々しさ。上半身に押し付けられる、6つの特大おっぱい。
誰か1人でも、味わえたのなら死んでもいいと思えるような最高級の美少女達の肌の感触を、3人同時に味わう快楽は、もうそれだけで締まりのない表情を浮かべ、陶酔してしまいかねないほどの最上位の優越感だ。
両手に花どころではない。上半身に──もうたっぷり。胸いっぱいに広がる女体の柔らかさ。全身で美少女3人を侍らせる。もうこれだけで肉棒がビクビクと跳ね回る。興奮しすぎて、先走りはおろか、弱めの射精をしてるんじゃないかと思えるほどの、継続的な甘い快感が腰回りにひたついてきている。
俺の身体で、もにゅもにゅ♡ と形を変える6つの水着おっぱい。もう今すぐそれを味わおうと服を脱ごうとしながら、顔を近づけてくる3人。俺だけが味わえる3人の柔らかな唇。
それを皮切りに、男にとって、俺にとって、最高の快楽の時間は始まった。
分量多くてエロエロまで行けないやつ。次回は4Pです。長くなりそう。頑張って書くから全裸待機して待ってどうぞ
皆の熱い感想、待ってる